特許第6872958号(P6872958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872958
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】軽量タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 15/06 20060101AFI20210510BHJP
   B60C 9/18 20060101ALI20210510BHJP
   B60C 9/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B60C15/06 B
   B60C15/06 N
   B60C9/18 B
   B60C9/00 G
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-83680(P2017-83680)
(22)【出願日】2017年4月20日
(65)【公開番号】特開2017-197175(P2017-197175A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年11月11日
(31)【優先権主張番号】62/327578
(32)【優先日】2016年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】フランセスコ スポルテリ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル レイ フッベル
【審査官】 市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−232519(JP,A)
【文献】 特開昭60−240505(JP,A)
【文献】 特開平06−286427(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2005−0123168(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0181238(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C1/00−19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するタイヤであって、
車両リムに取り付けられる伸長不能な環状の2つのビード構造と、
少なくとも1つの補強されたプライを有し、前記2つのビード構造の周りに巻かれたカーカス状構造と、
前記カーカス状構造の半径方向外側に配置されたトレッドと、
半径方向における前記カーカス状構造と前記トレッドとの間に配置されたシアバンド構造とを有し、
前記2つのビード構造は、ティアドロップフレーム構造と前記ティアドロップフレーム構造によって画定される複数のオープンセルとを含む少なくとも1つの三次元織物層を含み、
前記ティアドロップフレーム構造は、940/1dtexポリアラミドの複数の経糸と1220/1dtexレーヨンの複数の横糸とを有することを特徴とする、タイヤ。
【請求項2】
前記各経糸は、密度が14EPIであり、前記各横糸は密度が12EPIであることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
回転軸を有するタイヤであって、
車両リムに取り付けられる伸長不能な環状の2つのビード構造と、
少なくとも1つの補強されたプライを有し、前記2つのビード構造の周りに巻かれたカーカス状構造と、
前記カーカス状構造の半径方向外側に配置されたトレッドと、
半径方向における前記カーカス状構造と前記トレッドとの間に配置されたシアバンド構造とを有し、
前記2つのビード構造は、ティアドロップフレーム構造と前記ティアドロップフレーム構造によって画定される複数のオープンセルとを含む少なくとも1つの三次元織物層を含み、
前記ティアドロップフレーム構造は、密度が14EPIの複数の経糸と密度が12EPIの複数の横糸とを有することを特徴とする、タイヤ。
【請求項4】
回転軸を有するタイヤであって、
車両リムに取り付けられる伸長不能な環状の2つのビード構造と、
少なくとも1つの補強されたプライを有し、前記2つのビード構造の周りに巻かれたカーカス状構造と、
前記カーカス状構造の半径方向外側に配置されたトレッドと、
半径方向における前記カーカス状構造と前記トレッドとの間に配置されたシアバンド構造とを有し、
前記2つのビード構造は、ティアドロップフレーム構造と前記ティアドロップフレーム構造によって画定される複数のオープンセルとを含む少なくとも1つの三次元織物層を含み、
前記タイヤは非空気入りタイヤであることを特徴とする、タイヤ。
【請求項5】
回転軸を有するタイヤであって、
車両リムに取り付けられる伸長不能な環状の2つのビード構造と、
少なくとも1つの補強されたプライを有し、前記2つのビード構造の周りに巻かれたカーカス状構造と、
前記カーカス状構造の半径方向外側に配置されたトレッドと、
半径方向における前記カーカス状構造と前記トレッドとの間に配置されたシアバンド構造とを有し、
前記2つのビード構造は、ティアドロップフレーム構造と前記ティアドロップフレーム構造によって画定される複数のオープンセルとを含む少なくとも1つの三次元織物層を含み、
前記織物はオープンウィーブ構造を有することを特徴とする、タイヤ。
【請求項6】
前記オープンウィーブ構造の外側縁部は、前記オープンウィーブ構造の半径長さ方向に連続した経糸の対を有することを特徴とする、請求項に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記オープンウィーブ構造上には、さらに接着促進剤が配置されることを特徴とする、請求項に記載のタイヤ。
【請求項8】
回転軸を有するタイヤであって、
車両リムに取り付けられる伸長不能な環状の2つのビード構造と、
少なくとも1つの補強されたプライを有し、前記2つのビード構造の周りに巻かれたカーカス状構造と、
前記カーカス状構造の半径方向外側に配置されたトレッドと、
半径方向における前記カーカス状構造と前記トレッドとの間に配置されたシアバンド構造とを有し、
前記2つのビード構造は、ティアドロップフレーム構造と前記ティアドロップフレーム構造によって画定される複数のオープンセルとを含む少なくとも1つの三次元織物層を含み、
前記織物は、オープンウィーブテープの2つ以上の層を有することを特徴とする、タイヤ。
【請求項9】
前記織物は、それぞれに異なる材料の少なくとも2つの繊維の経糸を含むことを特徴とする、請求項に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記各オープンセルは、軸線方向に延びる織物壁によって維持されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項11】
前記各オープンセルは、軸線方向に延びる織物製楕円形部材によって維持されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項12】
前記各オープンセルは、軸線方向に延びる織物製三角形部材によって維持されることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項13】
前記シアバンド構造はベルト構造であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関し、詳細には、三次元スペーサ構成要素を有するラジアル乗用車タイヤまたは高性能タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは一般に、軸線方向に分離された伸長不能な一対のビードを含む。周方向に配置されたビードフィラーエイペックスは、それぞれの各ビードから半径方向外側に延びている。少なくとも1つのカーカスプライが2つのビードの間を延びている。カーカスプライは、軸線方向において互いに向かい合う端部を有し、各端部は、それぞれのビードの周りにおいて折り返されビードに固定される。トレッドゴムおよびサイドウォールゴムは、カーカスプライのそれぞれ、軸線方向外側および半径方向外側に配置される。
【0003】
ビード領域は、熱も蓄積させる繰返し曲げに起因してタイヤの転がり抵抗に実質的に寄与するタイヤの部分である。ランフラットタイヤおよび高性能タイヤのような過酷な動作の条件下では、ビード領域における曲げおよび発熱が特に問題になり、それぞれの弾性係数などの、それぞれに異なる特性を有する互いに隣接する構成部材が分離されることがある。特に、プライ折り返し端部は、タイヤの隣接する構造部材から分離しやすくなる場合がある。
【0004】
従来のプライは、タイヤの大部分を構成する隣接するゴム構成部材よりもずっと高い剛性(すなわち、弾性係数)を有する、ナイロンとポリエステルとレーヨンと金属のうちの少なくとも1つなどの材料によって補強される場合がある。互いに隣接するタイヤ部材の弾性係数の差によって、タイヤが使用時に応力を受け変形したときに分離が生じることがある。
【0005】
タイヤのビード領域における各タイヤ部材の分離を抑制するために様々な構造設計手法が使用されている。たとえば、ある方法では、ビードおよびビードフィラーを囲む「フリッパ」が設けられている。フリッパは、プライが伸長不能なビードに直接接触するのを妨げるスペーサとして働き、フリッパがビードの下方において上向きに折り返される部分のプライとそれぞれのビードとの間の、ある程度の相対運動を可能にする。フリッパは、スペーサとしてのこの役割において、プライに対する応力とタイヤの隣接するゴム構成部材(たとえば、ビード領域におけるフィラーエイペックスやサイドウォールゴム、およびプライ自体の弾性部分)に対する応力との差を小さくする場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるタイヤは回転軸を有する。このタイヤは、車両リムに取り付けられる伸長不能な環状の2つのビード構造と、少なくとも1つの補強されたプライを有し、2つのビード構造の周りに巻かれたカーカス状構造と、カーカス状構造の半径方向外側に配置されたトレッドと、半径方向におけるカーカス状構造とトレッドとの間に配置されたシアバンド構造とを含む。2つのビード構造は、ティアドロップフレーム構造とティアドロップフレーム構造によって画定される複数のオープンセルとを含む少なくとも1つの三次元織物層を含む。
【0007】
このタイヤの別の態様によれば、各オープンセルは、軸線方向に延びる織物壁によって維持される。
【0008】
このタイヤのさらに別の態様によれば、各オープンセルは、軸線方向に延びる織物製楕円形部材によって維持される。
【0009】
このタイヤのさらに別の態様によれば、各オープンセルは、軸線方向に延びる織物製三角形部材によって維持される。
【0010】
このタイヤのさらに別の態様によれば、ティアドロップフレーム構造は、940/1dtexポリアラミドの複数の経糸と1220/1dtexレーヨンの複数の横糸とを有する。
【0011】
このタイヤのさらに別の態様によれば、各経糸は、密度が14EPI(EPIは25.4mm当たりの本数を示す単位)であり、各横糸は密度が12EPIである。
【0012】
このタイヤのさらに別の態様によれば、ティアドロップフレーム構造は、密度が14EPIの複数の経糸と密度が12EPIの複数の横糸とを有する。
【0013】
このタイヤのさらに別の態様によれば、タイヤは空気入りタイヤである。
【0014】
このタイヤのさらに別の態様によれば、タイヤは非空気入りタイヤである。
【0015】
このタイヤのさらに別の態様によれば、織物はオープンウィーブ構造を有する。
【0016】
このタイヤのさらに別の態様によれば、オープンウィーブ構造の外側縁部は、前記オープンウィーブ構造の半径長さ方向に連続した経糸の対を有する。
【0017】
このタイヤのさらに別の態様によれば、オープンウィーブ構造上には、接着促進剤がさらに配置される。
【0018】
このタイヤのさらに別の態様によれば、織物は、オープンウィーブテープの2つ以上の層を有する。
【0019】
このタイヤのさらに別の態様によれば、織物は、それぞれに異なる材料の少なくとも2つの繊維の経糸を含む。
【0020】
このタイヤのさらに別の態様によれば、シアバンド構造はベルト構造である。
定義
「エイペックス」または「ビードフィラーエイペックス」は、ビードコアの半径方向上方および各プライと各折り返しプライとの間に配置された弾性フィラーを意味する。
【0021】
「軸線方向の」および「軸線方向に」は、タイヤの回転軸に平行な各ラインまたは各方向を意味する。
【0022】
「ビード」または「ビードコア」は一般に、リムへのタイヤの保持に関連する各半径方向内側ビードの環状の引張り部材を有するタイヤの部分を意味し、各ビードは、プライコードによって覆われ、フリッパ、チッパ、エイペックスまたはフィラー、トウガードおよびチェーファーなどの、他の補強部材を有する場合も有さない場合もある。
【0023】
「カーカス」は、各プライの上方のベルト構造、トレッド、アンダートレッド以外であり、各ビードを含むタイヤ構造を意味する。
【0024】
「ケーシング」は、カーカス、ベルト構造、ビード、各サイドウォール、ならびにトレッドおよびアンダートレッドを除くタイヤの他のすべての構成部材、すなわち、タイヤ全体を意味する。
【0025】
「チッパ」は、ビード領域に配置され、機能が、ビード領域を補強し、サイドウォールの半径方向において最も内側の部分を安定化することである、織物製または鋼製コードの狭いバンドを指す。
【0026】
「周方向の」は、軸線方向に垂直な環状のトレッドの表面の周囲に沿って延びる円形の各ラインまたは各方向を意味し、断面図において見たときに半径がトレッドの軸線方向湾曲を画定する互いに隣接する数組の円形曲線の方向を指す。
【0027】
「コード」は、プライおよびベルトを補強するための各繊維を含む補強ストランドの1つを意味する。
【0028】
「赤道面」は、タイヤの回転方向に垂直であり、タイヤのトレッドの中心を通過する平面、すなわち、トレッドの周方向中心線を含む平面を意味する。
【0029】
「フリッパ」は、強度を確保し、ビードワイヤをタイヤ本体に結合するための、ビードワイヤの周りの補強織物を指す。
【0030】
「ゲージ」は概して、測定値、具体的には厚さを指す。
【0031】
「インナーライナ」は、チューブレスタイヤの内面を形成し、タイヤ内に膨張流体を閉じ込めるエラストマまたは他の材料の1つまたは2つ以上の層を意味する。
【0032】
「編み」は、経編および横編などの、針またはワイヤによって1本または2本以上の糸の一連のループを連結させることによって作製することのできる構造を意味する。
【0033】
「横方向」は、軸線方向に平行な方向を意味する。
【0034】
「標準荷重」は、タイヤの使用条件についての然るべき標準化機構によって決められた特定の設計空気圧および荷重を意味する。
【0035】
「プライ」は、ゴムによって被覆され、半径方向に配置されるかまたは場合によっては互いに平行に配置されたコードのコード補強層を意味する。
【0036】
「ラジアル(半径方向の)」および「半径方向に」は、半径方向においてタイヤの回転軸に向かうかまたはタイヤの回転軸から離れる方向を意味する。
【0037】
「ラジアルプライ構造」は、少なくとも1つのプライが、タイヤの赤道面に対して65°から90°の間の角度に向けられた補強コードを有する、1つまたは2つ以上のカーカスプライを意味する。
【0038】
「ラジアルプライタイヤ」は、ビードからビードヘ延びる少なくとも1つのプライコードがタイヤの赤道面に対して65°から90°の間の各コード角度に配置された、ベルトが巻かれるかまたは周方向に制限された空気入りタイヤを意味する。
【0039】
「断面高さ」は、タイヤの赤道面における呼称リム直径からタイヤの外径までの半径方向距離を意味する。
【0040】
「断面幅」は、ラベル、装飾部材、または保護バンドに起因するサイドウォールの隆起を除く、タイヤが標準圧力において24時間にわたって、無荷重で膨張させられたときおよびその後に、タイヤの軸線に平行な、タイヤの各サイドウォールの外部間の最大直線距離を意味する。
【0041】
「サイドウォール」は、トレッドとビードとの間のタイヤの部分を意味する。
【0042】
「三次元スペーサ構造」は、2つの外側織物層から構成された三次元構造を意味し、この構造では、各織物層が、第1および第2の方向に延びる補強部材(糸とフィラメントと繊維と織物のうちの少なくとも1つ)を有し、補強部材(糸とフィラメントと繊維と織物のうちの少なくとも1つなど)によって互いに連結された2つの外側層、または他の各編み層が、定められた第3の方向に延びる。「オープン」三次元スペーサ構造は、第1の織物層と第2の織物層を連結する個々のパイル繊維または補強部材によって構成される。「クローズ」三次元構造は、第1の層と第2の層を連結する織物パイルを利用する。
【0043】
「トウガード」は、各ビードのタイヤ軸線方向内側の周方向に配置された弾性リム接触部を指す。
【0044】
「トレッド幅」は、タイヤの回転軸を含む平面内のトレッド面のアーク長を意味する。
【0045】
「折り返し端部」は、プライによって周囲を覆われる各ビードから上向き(すなわち、半径方向外側)に曲がったカーカスプライの部分を意味する。
【0046】
「織り」は、互いに直角に交差してバスケットのような地の目を形成する複数の糸によって作製される構造を意味する。
【0047】
本発明の構造、動作、および利点は、以下の説明を添付の図面とともに検討したときにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明とともに使用される例示的なタイヤの概略断面図である。
図2図1に示されている例示的なタイヤのビード領域の模式的な詳細図である。
図3】本発明とともに使用される別のビード領域の模式的な詳細図である。
図4】本発明による例示的なオープンセル三次元織物の模式的な詳細図である。
図5】本発明による別の例示的なオープンセル三次元織物の模式的な詳細図である。
図6】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物の模式的な詳細図である。
図7】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物の模式的な詳細図である。
図8】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物の模式的な詳細図である。
図9】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物の模式的な詳細図である。
図10】本発明によるさらに別の例示的なオープンセル三次元織物の模式的な詳細図である。
図11】本発明による例示的なクローズセル三次元織物構造の模式的な詳細図である。
図12】本発明による別の例示的なクローズセル三次元織物構造の模式的な詳細図である。
図13】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物構造の模式的な詳細図である。
図14】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物構造の模式的な詳細図である。
図15】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物構造の模式的な詳細図である。
図16】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物エイペックス構造の模式的な詳細図である。
図17】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物エイペックス構造の模式的な詳細図である。
図18】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物エイペックス構造の模式的な詳細図である。
図19】本発明によるさらに別の例示的なクローズセル三次元織物エイペックス構造の模式的な詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、本発明による補強構成部材とともに使用される例示的なタイヤ10を示している。そのような構成部材は、空気入りタイヤに使用されても非空気入りタイヤに使用されてもよい。例示的なタイヤ10は、引用によって本明細書に全体的に組み込まれた米国特許第7992611号に記載されている。例示的なタイヤ10は、トレッド12と、インナーライナ23と、ベルト18,20を有するベルト構造16と、単一のカーカスプライ14を有するカーカス22と、2つのサイドウォール15,17と、ビードフィラーエイペックス26a,26bおよびビード28a,28bを有する2つのビード領域24a,24bとを有している。例示的なタイヤ10は、たとえば、乗用車のリム上に取り付けるのに適している。カーカスプライ14は、各端部がそれぞれのビード28a,28bに固定された軸線方向において互いに向かい合う一対の端部30a,30bを含んでいる。カーカスプライ14の各軸線方向端部30a,30bは、図2を詳細に示されているように、それぞれのビード28a,28bの周りにおいて、各軸線方向端部30a,30bを固着するのに十分な位置にて折り返されている。
【0050】
カーカスプライ14は、ポリエステル、レーヨン、または同様の適切な有機高分子化合物などの材料によって作られた実質的に互いに平行な複数のカーカス補強部材を有するゴム引きされたプライであってもよい。カーカスプライ14は、2つのフリッパ32a,32bの軸線方向外側面に係合している。
【0051】
図3は、本発明による補強構成部材とともに使用される別の例示的なタイヤのビード領域を断面図において示している。カーカスプライ50が、ビード52bの周りを覆っており、フリッパ54によってビードから分離されている。フリッパ54は、ビード52bの周りにおいて、ビードの下方において折り返されたカーカスプライ50の部分の内側に配置された織物の層であってもよい。フリッパ54は、剛性の高い金属ビード52bの各物理特性と剛性の低いカーカスプライ50の各物理特性の中間の物理特性(せん断弾性係数など)を有してもよい。したがって、フリッパ54は、ビード52bをカーカスプライ50から分離する能動張力緩和層として働いてもよい。カーカスプライ50は金属によって補強されてもよい。
【0052】
図3の例示的なタイヤ3は、ビード領域に配置され、ビード領域を補強し、サイドウォール57の軸線方向において最も内側の部分を安定化させるチッパ56を有してもよい。フリッパ54およびチッパ56については、それらを統合するパッチ58とともに、以下において個別に説明し、次いで互いの連動について説明する。
【0053】
フリッパ54は、ビード52bの周りを覆い、半径方向外側に例示的なタイヤのサイドウォール領域内に延びている。フリッパ54の軸線方向内側部分55は、ビードフィラーエイペックス59b内に末端を有している。フリッパ54の軸線方向外側部分60bは、半径方向において折り返し端部62bを越えた位置にあり、折り返し端部62b自体は、半径方向において、チッパ56の半径方向において最も外側の部分を越えた位置に配置されている(以下において別個に説明する)。カーカスプライ50の折り返し端部62bの軸線方向において最も外側の部分62bは、半径方向外側においてホイールリム70のホイールリムフランジ72の頂部を約15mmから30mm越えた位置まで延びていてもよい。
【0054】
図3に示されているように、フリッパ54はビード52bの周りに配置されてもよく、ビード52b自体は、例示的なタイヤ内において周方向に配置されている。フリッパ54の軸線方向内側部分55は、ビード52bから、軸線方向においてホイールリム70のホイールリムフランジ72の頂部に概ね隣接する位置まで半径方向外側に延びていてもよい。軸線方向外側において、フリッパ54は、ビード52bからホイールリムフランジ72の上方の端部60bまで半径方向外側に延びていてもよい。フリッパ54の半径方向において最も外側の端部60bは、折り返し端部62bの半径方向において最も外側の部分を約7mmから15mmの間の距離だけ越えた位置まで延びていてもよい。フリッパ54は、比較的剛性の高いビード52bと比較的剛性の低いカーカスプライ50との間の差ひずみを能動的に(すなわち、タイヤがたわむときに)吸収するので「能動」と呼ばれる。
【0055】
チッパ56は、ビード52bの周りを覆うカーカスプライ50の部分に隣接する位置に配置されてもよい。より詳細には、チッパ56は、カーカスプライ50の部分に対してフリッパ54とは反対側に配置されてもよい。チッパ56の軸線方向において最も内側の部分は、タイヤがホイールリム70上に取り付けられたときに、ホイールリム70の円筒部74の最も近くに位置するビード領域の部分内に位置している。チッパ56の軸線方向および半径方向において最も外側の部分は、タイヤがホイールリム70上に取り付けられたときに、ホイールリム70の円形部分の軸線方向内側に位置し、トウガード64などのタイヤゴムによってホイールリムの円形部分から分離されるビード領域の部分内に位置している。
【0056】
言い換えれば、図3を見るとわかるように、チッパ56は、周方向において、カーカスプライがビード52bの下方において折り返されるカーカスプライ50の半径方向において最も内側の部分の周りに配置されている。チッパ56は、半径方向外側に延び、カーカスプライ50の折り返し端部62bと概ね平行であってもよい。
【0057】
チッパ56は、ビード52bの周りを覆うカーカスプライ50の部分を、チッパをホイールリム70から分離するゴムにおけるひずみから保護する。チッパ56は、ビード領域を補強し、サイドウォール57の半径方向において最も内側の部分を安定化させる。言い換えれば、チッパ56は、ホイールリム70の内側において応力によって誘発されて、トウガード64を通して、チッパが剛性の高いビード52bのすぐ隣に位置するカーカスプライ50の折り返し端部62bに伝達されるせん断ひずみを最小限に抑えるように変形を吸収する場合がある。
【0058】
図3に示されているパッチ58は、チッパ56の半径方向において最も外側の領域68およびカーカスプライ50の折り返し端部62bを覆うようにビード52bの周りに周方向に配置されている。パッチ58は、チッパ56および能動フリッパ54の機能に類似した機能を実行する。詳細には、パッチ58は、場合によってはチッパ56およびカーカスプライ50の可撓性の低い材料からの可撓性の高いゴムの分離を生じさせることがあるゴム部分におけるせん断応力を吸収する場合がある。パッチ58はたとえば、ナイロン織物によって作られてもよい。パッチ58の半径方向において最も外側の部分57は、最小限のレベルに達してもよく、たとえば、フリッパ54の上端60bから少なくとも5mm、好ましくは10mmから15mm上方に延びてもよい。パッチ58の半径方向において最も内側の部分は、チッパ56と約10mmにわたって重なり合ってもよい。
【0059】
フリッパ54およびチッパ56を組み込むことの正味効果は、フリッパおよびチッパが存在しない場合に、それぞれに異なるせん断弾性係数を有する互いに隣接する材料を分離させることがある差せん断ひずみを解放または吸収するひずみ緩衝部材が構成されることである。さらに、この補強構成は、ゴムストリップを有する標準的な構成よりも少ない数の構成部材を組み込むことによってタイヤの耐久性を向上させる場合がある。
【0060】
ベルト18,20、エイペックス26a,26b、フリッパ32a,32b,54、チッパ56、パッチ58、およびトウガード64などの、上述の構造のうちのいくつかは、三次元織物によって構成されてもよい。そのような構造は、著しく軽量になるが、それにもかかわらずタイヤ性能要件を満たすかまたは超えるのに十分な強度および剛性を有する場合がある。したがって、この手法は、これらの構造におけるゴムを織物構成のスペーサまたはセルと置き換えることによって、顕著な軽量化を実現し、かつゴムへの依存性を低下させる場合がある。この三次元織物は、高性能繊維から織られてもあるいは編まれてもよい。
【0061】
これらの繊維は、ナイロン繊維とレーヨン繊維とポリエステル繊維と炭素繊維とガラス繊維とバサルト繊維とポリエチレン繊維とアラミド繊維と他の適切な高性能繊維のうちの少なくとも1つから単一の構成部材として構成されてもよく、あるいはこれらの材料の組合せから成る多成分繊維によって構成されてもよい。これらの繊維は軽量であり、各機械的特性が改善されているので、コスト、重量、転がり抵抗などに関する多数の設計改善効果をもたらす場合がある。各デッキ層(たとえば、非空気入りタイヤのシアバンド)の厚さ、ロール幅、密度、および垂直パイルの高さは、様々なタイヤ要件を満たすように調整されてもよい。2つのデッキ層の間のセルには軽量材料、ワイヤ、チューブ、発泡体、シーリング材、センサなどが充填されてもよい。
【0062】
三次元織物の非タイヤへの適用例は、非常に小さな重量において優れた機械的特性を実証している。そのような構造は、重量を付加することもあるいはヒステリシスを強めることもなしに空気入りタイヤの構造安定性をさらに向上させる場合がある。そのような構造はヒステリシスをさらに弱める場合がある。
【0063】
この繊維補強複合構造の材料および材料特性は、繊維材料と構造の少なくとも一方を修正することによって特定の荷重状況向けにカスタマイズされてもよい。たとえば、三次元織物から成る1つの5cmキューブ400の重量は6.5gに過ぎない(図4)。キューブ400は、織物420の三次元構造によって画定された複数のオープンセルを有してもよい。別の例示的な構造は、5cm×5cm×0.7cmであり、重量が1.1gであってもよい(図5)。同じ寸法の従来のチッパ化合物の重量は30.0gになる場合がある。構造500は、織物520の三次元構造によって画定された複数のオープンセル510を有してもよい。
【0064】
図6は、空気入りタイヤにおけるベルト18,20、エイペックス26a,26b、フリッパ32a,32b,54、チッパ56、パッチ58、トウガード64のうち少なくとも1つとして使用されてもよい例示的な4つの六角形構成610,620,630,640を示している。構成610,620,630,640は、織物613,623,633,643の三次元構造によって画定された複数のクローズセル611,621,631,641を有してもよい。
【0065】
図7は、空気入りタイヤにおけるベルト18,20、エイペックス26a,26b、フリッパ32a,32b,54、チッパ56、パッチ58、トウガード64のうち少なくとも1つとして使用されてもよい例示的な4つの3面構成710,720,730,740を示している。構成710,720,730,740は、織物713,723,733,743の三次元構造によって画定された複数のクローズセル711,721,731,741を有してもよい。
【0066】
図8は、空気入りタイヤにおけるベルト18,20、エイペックス26a,26b、フリッパ32a,32b,54、チッパ56、パッチ58、トウガード64のうち少なくとも1つとして使用されてもよい例示的な4つの2面構成810,820,830,840を示している。構成810,820,830、840は、織物813,823,833,843の三次元構造によって画定された複数のクローズセル811,821,831,841を有してもよい。
【0067】
図9は、空気入りタイヤにおけるベルト18,20、エイペックス26a,26b、フリッパ32a,32b,54、チッパ56、パッチ58、トウガード64のうち少なくとも1つとして使用されてもよい例示的な4つの湾曲構成910,920,930を示している。構成910,920,930は、織物913,923,933の三次元構造によって画定された複数のクローズセル911,921,931を有してもよい。
【0068】
図10は、個々の繊維1001の相互関係を詳細に示す例示的な構成1000の拡大図である。構成1000は、織物1001の三次元構造によって画定された複数のオープンセル1011を有してもよい。
【0069】
異なるエイペックス(たとえば、26a,26b,59bなど)によって、従来のゴム構成部材を上記において例示的に説明したような軽量材料と軽量構造の少なくとも一方と置き換えてもよい。3Dスペーサ織物は、ポリエステル−テレフタレート(ポリエチレン−テレフタレート)、高性能繊維などによって構成されてもよい。これらの材料は、炭素繊維とガラス繊維とバサルト繊維と任意の適切な高性能繊維と各材料の組合せから成る多成分繊維のうちの少なくとも1つなどの単一の構成部材を有してもよい。そのような構成部材は、軽量であり、各機械的特性が改善されていることに加えて、設計の多様性を向上させる場合がある。各デッキ層の厚さとロール幅と密度と垂直パイルの高さのうちの少なくとも1つが、強度、接着性、耐久性などの特定の要件を満たすように調整されてもよい。さらに、2つの各デッキ層の間のセルが軽量材料とワイヤとチューブと発泡体とシーリング材と電子センサのうちの少なくとも1つによって充填されてもよい。そのような技術は、エイペックスだけに限らず、新しい性能限界を有する新しいタイヤ構造を構成することができるようにカーカス、ベルトに使用されてもよい。
【0070】
そのようなエイペックス構成は、本発明によれば、重量が従来のエイペックスよりも65%小さなエイペックスを実現し、さらに全体的なタイヤ重量を6%減らす場合がある。これらのエイペックス構成の材料は、非等方性材料を含んでもよく、市販の材料であってもよい。
【0071】
上述のように、ゴム/ポリマーエイペックス化合物が、軽量3Dスペーサ織物ベースの材料などの軽量材料または軽量構造と置き換えられてもよい。3Dスペーサ織物は、ポリエステル−テレフタレート(ポリエチレン−テレフタレート)と高性能繊維と他の材料のうちの少なくとも1つによって構成されてもよい。これらの繊維は、炭素繊維とガラス繊維とバサルト繊維と任意の適切な高性能繊維のうちの少なくとも1つなどの単一の構成部材から作られてもあるいは各材料の組合せから成る多成分繊維から作られてもよい。そのような技術の利点は、軽量であることに加えて、各機械的特性が向上することである。各デッキ層の厚さとロール幅と密度と垂直パイルの高さのうちの少なくとも1つが、特定の要件を満たすように調整されてもよい。各デッキ層の間のセルが軽量材料とワイヤとチューブと発泡体とシーリング材と電子センサのうちの少なくとも1つによって充填されてもよい。この技術の適用はエイペックスに限定されなくてもよく、空気入りタイヤまたは非空気入りタイヤの他の構造に使用されてもよい。
【0072】
図11図15の例に示されているように、重量を減らし、それによってコストを削減するように空気入りタイヤまたは非空気入りタイヤの任意の部分に非等方性構成が使用されてもよい。図16に示されているように、本発明によるエイペックス1601は、上述のエイペックス26b,59bなどの従来の固体ゴムエイペックスに置き換わってもよく、タイヤの標準使用条件の下で荷重およびたわみに耐える場合がある。図17図19は、図16に示されているように使用されてもよい例示的な3つの構成1701,1801,1901を示している。図17は、ティアドロップ形状自体の互いに向かい合う壁1721間の隙間を維持する軸線方向に延びる織物部材1711によって支持されるティアドロップ形状を示している。図18は、ティアドロップ形状自体の互いに向かい合う壁1821間の隙間を維持する軸線方向に延びる楕円形織物部材1811によって支持されるティアドロップ形状を示している。図19は、ティアドロップ形状自体の互いに向かい合う壁1921間の隙間を維持する軸線方向に延びる三角形織物部材1911によって支持されるティアドロップ形状を示している。
【0073】
本明細書における本発明の説明を考慮して本発明の変形実施形態が企図される。本発明を例示することを目的としていくつかの実施形態および詳細事項を示したが、当業者には、本発明の範囲から逸脱せずにこれらの実施形態および詳細事項に様々な変更および修正を施すことができることが明らかであろう。したがって、特許請求の範囲によって定義される本発明の対象となる全範囲内の変更を前述の特定の実施形態に施すことができることが理解されよう。
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