(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上面部と、前記上面部に対向する下面部と、前記上面部の周縁から前記下面部の周縁に向かって窄むように形成された外周部と、前記上面部に設けられ、光源を配置する光源配置部と、前記光源配置部の周囲に形成された係合溝部とを備えた筐体と、
前記下面部の周縁に係止される鍔部と、
開口部と前記開口部の周縁から筒状に突き出した取付部を備え、前記取付部が前記係合溝部に挿入されることにより、前記光源配置部を覆って前記筐体に取り付けられたカバーと
を備え、
前記外周部は、
前記上面部の周縁から前記上面部の周縁と前記下面部の周縁との間の第2位置まで、第1の曲率に沿って滑らかに曲線を描いて凹んだ第1錐状部であって、前記カバーの表面と連続して滑らかな曲面をなす第1錐状部と、
前記第2位置から前記下面部の周縁まで、第2の曲率に沿って滑らかに曲線を描いて膨らんだ第3錐状部であって、前記鍔部と連続して滑らかな曲面をなす第3錐状部と
を備えた灯具。
上面部と、前記上面部に対向する下面部と、前記上面部の周縁から前記下面部の周縁に向かって窄むように形成された外周部と、前記上面部に設けられ、光源を配置する光源配置部と、前記光源配置部の周囲に形成された係合溝部とを備えた筐体と、
前記下面部の周縁に係止される鍔部と、
開口部と前記開口部の周縁から筒状に突き出した取付部を備え、前記取付部が前記係合溝部に挿入されることにより、前記光源配置部を覆って前記筐体に取り付けられたカバーと
を備え、
前記外周部は、
前記上面部の周縁から前記上面部の周縁と前記下面部の周縁との間の第1位置まで、第1の曲率に沿って滑らかに曲線を描いて凹んだ第1錐状部であって、前記カバーの表面と連続して滑らかな曲面をなす第1錐状部と、
前記第1位置から、前記第1位置と前記下面部の周縁との間の第2位置までまっすぐに傾斜して窄んだ第2錐状部と、
前記第2位置から前記下面部の周縁まで、第2の曲率に沿って滑らかに曲線を描いて膨らんだ第3錐状部であって、前記鍔部と連続して滑らかな曲面をなす第3錐状部と
を備えた灯具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった方向あるいは位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。
【0010】
実施の形態1.
本実施の形態に係る灯具100は、JIS C8158にA形として規定されている最大外郭寸法以下の外郭寸法で形成された電球形ランプである。
図22に示すように、JIS C8158にA形として規定されている電球形ランプの最大外郭寸法は、La=145mm、Wa=70mm、Wb=55mm、θ≧45°である。
【0011】
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る灯具100の分解斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る灯具100の斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る灯具100を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
図4は、本実施の形態に係る灯具100を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が(a)のA−A断面図である。
【0012】
灯具100は、口金1と、絶縁部2と、本体部3と、カバー4と、電源部5と、光源部6とを有する。
図1に示すように、灯具100の中心軸を軸Oとする。
軸Oと平行な方向を軸方向あるいは矢印Zの方向(Z方向)という。軸方向の一端とは、
図4の(a)において、上部をいう。軸方向の他端とは、
図4の(a)において、下部をいう。
灯具100の上部側への向きを、上方あるいは発光向きという。また、灯具100の下部側への向きを、下方あるいは発光向きの反対向きという。なお、光源が発する光の向きを発光向きという。
軸Oと直交する方向を径方向という。
図3に示すように、矢印Xの方向(X方向)、矢印Yの方向(Y方向)は径方向の一例である。また、軸Oの周囲を回転する方向を周方向という。
【0013】
灯具100は、具体的には、LEDを光源として用い、外形形状が一般照明用白熱電球(エジソン電球)と同一のフォルムを有する電球形ランプである。
【0014】
<口金1の説明>
口金1は、ネジ部10が絶縁部2の下部のネジ部210にねじ込まれ、絶縁部2に取り付けられる。
図1から
図4に示すように、口金1は、絶縁部2のネジ部210にねじ込まれるネジ部10、口金1の下端部のアイレット部12を有する。口金1は、後述する照明器具200のソケット201から受電する受電部ともいう。また、口金1は、灯具100の外郭部としての機能を有する。
【0015】
<絶縁部2の説明>
図5は、本実施の形態に係る絶縁部2の斜視図であり、(a)が上方から見た斜視図、(b)が下方から見た斜視図である。
図6は、本実施の形態に係る絶縁部2を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
【0016】
図1から
図6を用いて、絶縁部2について説明する。
絶縁部2は、例えば、樹脂材料などの絶縁材料により形成される。
絶縁部2は、絶縁筐体、樹脂筐体、内部筐体、ハウジングともいう。
絶縁部2は、射出成形法の他、付加製造技術(Additive Manufacturing Technology;一般に、3Dプリンターとも称される)を用いて形成されてもよい。
【0017】
絶縁部2は、外周部21と内周部22とを有する筒状の筒部20と、筒部20の上部を塞ぐ蓋部26とを有する。
筒部20及び蓋部26は、例えば、樹脂材料などの絶縁材料により形成される。
【0018】
筒部20の外周部21の下部には、口金1がねじ込まれるネジ部210が形成される。
ネジ部210の外周にはネジが切られている。
絶縁部2は、ネジ部210の下端部、すなわち口金1の側に下部開口を形成する第1開口端部24と、筒部20の上端部、すなわち光源部6の側に上部開口を形成する第2開口端部25とを有する。
第1開口端部24から第2開口端部25までは連通する。
【0019】
図5に示すように、筒部20の外周部21には、絶縁部2を本体部3に挿入する際のガイドとなる挿入ガイド凸部212と、本体部3の下部に係止される鍔部211とを備える。挿入ガイド凸部212は、後述するリブ23の外側に形成される。
図4の(a)(b)(c)に示すように、本体部3と口金1の間には、絶縁部2の鍔部211が露出する。
鍔部211は、外周部21とネジ部210との境界に、外周部21から環状に突き出して形成される。鍔部211は灯具100の外殻部である。
図4の(a)(b)に示すように、鍔部211は、灯具100の高い器具装着性と意匠性とを実現するために、ネジ部210側の下端部と上端部との間は曲面で形成される。この曲面は本体部3の下端部と同じ第2の曲率半径R3で連続している。
第2の曲率半径R3は、具体的には6mm程度とすることができる。
【0020】
ネジ部210の下端の周縁、すなわち第1開口端部24には、口金1のネジ部10に接続される第1電線を通過させる通線凹部240が形成される。通線凹部240は、幅W34(
図6の(b))で第1開口端部24を切り欠いて形成される。また、鍔部211の下端部には、この第1電線の端部を配置するための電線配置溝213が形成される。ここでは、第1電線の図示を省略する。
【0021】
第2開口端部25には、光源部6及び蓋部26をネジ止めするためのネジ孔251が形成された第1凸部250が設けられる。第1凸部250はボスともいう。
図5の(a)(b)に示すように、第1凸部250は、第2開口端部25の略直径上に2つ形成されている。本実施の形態では、2つの第1凸部250が、中心軸に対して回転対称に2箇所配置されているが、第1凸部250を配置する位置及び数は、上述以外の位置及び数でも構わない。
【0022】
なお、鍔部211より上部の筒部20の最大径W31(
図6の(a))は、鍔部211の最大径W28(
図6)よりも若干小さい。また、2つの第1凸部250の各中心部の間隔W12(
図6の(a))は、鍔部211より上部の筒部20の最大径W31よりも若干小さい。
【0023】
上述したように、挿入ガイド凸部212は、第1凸部250から下方に向かって形成されると共に、外周部21から突出して形成されている。また、リブ23は、第1凸部250から下方に向かって形成されると共に、内周部22から突出して形成されている。
図5の(a)に示すように、第1凸部250と挿入ガイド凸部212とリブ23とは、上下方向に延びた円柱状であり、筒部20の壁部に配置され、壁部の外周部21から挿入ガイド凸部212が突出すると共に壁部の内周部22からリブ23が突出する。
【0024】
第2凸部252は、2つの第1凸部250の間の第2開口端部25から上部に突き出すように形成される。
図6に示すように、第2凸部252は、幅W29で上部に突き出ている。第2凸部252は、本体部3に対する絶縁部2の回転方向の向きを特定するために配置されており、後述する本体部3の第2凹部361に挿入される。
本体部3に対する絶縁部2の回転方向の向きを特定することによって、電源部5と光源部6とを電気的に繋いで光源部6に点灯電力を供給する経路となる第1電線対(不図示)の長さを最短とすることができる。よって、製造コストの削減を図ることができる。また、第1電線対の余長が光を妨げ、影が発生することもない。
【0025】
蓋部26は、筒部20の第2開口端部25を覆うように取り付けられる。
蓋部26には、筒部20の第1凸部250を貫通させて位置決めすると共に、ネジを貫通させるネジ貫通部260と、電線を貫通させる電線貫通孔261とが形成される。
【0026】
<電源部5の説明>
電源部5は、筒状の絶縁部2の内部に収納される。
電源部5は、外部電力を入力とし、光源を点灯させる電源を光源部6に供給する。
電源部5は、点灯回路基板50を有する。点灯回路基板50には、点灯回路部品51が実装される。
口金1と電源部5とは、第1電線対により電気的に接続される。第1電線対は、電源部5に外部電力を供給する経路となる。ここでは、第1電線対の図示は省略する。
また、電源部5と光源部6とは、第2電線対により電気的に接続される。第2電線対は、光源部6に点灯電力を供給する経路となる。ここでは、第2電線対の図示は省略する。
なお、点灯回路基板50の枚数は1枚でなくてもよい。点灯回路基板50は、複数に分割されてもよいものとする。
【0027】
<光源部6の説明>
光源部6は、後述する本体部3の光源配置部30に取り付けられる。
光源部6は、光源回路基板60と、光源回路基板60の実装面である実装部61に実装される光源素子67とを備える。光源素子67は、具体的には、LEDである。また、光源回路基板60には、ネジ貫通孔65が形成され、ネジ7を用いて本体部3に取り付けられる。光源部6は、光源回路基板60の実装部61の裏面である熱伝達部62と光源配置部30とが当接した状態で、光源配置部30に固定される。
また、光源回路基板60には、電源部5に接続された電線を挿通させる電線挿通孔66が形成される。
なお、
図1は灯具100の下部から見た斜視図であるため実際には光源素子67を目視できないので、光源素子67の位置を点線にて示している。
光源素子67は、できるだけ光源回路基板60の実装部61の周縁近傍に配置される。
このように配置することにより、口金1の側への配光を向上させることができる。具体的には、全般配光形(全配光形、広配光形ともいう)の灯具100を実現できる。具体的には、灯具100は、全配光形の特性220°を実現することができる。
【0028】
図1に示すように、ネジ7は、光源回路基板60のネジ貫通孔65、光源配置部30のネジ貫通孔32、蓋部26のネジ貫通部260を貫通し、絶縁部2の第1凸部250に設けられたネジ孔251にねじ込まれる。このネジ7により、光源部6、本体部3、絶縁部2の蓋部26及び筒部20を一体に固定する。
なお、ネジ7の他にリベット、粘着テープ、あるいは接着剤を用いて、光源回路基板60を光源配置部30に取り付けてもよい。粘着テープ、あるいは接着剤により光源回路基板60を光源配置部30に取り付ける場合は、本体部3、絶縁部2の蓋部26及び筒部20を他のネジにより一体に固定する必要がある。
【0029】
<本体部3の説明>
図7は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)は上部から見た斜視図、(b)は下部から見た斜視図である。
図8は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
図9は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)が挿入切欠き部35を示す拡大図、(b)が係合溝部34示す拡大図である。
図10は、本実施の形態に係る本体部3を示す図であり、(a)が
図9の(b)の斜視図、(b)が
図9の(a)の斜視図である。
【0030】
図1から
図4及び
図7から
図10を用いて、本体部3の構成について説明する。
本体部3は、例えば、金属材料などの熱伝導性を有する材料で形成される。
図7に示すように、本体部3は、上面部301と、上面部301に対向する下面部302と、上面部301の周縁から下面部302の周縁に向かって窄むように形成された外周部373と、上面部301に設けられ、光源部6を配置する光源配置部30とを備える。本体部3は、筐体300の例である。また、本体部3は、外部筐体、熱伝導筐体、放熱部、ヒートシンクともいう。
【0031】
本体部3は、光源部6が配置される光源配置部30と、光源配置部30の周囲に環状に形成された係合溝部34とを有する。
【0032】
光源配置部30は、本体部3の上面部301に設けられる。光源配置部30には、光源回路基板60の裏面である熱伝達部62が当接した状態で、光源部6が取り付けられる。
また、本体部3は、絶縁部2を内部に収納する筒部37を備える。筒部37の下部の開口端部376から絶縁部2が挿入される。筒部37は灯具100の外郭部の機能を有する。
図9の(a)(b)に示すように、光源配置部30は、筒部37の上面347の周縁である上面縁部346よりL12だけ下方に下がった位置に形成されている。これにより、光源部6が光源配置部30に取り付けられた場合に、光源素子67が上面347と略同一面上に位置し、灯具100の配光特性を向上させる。なお、所望の配光特性を得ることができれば、光源配置部30は、筒部37の上面347の周縁である上面縁部346と同一面上に設けられていてもよいし、上面縁部346より高い位置に設けられていても構わない。
【0033】
上面縁部346は、上面部301の周縁の例である。
開口端部376は、下面部302の周縁の例である。
【0034】
筒部37は、上面縁部346から下方に向かって第1の曲率半径R2で内側に窄んだ第1錐状部370と、第1錐状部370から下方に形成された第2錐状部371と、第2錐状部371から下方に形成された第3錐状部372とを備える。
第1錐状部370において曲率半径R2の第1の曲率で窄んだ形状は、後述するカバー4の第2主部42と連続して曲率半径R2の第1の曲率で窄んだ滑らかな曲面をなす。
曲率半径R2は、例えば200mm程度とすることができる。
第2錐状部371は、第1錐状部370と第3錐状部372とを滑らかに接続する曲面をなしている。本実施の形態において、第2錐状部371は第1錐状部370と同じ曲率半径R2の第1の曲率で窄んだ形状をなしており、徐々に縮径しながら第1錐状部370および第3錐状部372と連続している。すなわち、第2錐状部371は実質的に第1錐状部370と同じ形状である。
第3錐状部372は、第2の曲率半径R3で外側に膨らんだ形状である。第3錐状部372は、絶縁部2の鍔部211と連続して滑らかな曲面をなす。
第2の曲率半径R3は、具体的には6mm程度とすることができる。
筒部37の下端部、すなわち第3錐状部372の下端部は、開口端部376となる。
【0035】
筒部37は、外周面である外周部373と、内周面である内周部374とを備える。
図4を用いて、外周部373の形状について、さらに詳しく説明する。
外周部373は、上面部301の周縁である上面縁部346から、上面縁部346と下面部302の周縁との間の第1位置P1まで、曲率半径R2の第1の曲率で凹んだ第1錐状部370を備える。また、外周部373は、第1位置P1から、第1位置P1と下面部302の周縁である開口端部376との間の第2位置P2まで、第1錐状部と同じ曲率半径R2の第1の曲率で凹んだ第2錐状部371を備える。また、外周部373は、第2位置P2から開口端部376まで、曲率半径R3の第2の曲率で膨らんだ第3錐状部372を備える。
【0036】
第1の曲率は、曲率半径R2が190mm以上210mm以下である。好ましくは、曲率半径R2は約200mmである。
第2の曲率は、曲率半径R3が5mm以上7mm以下である。好ましくは、曲率半径R3は、約6mmである。
【0037】
また、外周部373は、上面縁部346から開口端部376までの4分の1から4分の3の間に第1位置P1が存在し、上面縁部346から開口端部376までの8分の7から開口端部376の間に第2位置P2が存在している。より好ましくは、外周部373は、上面縁部346から開口端部376までの24分の13か
ら24分の19の間に第1位置P1が存在し、上面縁部346から開口端部376までの12分の11から開口端部376の間に第2位置P2が存在している
。
【0038】
内周部374には、凹みである挿入ガイド凹部375が形成される。挿入ガイド凹部375は、絶縁部2の挿入ガイド凸部212と係合して、絶縁部2における筒部37への挿入をガイドする。
本体部3は、円錐台の側面を軸O側に若干窄ませた形状をなしている。つまり、本体部3の外周部373は軸O側に若干窄んでいる(凹んでいる)ので、外周部373の表面積Sは、上面部301を上底面とし下面部302を下底面とする円錐台の側面の面積より小さい。外周部373の表面積Sは円錐台の側面の面積の約95%程度である。
外周部373は、照明器具への装着性を考慮した、わずかに凹む形状であり、全体として、上部から下部にかけて徐々に窄まる滑らかな曲面を成している。
【0039】
なお、図示は省略するが、外周部373は、第1錐状部370と第3錐状部372とを滑らかに接続する曲面であれば、第1錐状部370と異なる曲率半径R4の第3の曲率で窄んだ形状をなす第2錐状部371を備えてもよい。
また、図示は省略するが、外周部373は、凹んだり膨らんだりせずに徐々に縮径した形状であってもよい。すなわち、外周部373は、第1位置P1から、第1位置P1と下面部302の周縁である開口端部376との間の第2位置P2までまっすぐに窄むように傾斜した第2錐状部371を備えてもよい。
【0040】
本体部3は、灯具100の外殻部として安定して形態を維持させる機能、及び、光源部6の光源素子67から発せられる動作熱を灯具100の外部へ放散させる機能を備える。本体部3の材質は、材料コストあるいは成型性を優先するとアルミニウム、チタンなどの金属材料が望ましい。あるいは、これらの金属を含む合金材料、熱伝導性のフィラーが混合された樹脂材料、セラミックなどの材料を用いることができる。
また、本体部3は、射出成形法、切削法の他、付加製造技術(Additive Manufacturing Technology)を用いて形成されてもよい。
【0041】
光源配置部30は、光源部6の光源回路基板60と当接する光源配置面部31を有する。
光源配置部30には、光源部6が取り付けられた場合に、光源回路基板60のネジ貫通孔65と連通するネジ貫通孔32と、光源回路基板60の電線挿通孔66と連通する電線貫通孔33とが形成される。
光源回路基板60のネジ貫通孔65及び電線挿通孔66の形、光源配置部30のネジ貫通孔32及び電線貫通孔33の形は、
図1、
図7の形でなくてもよく、他の形でも構わない。
【0042】
図7の(b)に示すように、筒部37の内部は空洞部378となっている。空洞部378には、内部に電源部5が収納された絶縁部2が配置される。
図9の(a)に示すように、空洞部378を形成する上面である内面部36には、絶縁部2の第1凸部250が嵌まり込む第1凹部360が形成される。第1凸部250が第1凹部360に嵌った状態で、ネジ貫通孔32と絶縁部2のネジ孔251とが連通する。
また、
図9の(b)に示すように、内面部36には、絶縁部2の第2凸部252が嵌まり込む第2凹部361が形成される。第2凸部252が第2凹部361に嵌ることにより、絶縁部2の回転方向の位置決めをする。
第2凹部361の幅W15(
図8の(b))は、第2凸部252の幅W29より若干広く形成される。
【0043】
図9の(b)に示すように、係合溝部34は、両側の側壁349と側壁349の底に設けられた底部344とを有する。また、係合溝部34は、底部344に対向する位置に開口部345を有する。係合溝部34の深さはL13である。
両側の側壁349のうち内側の側壁349を側壁内周部340とし、外側の側壁349を側壁外周部341とする。側壁外周部341は係合溝部34の側壁349の一例である。側壁外周部341の上部には、側壁外周部341の上端から外側に開く傾斜を有する第2外周部342が形成される。
【0044】
図9の(b)に示すように、側壁外周部341は、底部344から上方に向かって徐々に内側に傾斜するように形成されている。よって、底部344の幅W27より、開口部345の幅W26の方が幅W25だけ狭く形成されている。
つまり、係合溝部34は下端部の幅より上端部(開口端部)の幅が若干狭くなっており、係合溝部34の側壁外周部341は、上端部(開口端部)から下端部に向って徐々に外側に広がるように若干傾斜している。
【0045】
このように、底部344の幅W27を開口部345の幅W26よりも広くすることにより、後述するカバー4の係合突起部46が係合溝部34から抜けにくくなり、係合溝部34と係合突起部46とがより確実に係合するようにしている。
係合溝部34は二次加工によって全周に形成される。なお、係合溝部34は係合突起部46の幅W9(
図12の(b))以上の寸法であれば部分的に形成されても良い。
【0046】
図7の(a)に示すように、側壁外周部341には、側壁外周部341の直径上において対向する2箇所に、カバー4の取付部45が係合溝部34に挿入される際に係合突起部46を収容するための挿入切欠き部35が形成されている。挿入切欠き部35は、取付部45が係合溝部34に挿入される際に側壁349において係合突起部46に対応する位置に形成されている。
【0047】
また、側壁内周部340には、対向する2箇所に、上述したネジ貫通孔32が形成される。ネジ貫通孔32は側壁内周部340から内側に凹むように形成される。
図7の(a)及び
図8の(a)に示すように、係合溝部34では、挿入切欠き部35とネジ貫通孔32とが対向するように配置される。
【0048】
挿入切欠き部35は、側壁外周部341が外側に凹むように切り欠かれて形成される。
図10の(b)示すように、挿入切欠き部35は、側壁外周部341が切り欠かれた部分の最奥部に形成される切欠き外周部350と、切り欠かれた部分の側部である切欠き側壁部353と、切り欠かれた部分の底部である切欠き底部354とを有する。また、切欠き外周部350と対向する位置は切欠き開口部355となる。
切欠き外周部350は、上端より略垂直に形成された第1外周部351と、第1外周部351の下端から内側に向かって傾斜した第2外周部352とを有する。なお、切欠き外周部350は、上端より略垂直に形成された第1外周部351のみから構成されていてもよい。
【0049】
以上のように、挿入切欠き部35は、係合溝部34の側壁外周部341に凹状に形成される。
図9の(a)示すように、挿入切欠き部35の切欠き底部354は、係合溝部34の底部344よりも外側にW24だけ広がっている。また、挿入切欠き部35の幅W14は、係合突起部46の幅W9より広く形成される(W14>W9)。
挿入切欠き部35の数は、収納する係合突起部46の数以上であればよい。また、挿入切欠き部35の位置は、収納する係合突起部46の位置と対応していればよく、
図7の(a)に示す位置に限らない。
【0050】
<カバー4の説明>
図11は、本実施の形態に係るカバー4の斜視図である。
図12は、本実施の形態に係るカバー4を示す図であり、(a)が平面図、(b)が底面図である。
図13は、本実施の形態に係るカバー4を示す図であり、
図11のC部拡大斜視図である。
【0051】
図1から
図4及び
図11から
図13を用いて、カバー4の構成について説明する。
カバー4は、光源配置部30を覆って筐体300に取り付けられる。
カバー4は、光源部6を覆った状態で本体部3に取り付けられる。カバー4は、光透過部、透光部、光拡散部、グローブともいう。
カバー4は、本体部3と比較して熱伝導率が小さい樹脂材料を用いて形成されることが好ましい。灯具100は、外殻部に占めるカバー4の割合が比較的大きいため、使用者は灯具100を照明器具200に取り付けたり取りはずしたりするときにカバー4を握ることが想定される。カバー4が本体部3と比較して熱伝導率が小さい樹脂材料を用いて形成されることにより、使用者が、消灯直後に灯具100に触れた場合でも不快感を覚えることがない。また、火傷といった怪我のリスクも大幅に低減させることができる。
カバー主部40は、光透過性の材料を含んで形成されている。また、カバー主部40は、光拡散性の材料を含んで形成されていてもよい。
【0052】
カバー4は、カバー主部40と、下端部44と、取付部45とを備える。カバー主部40と下端部44と取付部45とは、一つの部品で構成されることが好ましい。
カバー4は、ブロー成形法(中空成形法)、射出成形法の他、付加製造技術(Additive Manufacturing Technology)を用いて形成されてもよい。
カバー主部40は、取付部45の根元から膨らむように形成され、本体部3の光源配置部30を覆う。カバー主部40は、第1主部41と第2主部42とを備える。
【0053】
図4の(a)に示すように、第1主部41は、曲率半径R1で外側に膨らんだ形状である。
第2主部42は、第1の曲率半径R2で内側に窄んだ形状である。カバー4が本体部3に取り付けられると、第2主部42は本体部3の第1錐状部370と連続し、第2主部42から第1錐状部370にかけて、第1の曲率半径R2で滑らかに窄んだ形状を成す。
曲率半径R1は、具体的には30mm程度とすることができ、第1の曲率半径R2は、具体的には200mm程度とすることができる。
【0054】
下端部44は、カバー4が本体部3に取り付けられる際に、本体部3の上面347と接する部分である。
下端部44の最大外径W2は、カバー主部40の最大外径W1よりも小さく形成される。また、下端部44の最大外径W2は、本体部3の最大外径(
図4の(b)参照)と略同一寸法であることが好ましい。
図12の(b)に示すように、下端部44には、最大外径W10の開口部440が形成される。カバー4が本体部3に取り付けられると、開口部440の位置に光源部6が配置されるため、カバー主部40により光源部6が覆われる。
【0055】
取付部45は、開口部440の周縁から筒状に突き出した形状である。取付部45は、本体部3の係合溝部34に挿入される。取付部45の最大外径W7は、カバー主部40の最大外径W1よりも小さく形成される。また、取付部45の最大外径W7は、下端部44の最大外径W2よりも小さく形成される。
【0056】
取付部45は、下端部44から突き出た筒部450と、筒部450の下端部から外側に突き出した鍔部451とを有する。本実施の形態においては、鍔部451は無くても構わない。なお、取付部45の最大外径W7は、鍔部451の最大外径を指すものとする。
カバー主部40は、取付部45と一体に形成されると共に、最大外径W1が取付部45の最大外径W7より大きい。
【0057】
図13に示すように、取付部45は、筒部450と鍔部451とを有する。筒部450の外周面である筒部外周面部4501は、取付部45の筒状の周面の一例である。
取付部45の鍔部451は、鍔部451の外周面となる鍔部外周面部452と、筒部450から立ち上がり鍔部外周面部452に連続する鍔部上面部453と、鍔部下面部459とを有する。
【0058】
取付部45は、筒状の周面である筒部外周面部4501から突き出した係合突起部46であって弾性体により形成された係合突起部46を有する。
係合突起部46は、係合溝部34に挿入された状態で、係合溝部34の側壁である側壁外周部341と対向し、側壁外周部341により弾性変形される。
係合突起部46では、弾性変形をする材料、形状が決定される。また、係合突起部46は、側壁外周部341よりも柔らかい材料が好適である。
【0059】
係合突起部46は、筒部外周面部4501及び鍔部外周面部452から外側に突き出している。
図13に示すように、係合突起部46は、筒部外周面部4501から立ち上がる突起上面部467と、筒部外周面部4501及び鍔部外周面部452から立ち上がる一対の突起側面部468と、係合突起部46の外周面である突起外周面部465と、突起下面部469とを有する。突起外周面部465は、下方に向かって広がるように傾斜する。突起外周面部465と突起下面部469との境界が、係合突起部46において最も外側に突き出た突起先端部466である。突起下面部469は、鍔部下面部459から突起先端部466に向かって滑らかな曲面を成す。
なお、突起先端部466が鍔部下面部459と同じ高さにあり、突起下面部469が鍔部下面部459と連続する平面状であってもよい。
【0060】
取付部45は、周面に係合突起部46を少なくとも2つ有する。
図12の(b)に示すように、取付部45の筒状の直径上において対向する2箇所に設けられる。よって、鍔部451の最大外径W7は、係合突起部46を含めた取付部45の最大外径W6より若干小さくなる。
係合突起部46を収容する本体部3の挿入切欠き部35は、取付部45が係合溝部34に挿入される際に側壁349において係合突起部46に対応する位置に形成される。
【0061】
図11に示すように、カバー4は、係合突起部46の上部のカバー主部40の表面に、係合突起部46の位置を示すガイドマーク43を有する。ガイドマーク43は、係合突起部46の位置を作業者に認識させるためのマークである。灯具100の光学性能及び意匠性を考慮すると、ガイドマーク43はカバー主部40の下端部寄り、すなわち第2主部42に設けられることが好ましい。
ガイドマーク43は、成形による立体形状である。なお、ガイドマーク43は、印刷、刻印などでも良い。
【0062】
<本体部3とカバー4との取付け構造について>
図14は、本実施の形態に係る本体部3とカバー4との取付け構造を示す図であり、(a)が挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入する状態を示す図、(b)が挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入した状態を示す図である。
図15は、本実施の形態に係る本体部3とカバー4との取付け構造を示す図であり、挿入切欠き部35に係合突起部46を挿入した後にカバー4を回転した状態を示す図である。
【0063】
図14及び
図15を用いて、本体部3とカバー4との取付け手順について説明する。
(1)作業者は、ガイドマーク43により係合突起部46の位置を確認し、係合突起部46を本体部3の係合溝部34の挿入切欠き部35の位置に合わせながら、取付部45を係合溝部34に挿入する。
図14の(a)(b)は(1)の手順を示している。
このとき、
図14の(b)に示すように、係合突起部46の突起外周面部465は、係合溝部34の側壁外周部341よりも外側に位置している。すなわち、係合突起部46の厚みは、対応する側壁外周部341と側壁内周部340との間隔よりも大きい。
つまり、取付部45の下端部における、カバー中心軸から係合突起部46の外周までの最短距離は、本体中心軸から挿入切欠き部35の外壁である切欠き外周部350までの最短距離より若干小さい。また、取付部45の下端部における、カバー中心軸から係合突起部46の外周までの最短距離は、本体中心軸から係合溝部34の側壁外周部341までの最短距離より若干大きい。
【0064】
(2)次に、作業者は、カバー4をT1方向に回転させる。あるいは、作業者は、本体部3をT2方向に回転させる。作業者は、カバー4をT1方向に回転させると共に、本体部3をT2方向に回転させてもよい。
この回転により、係合突起部46は、本体部3の係合溝部34における挿入切欠き部35の位置から、側壁外周部341と側壁内周部340とに挟まれた位置に移動する。
図15は(2)の手順後を示している。
【0065】
上述したように、係合突起部46の厚みは側壁外周部341と側壁内周部340との間隔よりも大きいので、係合突起部46が側壁外周部341と側壁内周部340との間に圧入される。係合突起部46が側壁外周部341と側壁内周部340との間に圧入されると、係合突起部46は、係合溝部34の側壁である側壁外周部341と対向した状態で側壁により弾性変形される。
【0066】
図15に示すように、突起外周面部465は、係合溝部34の側壁外周部341によりP方向に押圧される。すなわち、係合突起部46が若干弾性変形した状態で、突起外周面部465または突起先端部466が係合溝部34の側壁外周部341に押し付けられる。突起外周面部465または突起先端部466は、矢印Pの向きに押し返される。このようにして係合突起部46は係合溝部34によって係止され、カバー4は本体部3と強く密着する。
【0067】
以上のように、カバー4の取付部45が、挿入切欠き部35に係合突起部46を収容しながら係合溝部34に挿入された状態から係合溝部34の周方向(溝方向ともいう)に回転すると、係合突起部46は、取付部45の回転にしたがって挿入切欠き部35の位置から側壁である側壁外周部341と対向した位置に移動する。
係合突起部46は、側壁外周部341と対向する位置において、側壁外周部341により弾性変形するため、少なくとも側壁外周部341は係合突起部46よりも硬い材料であることが好適である。
【0068】
<灯具100の形状及び性能について>
次に、
図4を用いて、灯具100の形状について説明する。
本実施の形態に係る灯具100は、外形寸法がJIS C8158にA形として規定された外形寸法より小さい。すなわち、灯具100は、JIS C8158にA形として規定されている最大外郭寸法以下の外郭寸法で形成された電球形ランプである。
本実施の形態に係る灯具100は、具体的には、全配光形の特性220°と、一般的な白熱電球(エジソン電球)と完全同一または同等フォルムとを併せ持つ電球形LEDランプであり、その形状は以下の通りである。
(a)カバー主部40の高さ寸法L2は、灯具100の高さ寸法L1の25%以上である。
(b)本体部3の高さ寸法L3は、灯具100の高さ寸法L1の40%以下である。
(c)カバー主部40の最大径寸法W1は、本体部3の最大径寸法W11より大きい。
(d)本体部3の最大径寸法W11は、カバー主部40の最大径寸法W1の94%以下である。
(e)光源部6(発光部)がカバー主部40の下端部と同じ高さになる位置に配置(実装)される。
(f)光源部6(発光部)の発光中心(光源)は本体部3の最小径領域の120%以内の領域に配置される。これにより、口金側への配光特性が向上する。
なお、実施の形態に係る灯具100は、上述のように、灯具(電球形照明ランプ)全体における本体部の占める高さ寸法の割合が低く抑えられている。よって、本体部の筒部内部の収容部に収容される絶縁部について、蓋部の厚さ寸法を最小化(フィルム化、シート化)することによって、電源部が収納される絶縁部の筒部の容積を確保しながら本体部の高さ寸法を小さくすることができる。
【0069】
また、より具体的には、本実施の形態に係る灯具100は以下のような特徴を有することが好ましい。
(A)全配光の特性であり配光角は200°以上240°以下程度であること。(B)外形が白熱電球(エジソン電球)と完全同一または同等フォルムであること。
(C)外形寸法、光源位置がJIS C 8158にA形として規定された最大外郭寸法以下の外郭寸法であること。すなわち、L1=119mm、W1=60mm(φ60)であること。
(D)白熱電球用の照明器具または電球形蛍光灯用の照明器具に取り付けが可能であること。
(E)全体のバランスが良く、意匠性に優れた外径形状であること。
(F)明るさが1,520lm以上2,400lm未満の範囲(一般白熱電球の100W相当)であること。
(G)消費電力Pは、概ね11.5Wから13.5W程度の範囲であること。好ましくは、灯具100は、消費電力が13.5Wより小さく11.5Wより大きい。
(H)灯具100は、発光色が3000K以下の色温度である。
【0070】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る灯具100では、取付部45の係合突起部46が本体部3の挿入切欠き部35に沿うように中心軸方向に挿入され、カバー4を本体部3へ押付けた状態で、カバー4または本体部3の中心軸を基準に回転させる。そして、係合突起部46が挿入切欠き部35から係合溝部34に移動した位置で回転を停止する。このようにカバー4が本体部3に取り付けられた状態では、取付部45の係合突起部46が若干弾性変形した状態となっており、係合突起部46の弾性力によって係合突起部46の突起先端部466が係合溝部34の若干傾斜した側壁外周部341に押し付けられる。このとき、カバー4は、若干傾斜した側壁外周部341の反力を受けるので、係合突起部46が本体部3の係合溝部34の下端部に向って押し戻される。つまり、カバー4は本体部3に密着して取り付けられることになり、本体部3に取り付けられたカバー4は、本体部3から外れるおそれがない。
【0071】
また、本実施の形態に係る灯具100では、灯具(電球形照明ランプ)全体における本体部(ヒートシンク)の占める割合が低く抑えられているので、灯具の軽量化も図られる。一方、カバーは相対的に大きくなるため重くなり、相対的に小さくなる本体部に対して確実に取り付ける必要がある。そこで、本実施の形態に係る灯具100のカバーと本体部との取付け構造によれば、より確実に取り付けられ、本体部に取り付けられたカバーが相対的に重くなっても本体部から外れるおそれがない。
【0072】
上側グローブと下側グローブとの2つの部品で構成される場合、ローブの最大径部分において上下に分割されているので超音波溶着あるいは振動溶着などより固着する必要があった。また、異なる形の別々のグローブを使用する必要があるため、部品の材料費を増大させてしまうおそれがある。異なる形のグローブを成形するために別々の金型を使用する必要があり、金型費を増大させてしまうおそれがある。組立工程にグローブを固着させる工程を設ける必要があり、組立工程を複雑にしたり、固着の品質を維持管理する手間が発生したりするため、製造コスト、製造品質の面で課題が残る。
一方、本実施の形態に係る灯具100では、カバー主部と取付部とが1つの部品で形成されているため、製造コストを削減できると共に、製造品質も向上させることができる。
また、外観意匠部品であり光を透過する光学部品であるグローブは、照明装置(ランプ)にとって最も重要な部品であり、グローブの表面に固着痕を残す方法は、意匠性、光学特性を損なうおそれがある。一方、本実施の形態に係る灯具100では、カバー主部と取付部とが1つの部品で形成されているため、意匠性、光学特性を損なうおそれがない。
以上のように、本実施の形態に係る灯具100によれば、簡単な構成によりカバーと本体部とを確実に接合することができるので、製造コストを削減できる。また、カバーは1つの部品により形成されているので、製造品質も向上させると共に、意匠性、光学特性を損なうおそれがない。
【0073】
カバー取付部と本体部とが取り付けられる部分は、カバーの最大径より小さい径となり、光源素子(LED)は本体部(ヒートシンク)のカバーに覆われる部分に形成された光源配置部に配置(実装)される。そこで、全配光の特性を得るためには、光源素子(LED)は光源配置部のなるべく外縁側に配置(実装)されることが好ましい。このため、取付部は、光源配置部の更に外縁部の極々限られた領域に取り付ける必要がある。
本実施の形態に係るカバーと取付部との取付け構造によれば、取付部の周面から突出した係合突起部を係合溝部の側壁外周部により弾性変形させて密着させるので、係合溝部の幅を小さくして、光源配置部の面積を大きくすることができる。
なお、本体部に対するカバーの寸法は、摂氏25度以上の環境で調整し、灯具を点灯させたときにカバーが若干膨張するようにすれば、少なくとも灯具に通電させているときには、カバーが落下しない。
【0074】
***他の構成***
本実施の形態では、係合突起部は、取付部の外側の周面である筒部外周面部から突出するように形成されていた。しかし、係合突起部が取付部の内側の周面から内側に突出するように取り付けられていてもよい。あるいは、取付部の両側の周面から突出していてもよい。
係合突起部が取付部の内側の周面から突出する場合、係合突起部を側壁内周部に形成された凹みであるネジ貫通孔に沿わせながら、取付部を係合溝部に挿入する。その後、カバーを回転させて、係合突起部が側壁内周部に対向する位置まで移動させる。このとき、本実施の形態と同様に、側壁内周部により係合突起部が弾性変形され、カバーと本体部とが密着する。
また、係合突起部が取付部の両側の周面から突出する場合、係合突起部を側壁外周部に形成された挿入切欠き部と側壁内周部に形成されたネジ貫通孔とに沿わせながら、取付部を係合溝部に挿入する。その後、カバーを回転させて、係合突起部が側壁外周部と側壁内周部とに挟まれる位置まで移動させる。このとき、本実施の形態と同様に、側壁外周部と側壁内周部とに挟まれ係合突起部が弾性変形され、カバーと本体部とが密着する。
【0075】
また、本実施の形態では光源素子67としてLEDを用いているが、LED以外の光源素子でもよい。具体的には、光源素子として、有機EL(Organic electro−luminescence:OEL)あるいはレーザ(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation:LASER)を用いてもよい。
本実施の形態では、カバーと本体部との取付け構造について、LEDを光源として用いた白熱電球と完全同一または同等フォルムの電球形ランプを例として説明したが、その他の形態の電球形ランプでも適用可能である。具体的には、LEDを光源として用いたミニクリプトンタイプの小形電球でも適用可能である。
【0076】
***本体部3の外周部373の表面積について***
本実施の形態に係る灯具100は、光源素子67としてLEDを用い、明るさが1,520lm以上2,400lm未満の範囲(一般白熱電球の100W相当)である、所謂高出力タイプの電球形LEDランプである。
灯具100は、このような明るさを得るために加えられる電力(消費電力)が大きくなり、光源部6(光源素子67)及び電源部5(点灯回路部品51)の動作熱も大きくなる。このため、本体部3は十分な放熱性能を有するものとし、光源素子67及び点灯回路部品51の温度上昇を抑制し、灯具100の品質、設計寿命を維持する必要がある。
【0077】
図16は、灯具100の消費電力Pと本体部3の表面積Sとの関係を示す図である。
灯具100の消費電力Pは、概ね11.5Wから13.5W程度の範囲(矢印Prの範囲)と見込まれており、
図16は上述した本体部3を用いた場合に必要となる外周部373の表面積Sとの関係を示している。
図16に示すように、消費電力Pが下限の11.5Wでは表面積Sは4646平方mmだけ必要であり、消費電力Pが上限の13.5Wでは表面積Sは6350平方mmだけ必要である。
【0078】
本実施の形態に係る灯具100は、消費電力Pが12.3Wであり、光源素子67及び点灯回路部品51の温度上昇を抑制し、灯具100の品質、設計寿命を維持するための表面積Sは5283平方mmである。
このように、明るさが1,520lm以上2,400lm未満の範囲(一般白熱電球の100W相当)であり、発光色が3000K以下の色温度であり、消費電力Pが概ね11.5Wから13.5W程度の範囲(矢印Prの範囲)の灯具100は、外周部373の表面積Sが4646平方mmから6350平方mmの範囲(矢印Sr1の範囲)となるように本体部3を形成することによって、灯具100の品質、設計寿命を維持することができる。
なお、このように形成された本体部3は、JIS C 8158に規定されたA形の電球形ランプ以外にも適用できる。すなわち、T形、G形として規定されている電球形ランプにも適用できる。
【0079】
図17は、本体部3の高さ寸法L3と灯具100の配光角θbとの関係を示す図である。ここで、灯具100はA形の電球形ランプである。
上述した本体部3を用いた場合に、灯具100の高さ寸法L1と外周部373の外形とを維持した状態で、本体部3の高さ寸法L3を変化させると、カバー主部40の口金1側へ面して露出する部分の面積が変化することに対応して、灯具100の配光角θbが変化する。
図17に示すように、灯具100において、本体部3の高さ寸法L3が下限の37mmの場合は配光角θbは240°である。また、灯具100において、本体部3の高さ寸法L3が上限の48mmの場合は配光角θbは200°である。つまり、上述した本体部3を用いて灯具100の配光角θbを200°以上240°以下の範囲とするためには、本体部3は高さ寸法L3を37mmから48mmの範囲で形成するとよい。
【0080】
本実施の形態に係る灯具100は、本体部3の高さ寸法L3が40.5mmであり、配光角θbは220°である。
このように、灯具100は、本体部3の高さ寸法L3を37mmから48mmの範囲で形成することによって広い配光を得ることができる。
【0081】
図18は、本体部3の高さ寸法L3と表面積Sとの関係を示す図である。
本体部3は、円錐台の側面を軸O側に若干窄ませた形状をなしている。つまり、本体部3の外周部373は軸O側に若干窄んでいる(凹んでいる)ので、外周部373の表面積Sは円錐台の側面の面積より小さい。
上述したように、本体部3の高さ寸法L3は37mmから48mmの範囲(矢印L3rの範囲)であることが好ましく、この範囲に対応した外周部373の表面積Sは4711平方mmから6723平方mmの範囲(矢印Srの範囲)となる。
このように、明るさが1,520lm以上2,400lm未満の範囲(一般白熱電球の100W相当)であり、配光角が200°以上240°以下である場合に、外周部373の表面積Sは4711平方mmから6723平方mmの範囲(矢印Srの範囲)となることが好ましい。
【0082】
以上、本体部3の外周部373の表面積について纏めると、明るさが1,520lm以上2,400lm未満の範囲(一般白熱電球の100W相当)であり、消費電力Pが概ね11.5Wから13.5W程度の範囲であり、配光角θbが200°以上240°以下の範囲である灯具100は、本体部3の外周部373の表面積Sを4646平方mmから6723平方mmの範囲で形成することによって得られる。
【0083】
***本実施の形態の効果の説明***
本実施の形態に係る灯具によれば、JIS C8158にA形として規定されている外形寸法の範囲内で、100W相当の明るさと広い配光特性を得ながらLEDの温度上昇を抑制できる灯具(電球形ランプ)、灯具に用いられる筐体(ヒートシンク)、灯具を用いた照明装置を提供することができる。
【0084】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
図19は、本実施の形態に係る灯具100の部分拡大断面図である。
図19では、本体部3の係合溝部34と、取付部45のうち係合突起部46が設けられていない部分との係合状態を示している。
図19において、実施の形態1と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0085】
本実施の形態に係る取付部45と係合溝部34との取付け構造は、係合溝部34に接着剤8を充填するものである。
図19に示すように、取付部45を係合溝部34に接着固定する場合に、硬化した接着剤8が取付部45の鍔部451を抱え込んで保持する。筒部外周面部4501と鍔部上面部453と鍔部外周面部452とにより形成されるくぼみ部分に接着剤8が入り込んで硬化することで接着力が高まるアンカー効果を増大させることができる。
【0086】
ここで、取付部45を係合溝部34に接着固定する場合、あるいは、カバー4が弾性変形しにくい材料で形成される場合には、係合突起部46の厚みを対応する側壁外周部341と側壁内周部340との間隔と同じ寸法としてもよいし、または係合突起部46の厚みを対応する側壁外周部341と側壁内周部340との間隔よりも小さい寸法としてもよい。
係合突起部46が側壁外周部341と側壁内周部340との間にスムーズに挿入される。係合突起部46が側壁外周部341と側壁内周部340との間に挿入されると、係合突起部46は、係合溝部34の側壁である側壁外周部341と対向した状態で弾性変形しない。
【0087】
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2と異なる点について説明する。
図20は、本実施の形態に係る灯具100を吊り下げタイプの照明器具2000に装着した照明装置3000を示す図である。
図20において、実施の形態1と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態では、実施の形態1及び2で説明した灯具100を吊り下げタイプの照明器具2000に装着した照明装置3000について説明する。
【0088】
照明器具2000は、天井面などの取付部6000に取り付けられる。
照明器具2000は、装置本体205、ソケット201、電源コード203、引掛シーリング204を備える。
灯具100は、照明器具2000のソケット201に装着される。
本実施の形態に係る灯具100の広配光化によって、天井側の明るさが増す。また、本実施の形態に係る灯具100では、灯具100の軽量化によって、電源コード203への負担が軽減される。
【0089】
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態1から3と異なる点について説明する。
図21は、本実施の形態に係る灯具100を埋め込みタイプの照明器具2000aに装着した照明装置3000aを示す図である。
図21において、実施の形態1から3と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態では、実施の形態1及び2で説明した灯具100を埋め込みタイプの照明器具2000aに装着した照明装置3000aについて説明する。
【0090】
照明器具2000aは、天井面などの取付部6000に設けられた取付孔7000に取り付けられる。
照明器具2000aは、リフレクタあるいは化粧フレームなどを備える装置本体305、ソケット201を備える。
灯具100は、照明器具2000aのソケット201に装着される。
本実施の形態に係る灯具100の広配光化によって、リフレクタ上部の明るさが増す。
また、灯具100の小型化によって、装置本体305への装着性が向上する。また、灯具100の軽量化によって、装置本体305への負担が軽減される。
【0091】
以上、本発明の実施の形態1から4について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
なお、上記の実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物及び用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。