特許第6872969号(P6872969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872969
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】医療用長尺体
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/14 20060101AFI20210510BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20210510BHJP
【FI】
   A61M25/14 500
   A61M25/10 530
   A61M25/14 514
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-96743(P2017-96743)
(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公開番号】特開2018-191797(P2018-191797A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】仲宗根 一樹
(72)【発明者】
【氏名】塩田 浩之
(72)【発明者】
【氏名】土井 裕太
(72)【発明者】
【氏名】岩田 憲幸
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭右
【審査官】 伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−019216(JP,A)
【文献】 特開平09−028808(JP,A)
【文献】 特表2010−523175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/14
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内腔を備える外管シャフトと、
前記外管シャフトの前記内腔に配置される内管シャフトと、
前記内管シャフトの先端側と前記外管シャフトの先端側に固定された拡張部材と、
前記拡張部材と連通し、前記内管シャフトと前記外管シャフトの間に形成される連通路と、
前記連通路を形成しつつ、前記内管シャフトと前記外管シャフトの一部とを接着可能な接着部と、を備え、
前記外管シャフトは、前記拡張部材が収縮した状態で、前記内管シャフトの外表面側に向かう凸部と前記内管シャフトが前記接着部を介して付着した第1形態を形成し、
前記外管シャフトは、前記拡張部材が拡張した状態で、前記凸部と前記内管シャフトとの前記接着部を介した付着が解除された第2形態を形成し、
前記連通路は、前記第1形態から前記第2形態に移行する際、前記拡張部材を拡張させる流体により、当該連通路を形成する内腔を拡張する、医療用長尺体。
【請求項2】
前記接着部は、前記拡張部材が収縮した状態で、前記内管シャフトの外表面と前記外管シャフトの内表面の間に介在する接着部材により形成される、請求項1に記載の医療用長尺体。
【請求項3】
前記内管シャフトは、前記内管シャフトの外表面に凹部を有し、
前記接着部材は、前記拡張部材が収縮した状態で、前記凹部に配置される、請求項2に記載の医療用長尺体。
【請求項4】
前記接着部材は、前記拡張部材が拡張した前記第2形態において、前記外管シャフトの内表面から剥離し、前記凹部に留置される、請求項3に記載の医療用長尺体。
【請求項5】
前記接着部は、前記内管シャフトの外表面と前記外管シャフトの内表面が融着されることにより形成される、請求項1に記載の医療用長尺体。
【請求項6】
前記外管シャフトは、先端シャフトと、前記先端シャフトの基端側に配置された基端シャフトと、を有し、
前記内管シャフトは、先端側が前記先端シャフトの内腔に配置され、かつ、基端側が前記基端シャフトの外表面で開口しており、
前記先端シャフトの外径は、前記拡張部材が収縮した前記第1形態において、前記基端シャフトの外径よりも小さく、前記拡張部材が拡張した前記第2形態において、前記基端シャフトの外径と同じまたは大きい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
【請求項7】
前記先端シャフトは、前記拡張部材が収縮した前記第1形態において、前記先端シャフトの前記接着部以外の領域の少なくとも一部が前記内管シャフトの外表面に巻き付けられており、
前記先端シャフトの外径は、前記拡張部材が拡張した前記第2形態において、前記拡張部材の外径よりも小さい、請求項6に記載の医療用長尺体。
【請求項8】
前記内管シャフトの基端部は、前記先端シャフトの基端部および前記基端シャフトの先端部に固定されつつ、ガイドワイヤを挿通可能なガイドワイヤポートを形成し、
前記接着部は、前記ガイドワイヤポートよりも先端側に配置される、請求項6または請求項7に記載の医療用長尺体。
【請求項9】
前記接着部は、前記拡張部材が収縮した状態で、前記外管シャフトと前記内管シャフトの間で螺旋状に配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体管腔で拡張可能な拡張部材を備えた医療用長尺体に関する。
【背景技術】
【0002】
血管等の生体管腔に形成された病変部(狭窄部等)を拡張させる手技や病変部へのステント等の留置に用いられる医療器具としてバルーンカテーテル(医療用長尺体)が知られている(特許文献1参照)。バルーンカテーテルは、シャフトと、シャフトの先端側に固定されたバルーン(拡張部材)と、を有する。シャフトは、内腔を有する外管シャフトと、外管シャフトの内腔に配置される内管シャフトと、を有する。
【0003】
医師等の術者は、イントロデューサー用シースやガイディングカテーテル等を介してバルーンカテーテルを穿刺部位から血管等の生体管腔に導入する。術者は、生体管腔に導入したバルーンカテーテルを狭窄部等の病変部に送達し、病変部にバルーンを配置する。術者は、病変部に配置されたバルーンの内腔に、バルーンを拡張させる作動流体を導入して、バルーンを拡張する。バルーンの内腔への作動流体の導入は、外管シャフトと内管シャフトの間に形成された連通路を介して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−19216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した通り、バルーンカテーテルのバルーンは、外管シャフトと内管シャフトの間に形成された連通路に作動流体を導入することによって拡張される。そのため、バルーンの拡張に要する時間は、連通路を大きくし、連通路を介したバルーンの内腔への作動流体の導入に要する時間を短縮することよって減少させることができる。一方、バルーンカテーテルは、術者が病変部までバルーンを円滑に送達するため、バルーンカテーテルを病変部に送達させる際の操作性(特に、プッシャビリティ)やシャフトの剛性も必要とされる。この場合、シャフトの剛性は、外管シャフトと内管シャフトの間に形成された連通路を小さくすることによって向上させることができる。同様に、バルーンカテーテルは、連通路を小さくすることにより外管シャフトと内管シャフトとの間の空間を小さくし、外管シャフトと内管シャフトとが相対的にずれ難くすることによって、シャフトの基端部に加えた押し込み力をシャフトの先端部に伝達しやすくなる。このため、バルーンカテーテルのプッシャビリティは、連通路を小さくすることにより、向上できる。このように、バルーンカテーテルは、バルーンの拡張に要する時間と術者が病変部にバルーンを送達する際のバルーンカテーテルの操作性とがトレードオフの関係にある。
【0006】
例えば、特許文献1のバルーンカテーテルは、外管シャフトと内管シャフトの間に連通路を形成しつつ、外管シャフトと内管シャフトとの相対的な位置ずれを防止するため、外管シャフトと内管シャフトとの間に解除不可能な固定部を設けている。しかしながら、特許文献1のバルーンカテーテルは、術者が病変部にバルーンを送達する際のバルーンカテーテルの操作性を高めるため、外管シャフトと内管シャフトの間に複数の固定部又は所定の広い範囲に亘って固定部を形成する場合、連通路の確保が難しくなる。例えば、バルーンカテーテルは、難易度の高い高度狭窄病変部等を治療する際、プッシャビリティ性能等のバルーンカテーテルの高い操作性が求められる場合がある。そのため、バルーンカテーテルは、バルーンの拡張に要する時間と術者が病変部にバルーンを送達する際のバルーン
カテーテルの操作性とを両立するため、更なる改良が望まれている。
【0007】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、術者が病変部にバルーンカテーテルを送達する際のバルーンカテーテルの操作性を向上させつつ、バルーンの拡張に要する時間を短縮できるバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明のバルーンカテーテルは、内腔を備える外管シャフトと、前記外管シャフトの前記内腔に配置される内管シャフトと、前記内管シャフトの先端側と前記外管シャフトの先端側に固定された拡張部材と、前記拡張部材と連通し、前記内管シャフトと前記外管シャフトの間に形成される連通路と、前記連通路を形成しつつ、前記内管シャフトと前記外管シャフトの一部とを接着可能な接着部と、を備え、前記外管シャフトは、前記拡張部材が収縮した状態で、前記内管シャフトの外表面側に向かう凸部と前記内管シャフトが前記接着部を介して付着した第1形態を形成し、前記外管シャフトは、前記拡張部材が拡張した状態で、前記凸部と前記内管シャフトとの前記接着部を介した付着が解除された第2形態を形成し、前記連通路は、前記第1形態から前記第2形態に移行する際、前記拡張部材を拡張させる流体により、当該連通路を形成する内腔を拡張する、医療用長尺体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るバルーンカテーテルによれば、外管シャフトは、バルーンが収縮した状態において、外管シャフトと内管シャフトが接着部を介して付着した第1形態を形成する。これにより、本発明に係るバルーンカテーテルは、バルーンが収縮した状態において、外管シャフトと内管シャフトとの間の相対的な位置関係が拘束される。そのため、本発明に係るバルーンカテーテルは、術者がバルーンカテーテルを病変部に送達する際、接着部により内管シャフトと外管シャフトとの位置ずれを防止し、バルーンカテーテルのプッシャビリティ性能を向上させることができる。また、本発明のバルーンカテーテルは、バルーンが収縮した状態において、外管シャフトと内管シャフトとが接着部により固定されるため、シャフトの剛性も向上させることができる。一方、連通路は、第1形態から第2形態に移行する際、バルーンを拡張させる流体により拡張する。これにより、本発明に係るバルーンカテーテルは、バルーンを拡張させる際に、連通路を介してバルーンに導入される作動流体の単位時間当たりの流量を増加させることができる。従って、本発明に係るバルーンカテーテルは、術者が病変部にバルーンカテーテルを送達する際のバルーンカテーテルの操作性を向上させつつ、バルーンの拡張に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(A)は、本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルを示す図であり、図1(B)は、本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルのバルーンの平面図である。
図2図2(A)は、図1(A)において破線部2Aで示す部分の拡大断面図であり、図2(B)は、図1(A)において破線部2Bで示す部分の拡大断面図である。
図3】本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルのシャフトおよびバルーンの平面図であって、図3(A)は、外管シャフトが第1形態を形成している状態の平面図であり、図3(B)は、外管シャフトが第2形態を形成している状態の平面図である。
図4】本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルのシャフトの軸に垂直な方向のシャフトの断面図であって、図4(A)は、外管シャフトが第1形態を形成している状態の断面図であり、図4(B)は、外管シャフトが第2形態を形成している状態の断面図である。
図5図5(A)は、実施形態に係る内管シャフトの一部を示す平面図であり、図5(B)は、シャフトの軸に沿う方向のシャフトの断面図であって、外管シャフトが第1形態を形成している状態の断面図であり、図5(C)は、シャフトの軸に沿う方向のシャフトの断面図であって、外管シャフトが第2形態を形成している状態の断面図である。
図6図6は、変形例に係る内管シャフトの一部を示す平面図である。
図7】別の変形例に係るバルーンカテーテルのシャフトの軸に垂直な方向のシャフトの断面図であって、外管シャフトが第1形態を形成している状態の断面図である。
図8】さらに別の変形例に係るバルーンカテーテルのシャフトの軸に垂直な方向のシャフトの断面図であって、外管シャフトが第1形態を形成している状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
図1〜5は、実施形態に係るバルーンカテーテル1の各部の構成を示す図である。
【0013】
本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、シャフト10を生体管腔に挿通させ、シャフト10の先端側に配置されたバルーン20を狭窄部(病変部)において拡張させることにより、狭窄部を押し広げて治療する医療器具として構成している。
【0014】
バルーンカテーテル1は、例えば、冠動脈の狭窄部を広げるために使用されるPTCA拡張用バルーンカテーテルとして構成することができる。ただし、バルーンカテーテル1は、例えば、他の血管、胆管、気管、食道、その他消化管、尿道、耳鼻内腔、その他の臓器等の生体器官内に形成された狭窄部の治療および改善を目的として使用されるものとして構成することもできる。
【0015】
本明細書では、バルーンカテーテル1において生体管腔に挿入する側(バルーン20が配置された側)を「先端側」と称し、先端側と反対側に位置する手元での操作がなされる側(ハブ30が配置された側)を「基端側」と称する。また、実施形態の説明において、先端部とは、先端(最先端)およびその周辺を含む一定の範囲を意味し、基端部とは、基端(最基端)およびその周辺を含む一定の範囲を意味する。また、本明細書では、バルーンがノミナル圧で拡張した状態を「バルーンが拡張した状態」と称する。
【0016】
図1(A)、図2(A)および図4(A)を参照して概説すれば、本実施形態に係るバルーンカテーテル1(医療用長尺体に相当)は、シャフト10と、シャフト10の先端側に固定されたバルーン20(拡張部材に相当)と、シャフト10の基端側に配置されたハブ30と、を有する。シャフト10は、内腔50Lを備える外管シャフト50と、外管シャフト50の内腔50Lに配置される内管シャフト60と、を有する。そして、バルーンカテーテル1は、外管シャフト50と内管シャフト60の間に形成される連通路100と、外管シャフト50と内管シャフト60の一部とを接着可能な接着部110と、をさらに有する。以下、各部の構成について詳説する。
【0017】
図1(A)、図2(A)および図2(B)を参照して、シャフト10は、内腔50Lを備える外管シャフト50と、外管シャフト50の内腔50Lに配置される内管シャフト60と、を有する。また、外管シャフト50と内管シャフト60との間には、バルーン20の内腔20Lと連通する連通路100が形成されている。
【0018】
外管シャフト50は、先端シャフト70と、先端シャフト70の基端側に接続された基端シャフト80と、を有している。
【0019】
内管シャフト60は、先端側が先端シャフト70の内腔70Lに配置され、基端側が基
端シャフト80の外表面80Sに配置される。内管シャフト60の内腔60Lは、ガイドワイヤルーメンLを形成する。
【0020】
内管シャフト60の基端部は、基端シャフト80の外表面80Sで開口した開口部61を形成する。具体的には、内管シャフト60の基端部は、先端シャフト70の基端部および基端シャフト80の先端部に固定されつつ、基端シャフト80の外表面80Sで開口した開口部61を形成する。開口部61は、ガイドワイヤWが挿通可能なガイドワイヤポートPを構成する。すなわち、内管シャフト60の基端部は、先端シャフト70の基端部および基端シャフト80の先端部に固定されつつ、ガイドワイヤWを挿通可能なガイドワイヤポートPを形成する。ガイドワイヤポートPは、内管シャフト60のガイドワイヤルーメンLに連通する。
【0021】
外管シャフト50の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種エラストマー、ポリアミド、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン等の結晶性プラスチックを用いることができる。
【0022】
内管シャフト60の構成材料としては、例えば、外管シャフト50と同様の材料を用いることが可能である。
【0023】
バルーンカテーテル1は、シャフト10の先端部側寄りにガイドワイヤWが出入り可能なガイドワイヤポートPが形成された、いわゆるラピッドエクスチェンジ型のカテーテルとして構成している。
【0024】
図1(B)および図2(A)を参照して、バルーン20は、外管シャフト50の先端側と内管シャフト60の先端側に固定されている。すなわち、バルーン20の先端部は、内管シャフト60の先端側に接続されている。また、バルーン20の基端部は、先端シャフト70の先端側に接続されている。
【0025】
バルーン20は、バルーン20を拡張させる作動流体WFが、バルーン20の内腔20Lに導入されることによって、シャフト10の放射方向に拡張する。バルーン20は、バルーン20の内腔20Lに導入された作動流体WFが排出されることによって収縮する。作動流体WFは、連通路100を介して、バルーン20の内腔20Lに導入されるとともにバルーン20の内腔20Lから排出される。作動流体WFは、例えば、造影剤と生理食塩水の混合液からなる。
【0026】
バルーン20は、バルーン20が拡張した状態において、生体管腔壁と接触し、バルーン20の最大外径部を形成する中間領域25と、中間領域25の先端から先端側に延びる先端側傾斜領域26と、中間領域25の基端から基端側に延びる基端側傾斜領域27と、を有する。
【0027】
バルーン20の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等を用いることができる。
【0028】
内管シャフト60には、バルーン20の位置を示すX線造影マーカーCが設けられている。X線造影マーカーCは、内管シャフト60においてバルーン20の中間領域25に対
応する位置に配置されている。
【0029】
内管シャフト60は、先端側に先端チップ90を備えている。先端チップ90は、先端側に向けて外径が小さくなるテーパー形状を備えている。先端チップ90の内部には、先端チップ90を軸方向に貫通する貫通孔90Lを形成している。そのため、貫通孔90Lは、ガイドワイヤルーメンLの一部を形成する。
【0030】
先端チップ90は、例えば、柔軟な樹脂材料で構成することが可能である。ただし、先端チップ90の材質は、内管シャフト60に対して固定することが可能であれば特に限定されない。
【0031】
内管シャフト60は、先端側に先端チップ90を備えることにより、バルーンカテーテル1の先端が生体器官(血管の内壁等)に接触した際に、生体器官に損傷等が生じるのを好適に防止することができる。
【0032】
図1(A)を参照して、ハブ30は、流体(加圧媒体)を供給するためのインデフレーター等の供給装置(図示省略)と液密・気密に接続可能なポート31を有している。ハブ30のポート31は、例えば、流体チューブ等が接続・分離可能に構成された公知のルアーテーパー等によって構成することができる。
【0033】
シャフト10は、ハブ30内の流路と連通路100が連通した状態で、ハブ30と接続されている。バルーン20を拡張させる作動流体WFは、ハブ30のポート31を介して連通路100に供給される。
【0034】
次に、シャフト10、連通路100および接着部110について詳説する。
【0035】
図3(A)および図4(A)を参照して、接着部110は、連通路100を形成しつつ、内管シャフト60と先端シャフト70の一部を接着する。接着部110は、内管シャフト60と先端シャフト70との間において複数形成されている。
【0036】
先端シャフト70は、バルーン20が収縮した状態で、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sが付着した第1形態を形成する。
【0037】
内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの付着は、接着部110を介してなされる。
【0038】
先端シャフト70は、バルーン20が収縮した第1形態において、内管シャフト60の外表面60S側に向かう凸部75を有する。内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sは、第1形態において、先端シャフト70の凸部75を介して付着する。
【0039】
図3(B)および図4(B)を参照して、先端シャフト70は、バルーン20が拡張した状態で、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sの付着が解除された第2形態を形成する。
【0040】
図5(B)を参照して、連通路100の内腔は、第1形態から第2形態に移行する際、バルーン20を拡張させる作動流体WFにより拡張する。
【0041】
第1形態から第2形態に移行する際、バルーン20を拡張させる作動流体WFは、シャフト10の基端側から先端側に向かって、連通路100の内腔を流動する。シャフト10
の基端側から先端側に向かって連通路100を流動する作動流体WFは、接着部110に内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとを剥離させる力を作用させる。内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの付着は、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sが剥離することによって解除される。
【0042】
図3(A)および図3(B)を参照して、先端シャフト70の外径D1は、バルーン20が収縮した第1形態において、基端シャフト80の外径D2よりも小さい。先端シャフト70の外径D1は、バルーン20が拡張した第2形態において、基端シャフト80の外径D2よりも大きい。また、先端シャフト70の外径D1は、バルーン20が拡張した第2形態において、拡張した状態のバルーン20の外径D3よりも小さい。なお、基端シャフト80の外径D2は、バルーン20が収縮した第1形態とバルーン20が拡張した第2形態を通じて実質的に変化しない。また、「先端シャフトの外径」とは、先端シャフト70の外接円の径を意味する。
【0043】
バルーン20が収縮した第1形態における先端シャフト70の外径D1は、基端シャフト80の外径D2よりも小さい限りにおいて特に限定されないが、例えば、バルーン20が収縮した第1形態における先端シャフト70の外径D1と基端シャフト80の外径D2との比は1:1.05〜1.50である。
【0044】
接着部110は、ガイドワイヤポートPよりも先端側に配置される。具体的には、接着部110は、シャフト10において、バルーン20の基端部と先端シャフト70の先端部との接続箇所CPと、ガイドワイヤポートPとの間に配置されている。
【0045】
図4(A)、図5(A)および図5(B)を参照して、接着部110は、先端シャフト70の内表面70Sと内管シャフト60の外表面60Sとの間に介在する接着部材AMにより形成される。
【0046】
接着部材AMの種類は特に限定されず、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤およびウレタンアクリレート系接着剤等の公知の接着剤を使用できる。
【0047】
接着部110において付着した内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの剥離強度は、連通路100を介して作動流体WFをバルーン20に導入した際、バルーン20のノミナル圧以下で剥離する値に設定されている。なお、接着部110において付着した内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sの剥離強度は、接着部材AMの種類や量を変更することによって調節できる。
【0048】
また、接着部110は、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの間において点在している。
【0049】
内管シャフト60は、内管シャフト60の外表面60Sに凹部65を有する。そして、接着部材AMは、凹部65に配置される。
【0050】
凹部65は、内管シャフト60の外表面60Sにおいて点在している。平面視した際の凹部65の形状は特に限定されず、例えば、円形形状、楕円形状、矩形形状とし得る。平面視した際の凹部65の形状が円形形状の場合、凹部65の径は、例えば、0.1〜0.5mm程度である。内管シャフト60の外表面60Sにおける凹部65の単位面積当たりの個数は特に限定されず、例えば、1〜5個/mmである。
【0051】
接着部材AMは、図4(A)、図5(A)および図5(B)に示すように、凹部65を
満たしていることが好ましい。これにより、凹部65に配置された接着部材AMの少なくとも一部は、バルーン20が収縮した第1形態において、先端シャフト70の内表面70Sに容易に接することができる。
【0052】
また、接着部材AMは、バルーン20が拡張した第2形態において、先端シャフト70の内表面70Sから剥離し、凹部65に留置されることが好ましい。具体的には、内管シャフト60の外表面60Sと接着部材AMとの間の接着力は、先端シャフト70の内表面70Sと接着部材AMとの間の接着力よりも大きい。内管シャフト60の外表面60Sと接着部材AMとの間の接着力は、例えば、内管シャフト60の外表面60Sをコロナ処理またはプラズマ処理することによって、大きくすることができる。これにより、接着部材AMは、バルーン20が拡張した第2状態で、連通路100を流動する作動流体WFの流れを阻害しない。そのため、バルーンカテーテル1は、より円滑にバルーン20を拡張できる。
【0053】
なお、先端シャフト70の内表面70Sと接着部材AMとの間の接着力は、例えば、先端シャフト70の内表面70Sに、シリコーンなどの公知の離型剤を塗布することによって小さくしてもよい。
【0054】
本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、外管シャフト50は、バルーン20が収縮した状態において、外管シャフト50と内管シャフト60が付着した第1形態を形成する。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーン20が収縮した状態において、外管シャフト50と内管シャフト60との間の相対的な位置関係が拘束される。そのため、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、術者がバルーンカテーテル1を病変部に送達する際、接着部110により内管シャフト60と外管シャフト50との位置ずれを防止し、バルーンカテーテル1のプッシャビリティ性能を向上させることができる。また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーン20が収縮した状態において、外管シャフト50と内管シャフト60とが接着部110により固定されるため、シャフト10の剛性も向上させることができる。一方、連通路100は、バルーン20が収縮した第1形態からバルーン20が拡張した第2形態に移行する際、バルーン20を拡張させる作動流体WFにより拡張する。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーン20を拡張させる際に、連通路100を介してバルーン20に導入される作動流体WFの単位時間当たりの流量を増加させることができる。従って、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、術者が病変部にバルーンカテーテル1を送達する際のバルーンカテーテル1の操作性を向上させつつ、バルーン20の拡張に要する時間を短縮できる。
【0055】
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、バルーン20が収縮した状態において、外管シャフト50と内管シャフト60とが付着することによって、先端シャフト70の外径D1が小さくなる。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーンカテーテル1を病変部に送達させる際に、生体管腔におけるシャフト10の通過性を向上させることができる。従って、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、術者が病変部にバルーンカテーテル1を送達する際のバルーンカテーテル1の操作性をより向上させることができる。
【0056】
なお、第1形態から第2形態に移行する際に連通路100が拡張することによって、バルーン20が収縮する際に、連通路100を介してバルーン20から排出される作動流体WFの単位時間当たりの流量も増加する。そのため、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーン20の収縮に要する時間も短縮できる。
【0057】
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、接着部110は、バルーン2
0が収縮した状態で、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sの間に介在する接着部材AMにより形成される。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの間に接着部材AMを配置する作業により、簡単に接着部110を形成することができる。また、接着部110は、接着部材AMの種類を変更することによって、外管シャフト50と内管シャフト60との間の接着力を容易に調節できる。そのため、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、第1形態から第2形態へと移行する際の外管シャフト50と内管シャフト60との間の剥離強度をより適切に調節できる。その結果、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、第1形態から第2形態に移行する際、バルーン20を拡張させる作動流体WFにより連通路100の内腔をより確実に拡張できる。従って、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーン20の拡張に要する時間をより確実に短縮できる。また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、接着部材AMの配置により接着部110の面積や個数を調整することで、シャフト10の剛性を容易に調節することも可能である。
【0058】
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、内管シャフト60は、内管シャフト60の外表面60Sに凹部65を有する。そして、接着部材AMは、バルーン20が収縮した状態で、凹部65に配置される。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーン20が収縮した第1形態において、外管シャフト50と内管シャフト60との間に接着部材AMが配置されることに起因して、外管シャフト50の一部が外管シャフト50の放射方向に突出することを抑制できる。そのため、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、接着部110を接着部材AMで形成した場合において、第1形態におけるシャフト10の外径をより小さくできる。従って、バルーンカテーテル1は、接着部110を接着部材AMで形成した場合において、生体管腔を介してバルーンカテーテル1を病変部に送達する際の送達性を向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、接着部材AMは、バルーン20が拡張した第2形態において、先端シャフト70の内表面70Sから剥離し、凹部65に留置される。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、第2形態において、外管シャフト50と内管シャフト60との間に接着部材AMが配置されていることに起因して、連通路100の内腔が小さくなることを抑制できる。そのため、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーン20の拡張に要する時間をさらに確実に短縮できる。
【0060】
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、先端シャフト70の外径D1は、バルーン20が収縮した第1形態において、基端シャフト80の外径D2よりも小さい。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、バルーンカテーテル1を病変部に送達させる際に、生体管腔におけるシャフト10の先端側の通過性が向上する。従って、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、バルーンカテーテル1を病変部に送達させる際のバルーンカテーテル1の操作性をさらに向上させることができる。また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、先端シャフト70の外径D1は、バルーン20が拡張した第2形態において、基端シャフト80の外径D2と同じ又は大きい。これにより、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、バルーン20が拡張した第2形態において、連通路100が大きくなるため、バルーン20の拡張に要する時間をさらに確実に短縮できる。
【0061】
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、内管シャフト60の基端部は、先端シャフト70の基端部および基端シャフト80の先端部に固定されつつ、ガイドワイヤWを挿通可能なガイドワイヤポートPを形成する。そして、接着部110は、ガイドワイヤポートPよりも先端側に配置される。ここで、先端シャフト70は、シャフト10
の先端側に位置するため、病変部へのバルーンカテーテル1の送達性を高める観点から、外径D1が小さいことが好ましい。また、先端シャフト70は、シャフト10の軸方向に垂直な断面において、先端シャフト70の内腔70Lに内管シャフト60が配置されるため、基端シャフト80と比較して、連通路100を形成する面積が小さい。そのため、先端シャフト70は、バルーン20の拡張に要する時間を短縮するため、その内腔70Lに連通路100を大きく確保することが好ましい。本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、ガイドワイヤポートPよりも先端側に接着部110が配置されることにより、シャフト10の先端側に位置する先端シャフト70の外径D1を小さく形成することができる。また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、ガイドワイヤポートPよりも先端側に接着部110が配置されることにより、バルーン20が収縮した第1形態からバルーン20が拡張した第2形態に移行する際に、バルーン20を拡張させる作動流体WFにより、先端シャフト70の連通路100を大きくすることができる。従って、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、術者が病変部にバルーンカテーテル1を送達する際のバルーンカテーテル1の操作性をさらに向上させつつ、バルーン20の拡張に要する時間をさらに確実に短縮できる。
【0062】
(変形例1)
上述した実施形態では、接着部110は、外管シャフト50と内管シャフト60の間で点在した。しかしながら、接着部110の配置形態は、外管シャフト50と内管シャフト60とを付着することができる限りにおいて特に限定されない。
【0063】
例えば、接着部は、外管シャフト50と内管シャフト60の間で螺旋状に配置されてもよい。具体的には、接着部は、バルーン20が収縮した第1形態において、内管シャフト60の軸まわりに螺旋状に配置されていてもよい。
【0064】
例えば、図6に示すように、内管シャフト60は、その外表面60Sに内管シャフト60の軸回りに螺旋状に形成された凹部265を有する。そして、接着部210は、内管シャフト60の外表面60Sの凹部265に配置される。これにより、接着部210は、内管シャフト60の軸回りに螺旋状に形成できる。
【0065】
凹部265の幅B1は、特に限定されないが、例えば、0.1〜1.0mmである。凹部265が形成する螺旋のピッチB2は、特に限定されないが、例えば、1.0〜10.0mmである。
【0066】
本変形例に係るバルーンカテーテルによっても、上述した実施形態に係るバルーンカテーテル1と同様の作用・効果を奏することができる。
【0067】
また、本変形例に係るバルーンカテーテルによれば、第1形態から第2形態に移行する際、互いに付着した内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの接着部210が、作動流体WFの流動方向(基端側から先端側に向う方向)に沿って剥離し易くなる。そのため、本変形例に係るバルーンカテーテルは、第1形態から第2形態に移行する際に、連通路100の内腔をさらに確実に拡張できる。従って、本変形例に係るバルーンカテーテルは、バルーン20の拡張に要する時間をさらに確実に短縮できる。
【0068】
(変形例2)
上述した実施形態および変形例1では、接着部は、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sの間に介在する接着部材AMにより形成された。しかしながら、接着部210は、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sが融着されることにより形成されてもよい。
【0069】
内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの融着方法は特に限定されず、例えば、接着部210を形成したい箇所にレーザー光を照射して加熱することによって接着部210を形成できる。この際、先端シャフト70を透明の材料で構成するとともに、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの間に光吸収部材を配置することによって、内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとを好適に融着できる。光吸収部材としては、例えば、カーボンブラックを使用できる。
【0070】
接着部210において付着した内管シャフト60の外表面60Sと先端シャフト70の内表面70Sとの剥離強度は、例えば、レーザー光の照射等によって接着部210に加えられる熱量を制御することによって調節できる。
【0071】
本変形例に係るバルーンカテーテルによっても、上述した実施形態と同様の作用・効果を奏する。
【0072】
また、本変形例に係るバルーンカテーテルによれば、接着部210は、外部から外管シャフト50及び内管シャフト60に熱を加えることによって容易に形成できる。そのため、本変形例に係るバルーンカテーテルによれば、バルーンカテーテルの製造が容易になる。
【0073】
(変形例3)
図8に示すように、本変形例に係るバルーンカテーテルの先端シャフト70は、バルーン20が収縮した第1形態において、先端シャフト70の接着部110以外の領域の少なくとも一部が内管シャフト60の外表面60Sに巻き付けられている。また、先端シャフト70の外径D1は、バルーン20が拡張した第2形態(図4(B)に示す状態)において、バルーン20の外径D3よりも小さくなるように形成している。
【0074】
本変形例に係るバルーンカテーテルによっても、上述した実施形態並びに変形例1および変形例2に係るバルーンカテーテルと同様の作用・効果を奏することができる。
【0075】
また、本変形例に係るバルーンカテーテルは、バルーン20が収縮した第1形態において、外管シャフト50の接着部110以外の領域の少なくとも一部が内管シャフト60の外表面60Sに巻き付けられている。そのため、バルーンカテーテルは、外管シャフト50が内管シャフト60の外表面60Sに巻き付けられた領域において、シャフト10の外径を小さくでき、バルーンカテーテルの送達性を更に向上することができる。また、外管シャフト50と内管シャフト60との間の相対的な位置関係をさらに強固に拘束できるため、シャフト10の剛性をさらに向上させることができる。さらに、本変形例に係るバルーンカテーテルは、バルーン20が拡張した第2形態において、外管シャフト50の外径がバルーン20の外径よりも小さいため、外管シャフト50が病変部以外の部分を押圧することを防止できる。
【0076】
また、外管シャフト50が先端シャフト70と、先端シャフト70の基端側に配置された基端シャフト80とを有する場合、本変形例に係るバルーンカテーテルは、先端シャフト70において、外管シャフト50の接着部110以外の領域の少なくとも一部が内管シャフト60の外表面60Sに巻き付けられていることが好ましい。これにより、本変形例に係るバルーンカテーテルは、バルーン20が収縮した第1形態において、外管シャフト50の先端側に位置する先端シャフト70の外径D1を小さくすることができるため、バルーンカテーテルの送達性を更に確実に向上することができる。
【0077】
以上、実施形態およびその変形例を通じてバルーンカテーテルを説明したが、本発明は実施形態およびその変形例において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
【0078】
例えば、上述した実施形態およびその変形例では、先端シャフトの外径は、バルーンが拡張した第2形態において、基端シャフトの外径よりも大きかった。しかしながら、先端シャフトの外径は、バルーンが拡張した第2形態において、基端シャフトの外径と同じでもよい。
【0079】
また、上述した実施形態およびその変形例では、ラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルを例に説明したが、本発明は、オーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルに適用してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 バルーンカテーテル(医療用長尺体)、
10 シャフト、
20 バルーン(拡張部材)、
50 外管シャフト、
50L 外管シャフトの内腔、
60 内管シャフト、
60S 内管シャフトの外表面、
65、265 凹部、
70 先端シャフト、
70L 先端シャフトの内腔、
70S 先端シャフトの内表面、
75 凸部、
80 基端シャフト、
80S 基端シャフトの外表面、
100 連通路、
110、210 接着部、
AM 接着部材、
D1 先端シャフトの外径、
D2 基端シャフトの外径、
D3 バルーンの外径、
WF 作動流体(拡張部材を拡張させる流体)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8