特許第6872920号(P6872920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872920
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】サクション基礎
(51)【国際特許分類】
   E02D 23/08 20060101AFI20210510BHJP
   E02D 27/18 20060101ALI20210510BHJP
   E02D 27/52 20060101ALI20210510BHJP
   F03D 13/25 20160101ALI20210510BHJP
【FI】
   E02D23/08 F
   E02D27/18
   E02D27/52 Z
   F03D13/25
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-19493(P2017-19493)
(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公開番号】特開2018-127773(P2018-127773A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】新里 英幸
(72)【発明者】
【氏名】矢幡 武人
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0037384(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1081401(KR,B1)
【文献】 特開2001−311166(JP,A)
【文献】 特開2016−176412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 23/08
E02D 27/18
E02D 27/52
F03D 13/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体が設置又は連結され、第1天井部と前記第1天井部に接続された第1周壁部とを有して底が開放された第1隔壁と、
前記第1隔壁の内側に前記第1隔壁と離隔して配置され、第2天井部と前記第2天井部に接続された第2周壁部とを有して底が開放された第2隔壁と、
前記第1隔壁と前記第2隔壁とを連結する連結部とを備え
前記第1隔壁及び前記第2隔壁は、サクション荷重によって水底地盤に貫入されることを特徴とするサクション基礎。
【請求項2】
請求項1に記載のサクション基礎において、
前記連結部は、防振材で形成されていることを特徴とするサクション基礎。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のサクション基礎において、
前記第1隔壁には、前記第1隔壁の内側の水を排水するための第1排水部が設けられ、
前記第2隔壁には、前記第2隔壁の内側の水を排水するための、前記第1排水部とは別系統の第2排水部が設けられていることを特徴とするサクション基礎。
【請求項4】
請求項3に記載のサクション基礎において、
前記第2排水部は、前記第2隔壁の内側の空間と連通し且つ前記第1隔壁を貫通する排水管を有していることを特徴とするサクション基礎。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1つに記載のサクション基礎において、
前記構造体は、風車であることを特徴とするサクション基礎。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、サクション基礎に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洋上又は海中に構造物を設置するための基礎として、サクション基礎が知られている。例えば、特許文献1には、天井部と周壁部とを有し且つ底が開放された隔壁を備えたサクション基礎が開示されている。隔壁は、水底地盤中に沈設されることにより把駐力を発揮する。サクション基礎は、この把駐力によって水底地盤に強固に固定される。隔壁には、躯体等の構造体が設置又は連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−23730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の如く、サクション基礎には、躯体等の構造体が設置又は連結されている。この構造体の振動が隔壁に伝達すると、サクション基礎の把駐力が徐々に減少する虞がある。さらには、構造体に波や風等による衝撃力が作用した場合にも、その衝撃力が隔壁に伝達して、サクション基礎の把駐力が減少する虞がある。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サクション基礎の把駐力の減少を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されたサクション基礎は、構造体が設置又は連結され、第1天井部と前記第1天井部に接続された第1周壁部とを有して底が開放された第1隔壁と、前記第1隔壁の内側に前記第1隔壁と離隔して配置され、第2天井部と前記第2天井部に接続された第2周壁部とを有して底が開放された第2隔壁と、前記第1隔壁と前記第2隔壁とを連結する連結部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
前記サクション基礎によれば、サクション基礎の把駐力の減少を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、サクション基礎の模式図である。
図2図2は、図3のII−II線におけるサクション基礎の断面図である。
図3図3は、サクション基礎の平面図である。
図4図4は、その他の実施形態に係るサクション基礎の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、サクション基礎100の模式図である。図2は、図3のII−II線におけるサクション基礎100の断面図である。図3は、サクション基礎100の平面図である。尚、図2,3においては、後述の風車40の図示が省略されている。
【0011】
サクション基礎100は、水上又は水中に構造体を設置するための基礎であり、水底地盤Gに沈設される。図1の例では、サクション基礎100は、風車40を洋上に設置するための基礎である。サクション基礎100は、風車40が設置される第1隔壁10と、第1隔壁10の内側に配置された第2隔壁20と、第1隔壁10と第2隔壁20とを連結する連結部30とを備えている。
【0012】
第1隔壁10は、天井が閉塞され且つ底が開放された容器状に形成されている。具体的には、第1隔壁10は、図2に示すように、略円盤状の第1天井部11と、第1天井部11の周縁に接続された略円筒状の第1周壁部12とを有している。第1天井部11に風車40が設置されている(図1参照)。
【0013】
第2隔壁20は、天井が閉塞され且つ底が開放された容器状に形成されている。すなわち、第2隔壁20は、第1隔壁10よりは小さいものの、第1隔壁10と同じような形状をしている。具体的には、第2隔壁20は、第1天井部11よりも小さい、略円盤状の第2天井部21と、第2天井部21の周縁に接続された略円筒状の第2周壁部22とを有している。第2隔壁20は、第1隔壁10と離隔して配置されている。すなわち、第1天井部11と第2天井部21との間には隙間が形成され、第1周壁部12と第2周壁部22との間には隙間が形成されている。
【0014】
連結部30は、第1天井部11と第2天井部21とを連結している。連結部30は、第1隔壁10と第2隔壁20とを物理的に連結する機能に加えて、第1隔壁10から第2隔壁20に伝達する振動又は衝撃力を低減する機能を有する。連結部30は、防振ゴムで形成されている。すなわち、連結部30は、弾性要素と粘性要素とを含んでいる。防振ゴムは、防振材の一例である。
【0015】
第1隔壁10には、第1隔壁10の内側(厳密には、第1隔壁10の内側であって且つ第2隔壁20の外側)の水を排水するための第1排水口13が設けられている。第1排水口13は、第1天井部11に貫通形成されている。例えば、排水ポンプを含む排水装置によって、第1隔壁10の内側の空間の水が第1排水口13を介して吸引され、排出される。第1排水口13は、第1排水部の一例である。
【0016】
また、第1隔壁10には、第2隔壁20の内側の水を排水するための第2排水口14が設けられている。第2排水口14は、第1天井部11に貫通形成されている。さらに、第2隔壁20には、第2隔壁20の内側の水を排水するための第3排水口23が設けられている。第3排水口23は、第2天井部21に貫通形成されている。第2排水口14と第3排水口23とは、排水管24を介して接続されている。すなわち、第2排水口14は、第2隔壁20の内側の空間と連通している。排水管24は、フレキシブル管で形成され、可撓性を有している。例えば、排水ポンプを含む排水装置(第1排出口13の排水装置とは別の排水装置)によって、第2隔壁20の内側の水が第2排水口14、排水管24及び第3排水口23を介して吸引され、排出される。つまり、第1隔壁10の外側から、第2隔壁20の内側の水が排出される。第2排水口14、排水管24及び第3排水口23は、第1排水口13とは別系統の排水経路である。これにより、第2隔壁20の内側の水を、第1隔壁10の内側であって且つ第2隔壁20の外側の空間の水とは異なる圧力で吸引することができる。第2排水口14、排水管24及び第3排水口23は、第2排水部の一例である。
【0017】
このように、第1天井部11には、第1排水口13と第2排水口14とが形成される。図3に示すように、第1排水口13と第2排水口14とは、第1天井部11の中心Xから外れた位置に配置されている。具体的には、第1排水口13と第2排水口14とは、第1天井部11の中心Xに対して点対称で且つ、180度異なる位置に配置されている。
【0018】
風車40は、サクション基礎100に設置される構造体の一例である。風車40は、タワー41と、タワー41に設けられたロータ42とを有している。タワー41は、第1隔壁10に設置されている。詳しくは、タワー41は、第1天井部11の中心Xに設置されている。ロータ42は、タワー41の先端部に回転自在に設けられている。
【0019】
続いて、サクション基礎100の設置方法について説明する。
【0020】
サクション基礎100は、風車40が第1隔壁10に設置された状態(ただし、ロータ42のブレードは取り付けられていない。)で設置現場まで曳航され、設置現場の海底に沈設される。まず、サクション基礎100は、自重又はバラスト荷重によって海底に沈んでいく。このとき、第1周壁部12の下端部及び第2周壁部22の下端部は、サクション基礎100の自重又はバラスト荷重によって海底地盤Gに或る程度貫入する。尚、サクション基礎100の設置場所には、砂地の海底地盤Gが選ばれる。
【0021】
その後、第1排水口13を介して第1隔壁10の内側の水が排水されると共に、第2排水口14を介して第2隔壁20の内側の水が排水される。尚、このとき、水と一緒に砂も排出され得る。これにより、第1隔壁10及び第2隔壁20のそれぞれにサクション荷重が作用し、第1周壁部12及び第2周壁部22は、海底地盤Gにさらに貫入していく。第1周壁部12及び第2周壁部22が所定の深さまで海底地盤Gに貫入すると、排水が停止される。例えば、第2隔壁20の第2天井部21が海底地盤Gに達する深さまで、第1隔壁10及び第2隔壁20は貫入する(尚、図1,2では、第1隔壁10の第1天井部11が海底地盤Gに達している)。その後、風車40のロータ42にブレードが取り付けられる。
【0022】
貫入時には、第1周壁部12及び第2周壁部22の下端面が海底地盤Gから抵抗力を受けると共に、第1周壁部12及び第2周壁部22の外周面及び内周面に海底地盤Gとの摩擦力が抵抗力として作用する。第1周壁部12と第2周壁部22とは寸法が異なるので、第1周壁部12に作用する抵抗力と第2周壁部22に作用する抵抗力とは異なる。そのため、第1隔壁10の内側の水を排水する際の吸引圧力と、第2隔壁20の内側の水を排水する際の吸引圧力とは異なる値に設定されている。その結果、第1隔壁10と第2隔壁20とをそれぞれ適切に貫入させることができる。
【0023】
海底地盤Gに設置されたサクション基礎100においては、第1隔壁10及び第2隔壁20のうち海底地盤Gに埋もれている部分に摩擦力が作用する。これにより、サクション基礎100は、海底地盤Gに強固に固定されている。
【0024】
このように構成されたサクション基礎100には、風車40が設置されているので、風車40の振動が作用する。例えば、ロータ42が回転することによって風車40が振動し、その振動がタワー41を介してサクション基礎100に伝達する。さらには、風車40が風や波から受ける衝撃力もサクション基礎100に作用する。
【0025】
それに対し、サクション基礎100は、前述の第1隔壁10及び第2隔壁20による二重構造を採用することによって、サクション基礎100に伝達する振動及び衝撃力を第1隔壁10及び第2隔壁20に分散させることができる。これにより、サクション基礎100の把駐力の減少を抑制することができる。
【0026】
詳しくは、風車40からの振動又は衝撃力(以下、「振動等」という)は、タワー41を介して第1隔壁10に直接的に作用する。第1隔壁10に伝達した振動等は、連結部30を介して第2隔壁20に伝達する。すなわち、風車40からの振動等は、タワー41を介して第2隔壁20に間接的に作用する。このように、風車40からの振動等は、第1隔壁10と第2隔壁20とに分散し、第1隔壁10と第2隔壁20とで受け止められる。第1隔壁10と第2隔壁20とに分散される振動等の比率は、連結部30に依存する。連結部30の防振性能が高いほど、第2隔壁20に伝達する振動等が減少する。この例では、連結部30は、第2隔壁20に作用する成分の方が第1隔壁10に作用する成分よりも小さくなるように振動等を分散させる。これにより、風車40からの振動等が第2隔壁20の把駐力に与える影響を低減することができ、第2隔壁20の把駐力の減少を抑制することができる。仮に、第1隔壁10の把駐力が減少したとしても、第2隔壁20の把駐力は維持される。一方、第1隔壁10には、風車40からの振動等が作用するものの、振動等の一部は第2隔壁20に分散する。そのため、全ての振動等が第1隔壁10に作用する場合と比べて、第1隔壁10の把駐力の減少を抑制することができる。こうして、サクション基礎100全体としての把駐力を確保することができる。
また、風車40の固有振動数とサクション基礎100の固有振動数が一致しないように、連結部30のバネ定数及び減衰係数が設定されている。これにより、風車40とサクション基礎100との共振が防止される。
【0027】
以上のように、サクション基礎100は、風車40(構造体)が設置され、第1天井部11と第1天井部11に接続された第1周壁部12とを有して底が開放された第1隔壁10と、第1隔壁10の内側に第1隔壁10と離隔して配置され、第2天井部21と第2天井部21に接続された第2周壁部22とを有して底が開放された第2隔壁20と、第1隔壁10と第2隔壁20とを連結する連結部30とを備えている。
【0028】
この構成によれば、風車40からの振動等を第1隔壁10と第2隔壁20とで分散して受け止めることができる。これにより、第1隔壁10及び第2隔壁20のそれぞれに作用する振動等を、1つだけの隔壁に振動等が作用する場合と比べて低減することができる。その結果、第1隔壁10及び第2隔壁20のそれぞれの把駐力の減少を抑制することができる。
【0029】
また、連結部30は、防振材で形成されている。
【0030】
この構成によれば、連結部30を介して第1隔壁10から第2隔壁20に伝わる、風車40からの振動等を減衰させることができる。その結果、第2隔壁20の把駐力の減少をさらに抑制することができる。
【0031】
さらに、第1隔壁10には、第1隔壁10の内側の水を排水するための第1排水口13(第1排水部)が設けられ、第2隔壁20には、第2隔壁20の内側の水を排水するための、第1排水口13とは別系統の第2排水口14、排水管24及び第3排水口23(第2排水部)が設けられている。
【0032】
この構成によれば、第1隔壁10の内側の水と第2隔壁20の内側の水とを互いに異なる圧力で吸引することができる。つまり、第1隔壁10と第2隔壁20とに個別のサクション荷重を作用させることができる。第1隔壁10と第2隔壁20とは、寸法が異なるため、海底地盤Gへの貫入時の抵抗力が異なる。第1隔壁10の内側の水と第2隔壁20の内側の水とを互いに異なる圧力で吸引することによって、第1隔壁10と第2隔壁20とをそれぞれ適切なサクション荷重で貫入させることができる。
【0033】
具体的には、第2排水口14、排水管24及び第3排水口23は、第2隔壁20の内側の空間と連通し且つ第1隔壁10を貫通している。
【0034】
この構成によれば、第1隔壁10の内側に第2隔壁20が配置された構成であっても、第1隔壁10の外部から第2隔壁20の内側の水を排水することができる。
【0035】
また、第1隔壁10に設置される構造体は、風車40である。
【0036】
風車40は、ロータ42の回転により振動が発生する。また、風車40には、風又は波の衝撃力が作用する。これらの振動や衝撃力は、風車40からサクション基礎100に伝達する。前記の構成によれば、風車40からの振動等による、サクション基礎100の把駐力の減少を抑制することができる。
【0037】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0038】
例えば、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0039】
第1隔壁10及び第2隔壁20の形状は、略円筒状に限られるものではない。第1隔壁10及び第2隔壁20は、天井部及び周壁部を有し且つ底を有さない形状であれば、任意の形状に形成することができる。例えば、第1隔壁10及び第2隔壁20は、断面が略四角形や略五角形等の角筒状に形成されていてもよい。また、第1隔壁10及び第2隔壁20は、天井部が湾曲したドーム状に形成されていてもよい。
【0040】
連結部30は、第1隔壁10と第2隔壁20とを連結できる限り、防振ゴム以外の部材で形成されていてもよい。連結部30は、防振材で形成されていることが好ましい。防振材は、防振ゴムに限られず、防振バネ、防振パット、防振ジェル等であってもよい。また、防振材は、磁性流体を有するMRダンパのような防振装置であってもよい。また、連結部30は、1つに限られず、複数設けられていてもよい。
【0041】
また、第1隔壁10の内側の水を排水するための第1排水口13と、第2隔壁20の内側の水を排水するための第2排水口14、排水管24及び第3排水口23とは、別系統で構成されているが、これに限られるものではない。例えば、第2排水口14及び排水管24が省略されてもよい。この場合、第2隔壁20の内側の水は、第3排水口23、第1隔壁10の内側の空間及び第1排水口13を介して排水される。
【0042】
さらに、サクション基礎100に設置又は連結される構造体は、風車40に限られるものではない。構造体は、ケーソン等であってもよい。または、サクション基礎100は、係留ブイ等の浮体を係留するための基礎として用いられてもよい。図4は、その他の実施形態に係るサクション基礎100の模式図である。図4においては、サクション基礎100は、浮体200を係留している。第1隔壁10には、ケーブル210を介して浮体200が連結されている。サクション基礎100には、ケーブル210を介して浮体200からの振動及び衝撃力が伝達する。サクション基礎100は、前述の如く、連結部30で連結された第1隔壁10及び第2隔壁20の二重構造になっているので、浮体200からの振動及び衝撃力を第1隔壁10及び第2隔壁20とで分散して受け止めることができる。これにより、第1隔壁10及び第2隔壁20のそれぞれの把駐力の減少を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、ここに開示された技術は、サクション基礎について有用である。
【符号の説明】
【0044】
100 サクション基礎
10 第1隔壁
11 第1天井部
12 第1周壁部
13 第1排水口(第1排水部)
14 第2排水口(第2排水部)
20 第2隔壁
21 第2天井部
22 第2周壁部
23 第3排水口(第2排水部)
24 排水管(第2排水部)
30 連結部
40 風車(構造体)

図1
図2
図3
図4