(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記角部認識部は、計測された前記布片の三次元形状の鉛直下方における最下点を検出すると共に、前記最下点から両方向に延在する線の両端部をそれぞれ角部と認識する、請求項3に記載の布片把持装置。
前記把持可否判断部は、前記一対の把持用ハンドで前記2つの角部をそれぞれ実質的に同時に把持する場合に、前記一対の把持用ハンドが物理的に互いに干渉するか否かを算出し、前記2つの角部を実質的に同時に把持できるか判断する、請求項3又は4に記載の布片把持装置。
前記一対の把持用ハンドは、前記把持判断部で認識された2つの角部を把持可能な位置にそれぞれ移動可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の布片把持装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の態様に係る布片把持装置は、吊り下げられた布片の三次元形状を計測する三次元計測装置と、
計測された前記布片の三次元形状に基づいて、前記布片の隣接する2つの角部を認識すると共に、前記2つの角部を把持できるか判断する把持判断部と、
前記布片の前記2つの角部をそれぞれ把持する一対の把持用ハンドと、
を備える。
【0014】
第2の態様に係る布片把持装置は、上記第1の態様において、前記三次元計測装置は、
前記布片の鉛直下方から撮影する三次元カメラと、
前記三次元カメラで撮影した画像に基づいて、前記布片の三次元形状を取得する三次元形状算出部と、
を備えてもよい。
【0015】
第3の態様に係る布片把持装置は、上記第1又は第2の態様において、前記把持判断部は、
前記布片の三次元形状に基づいて、前記布片の隣接する2つの角部を認識する角部認識部と、
前記2つの角部を実質的に同時に把持できるか判断する把持可否判断部と、
を備えてもよい。
【0016】
第4の態様に係る布片把持装置は、上記第3の態様において、前記角部認識部は、計測された前記布片の三次元形状の鉛直下方における最下点を検出すると共に、前記最下点から両方向に延在する線の両端部をそれぞれ角部と認識してもよい。
【0017】
第5の態様に係る布片把持装置は、上記第3又は第4の態様において、前記把持可否判断部は、前記一対の把持用ハンドで前記2つの角部をそれぞれ実質的に同時に把持する場合に、前記一対の把持用ハンドが物理的に互いに干渉するか否かを算出し、前記2つの角部を実質的に同時に把持できるか判断してもよい。
【0018】
第6の態様に係る布片把持装置は、上記第1から第5のいずれかの態様において、前記一対の把持用ハンドは、前記把持判断部で認識された2つの角部を把持可能な位置にそれぞれ移動可能であってもよい。
【0019】
第7の態様に係る布片把持装置は、上記第1から第6までのいずれかの態様において、さらに、前記布片を吊り下げる布片吊り下げ部を備えてもよい。
【0020】
第8の態様に係る布片把持装置は、上記第1から第6までのいずれかの態様において、さらに、吊り下げられた前記布片を検知するサブカメラを備えてもよい。
【0021】
第9の態様に係る布片把持方法は、布片の三次元形状を取得するステップと、
前記布片の2つの角部を認識するステップと、
前記布片の2つの角部を実質的に同時に把持できるか判断するステップと、
前記布片の2つの角部を一対の把持用ハンドで把持するステップと、
を含む。
【0022】
第10の態様に係る布片把持方法は、上記第9の態様において、前記布片の三次元形状を取得するステップは、
前記布片の鉛直下方からカメラで撮影して画像を得るステップと、
撮影した前記画像に基づいて、前記布片の三次元形状を取得するステップと、
を含んでもよい。
【0023】
第11の態様に係る布片把持方法は、上記第9又は第10の態様において、前記布片の2つの角部を認識するステップは、
前記布片の三次元形状の鉛直下方における最下点を検出するステップと、
前記最下点から両方向に延在する線の両端部をそれぞれ角部と認識するステップと、
を含んでもよい。
【0024】
第12の態様に係る布片把持方法は、上記第9から第11のいずれかの態様において、前記布片の2つの角部を実質的に同時に把持できるか判断するステップは、前記2つの角部の距離は所定以上かに応じて2つの角部を実質的に同時に把持できるか判断してもよい。
【0025】
以下、実施の形態に係る布片把持装置及び布片把持方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0026】
(実施の形態1)
<布片把持装置>
図1は、実施の形態1に係る布片把持装置20の構成を示すブロック図である。
図2は、実施の形態1に係る布片把持装置20の一例の概略構成を示す概略斜視図である。
この布片把持装置20は、三次元計測装置11と、把持判断部14と、一対の把持用ハンド18a、18bと、を備える。三次元計測装置11によって吊り下げられた布片22の三次元形状を計測する。把持判断部14によって、計測された布片22の三次元形状に基づいて、布片22の隣接する2つの角部26a、26bを認識すると共に、2つの角部26a、26bを把持できるか判断する。一対の把持用ハンド18a、18bによって布片22の2つの角部26a、26bをそれぞれ把持する。さらに、布片22を吊り下げる布片吊り下げ部17を備えてもよい。あるいは、布片吊り下げ部17から吊り下がる布片22を検知するサブカメラ19を備えてもよい。また、全体を制御する制御部10を備えてもよい。
【0027】
この布片把持装置20では、上述のように、計測された布片22の三次元形状に基づいて、布片22の隣接する2つの角部26a、26bを認識すると共に、2つの角部26a、26bを把持できるか判断する把持判断部14を備えている。そこで、布片22の2つの角部26a、26bを把持する際に互いに干渉するか確認して布片22を把持できる。
【0028】
この布片把持装置20を構成する各構成部材について以下に説明する。
【0029】
<布片>
ここで把持する対象となる布片22は、特に限定はされないが、例えば、おしぼり、フェイスタオル、手ぬぐい、バスタオル、タオル、シーツ、まくらカバー、テーブルクロス等の矩形形状を有する布片であればよい。
【0030】
<布片吊り下げ部>
布片22は、布片吊り下げ部17によって吊り下げられる。布片吊り下げ部17は、布片22の少なくとも一部が垂れ下がった状態で保持するものであればよく、例えば、布片22を搬送するコンベア、布片22の一部を把持して吊り下げるロボットハンド、布片22を引っかける吊り具、フック等であってもよい。この布片吊り下げ部17がコンベアである場合には、
図2に示されるように布片22は、コンベア17上で搬送される。布片22の鉛直下方の辺23がコンベア17から垂下し、突出すると、後述するサブカメラ19によって布片22を検出できる。布片吊り下げ部17から布片22が検出された場合には、コンベア17は停止される。
なお、布片22の2つの角部が認識できなかった場合や、2つの角部26a、26bの距離が所定未満の場合には、把持できないとして、布片22を排出する(S09)。例えば、コンベア17を動作させて布片22をコンベア17から落下させてもよい。この場合も布片22を回収して再度コンベア17で搬送し、把持のやり直しをするようにしてもよい。
【0031】
<三次元計測装置>
三次元計測装置11は、布片22の鉛直下方の辺23を撮影する三次元カメラ12と、三次元カメラ12で撮影した画像に基づいて、布片22の三次元形状を取得する三次元形状算出部13と、を備える。三次元形状算出部13による三次元形状の取得方法は、一般的に用いられている技術であれば用いることができる。例えば、ステレオカメラによって撮影する方法、ライン光を照射して行う光切断法、位相を少しずつずらした格子パターンが投影された複数枚の画像から三次元形状を取得する位相シフト法、ToF(Time of Flight)法、その他、レーザ変位計でスキャンする手法等を用いてもよい。
なお、布片22の鉛直下方の辺23の2つの角部26a、26bを把持するために布片22の角部26a、26bを含む三次元形状を計測する。布片22は折り重なった状態で吊り下げられることがあるため、撮影方向が鉛直下方に対して斜めになるほど、角部のオクルージョンが発生しやすくなる。そこで、2つの角部26a、26bを確実に計測するため、鉛直下方から布片22を撮影することが好ましい。
【0032】
<把持判断部>
図3は、実施の形態1に係る布片把持装置20の把持判断部14の物理的構成及び機能的構成を示すブロック図である。
把持判断部14の物理的な構成としては、
図3のブロック図に示すように、通常のパーソナルコンピュータの物理的な構成要素、例えば、CPU1、メモリ2、記憶部3、表示部4、入力部5、インタフェース6等を備えていればよい。
【0033】
また、把持判断部14の機能的な構成としては、角部認識部15と、把持可否判断部16と、を備える。
角部認識部15によって、計測された布片22の三次元形状に基づいて、布片22の隣接する2つの角部26a、26bを認識する。具体的には、布片22の三次元形状の鉛直下方における最下点24を検出すると共に、最下点24から両方向に延在する線23の両端部をそれぞれ角部26a、26bと認識する。なお、最下点24から線23が鉛直上方に延在する場合や、最下点24から両方向に延在する線23のなす角度がほぼ直角の場合には、最下点24自体が角部と考えられる場合がある。この場合には、最下点24以外に最下点24から両方向に延在する線23の両端部の少なくとも一方を角部と認識できればよい。布片22の2つの角部が認識できない場合には、把持できる角部が確認できないと判断して、その布片22を排出して、次の布片を吊り下げるようにする。
【0034】
把持可否判断部16によって、2つの角部26a、26bを実質的に同時に把持できるか判断する。具体的には、一対の把持用ハンド18a、18bで2つの角部26a、26bをそれぞれ実質的に同時に把持する場合に、一対の把持用ハンド18a、18bが物理的に互いに干渉するか否かを算出する。つまり、2つの角部26a、26bの距離が所定以上か否かを判定し、それによって2つの角部26a、26bを実質的に同時に把持できるか判断する。この判断基準について以下に説明する。一つの把持用ハンド18a、18bは、一定の範囲を占有する。そのため、2つの角部26a、26bの距離が所定範囲より近くなった場合には、それぞれの角部26a、26bを同時に把持する際に2つの把持用ハンド18a、18bが衝突する。具体的には、2つの角部26a、26bの距離が2つの把持用ハンド18a、18bを接触させた場合の2つの把持部分の間隔より短い場合には、2つの把持用ハンド18a、18bは衝突することとなる。また、安全のため把持用ハンド18a、18bの周囲に一定の干渉領域を設定し、この干渉領域同士を接触させた場合の2つの把持部分の間隔より、2つの角部26a、26bの距離が短い場合には、2つの把持用ハンド18a、18bが干渉すると判断してもよい。上記のように、2つの角部26a、26bの距離が所定以上ある場合には、2つの把持用ハンド18a、18bは衝突せず、同時に把持可能である。一方、2つの角部26a、26bの距離が所定未満の場合には、2つの把持用ハンド18a、18bは衝突することが予測されるため、同時に把持できない。そこで、2つの角部26a、26bの距離が所定以上あるか否かで、実質的に同時に把持可能か否かを判断する。
なお、ここで「実質的に同時に把持」とは、完全に同時の場合だけではなく、一つ目の角部の把持と二つ目の角部の把持との間の時間間隔が所定範囲より短い場合を含む。また、「実質的に同時に把持」を条件としているのは、一つ目の角部を把持した後、二つ目の角部を把持するまでに時間が空くと、布片22のバランスが変化して二つ目の角部の位置が変わって把持できなくなる場合があるためである。
【0035】
<第1把持用ハンド、第2把持用ハンド>
第1及び第2把持用ハンド18a、18bによって布片22の前記2つの角部26a、26bをそれぞれ把持する。第1及び第2把持用ハンド18a、18bは、把持判断部14で認識された2つの角部26a、26bを把持可能な位置にそれぞれ移動可能である。この第1及び第2把持用ハンド18a、18bは、例えば、
図2に示すように、第1及び第2ロボットアーム27a、27bにそれぞれ接続されていてもよい。第1及び第2ロボットアーム27a、27bは、回転可能に接続された3以上の関節(3軸)を有してもよい。これによって、第1及び第2把持用ハンド18a、18bによって布片22の2つの角部26a、26bを把持する際の移動を円滑に行うことができる。さらに、角部26a、26bの把持後、第1及び第2把持用ハンド18a、18bによる布片22の持ち上げ、角部26a、26bを含む辺の直線への展開も円滑に行うことができる。より好ましくは、第1及び第2ロボットアーム27a、27bが7軸ロボットである。これによって、各ロボットアームが取ることのできる姿勢の自由度が上がり、より円滑に把持用ハンドの移動が可能となる。
なお、把持用ハンド18a、18bは、布片22を把持可能な形態であればよい。
【0036】
<サブカメラ>
サブカメラ19によって、吊り下げられた布片22を検知する。このサブカメラ19が、布片吊り下げ部(コンベア)17から布片22が吊り下げられたことを検知することによって、布片22の把持の動作が開始される。サブカメラ19は、布片22を検知できればよく、通常使用できるカメラであれば使用でき、2次元カメラであってもよい。
【0037】
<制御部>
布片把持装置20の全体を制御する制御部10を備えてもよい。なお、制御部10は、他の部材と独立して存在してもよく、あるいは、他の部材の一部と共有されていてもよい。例えば、三次元計測装置11、把持判断部14、又は、サブカメラ19に含まれていてもよい。また、制御部10は、通常のパーソナルコンピュータの物理的な構成要素、例えば、CPU、メモリ、記憶部、表示部、入力部、インタフェース等を備えていてもよい。
【0038】
なお、上記の各構成部材のうち、三次元形状算出部13、把持判断部14、角部認識部15、把持可否判断部16、制御部10等の機能的構成部材は、全体を機械的な構成で実現する場合に限られず、少なくとも一部をコンピュータプログラムによって実現できるものであってもよい。
【0039】
<布片の把持方法>
図4は、実施の形態1に係る布片把持方法のフローチャートである。以下に、この布片把持方法について説明する。
(1)布片22を吊り下げ状態とする(S01)。例えば、
図2のようにコンベア17によって搬送し、布片22の辺23が鉛直下方に吊り下がるようにしてもよい。布片22の一部が所定の位置まで垂れ下がった時点でコンベア17は停止される。布片22の確認はサブカメラ19によって行うことができる。なお、コンベア17に限られず、フック等で布片を吊り下げてもよい。
(2)布片22の三次元形状を取得する(S02)。具体的には、
図5のフローチャートに示している。
図5は、
図4の布片22の三次元形状の取得ステップの詳細を示すフローチャートである。
2−1)布片22の鉛直下方から三次元カメラ12で撮影して布片22の辺23を含む画像を得る(S11)。
2−2)撮影した画像に基づいて、布片22の三次元形状を取得する(S12)。
なお、三次元形状を取得する方法は、通常使用される方法であれば使用できる。例えば、ライン状のレーザ光を照射して行う光切断法や、位相を少しずつずらした格子パターンが投影された複数枚の画像から三次元形状を取得する位相シフト法、その他、レーザ変位計でスキャンする手法等を用いてもよい。
【0040】
(3)布片22の2つの角部26a、26bを認識する(S03)。具体的には、
図6のフローチャートに示している。
図6は、
図4の布片の2つの角部の認識ステップの詳細を示すフローチャートである。
3−1)布片22の三次元形状の鉛直下方における最下点24を検出する(S21)。
3−2)最下点24から両方向に延在する線23の両端部をそれぞれ角部26a、26bと認識する(S22)。
なお、2つの角部の認識方法は、上記の方法に限られず、他の方法であってもよい。
(4)2つの角部が認識できたか判断する(S04)。2つの角部が認識できた場合(YES)には、次のステップS05に移行し、2つの角部が認識できなかった場合(NO)には、布片22の排出を行う(S09)。その後、ステップS01に戻り、次の布片を吊り下げ状態とする。
【0041】
(5)2つの角部26a、26bの距離は所定以上か判断する(S05)。2つの角部26a、26bの距離は、上記角部の認識ステップS03で得られた2つの角部26a、26bのそれぞれの三次元座標から算出できる。2つの角部26a、26bの距離が所定以上ある場合(YES)には次のステップS06へ移行する。2つの角部26a、26bの距離が所定未満の場合(NO)には、2つの把持用ハンド18a、18bが干渉することが予測され(S08)、布片22の排出を行う(S09)。この場合、排出された布片22は、回収して次の布片としてリトライしてもよい。その後、ステップS01に戻り、次の布片を吊り下げ状態とする。
(6)布片22の2つの角部26a、26bを一対の把持用ハンド18a、18bで把持する(S06)。
(7)布片22の2つの角部26a、26bの把持を完了する(S07)。
以上によって、布片22の2つの角部26a、26bを把持する際に互いに干渉するか確認して布片22を把持できる。
【0042】
なお、上記布片把持方法は、少なくとも一部をコンピュータプログラムによって実現できるものであってもよい。
【0043】
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。