特許第6872866号(P6872866)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872866半導体装置、ワイヤレス通信装置、ワイヤレス通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872866
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】半導体装置、ワイヤレス通信装置、ワイヤレス通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/59 20060101AFI20210510BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   H04B1/59
   H04B5/02
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-151965(P2016-151965)
(22)【出願日】2016年8月2日
(65)【公開番号】特開2018-22973(P2018-22973A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥井 昭博
(72)【発明者】
【氏名】小南 悟
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 一紀
【審査官】 対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−238372(JP,A)
【文献】 特開2013−135537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/00
H04B 1/30
H04B 1/59
H04B 1/72
H04B 11/00−13/02
H04B 5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナコイルを外付けするためのアンテナ接続端子と、
前記アンテナコイルに生じる入力電圧から出力電圧を生成する受電部と、
前記受電部からの電力供給を受けて前記アンテナコイルを用いた非接触通信を行う通信部と、
前記受電部からの電力供給を受けて前記受電部及び前記通信部を制御する制御部と、
を集積化して成り、
前記受電部は、前記出力電圧の印加端と基準電位端との間または前記アンテナ接続端子と前記基準電位端との間に接続された抵抗部を含み、
前記制御部は、前記通信部の通信時には前記抵抗部の抵抗値を第1設定値とし、前記通信部の非通信時には前記抵抗部の抵抗値を前記第1設定値よりも高い第2設定値とすることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記抵抗部の抵抗値を不揮発的に格納する記憶部をさらに集積化して成り、
前記制御部は、前記記憶部の格納情報を読み出して前記抵抗部の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記受電部で得られる出力電圧、出力電流、若しくは、出力電力の検出結果に応じて前記抵抗部の抵抗値を切り替えることを特徴とする請求項1または請求項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記出力電圧、前記出力電流、若しくは、前記出力電力が最大となるように前記抵抗部の抵抗値を切り替えることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記抵抗部は、並列接続された複数の抵抗と、前記複数の抵抗の少なくとも一つに直列接続されたスイッチを含み、
前記制御部は、前記スイッチをオン/オフすることにより、前記抵抗部の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記抵抗部は、直列接続された複数の抵抗と、前記複数の抵抗の少なくとも一つに並列接続されたスイッチを含み、
前記制御部は、前記スイッチをオン/オフすることにより、前記抵抗部の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置に外付けされるアンテナコイルと、
を有することを特徴とするワイヤレス通信装置。
【請求項8】
前記アンテナコイルに対して並列または直列に接続される共振キャパシタをさらに有することを特徴とする請求項に記載のワイヤレス通信装置。
【請求項9】
前記半導体装置から電力供給を受ける外部デバイスをさらに有することを特徴とする請求項または請求項に記載のワイヤレス通信装置。
【請求項10】
前記外部デバイスは、バッテリ、マイコン、または、発光ダイオードであることを特徴とする請求項に記載のワイヤレス通信装置。
【請求項11】
アンテナコイルを用いてスレーブとの間で非接触による通信及び給電を行うマスタと、
前記スレーブとして機能する請求項〜請求項10のいずれか一項に記載のワイヤレス通信装置と、
を有することを特徴とするワイヤレス通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書中に開示されている発明は、ワイヤレス通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マスタ(NFC[near field communication]リーダ/ライタ搭載端末など)とスレーブ(NFCタグなど)との間で非接触による通信及び給電を行うワイヤレス通信システムが提案されている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5837195号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、受電側のスレーブに設けられるワイヤレス通信用の半導体装置(いわゆるNFCタグLSI)については、更なる改良の余地(アンテナ選択の自由度向上、内部回路の破壊防止、ないしは、電流ロスの低減)があった。
【0006】
本明細書中に開示されている発明は、本願の発明者らにより見出された上記の課題に鑑み、アンテナ選択の自由度向上、内部回路の破壊防止、ないしは、電流ロスの低減を図ることのできるワイヤレス通信用の半導体装置、並びに、これを用いたワイヤレス通信装置及びワイヤレス通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書中に開示されている半導体装置は、アンテナコイルを外付けするためのアンテナ接続端子と、前記アンテナコイルに生じる入力電圧から出力電圧を生成する受電部と、前記受電部からの電力供給を受けて前記アンテナコイルを用いた非接触通信を行う通信部と、前記受電部からの電力供給を受けて前記受電部及び前記通信部を制御する制御部と、を集積化して成り、前記受電部は、前記出力電圧の印加端と基準電位端との間または前記アンテナ接続端子と前記基準電位端との間に接続された抵抗部を含み、前記制御部は、前記抵抗部の抵抗値を調整する構成(第1の構成)とされている。
【0008】
なお、第1の構成から成る半導体装置は、前記抵抗部の抵抗値を不揮発的に格納する記憶部をさらに集積化して成り、前記制御部は、前記記憶部の格納情報を読み出して前記抵抗部の抵抗値を調整する構成(第2の構成)にするとよい。
【0009】
また、第1または第2の構成から成る半導体装置において、前記制御部は、前記通信部で通信が行われているか否かに応じて、前記抵抗部の抵抗値を切り替える構成(第3の構成)にするとよい。
【0010】
また、第3の構成から成る半導体装置において、前記制御部は、前記通信部の通信時に前記抵抗部の抵抗値を第1設定値とし、前記通信部の非通信時に前記抵抗部の抵抗値を前記第1設定値よりも高い第2設定値とする構成(第4の構成)にするとよい。
【0011】
また、第1〜第4いずれかの構成から成る半導体装置において、前記制御部は、前記受電部で得られる出力電圧、出力電流、若しくは、出力電力の検出結果に応じて前記抵抗部の抵抗値を切り替える構成(第5の構成)にするとよい。
【0012】
また、第5の構成から成る半導体装置において、前記制御部は、前記出力電圧、前記出力電流、若しくは、前記出力電力が最大となるように前記抵抗部の抵抗値を切り替える構成(第6の構成)にするとよい。
【0013】
また、第1〜第6いずれかの構成から成る半導体装置において、前記抵抗部は、並列接続された複数の抵抗と、前記複数の抵抗の少なくとも一つに直列接続されたスイッチを含み、前記制御部は、前記スイッチをオン/オフすることにより、前記抵抗部の抵抗値を調整する構成(第7の構成)にするとよい。
【0014】
また、第1〜第6いずれかの構成から成る半導体装置において、前記抵抗部は、直列接続された複数の抵抗と、前記複数の抵抗の少なくとも一つに並列接続されたスイッチを含み、前記制御部は、前記スイッチをオン/オフすることにより、前記抵抗部の抵抗値を調整する構成(第8の構成)にするとよい。
【0015】
また、本明細書中に開示されているワイヤレス通信装置は、第1〜第8いずれかの構成から成る半導体装置と、前記半導体装置に外付けされるアンテナコイルと、を有する構成(第9の構成)とされている。
【0016】
なお、第9の構成から成るワイヤレス通信装置は、前記アンテナコイルに対して並列または直列に接続される共振キャパシタを更に有する構成(第10の構成)にするとよい。
【0017】
また、第9または第10の構成から成るワイヤレス通信装置は、前記半導体装置から電力供給を受ける外部デバイスをさらに有する構成(第11の構成)にするとよい。
【0018】
また、第11の構成から成るワイヤレス通信装置において、前記外部デバイスは、バッテリ、マイコン、または、発光ダイオードである構成(第12の構成)にするとよい。
【0019】
また、本明細書中に開示されているワイヤレス通信システムは、アンテナコイルを用いてスレーブとの間で非接触による通信及び給電を行うマスタと、前記スレーブとして機能する第9〜第12いずれかの構成から成るワイヤレス通信装置と、を有する構成(第13の構成)とされている。
【発明の効果】
【0020】
本明細書中に開示されている発明によれば、アンテナ選択の自由度向上、内部回路の破壊防止、ないしは、電流ロスの低減を図ることのできるワイヤレス通信用の半導体装置、並びに、これを用いたワイヤレス通信装置及びワイヤレス通信システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】ワイヤレス通信システムの全体構成を示すブロック図
図1B】ワイヤレス通信装置の変形例を示すブロック図
図1C】ワイヤレス通信装置の別の変形例を示すブロック図
図2】受電部の第1実施形態を示すブロック図
図3A】抵抗部の第1実施例を示す回路図
図3B】抵抗部の変形例を示す回路図
図3C】抵抗部の別の変形例を示す回路図
図4】抵抗部の第2実施例を示す回路図
図5】第1の抵抗値切替動作を説明するためのブロック図
図6】第2の抵抗値切替動作を説明するためのブロック図
図7】第2の抵抗値切替動作を説明するためのタイミングチャート
図8】第3の抵抗値切替動作を説明するためのブロック図
図9】受電部の第2実施形態を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<ワイヤレス通信システム>
図1Aは、ワイヤレス通信システムの全体構成を示すブロック図である。本構成例のワイヤレス通信システムXは、互いにペアリングされた一対のワイヤレス通信装置X1及びX2を有して成る。
【0023】
ワイヤレス通信装置X1は、ワイヤレス通信装置X2との間で双方向の非接触通信を行うとともに、ワイヤレス通信装置X2から非接触で電力供給を受けるスレーブとして機能する。ワイヤレス通信装置X1の一例としては、NFC対応のICカードなどを挙げることができる。
【0024】
一方、ワイヤレス通信装置X2は、ワイヤレス通信装置X1との間で双方向の非接触通信を行うとともに、ワイヤレス通信装置X1に対して非接触で電力供給を行うマスタとして機能する。ワイヤレス通信装置X2の一例としては、NFC対応の自動改札機やスマートフォンなどを挙げることができる。
【0025】
なお、上記した非接触による通信(=信号伝送)及び給電(=電力伝送)は、ワイヤレス通信装置X1及びX2にそれぞれ設けられたアンテナコイルL1及びL2を介して、電磁誘導方式または電磁界共鳴方式などにより実現される。
【0026】
<ワイヤレス通信装置(スレーブ)>
引き続き、図1Aを参照しながら、スレーブとして機能するワイヤレス通信装置X1の構成について説明する。本構成例のワイヤレス通信装置X1は、半導体装置10と、アンテナコイルL1と、共振キャパシタC1と、外部デバイス20と、を有して成る。
【0027】
半導体装置10は、いわゆるNFCタグLSIであり、ワイヤレス通信装置X1の通信動作と受電動作を統括的に制御する。
【0028】
アンテナコイルL1は、半導体装置10に外付けされるディスクリート部品の一つである。アンテナコイルL1とアンテナコイルL2とが互いに重なるように、ワイヤレス通信装置X1とワイヤレス通信装置X2とを近接させることにより、アンテナコイルL1とアンテナコイルL2が電磁結合し、電気信号及び電力を伝送し得る状態となる。なお、単一のアンテナコイルL1を信号伝送用と電力伝送用の双方で兼用することにより、ワイヤレス通信装置X1を小型化することが可能となる。
【0029】
共振キャパシタC1は、半導体装置10に外付けされるディスクリート部品の一つであり、これと並列に接続されたアンテナコイルL1と共に同調回路を形成する。このような並列共振型には、通信を行いやすいという長所がある。ただし、同調回路の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、図1Bで示したように、アンテナコイルL1に対して共振キャパシタC2を直列に接続してもよい。このような直列共振型には、受電電力を大きく取りやすいという長所がある。なお、共振キャパシタC1またはC2は、半導体装置10に内蔵してもよい。
【0030】
外部デバイス20は、半導体装置10から電力供給(出力電圧Vo及び出力電流Io)を受ける負荷である。なお、外部デバイス20の一例としては、バッテリ、マイコン、または、発光ダイオードなどを挙げることができる。
【0031】
<半導体装置>
引き続き、図1Aを参照しながら、半導体装置10の構成について説明する。本構成例の半導体装置10は、アンテナコイル接続端子11a及び11bと、受電部12と、通信部13と、制御部14と、記憶部15と、外部デバイス給電端子16を集積化して成る。
【0032】
アンテナコイル接続端子11a及び11bは、それぞれの間にアンテナコイルL1と共振キャパシタC1を外付けするための外部端子である。
【0033】
受電部12は、アンテナコイルL1とアンテナコイルL2が電磁結合しているときに、アンテナコイルL1に生じる入力電圧Vi(=誘起電圧)から出力電圧Voを生成する。
【0034】
通信部13は、出力電圧Voの供給を受けて動作し、アンテナコイルL1を用いた非接触通信を行う。例えば、ワイヤレス通信システムXの通信規格として、ISO/IEC14443のタイプBが採用されている場合、通信部13は、マスタからスレーブへの信号伝送に際して、アンテナコイルL1に生じる入力電圧Vi(=誘起電圧)を受け付けており、ASK[amplitude-shift keying]10%で磁界強度が変調された搬送波を復調し、その復調結果を制御部14に伝達する。一方、通信部13は、スレーブからマスタへの信号伝送に際して、副搬送波をBPSK[binary phase shift keying]変調し、これを入力電圧Viに重畳するようにアンテナコイルL1を駆動する。もちろん、上記の通信規格は、あくまで一例であり、その他の通信規格を採用しても構わない。
【0035】
制御部14は、出力電圧Voの供給を受けて動作し、受電部12、通信部13、及び、記憶部15を統括的に制御する。なお、制御部14は、アンテナコイルL1のサイズや半導体装置10の動作状態に応じて、受電部10に設けられた抵抗部(詳細は後述)の抵抗値を調整する機能を備えている。その技術的意義については後述する。
【0036】
記憶部15は、制御部14に読み出される情報(後述する抵抗部の抵抗値)を不揮発的に格納する。記憶部15としては、FeRAM[ferroelectric random access memory]又はEEPROM[electrically erasable programmable read-only memory]などを用いればよい。なお、記憶部15が格納する情報は、半導体装置10の外部から任意に書き替えることが可能である。
【0037】
外部デバイス給電端子16は、出力電圧Voを外部デバイス20に供給するための外部端子である。なお、本図では、半導体装置10の内部回路(通信部13、制御部14、及び、記憶部15)と外部デバイス20の双方に共通の出力電圧Voが供給されているが、図1Cで示したように、半導体装置10の内部電源電圧Vinternalと、外部デバイス20への出力電圧Voを別系統としてもよい。
【0038】
<受電部(第1実施形態)>
図2は、受電部12の第1実施形態を示すブロック図である。本実施形態の受電部12は、整流回路121と、抵抗部122と、を含む。
【0039】
整流回路121は、交流波形の入力電圧Viを全波整流して直流波形の出力電圧Voを生成する。なお、整流回路121としては、ダイオードブリッジなどを用いればよい。
【0040】
抵抗部122は、出力電圧Voの印加端と基準電位端との間に接続されている。抵抗部122には、その抵抗値Rと出力電圧Voに応じた電流I(=Vo/R)が流れる。すなわち、抵抗部122に流れる電流Iは、抵抗値Rが高いほど小さくなり、逆に、抵抗値Rが低いほど大きくなる。なお、本明細書中の「基準電位端」とは、半導体装置10内の基準電位とされるノードを意味しており、必ずしも、実際のグラウンド(アース線など)である必要はない。
【0041】
<抵抗部>
図3Aは、抵抗部122の第1実施例を示す回路図である。本図で示したように、本実施例の抵抗部122は、m個(ただしm≧2)の抵抗R11〜R1mと、n個(ただし1≦n≦m)のスイッチSW11〜SW1nを含む。なお、本図では、m=nの場合が例示されている。
【0042】
抵抗R11〜R1mそれぞれの第1端は、いずれも出力電圧Voの印加端に接続されている。抵抗R11〜R1mそれぞれの第2端は、それぞれスイッチSW11〜SW1nの第1端に接続されている。スイッチSW11〜SW1nそれぞれの第2端は、いずれも基準電位端に接続されている。なお、図3Aでは、抵抗R11〜R1mを出力電圧Voの印加端側に接続し、スイッチSW11〜SW1nを基準電位端側に接続しているが、両者の接続順序はこれに限定されるものではなく、図3Bで示したように、スイッチSW11〜SW1nを出力電圧Voの印加端側に接続し、抵抗R11〜R1mを基準電位端側に接続しても構わない。また、図3Cで示したように、スイッチSW11〜SW1nそれぞれの第2端と基準電位端との間には、抵抗R11’〜R1m’が介在してもよい。
【0043】
このように、本構成例の抵抗部122は、並列接続された抵抗R11〜R1mと、抵抗R11〜R1mの少なくとも一つに直列接続されたスイッチSW11〜SW1nを含む。なお、抵抗R11〜R1mの抵抗値は、同一の値でもよいし、異なる値でもよい。
【0044】
制御部14は、スイッチSW11〜SW1nをオン/オフして抵抗部122の抵抗値Rを調整する。例えば、m=n=2である場合を考える。この場合、スイッチSW11をオンしてスイッチSW12をオフすれば、R=R11となる。一方、スイッチSW11をオフしてスイッチSW12をオンすれば、R=R12となる。また、スイッチSW11及びSW12をいずれもオンすれば、R=(R11×R12)/(R11+R12)となる。
【0045】
図4は、抵抗部122の第2実施例を示す回路図である。本図で示したように、本変形例の抵抗部122は、m個(ただしm≧2)の抵抗R21〜R2mと、n個(ただし1≦n≦m)のスイッチSW21〜SW2nを含む。なお、本図では、m=nの場合が例示されている。
【0046】
抵抗R21〜R2mは、出力電圧Voの印加端と基準電位端との間に直列に接続されている。スイッチSW21〜SW2nは、それぞれ、抵抗R21〜R2mに並列に接続されている。
【0047】
このように、第2実施例の抵抗部122は、直列接続された抵抗R21〜R2mと、抵抗R21〜R2mの少なくとも一つに並列接続されたスイッチSW21〜SW2nと、を含む。なお、抵抗R21〜R2mの抵抗値は、同一の値でもよいし、異なる値でもよい。
【0048】
制御部14は、スイッチSW21〜SW2nをオン/オフして抵抗部122の抵抗値Rを調整する。例えば、m=n=2である場合を考える。この場合、スイッチSW21をオフしてスイッチSW22をオンすれば、R=R21となる。一方、スイッチSW21をオンしてスイッチSW22をオフすれば、R=R22となる。また、スイッチSW21及びSW22をいずれもオフすれば、R=R21+R22となる。
【0049】
もちろん、上記の第1実施例と第2実施例を任意に組み合わせて、抵抗部122を形成することも可能である。
【0050】
<第1の抵抗値切替動作>
図5は、第1の抵抗値切替動作を説明するためのブロック図である。本図で示したように、制御部14は、記憶部15の格納情報を読み出して抵抗部122の抵抗値Rを調整する構成にするとよい。
【0051】
なお、記憶部15には、例えば、半導体装置10に外付けされているアンテナコイルL1の諸元(サイズや巻数など)を考慮して、ワイヤレス通信システムXの通信規格を遵守することのできる適切な抵抗値Rを書き込んでおくとよい。このような構成とすることにより、抵抗値Rが固定値である場合と異なり、様々なアンテナコイルL1を外付けすることができるようになるので、アンテナコイルL1の選択自由度(延いてはワイヤレス通信装置X1の設計自由度)を高めることが可能となる。
【0052】
また、記憶部15には、アンテナコイルL1が受ける磁界の強度を考慮して、適切な抵抗値Rを書き込んでおいてもよい。例えば、強い磁界を受けても半導体装置10の内部回路(制御部14など)を壊れ難くするためには、抵抗値Rを小さめの値に設定することにより、受電部12の内部に発生する電圧(出力電圧Voなど)を引き下げておくとよい。
【0053】
逆に、受電部12での電流ロスを低減するためには、抵抗値Rを大きめの値に設定することにより、抵抗部122に流れる電流Iを小さく絞っておくとよい。
【0054】
<第2の抵抗値切替動作>
図6は、第2の抵抗値切替動作を説明するためのブロック図である。本図で示したように、制御部14は、通信部13で通信が行われているか否かに応じて抵抗部122の抵抗値Rを切り替える構成にしてもよい。以下、タイミングチャートを参照しながら、その具体的な切替動作について説明する。
【0055】
図7は、第2の抵抗値切替動作を説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、ワイヤレス通信装置X2(=マスタ)の動作状態、抵抗部122の抵抗値R、及び、出力電流Ioが描写されている。
【0056】
時刻t1〜t2において、ワイヤレス通信装置X2は、通信状態(COMM)となる。その間、制御部14は、通信部13が通信中であることに鑑み、抵抗値Rを第1設定値RLに設定する。この第1設定値RLは、ワイヤレス通信システムXの通信規格を遵守することのできる適切な抵抗値に設定しておけばよい。このとき、出力電流Ioは、第1電流値IoLとなる。なお、通信中におけるワイヤレス通信装置X1の消費電力は、ワイヤレス通信装置X2から伝送される電気信号の一部により賄われる。
【0057】
一方、時刻t2〜t3において、ワイヤレス通信装置X2は、給電状態(POW)となる。このように、ワイヤレス通信装置X2が通信を完了してワイヤレス通信装置X1への給電だけを継続している状態でれば、ワイヤレス通信システムXの通信規格に制約されることなく、抵抗値Rを任意に設定することが可能である。
【0058】
例えば、外部デバイス20への給電能力を高めるためには、抵抗値Rをできるだけ大きい値に設定して、出力電圧Vo及び出力電流Ioを引き上げることが望ましい。そこで、制御部14は、通信部13の通信内容を解析して通信完了タイミング(時刻t2)を確認し、同タイミングで抵抗値Rを第1設定値RLよりも高い第2設定値RHに切り替える。その結果、出力電流Ioが第1電流値IoLよりも大きい第2電流値IoHに増大するので、外部デバイス20への給電能力を高めることが可能となる。
【0059】
なお、本図の時刻t1〜t3、及び、時刻t4〜t6で示したように、ワイヤレス通信装置X2が間欠的に通信動作を試みてくる場合には、その都度、通信完了タイミングを確認して抵抗値Rを切り替えればよい。
【0060】
また、制御部14は、ワイヤレス通信装置X2から伝送される特定コマンド(例えば、充電開始コマンド)に応じて、抵抗値Rを第1設定値RLから第2設定値RHに切り替える構成としてもよい。
【0061】
なお、Qi(チー)に準拠したワイヤレス給電システムにおいて、送電機器(充電台など)と受電機器(携帯端末など)との間で交わされる通信は、受電機器から送電機器への単方向通信(=受電機器がQi対応である旨を示すフラグ通知)のみである。そのため、Qi対応の受電機器は、その受電効率が常に最大となるように回路設計されており、上記構成(=通信部13の動作状態に応じて抵抗値Rを切り替える構成)とは無縁である。
【0062】
<第3の抵抗値切替動作>
図8は、第3の抵抗値切替動作を説明するためのブロック図である。本図で示したように、制御部14は、出力電圧Vo、出力電流Io、若しくは、出力電力Wo(=Vo×Io)の検出結果に応じて抵抗部122の抵抗値Rを切り替える構成にしてもよい。
【0063】
例えば、制御部14では、出力電圧Vo、出力電流Io、若しくは、出力電力Woが最大となるように、抵抗値Rを切り替えればよい。
【0064】
<受電部(第2実施形態)>
図9は、受電部12の第2実施形態を示すブロック図である。本実施形態の受電部12は、第1実施形態(図2)をベースとしつつ、アンテナ接続端子11a及び11bと基準電位端との間に接続された抵抗部123を含んでいる。また、制御部14は、抵抗部122ではなく、抵抗部123の抵抗値を調整する構成とされている。
【0065】
このように、制御部14による抵抗値の調整対象は、出力電圧Voの印加端と基準電位端との間に接続された抵抗部122に限らず、アンテナ接続端子11a及び11bと基準電位端との間に接続された抵抗部123とすることも可能である。
【0066】
また、第1実施形態(図2)と第2実施形態(図9)を組み合わせることにより、抵抗部122及び123それぞれの抵抗値を調整するようにしても構わない。
【0067】
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本明細書中に開示されている発明は、例えば、NFC規格に準拠したワイヤレス通信システムに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 半導体装置
11a、11b アンテナコイル接続端子
12 受電部
121 整流回路
122、123 抵抗部
13 通信部
14 制御部
15 記憶部
16 外部デバイス給電端子
20 外部デバイス
X ワイヤレス通信システム
X1 ワイヤレス通信装置(スレーブ)
X2 ワイヤレス通信装置(マスタ)
L1、L2 アンテナコイル
C1、C2 共振キャパシタ
R11〜R1m、R11’〜R1m’、R21〜R2m 抵抗
SW11〜SW1n、SW21〜SW2n スイッチ
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9