(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フレキシブル基板は、各々に対応する第1ドライバICが実装された複数の第1フレキシブル基板と、各々に対応する第2ドライバICが実装された複数の第2フレキシブル基板と、を含み、
前記樹脂スペーサは、前記第1フレーム側から、隣り合う第1フレキシブル基板の間を通過して前記第3フレーム側に突出した第1樹脂スペーサと、前記第1フレーム側から、隣り合う第2フレキシブル基板の間を通過して前記第3フレーム側に突出した第2樹脂スペーサと、を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。
前記金属フレーム部における、表示画面に垂直な方向に延在する側壁と、前記第2フレームにおける、前記表示画面に垂直な方向に延在する側壁との間に間隙が形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成では、ドライバICの発熱を放熱孔を介して放熱させることができるが、ドライバICは樹脂製のセルガイドに囲まれておりドライバICの周囲に熱がこもり易いため、充分な放熱効果を得ることが困難である。
【0005】
また、複数の表示パネルを重ね合わせて、それぞれの表示パネルに画像を表示させることにより、高コントラストを実現する表示装置(例えば特許文献2参照)では、それぞれの表示パネルのドライバICが近接して配置されるため、特にバックライト側に配置されるドライバICが高温状態になり易い。このような表示装置においては、ドライバICを放熱させることがより困難である。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドライバICの放熱性を向上させることができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに駆動信号を出力するドライバICと、前記ドライバICが実装されたフレキシブル基板と、前記表示パネルを、前記表示パネルに光を照射する光源側から支持する第1フレームと、前記第1フレームとは別個に設けられ、前記光源を支持する第2フレームと、を含み、前記第1フレームは、金属材料から成る金属フレーム部を含み、前記金属フレーム部は、前記ドライバICに前記光源側から対向するように配置されている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る表示装置では、前記ドライバICの発熱が前記金属フレーム部に固体熱伝導によって伝わってもよい。
【0009】
本発明に係る表示装置では、前記ドライバICは、前記金属フレーム部に直接接触している、あるいは、他の部材を介して前記金属フレーム部に接触してもよい。
【0010】
本発明に係る表示装置では、前記ドライバICと前記金属フレーム部との間に、放熱性を有する弾性部材が配置され、前記ドライバICの発熱が前記弾性部材を介して前記金属フレーム部に伝わってもよい。
【0011】
本発明に係る表示装置では、前記表示パネルの外周端部を覆う、金属材料から成る第3フレームをさらに含み、前記表示パネルは、観察者に近い位置に配置された第1表示パネルと、前記第1表示パネルより観察者から遠い位置に配置された第2表示パネルとを含み、前記ドライバICは、前記第1表示パネルに駆動信号を出力する第1ドライバICと、前記第2表示パネルに駆動信号を出力する第2ドライバICとを含み、前記第1ドライバICは前記第3フレームに対向するように配置されており、前記第2ドライバICは前記金属フレーム部に対向するように配置されてもよい。
【0012】
本発明に係る表示装置では、前記第1ドライバICは、前記第3フレームに接触している、あるいは、他の部材を介して前記第3フレームに接触しており、前記第2ドライバICは、前記金属フレーム部に接触している、あるいは、他の部材を介して前記金属フレーム部に接触してもよい。
【0013】
本発明に係る表示装置では、平面的に見て、前記第1ドライバICは、表示画面の第1辺側に配置されており、前記第2ドライバICは、前記表示画面の前記第1辺に対向する第2辺側に配置されてもよい。
【0014】
本発明に係る表示装置では、前記第1フレームは、樹脂材料から成る樹脂スペーサを含み、前記樹脂スペーサは、前記第1フレームと前記第3フレームとの間の距離を保持してもよい。
【0015】
本発明に係る表示装置では、前記フレキシブル基板は、各々に対応する第1ドライバICが実装された複数の第1フレキシブル基板と、各々に対応する第2ドライバICが実装された複数の第2フレキシブル基板と、を含み、前記樹脂スペーサは、前記第1フレーム側から、隣り合う第1フレキシブル基板の間を通過して前記第3フレーム側に突出した第1樹脂スペーサと、前記第1フレーム側から、隣り合う第2フレキシブル基板の間を通過して前記第3フレーム側に突出した第2樹脂スペーサと、を含んでもよい。
【0016】
本発明に係る表示装置では、前記金属フレーム部における、表示画面に垂直な方向に延在する側壁と、前記第2フレームにおける、前記表示画面に垂直な方向に延在する側壁との間に間隙が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る表示装置によれば、ドライバICの放熱性を向上させることができる表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。以下の実施形態では、液晶表示装置を例に挙げるが、本発明に係る表示装置は、液晶表示装置に限定されるものではなく、例えば有機EL表示装置等であってもよい。
【0020】
本実施形態に係る液晶表示装置は、例えば、画像を表示する複数の表示パネルと、それぞれの表示パネルを駆動する複数の駆動回路(複数のソースドライバIC、複数のゲートドライバIC)と、それぞれの駆動回路を制御する複数のタイミングコントローラと、外部から入力される入力映像信号に対して画像処理を行い、それぞれのタイミングコントローラに画像データを出力する画像処理部と、複数の表示パネルに背面側から光を照射するバックライトと、を含んでいる。表示パネルの数は限定されず、1枚であってもよいし、2枚以上であってもよい。また表示パネルが複数の場合、複数の表示パネルは、観察者側から見て前後方向に互いに重ね合わされて配置されており、それぞれが画像を表示する。以下では、2枚の表示パネルを備える液晶表示装置10を例に挙げて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置10の概略構成を示す平面図である。
図1に示すように、液晶表示装置10は、観察者に近い位置(前側)に配置された第1表示パネル100と、第1表示パネル100より観察者から遠い位置(後側)に配置された第2表示パネル200と、第1表示パネル100に設けられた第1ソースドライバIC120及び第1ゲートドライバIC130と、第2表示パネル200に設けられた第2ソースドライバIC220及び第2ゲートドライバIC230と、を含んでいる。各ドライバICの数は限定されない。バックライト(
図1では省略)は、第2表示パネル200の背面側に配置されている。第1表示パネル100及び第2表示パネル200は、平面的に見て、同一の外形形状を有している。
【0022】
第1ソースドライバIC120は、例えばCOF(Chip On Film)方式により第1フレキシブル基板121(例えばFPC(Flexible Printed Circuits))に実装されている。第1フレキシブル基板121は、第1回路基板122(例えばPCB(Printed Circuit Board))に接続されている。第1ゲートドライバIC130は、例えばCOG(Chip On Glass)方式により薄膜トランジスタ基板(TFT基板)に実装されている。第1表示パネル100用のタイミングコントローラ(図示せず)から出力される画像データや各種タイミング信号は、第1回路基板122を介して第1ソースドライバIC120や第1ゲートドライバIC130に入力される。
【0023】
第2ソースドライバIC220は、例えばCOF(Chip On Film)方式により第2フレキシブル基板221(例えばFPC(Flexible Printed Circuits))に実装されている。第2フレキシブル基板221は、第2回路基板222(例えばPCB(Printed Circuit Board))に接続されている。第2ゲートドライバIC230は、例えばCOG(Chip On Glass)方式により薄膜トランジスタ基板(TFT基板)に実装されている。第2表示パネル200用のタイミングコントローラ(図示せず)から出力される画像データや各種タイミング信号は、第2回路基板222を介して第2ソースドライバIC220や第2ゲートドライバIC230に入力される。
【0024】
第1表示パネル100は入力映像信号に応じたカラー画像を画像表示領域110に表示し、第2表示パネル200は入力映像信号に応じた白黒画像を画像表示領域210に表示する。白黒画像及びカラー画像を重ね合わせて表示画面に表示することにより、高コントラストを実現することができる。
【0025】
図2は、本実施形態に係る液晶表示装置10の概略構成を示す分解斜視図である。尚、
図2では、説明の便宜上、第1表示パネル100を省略している。
【0026】
液晶表示装置10は、観察者側から、上フレーム530(第3フレーム)と、第1表示パネル100と、第2表示パネル200と、中フレーム510(第1フレーム)と、下フレーム520(第2フレーム)とが、別個に、この順に配置されている。下フレーム520は、金属材料から成り全体として凹状に形成されており、バックライト400を構成する光源410を内部に収容するとともに、バックライト400を構成する拡散板420及び光学シート430等を保持する(
図3参照)。中フレーム510は、金属材料から成り枠状に形成された金属フレーム部511と、樹脂材料から成り上フレーム530との間に配置される上樹脂スペーサ512と、樹脂材料から成り下フレーム520との間に配置される下樹脂スペーサ513と、を含んでいる。中フレーム510は、光源側から第1表示パネル100及び第2表示パネル200を支持する。上樹脂スペーサ512は、金属フレーム部511の角部に配置される上樹脂スペーサ512aと、金属フレーム部511の角部の間(辺)に配置される上樹脂スペーサ512bとを含んでいる。上樹脂スペーサ512aは、液晶表示装置10を平面的に見てL字状に形成されており、全体が金属フレーム部511上に配置される。上樹脂スペーサ512bは、液晶表示装置10を横から見てL字状に形成されており、一部が金属フレーム部511上に配置され、他の一部が金属フレーム部511の側面に配置される。上樹脂スペーサ512は、上フレーム530との間の距離を保持する保持部材としての機能に加えて、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の水平方向を位置合わせする位置合わせ部材としての機能を備えている。上樹脂スペーサ512による第1表示パネル100及び第2表示パネル200の位置合わせの構成については後述する。上フレーム530は、金属材料から成り枠状に形成されており、観察者側から第1表示パネル100及び第2表示パネル200の外周端部(額縁領域)を覆っている。上フレーム530と中フレーム510と下フレーム520とは、例えばネジにより互いに固定されている。
【0027】
図3は、
図2のA−A´断面斜視図である。尚、
図3では、液晶表示装置10を組み立てた状態を示し、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の両方を示している。また
図3(a)は、上フレーム530を取り付けた状態を示し、
図3(b)は、上フレーム530を透視した状態を示している。
【0028】
図3に示すように、第1表示パネル100の第1回路基板122は、液晶表示装置10の下辺側(
図1参照)において、第1フレキシブル基板121を介してバックライト側に折り曲げられて上樹脂スペーサ512bに保持されている。また、上樹脂スペーサ512bの表示面側(観察者側)には上フレーム530側に突出した突出部512cと、切り欠き512dとが形成されており、この切り欠き512dの内部に第1フレキシブル基板121が配置されている。第1フレキシブル基板121が複数配置されている場合は、突出部512cは、隣り合う第1フレキシブル基板121の間を通過して上フレーム530側に突出している。
図3には示していないが、同様に、第2表示パネル200の第2回路基板222は、液晶表示装置10の下辺側において、第2フレキシブル基板221を介してバックライト側に折り曲げられて上樹脂スペーサ512bに保持されている。また、上樹脂スペーサ512bに形成された切り欠き512dの内部に第2フレキシブル基板221が配置されている。第2フレキシブル基板221が複数配置されている場合は、上樹脂スペーサ512bに形成された突出部512cは、隣り合う第2フレキシブル基板221の間を通過して上フレーム530側に突出している。上樹脂スペーサ512により上フレーム530と中フレーム510との間に形成された間隙に、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の端部が配置されている。下樹脂スペーサ513により中フレーム510と下フレーム520との間に形成された間隙に、拡散板420及び光学シート430等の端部が配置されている。
【0029】
図4は、
図2のB−B´部分断面図である。
図4では、第1ソースドライバIC120及び第2ソースドライバIC220を含む領域を部分的に拡大した様子を模式的に示している。
【0030】
図4に示すように、第1ソースドライバIC120は、第1フレキシブル基板121を介して上フレーム530に対向、より詳細には接触するように配置されている。尚、第1ソースドライバIC120は、上フレーム530に直接接触していてもよい。上フレーム530は、金属材料により形成されているため、第1ソースドライバIC120の発熱が上フレーム530に固体熱伝導によって伝わる。このため、第1ソースドライバIC120の発熱を上フレーム530を介して外部(上矢印方向)へ放熱することができる。尚、上フレーム530における第1ソースドライバIC120に対向する部分がバックライト側に突出していてもよい。これにより、第1ソースドライバIC120の放熱性を向上させることができる。また、第2ソースドライバIC220は、中フレーム510の金属フレーム部511に対向、より詳細には放熱性を有する弾性部材700を介して接触するように配置されている。尚、第2ソースドライバIC220は、金属フレーム部511に直接接触していてもよい。金属フレーム部511は、金属材料により形成されているため、第2ソースドライバIC220の発熱が、弾性部材700を介して金属フレーム部511に固体熱伝導によって伝わる。このため、第2ソースドライバIC220の発熱を金属フレーム部511を介して外部(下矢印方向)へ放熱することができる。
図4に示すように、第2ソースドライバIC220と金属フレーム部511との間に、放熱性を有する弾性部材700(例えばゴム)が設けられてもよい。これにより、第2ソースドライバIC220の損傷を防ぐことができるとともに、放熱性を向上させることができる。このように、第1ソースドライバIC120及び第2ソースドライバIC220は、それぞれ別個の金属製のフレーム(上フレーム530、金属フレーム部511)に熱を逃がす構造を採用しているため、各ドライバICの発熱を効果的に放熱することができる。このため、各ドライバICの温度上昇に伴う動作不良を防ぐことができる。
【0031】
図3に示す例では、中フレーム510の金属フレーム部511は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200に背面側から対向するようにして配置された対向枠板511aと、対向枠板511aの外周端部から背面側に垂下した側壁511bと、を含んでいる。対向枠板511aは、第2表示パネル200と、バックライト400を構成する拡散板420及び光学シート430との間に配置され、表示画面に平行になっている。側壁511bは、表示画面に垂直な方向に延在し、バックライト400を構成する拡散板420及び光学シート430の周りを取り囲んでいる。
【0032】
下フレーム520は、金属フレーム部511の対向枠板511aと向き合って位置する周縁枠板521と、バックライト400に観察者とは反対側から対向するようにして配置された背面板523と、周縁枠板521の内周端部と背面板523の外周端部との間に延在する側壁522と、を含んでいる。周縁枠板521上には、下樹脂スペーサ513が配置され、周縁枠板521は、下樹脂スペーサ513を介して金属フレーム部511の対向枠板511aを支持している。側壁522は、表示画面に垂直な方向に延在し、バックライト400の周りを取り囲んでいる。
【0033】
また
図3に示すように、中フレーム510(特には金属フレーム部511)と下フレーム520との間に間隙800が形成されてもよい。具体的には、金属フレーム部511の側壁511bと、下フレーム520の側壁522との間に間隙800が形成されている。これにより、第2ソースドライバIC220から金属フレーム部511に伝わった熱を、間隙800付近から外部に放熱し易くすることができるため、放熱性をより向上させることができる。
【0034】
また、
図3から理解されるように、中フレーム510の金属フレーム部511は、下樹脂スペーサ513を介して下フレーム520に支持されており、下フレーム520とは接触していない。すなわち、金属フレーム部511は、下フレーム520から離間して配置されており、金属フレーム部511からの熱が下フレーム520に直接固体熱伝導では伝わらない。このように、互いに離間して配置された金属フレーム部511と金属製の下フレーム520とが、金属フレーム部511及び金属製の下フレーム520よりも熱伝導率が低い下樹脂スペーサ513を介して積層されているため、金属フレーム部511と下フレーム520との間で熱が伝わり難い。このため、バックライト400の光源410からの熱で下フレーム520が温められてしまっても、第2ソースドライバIC220からの熱は下フレーム520とは別個の金属フレーム部511に伝わって放熱されるため、第2ソースドライバIC220の放熱性を向上させることができる。
【0035】
なお、
図3に示す例では、バックライト400は、下フレーム520に取り付けられると共に下フレーム520内に収容された複数の光源410と、光源410と第2表示パネル200との間に配置された拡散板420及び光学シート430と、を含んだ構成を採用している。
図2に示す光源410は、例えばLEDからなり、下フレーム520内で互いに間隔を空けて二次元配列されている。
【0036】
ここで、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の位置関係は、
図1に示す構成に限定されない。例えば、
図5に示すように、液晶表示装置10を平面的に見て、第1ソースドライバIC120、第1フレキシブル基板121及び第1回路基板122が、表示画面の下側に配置されており、第2ソースドライバIC220、第2フレキシブル基板221及び第2回路基板222が、表示画面の上側に配置されており、第1表示パネル100及び第2表示パネル200が互いに上下反転した位置関係に配置されてもよい。
図5の構成によれば、第1ソースドライバIC120及び第2ソースドライバIC220はそれぞれ、金属材料から成る上フレーム530及び金属フレーム部511に挟まれることになるため、各ドライバICの放熱性をより向上させることができる。
【0037】
上述の説明では、ソースドライバICの発熱に対する放熱構造について示したが、本発明に係る表示装置はこれに限定されず、上記放熱構造は、ゲートドライバICについても適用することができる。
【0038】
次に、上樹脂スペーサ512による第1表示パネル100及び第2表示パネル200の位置合わせの構成について説明する。
【0039】
図6は、第1表示パネル100及び第2表示パネル200を位置合わせする構成を説明するための平面図である。
図6には、第1表示パネル100及び第2表示パネル200と、中フレーム510(金属フレーム部511)の角部に配置される4個の上樹脂スペーサ512aとを示している。各上樹脂スペーサ512aは、液晶表示装置10を平面的に見てL字状に形成されており、第1表示パネル100及び第2表示パネル200それぞれにおいて、隣り合う2辺(例えば左辺と上辺、上辺と右辺、右辺と下辺、下辺と左辺)に接触することにより、両表示パネル100,200を水平方向に固定する。4個の上樹脂スペーサ512aのうち1個の上樹脂スペーサ512a(
図6では右下の上樹脂スペーサ512a)は、水平方向に移動できないように金属フレーム部511に取り付けられており、基準スペーサとして機能する。残りの3個の上樹脂スペーサ512aは、水平方向に位置調整可能に金属フレーム部511に取り付けられており、位置調整用スペーサとして機能する。
【0040】
図7は、位置調整用の上樹脂スペーサ512a(以下、位置調整用スペーサ512a2という。)の構成を示す斜視図である。位置調整用スペーサ512a2は、バックライト側に突出した突出部5aと、金属フレーム部511にネジ固定するためのネジを挿通するためのネジ穴部5bとを含んでいる。金属フレーム部511は、突出部5aを受容するための受容部511aと、上記ネジを挿通するためのネジ穴部511bとを含んでいる。突出部5a及び受容部511aは、例えば、平面的に見て円形状に形成されており、受容部511aは、突出部5aよりも大きく形成されている。これにより、位置調整用スペーサ512a2は、金属フレーム部511上において、受容部511a及び突出部5aの大きさの差の分だけ水平方向に位置調整可能(移動可能)となる。
【0041】
図6及び
図7を参照しつつ、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の位置合わせの方法について説明する。先ず、基準用の上樹脂スペーサ512a(以下、基準スペーサ512a1という。)を金属フレーム部511にネジ固定する。次に、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の角部(隣り合う2辺)が基準スペーサ512a1の周囲に位置するように金属フレーム部511上に載置する。次に、3個の位置調整用スペーサ512a2を、突出部5aが受容部511aに嵌まるように、金属フレーム部511の角部に取り付ける。次に、3個の位置調整用スペーサ512a2をそれぞれ、第1表示パネル100及び第2表示パネル200それぞれの角部に押し付けながら水平方向に移動させ、基準スペーサ512a1に表示パネル100、200の外周端部を押し付ける。
図8は、位置調整用スペーサ512a2を水平方向に移動する様子を示す断面図である。
図9は、位置調整用スペーサ512a2が第1表示パネル100及び第2表示パネル200それぞれの角部に接触した状態を示す斜視図である。これにより、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の四隅が4個の上樹脂スペーサ512aに接触した状態となる。最後に、位置調整用スペーサ512a2を金属フレーム部511にネジ固定する。
【0042】
以上のようにして、第1表示パネル100及び第2表示パネル200を位置合わせすることができる。尚、上記構成では、位置調整用スペーサ512a2は、3箇所の角部に配置されているが、これに限定されず、基準スペーサ512a1の対角線上に位置する1箇所の角部のみに配置されていてもよい。
【0043】
基準スペーサ512a1及び位置調整用スペーサ512a2の形状は上記構成に限定されない。例えば、
図10に示すように、基準スペーサ512a1及び位置調整用スペーサ512a2は、矩形上に形成されても良い。この場合、隣り合う2辺(
図10では右辺及び下辺)を基準辺として、それぞれの基準辺に少なくとも1個の基準スペーサ512a1を配置し、他の2辺(
図10では左辺及び上辺)を調整辺として、それぞれの調整辺に少なくとも1個の位置調整用スペーサ512a2を配置する。これにより、第1表示パネル100及び第2表示パネル200を位置合わせすることができる。
【0044】
また、突出部5a及び受容部511aの形状は円形状に限定されず、楕円形状や矩形状であってもよい。また、基準スペーサ512a1及び位置調整用スペーサ512a2は、弾性部材(例えばゴム)で形成されてもよい。
【0045】
上述のように、本実施形態に係る液晶表示装置10は、主として、中フレーム510が特徴的構成を有しており、これによりドライバICの放熱性の向上と、第1表示パネル100及び第2表示パネル200の位置合わせ精度の向上を実現し得る。ここで、第1表示パネル100及び第2表示パネル200は周知の構成を適用することができる。以下では、本実施形態に係る液晶表示装置10に適用し得る第1表示パネル100及び第2表示パネル200の一構成例について説明する。
【0046】
図11は第1表示パネル100の概略構成を示す平面図であり、
図12は第2表示パネル200の概略構成を示す平面図である。
図13は、
図11及び
図12のC−C´断面図である。
図11及び
図12では、複数の第1ソースドライバIC120(
図1参照)を1個の第1ソースドライバIC120にまとめて示しており、他のドライバICについても同様である。
【0047】
図11及び
図13を用いて、第1表示パネル100の構成について説明する。
図13に示すように、第1表示パネル100は、バックライト400側に配置された薄膜トランジスタ基板101(以下、TFT基板という。)と、観察者側に配置され、TFT基板101に対向するカラーフィルタ基板102(以下、CF基板という。)と、TFT基板101及びCF基板102の間に配置された液晶層103と、を含んでいる。第1表示パネル100のバックライト400側には偏光板104が配置されており、観察者側には偏光板105が配置されている。
【0048】
TFT基板101には、
図11に示すように、第1方向(例えば列方向)に延在する複数のデータ線111と、第1方向とは異なる第2方向(例えば行方向)に延在する複数のゲート線112とが形成され、複数のデータ線111と複数のゲート線112とのそれぞれの交差部近傍に薄膜トランジスタ113(以下、TFTという。)が形成されている。第1表示パネル100を平面的に見て、隣り合う2本のデータ線111と隣り合う2本のゲート線112とにより囲まれる領域が1つの画素114として規定され、該画素114がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。複数のデータ線111は、行方向に等間隔で配置されており、複数のゲート線112は、列方向に等間隔で配置されている。TFT基板101には、画素114ごとに画素電極115が形成されており、複数の画素114に共通する1つの共通電極(図示せず)が形成されている。TFT113を構成するドレイン電極はデータ線111に電気的に接続され、ソース電極は画素電極115に電気的に接続され、ゲート電極はゲート線112に電気的に接続されている。
【0049】
図13に示すように、CF基板102には、各画素114に対応して複数の着色部102aが形成されている。各着色部102aは、光の透過を遮断するブラックマトリクス102bで囲まれており、例えば矩形状に形成されている。また、複数の着色部102aは、赤色(R色)の材料で形成され、赤色の光を透過する赤色部と、緑色(G色)の材料で形成され、緑色の光を透過する緑色部と、青色(B色)の材料で形成され、青色の光を透過する青色部と、を含んでいる。赤色部、緑色部、及び青色部は、行方向にこの順に繰り返し配列され、同一色の着色部が列方向に配列され、行方向及び列方向に隣り合う着色部102aの境界部分にブラックマトリクス102bが形成されている。各着色部102aに対応して、複数の画素114は、
図11に示すように、赤色部に対応する赤色画素114Rと、緑色部に対応する緑色画素114Gと、青色部に対応する青色画素114Bと、を含んでいる。
【0050】
上記の第1表示パネル100の例では、IPS方式の画素構造を挙げたが、これに限定されない。また、画素114を構成する各部の積層構造は、上記の構成に限定されない。
【0051】
第1表示パネル100に対応する第1タイミングコントローラ140は、周知の構成を備えている。例えば第1タイミングコントローラ140は、画像処理部から出力される第1画像データDAT1と第1制御信号CS1(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第1画像データDA1と、第1ソースドライバIC120及び第1ゲートドライバIC130の駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP1、データクロックDCK1、ゲートスタートパルスGSP1、ゲートクロックGCK1)とを生成する(
図11参照)。第1タイミングコントローラ140は、第1画像データDA1と、データスタートパルスDSP1と、データクロックDCK1とを第1ソースドライバIC120に出力し、ゲートスタートパルスGSP1とゲートクロックGCK1とを第1ゲートドライバIC130に出力する。
【0052】
第1ソースドライバIC120は、データスタートパルスDSP1及びデータクロックDCK1に基づいて、第1画像データDA1に応じたデータ信号(データ電圧)をデータ線111に出力する。第1ゲートドライバIC130は、ゲートスタートパルスGSP1及びゲートクロックGCK1に基づいて、ゲート信号(ゲート電圧)をゲート線112に出力する。
【0053】
各データ線111には、第1ソースドライバIC120からデータ電圧が供給され、各ゲート線112には、第1ゲートドライバIC130からゲート電圧が供給される。共通電極には、コモンドライバ(図示せず)から共通電圧Vcomが供給される。ゲート電圧(ゲートオン電圧)がゲート線112に供給されると、ゲート線112に接続されたTFT113がオンし、TFT113に接続されたデータ線111を介して、データ電圧が画素電極115に供給される。画素電極115に供給されたデータ電圧と、共通電極に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライト400の光の透過率を制御することによって画像表示を行う。第1表示パネル100では、赤色画素114R、緑色画素114G、青色画素114Bそれぞれの画素電極115に接続されたデータ線111に、所望のデータ電圧を供給することにより、カラー画像表示が行われる。
【0054】
次に、
図12及び
図13を用いて、第2表示パネル200の構成について説明する。
図13に示すように、第2表示パネル200は、バックライト400側に配置されたTFT基板201と、観察者側に配置され、TFT基板201に対向するCF基板202と、TFT基板201及びCF基板202の間に配置された液晶層203と、を含んでいる。第2表示パネル200のバックライト400側には偏光板204が配置されており、観察者側には偏光板205が配置されている。第1表示パネル100の偏光板104と、第2表示パネル200の偏光板205との間には、拡散シート301が配置されている。
【0055】
TFT基板201には、
図12に示すように、列方向に延在する複数のデータ線211と、行方向に延在する複数のゲート線212とが形成され、複数のデータ線211と複数のゲート線212とのそれぞれの交差部近傍にTFT213が形成されている。第2表示パネル200を平面的に見て、隣り合う2本のデータ線211と隣り合う2本のゲート線212とにより囲まれる領域が1つの画素214として規定され、該画素214がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。複数のデータ線211は、行方向に等間隔で配置されており、複数のゲート線212は、列方向に等間隔で配置されている。TFT基板201には、画素214ごとに画素電極215が形成されており、複数の画素214に共通する1つの共通電極(図示せず)が形成されている。TFT213を構成するドレイン電極はデータ線211に電気的に接続され、ソース電極は画素電極215に電気的に接続され、ゲート電極はゲート線212に電気的に接続されている。
【0056】
図13に示すように、CF基板202には、各画素214の境界部分に対応する位置に、光の透過を遮断するブラックマトリクス202bが形成されている。ブラックマトリクス202bで囲まれた領域202aには、着色部は形成されておらず、例えばオーバーコート膜が形成されている。
【0057】
上記の第2表示パネル200の例では、IPS方式の画素構造を挙げたが、これに限定されない。また、画素214を構成する各部の積層構造は、上記の構成に限定されない。
【0058】
第2タイミングコントローラ240は、画像処理部から出力される第2画像データDAT2と第2制御信号CS2(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第2画像データDA2と、第2ソースドライバIC220及び第2ゲートドライバIC230の駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP2、データクロックDCK2、ゲートスタートパルスGSP2、ゲートクロックGCK2)とを生成する(
図12参照)。第2タイミングコントローラ240は、第2画像データDA2と、データスタートパルスDSP2と、データクロックDCK2とを第2ソースドライバIC220に出力し、ゲートスタートパルスGSP2とゲートクロックGCK2とを第2ゲートドライバIC230に出力する。
【0059】
第2ソースドライバIC220は、データスタートパルスDSP2及びデータクロックDCK2に基づいて、第2画像データDA2に応じたデータ電圧をデータ線211に出力する。第2ゲートドライバIC230は、ゲートスタートパルスGSP2及びゲートクロックGCK2に基づいて、ゲート電圧をゲート線212に出力する。
【0060】
各データ線211には、第2ソースドライバIC220からデータ電圧が供給され、各ゲート線212には、第2ゲートドライバIC230からゲート電圧が供給される。共通電極には、コモンドライバから共通電圧Vcomが供給される。ゲート電圧(ゲートオン電圧)がゲート線212に供給されると、ゲート線212に接続されたTFT213がオンし、TFT213に接続されたデータ線211を介して、データ電圧が画素電極215に供給される。画素電極215に供給されたデータ電圧と、共通電極に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライト400の光の透過率を制御することによって画像表示を行う。第2表示パネル200では、白黒画像表示が行われる。
【0061】
上述の実施形態に係る液晶表示装置10は、複数(例えば2枚)の表示パネルを備える構成について示したが、本発明に係る表示装置は、1枚の表示パネルを備える構成であってもよい。
図14は、1枚の表示パネル1000を備える液晶表示装置10の一部の構成を示す断面図である。
図14には、ソースドライバIC120の発熱を放熱するための構成を示している。具体的には、ソースドライバIC120のバックライト側には、放熱性を有する弾性部材700(例えばゴム)と、中フレーム510の金属フレーム部511とが配置されており、観察者側には、金属材料から成る上フレーム530が配置されている。これにより、ソースドライバIC120は、金属材料から成る上フレーム530及び金属フレーム部511に挟まれることになるため、ソースドライバIC120の放熱性を向上させることができる。
【0062】
また、1枚の表示パネル1000を備える液晶表示装置10においても、表示パネル1000を中フレーム510に取り付ける際に、
図6等に示した位置合わせの構成を適用することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。