(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1センサ期間には、前記制御部からの制御信号に応じて、前記配線に第1駆動信号が供給されて電磁誘導を形成し、前記第1電極には、前記電磁誘導に基づく起電力が発生する、
請求項16に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の一構成例を示すブロック図である。本実施形態の表示装置1は、被検出体の表示面への接触や近接を検出する検出機能が内蔵されている。
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動回路14と、検出部40とを備える。
【0010】
表示パネル10は、表示素子を有する複数の画素を備えるとともに、複数の画素に対向する表示面を有している。また、表示パネル10は、映像信号の入力を受けて表示面に複数の画素からなる画像の表示を行う。
【0011】
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13及び駆動回路14に制御信号を供給して、主に表示動作を制御する回路である。
【0012】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示パネル10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
【0013】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示パネル10の、各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。これに限定されず、制御部11が画素信号Vpixを生成し、この画素信号Vpixをソースドライバ13に供給してもよい。
【0014】
駆動回路14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、共通電極COML(
図7参照)に表示用の駆動信号Vcomdc、検出用の第1駆動信号VTP及び第2駆動信号TSVcomを供給する回路である。
【0015】
制御部11は、表示パネル10における、使用者の手指やタッチペン等の被検出体(以後、単に被検出体と称する場合がある)を検出する検出動作を制御する。表示パネル10は、相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、表示パネル10の表示面に接触又は近接した指の位置を検出する機能を含む。又、表示パネル10は、電磁誘導方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、表示面に接触又は近接したタッチペンを検出する機能を含む。
【0016】
表示パネル10は、電磁誘導方式によりタッチペンの接触又は近接を検出した場合、第1検出信号Vdet1を検出部40に出力する。また、表示パネル10は、相互静電容量方式により指の接触又は近接を検出した場合、第2検出信号Vdet2を検出部40に出力する。
【0017】
検出部40は、電磁誘導方式のタッチ検出において、制御部11から供給される制御信号と、表示パネル10から出力される第1検出信号Vdet1とに基づいて、表示パネル10の表示面へのタッチペンのタッチの有無を検出する。また、検出部40は、相互静電容量方式のタッチ検出において、制御部11から供給される制御信号と、表示パネル10から出力される第2検出信号Vdet2とに基づいて、表示面への指のタッチの有無を検出する。検出部40は、タッチがある場合においてタッチ入力が行われた座標などを求める。
【0018】
図1に示すように、検出部40は、第1アナログフロントエンド回路47A(以下、第1AFE(Analog Front End)47Aと表す)と、第2アナログフロントエンド回路47B(以下、第2AFE47Bと表す)と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46と、を備える。
【0019】
第1AFE47Aは、第1増幅部42Aと、第1A/D変換部43Aとを含む。第2AFE47Bは、第2増幅部42Bと、第2A/D変換部43Bとを含む。第1増幅部42Aは、表示パネル10から供給された第1検出信号Vdet1を増幅する。第1A/D変換部43Aは、第1駆動信号VTPに同期したタイミングで、第1増幅部42Aから出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。第1AFE47Aは、第1検出信号Vdet1をデジタル信号に変換して信号処理部44に出力するアナログ信号処理回路である。同様に、第2増幅部42Bは、表示パネル10から供給された第2検出信号Vdet2を増幅する。第2A/D変換部43Bは、第2駆動信号TSVcomに同期したタイミングで、第2増幅部42Bから出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。第2AFE47Bは、第2検出信号Vdet2をデジタル信号に変換して信号処理部44に出力するアナログ信号処理回路である。
【0020】
信号処理部44は、第1AFE47A及び第2AFE47Bの出力信号に基づいて、表示パネル10に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、被検出体による検出信号の差分の信号(絶対値|ΔV|)を取り出す処理を行う。信号処理部44は、絶対値|ΔV|を所定のしきい値電圧と比較し、この絶対値|ΔV|がしきい値電圧未満であれば、被検出体が非接触状態であると判断する。一方、信号処理部44は、絶対値|ΔV|がしきい値電圧以上であれば、被検出体の接触状態又は近接状態と判断する。このようにして、検出部40はタッチ検出が可能となる。
【0021】
本明細書において、「接触状態」とは、被検出体が表示面に接触した状態又は接触と同視し得るほど近接した状態を含む。また、「非接触状態」とは、被検出体が表示面に接触していない状態又は接触と同視できるほどには近接していない状態を含む。
【0022】
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。座標抽出部45は、タッチパネル座標を出力信号Voutとして出力する。座標抽出部45は、出力信号Voutを制御部11に出力してもよい。制御部11は出力信号Voutに基づいて、所定の表示動作又は検出動作を実行することができる。
【0023】
検出タイミング制御部46は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、第1AFE47A及び第2AFE47Bと、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。
【0024】
なお、検出部40の第1AFE47A及び第2AFE47Bと、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とは、表示装置1に搭載される。ただし、これに限定されず、検出部40の全部又は一部の機能は外部のプロセッサ等に搭載されてもよい。例えば、信号処理部44及び座標抽出部45が、表示装置1とは別の外部のコントローラ200に搭載されてもよい。
【0025】
表示パネル10は、静電容量方式のタッチ検出の基本原理に基づいたタッチ制御と、電磁誘導方式のタッチ検出の基本原理に基づいたタッチ制御がなされる。ここで、
図2を参照して、本実施形態の表示パネル10の相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理について説明する。
図2は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。なお、
図2は、検出回路を併せて示している。また、以下の説明では、被検出体として指が接触又は近接する場合を説明するが、指に限られず、例えばスタイラスペン等であってもよい。
【0026】
例えば、
図2に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及び検出電極E2を備えている。容量素子C1には、駆動電極E1と検出電極E2との対向面同士の間に形成される電気力線に加え、駆動電極E1の端部から検出電極E2の上面に向かって延びるフリンジ分の電気力線が生じる。容量素子C1は、その一端が交流信号源に接続され、他端は電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば、
図1に示す検出部40に含まれる。
【0027】
交流信号源から駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加される。非接触状態では、電圧検出器DETに、容量素子C1の容量値に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動に変換する。
【0028】
接触状態では、
図2に示すように、指によって形成される静電容量C2が、検出電極E2と接触し、又は接触と同視し得るほど近傍にある。これにより、駆動電極E1と検出電極E2との間にあるフリンジ分の電気力線が指により遮られる。このため、容量素子C1は、非接触状態での容量値よりも容量値の小さい容量素子として作用する。
【0029】
電圧検出器DETから出力される電圧信号の接触状態での振幅は、非接触状態に比べて小さくなる。この電圧信号の差分の絶対値|ΔV|は、被検出体の有無によって変化する。検出部40は、絶対値|ΔV|を所定のしきい値電圧と比較することで、被検出体が非接触状態であるか、接触状態又は近接状態であるかが判断される。
【0030】
次に、
図3及び
図4を参照して、本実施形態の表示パネル10の電磁誘導方式によるタッチ検出の基本原理について説明する。
図3は、電磁誘導方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、磁界発生期間の説明図である。
図4は、電磁誘導方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、磁界検出期間の説明図である。
【0031】
図3及び
図4に示すように、電磁誘導方式では、タッチペン100の接触又は近接を検出する。タッチペン100の内部には、共振回路101が設けられている。共振回路101は、コイル102と容量素子103とが並列接続されて構成される。
【0032】
電磁誘導方式では、送信コイルCTと受信コイルCRが重なって設けられる。送信コイルCTxは、第1方向Dxに長手を有し、受信コイルCRxは、第2方向Dyに長手を有する。受信コイルCRxは、平面視で送信コイルCTxと交差して設けられる。送信コイルCTxは、交流信号源(駆動信号源)に接続され、受信コイルCRxは電圧検出器DET(
図2参照)に接続される。
【0033】
図3に示すように、磁界発生期間では、交流信号源から送信コイルCTxに所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波が印加される。これにより、送信コイルCTxに電流が流れ、送信コイルCTxはこの電流変化に応じた磁界M1を発生する。タッチペン100が接触又は近接している場合、送信コイルCTxとコイル102との相互誘導による起電力がコイル102に発生する。これにより、容量素子103が充電される。
【0034】
次に、
図4に示す磁界検出期間では、タッチペン100のコイル102は、共振回路101の共振周波数に応じて変化する磁界M2を発生する。磁界M2が受信コイルCRxを通過することで、受信コイルCRxとコイル102との相互誘導による起電力が受信コイルCRxに発生する。電圧検出器DETには、受信コイルCRxの起電力に応じた電流が流れる。
【0035】
電圧検出器DETは、受信コイルCRxの起電力に応じた電流の変動を電圧の変動に変換する。検出部40は、上述したように絶対値|ΔV|を所定のしきい値電圧と比較することで、タッチペン100が非接触状態であるか、接触状態又は近接状態であるかを判断する。送信コイルCTx及び受信コイルCRxをそれぞれ走査することにより、検出部40は、電磁誘導方式のタッチ検出の基本原理に基づいてタッチペン100の検出が可能となる。
【0036】
次に、本実施形態の表示装置1の構成例を詳細に説明する。
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
図5に示すように、表示装置1は、画素基板2と、対向基板3と、表示機能層としての液晶層6と、カバー部材50とを備える。対向基板3は、画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置される。また、液晶層6は画素基板2と対向基板3との間に設けられる。
【0037】
カバー部材50は、対向基板3の表面に設けられる。カバー部材50の第1面50aは、画像が表示される表示面であり、被検出体が接触又は近接する検出面である。本実施形態において、タッチ検出は、第1面50aに直接、接触する被検出体を検出する場合を含む。また、タッチ検出は、第1面50aに保護フィルム(図示しない)等が設けられ、保護フィルムに接触する被検出体を検出する場合も含む。
【0038】
カバー部材50は、接着層55を介して偏光板36と接着される。カバー部材50は、ガラス基板であってもよく、透光性の樹脂材料等を用いたフィルム状の基材であってもよい。第1面50a側の外部から入射した光(外光)は、画素基板2の画素電極25によって反射されて第1面50aから出射する。本実施形態の表示装置1は、この反射光を利用して画像を表示する反射型液晶表示装置である。
【0039】
なお、本明細書において、第1面50aと平行な方向を第1方向Dxとし、第1面50aと平行な面において第1方向Dxと交差する方向を第2方向Dyとする。また、第1面50aに垂直な方向を第3方向Dzとする。また、本明細書において、第1基板21に垂直な方向において、第1基板21から第2基板31に向かう方向を「上側」とする。また、第2基板31から第1基板21に向かう方向を「下側」とする。また、「平面視」とは、第1基板21の表面に垂直な方向から見た場合を示す。
【0040】
画素基板2は、第1基板21と、第1電極24と、画素電極25と、信号線SGLと、絶縁層23、平坦化膜29と、配向膜28とを有する。第1電極24、信号線SGL及び画素電極25は、この順で第1基板21に設けられる。第1基板21は、例えば、ガラス基板が用いられる。なお、第1基板21には、信号線SGLに加え、図示しない回路素子や、ゲート線GCL等の各種配線が設けられる。回路素子は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子や、容量素子を含む。
【0041】
画素電極25は、平坦化膜29の上に複数設けられる。配向膜28は、画素基板2の最表面に配置され、画素電極25と液晶層6との間に設けられる。画素電極25は、例えばアルミニウム(Al)や銀(Ag)等の金属で形成されている。また、画素電極25は、これらの金属材料と、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料とを積層した構成としてもよい。画素電極25は、良好な反射率を有する材料が用いられ、外部から入射する光を拡散反射させる反射電極として形成される。
【0042】
第1電極24は、第1基板21の表面に対して垂直な方向において、第1基板21と画素電極25との間に設けられる。第1電極24は、絶縁層23、平坦化膜29を介して画素電極25と重なって設けられる。これにより、第1電極24と画素電極25との間に保持容量53(
図6参照)が形成される。本実施形態において、第1電極24は、さらに、表示パネル10の受信コイルCRx(
図3、
図4参照)として機能する。
【0043】
対向基板3は、第2基板31と、第2基板31の一方の面に設けられたカラーフィルタ32と、共通電極COMLと、配向膜38と、第2基板31の他方の面に設けられた第2電極TDLと、絶縁層35と、偏光板36とを有する。本実施形態において、第2基板31は、例えば、ガラス基板又は樹脂基板である。第2電極TDLは、表示パネル10の検出電極E2(
図2参照)として機能する。
【0044】
カラーフィルタ32は、第1基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は第1基板21の上に配置されてもよい。カラーフィルタ32は、例えば、色領域32R(赤色)、色領域32G(緑色)、色領域32B(青色)の3つのフィルタを有する。カラーフィルタ32は、W(白色)のフィルタを含んでいてもよく、或いは5つ以上の異なる色のフィルタを含んでいてもよい。色領域32R、32G、32Bの境界部分に遮光層39が設けられる。遮光層39は、いわゆるブラックマトリクスと呼ばれる着色された樹脂層、或いは金属層である。
【0045】
共通電極COMLは、第2基板31に対して、第2電極TDLの反対側に設けられる。また、共通電極COMLは、第1基板21と垂直な方向において、カラーフィルタ32と液晶層6との間に設けられる。共通電極COMLは、透光性の導電材料、例えばITO等で形成されている。
【0046】
液晶層6は、例えば、ネマティック(Nematic)液晶を含んでいる。液晶層6の液晶分子は、共通電極COMLと画素電極25との間に電界が発生していない状態では、初期配向状態で静止している。そして、表示期間Pd(
図9参照)に、共通電極COMLと画素電極25との間の電圧レベルが変更され、共通電極COMLと画素電極25の間に電界が発生する。これにより、液晶分子は初期配向からの向きを変更する。当該電界は、画素電極25ごとに異ならせることができる。これにより、液晶層6を透過する光が副画素SPixごとに変調する。
【0047】
このような構成により、第1基板21、複数の第1電極24、複数の画素電極25、表示機能層としての液晶層6、複数の共通電極COML及び複数の第2電極TDLは、この順で重なって設けられる。また、共通電極COMLと第2電極TDLとの間には、絶縁基板である第2基板31が設けられる。表示装置1の第1面50a側から入射する入射光は、対向基板3及び液晶層6を透過して画素電極25に到達する。そして、入射光は画素電極25で反射される。画素電極25で反射された光は、液晶層6を透過して副画素SPixごとに変調されて第1面50aから出射される。
【0048】
また、表示装置1は、外部の光を反射させて表示を行う反射型表示装置であるため、フロントライトやバックライト等の光源は配置されていない。これに限定されず、フロントライトやバックライト等の光源を備えていてもよい。この場合、フロントライトは第1面50a側に設けられる。また、バックライトは、画素基板2の背面、すなわち、第1基板21に対して液晶層6の反対側に設けられる。バックライトを用いる場合、バックライトからの光は画素電極25の間を通過して第1面50aに至る。バックライトからの光は補助光として機能する。
【0049】
次に表示装置1の表示動作について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の画素配列を表す回路図である。
図5に示す第1基板21には、各副画素SPixのスイッチング素子Tr、各画素電極25に画素信号Vpixを供給する信号線SGL、各スイッチング素子Trを駆動する駆動信号を供給するゲート線GCL等の配線が形成されている。複数のゲート線GCLと、これら複数の信号線SGLとは交差して設けられる。これらゲート線GCLと信号線SGLによって表示領域Ad(
図7参照)が行列状に区画されている。この1区画領域を副画素SPixという。
【0050】
図6に示すように、表示装置1は、マトリクス状に配列された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれスイッチング素子Tr、液晶素子52及び保持容量53を備えている。副画素SPixには画素電極25(
図5参照)が設けられ、各画素電極25はスイッチング素子Trに接続されている。スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。液晶素子52は、画素電極25と共通電極COMLとの間で発生する液晶容量を含む。保持容量53は、画素電極25と第1電極24との間に形成される容量を用いることができる。これに限定されず、容量素子を設けてもよい。
【0051】
複数のゲート線GCLは、ゲートドライバ12に接続される。ゲートドライバ12は、ゲート線GCLを順次選択する。ゲートドライバ12は、選択されたゲート線GCLを介して走査信号Vscan(
図1参照)をスイッチング素子Trのゲートに印加する。これにより、副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)が表示駆動の対象として順次選択される。また、複数の信号線SGLは、ソースドライバ13に接続される。ソースドライバ13は、選択された1水平ラインを構成する副画素SPixに、信号線SGLを介して画素信号Vpixを供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われる。
【0052】
この表示動作を行う際、駆動回路14(
図1参照)は、共通電極COML及び第1電極24に対して表示用の駆動信号Vcomdcを印加する。これにより、各共通電極COML及び第1電極24は、表示動作時には画素電極25に対する共通電極として機能する。本実施形態では、共通電極COMLはゲート線GCLに沿って設けられ、信号線SGLと交差する。なお、これに限定されず、共通電極COMLはゲート線GCLと交差して設けられていてもよい。
【0053】
上述した
図6に示す各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として対応付けられ、3色の色領域32R、32G、32Bに対応する副画素SPixを1組として画素Pixが構成される。
【0054】
次に、共通電極COML及び第2電極TDLの構成と、タッチ検出動作について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る表示装置を模式的に表す平面図である。
図7に示すように、表示装置1は、表示領域Adと、周辺領域Gdとが設けられている。本明細書において、表示領域Adは、画像を表示させるための領域であり、複数の画素Pix(副画素SPix)と重なる領域である。本実施形態において、表示領域Adの長辺に沿った方向を第2方向Dyとし、第2方向Dyと交差する方向を第1方向Dxとする。
【0055】
図7に示すように、共通電極COMLは、表示領域Adに設けられる。共通電極COMLは、第2方向Dyに長尺に設けられ、第1方向Dxに複数配列されている。第2電極TDLは、表示領域Adに設けられる。第2電極TDLは第1方向Dxに沿って設けられ、第2方向Dyに複数配列される。すなわち、共通電極COMLと第2電極TDLとは、平面視で互いに交差して設けられる。また、共通電極COML、第2電極TDL共に帯状に形成されている。共通電極COMLと第2電極TDLとの交差部分及びその周辺にそれぞれ静電容量が形成される。
【0056】
第2電極TDLは、数μmから十数μm程度の線幅を有する金属細線をジグザグ線、波線、或いは、メッシュ状に形成して構成される。なお、第2電極TDLは、共通電極COMLと同様に、ITO等の透光性導電材料を用いてもよい。
【0057】
図7に示すように、第1基板21及び第2基板31の周辺領域Gdには、フレキシブル基板110が接続される。フレキシブル基板110には、表示パネル10の検出動作を制御するタッチIC49が設けられている。第2電極TDLは、それぞれタッチIC49に電気的に接続される。さらに、第1基板21の周辺領域Gdには、表示パネル10の表示動作を制御する駆動IC19が設けられている。共通電極COMLは、それぞれ駆動IC19に電気的に接続される。
図1に示すソースドライバ13、駆動回路14等の各種回路は、駆動IC19に形成されている。駆動IC19と表示領域Adとの間にマルチプレクサ16が形成されている。また、
図1に示す第1AFE47A及び第2AFE47Bは、タッチIC49に形成されている。
【0058】
第1基板21の周辺領域Gdの長辺には、ゲート走査部12A等の各種回路が設けられている。また、第1基板21の周辺領域Gdの短辺には、共通電極走査部14A等の各種回路が設けられている。ゲート走査部12Aは、ゲートドライバ12(
図1参照)に含まれる回路であり、ゲート線GCLを順次選択する。共通電極走査部14Aは、共通電極COMLを順次、又は同時に選択する回路である。共通電極走査部14Aは、共通電極COMLと電気的に接続され、駆動IC19からの各種駆動信号を共通電極COMLに供給する。なお、周辺領域Gdのうち、共通電極走査部14Aが設けられた領域と、共通電極走査部14A及びマルチプレクサ16が設けられた領域を周辺回路領域80とする。
【0059】
この構成により、相互静電容量方式のタッチ検出を行う場合には、駆動IC19は共通電極COMLに時分割的に第2駆動信号TSVcomを供給する。この場合、共通電極走査部14Aは、複数の共通電極COMLを同時に選択して、駆動電極ブロックBkごとに順次、第2駆動信号TSVcomを供給してもよい。そして、共通電極COMLと第2電極TDLとの間の静電容量変化に応じた第2検出信号Vdetが第2電極TDLからタッチIC49に出力されることにより、被検出体のタッチ検出が行われる。つまり、共通電極COMLは、上述した相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、第2電極TDLは検出電極E2に対応する。
【0060】
図8は、第1の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図8に示すように、第1電極24は、第1方向Dxに長尺に設けられ、第2方向Dyに複数配列されている。第1電極24は、平面視で共通電極COMLと交差して設けられ、第2電極TDLと同じ方向に長手を有する帯状である。また、信号線SGLは、第1基板21と液晶層6との間に配置される。信号線SGLは、第2方向Dyに沿って設けられ、第1方向Dxに沿って複数並んで設けられる。複数の信号線SGLは、平面視で各第1電極24及び各第2電極TDLと交差すると共に、共通電極COMLと同じ方向に長手を有する。
【0061】
第1AFE47Aは、マルチプレクサ48を介して第1電極24と電気的に接続される。また、第2AFE47Bは、マルチプレクサ48を介して第2電極TDLと電気的に接続される。駆動IC19は、切り換え信号Vssをマルチプレクサ48に供給する。マルチプレクサ48は、切り換え信号Vssに基づいて、第1電極24及び第2電極TDLと、第1AFE47A及び第2AFE47Bとの間の接続状態を変更する回路である。マルチプレクサ48は、電磁誘導方式の際に、第1電極24と第1AFE47Aとを接続し、相互静電容量方式の際には、第2電極TDLと第2AFE47Bとを接続する。マルチプレクサ48は、第2基板31に設けられていてもよく、タッチIC49に形成されていてもよい。第1AFE47A及び第2AFE47Bからの出力信号は、外部のコントローラ200に供給される。コントローラ200は、例えば、制御基板に実装されたホストICである。
【0062】
電磁誘導方式のタッチ検出の際、駆動IC19(
図7参照)は、共通電極COMLに第1駆動信号VTPを供給する。共通電極COMLは、電磁誘導方式のタッチ検出の際に送信コイルCTxとして機能する。これにより、共通電極COML、タッチペン100及び第1電極24の間でそれぞれ電磁誘導が生じる。第1電極24には、タッチペン100との相互誘導により起電力が発生する。この起電力に応じた第1検出信号Vdet1が、マルチプレクサ48を介して第1電極24から第1AFE47Aに供給される。これにより、電磁誘導方式のタッチ検出が行われる。
【0063】
相互静電容量方式のタッチ検出の際、駆動IC19(
図7参照)は、共通電極COMLに第2駆動信号TSVcomを供給する。共通電極COMLと第2電極TDLとの間の静電容量変化に応じた第2検出信号Vdetが、マルチプレクサ48を介して第2電極TDLから第2AFE47Bに供給される。これにより、相互静電容量方式のタッチ検出が行われる。
【0064】
本実施形態において、電磁誘導方式のタッチ検出の際、駆動IC19は、信号線SGLにも第1駆動信号VTPを供給する。また、相互静電容量方式のタッチ検出の際、駆動IC19は、信号線SGLにも第2駆動信号TSVcomを供給する。つまり、信号線SGLは、共通電極COMLと同様に、相互静電容量方式では駆動電極E1として機能し、電磁誘導方式では送信コイルCTxとして機能する。これにより、相互静電容量方式及び電磁誘導方式のタッチ検出での検出感度を向上させることができる。
【0065】
共通電極COMLは、表示の際の共通電極、相互容量方式によるタッチ検出の際の駆動電極、及び、電磁誘導方式の際の送信コイルの機能を有する。このため、それぞれの動作に応じて接続状態を変更する必要がある。次に、共通電極COMLの接続構成について説明する。
図9は、表示期間での共通電極の接続構成を示す回路図である。
図10は、第1センサ期間での共通電極の接続構成を示す回路図である。
図11は、第2センサ期間での共通電極の接続構成を示す回路図である。
【0066】
図9から
図11に示すように、複数の共通電極COML1、COML2、COML3、COML4、COML5が配列されている。なお、以下の説明において、共通電極COML1、COML2、COML3、COML4、COML5を区別して説明する必要がない場合には、共通電極COMLと表す。また、共通電極COMLと交差して複数の第1電極24(1)、24(2)、24(3)、24(4)が配列されている。なお、以下の説明において、第1電極24(1)、24(2)、24(3)、24(4)を区別して説明する必要がない場合には、第1電極24と表す。
【0067】
図9から
図11に示すように、表示用の駆動信号Vcomdcは、配線L11を介して共通電極COMLに供給される。また、第2電圧VTPLは配線L12を介して共通電極COML及び信号線SGLに供給される。第1電圧VTPHは、配線L13を介して共通電極COML及び信号線SGLに供給される。配線L14は、共通電極COMLと配線L11、L12、L13とを接続する。配線L15は、共通電極COMLの同じ側の端部どうしを接続する。
【0068】
ここで、第1電圧VTPHは、第1電位を有する直流の電圧信号である。また、第2電圧VTPLは、第1電位よりも小さい第2電位を有する直流の電圧信号である。
【0069】
スイッチS1は、配線L11と共通電極COMLの一端との間に設けられる。スイッチS2は、配線L15と共通電極COMLの一端との間に設けられる。走査信号Vscan(
図1参照)の高レベル電圧VGHは、スイッチS3を介してゲート線GCLに供給される。走査信号Vscanの低レベル電圧VGLは、スイッチS4を介してゲート線GCLに供給される。画素信号Vpixは、スイッチS5を介して信号線SGLに供給される。
【0070】
スイッチS6は、信号線SGLと配線L14(共通電極COML)との間に設けられる。スイッチS7は、配線L11と配線L14(共通電極COML)との間に設けられる。スイッチS8は、配線L12と配線L14(共通電極COML)との間に設けられる。スイッチS9は、配線L13と配線L14(共通電極COML)との間に設けられる。スイッチS10は、共通電極COMLに対してスイッチS6の反対側に設けられ、信号線SGLと共通電極COMLとの間に設けられる。スイッチS6及びスイッチS10は、それぞれ信号線SGLと共通電極COMLとの同側の端部どうしの接続と遮断とを切り替える。
【0071】
一対の第1電極24(1)と第1電極24(2)のうち、一方の第1電極24(1)の一端は配線L17を介して配線L11に接続される。なお、以下の説明では、
図9から
図11を参照しつつ、第1電極24の一端を左端とし、他端を右端と表す。一方の第1電極24(1)と他方の第1電極24(2)の同側の右端どうしは、配線L16を介して接続される。これにより、一対の第1電極24(1)と第1電極24(2)とは、ループ状に接続される。また、第1電極24(2)の左端は、スイッチS11を介して配線L11に接続され、又は、第1電極24(2)の左端は、スイッチS12を介して第1AFE47Aに接続される。一対の第1電極24(3)と第1電極24(4)も、同様にループ状に接続される。
【0072】
図9に示すように、表示期間Pdにおいて、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチS1及びスイッチS7がオンになる。これにより共通電極COMLの一端はスイッチS1を介して配線L11と接続され、他端は配線L14、スイッチS7を介して配線L11と接続される。これにより、表示用の駆動信号Vcomdcは、配線L11を介して共通電極COMLの両端に供給される。
【0073】
また、表示期間Pdにおいて、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチS11がオンになり、スイッチS12がオフになる。これにより各第1電極24の左端は、それぞれ配線L17又はスイッチS11を介して配線L11と接続される。これにより、表示用の駆動信号Vcomdcは、配線L11を介して各第1電極24に供給される。このように、共通電極COMLに加え第1電極24にも表示用の駆動信号Vcomdcが供給される。
【0074】
ゲート線GCLに接続されたスイッチS3とスイッチS4とは、互いに反転した動作を行う。スイッチS3は順次オンとなり、選択されたゲート線GCLに走査信号Vscanの高レベル電圧VGHが供給される。なお、選択されていないゲート線GCLには、低レベル電圧VGLが供給される。また、スイッチS5はオンとなり、信号線SGLに画素信号Vpixが供給される。
【0075】
表示期間Pdにおいて、スイッチS6及びスイッチS10はオフとなり、信号線SGLは共通電極COMLと遮断される。また、スイッチS8、S9は、全てオフとなり、共通電極COMLは、それぞれ、配線L12、配線L13と遮断される。これにより、第1電圧VTPH及び第2電圧VTPLは共通電極COML及び信号線SGLに供給されない。
【0076】
以上のように表示期間Pdでは、信号線SGLを介して画素電極25に画素信号Vpixが供給されると共に、共通電極COML及び第1電極24に共通信号としての駆動信号Vcomdcが供給される。
【0077】
図10に示すように、電磁誘導方式のタッチ検出を行う第1センサ期間Pemでは、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチS5がオフになり、スイッチS6及びスイッチS10がオンになる。これにより、共通電極COMLと、共通電極COMLと重なる信号線SGLとが電気的に接続される。信号線SGLは、配線L14を介して共通電極COMLに供給される第1駆動信号VTPと同じ信号が供給される。
【0078】
図10では、共通電極COML2と共通電極COML4とが駆動電極ブロックBkとして選択される場合を説明する。共通電極COML2と共通電極COML4との間の領域が検出領域Aemとなる。具体的には、共通電極COML2及び共通電極COML4の一端側に接続されたスイッチS2がそれぞれオンになる。これにより、共通電極COML2の一端と共通電極COML4の一端とが、配線L15を介して接続される。共通電極COML2、配線L15及び共通電極COML4は、検出領域Aemを囲んでループ状に接続される。これにより、共通電極COML2及び共通電極COML4は、送信コイルCTx(
図3参照)として形成される。
【0079】
このように、複数の共通電極COMLのうち、一対の共通電極COML(例えば共通電極COML2と共通電極COML4)の同側の端部を接続するスイッチS2が設けられている。制御部11は、第1センサ期間Pemに、スイッチS2の動作により一対の共通電極COMLどうしを接続する。これにより、一対の共通電極COMLは送信コイルCTxとして形成される。また、制御部11は、第1センサ期間Pemとは異なる期間に、スイッチS2の動作により一対の共通電極COMLどうしを非接続状態とする。
【0080】
共通電極COML2の他端側に接続されたスイッチS8はオフになり、スイッチS9はオンになる。これにより、共通電極COML2の他端及び共通電極COML2と重なる信号線SGLに、配線L13、L14を介して第1電圧VTPHが供給される。また共通電極COML4の他端側に接続されたスイッチS8はオンになり、スイッチS9はオフになる。これにより、共通電極COML4の他端及び共通電極COML4と重なる信号線SGLに、配線L12、L14を介して第2電圧VTPLが供給される。第1電圧VTPH及び第2電圧VTPLは、いずれも直流の電圧信号である。各スイッチの動作を所定の周波数で切り替えることで、交流の電圧信号である第1駆動信号VTPが形成される。共通電極COML2、COML4に第1駆動信号VTPが供給される。
【0081】
第1電圧VTPHと第2電圧VTPLとの電位差に応じた電流が、共通電極COML2と共通電極COML4に流れる。この電流により、検出領域Aemを通る磁界が発生する。共通電極COML2、COML4に流れる電流により磁界が発生し、電磁誘導が形成される。
【0082】
また、第1センサ期間Pemでは、配線L11は、接地されて、第1電極24(1)の左端及び第1電極24(3)の左端に接地電圧GNDが供給される。また、第1電極24(2)と第1電極24(4)の左端に接続されたスイッチS11はオフになり、スイッチS12はオンになる。これにより、第1電極24(2)の左端及び第1電極24(4)の左端は、スイッチS12を介して第1AFE47Aに接続される。これにより、一対の第1電極24(1)及び第1電極24(2)は、受信コイルCRx(
図3参照)として形成される。また、一対の第1電極24(3)及び第1電極24(4)も、受信コイルCRxとして形成される。そして、第1電極24には電磁誘導に基づく起電力が発生する。この起電力に応じた電流が第1AFE47Aに供給される。これにより、電磁誘導方式のタッチ検出が行われる。
【0083】
一方、共通電極COML1、COML3、COML5の他端側に接続されたスイッチS7、S8、S9はオフになる。これにより、共通電極COML1、COML3、COML5には、接地電圧GND、第1電圧VTPH及び第2電圧VTPLが供給されず、フローティング状態となる。また、共通電極COML1、COML3、COML5と重なる信号線SGLは、スイッチS6及びスイッチS10がオフになり、フローティング状態となる。
【0084】
なお、第1センサ期間Pemでは、スイッチS3が全てオフになり、スイッチS4は全てオンになる。これにより、ゲート線GCLに直流の電圧信号として低レベル電圧VGLが供給される。また、スイッチS5は全てオフになり、画素信号Vpixは信号線SGLに供給されない。
【0085】
図11に示すように、第2センサ期間Pesにおいても、スイッチS5がオフになり、スイッチS6及びスイッチS10がオンになる。これにより、共通電極COMLと、共通電極COMLと重なる信号線SGLとが電気的に接続される。また、スイッチS2はオフになる。これにより、共通電極COMLの他端どうしは非接続状態となる。
【0086】
図11では、共通電極COML3が駆動電極ブロックBkとして選択される場合を説明する。具体的には、共通電極COML3の他端側に接続されたスイッチS8とスイッチS9とが、交互にオン、オフ動作を繰り返す。これにより、共通電極COML3及びこれに重なる信号線SGLには、第1電圧VTPHと第2電圧VTPLとが交互に供給される。これにより、共通電極COML3及びこれに重なる信号線SGLに第2駆動信号TSVcomが供給される。
【0087】
共通電極COML1、COML2、COML4、COML5の他端側に接続されたスイッチS7はオンになる。これにより、共通電極COML1、COML2、COML4、COML5及びこれらに重なる信号線SGLには、配線L11を介して駆動信号Vcomdcが供給される。制御部11は、駆動電極ブロックBkを順次選択することで、静電容量方式により表示領域Adのタッチ検出が行われる。
【0088】
以上のような構成により、複数の信号線SGLは、制御部11からの制御信号に応じて、表示期間Pdには画素信号が供給される。また、複数の信号線SGLは、第1センサ期間Pemには、第1駆動信号VTPが供給される共通電極COMLに対向する信号線SGLに、第1駆動信号VTPと同じ電位信号が供給される。すなわち、第1センサ期間Pemでは共通電極COMLに加えて信号線SGLも送信コイルCTxとして機能する。信号線SGLから発生する磁界は、検出領域Aemで、共通電極COMLから発生する磁界と重なり合う。これにより、電磁誘導方式及び相互静電容量方式の検出感度が向上する。
【0089】
また第2センサ期間Pesには、第2駆動信号TSVcomが供給される共通電極COMLに対向する信号線SGLに、第2駆動信号TSVcomと同じ電位信号が供給される。すなわち、第2センサ期間Pesでは信号線SGLも駆動電極として機能する。
【0090】
次に、信号線SGLと共通電極COMLとの接続構成について説明する。
図12は、共通電極と信号線との接続構成を説明するための断面図である。
図13は、第1電極、信号線及び導通部を模式的に示す平面図である。
図14は、共通電極及び導通部を模式的に示す平面図である。
図15は、
図13のXV−XV’線に沿う断面図である。
【0091】
図12は、表示領域Adの最外周の1画素分と、これに隣接する周辺領域Gdを示している。
図12に示すように、画素基板2では、第1基板21の上に、スイッチング素子Tr、画素電極25、第1電極24、接続電極72、絶縁層23、平坦化膜29、配向膜28等が設けられている。配向膜28は、表示領域Adで画素電極28を覆って設けられる。また、配向膜28は、周辺領域Gdで導通部81と重ならない領域に設けられ、導電層71の一部と重なっている。スイッチング素子Trは、ゲート電極64、ソース電極62、半導体層61及びドレイン電極63を含む。ゲート電極64はゲート線GCLと同層に設けられ、ゲート線GCLの一部分がゲート電極64として用いられてもよい。ソース電極62は信号線SGLと同層に設けられ、信号線SGLの一部がソース電極62として用いられてもよい。
【0092】
画素電極25は、平坦化膜29に設けられたコンタクトホールを介してドレイン電極63と接続される。第1電極24は、ゲート電極64(ゲート線GCL)と同層に設けられる。また、第1電極24は、第1基板21の表面に垂直な方向において、ドレイン電極63及び画素電極25と重なって設けられる。
【0093】
図12に示すように、対向基板3では、第2基板31の一方の面にカラーフィルタ32が設けられる。また、第2基板31の周辺領域Gdには、加飾層37が設けられる。オーバーコート層34は、カラーフィルタ32と加飾層37を覆って設けられる。共通電極COMLは、オーバーコート層34と液晶層6との間に設けられる。また、第2基板31の他方の面に第2電極TDLが設けられる。共通電極COMLは、表示領域Adから周辺領域Gdまで連続して設けられる。ここで、共通電極COMLのうち、周辺領域Gdに設けられた部分を接続部COMLaとする。配向膜38は、表示領域Adで共通電極COMLを覆って設けられる。また、配向膜38は、周辺領域Gdで導通部81と重ならない領域に設けられ、接続部COMLaの一部と重なっている。
【0094】
周辺領域Gdには、第1基板21と第2基板31との間に導通部81が設けられている。導通部81は、第1基板21と第2基板31との間を封止するシール部である。導通部81は、封止材に分散された複数の導電粒子82を含む。導通部81は、平坦化膜29を介して周辺回路領域80の上側に設けられる。なお、
図12はあくまで模式的に示しており、導通部81に1つの導電粒子82のみ示している。これに限定されず、導電粒子82は導通部81に複数分散されて、共通電極COMLと導電層71とを電気的に接続する。
【0095】
導電層71は接続電極72と接続される。導電層71は、例えばITO等の透光性を有する導電性材料である。また、導通部81の導電粒子82を介して接続部COMLaと導電層71が接続されている。
図13に示すように、信号線SGLは、接続切り換え回路80Aを介して、接続電極72と電気的に接続される。これにより、共通電極COMLと、信号線SGLとが電気的に接続される。なお、接続切り換え回路80Aは、
図9から
図11に示すスイッチS1、S2、S5からS10等を含むスイッチ回路である。
【0096】
ここで、導通部81の中央部よりも外側で、第2基板31の外周までの領域を領域A51とする。接続部COMLaは、表示領域Adと周辺領域Gdの境界から、領域A51まで設けられていることが好ましい。これにより、接続部COMLaは、導通部81と電気的に接続される。また、第2電極TDLのうち周辺領域Gdに設けられた端部TDLaよりも外側で、第2基板31の外周までの領域を領域A52とする。接続部COMLaは、領域A52まで設けられていることが好ましい。こうすれば、周辺回路領域80と第2電極TDLとの間に接続部COMLaが設けられる。このため、接続部COMLaは、周辺回路領域80からのノイズをシールドすることができる。
【0097】
図13に示すように、第1電極24は、保持容量形成部24aと、配線24bとを含む。保持容量形成部24aは、ドレイン電極63及び画素電極25と重なって設けられ、ドレイン電極63及び画素電極25との間に保持容量を形成する。配線24bは、第1方向Dxに配列された保持容量形成部24aどうしを接続する。このような構成により、第1電極24は、全体として第1方向Dxに長手を有する長尺状に形成される。つまり、第1電極24は、
図14に示す共通電極COMLと交差する方向に長手を有する。また、
図14に示すようにカラーフィルタ32の色領域32R、32G、32Bは、平面視で共通電極COMLと同じ方向に長手を有する。
【0098】
図13及び
図14に示すように、接続電極72は、第1方向Dxに配列された複数の共通電極COMLにそれぞれ対応して設けられる。つまり、接続電極72は、導通部81を介して、共通電極COMLと1対1の関係で接続される。1つの共通電極COMLと重なる複数の信号線SGLは、接続切り換え回路80Aを介して1つの接続電極72に接続される。
【0099】
図14に示すように、隣り合う共通電極COMLどうしは、スリットSLCにより分離される。ここでスリットSLCの幅は、導電粒子82の径よりも大きい。これにより、隣り合う共通電極COMLどうしは、電気的に離隔される。複数の共通電極COMLのうち、1つの共通電極COMLが駆動電極ブロックBkとして選択される。駆動電極ブロックBk以外の共通電極COMLは非選択電極ブロックNBkである。駆動IC19(
図7参照)は、各種駆動信号を駆動電極ブロックBkに供給する。
【0100】
図13に示すように、駆動電極ブロックBkと重なって対向する複数の信号線SGLは、導通部81を介して駆動電極ブロックBkと電気的に接続される。これにより、複数の信号線SGLは、信号線ブロックBkSGとして、駆動電極ブロックBkと一体に機能する。信号線ブロックBkSGには、駆動電極ブロックBkに供給される各種駆動信号と同じ信号が供給される。
【0101】
具体的には、第1センサ期間Pem(
図10参照)では、例えば、共通電極COML2、COML4と重なって対向する複数の信号線SGLも送信コイルCTxとして機能する。すなわち、信号線SGLは、駆動IC19から第1駆動信号VTPが供給される。また、共通電極COML1、COML3、COML5と重なって対向する複数の信号線SGLは、第1駆動信号VTPが供給されず、フローティング状態となる。
【0102】
また、第2センサ期間Pes(
図11参照)では、駆動電極ブロックBkと重なる複数の信号線SGLにも、駆動IC19から第2駆動信号TSVcomが供給される。非選択電極ブロックNBkと重なる複数の信号線SGLには、駆動IC19から駆動信号Vcomdcが供給される。
【0103】
図13に示す例では、第1電極24(1)、24(2)、24(5)、24(6)が1つの受信コイルCRxを構成し、第1電極24(3)、24(4)、24(7)、24(8)が1つの受信コイルCRxを構成する。これらの2つの受信コイルCRxは、一部が重なり合って配置される。これにより、表示領域Adにおいて、受信コイルCRxよりも外側の領域、つまり、磁界の検出感度が低下する、或いは磁界を検出することができない不感領域が生じることを抑制できる。
【0104】
具体的には、第1電極24(1)及び第1電極24(2)の左端どうしが配線L19により接続される。第1電極24(1)及び第1電極24(2)の左端は、配線L19を介して配線L11に接続される。第1電極24(1)及び第1電極24(2)の右端どうしは配線L18により接続される。
【0105】
第1電極24(5)及び第1電極24(6)の左端どうしは配線L19により接続される。第1電極24(5)及び第1電極24(6)の左端はスイッチS11を介して配線L11に接続される。又は、第1電極24(5)及び第1電極24(6)の左端はスイッチS12を介して第1AFE47Aに接続される。第1電極24(5)及び第1電極24(6)の右端どうしは配線L18により接続される。
【0106】
第1電極24(1)及び第1電極24(2)の右端と、第1電極24(5)及び第1電極24(6)の右端とは配線L16Aを介して接続される。これにより、第1電極24(1)、24(2)と、第1電極24(5)、24(6)とがループ状に接続されて、1つの受信コイルCRxを構成する。
【0107】
第1電極24(3)、24(4)及び第1電極24(7)、24(8)も同様に1つの受信コイルCRxを構成する。一方の受信コイルCRxの、第1電極24(1)、24(2)と、第1電極24(5)、24(6)とで囲まれた領域に、他方の受信コイルCRxの第1電極24(3)、24(4)が配置される。また、他方の受信コイルCRxの、第1電極24(3)、24(4)と、第1電極24(7)、24(8)とで囲まれた領域に、一方の受信コイルCRxの第1電極24(5)、24(6)が配置される。このような構成により、2つの受信コイルCRxは、一部が重なり合って配置される。
【0108】
図13及び
図15に示すように、第1電極24(3)、24(4)の右端に接続された配線L16Bと、第1電極24(7)、24(8)の右端に接続された配線L16Bは、配線16Aを挟んで設けられる。言い換えると、一方の配線L16Bは、配線16Aを含む受信コイルCRxの内側に配置され、他方の配線L16Bは、配線16Aを含む受信コイルCRxの外側に配置される。ブリッジ部LBは、平面視で配線16Aと交差して設けられ、一方の配線L16Bと他方の配線L16Bとを接続する。
【0109】
図15に示すように、ブリッジ部LBは、配線16A及び配線16Bと異なる層に設けられる。ブリッジ部LBは、コンタクトホールH11を介して一方の配線L16Bと接続され、コンタクトホールH12を介して他方の配線L16Bと接続される。これにより、配線L16Bどうしが電気的に接続され、第1電極24(3)、24(4)と、第1電極24(7)、24(8)とがループ状に接続される。
【0110】
図15に示すように、ブリッジ部LBは信号線SGLと同じ層に設けられる。これにより、ブリッジ部LBは、信号線SGLと同じ材料が用いられ、信号線SGLと同じ工程で形成することができる。このため、ブリッジ部LBを信号線SGLと異なる層に形成した場合と比較して、ブリッジ部LBを形成するための工程を削減することができる。
【0111】
ここで、駆動電極ブロックBkの共通電極COMLはITOで形成されているのに対し、信号線ブロックBkSGの信号線SGLは金属により形成される。このため、信号線SGLは共通電極COMLに比べ著しく低抵抗である。これにより、駆動電極として信号線SGLを用いることにより、交流矩形波である第1駆動信号VTPや第2駆動信号TSVcomの鈍りを抑制することができる。係る点を
図16を参照して説明する。
【0112】
図16は、駆動電極に入力されるパルス波を説明するための説明図である。
図16に示す第1パルス波PW1、第2パルス波PW2及び第3パルス波PW3は、第1駆動信号VTPや第2駆動信号TSVcomに含まれる複数のパルス波のうち、1つのパルス波を例示している。第1パルス波PW1は、駆動電極に入力されるパルス波の理想状態の波形を示す。第2パルス波PW2は、ITOにより形成される共通電極COMLのみを駆動電極として用いた場合の波形を示す。ITOは抵抗が大きいため、交流矩形波が入力されると、第1パルス波PW1に比べ波形が鈍ってしまう。特に立下りで鈍りが大きくなる。
【0113】
これに対し、第3パルス波PW3は、ITOで形成された共通電極COMLに、信号線SGLを組み合わせて駆動電極として用いた場合の波形を示す。信号線SGLは金属である。このため、ITOと比較して信号線SGLの抵抗は著しく小さい。これによって、駆動電極全体としての応答性が向上し、第2パルス波PW2に比べ、第3パルス波PW3の特に立下りが急峻になる。これにより、本実施形態においては、電磁誘導方式、相互静電容量方式のいずれの場合であっても駆動信号の応答性が高められ、検出感度が向上する。
【0114】
なお、信号線SGLと、検出電極である第2電極TDLとの間に共通電極COMLや画素電極25が存在することとなる。この場合であっても、共通電極COMLは、信号線SGLと同じ信号が供給され、画素電極25は実質的にフローティング状態である。このため、共通電極COML及び画素電極25は、信号線SGLと同じ相で振られることとなり、これらが信号線SGLの駆動電極としての機能を阻害することを抑制できる。
【0115】
図17は、第1の実施形態に係る表示装置の動作例を示すタイミング波形図である。表示装置1は、タッチ検出動作(検出期間)及び表示動作(表示期間)を時分割に行う。タッチ検出動作及び表示動作はどのように分けて行ってもよい。例えば、表示パネル10の1フレーム期間、すなわち、1画面分の映像情報が表示されるのに要する時間の中において、タッチ検出及び表示をそれぞれ時分割に行う方法について説明する。
【0116】
図17に示すように、複数の表示期間Pdと、第1センサ期間Pemと第2センサ期間Pesとが交互に配置される。
【0117】
表示期間Pdにおいて、上述した表示動作が実行される。
図9に示したように、全ての共通電極COMLが、駆動電極ブロックBkとして選択される。駆動IC19は、配線L13を介して、駆動信号Vcomdcを駆動電極ブロックBkに供給する。同じ期間で、駆動電極ブロックBkと対向する信号線ブロックBkSG(信号線SGL)には画素信号Vpixが供給される。
【0118】
第1センサ期間Pemでは、
図10に示したように、駆動IC19は、第1電圧VTPHと第2電圧VTPLとを送信コイルCTxの両端に交互に供給する。これにより、送信コイルCTxを構成する駆動電極ブロックBkに第1駆動信号VTPが供給される。同じ期間で、駆動電極ブロックBkと重なって対向する信号線ブロックBkSGにも同じ第1駆動信号VTPが供給される。また、非選択電極ブロックNBk及び非選択信号線ブロックNBkSGは、第1駆動信号VTPが供給されずフローティング状態となる。
【0119】
このように、第1センサ期間Pemでは、第2基板31(
図5、
図12参照)に設けられた共通電極COMLに加え、第1基板21に設けられた信号線SGLも同時に駆動される。これにより、磁界M1の強度を高めることができる。
【0120】
なお、
図17に示すように、第1電圧VTPHは、電位V3を有する電圧信号である。第2電圧VTPLは、電位V3よりも小さい電位V2を有する電圧信号である。駆動信号Vcomdcは、電位V2よりも小さい電位V1を有する電圧信号である。
【0121】
第2センサ期間Pesでは、
図11に示したように、駆動IC19は、駆動電極ブロックBkに第2駆動信号TSVcomを供給する。同じ期間で、駆動電極ブロックBkと重なって対向する信号線ブロックBkSGにも同じ第2駆動信号TSVcomが供給される。また、非選択電極ブロックNBk及び非選択信号線ブロックNBkSGは、駆動信号Vcomdcが供給される。非選択電極ブロックNBk及び非選択信号線ブロックNBkSGは、固定された電位であればよく、例えば、第2電圧VTPLが供給されてもよい。
【0122】
なお、
図17に示すタイミング波形図は、あくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、表示期間Pd、第1センサ期間Pem及び第2センサ期間Pesの順番は適宜変更できる。また、1フレーム期間に、第1センサ期間Pem又は第2センサ期間Pesのいずれか一方のみを配置してもよい。表示期間Pd、第1センサ期間Pem及び第2センサ期間Pesの長さは互いに異ならせてもよい。
【0123】
(第2の実施形態)
図18は、第2の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図18に示すように、本実施形態の表示装置1Aにおいて、共通電極COMLAは、第1方向Dxに長尺に設けられ、第2方向Dyに複数配列されている。第2電極TDLAは、第2方向Dyに沿って設けられ、第1方向Dxに複数配列される。すなわち、第2電極TDLAは、平面視で、共通電極COMLAと交差する。共通電極COMLA、第2電極TDLA共に帯状に形成されている。本実施形態においても、共通電極COMLAと第2電極TDLAとの交差部分及びその周辺にそれぞれ静電容量が形成される。
【0124】
第1電極24は、第1方向Dxに長尺に設けられ、第2方向Dyに複数配列されている。第1電極24は、平面視で第2電極TDLAと交差して設けられ、共通電極COMLAと同じ方向に長手を有する帯状である。また、信号線SGLは、第2方向Dyに長尺に設けられ、第1基板21の第2方向Dyに沿う一方の辺から他方の辺に亘って、複数並んで設けられる。複数の信号線SGLは、平面視で第1電極24及び共通電極COMLAと交差すると共に、第2電極TDLAと同じ方向に長手を有する。
【0125】
電磁誘導方式のタッチ検出の際、駆動IC19は、共通電極COMLA及び第1電極24に第1駆動信号VTPを供給する。つまり、共通電極COMLAに加え、第1電極24も電磁誘導方式での送信コイルCTxとして機能する。これにより、共通電極COMLA及び第1電極24は電磁誘導を形成する。信号線SGLは、受信コイルCRx(
図3参照)を形成する。
【0126】
相互静電容量方式のタッチ検出の際、駆動IC19は共通電極COMLA及び第1電極24に、時分割的に第2駆動信号TSVcomを供給する。これにより、共通電極COMLAに加え第1電極24も相互静電容量方式のタッチ検出での駆動電極として機能する。そして、共通電極COMLA及び第1電極24と、第2電極TDLAとの間の静電容量変化に応じた第2検出信号Vdet2が、マルチプレクサ48を介して第2AFE47Bに供給される。
【0127】
本実施形態では、電磁誘導方式及び相互静電容量方式において、共通電極COMLAと第1電極24とが、同時に駆動される。第1電極24は金属であり、且つ、各画素Pix(副画素SPix)の保持容量を形成する保持容量形成部24aを有して大面積である。このため、ITOと比較して第1電極24の抵抗は著しく小さい。このため、第1の実施形態と同様、第1駆動信号VTP及び第2駆動信号TSVcomに対する応答性が向上する。
【0128】
次に、本実施形態の表示装置1Aにおける、共通電極COMLAの接続構成について説明する。
図19は、第2の実施形態に係る表示期間での共通電極の接続構成を説明するための回路図である。
図20は、第2の実施形態に係る第1センサ期間での共通電極の接続構成を示す回路図である。
図21は、第2の実施形態に係る第2センサ期間での共通電極の接続構成を示す回路図である。
【0129】
図19から
図21に示すように、複数の共通電極COMLA1、COMLA2、…、COMLAnが配列されている。なお、以下の説明において、共通電極COMLA1、COMLA2、…、COMLAnを区別して説明する必要がない場合には、共通電極COMLAと表す。
【0130】
共通電極走査部14Aは、第1配線L1a、L1bと、第2配線L2a、L2bと、スイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2bとを含む。共通電極走査部14Aは、共通電極COMLAの一端側と他端側の両方に設けられている。なお、以下の説明では、
図19から
図21を参照しつつ、共通電極COMLAの一端を左端とし、他端を右端と表す。共通電極COMLAの左端側に第1配線L1aと第2配線L2aとが設けられ、右端側に、第1配線L1bと第2配線L2bとが設けられる。
【0131】
スイッチSW1aは、共通電極COMLAの左端と第1配線L1aとの間に設けられる。スイッチSW2aは、共通電極COMLAの左端と第2配線L2aとの間に設けられる。スイッチSW1a及びスイッチSW2aは、それぞれの共通電極COMLAの左端に並列に接続される。また、スイッチSW1bは、共通電極COMLAの右端と第1配線L1bとの間に設けられる。スイッチSW2bは、共通電極COMLAの右端と第2配線L2bとの間に設けられる。スイッチSW1b及びスイッチSW2bは、共通電極COMLAの右端に並列に接続される。
【0132】
図19から
図21に示すように、駆動IC19は、第1配線L1a、L1b及び第2配線L2a、L2bを介して、各種信号を共通電極COMLAに供給する。駆動回路14(
図1参照)は、表示駆動信号供給部14a、検出駆動信号供給部14b、第1電圧供給部14c及び第2電圧供給部14dを含む。これらの各供給部は、駆動IC19に搭載されている。
【0133】
表示駆動信号供給部14aは、第2配線L2a、L2bを介して、表示用の駆動信号Vcomdcを共通電極COMLA及び第1電極24(
図18参照)に供給する。検出駆動信号供給部14bは、第1配線L1a、L1bを介して、検出用の第2駆動信号TSVcomを共通電極COMLA及び第1電極24に供給する。第1電圧供給部14cは、第1配線L1a、L1bを介して、第1電位を有する直流の第1電圧VTPHを共通電極COMLA及び第1電極24に供給する。第2電圧供給部14dは、第2配線L2a、L2bを介して、第1電位よりも小さい第2電位を有する直流の第2電圧VTPLを共通電極COMLA及び第1電極24に供給する。
【0134】
図19に示すように、表示期間Pdでは、制御部11からの制御信号に応じて、全てのスイッチSW1a、SW1bがオフになり、全てのスイッチSW2a、SW2bがオンになる。これにより、全ての共通電極COMLAは第1配線L1a、L1bと遮断され、全ての共通電極COMLAの左端に第2配線L2aが接続され、右端に第2配線L2bが接続される。
【0135】
これにより、表示期間Pdでは、表示駆動信号供給部14aは、第2配線L2a、L2bを介して、全ての共通電極COMLA及び第1電極24(
図18参照)に表示用の駆動信号Vcomdcを供給する。なお、これに限定されず、表示駆動信号供給部14aは、表示駆動の対象となる1水平ラインと重なる共通電極COMLに、時分割的に駆動信号Vcomdcを供給してもよい。
【0136】
図20に示すように、第1センサ期間Pemでは、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW1a、SW1b、スイッチSW2a、SW2bが動作し、駆動電極ブロックBkが選択される。具体的には、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4、COMLA6、COMLA7、COMLA8が駆動電極ブロックBkとして選択される。それ以外の共通電極COMLAは、非選択電極ブロックNBkである。共通電極COML4Aと共通電極COMLA6との間の領域は、被検出体を検出する検出領域Aemである。
【0137】
非選択電極ブロックNBkの共通電極COMLAでは、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW1a、SW1b及びスイッチSW2a、SW2bがオフになる。これにより、非選択電極ブロックNBkの共通電極COMLAはフローティング状態となる。
【0138】
共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の左側では、スイッチSW1aはオフになり、スイッチSW2aはオンになる。これにより、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の左端は、第2配線L2aと電気的に接続される。また、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の右側では、スイッチSW1bはオンになり、スイッチSW2bはオフになる。これにより、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の右端は、第1配線L1bと電気的に接続される。
【0139】
共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の左側では、スイッチSW1aはオンになり、スイッチSW2aはオフになる。これにより、共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の左端は、第1配線L1aと電気的に接続される。共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の右側では、スイッチSW1bはオフになり、スイッチSW2bはオンになる。これにより、共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の右端は、第2配線L2bと電気的に接続される。
【0140】
これにより、制御部11からの制御信号に応じて、第1センサ期間Pemに、少なくとも1つの共通電極(共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8)の左端側に第1電圧供給部14cが接続され、右端側に第2電圧供給部14dが接続される。また、少なくとも1つの共通電極の他の共通電極(共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4)の左端側に第2電圧供給部14dが接続され、右端側に第1電圧供給部14cが接続される。
【0141】
第2電圧供給部14dは、第2配線L2aを介して、第2電圧VTPLを共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の左端に供給する。また、第1電圧供給部14cは、第1配線L1bを介して、第1電圧VTPHを共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の右端に供給する。これにより、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の左端と右端とで電位差が生じ、電流I1が右端から左端に向かう方向に流れる。
【0142】
第1電圧供給部14cは、第1配線L1aを介して、第1電圧VTPHを共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の左端に供給する。また、第2電圧供給部14dは、第2配線L2bを介して、第2電圧VTPLを共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の右端に供給する。これにより、共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の左端と右端とで電位差が生じ、電流I2が左端から右端に向かう方向に流れる。
【0143】
このようにスイッチSW1a、SW2a、SW1b、SW2bの動作を切り替えることにより、共通電極COMLAの両端に供給される第1電圧VTPHと第2電圧VTPLとが変更される。これにより、共通電極COMLAに第1駆動信号VTPが供給される。電流I1、I2により磁界が発生する。
【0144】
電流I1と電流I2とは互いに反対方向に流れる。このため、電流I1により発生する磁界と、電流I2により発生する磁界は、検出領域Aemで重なり合う。これにより、検出領域Aemを通る磁界の強度を高めることができる。電流I1と電流I2とにより発生する磁界は、
図3に示す電磁誘導方式の磁界発生期間に発生する磁界M1に相当する。また、駆動電極ブロックBkに含まれる共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4、COMLA6、COMLA7、COMLA8が送信コイルCTxに相当する。
【0145】
制御部11は、共通電極COMLA1から共通電極COMLAnを、順次選択する。これにより、電磁誘導方式により、表示領域Adの全体のタッチ検出が行われる。
図20に示すように、周辺領域Gdにも共通電極COMLA1、COMLA2、COMLA3、COMLAnが設けられている。これにより、表示領域Adの周縁部においても磁界を発生させることができる。この場合、共通電極COMLA1、COMLA2、COMLA3、COMLAnは、検出領域Aemとは重ならない位置に設けられる。
【0146】
図20では、6つの共通電極COMLAにより送信コイルCTxが形成される。ただし、これに限定されず、検出領域Aemの一方に配置された1つ又は2つの共通電極COMLAと、他方に配置された1つ又は2つの共通電極COMLAとで送信コイルCTxを形成してもよい。検出領域Aemの一方に配置された4つ以上の共通電極COMLAと、他方に配置された4つ以上の共通電極COMLAとで送信コイルCTxを形成してもよい。また、これらの数が同数ではなく、一方の共通電極COMLAの数が他方の共通電極COMLAの数と異なる構成も採用可能である。
【0147】
図21に示すように、相互静電容量方式のタッチ検出を行う第2センサ期間Pesでは、制御部11からの制御信号に応じて、駆動電極ブロックBkの共通電極COMLAの両端に接続されたスイッチSW1a、SW1bがオンになる。また、スイッチSW2a、SW2bがオフになる。これにより、駆動電極ブロックBkが選択される。非選択電極ブロックNBkでは、共通電極COMLAの両端に接続されたスイッチSW2a、SW2bがオンになり、スイッチSW1a、SW1bがオフになる。
【0148】
検出駆動信号供給部14bは、第1配線L1a、L1bを介して、交流電圧信号である第2駆動信号TSVcomを駆動電極ブロックBkの共通電極COMLAに供給する。また、表示駆動信号供給部14aは、第2配線L2a、L2bを介して、直流電圧信号である駆動信号Vcomdcを非選択電極ブロックNBkの共通電極COMLAに供給する。第2電極TDLA(
図18参照)は、駆動電極ブロックBkとの間の容量変化に応じた第2検出信号Vdet2を第2AFE47Bに供給する。制御部11は、表示領域Adに設けられた共通電極COMLAを、順次選択する。なお、第2センサ期間Pesでは、第2電圧供給部14dが、非選択電極ブロックNBkに直流電圧信号である第2電圧VTPLを供給する構成も採用可能である。
【0149】
図22は、第1センサ期間での共通電極の接続構成の他の例を示す回路図である。
図22に示すように、共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の右側では、スイッチSW1bはオンになり、スイッチSW2bはオフになる。共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の左側のスイッチSW1a、スイッチSW2a及び共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4に接続されたスイッチSW1a、SW1b、スイッチSW2a、SW2bの動作は、
図20に示す例と同様である。
【0150】
駆動IC19の各供給部は、共通電極COMLAの右端側に配置された第1配線L1b及び第2配線L2bには、各種信号を供給しない。
【0151】
このような構成により、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の右端と、共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の右端とは、スイッチSW1b及び第1配線L1bを介して電気的に接続される。すなわち、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4と、第1配線L1bと、共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8とは、検出領域Aemを囲んでループ状に接続される。
【0152】
第1電圧供給部14cは、第1配線L1aを介して、第1電圧VTPHを共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の左端に供給する。また、第2電圧供給部14dは、第2配線L2aを介して、第2電圧VTPLを共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の左端に供給する。これにより、電流I3が共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8の左端から、第1配線L1bを介して、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4の左端に流れる。電流I3により検出領域Aemを通る磁界が発生する。
【0153】
このように、複数の共通電極COMLAのうち、一対の共通電極(共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4と共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8)の同側の端部を接続するスイッチSW1bが設けられている。制御部11は、第1センサ期間Pemに、スイッチSW1b、SW2bの動作により一対の共通電極COMLAどうしを接続する。また、制御部11は、第1センサ期間Pemとは異なる期間、例えば表示期間PdにスイッチSW1b、SW2bの動作により一対の共通電極COMLAどうしを非接続状態とする。
【0154】
このような構成であっても、共通電極COMLAは、第1センサ期間Pemに送信コイルCTxを構成する。また、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4を流れる電流I3の向きと、共通電極COMLA6、COMLA7、COMLA8を流れる電流I3の向きとが互いに反対になる。これにより検出領域Aemを通る磁界の強度を高めることができる。したがって、電磁誘導方式の検出感度を高めることができる。
【0155】
図23は、第2の実施形態に係る第1センサ期間での共通電極の接続構成の他の例を示す回路図である。本変形例では、共通電極COMLの右側では、第1配線L1b及び第2配線L2bにグランド電位GNDが供給される。共通電極COML2、COML3、COML4の右端は、スイッチS2bを介して第2配線L2bに接続される。共通電極COML2、COML3、COML4及び共通電極COML6、COML7、COML8の左側では、各スイッチの動作は、
図22に示す例と同様である。
【0156】
第1電圧供給部14cは、第1配線L1aを介して、第1電圧VTPHを共通電極COML6、COML7、COML8の左端に供給する。第1電圧VTPHとグランド電位GNDとの電位差により、共通電極COML6、COML7、COML8の左端から右端に向かって電流I3が流れる。また、第2電圧供給部14dは、第2配線L2aを介して、第2電圧VTPLを共通電極COML2、COML3、COML4の左端に供給する。第2電圧VTPLとグランド電位GNDとの電位差により、共通電極COML2、COML3、COML4の右端から左端に向かって電流I3が流れる。電流I3により検出領域Aemを通る磁界が発生する。このような構成であっても、共通電極COMLは、第1センサ期間Pemに送信コイルCTxを構成する。
【0157】
次に、本実施形態の表示装置1Aにおける、信号線SGLの接続構成について説明する。
図24は、第2の実施形態に係る表示期間での信号線の接続構成を説明するための回路図である。
図25は、第2の実施形態に係る第1センサ期間での信号線の接続構成を示す回路図である。
図26は、第2の実施形態に係る第2センサ期間での信号線の接続構成を示す回路図である。
【0158】
図24から
図26では、複数の信号線SGLのうち、4つの信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4を示す。なお、以下の説明において信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4を区別して説明する必要がない場合には、信号線SGLと表す。また、
図24から
図26では、共通電極COMLAを二点鎖線で示す。
【0159】
図24から
図26に示すように、信号線SGLは、平面視で共通電極COMLAと交差して設けられる。信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4の一端側には、スイッチSW3及び配線L3a、L3bが設けられている。スイッチSW3と配線L3aは、一対の信号線SGL1、SGL3の一端どうしを接続する。また、スイッチSW3と配線L3bは、一対の信号線SGL2、SGL4の一端どうしを接続する。信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4の他端側には、スイッチSW4a、SW4b、S5が接続されている。
【0160】
図24に示すように、表示期間Pdでは、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW3がオフになる。これにより、信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4の一端どうしが非接続状態となる。また、スイッチSW4a、SW4bはオフになり、スイッチS5はオンになる。これにより、信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4の他端は、第1AFE47A及び接地電位GNDと非接続状態となる。画素信号Vpixは、スイッチS5を介して信号線SGLに供給される。
【0161】
図25に示すように、第1センサ期間Pemでは、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW3がオンになる。これにより、一対の信号線SGL1、SGL3の一端どうしが、配線L3aを介して接続される。また、一対の信号線SGL2、SGL4の一端どうしが、配線L3bを介して接続される。また、スイッチS5はオフになり、スイッチSW4a、SW4bはオンになる。これにより、信号線SGL1及び信号線SGL2の他端は、それぞれ第1AFE47Aに接続される。また、信号線SGL3及び信号線SGL4の他端は、接地電位GNDに接続される。
【0162】
このような構成により、一対の信号線SGL1、SGL3がループ状に接続されて、受信コイルCRxとして形成される。また、一対の信号線SGL2、SGL4がループ状に接続されて、受信コイルCRxとして形成される。受信コイルCRxは、共通電極COMLAによって形成される検出領域Aemと重なって設けられる。
【0163】
タッチペン100(
図4参照)からの磁界M2が、一対の信号線SGL1、SGL3及び配線L3aで囲まれた領域、又は一対の信号線SGL2、SGL4及び配線L3bで囲まれた領域を通過した場合、磁界M2の変化に応じた起電力が、各受信コイルCRxに発生する。この起電力に応じた第1検出信号Vdet1が第1AFE47Aに供給される。これにより、タッチペン100を検出することができる。
【0164】
本実施形態においても、隣り合う受信コイルCRxは、一部が互いに重なり合って配置される。具体的には、一方の受信コイルCRxを構成する一対の信号線SGL1、SGL3及び配線L3aで囲まれた領域に、他方の受信コイルCRxの信号線SGL2が配置される。また、他方の受信コイルCRxを構成する一対の信号線SGL2、SGL4及び配線L3bで囲まれた領域に、一方の受信コイルCRxの信号線SGL3が配置される。これにより、表示領域Adにおいて、磁界の検出感度が低下する領域、或いは磁界を検出することができない不感領域が生じることを抑制できる。
【0165】
図26に示すように、第2センサ期間Pesでは、スイッチSW3、SW4a、SW4b、S5はオフになる。これにより、信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4どうしは非接続状態となる。信号線SGLは、第2駆動信号TSVcom及び第2電圧VTPLが供給されず、フローティング状態となる。これにより、信号線SGLと共通電極COMLAとの間の寄生容量を抑制することができる。
【0166】
以上のように、本実施形態では、複数の信号線SGLのうち、一対の信号線SGL(例えば、信号線SGL1、SGL3)の同側の端部を接続するスイッチSW3が設けられている。制御部11は、第1センサ期間Pemに、スイッチSW3の動作により一対の信号線SGLどうしを接続し、第1センサ期間Pemとは異なる期間(表示期間Pd及び第2センサ期間Pes)にスイッチSW3の動作により一対の信号線SGLどうしを非接続状態とする。これにより、信号線SGLは受信コイルCRxとして形成され、電磁誘導に基づく起電力が発生する。
【0167】
次に、第1電極24と共通電極COMLAとの接続構成について説明する。
図27は、共通電極と第1電極の接続構成を説明するための断面図である。
図28は、第1電極及び導通部を模式的に示す平面図である。
図29は、共通電極及び導通部を模式的に示す平面図である。
【0168】
図27は、表示領域Adの最外周の1画素分と、これに隣接する周辺領域Gdを示している。
図27に示す表示装置1Aは、
図12から
図15で説明した構成に対して、接続切り換え回路80Aが設けられていない点が異なる。つまり、本実施形態では、共通電極COMLAと信号線SGLとの接続と遮断とを切り換える構成を備えていない。
【0169】
図27に示すように、共通電極COMLAは、接続部COMLAa及び導通部81を介して、第1基板21の導電層71及び接続電極72に電気的に接続される。また、
図28に示すように、第1電極24は、全体として第1方向Dxに長手を有する長尺状に形成され、接続電極72と電気的に接続される。信号線SGLは、第1電極24と交差して設けられ、接続電極72とは非接続状態である。第1電極24は、
図29に示す共通電極COMLAと同じ方向に長手を有する。また、
図29に示すようにカラーフィルタ32の色領域32R、32G、32Bは、平面視で共通電極COMLAと交差する。
【0170】
図28及び
図29に示すように、接続電極72は、第2方向Dyに配列された複数の共通電極COMLAにそれぞれ対応して設けられる。つまり、接続電極72は、共通電極COMLAと、導通部81を介して1対1の関係で接続される。1つの共通電極COMLAと重なって設けられた複数の第1電極24は、1つの接続電極72に接続される。
【0171】
図29は、複数の共通電極COMLAのうち、1つの共通電極COMLAが駆動電極ブロックBkとして選択された場合を示す。駆動電極ブロックBk以外の共通電極COMLAは非選択電極ブロックNBkである。上述したように、駆動IC19(
図11参照)は、各種駆動信号を駆動電極ブロックBkに供給する。
【0172】
図28に示すように、駆動電極ブロックBkと重なって対向する複数の第1電極24は、導通部81を介して駆動電極ブロックBkと電気的に接続される。これにより、複数の第1電極24は、第1電極ブロックBkCsとして機能する。第1電極ブロックBkCsには、駆動電極ブロックBkに供給される各種駆動信号と同じ信号が供給される。なお、非選択電極ブロックNBkと重なる複数の第1電極24は、非選択第1電極ブロックNBkCsであり、非選択電極ブロックNBkと同じ駆動がなされる。
【0173】
つまり、
図19に示す表示期間Pdでは、共通電極COMLAと重なって対向する複数の第1電極24にも、駆動信号Vcomdcと同じ電位信号が供給される。
【0174】
また、
図20に示す第1センサ期間Pemでは、共通電極COMLA2、COMLA3、COMLA4、COMLA6、COMLA7、COMLA8と重なって対向する複数の第1電極24も送信コイルCTxとして機能する。すなわち、第1電極24は、駆動IC19から第1駆動信号VTPと同じ電位信号が供給されて磁界M1を発生する。第1電極24から発生する磁界M1は、検出領域Aemで、共通電極COMLAから発生する磁界と重なり合う。
【0175】
また、
図21に示す第2センサ期間Pesでは、駆動電極ブロックBkと重なって対向する複数の第1電極24にも、駆動IC19から第2駆動信号TSVcomと同じ電位信号が供給される。これらの第1電極24も第1電極TDLとの間に静電容量を形成する。
【0176】
このように、本実施形態の表示装置1Aにおいて、第1電極24は、制御部11からの制御信号に応じて、第1センサ期間Pem及び第2センサ期間Pesに共通電極COMLAと同じ信号が供給される。これにより、第1の実施形態と同様、第1駆動信号VTP及び第2駆動信号TSVcomに対する応答性が向上する。
【0177】
(第3の実施形態)
図30は、第3の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図31は、第3の実施形態に係る表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
図30に示すように、本実施形態の表示装置1Bにおいて、第1基板21、信号線SGL、第1電極24A、画素電極25、表示機能層としての液晶層6、共通電極COMLA及び第2電極TDLAは、この順で重なって設けられる。言い換えると、第1基板21の表面に垂直な方向において、第1基板21と第1電極24Aとの間に信号線SGLが設けられる。
【0178】
本実施形態において、共通電極COMLA及び第2電極TDLAの構成は、第2の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。また、
図28から
図30に示した例と同様に、共通電極COMLAと第1電極24Aは、導通部81を介して電気的に接続される。
図30に示すように、本実施形態においても、共通電極COMLA及び第1電極24Aは、電磁誘導方式のタッチ検出で同じ第1駆動信号VTPが供給され、相互静電容量方式のタッチ検出で同じ第2駆動信号TSVcomが供給される。また、信号線SGLは、電磁誘導方式のタッチ検出で、受信コイルCRxを形成し、第1検出信号Vdet1を出力する。また、第2電極TDLAは、相互静電容量方式のタッチ検出で第2検出信号Vdet2を出力する。
【0179】
図31に示すように、第1基板21の上にスイッチング素子Trが設けられる。具体的には、第1基板21の上にゲート電極64(ゲート線GCL)が設けられる。半導体層61は、絶縁層23を介してゲート電極64(ゲート線GCL)の上側に設けられる。ソース電極62(信号線SGL)及びドレイン電極63は、絶縁層23aを介して半導体層61の上側に設けられる。ソース電極62は、コンタクトホールH1を介して半導体層61と電気的に接続される。ドレイン電極63は、コンタクトホールH2を介して半導体層61と電気的に接続される。
【0180】
平坦化膜29は、ソース電極62(信号線SGL)及びドレイン電極63を覆って設けられる。第1電極24Aは、平坦化膜29の表面に設けられる。絶縁層58は、第1電極24Aを覆って設けられる。画素電極25は、絶縁層58の上に設けられる。画素電極25は、コンタクトホールH3、H4を介してドレイン電極63と電気的に接続される。
【0181】
第1電極24Aは、第1基板21の表面に対して垂直な方向において、絶縁層58を介して画素電極25と重なって設けられる。これにより、第1電極24Aと画素電極25との間に保持容量が形成される。
【0182】
第1電極24Aは、金属層26aと、金属層26aを覆う透光性導電層26bとを含む。金属層26aは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料が用いられる。透光性導電層26bは、例えばITOが用いられる。
【0183】
本実施形態では、第1電極24Aは、スイッチング素子Trと異なる層に設けられる。このため、ゲート線GCL、信号線SGL等の制約が少なく、第1電極24Aの形状や面積を大きく形成することができる。これにより、第1電極24Aと画素電極25との対向面積を大きくして保持容量を大きくすることができる。
【0184】
また、第1電極24Aは、金属層26aを有しており、かつ平面積を大きくすることも可能である。このため、第1及び第2の実施形態に比べて、共通電極COMLAと第1電極24Aとの合計の抵抗値を小さくすることができる。これにより、第1駆動信号VTP及び第2駆動信号TSVcomに対する応答性が向上する。
【0185】
(第4の実施形態)
図32は、第4の実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図32に示すように、本実施形態の表示装置1Cにおいて、第1基板21、第1電極24、信号線SGL、画素電極25、表示機能層としての液晶層6、共通電極COMLA及び第2電極TDLAは、この順で重なって設けられる。言い換えると、第1基板21の表面に垂直な方向において、第1基板21と信号線SGLとの間に第1電極24が設けられる。
【0186】
本実施形態において、第1電極24、信号線SGL、共通電極COMLA及び第2電極TDLAの積層の順番や配列方向等は、第2の実施形態と同様である。つまり、第2電極TDLAは、平面視で、共通電極COMLAと交差する。また、複数の信号線SGLは、平面視で第1電極24及び共通電極COMLAと交差すると共に、第2電極TDLAと同じ方向に長手を有する。
【0187】
図32に示すように、電磁誘導方式のタッチ検出で、信号線SGLは、送信コイルCTxを形成し、第1駆動信号VTPが供給される。また、第1電極24は、受信コイルCRxを形成し、電磁誘導に基づく起電力が発生する。第1電極24は、この起電力に応じた第1検出信号Vdet1を出力する。
【0188】
また、相互静電容量方式のタッチ検出で、共通電極COMLA及び第1電極24は、同じ第2駆動信号TSVcomが供給される。第2電極TDLAは、共通電極COMLA及び第1電極24との間の容量変化に応じた第2検出信号Vdet2を出力する。
【0189】
次に、共通電極COMLA、第1電極24及び信号線SGLの接続構成について説明する。
図33は、第4の実施形態に係る表示期間での共通電極、第1電極及び信号線の接続構成を説明するための回路図である。
図34は、第4の実施形態に係る第1センサ期間での共通電極、第1電極及び信号線の接続構成を説明するための回路図である。
図35は、第4の実施形態に係る第2センサ期間での共通電極、第1電極及び信号線の接続構成を説明するための回路図である。
【0190】
図33から
図35では、図面を見やすくするために、1つの共通電極COMLAに重なって1つの第1電極24を模式的に示している。ただし、第1電極24(1)、24(2)、24(3)、24(4)は、それぞれ、
図28及び
図29に示したように、1つの共通電極COMLAに重なる複数の第1電極24を含む。
【0191】
図33から
図35に示すように、第2駆動信号TSVcomは、配線L21a、L21bを介して共通電極COMLAに供給される。表示用の駆動信号Vcomdcは、配線L22a、L22bを介して共通電極COMLAに供給される。また、第2電圧VTPLは配線L23を介して信号線SGLに供給される。第1電圧VTPHは、配線L24を介して信号線SGLに供給される。
【0192】
配線L21aと配線L22aは、共通電極COMLA及び第1電極24の左側に設けられる。配線L21bと配線L22bは、共通電極COMLA及び第1電極24の右側に設けられる。配線L22cは、配線L22aと配線L22bとを接続する。
【0193】
スイッチSW21aは、第1電極24の左端と配線L21aとの間に設けられる。スイッチSW22aは、第1電極24の左端と配線L22aとの間に設けられる。スイッチSW21a及びスイッチSW22aは、それぞれの第1電極24の左端に並列に接続される。スイッチSW23aは、第1電極24の左端と共通電極COMLAの左端との間に設けられる。
【0194】
同様に、スイッチSW21bは、第1電極24の右端と配線L21bとの間に設けられる。スイッチSW22bは、第1電極24の右端と配線L22bとの間に設けられる。スイッチSW21b及びスイッチSW22bは、それぞれの第1電極24の右端に並列に接続される。スイッチSW23bは、第1電極24の右端と共通電極COMLAの右端との間に設けられる。
【0195】
一対の第1電極24(1)と第1電極24(2)の右端には、それぞれ配線L16が接続されている。これらの配線L16と配線L16との間にスイッチSW27が設けられる。第1電極24(2)の左端は、配線L25及びスイッチSW28を介して第1AFE47Aに接続される。一対の第1電極24(3)及び第1電極24(4)も同様である。
【0196】
信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4の一端側には、スイッチSW3及び配線L3a、L3bが設けられている。スイッチSW3と配線L3aは、一対の信号線SGL1、SGL3の一端どうしを接続する。また、スイッチSW3と配線L3bは、一対の信号線SGL2、SGL4の一端どうしを接続する。
【0197】
スイッチSW4a、SW4bは、信号線SGLの他端と配線L26との間に設けられる。スイッチSW7は、配線L22cと配線L26(信号線SGL)との間に設けられる。スイッチSW8は、配線L23と配線L26(信号線SGL)との間に設けられる。スイッチSW9は、配線L24と配線L26(信号線SGL)との間に設けられる。
【0198】
図33に示すように、表示期間Pdでは、スイッチSW23a及びスイッチSW23bがオンになる。これにより、共通電極COMLAと、共通電極COMLAと重なって対向する第1電極24の両端どうしが接続される。またスイッチSW27はオフになる。これにより、第1電極24(1)と第1電極24(2)の右端どうし、及び第1電極24(3)と第1電極24(4)の右端どうしは非接続状態となる。これにより、共通電極COMLAと、共通電極COMLAと重なって対向する第1電極24とが電気的に接続される。
【0199】
スイッチSW21a及びスイッチSW21bはオフになる。これにより、第1電極24と配線L21a、及び第1電極24と配線L21bは非接続状態となる。一方、スイッチSW22a及びスイッチSW22bはオンになる。これにより、第1電極24の左端と配線L22aが接続され、第1電極24の右端と配線L22bが接続される。このような構成により、駆動信号Vcomdcは、第1電極24及び共通電極COMLAに供給される。
【0200】
また、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW3がオフになる。これにより、信号線SGL1、SGL2、SGL3、SGL4の一端どうしが非接続状態となる。また、スイッチSW4a、SW4bはオフになり、スイッチS5はオンになる。これにより、画素信号Vpixは、スイッチS5を介して信号線SGLに供給される。
【0201】
図34に示すように、第1センサ期間Pemでは、信号線SGL1、SGL3に接続されたスイッチSW3がオンになる。これにより、一対の信号線SGL1、SGL3の一端どうしが、配線L3aを介して接続される。また、一対の信号線SGL2、SGL4に接続されたスイッチSW3はオフである。
【0202】
また、信号線SGL1、SGL3の他端側において、スイッチS5はオフになり、スイッチSW4a、SW4bはオンになる。これにより、信号線SGL1、SGL3の他端は配線L26と接続される。信号線SGL1の他端側に設けられたスイッチSW9はオンになる。信号線SGL1の他端は、配線L24と接続される。また、信号線SGL3の他端側に設けられたスイッチSW8はオンになる。信号線SGL3の他端は配線L23と接続される。
【0203】
このような構成により、一対の信号線SGL1、SGL3がループ状に接続されて、送信コイルCTxとして形成される。信号線SGL1に、配線L24を介して第1電圧VTPHが供給される。また、信号線SGL3に、配線L23を介して第2電圧VTPLが供給される。スイッチSW8及びスイッチSW9の動作を切り換えることで、信号線SGL1、SGL3に第1駆動信号VTP(
図32参照)が供給される。
【0204】
これにより、第1電圧VTPHと第2電圧VTPLとの電位差に応じた電流が、送信コイルCTxに流れる。この電流により、磁界M1(
図2参照)が発生する。なお、信号線SGL1、SGL3が送信コイルCTxとして形成される際に、一対の信号線SGL2、SGL4はフローティング状態である。信号線SGL2、SGL4も、時分割的に、信号線SGL1、SGL3と同様に送信コイルCTxとして形成される。このように、第1センサ期間Pemには、制御部11からの制御信号に応じて、信号線SGLに第1駆動信号VTPが供給されて電磁誘導を形成する。
【0205】
第1センサ期間Pemでは、スイッチSW23a及びスイッチSW23bはオフになる。これにより、共通電極COMLAと、共通電極COMLAと重なって対向する第1電極24とが非接続状態となる。
【0206】
スイッチSW27はオンになる。これにより、一対の第1電極24(1)と第1電極24(2)の右端どうしが接続される。また、一対の第1電極24(3)と第1電極24(4)の右端どうしが接続される。
【0207】
第1電極24の右端に接続されたスイッチSW21b及びスイッチSW22bは全てオフになる。これにより、第1電極24の右端と、配線L21b、L22bとは非接続状態となる。第1電極24(1)と第1電極24(3)の左端に接続されたスイッチSW22aはオンになる。第1電極24(1)と第1電極24(3)の左端は、配線L22aと接続され、駆動信号Vcomdcが供給される。又、第1電極24(2)と第1電極24(4)の左端に接続されたスイッチSW28はオンになる。第1電極24(2)と第1電極24(4)の左端は第1AFE47Aに接続される。
【0208】
このように、本実施形態では、複数の第1電極24のうち、一対の第1電極24(例えば、第1電極24(1)と第1電極24(2))の同側の端部を接続するスイッチSW27が設けられている。制御部11は、第1センサ期間Pemに、スイッチSW27の動作により一対の第1電極24どうしを接続し、第1センサ期間Pemと異なる期間に、スイッチSW27の動作により一対の第1電極24どうしを非接続状態とする。
【0209】
このような構成により、一対の第1電極24(1)と第1電極24(2)とはループ状に接続され、受信コイルCRxとして機能する。また、一対の第1電極24(3)と第1電極24(4)も受信コイルCRxとして機能する。
【0210】
図34に示す例では、2つの受信コイルCRxが重ならないように形成されている。これに限定されず、
図13等に示すように、2つの受信コイルCRxは、一部が重なり合って配置されてもよい。
【0211】
図35に示すように、第2センサ期間Pesでは、スイッチSW23a及びスイッチSW23bがオンになる。これにより、共通電極COMLAと、共通電極COMLAと重なって対向する第1電極24の両端がそれぞれ接続される。またスイッチSW27はオフになる。これにより、第1電極24の他端どうしは非接続状態となる。これにより、第2駆動信号TSVcomが供給される共通電極COMLAに対向する第1電極24に、第2駆動信号TSVcomと同じ電位信号が供給される。
【0212】
図35では、第1電極24(2)とこれに重なる共通電極COMLAが駆動電極ブロックBkとして選択される場合を説明する。第1電極24(2)の左側のスイッチSW21aはオンになり、スイッチSW22aはオフになる。第1電極24(2)の右側のスイッチSW21bはオンになり、スイッチSW22bはオフになる。これにより、駆動電極ブロックBkの両端は、それぞれ配線L21a、L21bに接続される。これにより、駆動電極ブロックBkには、配線L21a、L21bを介して第2駆動信号TSVcomが供給される。
【0213】
非選択電極ブロックNBkの左側のスイッチSW21aはオフになり、スイッチSW22aはオンになる。非選択電極ブロックNBkの右側のスイッチSW21bはオフになり、スイッチSW22bはオンになる。これにより、非選択電極ブロックNBkの両端は、それぞれ配線L22a、L22bに接続される。これにより、非選択電極ブロックNBkには、駆動信号Vcomdcが供給される。
【0214】
制御部11は、共通電極COMLA及びこれに重なる第1電極24を順次、選択する。そして、第2電極TDLA(
図32参照)は、共通電極COMLA及び第1電極24との間の容量変化に応じた第2検出信号Vdet2を第2AFE47Bに出力する。
【0215】
第2センサ期間Pesでは、信号線SGLの一端に接続されたスイッチSW3はオフになる。これにより、信号線SGLの一端どうしが非接続状態になる。また、信号線SGLの他端側に接続されたスイッチSW7、SW8はオフになり、スイッチSW4a、SW4b、SW7はオンになる。これにより、信号線SGLの他端は、配線L26を介して配線L22cに接続される。これにより、信号線SGLには、配線L22a、L22b、L22cを介して、非選択電極ブロックNBkと同じ駆動信号Vcomdcが供給される。
【0216】
なお、これに限定されず、第2センサ期間Pesでは、
図26に示す例と同様に、信号線SGLをフローティング状態としてもよい。
【0217】
以上のように、本実施形態の表示装置1Cでは、第1基板21に設けられた第1電極24と信号線SGLとで電磁誘導方式のタッチ検出が行われる。これにより、第1の実施形態と同様、第1駆動信号VTPに対する応答性が向上する。また、第2基板31に設けられた共通電極COMLAと第2電極TDLAと、共通電極COMLAに対向する第1電極24とで相互静電容量方式のタッチ検出が行われる。これにより、第2駆動信号TSVcomに対する応答性が向上する。
【0218】
(共通電極のパターン構成例)
図36は、共通電極のパターン構成例を示す平面図である。
図37は、共通電極と液晶の配向の関係を説明するための説明図である。
図37は、画素電極25と、共通電極COMLと、画素電極25と共通電極COMLとの間に配置される液晶層6とを模式的に示している。液晶層6は、各液晶分子6aを楕円で示し、液晶分子6aの配向状態のイメージを示す。
【0219】
図37に示すように、隣り合う共通電極COMLの間にスリットSLAが設けられる。スリットSLAが設けられた領域では、スリットSLAが設けられていない領域と画素電極25と共通電極COMLとの間の電界の状態が異なる。これにより、スリットSLAが設けられた領域での液晶分子6aの配向が、他の領域での配向と異なり、表示上のスジとして現れる可能性がある。
【0220】
図36は、スリットSLAにより離隔された3つの共通電極COMLを示す。それぞれの共通電極COMLは、2つの隣り合う副画素SPixと重なって設けられる。共通電極COMLには、スリットSLAと平行な方向に、スリットSLBが複数配列されている。
スリットSLBは、平面視で、隣り合う副画素SPixの間に設けられる。スリットSLA及びスリットSLBは、それぞれゲート線GCL(
図29参照)と重なって設けられる。また、スリットSLA及びスリットSLBの幅はゲート線GCLの幅よりも大きい。これにより、ゲート線GCLと共通電極COMLとの間の容量が低減される。
【0221】
図36に示す例に限定されず、共通電極COMLは、タッチ検出の解像度に応じて、3つ以上の副画素SPixと重なる幅を有していてもよい。この場合、スリットSLBは、スリットSLAと平行な方向に複数配列されるとともに、スリットSLAと交差する方向にも複数配列される。また共通電極COMLは、
図36に示す例に限らず、表示領域Adでは接続されず、周辺領域Gdで接続される構成にしてもよい。
【0222】
画素ラインごとにスリットSLA及びスリットSLBが設けられる。これにより、スリットSLBが設けられる領域の液晶配向状態をスリットSLAが設けられる領域の液晶配向状態に近付けることができる。これにより、スリットSLAが設けられた領域で表示上のスジが現れたとしても、表示領域Adでは、ゲート線GCLに対応して、規則的にスジが現れる形になるので、表示上の均一性が実現される。
【0223】
このような、画素ラインごとにスリットSLA及びスリットSLBが設けられる共通電極COMLのパターンに対応して、表示装置1の表示駆動方式すなわち画素書き込み方式としては、カラム反転駆動方式又はフレーム反転駆動方式を適用すると好適である。すなわち、これらの駆動方式により、各スリット箇所での液晶配向性の乱れを低減できるため、表示品質が向上できる。
【0224】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。