(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体パネルや車体パーツなどを接合して自動車構造体を製造するのに用いられる構造用接着剤組成物が知られている。
【0003】
硬化に高温での加熱を必要とする接着剤組成物では、高温での焼き付けを行う為、経済性が悪く、基材の耐熱性を必要とし、製品に熱による劣化等の問題が生じるおそれがあった。また、自動車構造体の中で温度が上がりにくい部位に適用する場合、加熱不足による硬化不良が生じるおそれがあった。そのため、低温焼き付け可能な低温硬化型の構造用接着剤が求められている。低温硬化を実現する方法としては、低温硬化型の硬化促進剤を接着剤に配合する方法が挙げられる。例えば、特許文献1では脂環式ジアミンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルを付加重合させて得られた潜在性エポキシ硬化剤を用い、60〜120℃で熱硬化させて接着させる接着工法を開示している。
また、接着剤の塗布工程では、接着性及びシール性を考慮して、溶接工程の挟圧によって接合端部と被接合部との隙間から接着剤が若干はみ出すように塗布要領が設定されている。塗布された加熱硬化型接着剤は、乾燥炉の熱を利用して硬化されているため、乾燥炉移動中において常温(例えば20℃)から硬化温度(例えば150℃)まで昇温される期間、所謂接着中期において、接着剤の粘度が一旦低下する物性を有しているため、接着剤のはみ出し部は、接合端部と被接合部との重ね合わせ部分から離隔するように外側へ流動し、このはみ出し部の移動に起因して溝欠陥が発生するおそれがあった。溝欠陥が発生すると電着塗装を破断して錆が発生するおそれがあるため、溝欠陥を生じない接着剤が求められている。これを実現する接着剤の条件として、特許文献2では温間中の複素粘度の最低値を200Pa・s以下に設定することを開示している。
【0004】
一般に、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤における硬化促進剤は、固体としてエポキシ樹脂内に存在することにより潜在性が保たれる。硬化促進剤は熱によって溶融し、エポキシ樹脂と接触することで硬化反応を促進する。しかしながら、低温硬化型の硬化促進剤は水の介在によってもエポキシ樹脂との反応が促進されるため、接着剤が吸湿すると増粘してしまう。増粘すると加熱時の最低複素粘度も上昇するため、接着剤が接合端部と被接合部との重ね合わせ部分から離隔するように外側へ流動し、このはみ出し部の移動に起因して溝欠陥が発生し、電着塗装が切断されて、防錆性が悪化するという問題があった。自動車の製造工程では接着剤を塗布後、貼り合わせ前に放置(本願明細書においてオープン放置と称する)される場合があり、この場合は特に加熱硬化後、溝欠陥が発生し、耐食性が悪化してしまう。
【0005】
また、初期粘度が小さい接着剤では、自動車製造組立ラインにおけるシャワー工程において、シャワーで飛ばされてしまうおそれがあった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これら実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0015】
本発明の低温加熱硬化型構造用接着剤組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)マイクロカプセル化された硬化剤、(C)吸湿剤、(D)粘度調整剤、及び(E)安定剤、を含む、低温加熱硬化型構造用接着剤組成物である。
【0016】
本発明の低温加熱硬化型構造用接着剤組成物は、導電性カーボン非含有である事が好ましい。導電性カーボンを含有すると、温間時の最低複素粘度が上昇してしまい、溝欠陥が発生し、耐食性が悪化するという問題が生じる。よって、本発明の低温加熱硬化型構造用接着剤組成物は導電性カーボン非含有の組成物が好ましい。
【0017】
前記(A)エポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂を広く使用でき特に制限はないが、例えば、ビスフェノール化合物、水素添加ビスフェノール化合物、フェノールまたはo―クレゾールノボラック、芳香族アミン、多環脂肪族或いは芳香族化合物等の既知の基本骨格の化合物のグリシジルエーテル置換体、シクロヘキセンオキシド骨格を有する化合物等が挙げられ、代表的なものとしては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、及びその縮合物、即ち、いわゆるビスフェノールA型エポキシ樹脂が例示される。
【0018】
前記(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量は80〜10000が好ましく、80〜200がより好ましい。
【0019】
前記(B)マイクロカプセル化された硬化剤としては、本質的には従来から公知の硬化剤が用いられる。即ち、前記(A)エポキシ樹脂と付加重合するもの、及び前記(A)エポキシ樹脂をアニオン重合させるものである。更に、このマイクロカプセル化されたアミン系硬化剤はエポキシ樹脂と付加重合する公知のエポキシ硬化剤との硬化反応に対し、硬化促進剤としての触媒作用を有するものである。本発明に於けるアミン系硬化剤の性状は、マイクロカプセル化する為に室温では粉末状になり得る固体であり融点は40℃以上であるものが好ましい。具体的に例示すれば下記のものが挙げられる。
【0020】
即ち、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族多価アミン:ジアミノシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂肪族多価アミン:これらの多価アミン類と前記(A)のエポキシ樹脂及び/又はモノエポキシ化合物との付加反応生成物:エチレンジアミン、キシリレンジアミン等のジアミン類とアジピン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸とを縮合させたポリアミドアミン類:2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールトリメリット酸塩等のイミダゾール系化合物:前記イミダゾール系化合物と前記(A)エポキシ樹脂との付加反応生成物:2−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物:ジシアンジアミド等のグアニジン化合物:1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の第三級アミン化合物:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7のノボラック塩等の化合物である。
【0021】
これらの硬化剤より1種類のもののみを用いても、2種類以上のものを組合せ用いても良い。硬化剤の使用量はその硬化剤が通常使用される場合と同様であり必要に応じその使用量は加減してもよい。硬化剤をマイクロカプセル化する手法は公知の方法が採用される。即ち、アミン系硬化剤の微粉末粒子の表面に被膜を形成し得る材料によりコーティングする方法(特開平5−247179号公報、特開平6−73163号公報等)や同硬化剤の微粉末粒子の表面層に存在する硬化剤官能基をこれと反応し得る他の反応性物質によりブロックする方法(特開昭58−83023号公報、特公昭58−55970号公報、特開昭64−70523号公報等)等がある。
【0022】
前記(C)吸湿剤としては、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、塩化カルシウムが挙げられ、酸化カルシウムが好ましく、表面処理された酸化カルシウム及び非処理の酸化カルシウムを併用することがより好ましい。
【0023】
前記(C)成分の配合割合は特に制限はないが、成分(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
【0024】
前記(D)粘度調整剤としては、微粉末状の炭酸カルシウムやシリカが挙げられ、シリカが好ましい。
【0025】
前記(D)成分の配合割合は特に制限はないが、成分(A)100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
【0026】
前記(E)安定剤としては、ホウ酸エステルが挙げられ、ホウ酸エステル化合物は、下記化学式(1)で示す一般式で表されものである。
B(OR
1)(OR
2)(OR
3) ・・・(1)
(但し、R
1〜R
3は水素原子又は炭素数が20個以下のアルキル基或はアリール基を表す。R
1〜R
3は同一であっても異なってもよい。)具体的に例示すれば下記のものが挙げられる。即ち、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリオクチル、ホウ酸トリステアリル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸トリキシリル、ホウ酸トリベンジル等である。これらのホウ酸エステルより1種類のもののみを用いても、2種類以上のものを組合せ用いてもよい。ホウ酸エステル化合物のアルキル基及び/又はアリール基の炭素数は20個を越えるとホウ酸エステル化合物中のホウ素原子の含有率が低下し、ホウ酸エステル化合物の有効性が著しく低下する。又、ホウ酸エステル化合物自体も固形化、高融点化し取扱い性が悪くなる。好ましい炭素原子数は1乃至12個であり、更に好ましくは1乃至8個である。
【0027】
前記(E)成分の配合割合は特に制限はないが、成分(A)100質量部に対して、0.001〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
【0028】
本発明の構造用接着剤組成には、上記した成分に加えて、本発明の効果が損なわれない限りにおいて、ウレタン樹脂、フィラー、希釈剤、シランカップリング剤などを添加してもよい。また、上記した成分に加えて、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルクなどの体質顔料(充填材)、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄などの着色顔料を添加することができる。またケッチェンブラック、シリカ、微粒炭酸カルシウム、セピオライト等のチキソ材を添加してもよい。さらに剥離強度など接着性を改良する接着性改良剤として、アクリル樹脂を添加することもできる。
【0029】
本発明の構造用接着剤組成物は、20℃における粘度が、JISK 7117−2に基づく測定方法により、せん断速度0.2(sec
−1)の時に1530〜3580(Pa・s)が好ましい。該範囲とすることにより、耐シャワー性及び塗布性を両立させることができる。
【0030】
また、本発明の構造用接着剤組成物は、初期およびオープン放置後における、歪1%以下(例えば0.1%)、周波数1Hz、昇温速度5℃/minの動的粘弾性測定における温間中の複素粘度η
*の最低値を200Pa・s以下とすることができるため、接合端部とはみ出し部との間の溝部を除去することができ、はみ出し部の移動に起因した溝欠陥の発生及び溝欠陥の発生と同時に生じる電着塗膜の破断を防止することができるため、耐食性がよい。該温間中の複素粘度η
*の最低値は50〜200Pa・sが好ましく、80〜150Pa・sがより好ましい。
【0031】
前記動的粘弾性測定は、接着剤の流動性が増加する温度域及び接着剤が硬化を開始する温度範囲を含む範囲で行うことが好適であり、例えば、接着剤を170℃で加熱硬化させる場合、初期の常温(20℃)から接着剤の硬化温度条件の170℃までの途中期間(例えば、40〜90℃の間)において行うことが好適である。
また、前記動的粘弾性測定におけるオープン放置の条件としては、例えば、接着剤を40℃、相対湿度85%にて4日間オープン放置する条件が挙げられる。
【0032】
温間中の複素粘度η
*は、例えば、レオメータ等を用いることによって測定することができる。
図2は、レオメータの概略構成図である。レオメータ10は、試料に角周波数ωの正弦的応力を付与して抽出される歪の応答特性から粘弾性に係る接着剤3の物性を検出可能に構成されている。
図2に示すように、レオメータ10は、固定プレート11と、この固定プレート11との隙間(例えば0.5mm)に試料となる接着剤3を挟み込む可動プレート12と、この可動プレート12を所定周期で回転振動させて接着剤3に応力を付与可能な駆動部13と、可動プレート12と同期して回転振動する円板部14と、プレート11,12と接着剤3を内部に収容して内部温度を昇降調節可能なケース部15と、円板部14の回転振動動作に基づき可動プレート12の周期を検出可能なエンコーダ16と、エンコーダ16の検出値に基づき駆動部13を制御すると共に可動プレート12に生じる粘性摩擦トルクを測定可能な制御測定部17と、ケース部15内部の温度を制御する温度制御部18と、制御測定部17と温度制御部18とを操作すると共に各種測定値を表示可能な操作部19を備えている。
【0033】
レオメータ10は、接着剤3に作用する応力と歪との位相遅れ及び応力と歪の振幅によって動的弾性率(貯蔵弾性率ともいう)G’と動的粘性率η’を検出している。
損失弾性率G”は、次式(1)に動的粘性率η’を代入して算出することができる。尚、ωは角周波数である。
G”=ωη’ ・・・(1)
複素弾性率G
*は、次式(2)に貯蔵弾性率G’と、式(1)で求めた損失弾性率G”を代入して算出している。尚、iは虚数単位である。
G
*=G’+iG” ・・・(2)
複素粘度η
*は、次式(3)に式(2)で求めた複素弾性率G
*を代入して算出している。
η
*=G
*/(iω) ・・・(3)
式(1)〜式(3)から次式(4)を導くことができる。
η
*=η’−iη” ・・・(4)
尚、複素粘度η
*の虚部η”は、次式(5)で定義されるパラメータである。
η”=G’/ω ・・・(5)
【0034】
本発明の構造用接着剤組成物は、低温硬化型であり、130〜170℃において約5〜20分間で硬化させることができる。
【0035】
本発明の構造用接着剤組成物は、自動車の車体や自動車部品などのパーツなどを構造接着して自動車構造体を製造するのに用いられ、特に、スポット溶接と接着剤を併用した工法(ウェルドボンド工法)での接着に好適に用いられる。即ち、本発明の構造用接着剤組成物は、自動車の車体を接着するのにも好適に用いられる。
【0036】
本発明の自動車構造体の製造方法は、好ましくは自動車製造ラインにおける製造方法であり、接着剤組成物を被着体に塗布後、加熱硬化させる工程を含むものである。本発明の自動車構造体の製造方法では、塗布はロボットハンドで行うことが好ましい。
【0037】
図1は、本発明の接着剤組成物を用いた自動車構造体の製造方法の一例を示す概略模式図であり、接着後の状態を示す。
図1において符号1及び2は自動車の車体を構成する構成部材である。被着体である第一の構成部材1及び第二の構成部材2を本発明の接着剤組成物3により接着し、自動車構造体を製造する。第一の構成部材1の接着面部1aと第二の構成部材2のフランジ部2aとの間に接着剤組成物3を介在させ、スポット溶接の加圧により接着剤組成物3は押し出され、はみ出し部3bを形成する。所定温度で所定時間加熱させ、接着剤組成物3を硬化せしめ、接着部3aが形成される。
図1において、符号5は電着塗膜であり、第一の構成部材1及び第二の構成部材2の表面に塗料が電着塗装されることにより形成される。
【実施例】
【0038】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0039】
(実施例1〜2及び比較例1〜4)
下記表1に示す質量部数の各成分を用いて、下記の手順で構造用接着剤組成物を製造した。各材料を配合し、撹拌脱泡機HM−400WV(共立精機株式会社製)で2分間減圧攪拌脱泡し、構造用接着剤組成物を調製した。
【0040】
【表1】
【0041】
表1において各配合物質の配合表は質量部で示されており、各配合物質の詳細は以下の通りである。
*1)「DER331」Olin Corporation社製のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂
*2)「HX−3088」旭化成社製のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂2質量部中に、イミダゾール誘導体をエポキシ樹脂等の反応物で被覆した潜在性硬化促進剤1質量部が分散されている混合物
*3)「ダイハード 100SH」AlzChem社製のジシアンジアミド
*4)「PN−23」味の素ファインテクノ社製のエポキシ−イミダゾールアダクト系硬化剤
*5)「QC−X」井上石灰社製の酸化カルシウム
*6)「CML−31」近江化学社製の表面処理された酸化カルシウム
*7)「TS−720」キャボットジャパン社製のポリジメチルシロキサン処理されたヒュームドシリカ
*8)「L−07N」四国化成社製のホウ酸エステル化合物
*9)「NN#500」日東粉化工業社製の炭酸カルシウム
*10)「ED−502S」ADEKA社製の脂肪族モノグリシジルエーテル
【0042】
上記製造した実施例1〜2及び比較例1〜4の各構造用接着剤組成物を以下に示す性能試験に供し、結果を下記の表2に示す。
【0043】
(1)せん断強度試験
得られた構造用接着剤組成物に塗布厚さ0.1mmにて100mm×25mm×1.6mmの冷間圧延鋼板に塗布し、2枚の鋼板の重ね合わせを12.5mmとし、はみ出た構造用接着剤組成物を除去して剪断試験片を作成した。試験片を130℃10分保持の条件で加熱硬化した後、24時間放冷し、その後、万能引張り試験機を用いて50mm/分の引張り速度で試験を行った。せん断強度が15MPa以上のものを○、15MPa未満のものを×と判定した。
【0044】
(2)初期粘度・貯蔵後粘度試験
得られた構造用接着剤組成物の粘度をブルックフィールド社製回転粘度計「RST−CPS」で初期(製造直後)及び50℃7日間貯蔵後の20℃における粘度を測定した。測定には直径25mmパラレルプレートを用いて、条件としてギャップ0.5mm、せん断速度0.2s
−1と設定した。
【0045】
(3)オープン放置後最低複素粘度試験
得られた構造用接着剤組成物を40℃、湿度85%に4日間オープン放置し、
図2に示したレオメータ10により20〜170℃まで毎分5℃の速度で昇温した際の複素粘度の最低値を測定した。測定には直径25mmパラレルプレートを用いて、条件としてギャップ0.5mm、周波数1Hz、歪み0.1%と設定した。
【0046】
(4)オープン放置後発泡状態試験
得られた構造用接着剤組成物を70mm×150mm厚さ0.8mmの冷間圧延鋼板の中央にφ4.5mmの半円ビード状に長さ130mm塗布して、40℃、湿度85%に4日間オープン放置し、ビードの上から15mm×150mm厚さ0.8mmの冷間圧延鋼板をスポット溶接し、電着塗装して150℃20分保持の条件で加熱硬化して、鋼板よりはみ出た構造用接着剤組成物の硬化物の発泡状態を判定した。溝欠陥がなく発泡が全くない物を◎、溝欠陥がなく発泡が5点以下の物を○、それ以上の発泡がある物または溝欠陥があるものを×と判定した。
【0047】
【表2】
【0048】
実施例1および2では130℃10分という低温且つ短時間での硬化条件においてもせん断強度が良好であり、初期及び貯蔵後の粘度が好適であり、オープン放置後の最低複素粘度が200Pa.s以下であり、オープン放置後の発泡が5点以下である。即ち、実施例1及び2の構造用接着剤組成物は接着性に優れ低温硬化型であると共に初期及び貯蔵後の粘度が良好であり、耐シャワー性及び作業性に優れ、さらに、オープン放置後の溝欠陥及び発泡を防止することができた。
一方、比較例1では低温で硬化できず、比較例2ではオープン放置後に高粘度となるためスポット溶接が不可能であり、比較例3では初期粘度が低すぎるためシャワー工程で飛び散るおそれがあり、比較例4では貯蔵後に増粘して塗布に支障があり、オープン放置後に溝欠陥ができる結果となった。