(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて、本発明の実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0013】
<冷蔵庫1の全体構造>
図1は、本発明の実施形態に係わる冷蔵庫の全体を示す正面図である。
図2は、
図1に示す冷蔵庫1の縦方向の断面図である。
【0014】
図1と
図2に示す冷蔵庫1は、本体1Aを有している。この冷蔵庫1の本体1Aは、左側面部17と、右側面部18と、上面部19と、底面部15と、背面部16を有している。本体1Aは、外側側板からなる外箱と、内側側板からなる内箱を有する。この外箱と内箱の間には、断熱材が配置されているので本体1Aは断熱性を有する。この本体1Aの内部には、複数の貯蔵室が形成されている。
【0015】
図1と
図2に例示するように、貯蔵室としては、上から順に冷蔵室2、野菜室3が設けられ、この野菜室3の下には製氷室4と小冷凍室5が左右の並べて設けられ、最下部に主冷凍室6が設けられている。
【0016】
図1と
図2に示す冷蔵室2の前面には、冷蔵室2の前面開口部を開閉する左右の扉7,8が設けられている。左右の扉7,8は、観音開き式扉であり、左側の扉7の左端部が図示しないヒンジにより回動可能に取り付けられている。同様にして、右側の扉8の右端部が図示しないヒンジにより回動可能に取り付けられている。
【0017】
図1と
図2に示すように、野菜室3、製氷室4、小冷凍室5、主冷凍室6の各前面には、各前面開口部を開閉する引出し式の扉9,10,11,12が設けられている。左右の扉7,8と、引出し式の扉9,10,11,12は、内部に断熱材を設けることで、断熱性を有している。
【0018】
図1と
図2に示すように、左右の扉7,8,と引出し式の扉9,10,11,12の各前面(外面)には、金属製の前面側の板、好ましくは鋼板製の前面板7A,8A,9A,10A,11A,12Aが配置されている。
【0019】
次に、
図2を参照して、冷蔵庫1の冷蔵室2、野菜室3、製氷室4、小冷凍室5、主冷凍室6の構造の一例を説明する。
【0020】
図2に示すように、本体1Aの主冷凍室6の背面位置には、機械室22が設けられており、この機械室22には、圧縮器23等が配置されている。
【0021】
図2に示すように、本体1Aの背面位置には、野菜室3の後側に、貯蔵室送風機30と貯蔵室冷却器31と、送風ダクト32が配置されている。また、本体1Aの背面位置には、製氷室(貯蔵室)4と小冷凍室(貯蔵室)5と主冷凍室6の後側に、冷凍室送風機40と、冷凍室冷却器41と、送風ダクト42が配置されている。貯蔵室冷却器31と冷凍室冷却器41は、圧縮機23から供給される冷媒によって冷却される。
【0022】
野菜室3には、上下の貯蔵容器3M,3Nが出し入れ可能に収納されている。小冷凍室5には、貯蔵容器5Mが出し入れ可能に収納されている。主冷凍室6には、上下の貯蔵容器6M、6Nが出し入れ可能に収納されている。
【0023】
図1と
図2に示すように、開扉装置51,52が、例えば本体1Aの上面部19に設けられている。開扉装置51,52は、共に例えば電磁ソレノイド等のアクチュエータを使用することができる。開扉装置51が駆動すると、左側の扉7を押して開くことができる。同様にして、開扉装置52が駆動すると、右側の扉8を押して開くことができる。
【0024】
<左開扉操作部61と右開扉操作部62と操作パネル部70>
図1に示すように、左開扉操作部61が、左側の扉7の下辺部7Pに配置され、右開扉操作部62が、右側の扉8の下辺部8Pに配置されている。しかも、操作パネル部70が右側の扉8の下辺部8Pに配置されている。この下辺部7P,8Pは、冷蔵庫1のX方向(水平方向)に沿ったベルトラインとも呼ばれている下辺領域部分である。なお、冷蔵庫1の左右方向の幅方向がX方向であり、奥行き方向がY方向であり、そして上下方向がZ方向で示している。
【0025】
図1に示すように、左開扉操作部61は、左側の扉7の内端面7Nに近い位置に配置され、右開扉操作部62は、右側の扉8の内端面8Nに近い位置に配置されている。右開扉操作部62と操作パネル部70は、下辺部8Pにおいて並べて配置されている。
【0026】
これにより、左開扉操作部61と右開扉操作部62と操作パネル部70は、下辺部7P,8Pにおいて、直列にX方向(水平方向)に沿って配列されている。
【0027】
従来では、表示パネル部が扉の途中の位置に配置されることで、表示パネル部の存在が、冷蔵庫の扉における外観デザイン上の上下の連続性を絶ってしまう。これに対して、本発明の実施形態では、
図1に示すように、操作パネル部70は、冷蔵庫1の扉8の下辺部8Pに配置することで、扉8における外観デザイン上の上下の連続性を保持できることから、冷蔵庫1の外観デザイン性を向上できる。
【0028】
図3は、左開扉操作部61と右開扉操作部62と操作パネル部70と、開扉装置51,52と、制御部100の電気的な接続例を示す図である。
【0029】
図3に示すように、左開扉操作部61は、タッチ操作部61Tを有する。左開扉操作部61のタッチ操作部61Tに使用者の指が接近するか接触することで、左開扉操作部61の回路基板は、静電容量の変化を検知して、開扉装置51の動作をさせるための信号S1を制御部100に発生する。これにより、制御部100の指令により、開扉装置51が動作して、左側の扉7を自動的に押して開くことができる。左開扉操作部61の前面側は、透明か半透明の前面カバー部材61Gにより覆われている。
【0030】
同様にして、右開扉操作部62は、タッチ操作部62Tを有する。右開扉操作部62のタッチ操作部62Tに使用者の指が接近するか接触することで、右開扉操作部62の回路基板は、静電容量の変化を検知して、開扉装置52の動作をさせるための信号S2を制御部100に発生する。制御部100の指令により、開扉装置52が動作して、右側の扉8を自動的に押して開くことができる。
【0031】
図3に示す操作パネル部70は、機能選択部80と、表示部110を有する。この機能選択部80は、使用者の指が接近するか接触することで、静電容量の変化を検知して、冷蔵庫1の本体1Aの機能、例えば冷蔵に関する機能や、冷凍に関する機能等を、適宜選択することができる。表示部110は、本体1Aの機能、例えば冷蔵に関する機能や冷凍に関する機能等の各種の表示項目を、点灯することで表示することができる。右開扉操作部62と操作パネル部70の前面側は、透明か半透明の前面カバー部材55により覆われている。
【0032】
図4は、
図1において、左側の扉8のA−A線における操作パネル部70付近の縦方向の断面構造例を示す図である。
図4では、左側の扉8の前面板8Aと、前面カバー部材55と、操作パネル部70を示している。
【0033】
図4に示すように、操作パネル部70は、上述したように扉8の下辺部8Pに配置されている。前面カバー部材55は、透明あるいは半透明なプラスチック材料により作られている長いほぼ長方形状の板状の部材である。この前面カバー部材55は、透明であるか、あるいはより好ましくは鋼板製の前面板8Aの塗装色に合わせて半透明になるような色付けが施されており、例えばホワイト系かゴールド系である。
【0034】
図4に示すように、前面カバー部材55は、X方向(水平方向)に沿って扉8の下辺部8Pに配置されている。前面カバー部材55は、操作パネル部70の機能選択部80と表示部110の前面側を覆っている。操作パネル部70の機能選択部80は、操作パネル部70の表示部110に対して、前側に重ねて配置されている。すなわち、前面カバー部材55の後側には、機能選択部80が配置され、機能選択部80の後側には、表示部110が配置されている。後で説明するが、機能選択部80の外形形状は、表示部110における点灯表示を邪魔しないように点灯表示を避けるように形成されている。
【0035】
使用者は、指を機能選択部80の後で説明するタッチ操作部に近づけることにより、タッチ操作部は静電容量の変化を検知して、冷蔵庫1の本体1Aの機能、例えば冷蔵に関する機能や、冷凍に関する機能等を、前面カバー部材55を介して、適宜選択することができる。また、使用者は、表示部110において点灯表示された本体1Aの機能、例えば冷蔵に関する機能や、冷凍に関する機能等の各種の表示項目を、前面カバー部材55を通して、目視で確認することができるようになっている。
【0036】
<操作パネル部70>
図5は、
図3に示す操作パネル部70の好ましい構造例を示す正面図である。
図6は、
図5に示す操作パネル部70と、前面カバー部材55を示す分解斜視図である。
図7は、
図5に示す操作パネル部70の分解斜視図である。
【0037】
図6と
図7に示すように、操作パネル部70は、機能選択部80と、表示部110を有し、さらに機能選択部80と表示部110の間に配置される遮蔽板90を有する。
【0038】
<操作パネル部70の機能選択部80>
まず、機能選択部80を、
図5から
図8を参照して説明する。
【0039】
図6と
図7に示すように、機能選択部80は、長方形状の回路基板であり、機能選択部80の前面80Mは、複数のタッチ操作部、例えば5つのタッチ操作部81から85を有する。
【0040】
図8(A)は、機能選択部80の前面80Mを示し、
図8(B)は、機能選択部80の後面80Nを示している。
【0041】
図8に示すように、タッチ操作部81から85は、それぞれ配線81Aから85Aを介して、電気接続部材86に接続されている。この電気接続部材86は、機能選択部80の後面80Nのほぼ中央位置に配置され、電気接続部材86は、タッチ操作部82と83の間の位置に配置されている。電気接続部材86が配置されている機能選択部80の電気接続部材86に対応する位置には、突出部80T、80Sが形成されている。
【0042】
図8(B)に示すように、機能選択部80は、上下方向(Z方向)に突出するようにして、突出部80T、80Sが形成されている。後面80Nの長方形状の取付け領域SSは、この突出部80Tと突出部80Sとで囲まれる領域である。
【0043】
電気接続部材86を後面80Nの取付け領域SSに配置する場合に、製造時の都合で電気接続部材86のサイズに大小があったとしても、長方形状の取付け領域SSは、電気接続部材86を機能選択部80内からはみ出させないようにして、確実に取り付けることができる。これにより、製造時には、電気接続部材86を機能選択部80からはみ出して取り付けてしまう製造不良を防ぐことができる。
【0044】
ここで、
図8(A)に示すタッチ操作部81から85の冷蔵庫1に関する設定機能の例を説明する。
【0045】
タッチ操作部81は、使用者がタッチする毎に、冷蔵機能の能力を「小から大」に変更入力することができる。タッチ操作部82は、使用者がタッチする毎に、冷凍機能の能力を「小から大」に変更入力することができる。
【0046】
また、タッチ操作部83は、使用者がタッチする毎に、冷凍機能の種類を選択入力することができる。タッチ操作部84は、使用者がタッチすることで、「一気製氷モード」を入力することができる。「一気製氷モード」を入力すると、
図1に示す製氷室4において製氷を例えば最速で約50分で行える機能である。タッチ操作部85は、使用者がタッチすることで、「節電モード」を入力することができる。
【0047】
<操作パネル部70の表示部110>
次に、操作パネル部70の表示部110について、
図5から
図7と
図9を参照して、説明する。
【0048】
図9は、表示部110を示す正面図である。
図9に示すように、表示部110は、ほぼ長方形状のプラスチック製の板部材である。この表示部110の縦横寸法は、上述した機能選択部80の縦横寸法よりもかなり大きい。
【0049】
図9に示すように、表示部110は、複数の発光素子としてのLED(発光ダイオード)L1からL7と、LEDL11からL31と、電気接続部材77、79を有している。
図5に示すように、LEDL1からL7は、機能選択部80のタッチ操作部81,82の位置に対応して配置されており、LEDL11からL31は、タッチ操作部83から85の位置に対応して配置されている。
【0050】
図9に示す電気接続部材77,79は、共に電気コネクタである。電気接続部材77は、表示部110の左側の端部の凹部78に配置されている。電気接続部材77は、表示部110上の配線回路を介して、各LEDL1からL7とLEDL11からL31に電気的に接続されている。各LEDL1からL7とLEDL11からL31は、この電気接続部材77を介して、
図3に示す制御部100からの点灯指令により、冷蔵庫1の機能に関する表示指令に応じて、選択して点灯する。
【0051】
また、
図9に示すように、中継用の電気接続部材79は、LEDL7とLEDL23の間の領域付近に配置されている。この電気接続部材79は、表示部110側の電気接続部材77と機能選択部80の電気接続部材86側を、電気的に接続するために用いられる。電気接続部材79は、電気接続部材77に対して中継束線75を用いて電気的に接続されている。
【0052】
<操作パネル部70の遮蔽板90>
次に、操作パネル部70の遮蔽板90について、
図5から
図7を参照して説明する。
【0053】
図5と
図6に示すように、遮蔽板90は、プラスチックにより作られており、複数の導光孔部H1からH7と、複数の導光孔部H11からH24を有する。これらの導光孔部は、各LEDが発生する光を、前面カバー部材55側に向けて導くために設けられた貫通孔である。導光孔部H1からH7は、LEDL1からL7に対応して形成されている。
【0054】
図5に示すように、導光孔部H11は、LEDL11、L12に対応し、導光孔部H12は、LEDL13、L14に対応し、導光孔部H13は、LEDL15、L16に対応している。導光孔部H14は、LEDL17、L18に対応し、導光孔部H15は、LEDL19に対応し、導光孔部H16は、LEDL20、L21に対応している。
【0055】
導光孔部H17は、LEDL22に対応し、導光孔部H18は、LEDL23、L24に対応し、導光孔部H19は、LEDL25に対応している。導光孔部H20は、LEDに対応しておらず、導光孔部H21は、LEDL26、L27に対応し、導光孔部H22は、LEDに対応していない。導光孔部H23は、LEDL28、L29に対応し、導光孔部H24は、LEDL30、L31に対応している。
【0056】
例えば、使用者が指で
図5に示すタッチ操作部81をタッチする毎に、冷蔵機能の能力を「小から大」に変更入力する際には、LEDL6が点灯するとともに、冷蔵機能の能力を「小から大」を、LEDL1からL5が順次点灯することで表示することができる。
【0057】
使用者が指で
図5に示すタッチ操作部82をタッチする毎に、冷凍機能の能力を「小から大」に変更入力する際には、LEDL7が点灯するとともに、冷凍機能の能力を「小から大」を、LEDL1からL5が順次点灯することで表示することができる。
【0058】
使用者が指で
図5に示すタッチ操作部83をタッチする毎に、冷凍機能の種類を変更でき、LEDL11からL31の中から、この冷凍の種類に対応するLEDが選択して点灯することで、冷凍機能の種類を表示する。
【0059】
使用者が指で
図5に示すタッチ操作部84を使用者がタッチすることで、LEDL11からL31の中から、「一気製氷モード」に対応するLEDが選択して点灯して、「一気製氷モード」を表示する。そして、使用者が指で
図5に示すタッチ操作部85を使用者がタッチすることで、LEDL11からL31の中から、「節電モード」に対応するLEDが選択して点灯して、「節電モード」を表示する。
【0060】
また、
図5と
図6に示すように、遮蔽板90は、電極端子D1からD5を有する。各電極端子D1からD5は、機能選択部80のタッチ操作部81から85に対応した位置に配置されている。電極端子D1からD5は、下部領域部G2に形成されている。この下部領域部G2は、上述した導光孔部H1からH5と導光孔部H11からH24の形成されている上部領域部G1とは異なり、上部領域部G1の下側にある。
【0061】
上部領域部G1の縦横のサイズは、下部領域部G2の縦横のサイズよりも大きい。機能選択部80がこの下部領域部G2を覆っている。下部領域部G2の縦横のサイズは、機能選択部80の縦横のサイズとほぼ同じである。
【0062】
図6と
図7に示すように、遮蔽板90は、電極端子D2とD3の間に、長方形の開口部99を有している。表示部110と機能選択部80を、遮蔽板90を介して重ねて組み立てることにより、表示部110の電気接続部材79は、開口部99を通じて、機能選択部80の電気接続部材86に対して、電気的に接続されるようになっている。これにより、表示部110の電気接続部材79と機能選択部80の電気的な接続が得られている。
【0063】
ところで、
図6と
図7と
図8に示すように、機能選択部80は上縁部分80Wを有する。上縁部分80Wは、突出部80T以外の部分であり、Z方向の下方向に下げるように形成されている部分である。この上縁部分80Wは、Z方向の下方向に下げるように形成されていることで、機能選択部80は、操作パネル部70の表示部110の各LEDL1からL7、L11からL31の配置の位置を避けるように形成されている。
【0064】
すなわち、機能選択部80の上縁部分80Wは、表示部110の各LEDL1からL7、L11からL31の配置の位置と、複数の導光孔部H1からH7、H11からH24の配置の位置を避けるようにして、Z方向の下方向に向けて下げるようにして形成されている。これにより、
図8に示す上縁部分80Wは、Z方向の下方向に下げるように形成されているので、機能選択部80の占有スペース(専有面積)をできる限り小さくすることができる。
【0065】
従って、機能選択部80の占有スペース(専有面積)をできる限り小さくすることから、限られた操作パネル部70の占有スペースの中で、表示部110の表示可能領域を増やすことができる。表示部110の表示可能領域を増やしながらも、
図5に示す操作パネル部70のZ方向の高さ寸法である上部領域部G1と下部領域部G2の合計値(操作パネルのZ方向の幅)を抑えることができ、操作パネル部70の占有スペースを減らすことができる。
【0066】
このため、操作パネル部70の縦方向(Z方向)の高さ寸法を減らして、操作パネル部70の省スペース化を図ることで、扉8の下辺部8Pが、操作パネル部80の存在により、外観デザイン上強調されすぎるのを防いで、冷蔵庫1の外観デザインを向上することができる。
【0067】
<右開扉操作部62>
次に、
図1と
図3に示す右側の扉8の右開扉操作部62の構造例を、
図10から
図13を参照して説明する。
【0068】
なお、
図3に示す左側の扉7の左開扉操作部61の構造は、
図3に示す右側の扉8の右開扉操作部62の構造とは、左右勝手違い(左右対称構造)であるので、左開扉操作部61の構造の説明を省略する。
【0069】
図10は、右側の扉8の右開扉操作部62の構造例と、この右開扉操作部62の前側に配置される前面カバー部材55の一部を示す正面図である。
図11は、右開扉操作部62の回路基板63と、ベース部材64を示す正面図である。
図11(A)は、右開扉操作部の回路基板と、ベース部材の前面側を示す図であり、
図11(B)は、ベース部材の裏面側を示す図である。
【0070】
図12は、右開扉操作部62の回路基板63を示す図である。
図13は、回路基板63とベース部材64を組み立てて、束線や電気接続部材が束線収納部64Gに収納して配置されている例を示す裏側から見た斜視図である。
【0071】
図11(A)に示すように、右開扉操作部62は、回路基板63と、ベース部材64を有する。回路基板63は、ほぼL型形状に形成され、長方形の本体部分63Aと、この本体部分63Aから延長された延長部分63Bを有する。
【0072】
図11(A)と
図12に示すように、回路基板63の本体部分63Aの前面63Cには、使用者が右側の扉8を自動的に開くために操作するタッチ操作部62Tが配置され、本体部分63Aの後面63Dには、電気接続端子65が取り付けられている。
【0073】
図11に示すように、右開扉操作部62のベース部材64は、ほぼL型形状に形成されている。
図11(B)に示すように、ベース部材64は、ほぼL型形状に形成されていることで、束線や電気接続部材を収納するための束線収納部64Gを確保している。
【0074】
図11に示すベース部材64は、プラスチック製の板状部材である。このベース部材64は、ほぼL型形状に形成され、長方形の本体部分64Aと、この本体部分64Aから延長された延長部分64Bを有する。
図11(A)に示すように、ベース部材64の前面64Cは、回路基板63の本体部分63Aの後面63Dを取り付ける部分である。
【0075】
これに対して、
図11(B)に示すベース部材64の後面64Dは、上記の束線収納部64Gを形成している。このベース部材64の後面64Dには、束線収納部64Gを形成するために、縁部分64H、64I、64J、64Kを有している。ベース部材64の後面64Dには、電気接続端子を保持するためのL字型の保持部64Fが設けられている。
【0076】
図10に示すように、回路基板63の延長部分63Bは下側において、X方向に延長して形成され、ベース部材64の延長部分64Bは上側において、X方向に延長して形成されている。延長部分63Bの上縁部63Rが延長部分64の下辺部64Rに噛み合うことで、回路基板63はベース部材64に対して位置決めされている。
【0077】
図11に示すように、延長部分64Bには、長方形状の開口部64Pが設けられている。
図11(A)に示すように、回路基板63の後面63Dが、ベース部材64の前面64Cに取り付けられると、回路基板63の電気接続部材65が、この開口部64Pに通るようになっている。これにより、
図13に示すように、回路基板63の電気接続部材65は、ベース部材64の後面64D側に露出させることができる。
【0078】
図13に示す電気接続部材65は、回路基板63に電気的に接続されている。電気接続部材65から導出されている束線69は、電気接続部材68A,68Bに接続されている。電気接続部材68A,68Bは着脱可能に接続されている。この電気接続部材68Aは、保持部64Fに保持されている。
【0079】
図13に示すように、右開扉操作部62は、束線収納部64Gを確保するために、L型形状に形成され、束線収納部64Gは、束線69と束線68Cの一部と、電気接続部材68A,68Bを収納している。このように、束線68,68Cや電気接続部材68A,68Bは、右開扉操作部62の束線収納部64G内において収納することができるので、束線や電気接続部材を配置する場合の省スペース化が図れ、右開扉操作部62の高さ方向の寸法(Z方向の寸法)をも最小化することができる。
【0080】
図14は、右開扉操作部62と、操作パネル部70に対して、電気接続部材68A、68Bを用いて電源線や制御線が配線されている例を示している。
【0081】
図14に示すように、右開扉操作部62の電気接続部材68A,68Bから導出される束線68Cは、扉8の内部に配置されている図示しない電気接続部材を介して、制御部100に電気的に接続されている。また、電気接続部材79は、電気接続部材77に対して中継束線75を用いて電気的に接続されている。この中継束線75は、表示部110の前面側と遮蔽板90の間に収容されている。
【0082】
電気接続部材77は、制御部100と制御部100の電源部100Sに対して、電気接続部材88A,88Bと束線88C,88Dを介して、電気的に接続されている。電気接続部材88A,88Bは着脱可能に接続されている。
【0083】
図14に示すように、表示部110と機能選択部80を、遮蔽板90を介して重ねて組み立てることにより、表示部110の電気接続部材79は、開口部99を通じて、機能選択部80の電気接続部材86に対して、電気的に接続されている。
【0084】
これにより、制御部100の電源部100Sから右開扉操作部62の回路基板63への電源供給は、束線68Cと、電気接続部材68A,68Bと、束線69を介して行う。また、回路基板63のタッチ操作部62Tからのタッチ検知信号は、束線69と、電気接続部材68A,68Bと、束線68Cを介して、制御部100に送る。
【0085】
また、制御部100の電源部100Sから操作パネル部70の各LEDを点灯させるための制御部100からの制御信号の供給は、電気接続部材88A,88Bと、束線88Dと束線88Cと、電気接続部材77を介して行う。
【0086】
制御部100の電源部100Sから操作パネル部70の各タッチ操作部81から85への電源供給と、各タッチ操作部81から85から制御部100へのタッチ検知信号の供給は、電気接続部材88A,88Bと、束線88Dと束線88Cと、電気接続部材77と、中継束線75と、電気接続部材79と、そして電気接続部材86を介して行う。
【0087】
以上説明したように、本発明の実施形態の冷蔵庫1は、本体1Aと、鋼板製の前面板8(7)を有し、本体1Aの前面開口部を閉鎖する扉8(7)と、扉8(7)を動作させる開扉装置51,52と、例えば好ましくは静電容量の変化を検知することで開扉装置の動作をさせるための信号を発生する開扉操作部62(61)と、例えば好ましくは静電容量の変化を検知することで本体の機能を選択する機能選択部80と、本体の機能を表示するための表示部110と、を有する操作パネル部70とを備える。
【0088】
そして、この開扉操作部62と操作パネル部70は、扉8の下辺部(8P)に配置され、操作パネル部70の機能選択部80は、操作パネル部70の表示部110に対して前側に重ねて配置されている。
【0089】
このように、扉8における鋼板製の前面板8Aの下辺部8Pでは、操作パネル部70の機能選択部80は、操作パネル部70の表示部110に対して前側に重ねて配置されている。
【0090】
これにより、機能操作部と表示部を高さ方向に並べて配置する場合に比べて、扉8において、操作パネル部70の上下方向(Z方向)における寸法(高さ寸法)を減らして、操作パネル部70の占有面積を減少させて、省スペース化を図ることができる。
【0091】
従って、操作パネル部70が占有するスペースの省スペース化を図ることで、扉8の下辺部8Pであるベルトラインが強調されすぎるのを防いで、冷蔵庫1の外観デザインを向上できる。
【0092】
操作パネル部70の機能選択部80の例えば上縁部分80Wは、操作パネル部70の表示部100の点灯表示可能領域を避けるように形成されている。
【0093】
これにより、機能選択部80が占有するスペースをできる限り小さくする一方、限られた操作パネル部70の占有スペースの中で、表示部110の表示可能領域を増やすことができる。表示部110の表示可能領域を増やしながらも、操作パネル部70のZ方向の高さ寸法である上部領域部G1と下部領域部G2の合計値(操作パネルのZ方向の幅)を抑えることができる。このため、操作パネル部70の占有スペースを減らすことができる。
【0094】
このように、操作パネル部70の縦方向(Z方向)の高さ寸法を減らして、操作パネル部70の省スペース化を図ることで、扉8の下辺部8Pが、操作パネル部80の存在により、外観デザイン上強調されすぎるのを防いで、冷蔵庫1の外観デザインを向上することができる。
【0095】
右開扉操作部62は、束線収納部64Gを確保するために、L型形状に形成されている。これにより、束線や電気接続部材は、開扉操作部62の束線収納部64G内に収納することができるので、束線を配置する場合の省スペース化が図れ、操作パネル部の高さ方向の寸法(Z方向の寸法)を最小化することができる。なお、左側の開扉操作部61の構造は、右開扉操作部62の構造に対して、左右勝手が違うようになっていて、実質的には同じである。
【0096】
操作パネル部70は、電源用束線を中継する中継束線75を有する。これにより、この中継束線75は、例えば右開扉操作部62からの電源用束線や、扉8内の断熱材である発泡ポリウレタン内から導出されてくる電源用束線等を中継することもできる。このため、操作パネル部70を取り付ける際に、電源用束線を扉内に配線する際の作業性が向上する。また、電源用等の束線が、不用意に扉のどこかの部分に挟み込まれてしまうことで生じる組立不良を防ぐこともできる。
【0097】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な態様で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0098】
図1に示す冷蔵庫1の構造は、一例であり、任意の構造を採用することができる。例えば、
図1に示す冷蔵庫1の冷蔵室が左右両開きの扉構造を有しているが、冷蔵室は、片開き式の1枚の扉構造を有するものでも良い。冷蔵庫の各貯蔵室の配置構造は、任意に選択することができる。
【0099】
上述した本発明の冷蔵庫の実施形態では、開扉操作部61(62)は、開扉動作をすることの一例として静電容量の変化を検知することで、開扉装置51(52)の動作をさせるための信号を発生し、機能選択部80は、機能選択動作をすることの一例として静電容量の変化を検知することで、本体の機能を選択するようになっている。
【0100】
しかし、本発明の冷蔵庫では、この様な静電容量式に限らず、開扉操作部と機能選択部としては、静電容量の検出方式以外に、機械式のボタンでも適用することができる。
【0101】
この機械式のボタンでは、扉表面に凹凸ができるなどして、ボタンが常に視認できる状態であるのに対して、静電容量式では、ボタンを設けても扉表面を容易にフラットにすることができ、ボタンを目立たなくすることができる。このため、開扉操作部と機能選択部として静電容量式を採用すると、冷蔵庫の前面の外観の意匠性がより高くなる。