(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872983
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】建具の取付構造
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20210510BHJP
E06B 1/62 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
E06B1/56 Z
E06B1/62 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-116268(P2017-116268)
(22)【出願日】2017年6月13日
(65)【公開番号】特開2019-2170(P2019-2170A)
(43)【公開日】2019年1月10日
【審査請求日】2019年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒川 哲也
(72)【発明者】
【氏名】大倉 久礼
【審査官】
桐山 愛世
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−083660(JP,A)
【文献】
特開2004−225392(JP,A)
【文献】
特開2001−280009(JP,A)
【文献】
特開2016−037804(JP,A)
【文献】
特開2004−183387(JP,A)
【文献】
米国特許第06305130(US,B1)
【文献】
特開2007−040101(JP,A)
【文献】
特開平08−260825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00−70
E06B 7/14
E04F 13/00−18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体開口の室外側に位置する部分の内周が外装材の屈曲部によって覆われる躯体に対して、前記躯体開口の内周部に枠体を介して取り付けられる建具の取付構造であって、
前記外装材は、予め成形されたものであり、前記枠体との間に通気層を確保した状態で取り付けられ、
前記枠体を構成する枠材は、基枠部及び延在部を有し、
前記基枠部には室外に臨む見付け面が設けられ、前記枠材の内周側においては前記見付け面が最も室外側に位置し、
前記延在部は前記基枠部の外周側となる部分から前記見付け面よりも室外側となるように見込み方向に沿って延在され、
前記延在部が前記屈曲部の端面よりも室内側に位置した状態で前記枠材が前記躯体に取り付けられており、
前記躯体と前記延在部とにわたって防水部材が設けられ、かつ前記延在部を覆うように前記屈曲部の端面と前記基枠部の見付け面との間にシール材が設けられていることを特徴とする建具の取付構造。
【請求項2】
前記躯体には、外表面を覆う防水下地材が設けられており、前記防水部材は、前記防水下地材を介して前記躯体の表面を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の建具の取付構造。
【請求項3】
前記枠材は、前記延在部を介して前記躯体にネジを螺合することにより前記躯体に取り付けられ、
前記防水部材は、前記ネジの頭部を覆う状態で前記延在部の表面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建具の取付構造。
【請求項4】
前記枠材は、もっとも外周に位置する部分が内装材の内周面よりも内周側に位置した状態で前記躯体に取り付けられ、かつ室内に臨む見付け面が前記内装材に取り付けられた額縁部材によって支持されていることを特徴とする請求項1に記載の建具の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具の取付構造に関するもので、特に、躯体開口の室外側に位置する内周面が外装材の屈曲部によって覆われる躯体に対して、躯体開口の内周部に枠体を介して取り付けられる建具の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物には、建具が装着される躯体開口の室外側に位置する内周面を、外装材の屈曲部によって覆うように構成することにより、躯体開口の内周部において室内側に偏った位置に建具を取り付けるようにしたものがある。この種の建物に取り付けられる建具においては、枠体を構成する枠材の室外側に位置する部分に延在部が設けられているとともに、躯体の外表面を覆う防水シートが躯体開口の内周面まで延在しており、延在部の表面から防水シートの表面にわたって防水テープを貼り付けることで、室外から躯体側への水の浸入を防止するようにしている。また、外装材の屈曲部によって枠材の延在部を覆い、室外から延在部の端縁部までの実質的な距離を増やすことで水密性をさらに高めるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−83660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、昨今においては、建物に設置された建具を交換することが多く行われており、建物に建具を設置する段階で建具の交換性を考慮しておくことが好ましい。しかしながら、上述の取付構造にあっては、枠材の延在部が外装材の屈曲部によって覆われた状態にある。このため、延在部の表面から防水シートの表面に設けた防水テープを剥がすための作業スペースを確保することが困難であり、建具の交換作業を考慮した場合、必ずしも好ましいとはいえない。因に、特許文献1においては、枠材を複数の部分に分割し、建具の交換に際しては枠材の一部のみを交換することで、防水テープを剥がす作業が不要となるようにしている。しかしながら、躯体に建具を設置する際には複数の部材を取り扱う必要があり、建具の設置作業の観点からは必ずしも好ましいとはいえない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、設置作業性を損なうことなく、建具の交換作業をも容易に実施することのできる建具の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具の取付構造は、躯体開口の室外側に位置する部分の内周が外装材の屈曲部によって覆われる躯体に対して、前記躯体開口の内周部に枠体を介して取り付けられる建具の取付構造であって、
前記外装材は、予め成形されたものであり、前記枠体との間に通気層を確保した状態で取り付けられ、前記枠体を構成する枠材は、
基枠部及び延在部を有し、前記基枠部には室外に臨む見付け面が設けられ、前記枠材の内周側においては前記見付け面が最も室外側に位置し、前記延在部は前記基枠部の外周側となる部分から前記見付け面よりも室外側となるように見込み方向に沿って延在され、前記延在部が前記屈曲部の端面よりも室内側に位置した状態で
前記枠材が前記躯体に取り付けられており、前記躯体と前記延在部とにわたって防水部材が設けられ、かつ前記延在部を覆うように前記屈曲部の端面と
前記基枠部の見付け面との間にシール材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、枠材の延在部が屈曲部の端面よりも室内側に位置し、かつ屈曲部の端面と枠材との間をシール材によって覆うようにしているため、シール材を除去すれば、枠材の延在部が外部に露出する。これにより、延在部から躯体の表面にわたって設けられた防水部材を除去することが可能となり、建具を容易に交換することが可能となる。しかも、枠材を複数の部分に分割する必要がないため、建具を取り付ける際の作業が煩雑化するおそれもない。
【0008】
また本発明は、上述した建具の取付構造において、前記躯体には、外表面を覆う防水下地材が設けられており、前記防水部材は、前記防水下地材を介して前記躯体の表面を覆っていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、防水部材としては、躯体の外表面に設けられた防水下地材と枠材の延在部との境界部分を覆う程度の小型のものを適用すれば良く、広く躯体の外表面全体を覆う大きさを有したものを取り扱う必要がない。これにより、建具の設置現場においては、建具を設置する際や交換する際にも、単に小型の防水部材のみを取り扱えば良いため、それぞれの作業を容易に行うことが可能となる。
【0010】
また本発明は、上述した建具の取付構造において、前記枠材は、前記延在部を介して前記躯体にネジを螺合することにより前記躯体に取り付けられ、前記防水部材は、前記ネジの頭部を覆う状態で前記延在部の表面に設けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、枠材の室外側に位置する部分においても躯体に連結することができ、枠材の取り付け強度を十分に確保できる。
【0012】
また本発明は、上述した建具の取付構造において、前記枠材は、もっとも外周に位置する部分が内装材の内周面よりも内周側に位置した状態で前記躯体に取り付けられ、かつ室内に臨む見付け面が前記内装材に取り付けられた額縁部材によって支持されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、額縁部材を取り外すことにより、枠材を躯体から室内側にそのまま引き出すことができ、建具の交換作業性を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、枠材の延在部が屈曲部の端面よりも室内側に位置し、かつ屈曲部の端面と枠材との間をシール材によって覆うようにしているため、シール材を除去すれば、枠材の延在部が外部に露出する。これにより、延在部から躯体の表面にわたって設けられた防水部材を除去することが可能となり、建具を容易に交換することが可能となる。しかも、枠材を複数の部分に分割する必要がないため、建具を取り付ける際の作業が煩雑化するおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態である取付構造を適用した建具の縦断面図である。
【
図3】
図1に示した建具の枠体を構成する枠材の端面図である。
【
図4】
図1に示した建具の枠体を躯体に取り付ける状態の要部横断面図である。
【
図5】
図1に示した建具の枠体を躯体に取り付けた後、外装材を取り付ける状態の要部横断面図である。
【
図6】
図5に示した状態から外装材の屈曲部と枠体との間にシール材を充填した状態の要部横断面図である。
【
図7】
図6に示した状態からシール材を除去した後、延在部に螺合されていたネジを取り外した状態の要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の取付構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び
図2は、本発明の実施の形態である取付構造を適用した建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体10に対して障子20を面外方向に移動させることにより、障子20を室外側に向けて開放するように構成した縦すべり出し窓と称されるものである。
【0017】
建具が設置される建物には、2つの柱(躯体)1の間にまぐさ(躯体)2及び窓台(躯体)3を設けることにより、中心部に躯体開口4(
図4参照)を有した矩形状の取付枠(躯体)5が構成してある。建具を取り付ける以前の状態において取付枠5の室内に臨む内表面には内装材6が設けてある。柱1及びまぐさ2においては、内装材6の内周面6aが躯体開口4の内周面4aとほぼ一致するように取付枠5に内装材6が取り付けてある。窓台3においては、内装材6の内周面6aが躯体開口4の内周面4aよりも外周側となるように取付枠5に内装材6が取り付けてある。建具を設置した後の建物には、取付枠5の外表面5aとの間に通気層Vを確保した状態で外装材7が設けられる。柱1及びまぐさ2においては、外装材7の縁部に室内側に向けてほぼ直角に屈曲した屈曲部7aが設けられており、躯体開口4の内周面4aにおいて室外側に位置する部分が屈曲部7aによって覆われている。屈曲部7aと躯体開口4の内周面4aとの間には隙間が確保してある。窓台3においては、外装材7の縁部が平板状のままであり、端面7bが躯体開口4の内周面4aよりも外周側となるように取付枠5に外装材7が設けられている。
【0018】
建具の障子20は、矩形状を成す面材21の四周に上框22、下框23及び左右の縦框24を装着することによって構成したものである。面材21は、ガラス等のパネルを複数積層することにより構成した複層パネルである。障子20を構成するそれぞれの框材22,23,24は、アルミニウム合金等の金属、もしくは樹脂によって成形した押し出し形材であり、見込み方向に沿った寸法が取付枠5の見込み方向に沿った寸法よりも短くなるように構成してある。本実施の形態では、上框22、下框23及び左右の縦框24として、互いに同一の断面形状を有するものを適用している。
【0019】
ここで、見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った平面については見込み面と称する場合があり、見込み方向に沿った寸法については見込み寸法と称する場合がある。また、本実施の形態においては、見付け方向という用語も用いる。見付け方向とは、上框22や下框23のように左右に沿った部材の場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向であり、縦框24のように上下に沿った部材の場合、見込み方向に直交した左右に沿う方向である。見付け方向に沿った平面については見付け面と称する場合があり、見付け方向に沿った寸法については見付け寸法と称する場合がある。
【0020】
枠体10は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13を四周枠組みすることによって構成したものである。本実施の形態では、障子20の框材22,23,24と同様、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13として、互いに同一の断面形状を有するものを適用している。枠体10を構成するそれぞれの枠材11,12,13は、アルミニウム合金等の金属、もしくは樹脂によって成形した押し出し形材であり、見込み寸法が取付枠5の見込み寸法よりも短く、かつ框材22,23,24の見込み寸法よりも長くなるように構成してある。より具体的に説明すると、躯体開口4の内周面4aにおいて、外装材7の屈曲部7aによって覆われない室内側部分の見込み寸法とほぼ同じ見込み寸法を有するようにそれぞれの枠材11,12,13が構成してある。以下、枠体10を構成する枠材11,12,13について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。なお、以下の説明においては便宜上、取付枠5に取り付けた状態の姿勢で枠材11,12,13の説明を行うこととする。
【0021】
図1〜
図3に示すように、それぞれ枠材11,12,13は、基枠部14、当接部15及び防水固定ヒレ部(延在部)16を有している。基枠部14は、断面が略矩形の筒状を成す部分である。基枠部14の外周側となる部分には、見込み方向の中央部分に凹溝14aが設けてある。当接部15は、基枠部14の内周側、かつ室内側の隅部から内周側に向けて延在したものである。当接部15の延在縁部において室外に臨む見付け面には、タイト材17を装着するための装着溝15aが形成してある。防水固定ヒレ部16は、基枠部14の外周側、かつ室外側の隅部から室外に向けて延在した平板状部分であり、基枠部14の外周側に位置する部分と同一の平面となるように構成してある。これらの枠材11,12,13は、取付枠5に取り付ける以前に互いに端部が接合され(留め継ぎ)、枠体10を構成した状態となる。
【0022】
上記のように構成した枠体10を取付枠5に取り付けるには、
図4に示すように、まず、取付枠5の外表面5aから躯体開口4の内周面4aにわたる部位に防水下地材として防水シート30を設ける。
図1及び
図2に示すように、柱1及び窓台3については、躯体開口4の内周面4a全面にわたる部位に防水シート30を設けるようにしている。一方、まぐさ2については、上枠11を取り付ける部位にわずかに重なるように躯体開口4の内周面4aにおいて室外側となる部分までの間に防水シート30を設けるようにしている。
【0023】
次いで、この状態から、
図5に示すように、防水固定ヒレ部16が室外側に位置し、かつ基枠部14及び当接部15の室内に臨む見付け面が取付枠5の室内に臨む見付け面5bと同一の平面上に位置する状態で、基枠部14の外周面を介して躯体開口4の内周面4aにそれぞれの枠材11,12,13を当接させる。
図1及び
図2に示すように、窓台3については、凹溝14aにシール部材31を配置した状態で基枠部14の外周面を直接防水シート30に当接させるようにしている。これに対して柱1及びまぐさ2については、躯体開口4の内周面4a(防水シート30の表面もしくはまぐさ2の内周面)と基枠部14の外周面との間にシール部材31及びスペーサ部材32を介在させるようにしている。スペーサ部材32としては、取付枠5に対する枠材11,12,13の位置を規定できるように、硬質部材によって成形したものを適用し、防水固定ヒレ部16から凹溝14aを超えて室内側となる部位までの間にわたって配設している。シール部材31は、スペーサ部材32よりも室内側となる部位に配設するようにしている。
【0024】
この状態から防水固定ヒレ部16を介して取付枠5にネジ33を螺合すれば、枠体10を取付枠5に取り付けることが可能となる。ネジ33を螺合した防水固定ヒレ部16に対しては、
図5に示すように、ネジ33の頭部を覆う状態でその表面から防水シート30までの間を防水テープ(防水部材)34によって覆うようにしている。
【0025】
次いで、
図6に示すように、取付枠5の外表面5aに適宜胴縁35を配置し、取付枠5との間に通気層Vを確保した状態で外装材7を取り付けるとともに、内装材6の内周となる部分に額縁部材36を取り付ける。額縁部材36は、内装材6の内周面6aから内周側に突出し、それぞれの枠材11,12,13に対して室内に臨む見付け面を支持するように機能するものである。
【0026】
図1に示すように、まぐさ2と外装材7との間については、さらに上部水切り部材40を設けるようにしている。上部水切り部材40は、通気層Vの下部において通気層Vを通過した雨水等の水を受け止めた後、屈曲部7aと上枠11との間に設けた排水口41から下方に排水するものである。
【0027】
その後、上枠11においては、上部水切り部材40と上枠11の見付け面との間にシール材50を充填し、左右の縦枠13については、屈曲部7aの端面と縦枠13の見付け面との間にシール材50を充填するようにしている。図中の符号51は、シール材50を充填する際に適用するバックアップ材である。
【0028】
下枠12については、下枠12の見付け面から室外側に向けて漸次下方となるように傾斜した下部水切り部材60を設けることにより、窓台3から外装材7の端面までの間を覆い隠すようにしている。下部水切り部材60の先端部と外装材7との間には、シール材50を充填するようにしている。また、下部水切り部材60を下枠12に螺合するネジ61の周囲には、シール部材62を介在させるようにしている。
【0029】
上記のようにして取り付けた建具では、それぞれの枠材11,12,13が躯体開口4の内周面4a内に配置され、窓台3に対する下枠12の掛かり代が大きく確保される。このため、この建具によれば、経年によっても枠体10が室外側に転ぶような事態を招来するおそれがなくなる。しかも、取付枠5の外表面5aから躯体開口4の内周面4aにわたって配置された防水シート30に対して、防水固定ヒレ部16の表面から防水テープ34を貼り付けるようにしているため、雨水等の室外の水が取付枠5と枠体10との隙間から室内側に浸入する事態を招来することもない。さらに、まぐさ2と外装材7との間に上部水切り部材40を配設しているため、通気層Vを通過する雨水等の水は、この上部水切り部材40で受け止められて排水口41から下方に排水されることになり、外装材7の屈曲部7aに滞留するおそれがなくなる。
【0030】
一方、上述の状態から、
図7に示すように、屈曲部7aの端面7bと枠材11,12,13の見付け面との間に充填したシール材50を除去すると、外装材7を取り外すことなく、外装材7と枠材11,12,13との隙間を通じて外部から防水固定ヒレ部16を視認することができるようになる。従って、この状態から防水テープ34を剥がした後、ネジ33を取り外せば、取付枠5に対する枠体10の固定状態が解除されることになる。これにより、額縁部材36を取り外せば、枠体10を取付枠5から室内側にそのまま引き出すことができ、建具の交換作業性を向上することが可能となる。しかも、上述のように、この建具では、単体の枠材11,12,13を枠組みして枠体10を構成するようにしているため、取り扱う部品点数が多くなることもなく、枠体10の設置作業が煩雑になるおそれもない。
【0031】
なお、上述した実施の形態では、建具として縦すべり出し窓を例示しているが、その他の建具にも適用することが可能である。また、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13が同一の断面形状を有するものを例示しているが、枠材のそれぞれが延在部である防水固定ヒレ部16を有していれば、互いに異なる断面形状を有した枠材によって枠体が構成されていても良い。さらに、外装材7の屈曲部7aが左右の柱1及びまぐさ2に対向する部位にのみ設けられているが、窓台3に対応する部位に屈曲部7aが設けられていても良い。
【0032】
また、上述した実施の形態では、延在部16を介して躯体1,2,3にネジ33を螺合するようにしているが、枠材11,12,13を躯体1,2,3に取り付けるためのネジ33は、必ずしも延在部16に螺合する必要はない。
【0033】
さらに、上述した実施の形態では、屈曲部7aの端面7bと枠材11,12,13との隙間から延在部16のほぼ全面が外部に露出するように構成しているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、少なくとも延在部16の一部が屈曲部の端面と枠材との隙間から外部に露出すれば十分である。
【符号の説明】
【0034】
1 柱、2 まぐさ、3 窓台、4 躯体開口、4a 内周面、5 取付枠、5a 外表面、5b 見付け面、6 内装材、6a 内周面、7 外装材、7a 屈曲部、7b 端面、10 枠体、11,12,13 枠材、16 防水固定ヒレ部、30 防水シート、33 ネジ、34 防水テープ、36 額縁部材、50 シール材