特許第6872988号(P6872988)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6872988チャイルドシ−トの取付装置、およびチャイルドシ−トの取付装置を具備する車両用シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6872988
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】チャイルドシ−トの取付装置、およびチャイルドシ−トの取付装置を具備する車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B60N2/28
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-122866(P2017-122866)
(22)【出願日】2017年6月23日
(65)【公開番号】特開2019-6219(P2019-6219A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2019年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102738
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】藤原圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 雅春
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−219773(JP,A)
【文献】 特開2002−193007(JP,A)
【文献】 特表2002−539996(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0066349(US,A1)
【文献】 特表2007−516118(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102012009905(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートに固定され、該車両用シートの幅方向に延びる下部バーが設けられ、
該下部バーには、複数組の一対のアンカー部材が固定され、
一対のアンカー部材はそれぞれ、車両用シートの幅方向に間隔を隔てて配置され、一対の脚部と、一対の脚部同士を連結し、チャイルドシ−トに取付られた固定フックに着脱自在に連結するための係止部とを有し、
前記係止部は、前記下部バーの軸線方向に沿って延び、前記一対の脚部の各々は、前記下部バーの軸線方向に交差する方向に延び、
前記複数組の一対のアンカー部材のうち互いに隣接する2組の一対のアンカー部材において、一方の組の一対のアンカー部材のうち他方の組の一対のアンカー部材側のアンカー部材の他方の組の一対のアンカー部材側第1脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、他方の組の一対のアンカー部材のうち一方の組の一対のアンカー部材側のアンカー部材の一方の組の一対のアンカー部材側第2脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、それにより、前記他方の組の一対のアンカー部材側第1脚部と、前記一方の組の一対のアンカー部材側第2脚部とは、オーバーラップ配置され、前記複数組の一対のアンカー部材のうち互いに隣接する2組の一対のアンカー部材は、車両幅方向に近接配置されている、ことを特徴とするチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項2】
車両用シートは、互いに隣接する複数座席を具備し、前記下部バーは、車両用シートの幅全体に亘って、該車両用シートの幅方向に延び、
前記下部バーには、互いに隣接する複数座席それぞれに対応して、前記一対のアンカー部材が固定され、
前記一対のアンカー部材はそれぞれ、対応する座席の幅に応じて、車両用シートの幅方向に間隔を隔てて配置され、
互いに隣接する複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材において、他方の複数座席側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、反対側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、互いに隣接する複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材において、一方の複数座席側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、反対側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、それにより、複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材と複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材とは、車両幅方向に近接配置されている、請求項1に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項3】
前記車両用シートは、右座席、中央座席および左座席の3人用リアシートであり、
前記アンカー部材および前記下部バーそれぞれは、金属製であり、
中央座席左側アンカー部材の左側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、中央座席左側アンカー部材の右側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、左座席中央側アンカー部材の左側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、左座席中央側アンカー部材の右側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、それにより、中央座席左側アンカー部材と左座席中央側アンカー部材とは、車両幅方向に近接配置されている、請求項2に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項4】
前記車両用シートは、右座席、中央座席および左座席の3人用リアシートであり、
前記アンカー部材および前記下部バーそれぞれは、金属製であり、
中央座席右側アンカー部材の右側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、中央座席右側アンカー部材の左側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、右座席中央側アンカー部材の右側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、右座席中央側アンカー部材の左側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、それにより、中央座席右側アンカー部材と右座席中央側アンカー部材とは、車両幅方向に近接配置されている、請求項2に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項5】
前記係止部は、前記下部バーの軸線方向に沿って延び、前記一対の脚部の各々は、前記下部バーの軸線方向に交差する方向に延びる、請求項1ないし請求項4いずれか1項に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項6】
前記一対の脚部の各々は、前記下部バーの軸線方向に交差する方向に前記下部バーの表面に沿って延びる湾曲部を有し、前記一対のアンカー部材は、該湾曲部を介して、前記下部バーの表面にアーク溶接される、請求項5に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項7】
前記一対の脚部の各々は、前記下部バーの軸線方向に交差する方向に延びる直線部を有し、一対のアンカー部材は、該直線部を介して、前記下部バーの表面にスポット溶接される、請求項5に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項8】
前記車両用シートは、上下方向に延在する矩形状バックシートフレームを有し、前記下部バーは、該矩形状バックシートフレームに連結されるシートフレーム用ブラケットを介して、フロアパネルに固定される、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項9】
さらに、前記シートフレーム用ブラケットは、矩形状バックシートフレームの車両幅方向の中間下部をフロアパネルに対して固定支持するように設けられ、前記下部バーは、矩形状バックシートフレームの前記一方の下端隅部と前記中間下部との間を延びる第1部分と、矩形状バックシートフレームの前記他方の下端隅部と前記中間下部の間を延びる第2部分と有し、各部分が個別に前記中間部の前記シートフレーム用ブラケットに対して固定される、請求項8に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項10】
前記シートフレーム用ブラケットは、矩形状バックシートフレームの車両幅方向の各下端隅部をフロアパネルに対して固定支持するように設けられ、前記下部バーが貫通する貫通穴が設けられる、請求項9に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項11】
該矩形状バックシートフレームの車両幅方向に延びる下辺部を前記下部バーとして利用する、請求項8に記載のチャイルドシ−トの取付装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のチャイルドシ−トの取付装置を具備する車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャイルドシ−トの取付装置およびチャイルドシ−トの取付装置を具備する車両用シートに関し、より詳細には、車両用シートが設けられる車両の幅による制約を緩和しつつ、チャイルドシ−トの車両用シートに対する設置位置の自由度を拡大するとともに、車両前後方向および側方向の衝撃荷重に耐えられるように、チャイルドシ−トを車両用シートに狂いなく確実に装備可能なチャイルドシ−トの取付装置およびチャイルドシ−トの取付装置を具備する車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両、特に自動車において、チャイルドシ−トを車両用シートに取り付けるのに用いるチャイルドシ−ト取付装置が、従来から用いられている。特許文献1および2それぞれは、このようなチャイルドシ−ト取付装置の例を開示する。
【0003】
特許文献1に開示されたチャイルドシ−トの取付装置は、車両用シートに固定され、車両用シートの幅全体に亘って、車両用シートの幅方向に延びる下部バーが設けられ、下部バーには、一対のアンカー部材が固定され、一対のアンカー部材はそれぞれ、座席の幅に応じて、車両用シートの幅方向に間隔を隔てて配置され、一対の脚部と、一対の脚部同士を連結し、チャイルドシ−トに取付られた固定フックに着脱自在に連結するための係止部とを有する。
下部バーの両端および中間部それぞれは、支持ブラケットを介してフロアパネルに固定支持され、特に、中間部の支持ブラケットは、車両用シートフレーム向けのブラケットを利用してフロアパネルに固定支持されている。
【0004】
このような構成によれば、チャイルドシートを固定する一対のアンカー部材を取付けた下部バーを、両端部だけでなく、中間部も支持ブラケットを介してフロアパネルで支持するようにしているので、軽量で安価な下部バーを用いても、前面衝突時のチャイルドシートから加わる荷重によって大きく変形することがなく、チャイルドシートの支持剛性を確保することができ、また後部に積載された積荷が急制動等で前方に移動して衝突しても、変形する恐れもない。
【0005】
特許文献2に開示されたチャイルドシ−トの取付装置は、車両用シートに固定され、車両用シートの幅全体に亘って、車両用シートの幅方向に延びる下部バーが設けられ、下部バーには、一対のアンカー部材が固定され、一対のアンカー部材はそれぞれ、座席の幅に応じて、車両用シートの幅方向に間隔を隔てて配置され、一対の脚部と、一対の脚部同士を連結し、チャイルドシ−トに取付られた固定フックに着脱自在に連結するための係止部とを有し、
一対のアンカー部材の一方において、左または右側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、左または右側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、一対のアンカー部材の他方において、左または右側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、右または左側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定されている。
このような構成によれば、一対のアンカー部材の各々において、一対の脚部が何れも上側又は下側より棒状部材を部分的に巻回する態様にて棒状部材に固定された構造の場合に比して、棒状部材に対する固定フックの相対的上下動を確実に抑制し、これによりチャイルドシートが大きく傾動したり転倒したりすることを確実に且つ効果的に防止することが可能である。
【0006】
しかしながら、これらのチャイルドシ−トの取付装置には、以下のような技術的問題点が存する。
第1に、チャイルドシートを隣接する複数の座席に同時又は個別に搭載する場合が想定されていないことから、そもそも、このような一対のアンカー部材の下部バーへの取付態様では、チャイルドシートを隣接する複数の座席に同時に搭載するのは技術的に困難であり、あるいは、複数の座席それぞれに対応して、一対のアンカー部材を下部バーに溶接固定するとすれば、溶接熱に起因して、下部バーの反りを生じ、チャイルドシ−トを座席に狂いなく取付るのが困難となったり、または、車幅の狭い小型車両においては、隣接する複数の座席を有する車両用シートにおいて、チャイルドシートを隣接する複数の座席に同時に搭載するように対応するのが困難であったりする。
【0007】
より詳細には、図8に示すように、特許文献1においては、隣接する複数の座席それぞれに、座席の幅に応じて、一対のアンカー部材を車幅方向に間隔を隔てて下部バーに溶接固定する際、各アンカー部材の一対の脚部が、下部バーに対して上下方向同じ側(図面では下側)で溶接固定されているので、図8に示すように、特にアンカー部材を下部バーに対してスポット溶接する場合には、溶接範囲が狭いことから、上下方向荷重が負荷がされる場合、各アンカー部材が下部バーから脱落する可能性があるとともに、複数の座席の一方の座席の他方の座席側のアンカー部材と、複数の座席の他方の座席の一方の座席側のアンカー部材とを近接配置するのが困難である。
それに対して、特許文献2においては、各アンカー部材の一対の脚部が、下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに対して上下方向逆の側で溶接固定されているが、複数の座席の一方の座席の他方の座席側のアンカー部材と、複数の座席の他方の座席の一方の座席側のアンカー部材とを近接配置する点については、開示はおろか示唆すらされていない。
第2に、隣接する複数の座席を有する車両用シートにおいて、たとえば、車両幅方向に2座席のスペースがある場合に、3座席分のチャイルドシートを設定するのが困難である。より詳細には、チャイルドシートの幅は、車両用シートの座席幅より狭いところ、従来は、複数の座席それぞれに対応して、一対のアンカー部材を下部バーに溶接固定しており、複数組の一対のアンカー部材を設置する場合に、車両用シートの幅方向への固定位置に対する制約が存した。
【特許文献1】特許第3462160号
【特許文献2】特許第3690228号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、車両用シートが設けられる車両の幅による制約を緩和しつつ、チャイルドシ−トの車両用シートに対する設置位置の自由度を拡大するとともに、車両前後方向および側方向の衝撃荷重に耐えられるように、チャイルドシ−トを車両用シートに狂いなく確実に装備可能なチャイルドシート取付装置およびチャイルドシート取付装置を有する車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明のチャイルドシ−トの取付装置は、
車両用シートに固定され、該車両用シートの幅方向に延びる下部バーが設けられ、
該下部バーには、複数組の一対のアンカー部材が固定され、
一対のアンカー部材はそれぞれ、車両用シートの幅方向に間隔を隔てて配置され、一対の脚部と、一対の脚部同士を連結し、チャイルドシ−トに取付られた固定フックに着脱自在に連結するための係止部とを有し、
前記複数組の一対のアンカー部材のうち互いに隣接する2組の一対のアンカー部材において、一方の組の一対のアンカー部材のうち他方の組の一対のアンカー部材側のアンカー部材の他方の組の一対のアンカー部材側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、他方の組の一対のアンカー部材のうち一方の組の一対のアンカー部材側のアンカー部材の一方の組の一対のアンカー部材側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、それにより、前記複数組の一対のアンカー部材のうち互いに隣接する2組の一対のアンカー部材は、車両幅方向に近接配置されている、構成としている。
【0010】
以上の構成を有するチャイルドシ−トの取付装置によれば、車両用シートに固定され、車両用シートの幅方向に延びる下部バーが設けられ、下部バーには、複数組の一対のアンカー部材が固定され、一対のアンカー部材はそれぞれ、車両用シートの幅方向に間隔を隔てて配置され、一対の脚部と、一対の脚部同士を連結し、チャイルドシ−トに取付られた固定フックに着脱自在に連結するための係止部とを有することから、一対のアンカー部材を介して、チャイルドシ−トを座席に着脱自在に取り付けることが可能である。
その際、互いに隣接する複数座席にチャイルドシ−トを同時搭載する場合であっても、複数組の一対のアンカー部材のうち互いに隣接する2組の一対のアンカー部材において、一方の組の一対のアンカー部材のうち他方の組の一対のアンカー部材側のアンカー部材の他方の組の一対のアンカー部材側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、他方の組の一対のアンカー部材のうち一方の組の一対のアンカー部材側のアンカー部材の一方の組の一対のアンカー部材側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定されることから、車両用シートが設けられる車両の幅による制約を緩和しつつ、チャイルドシ−トの車両用シートに対する設置位置の自由度を拡大するとともに、車両用シートの幅方向に隣接するアンカー部材を下部バーに固定するとしても、下部バーに反りを生じることなく、車両前後方向および側方向の衝撃荷重に耐えられるように、チャイルドシ−トを車両用シートに狂いなく確実に装備可能である。
【0011】
また、車両用シートは、互いに隣接する複数座席を具備し、前記下部バーは、車両用シートの幅全体に亘って、該車両用シートの幅方向に延び、
前記下部バーには、互いに隣接する複数座席それぞれに対応して、前記一対のアンカー部材が固定され、
前記一対のアンカー部材はそれぞれ、対応する座席の幅に応じて、車両用シートの幅方向に間隔を隔てて配置され、
互いに隣接する複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材において、他方の複数座席側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、反対側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、互いに隣接する複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材において、一方の複数座席側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、反対側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、それにより、複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材と複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材とは、車両幅方向に近接配置されているのでもよい。
【0012】
以上の構成を有するチャイルドシ−トの取付装置によれば、互いに隣接する複数座席にチャイルドシ−トを同時搭載する場合であっても、互いに隣接する複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材において、他方の複数座席側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、反対側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、互いに隣接する複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材において、一方の複数座席側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、反対側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに固定され、隣接する座席の隣接するアンカー部材の隣接する脚部同士が、上下方向に逆側で溶接固定されていることから、複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材と複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材とは、車両幅方向に近接配置されていることから、車両用シートが設けられる車両の幅による制約を緩和しつつ、車両用シートの幅方向に隣接するアンカー部材を下部バーに固定するとしても、下部バーに反りを生じることなく、車両前後方向の衝撃荷重に耐えられるように、チャイルドシ−トを車両用シートに狂いなく確実に装備可能である。
【0013】
また、前記車両用シートは、右座席、中央座席および左座席の3人用リアシートであり、
前記アンカー部材および前記下部バーそれぞれは、金属製であり、
中央座席左側アンカー部材の左側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、中央座席左側アンカー部材の右側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、左座席中央側アンカー部材の左側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、左座席中央側アンカー部材の右側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、それにより、中央座席左側アンカー部材と左座席中央側アンカー部材とは、車両幅方向に近接配置されているのでもよい。
【0014】
さらに、前記車両用シートは、右座席、中央座席および左座席の3人用リアシートであり、
前記アンカー部材および前記下部バーそれぞれは、金属製であり、
中央座席右側アンカー部材の右側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、中央座席右側アンカー部材の左側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、右座席中央側アンカー部材の右側脚部は、上側または下側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、右座席中央側アンカー部材の左側脚部は、下側または上側より下部バーを部分的に巻回する態様にて下部バーに溶接固定され、それにより、中央座席右側アンカー部材と右座席中央側アンカー部材とは、車両幅方向に近接配置されているのでもよい。
さらにまた、前記係止部は、前記下部バーの軸線方向に沿って延び、前記一対の脚部の各々は、前記下部バーの軸線方向に交差する方向に延びるのでもよい。
加えて、互いに車両幅方向に近接配置される前記一対のアンカー部材において、前記一方の一対のアンカー部材の前記他方の一対のアンカー部材側脚部と、前記他方の一対のアンカー部材の前記一方の一対のアンカー部材側脚部とは、オーバーラップ配置されているのでもよい。
また、前記一対の脚部の各々は、前記下部バーの軸線方向に交差する方向に前記下部バーの表面に沿って延びる湾曲部を有し、前記一対のアンカー部材は、該湾曲部を介して、前記下部バーの表面にアーク溶接されるのでもよい。
【0015】
さらに、前記一対の脚部の各々は、前記下部バーの軸線方向に交差する方向に延びる直線部を有し、一対のアンカー部材は、該直線部を介して、前記下部バーの表面にスポット溶接されるのでもよい。
さらにまた、前記車両用シートは、上下方向に延在する矩形状バックシートフレームを有し、前記下部バーは、該矩形状バックシートフレームに連結されるシートフレーム用ブラケットを介して、フロアパネルに固定されるのでもよい。
加えて、前記シートフレーム用ブラケットは、矩形状バックシートフレームの車両幅方向の各下端隅部をフロアパネルに対して固定支持するように設けられ、前記下部バーが貫通する貫通穴が設けられるのでもよい。
【0016】
また、該矩形状バックシートフレームの車両幅方向に延びる下辺部を前記下部バーとして利用するのでもよい。
さらに、前記シートフレーム用ブラケットは、矩形状バックシートフレームの車両幅方向の中間下部をフロアパネルに対して固定支持するように設けられ、前記下部バーは、矩形状バックシートフレームの前記一方の下端隅部と前記中間下部との間を延びる第1部分と、矩形状バックシートフレームの前記他方の下端隅部と前記中間下部の間を延びる第2部分と有し、各部分が個別に前記中間部の前記シートフレーム用ブラケットに対して固定されるのでもよい。
加えて、請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載のチャイルドシ−トの取付装置を具備する車両用シートでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のチャイルドシート取付装置の実施形態を、3人向け車両用リアシートに取付られる場合を例として、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
図1および図2に示すように、3人向け車両用リアシート10は、車両用シートバック11と車両用シートクッション13とから構成され、車両用シートクッション13は、着座者の臀部及び大腿部を支持し、車両用シートバック11は、着座者の背中を支持する。
車両用シートバック11と車両用シートクッション13それぞれは、車両用シートフレーム12と車両用シートフレーム全体を覆うように設けられたパッド(図示せず)と、車両用シートフレームおよびパッド全体を覆うように設けられた袋状の表皮材(図示せず)とを有する。
車両用シート10は、右座席R、中央座席Mおよび左座席Lの3人用リアシートであり、車両用シート10は、上下方向に延在する矩形状バックシートフレーム12を有し、右座席R用矩形状バックシートフレーム部12Aと中央座席Mおよび左座席L用矩形状バックシートフレーム部12Bとが、全体として矩形をなすように平面状に連結されて構成されている。
シートフレーム用ブラケット16が、矩形状バックシートフレーム12をフロアパネル18に対して固定支持するように設けられている。
より具体的には、右座席R用矩形状バックシートフレーム部12Aの右下部隅部20と、右座席R用矩形状バックシートフレーム部12Aの左下部隅部21および中央座席Mおよび左座席L用矩形状バックシートフレーム部12Bの右下部隅部23と、左座席L用矩形状バックシートフレーム部12Bの左下部隅部25とがそれぞれ、シートフレーム用ブラケット16A,B,Cにより固定支持されている。
チャイルドシートCの後面の下端部には、ISO−FIX式の一対の固定フックFL及びFRが固定的に設けられている。固定フックFL及びFR(図1において、一方のみ図示)は、横方向に互いに隔置され、後方へ向けて開き実質的に水平に延在する溝ML及びMRを有している。
【0018】
次いで、チャイルドシート取付装置について、説明すれば、図2に示すように、チャイルドシート取付装置100は、車両用シート10に固定され、車両用シート10の幅全体に亘って、車両用シート10の幅方向に延びる下部バー14を有する。下部バー14は、矩形状バックシートフレーム12に連結されるシートフレーム用ブラケット16A,B,Cを介して、フロアパネル18に固定され、シートフレーム用ブラケット16A,B,Cには、下部バー14が貫通する貫通穴(図示せず)が設けられる。
下部バー14のシートフレーム用ブラケット16を介してのバックシートフレーム部への固定態様に関し、中間位置について説明すれば、シートフレーム用ブラケット16はフロアパネル18上の車幅方向中央位置にボルト(図示せず)にて固定されており、シートフレーム用ブラケット16に対して下部バー14を後方から当接させた状態で両者が一体的に結合されている。
変形例として、矩形状バックシートフレーム12の車両幅方向に延びる下辺部24を下部バー14として利用してもよい。これにより、別途下部バー14を設けることなく、チャイルドシート取付装置100の低コスト化を達成可能である。
【0019】
図3ないし図6に示すように、下部バー14には、互いに隣接する複数座席それぞれに対応して、一対のアンカー部材32が固定されている。
より具体的には、右座席R用には、一対のアンカー部材32AA,ABが、中央座席M用には、一対のアンカー部材32BA,BBが、左座席L用には、一対のアンカー部材32CA,CBが設けられる。一対のアンカー部材32各々は、たとえば、鋼製中実丸棒を所定形状に折り曲げて形成されている。
【0020】
一対のアンカー部材32は、下部バー14に対して溶接により固定されており、これらのアンカー部材32は、対応する座席の幅に応じて、車両用シート10の幅方向に間隔を隔てて配置され、固定フックFL及びFRの中心間隔と同一の中心間隔にて車両幅方向に互いに隔置されている。一対のアンカー部材32それぞれは、車両用シート10の車両用シートクッション13の後端部と車両用シートバック11の下端部との間に位置し、上方より見て後方へ向けて開いた実質的にコの字形をなしている。
一対のアンカー部材32はそれぞれ、一対の脚部34と、一対の脚部34同士を連結し、チャイルドシートCに取付られた固定フックFに着脱自在に連結するための係止部36とを有し、係止部36は、下部バー14の軸線方向に沿って延び、一対の脚部34の各々は、下部バー14の軸線方向に交差する方向に延びる。
一対のアンカー部材32において、各係合部36は固定フックFL及びFRのML及びMRに嵌入し、これにより固定フックFL及びFRがそれぞれアンカー部材32に着脱自在に固定されるようになっている。
【0021】
より詳細には、中央座席M左側アンカー部材32BBの左側脚部34Bは、上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、中央座席M左側アンカー部材32BBの右側脚部34Aは、下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、左座席L中央側アンカー部材32CAの左側脚部34Bは、上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、左座席L中央側アンカー部材32CAの右側脚部34Aは、下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、隣接する座席の隣接するアンカー部材32の隣接する脚部34同士が、上下方向に逆側で溶接固定されていることから、中央座席M左側アンカー部材32BBと左座席L中央側アンカー部材32CAとは、車両幅方向に近接配置されている。
特に、互いに車両幅方向に近接配置される一対のアンカー部材32(中央座席M左側アンカー部材32BBと左座席L中央側アンカー部材32CA)において、一方の一対のアンカー部材32の他方の一対のアンカー部材32側脚部34と、他方の一対のアンカー部材32の一方の一対のアンカー部材32側脚部34とが、オーバーラップするように配置することにより、車両幅方向に近接して配置することが可能となる。
【0022】
変形例として、シートフレーム用ブラケット16Bを省略する場合、中央座席M右側アンカー部材32BAの右側脚部34Aは、上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、中央座席M右側アンカー部材32BAの左側脚部34Bは、下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、右座席R中央側アンカー部材32ABの右側脚部34Aは、上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、右座席R中央側アンカー部材32ABの左側脚部34Bは、下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、それにより、中央座席M右側アンカー部材32BAと右座席R中央側アンカー部材32ABとが、車両幅方向に近接配置されているのでもよい。
なお、一対のアンカー部材32において、右側脚部34Aおよび左側脚部34Bはそれぞれ、上側および下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定するだけでなく、下側および上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定するのでもよい。
【0023】
より詳細には、一対のアンカー部材32において、脚部34Aの先端部は、上側または下側より下部バー14の周りに90 °以上且つ180 °未満の範囲に亘り巻回された状態にて下部バー14に溶接固定され、脚部34Bの先端部は下側または上側より下部バー14の周りに、たとえば、90 °以上且つ180 °未満の範囲に亘り巻回された状態にて下部バー14に溶接固定され、図5および図6に示すように、一対の脚部34A及び34Bは車輌の横方向に見て後方へ向けて開き且つ下部バー14より前方へ向けて突出するV字形をなしている。
【0024】
一対の脚部34A,Bの各々は、下部バー14の軸線方向に交差する方向に下部バー14の表面38に沿って延びる湾曲部40を有し、一対のアンカー部材32は、湾曲部40を介して、下部バー14の表面38にアーク溶接される。
溶接固定の変形例としては、図4および図6に示すように、一対の脚部34A,Bの各々は、下部バー14の軸線方向に交差する方向に延びる直線部42を有し、一対のアンカー部材32は、直線部42を介して、下部バー14の表面38にスポット溶接されるのでもよい。この方法によれば、アーク溶接に比べて、溶接長さを短くすることが可能であるので、溶接熱の影響をさらに低減することが可能である。
なお、一対のアンカー部材32において、脚部34Aの下部バー14に対する巻回し長さは、車両前後方向荷重に対して、脚部34Aを下部バー14に対して係止させる観点から定めるのに対して、脚部34Aの下部バー14に対する溶接長さは、車両前後方向および側方向の衝撃荷重に対して、チャイルドシートを固定保持可能な観点から定めることから、巻回し長さと溶接長さとは必ずしも一致しなくてもよい。
【0025】
さらなる変形例として、シートフレーム用ブラケット16Bは、矩形状バックシートフレーム12の車両幅方向の中間下部26をフロアパネル18に対して固定支持するように設けられるところ、下部バー14は、矩形状バックシートフレーム12の一方の下端隅部20と中間下部26との間を延びる第1部分と、矩形状バックシートフレーム12の他方の下端隅部20と中間下部26の間を延びる第2部分と有し、各部分が個別にシートフレーム用ブラケット16Bの対向面の対応する面に対して固定されるのでもよい。たとえば、第1部分が、右または左座席Lに対応し、第2部分が、中央座席Mおよび左または右座席Rに対応するのでよい。
【0026】
以上の構成を有するチャイルドシートCの取付装置について、その作用を、チャイルドシートCの取付装置の車両用シートへの組付け方法を含め、以下に説明する。
チャイルドシートCの取付装置の組付方法について、互いに隣接する複数座席を具備し、車両幅方向に幅全体に亘って延びる下部バー14が設けられる車両用シート10において、チャイルドシートCを搭載する少なくとも複数座席を選択する段階と、
選択した互いに隣接する複数座席それぞれに対応して、一対のアンカー部材32を下部バー14に対して溶接固定する段階とを有する。たとえば、チャイルドシートCを隣接する中央座席Mおよび左座席Lに搭載すると選択することにより、一対のアンカー部材32を下部バー14に対して溶接固定する位置が決定される。
【0027】
一対のアンカー部材32はそれぞれ、対応する座席の幅に応じて、車両用シート10の幅方向に間隔を隔てて配置され、一対の脚部34と、一対の脚部34同士を連結し、チャイルドシートCに着脱自在に連結するための係止部36とを有するところ、下部バー14に対する一対のアンカー部材32の位置決めは、下部バー14を一端から各アンカー部材32の一対の脚部34の間に下部バー14の長手方向にくぐらせて、アンカー部材32を下部バー14の長手方向所定位置に位置決めした後、アンカー部材32を下部バー14の周方向に回転することにより行えばよい。
【0028】
次いで、複数座席の一方に設ける他方の複数座席側アンカー部材32と複数座席の他方に設ける一方の複数座席側アンカー部材32とが、車両幅方向に近接配置されるように、互いに隣接する複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材32において、他方の複数座席側脚部34を、上側または下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定し、反対側脚部34を、下側または上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定し、互いに隣接する複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材32において、一方の複数座席側脚部34を、上側または下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定し、反対側脚部34を、下側または上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定する。
アンカー部材32が溶接固定された下部バー14をシートフレーム用ブラケット16を介して、車両用シート10に固定することにより、チャイルドシートCの取付装置の車両用シートへの組付けが完了する。
【0029】
以上の構成を有するチャイルドシートCの取付装置によれば、互いに隣接する複数座席を具備する車両用シート10において、車両用シート10の幅全体に亘って、車両用シート10の幅方向に延びる下部バー14が設けられ、チャイルドシートCを搭載する座席の幅に応じて車両用シート10の幅方向に間隔を隔てて配置された一対のアンカー部材32が下部バー14に溶接固定されていることから、一対のアンカー部材32を介して、チャイルドシートCを座席に着脱自在に取り付けることが可能である。
【0030】
より具体的には、チャイルドシートCを車両用シートクッション13に固定する場合には、まずチャイルドシートCを車両用シートクッション13の上面に沿って車両後方へ移動させ、これにより固定フックFL及びFRの溝ML及びMR にそれぞれ一対のアンカー部材32の係合部36を嵌入させ、シートベルト又は専用のベルト(図示せず)により、チャイルドシートCを車両用シートクッション13に固定する。
【0031】
その際、互いに隣接する複数座席にチャイルドシートCを同時搭載する場合であっても、互いに隣接する複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材32において、他方の複数座席側脚部34は、上側または下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、反対側脚部34は、下側または上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、互いに隣接する複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材32において、一方の複数座席側脚部34は、上側または下側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、反対側脚部34は、下側または上側より下部バー14を部分的に巻回する態様にて下部バー14に溶接固定され、隣接する座席の隣接するアンカー部材32の隣接する脚部34同士が、上下方向に逆側で溶接固定されていることから、複数座席の一方に設けた他方の複数座席側アンカー部材32と複数座席の他方に設けた一方の複数座席側アンカー部材32とは、車両幅方向に近接配置されていることから、車両用シート10が設けられる車両の幅による制約を緩和しつつ、車両用シート10の幅方向に隣接するアンカー部材32を下部バー14に溶接固定するとしても、下部バー14に反りを生じることなく、車両前後方向の衝撃荷重に耐えられるように、チャイルドシートCを車両用シート10に狂いなく確実に装備可能である。
【0032】
変形例として、一対のアンカー部材を車両用シートの互いに隣接する複数の座席それぞれに対応して設ける必要はなく、図7に示すように、チャイルドシートの幅wは、座席幅Wより狭いところ、2座席R,Lの車両用シートにおいて、3組の一対のアンカー部材32を下部バーに溶接固定してもよい。この場合、3組の一対のアンカー部材32において、車両の幅方向に隣接する一対のアンカー部材32が2組あることから、互いに近接する一対のアンカー部材32Aのアンカー部材32ABと一対のアンカー部材32Bのアンカー部材32BA、および互いに近接する一対のアンカー部材32Bのアンカー部材32BBと一対のアンカー部材32Cのアンカー部材32CAに対して、本実施形態のように、下部バー14に対する巻回の態様を上下逆の関係として、近接配置を可能としてもよい。
【0033】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、3人用リアシート向けに、矩形状バックシートフレームにおいて、左座席用矩形状バックシートフレームと、中央座席および右座席用矩形状バックシートフレームとを平面状に連結するものとして説明したが、それに限定されることなく、矩形状バックシートフレームにおいて、左座席と中央座席との境界部に上下方向に補強梁を張った構造のものでもよい。
たとえば、本実施形態において、3人用リアシートにチャイルドシートCを搭載するものとして説明したが、それに限定されることなく、互いに隣接する座席を有する車両用シートにチャイルドシートCを搭載するものであればよく、チャイルドシートCを互いに隣接する座席に同時に搭載する場合だけでなく、いずれかの座席に搭載する場合でもよい。
【0034】
たとえば、本実施形態において、下部バーを支持ブラケットを介して車両用シートに固定するものとして説明したが、それに限定されることなく、車両前後方向の衝撃荷重に対してチャイルドシートCが確実に座席に固定保持される限り、支持ブラケットを用いることなく、下部バーを直接車両用シートに固定するのでもよい。
たとえば、本実施形態において、一対のアンカー部材を断面円形の中空パイプ状のものとして説明したが、それに限定されることなく、中実の断面矩形状の部材でもよい。
たとえば、本実施形態において、固定フックが溝を介して係合部に着脱自在に固定されるものとして説明したが、それに限定されることなく、固定フックは対応する係合部に対して、他の態様にて固定されるようにするのでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本願発明の実施形態のチャイルドシート取付装置により、チャイルドシートCが車両用シートに取り付けられた状況を示す概略斜視図である。
図2】本願発明の実施形態のチャイルドシート取付装置において、車両用シートフレームにチャイルドシートC取付装置が組付けられた状況を示す概略斜視図である。
図3】本願発明の実施形態のチャイルドシート取付装置において、下部バーに対する一対のアンカー部材の固定態様を示す部分概略斜視図である。
図4】本願発明の実施形態のチャイルドシート取付装置において、下部バーに対する一対のアンカー部材の別の固定態様を示す、図3と同様な部分概略斜視図である。
図5図3において、下部バーの軸線方向から見た、下部バーに対する一対のアンカー部材の固定態様を示す部分概略断面図である。
図6図4において、下部バーの軸線方向から見た、下部バーに対する一対のアンカー部材の固定態様を示す部分概略断面図である。
図7】下部バーに対する一対のアンカー部材の固定態様の変形例を示す概略図である。
図8】従来のチャイルドシート取付装置において、下部バーに対する一対のアンカー部材の固定態様を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
C チャイルドシート
F 固定フック
R 右座席
M 中央座席
L 左座席
G 溝
10 車両用シート
11 車両用シートバック
12 矩形状バックシートフレーム
13 車両用シートクッション
14 下部バー
16 シートフレーム用ブラケット
18 フロアパネル
20 下端隅部
22 貫通穴
24 下辺部
26 中間下部
32 アンカー部材
34 脚部
36 係止部
38 表面
40 湾曲部
42 直線部
100 チャイルドシート取付装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8