特許第6872839号(P6872839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872839
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】成形品取出し機
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/42 20060101AFI20210510BHJP
   B25J 15/04 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B29C45/42
   B25J15/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-24994(P2017-24994)
(22)【出願日】2017年2月14日
(65)【公開番号】特開2018-130856(P2018-130856A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132231
【氏名又は名称】株式会社スター精機
(74)【代理人】
【識別番号】100081466
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 研一
(72)【発明者】
【氏名】水野 耕治
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 延之
【審査官】 ▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−064020(JP,U)
【文献】 特開2009−023050(JP,A)
【文献】 特開2004−268482(JP,A)
【文献】 実開昭59−157806(JP,U)
【文献】 実開平04−028989(JP,U)
【文献】 特開2013−039819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 − 45/84
B25J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャック手段を少なくとも樹脂成形機の中心軸線方向及び中心軸線直交方向へ移動して金型内の樹脂成形品を樹脂成形機外へ取り出す成形品取出し機において、
上記チャック手段を上記中心軸線方向及び中心軸線直交方向へそれぞれ移動するフレームと、
チャック手段が取り付けられるフレームの端部にてチャック手段の取付け面が金型のパーティング面に相対する垂直位置及び下方を向く水平位置の間で基盤が揺動可能に軸支される姿勢制御側アタッチメントと、
上記チャック手段が取り付けられるフレーム端部に設けられ、上記基盤に連結されて該基盤を上記垂直位置及び水平位置の間で選択的に揺動させる作動部材と、
上記チャック手段が取り付けられ、上記姿勢制御側アタッチメントに着脱可能なチャック側アタッチメントと、
を備え、
上記姿勢制御側アタッチメントは、上記基盤に設けられたシリンダ部材によりチャック側アタッチメントに対する固定位置及び固定解除位置の間で移動されるカム部材、カム部材の移動方向に軸線を有した円筒状で上記基盤に設けられ、内部にカム部材が上記位置間にて移動可能に収容されると共にカム部材の移動直交方向に軸線を有した複数のボール支持孔が形成されたボール支持部材、各ボール支持孔内にてカム部材の移動直交方向へ抜け止めされた状態で移動可能に収容され、カム部材に形成された固定用傾斜溝に摺接して一部がボール支持孔から突出可能な固定用ボールからなると共に、
チャック側アタッチメントは、姿勢制御側アタッチメントのボール支持部材が挿嵌可能で、固定用傾斜溝に相対し、固定位置に対するカム部材の移動に伴ってボール支持孔から一部が突出した固定用ボールを係合する係合用傾斜溝が形成されたボール受け部材からなり、
チャック側アタッチメントのボール受け部材内に姿勢制御側アタッチメントのボール支持部材を挿嵌した状態で作動されるシリンダ部材によりカム部材を固定位置側へ移動し、固定用傾斜溝に摺接するボール支持孔内の固定用ボールをカム部材の移動直交方向外側へ移動してボール受け部材の係合用傾斜溝に係合して姿勢制御側アタッチメントにチャック側アタッチメントを固定することによりチャック手段を取付け可能にする一方、上記姿勢制御側アタッチメントに対するチャック側アタッチメントの固定状態にて復動されるシリンダ部材によりカム部材を固定解除位置側へ移動し、固定用傾斜溝に対する摺接が解除される固定用ボールをカム部材の移動直交方向内側へ移動して係合用傾斜溝への係合を解除して姿勢制御側アタッチメントからチャック側アタッチメントを離脱可能にすることによりチャック手段を取り外し可能にすることを特徴とする成形品取出し機。
【請求項2】
請求項1において、
姿勢制御側アタッチメントのボール支持部材には固定用ボールが収容されるボール支持孔とは別のボール支持孔を複数設け、各ボール支持孔内にはカム部材に形成された離脱用傾斜溝に摺接して一部が突出可能な離脱用ボールをカム部材の移動直交方向へ移動可能で、かつ抜け止め可能に収容すると共にチャック側アタッチメントのボール受け部材には固定解除位置に対するカム部材の移動に伴ってボール支持孔から一部が突出する離脱用ボールに摺接して姿勢制御側アタッチメントからチャック側アタッチメントを離脱方向へ移動させる突出し用傾斜溝を形成した成形品取出し機。
【請求項3】
請求項1において、
シリンダ部材は基盤に形成された円筒中空部内にピストンを摺動可能に支持し、中空部内へ選択的に供給される流体圧により摺動するピストンによりカム部材を上記固定位置及び固定解除位置の間で移動させる成形品取出し機。
【請求項4】
請求項1において、
上記作動部材は上記チャック手段が取り付けられる上記フレームに本体部が取り付けられると共に作動部が基盤に連結される回動用シリンダ部材及び該フレームに取り付けられ、上記基盤に連結される電動モータのいずれかとした成形品取出し機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形機から樹脂成形品を取出す成形品取出し機、詳しくは樹脂成形品を保持するチャック手段を垂直状態と水平状態の間で反転させて所望の姿勢にする姿勢制御ユニットにチャック手段を着脱するチャック着脱手段を備えた成形品取出し機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば三軸直交型の成形品取出し機においては、樹脂成形品を保持するチャック手段を樹脂成形機の中心軸線方向、中心軸線と直交する方向及び上下方向へ移動して型開した金型間に進入させて樹脂成形品を保持して取出しているが、型開した金型間にチャック手段を進入させる際には該チャック手段を垂直状態に、また保持された樹脂成形品を樹脂成形機外にて開放する際にはチャック手段を水平状態になるように姿勢制御する姿勢制御ユニットを介してチャック手段を取り付けている。
【0003】
該姿勢制御ユニットは、例えばチャック手段を昇降する昇降ユニットの下端部に設けられるフレームに揺動するように軸支される反転ブラケットを、連結されたエアーシリンダや電動モータの揺動部材によりチャック手段の取付け面を垂直状態と水平状態の間で反転させるように構成される。
【0004】
また、チャック手段は取出そうとする樹脂成形品に応じて大きさや吸着部材の配置状態が異なるため、チャック手段を取出そうとする樹脂成形品に応じてその都度、交換する必要がある。そしてチャック手段の交換作業を短時間に効率的に行う必要から上記反転ブラケットに特許文献1に示すカップリング装置のアーム側アタッチメントを取り付けると共にチャック手段にツール側アタッチメントを取り付けてチャック着脱手段を設け、反転ブラケットに対するチャック手段の着脱を簡易化している。
【0005】
しかし、金型内から樹樹脂形品を取出すには姿勢制御ユニット及びチャック着脱手段を含むチャック手段が進入可能な幅で型開した後にチャック手段を進入させる必要があるが、姿勢制御ユニットの反転ブラケットにチャック着脱手段のアーム側アタッチメントを取り付けた構成にあっては、姿勢制御ユニット及びチャック着脱手段を含むチャック手段側の厚みが増大するため、これに対応して金型の型開き量を多くする必要がある。
【0006】
このため、金型の型開動作に余分な時間が掛かって取り出し時間が長くなり、樹脂成形品の取出し作業効率を低下させる要因になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-23050号号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、姿勢制御ユニットにチャック着脱手段を設けてチャック手段を交換可能にした場合にはチャック手段側の厚みが増大し、これに伴って金型の型開幅を広くしなければならず、型開時間が長くなることにより樹脂成形品の取出し作業効率が低下する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、チャック手段を少なくとも樹脂成形機の中心軸線方向及び中心軸線直交方向へ移動して金型内の樹脂成形品を樹脂成形機外へ取り出す成形品取出し機において、上記チャック手段を上記中心軸線方向及び中心軸線直交方向へそれぞれ移動するフレームと、チャック手段が取り付けられるフレームの端部にてチャック手段の取付け面が金型のパーティング面に相対する垂直位置及び下方を向く水平位置の間で基盤が揺動可能に軸支される姿勢制御側アタッチメントと、上記チャック手段が取り付けられるフレーム端部に設けられ、上記基盤に連結されて該基盤を上記垂直位置及び水平位置の間で選択的に揺動させる作動部材と、上記チャック手段が取り付けられ、上記姿勢制御側アタッチメントに着脱可能なチャック側アタッチメントと、を備え、上記姿勢制御側アタッチメントは、上記基盤に設けられたシリンダ部材によりチャック側アタッチメントに対する固定位置及び固定解除位置の間で移動されるカム部材、カム部材の移動方向に軸線を有した円筒状で上記基盤に設けられ、内部にカム部材が上記位置間にて移動可能に収容されると共にカム部材の移動直交方向に軸線を有した複数のボール支持孔が形成されたボール支持部材、各ボール支持孔内にてカム部材の移動直交方向へ抜け止めされた状態で移動可能に収容され、カム部材に形成された固定用傾斜溝に摺接して一部がボール支持孔から突出可能な固定用ボールからなると共に、チャック側アタッチメントは、姿勢制御側アタッチメントのボール支持部材が挿嵌可能で、固定用傾斜溝に相対し、固定位置に対するカム部材の移動に伴ってボール支持孔から一部が突出した固定用ボールを係合する係合用傾斜溝が形成されたボール受け部材からなり、チャック側アタッチメントのボール受け部材内に姿勢制御側アタッチメントのボール支持部材を挿嵌した状態で作動されるシリンダ部材によりカム部材を固定位置側へ移動し、固定用傾斜溝に摺接するボール支持孔内の固定用ボールをカム部材の移動直交方向外側へ移動してボール受け部材の係合用傾斜溝に係合して姿勢制御側アタッチメントにチャック側アタッチメントを固定することによりチャック手段を取付け可能にする一方、上記姿勢制御側アタッチメントに対するチャック側アタッチメントの固定状態にて復動されるシリンダ部材によりカム部材を固定解除位置側へ移動し、固定用傾斜溝に対する摺接が解除される固定用ボールをカム部材の移動直交方向内側へ移動して係合用傾斜溝への係合を解除して姿勢制御側アタッチメントからチャック側アタッチメントを離脱可能にすることによりチャック手段を取り外し可能にすることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、チャック着脱手段を設けてチャック手段を交換可能にした場合であってもチャック手段側の厚みが増大するのを最小限に抑えることにより樹脂成形品の取出し作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】成形品取出し機の概略を示す斜視説明図である。
図2】姿勢制御ユニット箇所の中央縦断面図である。
図3】チャック手段の中央縦断面図である。
図4】チャック着脱手段の固定状態を示す断面説明図である。
図5】チャック着脱手段の突き出し状態を示す断面説明図である。
図6】姿勢制御ユニットの反転状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
チャック手段が取り付けられるフレームの端部に姿勢制御側アタッチメントの基盤を、チャック手段の取付け面が金型のパーティング面に相対する垂直位置と下方を向く水平位置の間で揺動可能に軸支し、該姿勢制御側アタッチメントに対してチャック手段が取り付けられたチャック側アタッチメントを着脱可能に設けることを最良の形態とする。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の実施例を図に従って説明する。
図1乃至図3に示すように、成形品取出し機1は樹脂成形機の固定プラテン3上に樹脂成形機の中心軸線と直交方向へ延出して設けられる第1フレーム5上をその長手方向へ移動するように支持される第1走行体7と、該第1走行体7に上記中心軸線と一致する方向へ延出して設けられる第2フレーム9上をその長手方向へ移動可能に支持される第2走行体11と、該第2走行体11に上下方向へ軸線を有して昇降可能に支持される上下フレーム13と、該上下フレーム13の下部に後述する姿勢制御ユニット15及びチャック着脱手段17を介して着脱可能に設けられるチャック手段19とから構成される。
【0014】
なお、樹脂成形機は従来公知で、固定プラテン3と該固定プラテン3に対して所定の間隔をおいて相対する可動側プラテンの間にて上記中心軸線と一致する方向に軸線を有して横架されるタイバーに軸線方向へ移動可能に軸支される可動盤と、該可動盤を固定プラテンに取付けられた固定金型に対して近づく方向及び遠ざかる方向へ移動する型締め部材と、上記可動盤における固定金型の相対面に設けられる可動金型と、固定プラテン側に設けられ、型締めされた固定金型及び可動金型の射出空間内へ溶融した合成樹脂を射出する射出ユニット(いずれも図示せず)により構成される。上記樹脂成形機は射出成形後に固定金型に対して可動金型を、姿勢制御ユニット15及びチャック着脱手段17を含むチャック手段19が金型間へ進入できる型開量で移動させる。
【0015】
上記姿勢制御ユニット15のフレーム21にはチャック着脱手段17の一方を構成する姿勢制御ユニット側アタッチメント23の基盤25が搖動可能に軸支され、該基盤25はチャック手段19が着脱可能に取り付けられる取付け部25aと、該取付け部25aの下部にて直交方向へ延出し、該取付け部25aを金型のパーティング面に相対する垂直位置と下方を向く水平位置の間で反転回動させるエアーシリンダ等の作動部材27のロッド27aが連結されるリンク部25bからなる。上記基盤25は従来技術で説明した姿勢制御ユニットの反転ブラケットを構成する。
【0016】
なお、上記作動部材27をエアーシリンダにより構成したが、基盤25の揺動軸に電動モータを、必要に応じて歯車列を介して連結し、電動モータの駆動に伴って基盤25を搖動させる構成としてもよい。
【0017】
上記チャック着脱手段17の一方を構成する姿勢制御ユニット側アタッチメント23における基盤25の取付け部25aにはシリンダ部材29のシリンダ室を構成する環状の中空部29aが形成されると共に中空部29a周縁の取付け部25aには円筒状のボール支持部材31の基端部が固着される。上記ボール支持部材31には円筒の軸線と直交する方向に軸線を有した偶数個(図は6個の場合を示す)のボール支持孔31aが周方向へ等間隔をおいて形成される。
【0018】
上記中空部29a内にはシリンダ部材29のピストン29bがボール支持部材31の軸線方向で、固定解除位置と固定位置との間で摺動可能に支持される。該ピストン29bの下部にはカム部材33が固着される。
【0019】
なお、上記ピストン29bは中空部29a内に装着された圧縮ばね等の弾性部材35の弾性力により常に固定位置側へ付勢される。また、中空部29aの一方端部及び他方端部に位置する基盤25にはエアー通路(図示せず)がそれぞれ連通するように形成され、各エアー通路を介して中空部29a内に圧縮空気を給気したり、排気したりする。
【0020】
各ボール支持孔31aはボール支持部材31の内周面側が後述する固定用ボール37及び解除用ボール39の外径より若干大径で、かつボール支持部材31の外周面側が固定用ボール37及び離脱用ボール39の外径より若干小径に形成される。そして1個おきに位置する3個のボール支持孔31a内には固定用ボール37が、また固定用ボール37間に位置するボール支持孔31a内には離脱用ボール39がそれぞれ放射方向へ移動可能に装着され、各ボール支持孔31a内の固定用ボール37及び離脱用ボール39はボール支持部材31の外周面から一部が突出可能で、かつ抜け止め可能に支持される。
【0021】
上記したカム部材33は円柱形状で、ピストン29bが固定解除位置に移動された際に先端部が各ボール支持孔31a内に装着された固定用ボール37及び離脱用ボール39のほぼ中心に位置する軸線長さからなる。そしてカム部材33の外周面にはテーパ状の固定用傾斜溝33aが、固定用ボール37が装着されたボール支持孔31aに、またテーパ状の離脱用傾斜溝33bが、離脱用ボール39が装着されたボール支持孔31aにそれぞれ相対して形成される。
【0022】
固定用傾斜溝33aはカム部材33の先端側が、ボール支持孔31a内に支持された固定用ボール37の一部がボール支持部材31の外周面から非突出になるように収容可能な深さで、基端側へ深さが徐々に浅くなるように傾斜したテーパ状に形成される。
【0023】
反対に、離脱用傾斜溝33bはカム部材33の基端側が、ボール支持孔31a内に支持された離脱用ボール39の一部がボール支持部材31の外周面から非突出になるように収容可能な深さで、先端に向かって深さが徐々に浅くなるように傾斜したテーパ状に形成される。
【0024】
なお、上記ボール支持部材31の両側に位置する基盤25には、シリンダ部材29の作動方向に軸線を有し、先端部が先端に向かって徐々に小径になるテーパ状に形成された一対のパイロット軸(図示せず)が固着される。
【0025】
姿勢制御ユニット15に対して着脱可能に取り付けられるチャック手段19には上記チャック着脱手段17の他方を構成するチャック側アタッチメント41が取り付けられる。該チャック側アタッチメント41における固定盤43の中央部には後述するボール支持部材31が挿嵌される大きさの開口部43aが形成され、該開口部43aにはボール支持部材31が挿嵌可能な大きさの中空部を有したボール受け部材45が固着される。
【0026】
該ボール受け部材45の内周面にはテーパ状の係合用傾斜溝45aがボール支持孔31a内に支持された固定用ボール37に相対するように形成される。また、係合用傾斜溝45a間に位置するボール受け部材45の内周面にはテーパ状の突き出し用傾斜溝45bがボール支持孔31a内に支持された離脱用ボール39に相対するように形成される。
【0027】
上記係合用傾斜溝45aは姿勢制御ユニット側アタッチメント23の反対面側が固定位置に移動したカム部材33の固定用傾斜溝33により押圧されてボール支持部材31の外周面から突出した固定用ボール37の一部を収容する深さで、姿勢制御ユニット側アタッチメント23の相対面側に向かって深さが徐々に浅くなるように傾斜したテーパ状に形成される。
【0028】
反対に、突き出し用傾斜溝45bは姿勢制御ユニット側アタッチメント23の相対面側が固定解除位置に移動したカム部材33の突出し用傾斜溝33bにより押圧されてボール支持部材31の外周面から突出した離脱用ボール39の一部を収容する深さで、姿勢制御ユニット側アタッチメント23の反対面側に向かって深さが徐々に浅くなるように傾斜したテーパ状に形成される。
【0029】
なお、ボール受け部材45の両側に位置する固定盤43には各パイロット軸が挿嵌される一対のパイロット孔(図示せず)が設けられ、パイロット孔内に挿嵌されるパイロット軸との協働により姿勢制御ユニット側アタッチメント23に対してチャック側アタッチメント41が位置決めされる。
【0030】
上記チャック手段19は上記姿勢制御ユニット15に対し、姿勢制御ユニット側アタッチメント23及びチャック側アタッチメント41からなるチャック着脱手段17により着脱可能に取り付けられるもので、チャック板19aにおける可動金型の相対面に、樹脂成形品を吸着して保持する多数の吸着パッドや樹脂成形品を挟持して保持する多数対の挟持シリンダ等の保持部材19b(図は吸着パッドを示す)が設けられる。
【0031】
該チャック手段19は金型内の樹脂成形品を保持する際には上記姿勢制御ユニット15によりチャック板19aが垂直状態に、また保持した樹脂成形品を開放する際には上記姿勢制御ユニット15によりチャック板19aが水平状態になるように姿勢制御される。
【0032】
次に成形品取出し作用、姿勢制御作用及びチャック手段の着脱作用を説明する。
先ず、成形品取出し機1による成形品取出し作用及び姿勢制御作用の概略を説明すると、成形品取出し機1は第1走行フレーム7を中心軸線と直交方向へ移動制御して金型位置へ移動させると共に第2走行体11を中心軸線方向へ移動制御して型開する可動金型側の上方に位置するように前進移動して待機される。
【0033】
そして成形品取出し機1に対し、樹脂成形機から成形作業の終了後に型開信号が出力されると、上下フレーム13を下降制御してチャック手段19を型開した金型間に進入するように加工させると共に第2走行体11を移動制御して型開した可動金型に対してチャック手段19が近接した状態で相対するように前進移動させる。
【0034】
チャック手段19が可動金型に相対するように下降した際に成形品取出し機1から樹脂成形機へ下降完了信号が出力されると、樹脂成形機は突き出し機構を作動して可動金型内に保持された樹脂成形品をチャック手段19側へ突き出して保持させる。
【0035】
チャック手段19に樹脂成形品が保持されたことが検知されると、上下フレーム13を上昇制御すると共に第2走行体11を後退制御して樹脂成形品を保持したチャック手段19を金型間から上方へ離脱させた後、第1走行体7を移動制御してチャック手段19を樹脂成形機の操作側又は反操作側の開放位置へ移動させる。
【0036】
チャック手段19が、搬出手段が配置された開放位置へ移動されると、姿勢制御ユニット15の作動部材27を作動して基盤25を、チャック手段19に保持された保持された樹脂成形品が下方を向く水平状態になるように反転回動させた後に樹脂成形品の保持を解除して搬出手段上へ移載して取出し動作を完了する。
【0037】
なお、樹脂成形品の取出し動作完了後においては、作動部材27を復動して基盤25を搖動してチャック手段19が垂直状態になるように姿勢制御すると共に第1及び第2走行体7,11を復動してチャック手段19が金型上方の待機位置に戻して次の樹脂成形作業が完了するまで待機させる。
【0038】
次に、チャック手段19を交換する際の着脱作用に付いて説明すると、取出す樹脂成形品が変更された場合(樹脂成形機により成形される樹脂成形品が変更された場合)には、樹脂成形品に応じた大きさや形状で、保持部材19aが配置されたチャック手段19に変更する必要がある。
【0039】
この場合、例えば第1及び第2走行体7,11、上下フレーム13をそれぞれ移動制御してチャック手段19を開放位置とは反対側の樹脂成形機の側方に設定されたチャック交換領域へ移動させる。該チャック交換領域には予め各種樹脂成形品に対応する複数のチャック手段19が、チャック側アタッチメント41を成形品取出し機1に取付けられたチャック手段19に向けた状態で、かつ垂直状態で保持されている。
【0040】
成形品取出し機1のチャック手段19をチャック交換領域の空箇所に移動して保持させた状態でカム部材33が固定位置から固定解除位置へ移動するようにシリンダ部材29を作動すると、カム部材33の移動に伴って係合用傾斜溝45aに対する固定用傾斜溝33aによる固定用ボール37の押圧を解除してチャック側アタッチメント41に対する姿勢制御側アタッチメント23の固定状態を解除させると共に突き出し用傾斜溝33bにより離脱用ボール39を突出し用傾斜溝45bに圧接して姿勢制御側アタッチメント23からチャック側アタッチメント41を突き出して離脱可能にさせる。(図4参照)
【0041】
この状態で、例えば第2走行体11を後退移動させることにより姿勢制御側アタッチメント23からチャック側アタッチメント41を離脱させて姿勢制御ユニット15からチャック手段19を取り外す。
【0042】
上記状態にて姿勢制御ユニット15に別のチャック手段19を取り付けるには、第1及び第2走行体7,11、更に必要に応じて上下フレーム13をそれぞれ移動制御して姿勢制御ユニット15を、その姿勢制御側アタッチメント23が次に装着しようとするチャック手段19のチャック側アタッチメント41に相対するように移動させた後、第2走行体11を前進してチャック側アタッチメント41のボール受け部材45に姿勢制御側アタッチメント23のボール支持部材31を挿嵌させる。
【0043】
上記状態にてカム部材33が固定解除位置から固定位置へ移動するようにシリンダ部材29を作動すると、カム部材33の移動に伴って係合用傾斜溝45aにより押圧されてボール支持孔31a内を外側へ移動して固定用傾斜溝33aに係合することにより姿勢制御側アタッチメント23にチャック側アタッチメント41を固定させる。このとき、ボール支持孔31a内の外側に位置する離脱用ボール39はボール受け部材45に対するボール支持部材31の進入に伴って突出し用傾斜溝45bに圧接し、ボール支持孔31a内の内側へ移動して離脱用傾斜溝33bに当接した状態に保たれる。(図5参照)
【0044】
なお、上記説明はチャック手段19を垂直状態のままでチャック手段19を交換する際の作用を説明したが、姿勢制御ユニット15を作動してチャック手段19を水平状態に姿勢制御した後にチャック手段19を交換してもよい。(図6参照)
【0045】
この場合にあっては、チャック側アタッチメント41を含むチャック手段19の重量により自重落下させて離脱させることが可能であるが、姿勢制御側アタッチメント23に対し、チャック側アタッチメント41を含むチャック手段19の重心が変位し、ボール受け部材45に対してボール支持部材31が傾いた状態で挿嵌されるため、チャック手段19の自重では姿勢制御側アタッチメント23からチャック側アタッチメント41を確実に離脱させることが困難であるが、チャック着脱手段17に離脱機能を持たせることにより姿勢制御側アタッチメント23からチャック側アタッチメント41を確実に離脱させることができる。
【0046】
上記説明はチャック手段19を樹脂成形機の中心軸線方向、直交方向及び上下方向へ移動して樹脂成形品を取出す成形品取出し機1により説明したが、成形品取出し機としては樹脂成形機における開放位置と反対側の操作側又は反操作側で、金型の高さ位置に設けられ、チャック手段を樹脂成形機の側方から中心軸線と直交する方向及び一致する方向へそれぞれ移動して金型間に進入させて樹脂成形品を取出す横取り出し型としてもよい。
【0047】
上記説明はチャック着脱手段17に付き、固定機能及び突出し機能(離脱機能)を備えた構成としたが、本発明のチャック着脱手段は少なくとも固定機能を備えた構成であれば実施可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 成形品取出し機
3 固定プラテン
5 第1フレーム
7 第1走行体
9 第2フレーム
11 第2走行体
13 上下フレーム
15 姿勢制御ユニット
17 チャック着脱手段
19 チャック手段
19a チャック板
19b 保持部材
21 フレーム
23 チャック着脱手段の一方を構成する姿勢制御ユニット側アタッチメント
25 基盤
25a 取付け部
25b リンク部
27 作動部材
27a ロッド
29 シリンダ部材
29a 中空部
29b ピストン
31 ボール支持部材
31a ボール支持孔
33 カム部材
33a 固定用傾斜溝
33b 離脱用傾斜溝
35 弾性部材
37 固定用ボール
39 離脱用ボール
41 チャック着脱手段の他方を構成するチャック側アタッチメント
43 固定盤
43a 開口部
45 ボール受け部材
45a 係合用傾斜溝
45b 突出し用傾斜溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6