(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電解水の殺菌力は、主として次亜塩素酸(HClO)に依拠している。しかしながら、有効塩素濃度は、次亜塩素酸、塩素(Cl
2)、塩素イオン(Cl
−)などを含む濃度であるので、上記特許文献1において有効塩素濃度が高いと判定された場合であっても、実際には殺菌力が低下していることがある。このため、上記特許文献1においては、洗浄後の電解水の有効塩素濃度で殺菌力の低下を正確に判断することはできない。
【0005】
そこで、本発明者は、電解水の殺菌力を判断するための精度を高めることを課題とした。すなわち、本発明は、上記問題点に鑑み、電解水の殺菌力を判断する精度を向上する、殺菌力の測定方法及び殺菌力の測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、電解水の殺菌力を判断する精度を向上するために鋭意検討した結果、色素が電解水中の殺菌力を示す成分と反応することを見出して、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の殺菌力の測定方法は、電解水の殺菌力を測定する方法であって、電解水に色素を添加する工程と、色素との呈色反応により、殺菌力を測定する工程とを備えている。
【0008】
本発明の殺菌力の測定方法によれば、測定対象である電解水に色素を添加することで、電解水は着色されるが、その後に色素と電解水の殺菌力を示す成分との呈色反応により電解水の色が変化する。この色の変化に応じて、電解水の殺菌に寄与する力を測定することができる。したがって、電解水の殺菌力を判断する精度を向上できる。
【0009】
ここで、本発明の殺菌力とは、微生物への殺菌作用に寄与する力である。電解水に含まれる殺菌に寄与する成分は、主に次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオン(ClO
−)であり、特に次亜塩素酸の殺菌力が大きい。本発明の殺菌力の測定方法では、殺菌力を示す成分のそれぞれの強さ(例えば、次亜塩素酸の相対的に強い殺菌力と、次亜塩素酸イオンの相対的に弱い殺菌力とを合わせること)を考慮した総合的な殺菌力を測定する。
【0010】
本発明の殺菌力の測定方法において好ましくは、測定する工程では、呈色反応時間により殺菌力を測定する。
【0011】
電解水の殺菌力を示す成分と色素との呈色反応時間により、電解水の殺菌力の強さを測定できることを本発明者は見出した。このため、電解水の殺菌力の強さを容易に測定できる。
【0012】
本発明の殺菌力の測定方法において好ましくは、測定する工程では、呈色反応を目視またはフォトセンサで測定する。
【0013】
電解水の呈色反応で殺菌力を測定できるので、目視で測定する場合には、測定が簡易である。フォトセンサで測定する場合には、より正確に殺菌力を測定できる。
【0014】
本発明の殺菌力の測定方法において好ましくは、添加する工程では、色素により電解水を着色し、測定する工程では、色素が添加された後の電解水が無色になったことにより、殺菌力を測定する。
【0015】
色素を添加することで着色した電解水が、電解水中の殺菌力を示す成分と色素との呈色反応により無色になるので、容易に測定できる。
【0016】
本発明の殺菌力の測定装置は、電解水を充填する測定部と、この測定部に色素を添加する注入部とを備え、測定部において、色素との呈色反応により殺菌力を測定する。
【0017】
本発明の殺菌力の測定装置によれば、容器に充填された電解水中の殺菌力を示す成分と、注入部から添加された色素との呈色反応を測定部で測定できる。このため、電解水の殺菌力を測定できる。
【0018】
本発明の殺菌力の測定装置において、測定部を照射する光源をさらに備えていてもよい。この場合、呈色反応を目視で容易に測定できる。
【0019】
本発明の殺菌力の測定装置において、色素が添加された後の電解水に光を照射するフォトセンサをさらに備えていてもよい。この場合、呈色反応をより正確に測定できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の殺菌力の測定方法及び殺菌力の測定装置によれば、電解水の殺菌力を判断する精度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0023】
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の一実施形態の殺菌力の測定装置について説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の殺菌力の測定装置10は、測定部11と、この測定部11に色素を添加する注入部12と、測定部11を照射する光源13とを備えている。
【0024】
測定部11は、電解水を充填する。この電解水は、
図1に示す生成部1で生成される。生成部1は、水及び食塩(NaCl)を電気分解して電解水を生成する。本実施の形態の生成部1は、次亜塩素酸を主成分とする酸性電解水を生成する。
【0025】
測定部11は、電解水を充填可能な容器であり、底壁と、この底壁から立設された側壁とを有している。側壁の少なくとも一部は、無色透明の領域を有しており、この領域は外部から視認可能な表示部である。側壁は、無色透明の材料で形成されていてもよい。測定部11の側壁の上端は開口していてもよく、開口部を有する天壁が設けられていてもよい。
【0026】
測定部11は、生成部1で生成される電解水を受け入れる供給口11aと、測定後の電解水を外部に排出する排出口11bとを有している。
【0027】
この測定部11に色素を添加するために、注入部12が設けられている。
図1では、注入部12は測定部11の上方に位置しており、測定部11の側壁の上端の開口部から色素が電解水に注入される。なお、注入部12は、測定部11の側方に位置して、測定部11の側壁から色素が電解水に注入されてもよく、底壁近傍に位置して、測定部11の底壁から色素が電解水に注入されてもよい。
【0028】
注入部12は、例えば、色素を含む溶液が充填された容器から直接測定部11に注入する機構、色素を含む溶液をスポイトにとり、測定部11に充填された電解水に添加する機構などである。
【0029】
測定装置10においては、測定部11で、色素との呈色反応により殺菌力を測定する。具体的には、注入部12で測定部11内の電解水に着色した後、電解水中の殺菌力を示す成分と色素との呈色反応により、電解水の色調が変化する。呈色反応は、色素が添加された電解水が変色する反応であり、有色から無色透明に変色する反応であることが好ましい。この変色によって、電解水中の殺菌力を測定する。
【0030】
本実施の形態では、呈色反応を目視で確認するため、測定部11には無色透明の表示部が設けられている。この目視での測定を安定して行うために、測定部11(特に表示部)を照射する光源13が設けられている。光源13は、表示部を容易に視認できるような光を発する。光源13の発する光量は、一定である。
【0031】
続いて、
図1及び
図2を参照して、本実施の形態の殺菌力の測定方法について説明する。本実施の形態では、上述した測定装置10を用いて殺菌力を測定する。
【0032】
まず、
図2に示すように、電解水を準備する(ステップS1)。準備する電解水は、殺菌力を測定する対象となる水溶液である。電解水は、水及び食塩を電気分解して電解水を生成する生成部1で生成する。電解水は、主成分が次亜塩素酸である酸性電解水であることが好ましい。
【0033】
次に、電解水に色素を添加する(ステップS2)。この工程では、まず、色素を準備する。色素は、特に限定されないが、例えば、タール色素、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素などを用いることができる。タール色素は、例えば、アマランス(赤色2号)、エリスロシン(赤色3号)、アルラレッドAC(赤色40号)、ニューコクシン(赤色102号)、フロキシン(赤色104号)、ローズベンガル(赤色105号)、アシッドレッド(赤色106号)、タートラジン(黄色4号)、サンセットイエローFCF(黄色5号)、ファストグリーンFCF(緑色3号)、ブリリアントブルーFCF(青色1号)、インジゴカルミン(青色2号)などを用いることができる。電解水中の殺菌力を示す成分との呈色反応の観察の容易性の観点から、色素は、照明器具や太陽光により色味が判別しやすい色素が好ましく、タール色素がより好ましい。また、色素は、次塩素酸分子(HOCl)と反応することが好ましく、例えば食紅を用いることができる。
【0034】
この工程(ステップS2)において、電解水に色素を添加すると、電解水は着色される。着色を容易に観察する観点から、色素の濃度を調整してもよい。また、後述する殺菌力の強さを測定する場合には、所定の濃度に調整された色素溶液を用いることが好ましい。
【0035】
次に、色素との呈色反応により、殺菌力を測定する(ステップS3)。色素の添加(ステップS2)で着色された電解水は、色素と電解水の殺菌力を示す成分との呈色反応により電解水の色が変化する。この色の変化に応じて、電解水の殺菌力を測定する。
【0036】
呈色反応は、変色を伴う反応であり、色調の変化があればよいが、有色から無色になる反応が好ましい。なお、電解水に色素を添加することにより有色となり、殺菌力を有する成分による色調の濃淡によって、殺菌力の強さを測定できる。例えば、色素の添加により赤色になったものが黄色に変化した電解水の殺菌力に比べて、無色に変化した電解水の殺菌力の方が強い。
【0037】
この工程(ステップS3)では、呈色反応時間により殺菌力を測定する。具体的には、所定の濃度の色素を電解水に添加したときに、電解水が変色した時間を測定する。測定した時間から、種々の殺菌力の電解水が変色する時間のそれぞれのデータに基づいて、測定した電解水の殺菌力の強さを判定できる。
【0038】
なお、呈色反応時間は、色素の種類、濃度などによって反応時間が異なる。このため、色素によっては、30秒〜60秒程度で殺菌力の強さを測定できるものや、数分から数時間程度で殺菌力の強さを測定できるものもある。
【0039】
本実施の形態では、呈色反応を目視で測定する。目視による比色判定は、測定部11の表示部から視認できる。このとき、表示部を照射する光源13により、呈色反応の視認が容易である。
【0040】
以上の工程(ステップS1〜S3)を実施することにより、電解水の殺菌力を測定できる。なお、測定終了後の電解水は、測定部11の排出口11bから排出される。
【0041】
次亜塩素酸を含む電解水は、殺菌、分解などの洗浄力を有しており、本発明者は、特に、電解水の殺菌力を測定する手段について鋭意研究した。上記特許文献1のように有効塩素濃度は、次亜塩素酸濃度、次亜塩素酸イオン濃度、塩素濃度、塩素イオン濃度などを合計した値であるので、pHが所定の範囲内で安定していれば、電解水の殺菌能力の傾向を判断することは可能である。しかし、電解水のpHが安定しない場合、電解水の殺菌力の判断の正確性を高めたい場合などには、電解水の殺菌力を有効塩素濃度で判定することは適切でない。この観点から鋭意検討し、電解水中の殺菌力は、次亜塩素酸が大きく寄与しており、次亜塩素酸イオンの寄与は小さく、塩素及び塩素イオンはほとんど寄与していないことに着目した。しかし、殺菌力に寄与する成分である次亜塩素酸濃度及び次亜塩素酸イオン濃度は、電解水のpHの変動に伴って、変動してしまう。そこで、pHが変動しても殺菌に寄与するそれぞれの成分の強さを考慮した殺菌力(総合酸化力)を測定する手段を鋭意研究した結果、色素は、電解水中の殺菌力を示す成分と特異的に反応することを見出した。
【0042】
なお、本実施の形態の「殺菌力」は、主に、酸化還元電位と、極性とに依存する。このため、殺菌力の強さは、酸化還元電位の定量的な要素と、極性の有無の定性的な要素とを合わせた総合的な度合いで決定される。次亜塩素酸は無極性のため、微生物が細胞膜を通過することができるので、殺菌する力が強い。
【0043】
したがって、本実施の形態の殺菌力の測定方法及び測定装置10によれば、色素との呈色反応によって殺菌に寄与する殺菌力を測定しているので、電解水の殺菌力を判断する精度を向上できる。
【0044】
また、色素との呈色反応によって殺菌力を測定するので、電解水の殺菌力を簡易に判定できる。
【0045】
また、本実施の形態の殺菌力の測定方法及び測定装置10によって殺菌力を有すると判定された電解水は、殺菌効果を有する。このため、本実施の形態の殺菌力の測定方法及び測定装置10は、殺菌力を有する電解水の確認機構として好適に用いられる。
【0046】
(実施の形態2)
図3を参照して、本発明の実施の形態2の殺菌力の測定装置について説明する。
図3に示す実施の形態2の殺菌力の測定装置20は、基本的には
図1に示す測定装置10と同様の構成を備えているが、フォトセンサ21をさらに備えている点において主に異なっている。
【0047】
具体的には、フォトセンサ21は、色素が添加された後の電解水に光を照射する。フォトセンサ21は、測定部11の側壁の外側に配置されており、対向する側壁に向けて光を照射する。このため、測定部11において、フォトセンサ21から発する光を透過させる領域は無色透明の材質である。また、フォトセンサ21を動作させるために、DC電源22が設けられている。
【0048】
本実施の形態では、呈色反応をフォトセンサ21によって測定するので、測定部11において目視で確認するための表示部と、光源とは省略されている。
【0049】
続いて、本実施の形態の殺菌力の測定方法について説明する。電解水を準備する工程(ステップS1)及び色素を添加する工程(ステップS2)は、実施の形態1と同様であるので、その説明を繰り返さない。
【0050】
殺菌力を測定する工程(ステップS3)では、呈色反応をフォトセンサ21で測定する。DC電源22をオンにして、フォトセンサ21で呈色反応後の電解水に光を照射して、電解水を透過した光の強度をデジタル変換することにより、電解水の殺菌力を測定する。
【0051】
本実施の形態のように、呈色反応後の電解水をフォトセンサ21により殺菌力を測定してもよい。この場合、殺菌力をより正確に測定できる。
【0052】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、実施の形態1または2の殺菌力の測定装置10、20及びその測定方法を備える、電解水を生成する装置及び生成方法である。
【0053】
本実施の形態の電解水生成装置は、殺菌力を有する電解水を生成する装置である。電解水生成装置は、次亜塩素酸を含む電解水を生成する生成部と、実施の形態1または2の殺菌力の測定装置10、20とを備えている。生成部の電解水の一部は、測定装置の測定部11に供給される。
【0054】
続いて、
図4を参照して、本実施の形態の電解水の生成方法について説明する。
図4に示すように、生成部で電解水を生成する(ステップS1)。この工程(ステップS1)は、実施の形態1と同様である。生成した電解水を、測定装置10、20の測定部11の供給口11aに供給する。
【0055】
次に、測定部11内の電解水に色素を添加し(ステップS2)、次いで電解水の殺菌力を測定する(ステップS3)。これらの工程(ステップS2、S3)は、実施の形態1と同様であるので、その説明を繰り返さない。
【0056】
次に、殺菌力が規定値以上であるかを判定する(ステップS4)。殺菌力が規定値以上である場合には、生成した電解水は所定以上の殺菌力を有しているので、電解水を供給する(ステップS5)。規定値は、例えば、10ppm以上の次亜塩酸を含む殺菌力である。
【0057】
一方、殺菌力が規定値未満である場合には、所定以上の殺菌力を有していないので、供給可能な電解水としない。そして、殺菌力を有する電解水を生成するように生成部1において生成条件を変更する。
【0058】
このように、本実施の形態の電解水生成装置及び電解水の生成方法によれば、実施の形態1または2の殺菌力測定装置10、20及び測定方法を適用しているので、殺菌力を有する電解水を生成することができる。
【0059】
したがって、本実施の形態の電解水生成装置及び電解水の生成方法は、上記特許文献1の食品洗浄装置に好適に適用される。具体的には、本実施の形態の電解水生成装置は、上記特許文献1の食品洗浄装置における供給経路に設けられ、殺菌力を有すると判定された電解水が被洗浄物を収容する洗浄タンクに供給される。
【0060】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、実施の形態1の殺菌力の測定装置10及びその測定方法を備える、食品洗浄装置及び洗浄方法である。なお、本実施形態の洗浄は、殺菌を目的としている。
【0061】
本実施の形態の食品洗浄装置は、上記特許文献1の食品洗浄装置において、測定容器の代わりに
図1に示す実施の形態1の測定部を備える測定装置10が配置される。
【0062】
続いて、
図5を参照して、本実施の形態の食品洗浄方法について説明する。
【0063】
まず、洗浄タンクに被洗浄物である食品を収容する。そして、電解水を生成し、電解水を洗浄タンクに供給する(ステップS11)。電解水により食品を洗浄する(ステップS12)。その後、洗浄タンクから洗浄後の電解水を実施の形態1の測定部11に供給する(ステップS13)。
【0064】
次に、実施の形態1と同様に、洗浄後の電解水に色素を添加し(ステップS2)、呈色反応により殺菌力を測定する(ステップS3)。
【0065】
次に、洗浄後の電解水の殺菌力が規定値以上であるかを判定する(ステップS6)。殺菌力が規定値以上である場合には、洗浄後の電解水は殺菌力を有していると判断される。この場合には、食品に付着した有機物は電解水中の殺菌成分と十分に反応したと考えられるので、洗浄を終了する(ステップS14)。
【0066】
一方、殺菌力が規定値未満である場合には、洗浄後の電解水は殺菌力を有していないと判断される。この場合には、食品に付着した有機物は残存していると考えられるので、食品を洗浄する工程(ステップS12)に戻って、電解水による洗浄を続ける。
【0067】
(変形例)
実施の形態4の変形例の食品洗浄装置は、上記特許文献1の食品洗浄装置において、測定容器の代わりに
図3に示す実施の形態2の測定部11を備える測定装置20が配置される。
【0068】
変形例の食品洗浄方法は、上記形態と基本的に同様であるが、洗浄後の電解水の殺菌力が規定値以下であるかを判定する工程(ステップS6)において異なる。
【0069】
このステップS6では、フォトセンサ21により、生成直後の殺菌力と、洗浄後の殺菌力とを測定し、その差が規定値以下であるかを判定する。差が規定値以下である場合には、洗浄後の電解水は殺菌力を有していると判断されるため、食品に付着した有機物は電解水中の殺菌成分と十分に反応したと考えられるので、洗浄を終了する(ステップS14)。
【0070】
一方、差が規定値を超える場合には、洗浄後の電解水は殺菌力を有していないと判断される。この場合には、食品に付着した有機物は残存していると考えられるので、洗浄を続ける。
【0071】
このように本実施の形態及び変形例の食品洗浄装置及び食品洗浄方法によれば、実施の形態1または2の殺菌力測定装置10、20及び測定方法を適用しているので、電解水のpHなどによらず、電解水が殺菌力を有しているかを適正に判断できるので、食品の洗浄(殺菌)を正確に判断することができる。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
測定対象液として、蒸留水、水道水、微酸性電解水、及び塩酸を蒸留水に溶解させた塩酸水溶液の4種類を準備した。なお、微酸性電解水は、9%の希塩酸を用いた電極方式で生成し、その有効塩素濃度は45ppmであった。
【0074】
色素として、食紅を準備し、それぞれの測定対象液に添加した。添加直後は、蒸留水、微酸性電解水及び塩酸水溶液は食紅に起因した赤色に着色され、水道水は黄色に着色された。
【0075】
色素を添加した測定対象液を、30〜60秒後に目視で観察した。塩酸溶液及び蒸留水は赤色のまま維持され、水道水は黄色のまま維持された。一方、微酸性電解水は、無色透明になった。
【0076】
この結果から、有効塩素濃度が最も高い塩酸溶液は、色素との呈色反応が生じないことがわかった。このことから、色素は、塩素イオンとは呈色反応を起こさないことがわかる。水道水は、微量の次亜塩素酸が含まれているので、すぐに色素と反応して赤色から黄色に変色したが、時間が経過してもそれ以上の反応は進行しなかった。このことから、殺菌に寄与する成分が少量であれば、呈色反応が少し生じるが、無色になる反応までは進まないことがわかる。殺菌力に寄与する成分が最も多く含まれていた微酸性電解水は、時間の経過によって呈色反応が進行し、無色透明になった。
【0077】
したがって、色素は、殺菌力を示す成分(本実施例では次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオン)と、呈色反応を生じることがわかった。また、その成分の濃度によって呈色反応の進行度が異なることもわかった。
【0078】
以上より、本実施例によれば、色素との呈色反応で殺菌力を測定することによって殺菌力を判定できるので、電解水の殺菌力を判断する精度を向上できることがわかった。
【0079】
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。