(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態に係るインサイドドアハンドル装置10について説明する。ここで、
図1は、本実施形態に係るインサイドドアハンドル装置10を模式的に示す正面図である。
図2は、
図1に示すインサイドドアハンドル装置10のAA断面図である。
図3は、ハンドルケース20を模式的に示す正面図である。
【0015】
インサイドドアハンドル装置10は、車両のドアを車室内側から開放操作するためのハンドル装置である。このインサイドドアハンドル装置10は、車両のドアを構成するドアインナーパネル1の車室内側を覆うドアトリム2に配設され、当該ドアトリム2と一体をなすように車室内側に臨んでいる。
【0016】
インサイドドアハンドル装置10は、ハンドルケース20と、ハンドル40と、ロックノブ50と、ピン60とを主体に構成されている。
【0017】
ハンドルケース20は、ハンドル40及びロックノブ50を保持するとともに、ハンドル40を把持するための所要の空間を画定するケースである。ハンドルケース20は、ドアインナーパネル1を覆うドアトリム2の開口部3に配設されており、ドアインナーパネル1の所要の位置に固定されている。
【0018】
ハンドルケース20は、ドアインナーパネル1と対向する縦壁部21と、この縦壁部21の周縁に連設される周壁部22とで構成されており、上下方向に沿う断面が略コ字形状をなしている。縦壁部21は、略平板状に形成されており、車両後方側には、ハンドル40を保持するハンドル保持部23と、ロックノブ50を保持するロックノブ保持部24とが形成されている。
【0019】
ハンドル保持部23は、ハンドルケース20内の下方位置に設定され、ロックノブ保持部24は、ハンドルケース20内においてハンドル保持部23の上方位置に設定される。ロックノブ保持部24の上方は、ハンドルケース20の周壁部22の一部をなす上壁部25aにより仕切られ、ハンドル保持部23とロックノブ保持部24との間は、隔壁部25bにより隔てられている。また、ハンドル保持部23の下方は、ハンドルケース20の周壁部22の一部をなす下壁部25cにより仕切られている。ハンドルケース20内に配置されるハンドル40及びロックノブ50は上下に並んで配列される。
【0020】
周壁部22は、縦壁部21との連設部を基点に車室内側に向かって延出している。周壁部22の先端側の形状は、開口部3の開口形状と対応しており、ハンドルケース20がドアトリム2に配設された状態において、周壁部22の先端側はドアトリム2の開口周縁部2aに沿う格好となる。周壁部22の周囲がドアトリム2(開口周縁部2a)により囲まれることで、ハンドルケース20とドアトリム2とが一体性を有するデザインとされている。
【0021】
ハンドル40は、利用者が把持して操作を行う操作部材であり、ハンドルケース20内の下方位置に配置されている。このハンドル40は、ハンドル保持部23に収容される基端部40aと、当該基端部40aより車両前方に延在し、利用者が把持して操作を行う操作部40bとで構成されている。ハンドル保持部23には、ピン60が上下方向に沿って配設されている。このピン60は基端部40aを貫通しており、当該基端部40aはピン60により軸支される。ハンドル40(操作部40b)は、ピン60を回転中心として回動自在に構成され、ハンドルケース20内に収容される閉位置と、ハンドルケース20から引き出された開位置との間で回動する。
【0022】
ハンドル40の基端部40aは、ワイヤなどの連結部材(図示せず)を介して、ドア側に設けられたドアロック装置(図示せず)と連結されており、ハンドル40の操作力がドアロック装置へと伝達される。ハンドル40の操作部40bが閉位置の状態では、ハンドル40の基端部40aがハンドル保持部23内に収容される。この場合、ドアロック装置はロック状態となり、ドアは閉じた状態で維持される。一方、ハンドル40の操作部40bが閉位置から開位置まで回動されると、基端部40aの先端側が縦壁部21の開口21aから外側に突出する。これにより、連結部材を介してドアロック装置が操作され、ドアロック装置のロック状態が解除される。その結果、ドアを開放することができる。
【0023】
ロックノブ50は、ドア開放を規制するために利用者が操作を行う操作部材である。ロックノブ50は、ハンドルケース20内の上方位置に配置されており、ロックノブ保持部24に収容されている。上壁部25aには、下方に突き出した凸部25a1が設けられ、隔壁部25bには、凸部25a1と対向する位置に、上方に突き出した凸部25b1が設けられている。ロックノブ50がロックノブ保持部24に収容された状態において、一対の凸部25a1,25b1は、ロックノブ50の上辺及び下辺にそれぞれ設定された凹状の窪み部(図示せず)に挿入される。これにより、ロックノブ50は、一対の凸部25a1,25b1により軸支され、一対の凸部25a1,25b1を回転中心として回動自在に構成される。
【0024】
ロックノブ50は、前述のドアロック装置と連結されている。ロックノブ50を回動操作することにより、ハンドル40によるドアロック装置へのドア開放操作がキャンセルされる。これにより、ドア開放を規制することができる。
【0025】
ピン60は、ハンドル40を軸支する部材であり、例えば円柱状の軸体から構成されている。ピン60は、後述するピン挿通孔25c1を介して、ハンドルケース20の外側より内方に挿入されており、その両端がハンドルケース20によって支持されている。ピン60は、ハンドルケース20に支持された状態で、ハンドル40の基端部40aを貫通している。
【0026】
隔壁部25bには、この隔壁部25bを上下方向に貫通する貫通孔25b2が設けられている。一方、下壁部25cには、貫通孔25b2と対向する位置に、下壁部25cを上下方向に貫通するピン挿通孔25c1が設けられている。ピン60の一端である先端部60a側は、隔壁部25bの貫通孔25b2に挿入され、当該隔壁部25bにより支持されている。また、ピン60の他端側は、下壁部25cのピン挿通孔25c1に挿入され、当該下壁部25cにより支持されている。
【0027】
ピン60の他端には、径方向の外側に拡大したフランジ形状の頭部60bが設けられており、ハンドルケース20に対してピン60を挿入する際に、当該ピン60がハンドルケース20内に埋没することがないようにされている。また、ピン60の他端側において頭部60bに隣接する所定の範囲には、軸体の外周面にローレットを施したローレット部61が設定されている。ローレット部61の外径は下壁部25cのピン挿通孔25c1の内径よりも大きく設定されており、当該ピン挿通孔25c1に対してローレット部61が圧入されている。これにより、ローレット部61がピン挿通孔25c1に対して緊密に嵌合し、ピン60の脱落が抑制される。
【0028】
ピン60にはトーションスプリング65が設けられている。トーションスプリング65の一端は、ハンドル40の基端部40aに接続され、その他端は、ハンドルケース20に接続されている。このトーションスプリング65により、ハンドル40には当該ハンドル40(操作部40b)を閉位置に付勢する付勢力が常時付与される。したがって、通常、ハンドル40は閉位置に維持される。
【0029】
以下、本実施形態の特徴に一つである、ハンドルケース20が備えるピン60の抜け止め構造について説明する。ここで、
図4は、ピン60の抜け止め構造を中心とするハンドルケース20の斜視図である。
図5は、ピン60の抜け止め構造を中心とするハンドルケース20の正面図であり、
図6は、ピン60の抜け止め構造を中心とするハンドルケース20の底面図である。
図7は、ハンドルケース20に挿入されたピン60の状態を示す斜視図である。
【0030】
ハンドルケース20は、ピン60の抜け止めを行うリブ30を備えている。リブ30は、ハンドルケース20の周壁部22に、ピン挿通孔25c1に挿入されたピン60の頭部60bに臨むように設けられている。本実施形態において、リブ30は、ピン60の両側にそれぞれ対称に設けられている。
【0031】
個々のリブ30は、ピン60の挿入方向(本実施形態では、上下方向)と直交する方向である車両前後方向に弾性変形する弾性片31からなる。具体的には、弾性片31は、その基端部31aが周壁部22に立設された保持板22a(周壁部22の一部)に連設され、基端部31aから先端部31bまで片持ち状に延在している。弾性片31は、ピン挿通孔25c1周囲におけるケース領域(以下「周囲領域」という)Raの面内方向に沿って延在している。この弾性片31は、その先端部31b側がピン挿通孔25c1に近づくように斜め方向に延在しており、ピン60がハンドルケース20に挿入された状態において、弾性片31の先端部31bがピン60の頭部60bの上方に位置するように設定されている。
【0032】
弾性片31は、ピン60の挿入方向に板幅を備える板状体で構成されている。また、弾性片31の先端部31bは、ピン60の挿入方向に沿って板厚が増加するように、ピン60に向き合う面がテーパー形状に設定されている。このため、対向する一対の弾性片31の隙間Cは、ピン60の挿入方向に沿って次第に小さくなる。隙間Cにおける最小幅は、ピン60の頭部60bの外径よりも小さい値に設定されている。
【0033】
ピン60の挿入方向における弾性片31と周壁部22の周囲領域Raとの間の距離は、ピン60がハンドルケース20から抜け落ちた場合であっても、ピン60が弾性片31に受け止められることで、ピン60の先端部60aが隔壁部25bの貫通孔25b2から抜け落ちることがない程度の値に設定されている。
【0034】
なお、周囲領域Raは、当該周囲領域Raの周辺よりもリブ30に近づく方向へと段状に隆起した形状をなしており、ピン60を圧入するための十分な板厚(肉厚)が確保されている。このような板厚を考慮してハンドルケース20を金型で型成形する際には、周囲領域Raに対して金型を設定する必要がある。この金型の影響により、弾性片31の先端部31bには、その一部が欠落した切欠部A1が形成されている。
【0035】
このような構成のインサイドドアハンドル装置10において、ハンドルケース20とハンドル40との組み付けは以下に示す手順で行われる。
【0036】
まず、ハンドル保持部23とハンドル40の基端部40aとを位置合わせして、ハンドルケース20に対してハンドル40を収容する。この基端部40aがハンドル保持部23に収容された状態において、基端部40aの貫通孔は、隔壁部25bの貫通孔25b2及び下壁部25cのピン挿通孔25c1と同一軸上に配列される。
【0037】
つぎに、ピン挿通孔25c1を介して、ハンドルケース20の外側よりその内部にピン60を挿入する。ピン60は先端部60aを先頭にピン挿通孔25c1へと挿入され、先端部60aが基端部40aの貫通孔を経由して隔壁部25bの貫通孔25b2へと挿入される。ピン60の挿入は、ピン60の頭部60bが周壁部22(周囲領域Ra)に突き当たるまで継続される。
【0038】
ピン60の挿入工程において、ピン60のローレット部61がピン挿通孔25c1へと到達した際には、ピン60の頭部60bに対する挿入力を増加させ、ローレット部61をピン挿通孔25c1へと圧入する。ローレット部61がピン挿通孔25c1へと圧入されることで、ローレット部61がピン挿通孔25c1に対して緊密に嵌合する。
【0039】
また、ピン60の挿入工程において、ピン60が一定量まで挿入されると、ピン60の頭部60bが、一対の弾性片31(リブ30)の隙間Cに到達する。弾性片31の先端部31bのテーパー形状に従い、一対の弾性片31の隙間Cは、ピン60の挿入方向に沿って序々に狭くなる。このため、ピン60の挿入が進むと、当該隙間Cがピン60の頭部60bの径よりも小さくなり、弾性片31の先端部31bは、ピン60の頭部60bにより外側へと押し出される。これにより、頭部60bから弾性片31の先端部31bへと外力が作用し、弾性片31がピン60の挿入方向と直交する方向(前後方向)へと弾性変形する。この弾性変形により、ピン挿通孔25c1に対するピン60の挿入が許容される。
【0040】
一方、ピン60の挿入が進み、その頭部60bが弾性片31を通過すると、弾性片31は当初の形状へと弾性復帰する。これにより、弾性片31の先端部31bが、ピン60の頭部60bの上方に、当該頭部60bに臨むように位置する。このため、ピン60がピン挿通孔25c1から抜けた場合であっても、当該ピン60の頭部60bがリブ30(弾性片31)により受け止められる。その結果、ピン60がピン挿通孔25c1から脱落することを規制することができる。
【0041】
このように本実施形態に係るインサイドドアハンドル装置10は、車体側の部材であるドアトリム2に配設されるハンドルケース20と、ハンドルケース20に支持される柱状のピン60と、ハンドルケース20内に収容され、ピン60によって回動可能に軸支されているハンドル40と、を有している。この場合、ハンドルケース20は、ハンドルケース20の外側よりピン60を挿入可能なピン挿通孔25c1と、ピン挿通孔25c1に挿入されたピン60の頭部60bに臨むように設けられ、ピン60の抜け止めを行うリブ30を備えている。ここで、リブ30は、ハンドルケース20から、ピン挿通孔25c1周囲におけるケース領域(周囲領域Ra)の面内方向に沿って延在し、ピン60の挿入方向と直交する方向に弾性変形する弾性片31からなる。
【0042】
本実施形態に示すように、リブ30である弾性片31をピン60の頭部60bに臨むように配置した場合、ピン60の挿入時には、弾性片31をピン60の進路から退避させる必要がある。このため、弾性片31には、ピン60の挿入方向と直交する方向に変形するための柔軟性が求められる。
【0043】
ここで、
図8に比較例となるインサイドドアハンドル装置100を示す。この比較例に係るインサイドドアハンドル装置100のリブ130は、ピン160の挿入方向と直交する方向に弾性変形する弾性片131からなる。この弾性片131は、その基端部131aがハンドルケース120に連設されており、基端部131aから先端部131bまで片持ち状に延在している。この場合、弾性片131は、ピン160の挿通方向に沿って延在している。
【0044】
この構成において、弾性片131に対して十分な柔軟性を与えるためには、弾性片131についての延在方向の長さを充分に確保する必要がある。すなわち、ハンドルケース120の周壁部122から外方に飛びだすように、弾性片131を設ける必要がある。一方で、ハンドルケース120と当該ハンドルケース120が配設されるドアトリムとの間はスペースが小さい。そのため、リブ130(弾性片131)の構造がドアトリムと干渉してしまい、インサイドドアハンドル装置100をドアトリムに組み付けることができないという問題がある。
【0045】
この点本実施形態に係るインサイドドアハンドル装置10によれば、弾性片31は、その基端部31aから先端部31bにかけて、周囲領域Raの面内方向に沿って延在している。このため、十分な柔軟性を与えるだけの長さを弾性片31の延在方向に確保したとしても、周壁部22の外方に対して大きく張り出すことがない。その結果、ハンドルケース20とドアトリム2との間の小さなスペースS(
図2参照)にリブ30を収めることができ、ドアトリム2と干渉することなくインサイドドアハンドル装置10を組み付けることができる。これにより、ハンドル40を軸支するピン60の抜け止め構造を備えつつ、組み付け性に優れるインサイドドアハンドル装置10を提供することができる。
【0046】
なお、本実施形態において、弾性片31が面内方向に沿って延在する状態とは、弾性片31が、周囲領域Raの面内方向に対して平行に延在する状態のみならず、周囲領域Raの面内方向に対して傾きながら延在する状態も含む概念である。ここで、
図9に示すように、弾性片31が周囲領域Raの面内方向に対して傾斜しながら延在する場合、弾性片31の延在状態は、周囲領域Raにおける面内方向の延在成分LAと、周囲領域Raにおける面直方向の延在成分LBとに分けて考えることができる。弾性片31が柔軟性を備えるためには、弾性片31は十分に長く延在している必要があるが、弾性片31を延在させる方法としては、面直方向の延在成分LBを大きく確保する方法と、面内方向の延在成分LAを大きく確保する方法とがある。
【0047】
面直方向の延在成分LBが大きい場合、弾性片31が周壁部22の外方に大きく張り出してしまう結果となる。これに対して、面内方向の延在成分LAを大きく設定すれば、周壁部22の外方への張り出しを抑えつつ、弾性片31を長く延在させて柔軟性を確保することができる。このようなことから、弾性片31は、周囲領域Raにおける面内方向の延在成分LAが、周囲領域Raにおける面直方向の延在成分LB以上となる関係に設定されることが好ましい。これにより、弾性片31について、延在方向の長さを充分に確保して柔軟性を得つつ、周壁部22の外方に対するコンパクト化を図る、という2つの要件を充足させることができる。
【0048】
また、本実施形態において、弾性片31は、ピン60の挿入方向と直交する方向に弾性変形することで、ピン挿通孔25c1に対するピン60の挿入を許容する。また、弾性片31は、ピン60の頭部60bが弾性片31を通過して弾性復帰することで、ピン60の頭部60bの上方に位置してピン60の脱落を規制する。
【0049】
この構成によれば、周壁部22の外方に対してコンパクトな構成をとりつつ、ピン60の挿入し易さと、ピン60の抜け止めとの両立を図ることができる。
【0050】
また、本実施形態において、弾性片31は、ピン60の挿入方向に板幅が設定された板状体で構成され、弾性片31の先端部31bは、ピン60の挿入方向に沿って板厚が増加するように、ピン60に向き合う面がテーパー状に設定されている。
【0051】
この構成によれば、ピン60の挿入方向と直交する方向に対する高い柔軟性を備えつつ、ピン60の抜け方向(下方向)に対して高い剛性を備えた構成となる。これにより、弾性片31が高い剛性を発揮して、ピン60の抜け防止を適切に行うことができる。
【0052】
また、テーパー形状とされることで、ピン60の挿入に従い、ピン60を適切に弾性変形させることができる。これにより、ピン60の挿入をスムーズに行うことができる。
【0053】
また、本実施形態において、ハンドルケース20は、ドアインナーパネル1と対向する縦壁部21と、縦壁部21の周縁に連設されて、ドアトリム2により周囲が囲まれる周壁部22と、を有している。この場合、ピン挿通孔25c1がハンドルケース20の周壁部22に設けられるとともに、弾性片31の基端部31aが周壁部22に連設されている。
【0054】
ハンドルケース20の周壁部22の周囲はドアトリム2により囲まれ、両者の間は小さなスペースS(
図2参照)となる。本実施形態に係るインサイドドアハンドル装置10によれば、リブ30について、周壁部22の外方へと張り出しにくい構造が採られている。このため、リブ30がドアトリム2と干渉することを抑制することができ、インサイドドアハンドル装置10の組み付け性の向上を図ることができる。
【0055】
また、本実施形態において、リブ30は、ピン60の両側にそれぞれ対称に設けられている。
【0056】
この構成によれば、一対のリブ30を設定することで、単一のリブ30を設定する場合と比べて、ピン60に対して一定の保持力を確保することができる。これにより、ピン60の抜け止めを確実に行うことができる。
【0057】
以上、本実施形態に係るハンドル装置について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。上述した実施形態では、ハンドル装置として、サイドドアに適用されるインサイドドアハンドル装置について説明したが、バックドアに適用してもよいし、種々のハンドル装置に適用することができる。
【0058】
また、本実施形態では、弾性片が弾性変形する方向を、前後方向としているが、ピンの挿入方向と直交する方向であればいずれの方向であってもよい。例えば、型成形以外の方法でハンドルケースを製造し、金型の抜き方向を考慮しないのであれば、車両の左右方向(車室の内外方向)に設定してもよいし、これ以外の方向であってもよい。
【0059】
また、本実施形態では、ピンによりハンドルを軸支する構造について説明したが、このピンがロックノブを軸支したり、ロックノブとハンドルの双方を軸支したりするものであってもよい。すなわち、操作部材は、ハンドル以外にもロックノブであってもよい。
【0060】
また、抜け止め構造は、一対のリブで構成する以外にも、単一のリブで構成してもよい。