(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フレーム(1216)は、前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)が前記第1の作業面(1710A)に向かってかつ前記第1の作業面(1710A)から離れるよう移動することができるように構成され、更に、前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)が前記第2の作業面(1710B)に向かってかつ前記第2の作業面(1710B)から離れるよう移動することができるように構成されている、請求項1に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記フレーム(1216)が、前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)に結合された第1の装着面(1706A、1906A)と、前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)に結合された第2の装着面(1706B、1906B)とを更に備える、請求項2に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記第1の被加工物(1712A)は、前記第2のワークステーション(1702B、1902B、2006B)における第2の被加工物(1712B)が処理されていないときだけ、前記第1のワークステーション(1702A、1902A、2006A)で処理することができるように構成されている、請求項3に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記第1の装着面(1706A、1906A)及び前記第2の装着面(1706B、1906B)に機械的に連結された基部(1716)を更に備え、前記第1の装着面(1706A、1906A)と、前記第2の装着面(1706B、1906B)と前記基部(1716)とが、Y形状のフレームを形成する、請求項3又は4に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記フレーム(1216)が、前記第1の作業面(1710)に向かって前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)を下げるように、かつ前記第1の作業面(1710)から離れるように前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)を上げるように構成され、更に、前記第2の作業面(1710B)に向かって前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)を下げるように、かつ前記第2の作業面(1710B)から離れるように前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)を上げるように構成された複数のウィンチ(2016)を備えるオーバーヘッドフレーム(2010)である、請求項1から5の何れか一項に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)及び前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)の1つに取り付けられた複数のリフティングストラップ(2018)を更に備え、前記複数のウィンチ(2016)が、前記複数のリフティングストラップ(2018)を使用して、前記第1の作業面(1710)に向かって前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)を下げるように、かつ前記第1の作業面(1710)から離れるように前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)を上げるように構成され、更に、前記複数のリフティングストラップ(2018)を使用して、前記第2の作業面(1710B)に向かって前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)を下げるように、かつ前記第2の作業面(1710B)から離れるように前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)を上げるように構成されている、請求項6に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)と前記第1の作業面との間に第1の真空を維持するように構成された少なくとも第1の細長シール(1408)と、前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)と前記第2の作業面との間に第2の真空を維持するように構成された少なくとも第2の細長シール(1408)とを更に備える、請求項8に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記第1のスマートサセプタヒーターブランケット(300)及び前記第2のスマートサセプタヒーターブランケット(300’)を覆う第1の保護剥離層(1106A)と、前記第3のスマートサセプタヒーターブランケット(300)及び前記第4のスマートサセプタヒーターブランケット(300’)を覆う第2の保護剥離層(1106B)とを更に備える、請求項1から9の何れか一項に記載のヒーターブランケット展開システム(1700、1900、2000)。
前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)の移動中に、前記第1のヒーターブランケットアセンブリ(1704A、1904A、2004A)に取り付けられている前記フレーム(1216)の第1の装着面(1706A、1906A)を移動させることと、
前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)の前記移動中に、前記第2のヒーターブランケットアセンブリ(1704B、1904B、2004B)に取り付けられている前記フレーム(1216)の第2の装着面(1706B、1906B)を移動させることと
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図の幾つかの細部は、厳密な構造的精度、細部、及び縮尺を維持するためというよりはむしろ、本教示の理解を促すために簡略化され図示されていることに留意されたい。
【0021】
ここから、例が添付図面に例示されている本教示の例示的実施形態を詳しく参照することになる。可能な場合には、同一又は類似の部品を言及するのに、図面全体を通して同一の参照番号が使用されることになる。
【0022】
複合パッチの脱オートクレーブ(OOA)硬化のためのスマートサセプタヒーターブランケット(以下、「ヒーターブランケット」)が、例えば、米国特許9,174,398に記載されている。例示的特許のヒーターブランケットは、比較的小さな再加工エリア上でパッチを硬化するために使用され得る。
【0023】
本教示の実施形態は、例えば、未硬化の複合部品のOOAデバルキングなど、大きな構成要素を処理するための方法及び装置を提供し得る。方法及び装置により、サイズ又は他の寄与する要因に起因して、オートクレーブ内でのデバルキング又は他の処理を事前に必要とするサイズ(例えば、周囲の長さ、設置面積、又は外形寸法)を有する、例えば、複数の未硬化複合プライなど、大規模な複合部品のOOAデバルキングが可能になり得る。事前の処理により、大規模な複合部品を収容するためにブランケットサイズを増大させることは、いくつかの課題を提示する。例えば、大きなヒーターブランケットには、大きい電気抵抗を有する長い内部配線が必要となり、よって、ブランケットに十分に電力供給を行うための高電流電源が必要となり、費用がかかる。更に、非常に大きなスマートサセプタヒーターブランケットは、製造するのに費用がかかり、修理不可能なスマートサセプタヒーターブランケットをスクラップするコストもまた高額である。したがって、大きな構成要素は、オートクレーブ内で最もよくデバルク及び硬化の両方が行われてきた。しかしながら、オートクレーブ処理はまた、オートクレーブ内での大規模な複合部品のデバルキング中に、窒素など大量の処理ガスが加熱、冷却、及び再加熱されなければならないので、費用がかかる。また、オートクレーブ使用に関する実質的な資本コスト及び製造フロー時間も要する。
【0024】
本開示の実施形態は、複数の相互接続されたヒーターブランケットを含む処理装置を含み得る。本教示は、概して、簡略化のためにデバルキングプロセスを参照して説明されているが、硬化などの他の処理も考えられると理解されるだろう。
【0025】
デバルキング装置は、比較的低い電流電源を要し、隣接するヒーターブランケット同士の間の電気的干渉が低い特定の電気設計を含み得る。1つの実施形態では、デバルキング装置は、相互接続されたヒーターブランケットの数が、例えば、ヒーターブランケットのサイズ及びデバルクされている複合部品のサイズによって決まる、少なくとも2つ(即ち、2以上)のヒーターブランケット、例えば、8、12、16、20、又はそれ以上の相互接続されたヒーターブランケットを含み得る。本教示の実施形態によるモジュール式ヒーターブランケット設計は、単一のヒーターブランケット設計と比較して、低コストで装置構成要素の簡単な交換及び電力供給を促進し得る。
【0026】
図で示される実際のアセンブリが、簡略化のために図示されていない他の構造を含み、図示された構造が除去又は修正され得ることが理解されるだろう。
【0027】
図1は、リッツ線102と、リッツ線周囲に複数のサセプタ巻線を形成するために螺旋状又は渦線状にリッツ線102に巻き付き得るサセプタワイヤ104とを含む、ヒーターブランケットワイヤアセンブリ100の一部の斜視図である。当該技術分野において知られているように、リッツ線102は、互いに電気的に絶縁された複数の導電性ワイヤ106と、サセプタワイヤ104と複数の導電性ワイヤ106との間に置かれた電気絶縁体108とを含む。1つの実施形態では、ワイヤアセンブリ100は、他の寸法は考慮されているが、サセプタワイヤ104の外面で測定されると、約0.04インチから約0.08インチまで、又は約0.06インチの直径を有し得る。ワイヤアセンブリ100は、第1の端と、第1の端と反対側の第2の端とを含み、ワイヤアセンブリ100は、第1の端から第2の端まで延びている。ワイヤアセンブリ100の長さは、その一部を形成するヒーターブランケットのサイズ次第で決まることになるが、1つの実施形態では、ワイヤアセンブリ100は、約5フィートから約100フィートまでの長さであり得る。
【0028】
図2は、複数の個々の間隔を空けたワイヤアセンブリ100を含むワイヤリボン200の一部の外部の一部を切り取った斜視図である。複数のワイヤアセンブリ100は、シリコーンバインダーなどの電気絶性及び熱伝導性バインダー202内で一緒にカプセル化され又はケースに入れられ得る。1つの実施形態では、バインダー202は、約0.025インチから約0.25インチまでの厚さ、又はリッツ線を通り隣接する被加工物までの電流の流れによりサセプタワイヤ内で生成される熱エネルギーの転送に適した別の厚さを有し得る。ワイヤリボン200は、任意の数のワイヤアセンブリ100、例えば、少なくとも2つ、又は10まで若しくはそれ以上のワイヤアセンブリ100を含み得る。ワイヤリボン200は、約0.5インチから約12インチの幅、約2インチから約12インチの幅、約0.5インチから約6.0インチの幅、又はサイズの制約、電気的制約、ワイヤリボン200内のワイヤアセンブリ100の数などで決まる別の適した幅を有し得る。
【0029】
図3は、
図2のワイヤリボン200を含むヒーターブランケット300を示す平面図である。例示用に、
図3のワイヤリボン200は、4つのワイヤアセンブリ100A−100Dを含んでいる。ヒーターブランケット300は、ブランケット基板302を含み得る。1つの実施形態では、ブランケット基板302は、接着剤などの取付物を使用してワイヤリボンが取り付けられる1つの層のシリコーンバインダーを含み得る。別の実施形態では、ブランケット基板302は、2つの層のシリコーンバインダーを含み得、ワイヤリボン200は、2つの層の間に置かれる。いずれにせよ、ワイヤリボンは、
図3に示されるようにヒーターブランケット全域で前後に延びる(蛇行する)ように位置付けられる。
図3のワイヤリボン200は、図の縮尺を考慮して簡略化のために3つの180度回転を有した状態で示されているが、ワイヤリボン200は、ヒーターブランケット300全域で蛇行する際に、例えば、6から12の180度回転、又は8以上の180度回転を含み得ると理解されるだろう。更に、ワイヤリボン200は、ヒーターブランケット300を形成するために、真っすぐなリボンとして形成され所望のパターンで折り曲げられてもよく、ヒーターブランケット300全域で他のパターンで延びていてもよい。一般的に、ワイヤリボン200は、デバルキングプロセス中にデバルクされている物品の加熱さえも維持するように、ヒーターブランケットの表面積、周囲の長さ、又は設置面積の適したパーセンテージを覆ってもよい。
【0030】
ヒーターブランケット300は、各ワイヤアセンブリ100の第1の端に取り付けられた第1の電気コネクタ304と、各ワイヤアセンブリの第2の端に取り付けられた第2の電気コネクタ306とを更に含む。1つの実施形態では、第1の電気コネクタ304は、雄型コネクタであり、第2の電気コネクタは、雌型コネクタであり得る。対のコネクタ304、306により、電源は、以下に記載されるように、直列接続か並列接続かのどちらかを使用して、ワイヤアセンブリ100A−100Dの各々に電気的に接続可能になる。2以上のヒーターブランケット300が製造されてもよい。
【0031】
図3の2以上のヒーターブランケット300は、同一であっても形状が変化していてもよい第1のヒーターブランケット300と第2のヒーターブランケット300のダッシュ記号(300’)とを図示している、
図4に示されたバルキング装置の構成要素を形成するために組み立てられ得る。しかしながら、一般的に、各ヒーターブランケット内のワイヤリボン200の長さは、ヒーターブランケットの両方又はすべてが電力条件と一致するように類似していてもよい。1つの実施形態では、各ヒーターブランケット300内のワイヤリボン200は、すべてのワイヤリボンの長さがターゲット長から約±10%未満変化するように製造されてもよい。要するに、最も短いワイヤリボンは、デバルキング装置用のすべてのワイヤリボンのターゲット長の0.9倍未満の長さを有し、最も長いワイヤリボンは、ターゲット長の1.1倍未満の長さを有し得る。これは、デバルキング装置内のすべてのヒーターブランケットが、均一で予測可能な温度がデバルクされている物品全域で維持され得るように、類似の加熱及び冷却特性で動作することを保証する。他の実施形態では、各ヒーターブランケット300内のワイヤリボン200は、すべてのワイヤリボンの長さが±20%未満又は±15%未満変化するように製造されてもよい。他の実施形態では、長さ変更は、設計考慮点でないとしてもよい。
【0032】
図5は、デバルキング装置の一部であり得るヒーターブランケット装置500のブロック図である。
図5の図解では、本教示の実施形態に従って未硬化の複合部品をデバルクするための2つのヒーターブランケット300、300’が含まれているが、ヒーターブランケット装置500は任意の数のヒーターブランケットを含み得ると理解されるだろう。
図5は、入力504及び出力506を含む一又は複数の電源502、502’を図解する。以下で説明されるように、1つの電源502は、すべてのヒーターブランケット300、300’に電力供給し、別個の電源502、502’は、各ヒーターブランケット300、300’に電力供給し得る。
図5は、入力(例えば、電源502の出力506)を有する接続箱508を更に図解する。接続箱は、第1の入力/出力510を第1のコネクタ304の各々に提供し、第2の入力/出力を第2のコネクタ306の各々に提供する。接続箱508からの入力510/出力512は、以下で説明されるように、ヒーターブランケット装置500の特定の設計又は構成次第で決まることになるだろう。ヒーターブランケット300、300’は、図解される電気コネクタ304、306を介して、接続箱508の入力510/出力512と電気的に接続され、その入力510/出力512を介して電力を受け取る。
【0033】
図5は、熱電対などの複数の熱センサ514を更に図解する。熱センサ514は、ヒーターブランケット300、300’の一又は複数と熱的に連通している516。1つの実施形態では、複数の熱センサは、ヒーターブランケット300、300’の各々と熱的に近接しており、ヒーターブランケット300、300’の温度を監視し、デバルキング中の均一のヒーターブランケット温度範囲の維持を支援する。熱センサ514は、例えば、有線若しくは無線接続又はインターフェース520を介して、温度データをコントローラ518に転送し得る。コントローラ518は、例えば、通信ケーブル522を介して、電源と電気的に通信し、電源を制御する。
【0034】
マスターコントローラ518は、複数のスレーブコントローラ524、524’と電気的に接続され、それらのスレーブコントローラ524、524’を制御し得る。各スレーブコントローラ524、524’は、ヒーターブランケット300、300’の1つとそれぞれ電気的に接続されている。各スレーブコントローラ524、524’は、ヒーターブランケット300、300’の1つを監視し制御する。更に、各スレーブコントローラ524、524’は、マスターコントローラ518からデータ及び命令を受信し、ヒーターブランケット300、300’に対する操作データをマスターコントローラ518に渡し得る。マスターコントローラ518は、ヒーターブランケット操作データに基づき、電源502、502’からの出力506を制御し得る。
【0035】
使用中に、各ワイヤリボン200の各リッツ線102は、電源502と電気的に接続される。リッツ線102を通って流れる電源502からの電流は、各ヒーターブランケット300の各ワイヤリボン200の各サセプタワイヤ104内に磁場を生じさせる。次に、磁場は、各ヒーターブランケット300を加熱するワイヤリボン200内に熱を生じさせる。サセプタワイヤは、少なくとも部分的にサセプタワイヤの特定の構成物から生じるキュリー温度(T
c)を含む。サセプタワイヤの誘導加熱は、サセプタスリーブがキュリー温度に到達してすぐに非磁性となるとき、減少し得る。サセプタスリーブの加熱の減少は、結果として構造の伝導加温を減少させ得る。低温では、サセプタワイヤ104の透磁率は高く、よってサセプタワイヤ104の表皮厚さは小さく、磁場が、ヒーターブランケット300を加熱する比較的高い熱出力を有する強い渦電流を誘導する。サセプタワイヤ104の温度が増加するにつれ、サセプタワイヤ104の透磁率は低い値まで低下し、サセプタワイヤ104の表皮厚さは増加する。高温では、表皮厚さがサセプタワイヤ104の半径より大きく、サセプタワイヤ104内の渦電流が互いに干渉し合い、これにより渦電流が弱くなる。弱い渦電流は、熱出力が比較的低く、よってヒーターブランケット300が生成する熱は少ない。これにより、サセプタワイヤ104の各部分は、自身の温度調節器になり、リッツ線102に印加される電流を変更せずに均一温度を維持する。温度自己調節は、局部的にかつ各ワイヤリボン200の長さに沿って連続的に生じ、よって温度範囲内の所望の温度がワイヤリボン200の長さに沿ってすべての場所で維持され、ゆえにヒーターブランケット300のエリア全域で維持される。特に断りのない限り、本明細書で使用されるように、「スマートサセプタヒーターブランケット」、「サセプタヒーターブランケット」及び「ヒーターブランケット」という用語は、温度自己調節化可能であるヒーターブランケットを指す。
【0036】
図4に示されるように、少なくとも2つのヒーターブランケット300、300’は、例えば、同時にデバルクされ得るエリアを増加させるために、デバルキング動作中に互いに隣接して載置される。2以上のヒーターブランケット300、300’は、以下で説明されるように、電源502に直列か並列かのどちらかで電気的に接続され得る。
【0037】
図4の各ワイヤアセンブリ100における各コネクタ304、306付近に位置付けられた矢印は、各ワイヤアセンブリ100に、より具体的には、各ワイヤアセンブリ100の各リッツ線102を介して、電流極性を提供する際の所与の点でのAC電流の流れの方向を表す。電流は、すべての隣接するリッツ線102を通って電流の流れの方向と反対の方向に流れるように、各リッツ線102に印加される。要するに、使用中、各ワイヤセグメントの電流は、各隣接するワイヤセグメントと180度位相がずれている。
図4に示されるように、電流は、ワイヤアセンブリ100A及び100Cについては、第1のコネクタ304から第2のコネクタ306に向かって流れ、ワイヤアセンブリ100B及び100Dについては、第1のコネクタ304に向かって第2のコネクタ306から流れる。要するに、電流は、ワイヤアセンブリ100A及び100C(概して、比較的長い破線で示される)については、第1の方向に流れ、それらそれぞれの隣接するワイヤアセンブリ100B及び100D(概して、比較的短い破線で示される)については、第2の方向に流れ、第2の方向は第1の方向と反対である。
【0038】
加えて、
図4に示されるように、説明目的で、各ワイヤリボン200、200’は、少なくとも1つの他の主要なセグメント400、400’に隣接して位置付けられている複数の平行な主要セグメント又は脚部400、400’を含み得る。図示されたように、ヒーターブランケット300についての最右の主要セグメント400は、ヒーターブランケット300’についての最左の主要セグメント400’と隣接しかつ平行に位置付けられ、よってワイヤアセンブリ100Aは、ワイヤアセンブリ100A’に隣接して位置付けられる。図示されたように、最右の主要セグメント400のワイヤアセンブリ100Aを通る電流の流れは、最左の主要セグメント400’のワイヤアセンブリ100A’を通る電流の流れと反対である。しかしながら、このことは、特に両ブランケットが同一の電源と接続されるときに生じると理解されるだろう。概して、2以上の電源は、多少異なる周波数で動作することになり、したがって、例えば、最右の主要セグメント400の電流は、たった約半分の時間で反対方向にあることになる。このことは、磁場の少なくとも小さな増加につながることになる。
【0039】
隣接するすべてのワイヤアセンブリ100A−100D、100A’−100D’についての反対方向の電流の流れは、サセプタ巻線により吸収されない任意の磁場が、2つの隣接する主要セグメント400によって生成される反対の場の取り消しによって最小化されることを保証する。個々のスマートサセプタヒーターブランケット300のこの特定の設計要素は、少なくとも部分的に、ヒーターブランケット300、一般的にデバルキング装置、及びそれによって加熱されている任意のアイテムの加熱に影響を与えるであろう電磁干渉又は熱干渉を発生させる又は結果的にもたらすことなく、2以上のヒーターブランケット300を互いに直接隣接して配置可能にする。
【0040】
各ヒーターブランケットを電源及び/又は接続箱と電気的に接続するための様々な接続構成が考えられる。
図6に示される1つの実施形態では、一対のコネクタタイプが、ワイヤリボン200の各端で使用され得る。本実施形態では、同一の極性(例えば、同一の電流方向)を有するリッツ線は、同一のコネクタに分類され、隣接するブランケットへの適切な電気接続又は電源への電気接続を可能にする。
図6では、コネクタ600は、ワイヤアセンブリ100B及び100Dの第1の端に連結されている負極性(即ち、コネクタに向かう電流の流れ)を有する雌型コネクタであり、コネクタ602は、ワイヤアセンブリ100B及び100Dの第2の端に連結されている正極性(即ち、コネクタから遠ざかる電流の流れ)を有する雄型コネクタであり、コネクタ604は、ワイヤアセンブリ100A及び100Cの第1の端に連結されている負極性を有する雌型コネクタであり、コネクタ606は、ワイヤアセンブリ100A及び100Cに連結されている正極性を有する雄型コネクタである。
【0041】
図7は、直列の電気接続を使用して、第2のヒーターブランケット300’と電気的に接続され得る際の
図6のヒーターブランケット300(例えば、第1のヒーターブランケット)を示す。第1のヒーターブランケット300のコネクタ600、606と第2のヒーターブランケット300’のコネクタ602’、604’は、例えば、図示されたような電気コネクタを介して、電源502及び/又は接続箱508と電気的に連結又は接続されている。第1のヒーターブランケット300のコネクタ602、604は、図示されているように、第2のヒーターブランケット300’のコネクタ600’、606’に電気的に接続されている。
【0042】
図8は、並列の電気接続を使用して、第2のヒーターブランケット300’と電気的に接続され得る際の第1のヒーターブランケット300を示す。電気コネクタ600−606、600’−606’は、例えば、図示されたような電気コネクタを介して、電源502及び/又は接続箱508と電気的に連結又は接続されている。1つの実施形態では、
図8の各電源502は、同一の電源502である。別の実施形態では、
図8の各電源502は、異なる電源502であり、例えば、電源毎に電流要件を低下させる。
【0043】
図9は、使用中の複数のヒーターブランケット300A−300Pと、デバルクされる物品900の未硬化の複合部品とを含むデバルキングアセンブリの平面図であり、
図10は、その断面図である。本実施形態では、16のヒーターブランケット(例えば、16の加熱ゾーンに対応する)300A−300Pは、例えば、上記のように又は別の連結設計を使用して、互いに隣接して載置され、電源に電気的に接続される。1つの実施態様では、各ヒーターブランケット300A−300Pは、例えば、電流要件を低下させるために、上述のように異なる電源に取り付けられ得る。
図10は、複合部品900を覆うヒーターブランケット300A−300Pを示しているが、複合部品900は、ヒーターブランケット300A−300Pを覆って載置され得る。ヒーターブランケットはまた、デバルキング中に複合部品900の上下両方に載置され得ることが分かるだろう。更に、
図10の複合部品900は、プリプレグなどの4つの積層板900A−900Dを示しているが、複合部品900は、例えば、40以上の層など、一緒に積層される任意の数の積層板の層を含み得ることが理解されよう。更に、複合部品900は、積層板というよりむしろ3次元(3D)の織ったプリプレグを含み得る。
【0044】
図9において、複数のヒーターブランケット300A−300Pは、デバルクされている複合部品900の形状に一致するように設計されている個別化された形状を含む。複数のヒーターブランケット300A−300Pの各ヒーターブランケットは、他のすべてのヒーターブランケット300A−300Pと同一又は異なる周囲長及び形状を有し得る。複数のヒーターブランケット300A−300Pの幾つかのヒーターブランケットは、他のヒーターブランケット300A−300Pと同一の周囲長及び形状を有し得る一方で、他のヒーターブランケットは、他のヒーターブランケット300A−300Pと異なる周囲形状及び長さを有している。1つの実施形態では、各ヒーターブランケット300A−300Pは、前述の様なワイヤリボン200を有し得る。すべてのヒーターブランケット300A−300Pに電力供給する単一の電源のみを含む実施形態では、ヒーターブランケット300A−300P毎の各ワイヤリボンが、共通のターゲット値の±20%未満、±15%未満、又は±10%未満で変化する長さを有するように設計され得、よってヒーターブランケット300A−300P毎の電力要件は、他のすべてのヒーターブランケット300A−300Pと一致又は類似する。複数のヒーターブランケット300A−300Pは、例えば、複数のファスナ1002(簡略化のために
図10のヒーターブランケット300Eだけに図示されている)を使用して、装着面又は支持体1000に機械的に取り付けられ得る。ファスナ1002は、各ブランケットを一又は複数の隣接するブランケットに対する固定位置に維持し得る。複合部品900は、デバルキング中に、輪郭形成されたレイアップマンドレルなどの底又は作業面1004に静止し得る。各ヒーターブランケット300A−300Pが別個の電源によって電力供給される実施形態では、全ての電源の出力が同一であってもよく、又は出力が、電力供給されるヒーターブランケットの要件に一致していてもよい。
【0045】
1つの実施形態では、複合部品900は、デバルキング中に真空源1008に取り付けられる真空バッグ1006内に載置され得る。デバルキング動作中に、電力が、ヒーターブランケット300A−300Pの各々に印加される一方で、真空が真空源1008によって真空バッグ1006に加えられる。ヒーターブランケット300A−300Pは、ターゲット温度に達し、それを維持するように設計され得、よって複合部品900をデバルキングするための要件が満たされ、複合部品900が所望の温度まで加熱される。スマートサセプタの効果は、熱負荷でのばらつきをなくすために(to account for variations in thermal load)局部的温度制御を提供する。
【0046】
1つの実施形態では、16のヒーターブランケットの各々は、各々がヒーターブランケット300A−300Pの1つを制御及び監視する、16のスレーブコントローラ524(
図5)の使用を通して制御され得る。1つの実施形態では、マスターコントローラ518(
図5)は、各ヒーターブランケット300A−300Pが温度ターゲット又は設定点に達するまで、直接的に又はスレーブコントローラ524を通して、各ヒーターブランケット300A−300Pの温度の傾斜を画定し得る。16のスレーブコントローラは、例えば、熱センサ514を使用して、測定された各ゾーン内の温度の値に基づき、フィードバック制御ループを介して、16のヒーターブランケットに電力を供給する。コントローラ518内のソフトウェアは、ゾーン毎に複数の温度を調査するソフトウェアアルゴリズムを含み得る。複数の測定点の最高温度が、やがてすべての点での制御に使用され得る。温度傾斜中の最高温度は、温度傾斜及び/又は温度静止の期間にわたり、ゾーン内の場所ごとに変化し得る。
【0047】
一又は複数の電源の各々は、各スマートサセプタヒーターブランケット300A−300Pの正常性を監視するために使用され得る負荷調整作業を含み得る。マスターコントローラ518及び/又はスレーブコントローラ524は、デバルキング動作前及び動作中の両方に、各ヒーターブランケット300A−300Pの正常性を監視し得る。コントローラ518は、真空源1008の動作及び真空バッグ1006内の真空を更に監視し得る。プロセスデータは、リアルタイム又はその後の分析のバルキング動作前、動作中及び動作後に、データファイル内に連続的に捕捉及び記録され得る。
【0048】
複数のヒーターブランケット300A−300Pは、エンクロージャに組み立てられるか、2以上の硬質層及び/又はフレキシブルな層の間に置かれ得、よって複数のモジュール式ヒーターブランケット300A−300Pは、ヒーターブランケットアセンブリのサブアセンブリとなることが理解されよう。
【0049】
複合部品を処理するための様々な実施形態が考えられる。例えば、
図11は、複数の層1102をデバルキングするためのOOAプロセス中のヒーターブランケット装置110の断面図であるが、硬化プロセスなどの他の処理が、ヒーターブランケット装置110からの熱印加を用いて実行され得ると理解されるであろう。
図11は、デバルクされる4つのプリプレグ層などの4つの層1102を示しているが、40以上の層など、任意の数の層1102がデバルクされてもよい。層1102は、インバー当て板などのレイアップマンドレル1104上に積層され得る。
【0050】
デバルクされる層1102及びレイアップマンドレル1104に加え、
図11は、保護剥離層1106、2以上のヒーターブランケット1108、一又は複数のブリーザ層1110、1112、並びに両面粘着テープ1116でレイアップマンドレル1104にシールされる真空バッグ1114を図示する。保護剥離層1106は、例えば、フッ化エチルプロピレン(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、又は別の適した材料であり得る。真空バッグ1114は、真空ポート1118を受容する開口を有し得る。
【0051】
デバルキング中に、真空源1008(
図10)を用いて、真空ポート1118を通して空気、窒素、又は別のガスを排気することによって、層1102に真空処理が行われる。デバルキング中に、電流がヒーターブランケット1108の各々に印加され、ヒーターブランケット1108が加熱され、次にデバルキングプロセス中に層1102が加熱される。処理パラメータが変動する間、1つのプロセスでは、ヒーターブランケットが、華氏160度±10度のターゲット温度まで傾斜し得る。温度傾斜中に、ヒーターブランケット1108の温度は、例えば、熱センサ514(
図5)を使用して監視される。温度傾斜中に、熱センサが、例えば、華氏110度の温度を検出すると、マスターコントローラ518は、温度が華氏160度のターゲットまで上昇する間、及び更なる処理中に、プロセスタイマーを開始し得る。プロセスタイマーが、例えば、3時間など、所望の値にいったん到達すると、電流がヒーターブランケット1108から除去され、ヒーターブランケット装置1100が冷却され得る。プロセスデータの記録は、例えば、華氏110度など、特定の温度に達するまで、継続し得る。プロセス終了温度が熱センサ514によっていったん測定されると、ヒーターブランケット装置1100の内部が通気され、真空バッグ1114が除去され、デバルクされた層1102が、最終硬化のためにオートクレーブ又はオーブンに移動され得る。
【0052】
本実施形態では、2以上のヒーターブランケット1108が、層1102のデバルク中に真空バッグ1114内に位置付けられる。したがって、層1102のデバルキングは、オートクレーブ又はオーブンの外で実行され得る。よって、本実施形態は、デバルク用の大きな表面積層板(層1102)に直接的に局部加熱を提供する、片側熱源(ヒーターブランケット1108)を提供する。局部加熱を直接適用することにより、様々な利益を含む、従来のデバルク方法により得られる結果に相当する積層板デバルクがもたらされ得る。例えば、上述のプロセスは、オーブン又はオートクレーブの全空間の加熱を必要とせず、これにより、処理時間及びエネルギーコストが削減される。加熱が、交流(AC)及び/又は直流(DC)電源によって提供され、したがって天然ガスが必要とされず、これにより設備要件が簡略化される。加えて、加熱が局部的なので、アセンブリの冷却は、能動的冷却を必要とせずに、比較的急速であり得る。更に、積層板を所望の形状に形成するために、ツール及び支持構造全体が使用され、オートクレーブ又はオーブンと比較して空間要件が低減される。先ほど説明されたように、スマートサセプタヒーターブランケットは、温度に関して自己調節型である。ワイヤアセンブリ100は加熱を続け、これによりスマートサセプタヒーターブランケット及び層1102は、サセプタワイヤ104が局部的にそのキュリー温度(T
c)に達するまで加熱される。いったんT
Cに達すると、局部加熱は、サセプタワイヤ104がT
c未満まで冷却され、加熱が再開するまで、停止する。したがって、ヒーターブランケット及びヒーターブランケットにより加熱されている層1102は、過熱することなく所望の温度を獲得する。
【0053】
図12は、例えば、複合積層板の複数の未硬化プライをデバルキングするために使用され得る、ヒーターブランケット装置1200の別の実施形態の概略斜視図である。
図12において、複数のヒーターブランケットは、デバルキング動作など処理中に複数の層を加熱するためのヒーターブランケット装置を提供するために、フレーム又は取付具に装着される。
図12の図解は、レイアップマンドレル1204を有する第1のサブセクション1202と、16の別個のヒーターブランケット1212を有する第2のサブセクション1210とを含んでいるが、2以上のヒーターブランケット1212を有するヒーターブランケット装置が考えられる。各ヒーターブランケット1212は、例えば、第1のコネクタ304で、ワイヤリボン200に接続された一又は複数のケーブル1214を通して、電源と電気的に接続される。複数のヒーターブランケット1212は、並列(
図12に示されるように)又は直列のどちらかで電源に連結され得る。直列接続及び並列接続は、上述されている。デバルキング中に、第2のサブセクション1210は、第1のサブセクション1202の上に下ろされ得、デバルクされる積層板の層が、第1のサブセクション1202と第2のサブセクション1210との間、より具体的には、レイアップマンドレル1204とヒーターブランケット1212との間に置かれる。複数のヒーターブランケット1212は、フレーム216によって支持され得る。
【0054】
図13は、ヒーターブランケット1212設置前の第2のサブセクション1210を示し、更にデバルキング中に複数のヒーターブランケット1212が真空バッグ1300とデバルクされる層との間に置かれる場合の真空バッグ1300を示す。真空バッグ1300は、部分的に、真空がデバルクされる層周囲に形成できるようにする。
【0055】
図14は、デバルキング前の複数の未硬化複合プライ1400を含む、第1のサブセクション1202及び第2のサブセクション1210の一部を図解する断面図である。
図14は、真空バッグ1300を貫通する真空ポート1402を示す。真空源1008(
図10)と流体連通するとき、真空ポート1402は、空気、窒素、蒸気、又は別のガスを通気することにより、デバルキング中に複合プライ1400に真空処理ができるようにする。
図14は、第1のコネクタ600及び第2のコネクタ1404を使用して、ヒーターブランケット1212の1つに電気的に接続された複数のケーブル1214の1つを更に図解する。強化シール1406は、ワイヤリボン200が貫通する開口周囲の引裂を防止し、シールを形成してバルキング中の真空の減少を防止するために、真空バッグ1300の上面に取り付けられ得る。
【0056】
第2のサブセクション1210は、処理中に真空を保持するのに必要な他の特性を含み得る。例えば、
図14は、処理中にレイアップマンドレル1204に物理的に接触し、レイアップマンドレル1204との密閉を維持する、典型的には、シリコーン又は別の十分な材料を含む、細長T7(登録商標)シール又は別の再利用可能な細長シールなどの細長シール1408と、真空を維持するために真空バッグ1300とレイアップマンドレル1204との間隔を空けるスペーサー1410とを図解する。
【0057】
図14は、第2のサブセクション1210をフレーム1216の一部に、例えば、以下に記載されるI型ビームに取り付ける複数のストラップ1412の1つを更に図解する。複数のストラップ1412は、繊維ガラス強化ケイ素などの材料から製造され得る。複数のストラップ1412は、シリコーン接着剤を使用して、第2のサブセクション1210、より具体的には、真空バッグ1300に取り付けられ得る。例えば、繊維ガラス強化ケイ素などの強化層1414が、使用中の真空バッグ1300への損傷を低減又は防止するために、複数のストラップ1412と真空バッグ1300との間に置かれ得る。
【0058】
図14のヒーターブランケット装置1200は、真空ポート1402と物理的に接触し、真空ポート1402とレイアップマンドレル1204との間隔を空けるエッジブリーザ1416などの他の構造を含み得る。エッジブリーザ1416は、複合プライ1400のデバルキング中に、空気及び/又は他のガスを複合プライ1400から真空ポート1402を通って排気できるようにする多孔質の層であり得る。エッジブリーザ1416は、例えば、Airtech Airweave(登録商標)N−10の一又は複数の層であり得る。
図14は、例えば、FEPなど、前述の保護剥離層1106、及び複数の複合プライ1400の位置合わせ及び位置付けに使用され得るエッジダム1418とを更に図解する。
【0059】
図14は、
図15の構造の詳細を示す。
図15は、複数のヒーターブランケット1212を真空バッグ1300及び装着面又は支持体1500に物理的かつ機械的に連結するために使用され得るファスナ1002を更に図解する。図示されたように、ブランケット装置1200は、処理中にレイアップマンドレル1204と物理的に接触し、かつレイアップマンドレル1204との密閉を維持する追加の細長シール1408と、真空を維持するために真空バッグ1300とレイアップマンドレル1204との間隔を空けるスペーサー1410とを更に含み得る。
【0060】
図16は、フレーム1216(
図12)の一部であり得るI型ビーム又は他の硬質なビームなどの支持ビーム1600を図解する。支持ビーム1600は、第2のサブセクション1210への連結のための、電力、真空などの経路決定のための取付点として使用され得る。
図16は、第1の端でI型ビームに、第2の端で真空ポート1402に連結した真空ホース1602を図解する。真空ホース1602は、真空ポート1402及び真空供給部1008(
図10)への連結に適したフィッティング1604を含み得る。例えば、接続箱508を介して、一又は複数の電源502に電気的に接続された電力ケーブル1606は、ヒーターブランケット1212のワイヤリボン200に連結されたケーブル1214との電気的接続用のI型ビームに沿ってルート決めされ得る。電力ケーブル1606は、ケーブル1214との電気的接続を促進する電気コネクタ1608を含み得る。複数のストラップ1412の各々は、ブラケット1610を使用して、支持ビーム1600に物理的に連結され得る。ストラップ1412は、静止/保管位置にあるときに真空バッグ1300及び第2のサブセクション1210の他の構造を支持するために使用される。
【0061】
デバルキングプロセス又は他の加熱プロセス中に、
図14を参照すると、デバルクされる複数の層1400が、レイアップマンドレル1204に載置され得る。次いで、第2のサブセクション1210は、第1のサブセクション1202上まで下げられ、よって複数のヒーターブランケット1212は、複数の層1400に物理的に近接し、それらと熱的に連通する。図示されたように、保護剥離層1106は、複数のヒーターブランケット1212と複数の層1400との間に置かれ得る。
図14の構造は、簡略化のため図解されていない他の特性、構造又は層を含み得る一方で、図解されている要素が除去又は修正され得ると理解されるだろう。
【0062】
例えば、生産環境で、前述のヒーターブランケット構造を実施するための様々な実施形態が考えられる。以下の記載が生産フローの観点からの構造及び方法を説明する一方で、非生産環境における使用が考えられると理解されるだろう。支持フレーム及びリフトアシストなどの構造要素が、製品の十分な生産を有する効率的生産フローを提供するために利用され得る。
【0063】
図17は、本教示の実施形態によるヒーターブランケット展開システム1700を図解する。
図17の展開システム1700は、第1のワークステーション1702Aと、第1のワークステーション1702Aと類似し得る第2のワークステーション1702Bとを含む。ワークステーション1702A、1702Bが類似構造を含み得るので、説明を簡略化するために、
図17では、第1のワークステーション1702Aについては「A」分類要素で終了する識別子、その一方で、第2のワークステーション1702Bについては「B」分類要素で終了する識別子が言及される。
【0064】
各ワークステーション1702は、
図15のヒーターブランケット装置1200と各々が類似していてもよく異なっていてもよいヒーターブランケット装置1704を含み得る。したがって、各ワークステーション1702は、前述のスマートサセプタヒーターブランケット1212及び真空バッグ1114を含み得、それらの各々が、装着面又は支持体1706に装着又は取り付けられ得る。2つの支持面1706A、1706Bは、支持面1706を互いに対して固定位置で維持するために、一又は複数のストラット又はビーム1708を使用して、物理的に共に結合され得る。一又は複数のストラット1708は、ボルト、溶接、ピンなどの任意の適したファスナを使用して、支持面1706A、1706Bの各々に機械的に結合され得る。
【0065】
各ワークステーション1702は、デバルクされる複数の未硬化複合プライなどの処理される材料又は被加工物1712に対して輪郭形成され得るレイアップマンドレルなどの作業面1710を更に含み得る。各作業面1710は、テーブルなどの支持体1714によって位置付けられ得る。
【0066】
展開システム1700は、電力及び真空などのユーティリティがルート決めされるかその内部に位置付けられる基部1716を更に含み得る。基部1716は、
図17に示されるように第1のワークステーション1702Aと第2のワークステーション1702Bとの間に位置付けられ得る又は置かれ得る。基部1716は、各支持面1706A、1706Bが回転可能に取り付けられ得るロッド又はバー1718を含み得る。1つの実施形態では、ロッド1718は、固定されたままでもよく、支持面1706は、ロッド1718周囲を回転し得る。別の実施形態では、支持面1706が、ロッド1718に固定装着され得るのに対し、ロッド1718は、基部1716内部で回転する。したがって、第1の支持面1706A、第2の支持面1706B、及び基部1716は、第1の作業面1710Aと第2の作業面1710Bとの間に置かれたY形状のフレームを概略的に形成し得る。この構成において、ワークステーションの1つにおける被加工物には、他のワークステーションにおける被加工物にデバルク又は他の処理が行われていないときだけ、デバルク又は他の処理が行われる。
【0067】
使用中に、処理される第1の材料1712Aは、第1の作業面1710Aに位置付けられ、第1の支持面1706Aは、
図17に示されたように処理される第1の材料1712A上方で回転され得る。基部1716内の一又は複数の電源502(
図5)から供給された又は遠隔電源から基部1716にルート決めされた電力は、第1のヒーターブランケット1212Aに印加され得、これにより、第1のヒーターブランケット1212Aが加熱される。基部1716内の真空供給装置1008(
図10)に提供された又は遠隔真空供給装置1008から基部にルート決めされた真空は、第1の真空バッグ1114Aに加えられ得、これにより、例えば上記のような、処理される第1の材料1712Aの層同士の間から空気及び/又は他のガスが除去される。
【0068】
第1の材料1712Aの処理中に、処理される第2の材料1712Bが、処理の準備で第2の作業面1710Bに位置付けられ得る。よって、1つの材料が1つの作業面1710で処理されている間に、もう1つの材料には、他の作業面1710で処理の準備が行われ得る。
【0069】
第1の材料1712Aが第1の作業面1710Aで処理され、第2の材料1712Bが第2の作業面1710Bで準備された後に、展開システム1700は回転され、
図17の第1の位置から
図18の第2の位置に再び位置付けられ得る。処理された第1の材料1712Aは、第1の作業面1710Aから除去され、第2の材料1712Bの処理中に未処理の材料と交換され得る。第1の作業面1710Aから除去された後に、処理された第1の材料1712Aは、例えば、使用され、輸送され、更なる処理などが行われ得る。
【0070】
図17は、第1のワークステーション1702Aの第1の支持面1706Aと第2のワークステーション1702Bの第2の支持面1706Bとにより形成された約90度の角度θを図解しているが、例えば、約90度から約135度までなどの他の角度が考えられると理解されるだろう。
【0071】
したがって、
図17及び
図18の展開システムでは、比較的密な作業エリアを使用して、2つのワークステーション1702が提供されている。2つのワークステーションの間に位置付けられた基部1716により、電力及び真空などのユーティリティを供給する設備は、両ワークステーション1702近くに位置し、両ワークステーション1702にユーティリティを提供することができる。更に、1つのワークステーション1702が、1つの被加工物1712を処理するために使用され得るのに対し、他のワークステーション1702は、処理のために別の被加工物1712を位置付け準備するために使用される。電力及び真空などのユーティリティが1度に1つのワークステーションのみに供給され得るので、ユーティリティ要件は、2つの被加工物を同時に処理する展開システムと比べて約半分である。
【0072】
図19は、第1のワークステーション1902A及び第2のワークステーション1902Bを含むヒーターブランケット展開システム1900の別の実施形態を図解している。図示されたワークステーション1902と一致する追加のワークステーションが考えられると理解されるだろう。
図19の展開システム1900は、垂直なタワー1906を有する基部1904を含む。第1のワークステーション1902Aは、垂直なタワー1906に移動可能に取り付けられた第1の装着面又は支持面1908Aを含み、第2のワークステーション1902Bは、垂直なタワー1906に移動可能に取り付けられた第2の装着面又は支持面1908Bを含む。作業面1710に対して装着面1908を上げ下げするための様々な機械的システム、電気的システム、電気機械的システム、手動システム及び自動システムが考えられる。
【0073】
電力及び真空などのユーティリティは、基部1904及び垂直なタワー1906を介して各ワークステーションのヒーターブランケット1212及び真空バッグ1114にルート決めされ得る。別の実施形態では、一又は複数の電源502(
図5)及び/又は真空供給装置1008(
図10)は、基部1904内部に位置し得る。
【0074】
支持面1908の垂直なタワー1906への移動可能な取付により、ワークステーション1902毎の各支持面1908を、別々に、作業面1710及び被加工物1710に向かって下げたり、作業面1710及び被加工物1710から離れるように上げたりすることができる。本実施形態では、被加工物1712の処理は、複数のワークステーション1902で同時に起こり得る。同時処理は、少なくとも電力及び真空引きが約2倍高いことがあるので、例えば
図17の展開システム1700より高い生産が見込まれる一又は複数の電源及び真空供給装置が必要とされ得る。しかしながら、2つのワークステーション1902の間のユーティリティ及び2つのワークステーション1902に近接したユーティリティにより、2つのワークステーション1902は、同一の電力及び真空供給装置を使用することができる。これにより、例えば、異なる電力及び真空供給装置を有する2つの別個のワークステーションと比べ、部品数及び設備費用が縮小された展開システム1900が提供され得る。更に、被加工物1712の同時処理を可能にする展開システム1900は、被加工物の並列処理ではなく直列処理を可能にする展開システムと比べ、生産歩留りが増加した製造フローを提供し得る。加えて、
図19の構造は、処理されている材料への回転アクセスを必要とせず、よって複雑性及び費用が縮小される可能性を有する、フレキシブルな展開システムを有する隆起した支持構造である。ヒーターブランケット1212及び真空バッグ1114は、処理されている材料に向かってかつ処理されている材料から離れるように垂直に移動し、処理されている材料全域を水平に移動することはない。しかしながら、
図17及び
図18の設計と同様に、
図19の展開システム1900の基部1904下の床面は、オプションで、基部1904にルート決めされた強化コンクリート製地中ユーティリティを含むことがあるだろう。上述のように、
図17から
図19の設計は、ヒーターブランケット1212及び真空バッグ1114が使用中に取り付けられる剛性支持面を含む。
【0075】
図20は、第1のワークステーション2006Aの第1のヒーターブランケットアセンブリ2004A及び第2のワークステーション2006Bの第2のヒーターブランケットアセンブリ2004Bを吊るすためのオーバーヘッドシステム2002の使用を含むヒーターブランケット展開システム2002の別の実施形態を図解している。オーバーヘッドシステム2002により、各ヒーターブランケットアセンブリ2004は、水平な作業面1710に直角である垂直な方向に、作業面1710に向かって下げること、及び作業面1710から離れるように上げることが可能になる。
図20のヒーターブランケット展開システム2000は、複数の垂直な支持体2008と、垂直な支持体2008によって支持されるオーバーヘッドフレームワーク2010と、電力ケーブル2012を介して供給される電力及び真空導管2014を介して供給される真空などのユーティリティがそれを介してヒーターブランケットアセンブリ2004に供給され得る光学基部2011とを含むことができる。
【0076】
展開システム2000は、ヒーターブランケットアセンブリ2004に物理的に取り付けられたリフティングストラップ2018を巻いたりほどいたりすることによって、ヒーターブランケットアセンブリ2004を別個に上げ下げするように各々が構成されている複数のウィンチアセンブリ2016を更に含み得る。
【0077】
展開システム2000は、フレキシブルなリフティングストラップ2018及びヒーターブランケットアセンブリ2004の支持構造としての垂直な支持体2008とオーバーヘッドフレームワーク2010とを含む剛性のフレームワークを提供し得る。
図20は光学基部2011を図解しているが、電力2012及び真空2014などのユーティリティは、別の位置からオーバーヘッドフレームワーク2010全域にルート決めされ得る。ベース2011は、ヒーターブランケットアセンブリ2004の任意のリフティング機構を支持する必要がないので、オプションである。したがって、基部2011及びヒーターブランケットリフティング機構を支持する大幅に強化されたコンクリートは、必要とされないこともある。基部2011が省略される場合、電力及び真空などのユーティリティの基部2011への地中ルート決めは必要でなくなり、これにより、建設費及び設置時間が縮小される。オーバーヘッドフレームワーク2010はまた、基部2011内の一又は複数のシステム電力要求装置にルート決めされ、次に電力ケーブル2012を介してヒーターブランケットアセンブリ2004にルート決めされる電力ケーブルを支持するために使用され得る。
【0078】
更に、展開システム2000は、第1のワークステーション2006Aによって図示された収納位置と第2のワークステーション2006Bによって図示されたデバルク位置との両方にある場合、及び中間の各位置にある場合に、実質的に水平な位置にフレキシブルなヒーターブランケットアセンブリ2004を保持する。実質的に水平な位置にヒーターブランケットアセンブリを保持することによって、隆起した装着面1706、1908が必要とされる。これにより、被加工物1712の異なるより極端な輪郭により容易に一致するフレキシブルなヒーターブランケットアセンブリ2004が可能になる。更に、ヒーターブランケットアセンブリ2004が被加工物1712上まで下げられると、ヒーターブランケットアセンブリ2004は、被加工物1712の中心に物理的に接触し、中心から外に向かって被加工物上方にドレープを形成する。これにより、保護剥離層1106が、展開中に動いたりずれたりするのを低減又は防止し得る。ヒーターブランケットアセンブリ2004が被加工物1712上まで下げられるときに被加工物1712は粘着性があるので、被加工物1712との接触後のヒーターブランケットアセンブリ2004の任意の横移動は、悪影響なことに、被加工物1712の位置をずらすこともある。被加工物1712との最初の中心接触に垂直にヒーターブランケットアセンブリ2004を被加工物1712上まで下げることにより、被加工物1712とヒーターブランケットアセンブリ2004との間での横移動及びそれらのずれが低減又は防止され得る。
【0079】
幾つかの実施形態では、真空バッグとして本明細書に記載される構造は、被加工物が挿入され、次にデバルキングプロセス中に内部で密閉される真空チャンバを提供する処分可能な真空バッグ又は使い捨ての真空バッグなどの真空バッグであり得る(例えば、
図10の真空バッグ1006を参照)と理解されるだろう。他の実施形態では、真空バッグは、被加工物周囲に真空を提供するために使用される包囲され密閉された真空チャンバをレイアップマンドレルなどの別の構造と共に形成する柔軟な材料による単一シート又は2以上の積層シートなどの真空膜であり得る。
【0080】
図21は、本教示の実施形態による展開システムで第1の被加工物及び第2の被加工物2100を処理するための方法を図解するフローチャートである。2102では、第1の被加工物が、第1のワークステーションの第1の作業面に載置され得る。第1のスマートサセプタヒーターブランケット及び第2のスマートサセプタヒーターブランケットを含む第1のヒーターブランケットアセンブリは、2104で示されるように、第1の被加工物から離れている第1の位置から、第1の被加工物に近接する第2の位置まで移動し得る。次に、2016で、第1のスマートサセプタヒーターブランケット及び第2のスマートサセプタヒーターブランケットは、第1の被加工物を加熱するために電力供給され得る。2018で、第1の被加工物から空気、窒素などのガスを除去するために、第1の真空バッグに真空処理がされ得る。
【0081】
2010では、第2の被加工物が、第2のワークステーションの第2の作業面に載置され得る。第3のスマートサセプタヒーターブランケット及び第4のスマートサセプタヒーターブランケットを含む第2のヒーターブランケットアセンブリは、2112で示されるように、第2の被加工物から離れている第3の位置から、第2の被加工物に近接する第4の位置まで移動し得る。次に、2114で、第3のスマートサセプタヒーターブランケット及び第4のスマートサセプタヒーターブランケットは、第2の被加工物を加熱するために電力供給され得る。2116で、第1の被加工物から空気、窒素などのガスを除去するために、第2の真空バッグに真空処理がされ得る。
【0082】
本明細書、例えば、
図21において、図解された動作の一又は複数が、一又は複数の別個の動作及び/又は段階、及び/又は図解されているものとは異なる順番で実行され得ると理解されるだろう。
【0083】
本明細書に記載の装置は、複合部品のデバルキング又は他の処理動作に使用され得る。例えば、
図22は、本教示の実施形態を使用してデバルク又は処理され得る複合部品を含む航空機2200を図解する。1つの特定の使用において、水平安定板2202、垂直安定板2204、及び/又は他の航空機構造が、前述のように処理され得る。
【0084】
よって、個々のスマートサセプタヒーターブランケットの設計により、ヒーターブランケット同士の間の電磁干渉又は熱干渉を引き起こすことなく、ヒーターブランケットを互いに直接隣接するように載置することが可能になる。各ワイヤリボン内で、かつ隣接するワイヤリボンの最も外側の導体の中で、任意の2つの隣接する導体の電流は、概して、常に反対方向に進むことになる。このことは、サセプタ巻線によって吸収されない任意の磁場が、2つの隣接するワイヤによって生成された反対の場の解除によって最小化されることを保証する。例えば、ブランケットエッジにおける導体が別の電源によって電力供給されるなどの他の実施形態が考えられる。概して、ヒーターブランケットは、比較的大きく、多くの導体を含んでいるので、隣接するブランケットの最も外側の導体同士の間の任意の干渉が、管理できるほど小さくなるだろう。
【0085】
幾つかの相互接続されたヒーターブランケットの使用により、単一の大きなヒーターブランケットを用いて以前現場で使用されていたよりも大きな被加工物をオートクレーブの外側でデバルクする又は他の処理を行うことが更にできるようになる。大きなヒーターブランケットが損傷すると、ヒーターブランケット全体を交換することになる。本明細書に記載のアセンブリのヒーターブランケットの1つに損傷が生じた場合、複数のヒーターブランケットを用いたモジュール式設計では、サブユニットの1つだけを交換することになる。更に、単一の大きなブランケット内で複数のリッツ線を駆動するために必要な高い電流及び電圧は、費用がかかり、製造人員にとって危険である。複数の電源を使用して複数のヒーターブランケットに電力供給することによって、使用する電流及び電圧を低下させることができ、製造人員に対する安全性が増す。
【0086】
更に、本開示は、下記の条項による実施形態を含む。
条項1.ヒーターブランケット展開システムであって:第1のワークステーションであって、第1のスマートサセプタヒーターブランケットと、第1のスマートサセプタヒーターブランケットに隣接して位置付けられた第2のスマートサセプタヒーターブランケットとを備える第1のヒーターブランケットアセンブリと、第1の被加工物の処理中に、第1のスマートサセプタヒーターブランケット及び第2のスマートサセプタヒーターブランケットが第1の作業面を覆うよう構成されるように構成された第1の作業面とを備える、第1のワークステーションと;第2のワークステーションであって、第3のスマートサセプタヒーターブランケットと、第3のスマートサセプタヒーターブランケットに隣接して位置付けられた第4のスマートサセプタヒーターブランケットとを備える第2のヒーターブランケットアセンブリと、第2の被加工物の処理中に、第3のスマートサセプタヒーターブランケット及び第4のスマートサセプタヒーターブランケットが第2の作業面を覆うよう構成されるように構成された第2の作業面とを備える第2のワークステーションと;第1のヒーターブランケットアセンブリ及び第2のヒーターブランケットアセンブリを支持するフレームと;フレームから、第1のワークステーション及び第2のワークステーションに電力を供給するように構成された少なくとも1つの電源とを備える、ヒーターブランケット展開システム。
条項2.フレームは、第1のヒーターブランケットアセンブリが第1の作業面に向かってかつ第1の作業面から離れるよう移動することができるように構成され、更に、第2のヒーターブランケットアセンブリが第2の作業面に向かってかつ第2の作業面から離れるよう移動することができるように構成されている、条項1に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項3.フレームが、第1のヒーターブランケットアセンブリに結合された第1の装着面と、第2のヒーターブランケットアセンブリに結合された第2の装着面とを更に備える、条項2に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項4.第1の被加工物は、第2のワークステーションにおける第2の被加工物が処理されていないときだけ、第1のワークステーションで処理することができるように構成されている、条項3に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項5.第1の装着面及び第2の装着面に機械的に連結された基部を更に備え、第1の装着面と、第2の装着面と基部とが、Y形状のフレームを形成する、条項3に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項6.フレームが、第1の作業面に向かって第1のヒーターブランケットアセンブリを下げるように、かつ第1の作業面から離れるように第1のヒーターブランケットアセンブリを上げるように構成され、更に、第2の作業面に向かって第2のヒーターブランケットアセンブリを下げるように、かつ第2の作業面から離れるように第2のヒーターブランケットアセンブリを上げるように構成された複数のウィンチを備えるオーバーヘッドフレームである、条項1に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項7.第1のヒーターブランケットアセンブリ及び第2のヒーターブランケットアセンブリの1つに取り付けられた複数のリフティングストラップを更に備え、複数のウィンチが、複数のリフティングストラップを使用して、第1の作業面に向かって第1のヒーターブランケットアセンブリを下げるように、かつ第1の作業面から離れるように第1のヒーターブランケットアセンブリを上げるように構成され、更に、複数のリフティングストラップを使用して、第2の作業面に向かって第2のヒーターブランケットアセンブリを下げるように、かつ第2の作業面から離れるように第2のヒーターブランケットアセンブリを上げるように構成されている、条項6に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項8.第1のワークステーションが第1の真空バッグを更に備え;第1のワークステーションは、第1の真空バッグが、第1の被加工物の処理中に第1の作業面を覆うように構成されており;第2のワークステーションが第2の真空バッグを更に備え;第2のワークステーションは、第2の真空バッグが、第2の被加工物の処理中に第2の作業面を覆うように構成されており;フレームが、第1のワークステーションと第2のワークステーションとの間に直接置かれた基部を更に備え;ヒーターブランケット展開システムが、第1の真空バッグ及び第2の真空バッグと流体連通する真空供給装置を更に備え;少なくとも1つの電源及び真空供給装置が、フレームの基部内に位置付けられている、条項1に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項9.第1のヒーターブランケットアセンブリと第1の作業面との間に第1の真空を維持するように構成された少なくとも第1の細長シールと、第2のヒーターブランケットアセンブリと第2の作業面との間に第2の真空を維持するように構成された少なくとも第2の細長シールとを更に備える、条項8に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項10.第1のスマートサセプタヒーターブランケット及び第2のスマートサセプタヒーターブランケットを覆う第1の保護剥離層と、第3のスマートサセプタヒーターブランケット及び第4のスマートサセプタヒーターブランケットを覆う第2の保護剥離層とを更に備える、条項1に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項11.第1の保護剥離層が、第1のスマートサセプタヒーターブランケットと第1の作業面との間に位置付けられ、第2の保護剥離層が、第2のスマートサセプタヒーターブランケットと第2の作業面との間に置かれている、条項10に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項12.第1のスマートサセプタヒーターブランケットが、第1のリッツ線周囲に巻かれた第1のサセプタワイヤを備える第1のワイヤアセンブリを備え、第2のスマートサセプタヒーターブランケットが、第2のリッツ線周囲に巻かれた第2のサセプタワイヤを備える第2のワイヤアセンブリを備える、条項1に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項13.第1のワイヤアセンブリを備える第1のワイヤリボンであって、第1のコネクタから第2のコネクタまでの第1の長さを有する第1のワイヤリボンと;第2のワイヤアセンブリを備える第2のワイヤリボンであって、第3のコネクタから第4のコネクタまでの第2の長さを有する第2のワイヤリボンとを更に備える、条項12に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項14.第1の長さが、第2の長さから±20%未満変動する、条項13に記載のヒーターブランケット展開システム。
条項15.第1の被加工物及び第2の被加工物を処理するための方法であって:第1の被加工物を第1のワークステーションの第1の作業面に載置することと;第1のスマートサセプタヒーターブランケット、第2のスマートサセプタヒーターブランケット、及び第1の真空バッグを備える第1のヒーターブランケットアセンブリを、第1の被加工物から離れている第1の位置から、第1の被加工物に近接する第2の位置まで移動させることと;第1の被加工物を加熱するために、第1のスマートサセプタヒーターブランケット及び第2のスマートサセプタヒーターブランケットに電力供給することと;第1の被加工物からガスを除去するために、第1の真空バッグに第1の真空処理をすることと;第2の被加工物を第2のワークステーションの第2の作業面に載置することと;第3のスマートサセプタヒーターブランケット、第4のスマートサセプタヒーターブランケット、及び第2の真空バッグを備える第2のヒーターブランケットアセンブリを、第2の被加工物から離れている第3の位置から、第2の被加工物に近接する第4の位置まで移動させることと;第2の被加工物を加熱するために、第3のスマートサセプタヒーターブランケット及び第4のスマートサセプタヒーターブランケットに電力供給することと;第2の被加工物からガスを除去するために、第2の真空バッグに第2の真空処理をすることとを含み、第1のワークステーションが、第2のワークステーションに隣接して位置付けられており;第1のスマートサセプタヒーターブランケット、第2のスマートサセプタヒーターブランケット、第3のスマートサセプタヒーターブランケット、及び第4のスマートサセプタヒーターブランケットの電力供給が、フレームによって支持された電源を使用して実行され;第1の真空バッグ及び第2の真空バッグに真空処理をすることが、フレームによって支持された真空源を使用して実行される、方法。
条項16.第1のヒーターブランケットアセンブリの移動中に、第1のヒーターブランケットアセンブリに取り付けられているフレームの第1の装着面を移動させることと;第2のヒーターブランケットアセンブリの移動中に、第2のヒーターブランケットアセンブリに取り付けられているフレームの第2の装着面を移動させることとを更に含む、条項15に記載の方法。
条項17.フレームは、フレームの第1の装着面及び第1のヒーターブランケットアセンブリが、第2の装着面及び第2のヒーターブランケットアセンブリが第4の位置から第3の位置まで移動するときだけ、第1の位置から第2の位置まで移動することができるように構成されている、条項16に記載の方法。
条項18.第1の真空バッグに真空処理をする間、第2の真空バッグに真空処理を行うことができない、条項17に記載の方法。
条項19.フレームは、フレームの第1の装着面及び第1のヒーターブランケットアセンブリが、第2の装着面及び第2のヒーターブランケットアセンブリの動きとは無関係に、第1の位置から第2の位置まで移動することができるように構成されている、条項16に記載の方法。
条項20.第1の被加工物が、複数の第1の未硬化複合プライを備え;第2の被加工物が、複数の第2の未硬化複合プライを備え;第1の真空バッグに真空処理をする間に第1の被加工物をデバルキングすることと、第2の真空バッグに真空処理をする間に第2の被加工物をデバルキングすることとを更に含む、条項15に記載の方法。
【0087】
広範な本開示を明記する数値的範囲及びパラメータが概算であるにもかかわらず、特定の例において明記された数値は、できるだけ正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、それぞれの試験的測定に見られる標準偏差から必然的に生じる若干の誤差を本質的に含んでいる。更に、本明細書で開示されたすべての範囲が、本明細書内に包含される任意のすべての部分範囲を含むと理解されるべきである。例えば、「10未満」の範囲は、最小値0から最大値10の間の(それらを含む)任意のすべての部分範囲を含むことができ、要するに、任意のすべての部分範囲は、例えば、1から5などの、0以上の最小値及び10以下の最大値を有している。場合によっては、パラメータとして提示された数値は、負の値を取ることができる。この場合、「10未満」として記載されている例示の範囲は、例えば、−1、−2、−3、−10、−20、−30などの負の値を想定することができる。
【0088】
本教示は一又は複数の実施態様に関して例示されてきたが、添付の特許請求の範囲の主旨及び範囲から逸脱することなく、示された例に対して変更及び/又は修正を行うことができる。例えば、プロセスが一連の作用又は事象として記載されているが、本開示はそのような作用又は事象の順番に限定されないことが認識されるだろう。そのような作用は、異なる順番で及び/又は本明細書に記載されたものを除いた別の作用又は事象と同時に起こることがある。また、本開示の一又は複数の態様若しくは実施形態に従って方法論を実施するために、すべてのプロセス段階が必要とされるわけではない。構造的構成要素及び/又は処理段階を追加でき、既存の構造的構成要素及び/又は処理段階を除去又は修正できると認識されるだろう。更に、本明細書に示された作用のうちの一又は複数は、一又は複数の別個の作用及び/又は段階で実行されることがある。また更に、「含んでいる(including)」「含む(includes)」「有している(having)」「有する(has)」「伴う(with)」又はそれらの変形の用語が詳細な説明及び特許請求の範囲のどちらにも使用される限りにおいては、そのような用語は、「備えている(comprising)」という用語と同様に包含されることを意図している。「〜のうちの少なくとも1つ」という用語は、列挙された項目のうちの一又は複数を選択できることを意味するために使用される。本明細書で使用されるように、例えば、A及びBなどのアイテムの列挙に関する「一又は複数の」という用語は、Aだけ、Bだけ、又はAとBを意味する。「少なくとも1つの」という用語は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数を選択することができることを意味するために使用される。更に、考察及び特許請求の範囲で、他方における一方など2つの材料に対して使用された「における、上に(on)」という用語は、材料間の少なくともいくらかの接触を意味するのに対し、「上方に(over)」は、複数の材料が接近しているが、接触は可能だが必須ではない一又は複数の追加的な介在する材料を伴う可能性がある。「における、上に(on)」と「上方に(over)」のどちらも、本明細書で使用されるように何れの方向性も示さない。「等角の」という用語は、下にある材料の角度が等角の材料によって保護されるコーティング材を形容する。「約」という用語は、列挙された値が、例示された実施形態に対してプロセス又は構造の不適合を生じさせない限り、いくらか変更され得ることを示す。最後に、「例示的」は、記述が、理想的であることを示唆するというよりむしろ、例として使用されていることを示している。本開示の他の実施形態は、本明細書の開示の仕様及び実践を検討することにより、当業者には明らかになるだろう。仕様及び例を単なる例示的ものと見なすことが意図されており、本開示の真の範囲及び主旨は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
【0089】
本出願で使用される相対位置の用語は、被加工物の方向付けに関わらず、被加工物の従来の平面又は作業面に平行な平面に基づき定義される。本出願で使用される「水平な(horizontal)」又は「横に向かった(lateral)」という用語は、被加工物の方向付けに関わらず、被加工物の従来の平面又は作業面に平行な平面として定義される。「垂直な(vertical)」という用語は、水平に対して直角方向を指す。「における、上に(on)」「側面(「側壁」においてのように)」「高い」「低い」「上方に(over)」「最上部(top)」「下に」などの用語は、被加工物の方向付けに関わらず、被加工物の最上面にある従来の平面又は作業面に対して定義される。