(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記総調理時間設定部が、長さを変えて予め設定された複数の前記総調理時間を選択する形態で前記総調理時間を変更設定するように構成されている請求項3記載のガス燃焼式調理器。
前記運転制御部が、前記第1調理運転中においては、当該第1調理運転の開始からの経過時間を前記第1調理時間から減算した第1調理運転用残時間を調理時間表示部に表示し、かつ、前記第2調理運転中においては、当該第2調理運転の開始からの経過時間を前記第2調理時間から減算した第2調理運転用残時間を前記調理時間表示部に表示するように構成され、
前記第1調理運転中において前記第1調理運転用残時間を変更設定し、かつ、前記第2運転中において前記第2調理運転用残時間を変更設定する時間変更設定部が設けられ、
前記運転制御部が、前記時間変更設定部による変更情報に基づいて、前記第1調理運転用残時間及び前記第2調理運転用残時間を更新するように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス燃焼式調理器。
前記運転制御部が、前記第1調理運転中に前記第1調理運転用残時間が変更設定されると、その変更分と予め設定された分配比率とに基づいて、前記第2調理時間の修正時間を求めて、当該修正時間に基づいて前記第2調理時間を修正するように構成されている請求項5記載のガス燃焼式調理器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
手動操作力にて操作されて高火力を変更調整する手動操作式の火力調整部を備えたガス燃焼式調理器において、表裏両面モードにて加熱調理できるようにすることが望まれている。
手動操作式の火力調整部を備えたガス燃焼式調理器において、表裏両面モードにて加熱調理できるようにするにあたり、被調理物を適正に加熱調理するには、表裏両面モードにて加熱調理する際の高火力を一定の火力に維持する必要がある。
【0009】
表裏両面モードにて加熱調理する際の高火力として、例えば、バーナの点火の際に操作される点火用火力に定めることが考えられる。
つまり、押操作式の点消火具を点火のために押操作するときの高火力が、点火用火力よりも大きいとき及び点火用火力よりも小さいときのいずれにおいても、押操作式の点消火具にてバーナを点火させる際に、押操作式の点消火具にて、火力調節弁を点火用火力に操作するように構成して、その点火用火力を維持しながら、表裏両面モードにて加熱調理できるように構成することが考えられる。
【0010】
しかしながら、手動操作力にて操作されて高火力を変更調整する手動操作式の火力調整部を備えたガス燃焼式調理器においては、バーナを点火させた際に、使用者が誤って、あるいは、好みによって、手動操作式の火力調整部を操作してしまうことに起因して、高火力が、バーナを点火させた際の火力から変更されてしまう虞があり、その結果、高火力の火力の強さに過不足を生じて、表裏両面モードによる加熱調理を良好に行えない不都合が発生する虞がある。
【0011】
すなわち、第1加熱条件が、温度検出部の検出温度に基づいて、バーナを高火力と低火力とに切換えながら調理容器を第1目標温度に維持する条件に設定され、かつ、第2加熱条件が、前記温度検出部の検出温度に基づいて、バーナを高火力と低火力とに切換えながら調理容器を第2目標温度に維持する条件に設定されるものであるが、調理容器に接触して温度を検出する容器接触式の温度検出部には、調理容器の温度を検出するのに応答遅れが生じることに起因して、高火力が変動すると、調理容器に与える熱量が変動することにより、表裏両面モードによる加熱調理を良好に行えない不都合があった。
【0012】
例えば、バーナを高火力と低火力とに切換えながら調理容器を第1目標温度に維持する場合には、温度検出部の検出温度が第1目標温度以上になるとバーナを低火力に切換え、温度検出部の検出温度が第1目標温度よりも設定温度(例えば、5℃)低い下限温度以下になると、バーナを高火力に切換えることになるが、調理容器の熱が接触式の温度検出部に伝わって検出(計測)されるまでには時間遅れがある。
【0013】
このため、温度検出部の検出温度が第1目標温度よりも設定温度(例えば、5℃)低い下限温度以下になって、バーナを高火力に切換えたのちにおいて、温度検出部の検出温度が第1目標温度以上になる時点は、調理容器の温度が第1目標温度以上になった時点よりも遅くなるのであり、その遅れ時間の間、調理容器に対する加熱が続けられて、調理容器の温度が第1目標温度よりもかなり高温になる。
そして、高火力の火力が強いほど、単位時間当たりの加熱量が多いことに起因して、高火力の火力が強いほど、調理容器の温度が第1目標温度よりも大きく高温に加熱されることになり、表裏両面モードによる加熱調理を良好に行えないものとなる(
図10参照)。
【0014】
ちなみに、
図10においては、表用目標温度が、第1目標温度に相当し、表用下限温度が、第1目標温度よりも設定温度(例えば、5℃)低い下限温度に相当し、底部温度が、温度検出部により調理容器の底部を検出した検出温度に相当することになり、表面温度が、赤外線センサ等を用いて、調理容器の表面側の温度を時間遅れなく計測した温度に相当する。但し、調理容器には、被調理物を載置(投入)しないで計測した結果である。
【0015】
そして、
図10では、バーナ(実施形態の「標準火力バーナ1A」に相当)の高火力を高カロリー(例えば、3000kcal/h)に設定した状態で燃焼を開始し、その後、調理容器の予熱が完了すると、底部温度が表用目標温度以上になると低火力に切換え、底部温度が表用下限温度になると高火力に切換える形態でバーナの火力を調整する温調用の加熱運転を行い、次に、バーナの高火力を低カロリー(例えば、2000kcal/h)に切換えて燃焼させながら、温調用の加熱運転を行うことを例示するものである。
【0016】
図10に示されるように、バーナの火力を高火力に切換えると、時間遅れなく計測される表面温度が直ちに上昇を開始するのに対して、時間遅れがある状態で計測される底部温度が、下降を続けたのちに上昇を開始することになり、また、時間遅れがある状態で計測される底部温度が表用目標温度になって、バーナの火力を低火力に切換えるときには、時間遅れなく計測される表面温度が、時間遅れがある状態で計測される底部温度よりもかなり高温になる。
【0017】
加えて、
図10に示すように、バーナの火力を低火力に切換えるときの表面温度は、バーナを高カロリーで燃焼させるときの方が、バーナを低カロリーで燃焼させるときよりも高温になるのである。
尚、説明を省略するが、バーナを高火力と低火力とに切換えながら調理容器を第2目標温度に維持する場合にも同様である。
【0018】
従って、上述の如く、高火力の火力が強いほど、単位時間当たりの加熱量が多いことに起因して、高火力の火力が強いほど、調理容器の温度が第1目標温度よりも大きく高温に加熱されるものとなるから、表裏両面モードを行うときの高火力の火力の強さが変動すると、調理容器に与える熱量が変動することにより、表裏両面モードによる加熱調理を良好に行えないものとなるため、手動操作力にて操作されて高火力を変更調整する手動操作式の火力調整部を備えるガス燃焼式調理器においては、表裏両面モードの加熱調理を良好に行えない虞があった。
【0019】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、手動操作力にて操作されて高火力を変更調整する手動操作式の火力調整部を備えながらも、表裏両面モードにて良好に加熱調理できるガス燃焼式調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明のガス燃焼式調理器は、加熱調理用のバーナと、調理メニューを指令する調理メニュー指令部と、前記バーナの作動を制御する運転制御部とが設けられ、
前記調理メニューとして、第1調理時間の間は第1加熱条件で前記バーナを作動させて、調理容器に収納した被調理物の表面を加熱調理する第1調理運転と、当該第1調理運転に続く第2調理時間の間は第2加熱条件で前記バーナを作動させて、表裏反転させた前記被調理物の裏面を加熱調理する第2調理運転とを行う表裏両面モードが備えられ、
前記調理容器に接触して温度を検出する容器接触式の温度検出部が設けられ、
前記第1加熱条件が、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記バーナを高火力と低火力とに切換えながら前記調理容器を第1目標温度に維持する条件に設定され、かつ、前記第2加熱条件が、前記温度検出部の検出温度に基づいて、前記バーナを前記高火力と前記低火力とに切換えながら前記調理容器を第2目標温度に維持する条件に設定され、
前記運転制御部が、前記調理メニュー指令部にて指令された前記表裏両面モードの調理運転の開始が指令されると、前記高火力に前記調理容器を予熱する予熱運転を実行した後に、前記第1調理運転及び前記第2調理運転を順次実行するように構成されたものであって、その特徴構成は、
手動操作力にて操作されて前記高火力を変更調整する手動操作式の火力調整部が設けられ、
前記運転制御部が、前記予熱運転を実行するときの前記温度検出部の検出温度の上昇状況に基づいて、前記高火力の火力の強さを判定して、その判定結果に基づいて、前記第1調理時間及び前記第2調理時間を補正する時間補正処理を実行するように構成されている点にある。
【0021】
すなわち、予熱運転を実行するときの温度検出部の検出温度の上昇状況に基づいて、高火力の火力の強さが判定されて、その判定結果に基づいて、火力が強いほど短くするように、第1調理時間及び第2調理時間が補正されることになる。
【0022】
したがって、バーナを点火させた際に、使用者が誤って、あるいは、好みによって、手動操作式の火力調整部を操作してしまうことがあっても、高火力の火力が強いほど短くするように、第1調理時間及び第2調理時間が補正されることになるから、調理容器に載置(投入)した被調理物の表面や裏面を適切に加熱調理することができる。
【0023】
要するに、本発明のガス燃焼式調理器によれば、手動操作力にて操作されて高火力を変更調整する手動操作式の火力調整部を備えながらも、表裏両面モードにて良好に加熱調理できる。
【0024】
本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記予熱運転が終了すると、予熱運転終了報知部を作動させるように構成されている点にある。
【0025】
すなわち、予熱運転が終了すれば、予熱運転終了報知部の作動により、予熱運転の終了が報知されるから、予熱運転の終了に伴って、被調理物を調理容器に載置(投入)することを、時間遅れなく適切に行える。
【0026】
このように、予熱運転の終了に伴って時間遅れなく、被調理物を調理容器に適切に載置(投入)することができるから、被調理物を一層良好に表裏両面モードにて加熱調理することができる。
【0027】
要するに、本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成によれば、被調理物を一層良好に表裏両面モードにて加熱調理することができる。
【0028】
本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成は、前記第1調理時間と前記第2調理時間を加えた総調理時間を変更設定する総調理時間設定部が設けられ、
前記運転制御部が、前記総調理時間と予め設定された分配比率とに基づいて、前記第1調理時間と前記第2調理時間とを設定するように構成されている点にある。
【0029】
すなわち、表裏両面モードにおいて、第1調理時間と第2調理時間とに対応する総調理時間を、被調理物の容量等を鑑みながら、総調理時間設定部にて変更設定すれば、その総調理時間と予め設定された分配比率とに基づいて、第1調理時間と第2調理時間とが設定される。
このように、総調理時間を総調理時間設定部にて変更設定すれば、第1調理時間と第2調理時間が設定されるものとなるから、第1調理時間と第2調理時間とを各別に設定する面倒が無くなるため、表裏両面モードにおける時間設定のための操作の簡略化を図ることができる。
【0030】
つまり、発明者は、鋭意研究により、第1調理時間により被調理物の表面が加熱されることにより、被調理物の全体の温度が上昇している等により、被調理物の裏面を加熱する第2調理時間は、被調理物の表面を加熱する第1調理時間よりも短く、しかも、被調理物の表面を加熱する第1調理時間が長くなるほど、被調理物の裏面を加熱する第2調理時間を長くすることが好ましいことに鑑みて、総調理時間を被調理物の容量等に基づいて設定しさえすれば、総調理時間と予め設定された分配比率とに基づいて、第1調理時間と第2調理時間とを適切に設定できることを見出したのである。
【0031】
要するに、本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成によれば、第1調理時間及び第2調理時間を被調理物に合わせて変更設定する操作の簡略化を図るようにしながら、被調理物を表裏両面モードにて加熱調理することができる。
【0032】
本発明の加熱調理器の更なる特徴構成は、前記総調理時間設定部が、長さを変えて予め設定された複数の前記総調理時間を選択する形態で前記総調理時間を変更設定するように構成されている点にある。
【0033】
すなわち、複数の総調理時間が、長さを変えて予め設定され、総調理時間設定部が、長さを変えて予め設定された複数の総調理時間を選択することにより、総調理時間を変更設定することになる。
したがって、総調理時間を変更設定する操作の簡略化を図ることができる。
【0034】
つまり、設定する時間を増加させる時間増加操作部及び設定する時間を減少させる時間減少操作部を備えた時間スイッチ等を用いて、総調理時間を変更設定する場合に較べて、予め設定された複数の総調理時間を選択する操作は簡便に行えるものであるから、総調理時間を変更設定する操作が簡便になる。
【0035】
要するに、本発明の加熱調理器の更なる特徴構成によれば、総調理時間を変更設定する操作の簡略化を図ることができる。
【0036】
本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記第1調理運転中においては、当該第1調理運転の開始からの経過時間を前記第1調理時間から減算した第1調理運転用残時間を調理時間表示部に表示し、かつ、前記第2調理運転中においては、当該第2調理運転の開始からの経過時間を前記第2調理時間から減算した第2調理運転用残時間を前記調理時間表示部に表示するように構成され、
前記第1調理運転中において前記第1調理運転用残時間を変更設定し、かつ、前記第2運転中において前記第2調理運転用残時間を変更設定する時間変更設定部が設けられ、
前記運転制御部が、前記時間変更設定部による変更情報に基づいて、前記第1調理運転用残時間及び前記第2調理運転用残時間を更新するように構成されている点にある。
【0037】
すなわち、第1調理運転中においては、第1調理運転用残時間が表示されるから、被調理物を表裏反転させるタイミングを適切に認識し易くなり、また、第2調理運転中においては、第2調理運転用残時間が表示されるから、第2調理運転の終了、換言すれば、被調理物の調理終了のタイミングを適切に認識し易くなり、使い勝手の向上を図ることができる。
【0038】
しかも、第1調理運転中においては、第1調理運転用残時間を変更設定でき、かつ、第2運転中においては、第2調理運転用残時間を変更設定できるものであるから、被調理物が予想外に焼け難い、あるいは、被調理物が予想外に焼け易い等に応じて、第1調理運転用残時間や第2調理運転用残時間を増減変更設定しながら、被調理物を一層良好に焼き上げることができる。
【0039】
要するに、本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成によれば、使い勝手の向上を図り、しかも、被調理物を一層良好に焼き上げることができる。
【0040】
本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成は、前記運転制御部が、前記第1調理運転中に前記第1調理運転用残時間が変更設定されると、その変更分と予め設定された分配比率とに基づいて、前記第2調理時間の修正時間を求めて、当該修正時間に基づいて前記第2調理時間を修正するように構成されている点にある。
【0041】
すなわち、第1調理運転中に第1調理運転用残時間を変更設定すれば、その変更分と分配比率とに基づいて求めた修正時間により、第2調理時間が更新されることになる。
つまり、被調理物が予想外に焼け難い、あるいは、被調理物が予想外に焼け易い等に応じて、第1調理運転用残時間を増減変更した際には、第2調理時間も増減変更する必要があると考えられるものであるから、第1調理運転用残時間の変更分と分配比率とに基づいて求めた修正時間により、第2調理時間を修正することにより、別途、第2調理時間を変更設定する手間を省くことができるものとなり、使用勝手の一層の向上を図ることができる。
【0042】
要するに、本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成によれば、第2調理時間を変更設定する手間を省いて、使用勝手の一層の向上を図ることができる。
【0043】
本発明のガス燃焼式調理器の更なる特徴構成は、総調理時間表示指令を指令する総調理時間表示指令部が設けられ、
前記運転制御部が、前記第1調理運転を実行しているときに、前記総調理時間表示指令が指令されると、前記第1調理運転用残時間と前記第2調理時間とを加えた総調理残時間を、前記第1調理運転用残時間に代えて前記調理時間表示部に表示するように構成されている点にある。
【0044】
すなわち、第1調理運転中において、総調理時間表示指令部にて総調理時間表示指令を指令すれば、第1調理運転用残時間と第2調理時間とを加えた総調理残時間が、第1調理運転用残時間に代えて調理時間表示部に表示されることになるから、第1調理運転中において、第2調理運転が終了するまでの残時間を知りたいときには、総調理時間表示指令部にて総調理時間表示指令を指令することにより、調理時間表示部に表示された総調理残時間を、第2調理運転が終了するまでの残時間として読み取ることができる。
【0045】
しかも、総調理残時間を表示するにあたり、第1調理運転用残時間に代えて調理時間表示部に総調理残時間を表示するものであるから、総調理残時間を表示するために、別途、総調理残時間を表示するための表示部を設けるようにすることに較べて、構成の簡素化を図ることができる。
【0046】
要するに、本発明のガス燃焼式理器の更なる特徴構成によれば、構成の簡素化を図りながら、第1調理運転中においても、第2調理運転が終了するまでの残時間を表示することができる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ガスコンロの全体構成)
図1に示すように、ガス燃焼式調理器としてのビルトイン式のガスコンロGCが、コンロ本体Hの上面部に、加熱調理用のバーナとしてのコンロバーナ1を備え、コンロ本体Hの横幅方向中央部に、グリルバーナ2(
図2参照)を装備したグリルGを備える形態に構成されている。
本実施形態においては、コンロバーナ1として、標準火力バーナ1A及び高火力バーナ1Bが左右に並ぶ状態で装備されている。
【0049】
コンロ本体Hの上部には、ガラス製の天板3が配置され、コンロ本体Hの上面部の後部側には、グリルGの調理排気を排気するためのグリル排気口4が形成されている。
天板3の上部には、コンロバーナ1にて加熱されるコンロ用調理容器CK(
図3参照)を載置するための五徳5が、標準火力バーナ1A及び高火力バーナ1Bの夫々に対応して設けられている。
本実施形態においては、コンロ用調理容器CK(調理容器の一例)として、取手を備えた蓋付き調理鍋を例示する。
【0050】
図3に示すように、コンロバーナ1は、円筒状のコンロバーナ本体部1aと、そのコンロバーナ本体部1aに接続されるコンロバーナ混合管部1bとを備え、コンロバーナ本体部1aには、周方向に沿って炎孔Fが形成されている。
コンロバーナ1の中央部には、コンロ用調理容器CKの底部温度を検出する容器温度検出センサ1S(容器接触式の温度検出部の一例)が設けられている。
【0051】
容器温度検出センサ1Sは、温度計測用サーミスタ等にて構成される温度検知部9aを上端部に備えた検出体9を、上下動自在に且つ上方側に復帰付勢して設けて、温度検知部9aをコンロ用調理容器CKの底部に接触させて、当該底部温度を検出するように構成され、また、五徳5に載置されたコンロ用調理容器CKにて検出体9が下方に移動したことを検出する検出スイッチ9bを設けて、コンロ用調理容器CKの存在を検出するように構成されている。
【0052】
図1に示すように、ガスコンロGCの前面には、標準火力バーナ1Aに対する点火及び消火を指令する押し操作式の点消火具としての第1コンロ用操作具6A、高火力バーナ1Bに対する点火及び消火を指令する押し操作式の点消火具としての第2コンロ用操作具6B、及び、グリルバーナ2に対する点火及び消火を指令する押し操作式の点消火具としてのグリル用操作具7が設けられている。
【0053】
加えて、ガスコンロGCの前面には、標準火力バーナ1Aの火力を調節する第1コンロ用火力調節具8A、高火力バーナ1Bの火力を調節する第2コンロ用火力調節具8B、及び、グリルバーナ2の火力を調節するグリル用火力調節具7Aが設けられている。
【0054】
また、ガスコンロGCの前面の左方の下方側箇所には、後述する表裏両面モードの調理情報を入力するための表裏両面用設定操作部10が設けられ、ガスコンロGCの前面の右方の下方側箇所には、コンロバーナ1やグリルバーナ2を用いた自動調理等を設定する自動調理用設定操作部11が設けられている。
ちなみに、本実施形態においては、後述の如く、表裏両面モードの加熱調理が標準火力バーナ1Aを用いて実行されるものとする。
尚、表裏両面用設定操作部10の詳細は後述するが、自動調理用設定操作部11は周知であるので、本実施形態では、詳細な説明を省略する。
【0055】
(表裏両面モードの概要)
表裏両面モードとは、第1調理時間の間は第1加熱条件で標準火力バーナ1Aを作動させて、調理容器としてのコンロ用調理容器CKに収納した被調理物の表面を加熱調理する第1調理運転と、当該第1調理運転に続く第2調理時間の間は第2加熱条件で標準火力バーナ1Aを作動させて、表裏反転させた前記被調理物の裏面を加熱調理する第2調理運転とを行う加熱調理モードである。
【0056】
第1加熱条件が、容器温度検出センサ1Sの検出温度に基づいて、標準火力バーナ1Aを高火力と低火力とに切換えながらコンロ用調理容器CKを第1目標温度に維持する条件に設定され、かつ、第2加熱条件が、容器温度検出センサ1Sの検出温度に基づいて、標準火力バーナ1Aを高火力と低火力とに切換えながらコンロ用調理容器CKを第2目標温度に維持する条件に設定されている。
【0057】
そして、後述する運転制御部M(
図6参照)が、表裏両面モードの調理運転の開始が指令されると、コンロ用調理容器CKを予熱する予熱運転を実行した後に、標準火力バーナ1Aを第1加熱条件にて作動させる第1調理運転及び標準火力バーナ1Aを第2加熱条件にて作動させる第2調理運転を順次実行するように構成されており、その詳細は後述の通りである。
【0058】
(ガス燃料の供給構成)
図2に示すように、都市ガス等の燃料ガスが供給される元ガス供給路15に、標準火力バーナ1Aに対する第1コンロ用分岐路16A、高火力バーナ1Bに対する第2コンロ用分岐路16B、及び、グリルバーナ2に対するグリル用分岐路17が接続されている。
そして、第1コンロ用分岐路16Aには、第1コンロ用器具栓19Aが配設され、第2コンロ用分岐路16Bには、第2コンロ用器具栓19Bが配設され、グリル用分岐路17には、グリル用器具栓20が配設されている。
【0059】
尚、グリル用分岐路17には、燃料ガスの供給圧を一定に維持するガスガバナが装備されるが、
図2は、その記載を省略する。
また、グリルバーナ2は、一般に、被加熱物を上方から加熱する上バーナと被加熱物を下方から加熱する下バーナとを備えさせることになり、本実施形態においても、上バーナと下バーナとを備えるものであるが、
図2においては、上バーナのみを記載して、下バーナの記載を省略する。
【0060】
図2に示すように、標準火力バーナ1A及び高火力バーナ1Bの夫々に対して、点火用の点火プラグP、及び、熱電対等を用いて構成される着火状態検出用の着火センサRが装備されている。尚、グリルバーナ2に対しても、点火プラグP及び着火センサRが装備されている。
【0061】
図4に示すように、第1コンロ用器具栓19Aが、第1コンロ用操作具6Aの背部箇所に配設されている。
そして、第1コンロ用操作具6Aを後方側に押し込む点火操作により、第1コンロ用器具栓19Aが標準火力バーナ1Aへ燃料を供給する燃料供給状態に操作され、第1コンロ用操作具6Aを再度後方側に押し込む消火操作により、第1コンロ用器具栓19Aが標準火力バーナ1Aへの燃料供給を停止する燃料供給停止状態に切換え操作されるように構成されている。
尚、第2コンロ用器具栓19B及びグリル用器具栓20は、第1コンロ用操作具6Aと同様に、第2コンロ用操作具6B及びグリル用操作具7にて操作されることになる。
【0062】
また、第1コンロ用器具栓19Aは、第1コンロ用火力調節具8Aの操作により、標準火力バーナ1Aへの燃料供給量を調節するように操作され、また、運転制御部Mの指令(操作)によって、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼する状態と低火力で燃焼する状態とに切換え、加えて、運転制御部Mの指令(操作)によって、標準火力バーナ1Aへの燃料供給を停止する状態に操作されるように構成されている。
【0063】
尚、第2コンロ用器具栓19B及びグリル用器具栓20は、第1コンロ用操作具6Aと同様に、第2コンロ用火力調節具8B及びグリル用火力調節具7Aにて、高火力バーナ1B及びグリルバーナ2への燃料供給量を調節するように構成され、また、運転制御部Mの指令(操作)によって、高火力バーナ1B及びグリルバーナ2を高火力で燃焼する状態と低火力で燃焼する状態とに切換え、加えて、運転制御部Mの指令(操作)によって、高火力バーナ1B及びグリルバーナ2への燃料供給を停止する状態に操作されるように構成されている。
【0064】
(第1コンロ用器具栓の詳細)
第1コンロ用器具栓19A、第2コンロ用器具栓19B及びグリル用器具栓20は、同様に構成されるものであって、第1コンロ用器具栓19Aを代表にして説明する。
尚、
図2においては、第2コンロ用器具栓19B及びグリル用器具栓20に対して、第1コンロ用器具栓19Aを構成する部材と同様な部材には同じ符号を記載する。
【0065】
図2に示すように、第1コンロ用器具栓19Aには、閉状態に弾性付勢されたメイン弁23、閉状態に弾性付勢された電磁操作式の安全弁24、第1コンロ用火力調節具8Aにて操作される火力調節弁としてのニードル式の流量調整弁25、及び、火力調節用の電磁弁26を備えている。
【0066】
説明を加えると、メイン弁23及び安全弁24を備える本流路28が設けられ、この本流路28に対して、流量調整弁25及び電磁弁26を備える主流路29Aと、流量制限用のオリフィス27を備える分岐流路29Bとが並列状態で接続されている。
そして、火力調節用の電磁弁26の開状態では、ガス燃料が主流路29A及び分岐流路29Bを通して流動して、標準火力バーナ1Aが高火力で燃焼し、火力調節用の電磁弁26の閉状態では、ガス燃料が分岐流路29Bのみを通して流動して、標準火力バーナ1Aが低火力で燃焼するように構成されている。
【0067】
ちなみに、運転制御部Mは、表裏両面モードの加熱調理を実行するときに、後述の如く、火力調節用の電磁弁26を開閉操作することにより、標準火力バーナ1Aの火力を高火力と低火力とに切換えるように構成されている。
【0068】
図4に示すように、第1コンロ用器具栓19Aの本体ケーシング22が、複数の鋳造部品をそれらの間にパッキンを介装してボルト固定する状態に組み立てることによって構成されている。
そして、本体ケーシング22には、元ガス供給路15が接続されてガス燃料が供給される導入口30、及び、標準火力バーナ1Aにガス燃料を噴出するガスノズル13(
図3参照)に接続される導出口31が開口され、本体ケーシング22の内部には、導入口30と導出口31とを連通接続される状態で、本流路28、主流路29A、及び、分岐流路29Bが形成されている。
【0069】
第1コンロ用操作具6Aが、上端側の揺動支点Qを中心にして、コンロ後方側に向けて押し込み移動操作自在に枢支され、その押し込み移動により、本体ケーシング22に設けたスライダ34をコンロ後方側に押し込み移動させるように構成されている。
そして、コンロ後方側に移動するスライダ34によって、メイン弁23及び安全弁24を開状態に操作するように構成されている。
【0070】
スライダ34が、コンロ前方側に復帰付勢された状態で設けられ、スライダ34の下面には、プッシュ−プッシュ機構35が設けられている。
このプッシュ−プッシュ機構は、従来公知であるため詳しい説明は省略するが、スライダ34を、コンロ前面側に位置する閉位置A、及び、この閉位置Aよりもコンロ後方側でかつコンロ後方側に最も大きく押し込んだ点火位置Cよりもコンロ前面側の開位置Bに保持するように構成されている。
【0071】
説明を加えると、スライダ34が閉位置Aに保持されている状態で、第1コンロ用操作具6Aを押し込み操作して、閉位置Aに保持されているスライダ34を点火位置Cにまで操作し、その後、第1コンロ用操作具6Aに対する押し込み操作を解除すると、スライダ34が開位置Bに弾性復帰移動して、その開位置Bに位置保持されることになる。
スライダ34が開位置Bに位置する状態で、第1コンロ用操作具6Aを押し込み操作することにより、開位置Bに保持されているスライダ34を点火位置Cに向けて操作し、その後、第1コンロ用操作具6Aに対する押し込み操作を解除すると、スライダ34が閉位置Aに弾性復帰移動して、その閉位置Aに保持されることになる。
【0072】
また、
図5に示すように、本体ケーシング22の横一側部には、点火用の固定接点や安全用の固定接点などを備えた接点板ブロックDが取り付けられ、スライダ34の摺動に伴って、スライダ34に取り付けた可動接点が各固定接点に対する接触状態と非接触状態とに切り換えられるように構成されている。
この接点板ブロックDの検出情報は、運転制御部Mに入力されて、運転制御部Mが、点火プラグPの作動、及び、安全弁24の作動を制御するように構成されている。
【0073】
(第1コンロ用器具栓の作動の詳細)
第1コンロ用操作具6Aの操作及び運転制御部Mの指令(操作)に基づく、第1コンロ用器具栓19Aの作動についてまとめて説明する。
図4に示すように、スライダ34が閉位置Aにあるときは、可動接点が点火用の固定接点及び安全用の固定接点に対する非接触状態となり、そして、メイン弁23及び安全弁24が本流路28を閉じるように構成されている。
【0074】
標準火力バーナ1Aを点火すべく第1コンロ用操作具6Aを押し込み操作して、スライダ34を閉位置Aから点火位置Cに押し込むと、メイン弁23及び安全弁24が開状態に操作され、可動接点が接点板ブロックDの点火用の固定接点に接触する接触状態に切り換えられるので、運転制御部Mが、点火指令が指令されたとして、着火センサRにて着火が検出されるまで点火プラグPを作動させる点火処理を実行し、加えて、着火センサRにて着火が検出されると、安全弁24を開き状態に保持すべく、安全弁24に通電することになる。
【0075】
標準火力バーナ1Aが着火したのち、第1コンロ用操作具6Aの押し込み操作を解除すると、スライダ34が開位置Bにまで弾性復帰してその位置に保持されることになり、可動接点が接点板ブロックDの点火用固定接点に接触しない非接触状態に切り換えられる。
この開位置Bにおいては、スライダ34がメイン弁23を開状態に操作することになり、そして、可動接点が接点板ブロックDの安全用の固定接点に接触する接触状態となっているので、運転制御部Mは、着火センサRにて着火が検出されているときには、安全弁24を開き状態に操作することになり、そして、着火センサRにて着火が検出されないときには、安全弁24を閉じ状態に操作する非常停止処理を実行することになる。
【0076】
標準火力バーナ1Aを消火すべく第1コンロ用操作具6Aを押し込み操作すると、スライダ34が閉位置Aに自動復帰してその位置に保持されることになり、メイン弁23が本流路28を閉じることになる。また、この状態においては、可動接点が接点板ブロックDの点火用の固定接点及び安全用の固定接点に対する非接触状態となるので、運転制御部Mが、消火指令が指令されたとして、安全弁24を閉じ状態に操作する消火処理を実行することになる。
ちなみに、運転制御部Mは、表裏両面モードを終了する際には、安全弁24を閉じ状態に操作する消火処理を実行して、表裏両面モードを終了することになる。
【0077】
(高火力の調整について)
次に、標準火力バーナ1Aの高火力の調整について説明する。
図4に示すように、第1コンロ用器具栓19Aの本体ケーシング22には、流量調整弁25を構成するスライド式弁体としてのニードル25Aがコンロ前後方向に摺動自在に設けられている。
つまり、ニードル25Aをコンロ前方側に移動させるほど、主流路29Aと導出口31とを接続する流路部分の開度が大きくなり、主流路29Aから導出口31に向けて流動するガス燃料量が大きくなって、標準火力バーナ1Aの火力が大きくなるように構成されている。
【0078】
流量調整弁25におけるニードル25Aの先端部には、このニードル25Aを第1コンロ用火力調節具8Aにて摺動操作するための被操作部として、金属製の操作ピン36が上下方向を向く姿勢で挿入されて固定されている。
図4及び
図5に示すように、第1コンロ用火力調節具8Aは、板材によりレバー状に形成されて、本体ケーシング22の上部に、上下方向に沿う揺動軸心J周りで左右に揺動自在に枢支されている。
【0079】
そして、その第1コンロ用火力調節具8Aにおける揺動軸心Jよりもレバー先端側部分には、操作ピン36が係合するカム操作孔Kが形成されている。
カム操作孔Kは、左右方向に伸びる円弧状で、かつ、右端側ほど揺動軸心Jに近づく状態に形成されている。
【0080】
したがって、第1コンロ用火力調節具8Aを右側に揺動するほど操作ピン36がコンロ前方側に移動されて、主流路29Aと導出口31とを接続する流路部分の開度が大きくなり、主流路29Aから導出口31に向けて流動するガス燃料量が大きくなって、標準火力バーナ1Aの火力が大きくなるように構成されている。
ちなみに、流量調整弁25は、手動操作力にて操作されて、標準火力バーナ1Aの高火力を変更調整する手動操作式の火力調整部に相当する。
【0081】
図4及び
図5に示すように、点火用位置YWよりも低火力側に位置する第1コンロ用火力調節具8Aを点火用位置YWに操作するための被操作片8aが、第1コンロ用火力調節具8Aの根元側の右横側部に下方に向けて突設されている。
そして、スライダ34には、当該スライダ34が点火位置Cに移動されるときに被操作片8aを係止して、第1コンロ用火力調節具8Aを点火用位置YWに移動操作する操作部34Aが設けられている。
【0082】
したがって、第1コンロ用操作具6Aを押し込み操作して、標準火力バーナ1Aを点火させるときに、第1コンロ用火力調節具8Aが点火用位置YWよりも低火力側に位置する場合には、第1コンロ用火力調節具8Aが点火用位置YWに操作されるように構成されている。
ちなみに、本実施形態の点火用位置YWは、最大火力位置Y1よりも低火力側で、且つ、最大火力位置Y1と最小火力位置Y3との中間の中火力位置Y2よりも大火力側に定められている。
【0083】
つまり、標準火力バーナ1Aを点火させる際には、第1コンロ用火力調節具8Aを点火用位置YW又は点火用位置YWよりも大火力側に位置させるようにして、点火に適した量のガス燃料を標準火力バーナ1Aに供給することによって、標準火力バーナ1Aの点火を良好に行えるように構成されている。
【0084】
また、運転制御部Mが、上述した如く、表裏両面モードを行う際には火力調節用の電磁弁26を開閉操作することにより、標準火力バーナ1Aの火力を高火力と低火力とに切換えることになる。
そして、表裏両面モードは、第1コンロ用火力調節具8Aが点火用位置YWに位置するときの火力を、基準とする高火力として、表裏両面モードにおける加熱を行うように構成されている。
但し、第1コンロ用火力調節具8Aが点火用位置YWよりも大火力側に位置された状態で点火が行われた場合、又は、第1コンロ用火力調節具8Aを点火用位置YWに操作して点火を行った直後に、第1コンロ用火力調節具8Aが操作されて、標準火力バーナ1Aの火力が変更された場合には、そのときの火力を標準火力バーナ1Aの高火力として、表裏両面モードにおける加熱が行われることになる。
【0085】
(表裏両面用設定操作部の詳細)
図7に示すように、表裏両面用設定操作部10の上面には、「表裏両面モード」を指令する表裏調理スイッチ37、時間増加操作部38U及び時間減少操作部38Dを備えた時間スイッチ38(時間変更設定部の一例)、設定された内容を決定する決定スイッチ39、設定された内容を取り消すとりけしスイッチ40、及び、調理時間表示部41が設けられている。
ちなみに、表裏調理スイッチ37は、調理メニューを指令する調理メニュー指令部Wとして機能することになる。
【0086】
ちなみに、「表裏両面モード」とは、上述の如く、第1調理時間と第2調理時間とを備えるものであって、第1調理時間に対応する第1加熱条件が被調理物の表面を加熱する表面用加熱条件として設定されて、第1調理運転にて被調理物の表面を加熱調理し、第2調理時間に対応する2加熱条件が被調理物の裏面を加熱する裏面用加熱条件として設定されて、第1調理運転にて加熱調理された後に表裏反転された被調理物を第2調理運転にて加熱調理する調理メニューであり、被調理物をコンロ用調理容器CKに載置(投入)して加熱調理するモードである。
【0087】
また、表裏両面用設定操作部10の上面には、コンロ用調理容器CKの予熱が完了したことを表示する予熱完了ランプ43(予熱運転終了報知部の一例)が設けられている。
つまり、「表裏両面モード」は、先ず、標準火力バーナ1Aを燃焼させてコンロ用調理容器CKを予熱し、予熱が完了したときに、被調理物をコンロ用調理容器CKに載置(投入)することにより、加熱調理を開始するものであって、コンロ用調理容器CKの予熱が完了したことが予熱完了ランプ43の表示により報知されるように構成されている。
【0088】
表裏調理スイッチ37は、押操作するごとに、さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」を順次切換えるように構成されている。
さかなの「強」「中」「弱」は、魚の表面と裏面とを焼くための調理メニューであり、メニューの「強」「中」「弱」は、ハンバーグ、ホットケーキ、お好み焼き等、表面焼きと裏面焼きとがある種々の被調理物の加熱調理の際に使用する調理メニューである。
【0089】
さかなの「強」「中」「弱」の夫々に対応して、さかなの「強」が選択されていることを示す第1表示ランプN1、さかなの「中」が選択されていることを示す第2表示ランプN2、さかなの「弱」が選択されていることを示す第3表示ランプN3が設けられている。
また、メニューの「強」「中」「弱」の夫々に対応して、メニューの「強」が選択されていることを示す第4表示ランプN4、メニューの「中」が選択されていることを示す第5表示ランプN5、メニューの「弱」が選択されていることを示す第6表示ランプN6が設けられている。
【0090】
(調理時間表示部の表示制御について)
調理時間表示部41は、各種の時間を表示するものであって、その代表として、運転制御部Mが、第1調理運転中においては、当該第1調理運転の開始からの経過時間を第1調理時間から減算した第1調理運転用残時間を表示し、かつ、第2調理運転中においては、当該第2調理運転の開始からの経過時間を第2調理時間から減算した第2調理運転用残時間を表示するように構成されている。
加えて、運転制御部Mが、第1調理運転を実行しているときに、総調理時間表示指令部Sにて総調理時間表示指令が指令されると、第1調理運転用残時間と第2調理時間とを加えた総調理残時間を、第1調理運転用残時間に代えて表示するように構成されている。
【0091】
本実施形態においては、総調理時間表示指令部Sが、表裏調理スイッチ37を兼用して構成されている。つまり、運転制御部Mが、表裏調理スイッチ37を第1調理運転中に押し操作することにより、総調理時間表示指令が指令されたと判別するように構成されている。
運転制御部Mは、第1調理用残時間、第2調理用残時間、総調理残時間の他にも、種々の時間を調理時間表示部41に表示させることになるが、その詳細は後述する。
【0092】
調理時間表示部41に隣接する箇所に、調理時間表示部41に表示されている時間が、第1調理運転用残時間であるか、第2調理運転用残時間であるか、総調理残時間であるかを示す種別を表示する時間種別表示部Tが設けられている。
そして、運転制御部が、表裏調理スイッチ37にて選択(指令)された調理メニューを実行する際に、調理時間表示部41に表示する時間の種別に合わせて時間種別表示部Tを作動させるように構成されている。
【0093】
時間種別表示部Tが、調理時間表示部41と時間スイッチ38との間に、表ランプ42aと裏ランプ42bとを設ける形態に構成されている。
そして、運転制御部Mが、調理時間表示部41に表示されている時間が第1調理運転用残時間であるときには、表ランプ42aを点灯させかつ裏ランプ42bを消灯させ、調理時間表示部41に表示されている時間が第2調理運転用残時間であるときには、表ランプ42aを消灯させかつ裏ランプ42bを点灯させ、調理時間表示部41に表示されている時間が総調理残時間であるときには、表ランプ42a及び裏ランプ42bを点灯させるように構成されている。
【0094】
(表裏両面モードの詳細)
表裏調理スイッチ37にて選択(指令)される〔さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」〕は、第1調理時間と第2調理時間とを加えた総調理時間が、異なる時間に設定されている。
例えば、さかなの「強」が18分、さかなの「中」が15分、さかなの「弱」が13分に設定され、メニューの「強」が15分、メニューの「中」が10分、メニューの「弱」が7分に設定されている。
尚、さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」が表裏調理スイッチ37にて選択(指令)されると、選択された調理メニューの総調理時間が、時間表示部48に表示される。
【0095】
そして、運転制御部Mが、総調理時間と、総調理時間を第1調理時間と第2調理時間とに分配する分配比率とに基づいて、第1調理時間と第2調理時間とを求めるように構成されている。
【0096】
例えば、分配比率が6:4に設定されて、さかなの「強」の場合には、総調理時間(18分)に対して、6/10を乗算した10.8を四捨五入した11分が、第1調理時間として求められ、総調理時間(18分)に対して、4/10を乗算して求めた7.2を四捨五入した7分が、第2調理時間として設定される。
つまり、総調理時間を分配比率にて分配して、第1調理時間と第2調理時間とを設定する際に、必要に応じて四捨五入を行いながら、第1調理時間と第2調理時間とを分単位で設定するように構成されている。
【0097】
また、メニューの「強」の場合には、総調理時間(15分)に対して、6/10を乗算した9分が、第1調理時間として設定され、総調理時間(15分)に対して、4/10を乗算して求めた6分が、第2調理時間として設定される。
【0098】
また、〔さかなの「強」「中」「弱」〕についての第1調理運転における第1加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態と低火力で燃焼させる状態とを交互に切換えながら、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度を、第1目標温度としての表用目標温度(例えば、240℃)に加熱する条件に設定され、第2調理運転における第2加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態と低火力で燃焼させる状態とを交互に切換えながら、容器温度検出センサ1Sにて検出される底部温度を、第2目標温度としての裏用目標温度(例えば、220℃)に加熱する条件に設定されている。
【0099】
つまり、第1調理運転における第1加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度(例えば、240℃)以上になると、標準火力バーナ1Aを低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度(例えば、235℃)以下になると、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態に切換えることを繰り返すことにより、コンロ用調理容器CKの底部温度を表用目標温度(例えば、240℃)に加熱する条件に設定されている。
【0100】
同様に、第2調理運転における第2加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度(例えば、220℃)以上になると、標準火力バーナ1Aを低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度(例えば、215℃)以下になると、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態に切換えることを繰り返すことにより、コンロ用調理容器CKの底部温度を裏用目標温度(例えば、220℃)に加熱する条件に設定されている。
【0101】
また、〔メニューの「強」「中」「弱」〕における第1調理運転における第1加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態と低火力で燃焼させる状態とを交互に切換えながら、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度を、第1目標温度としての表用目標温度(例えば、180℃)に加熱する条件に設定され、第2調理運転における第2加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態と低火力で燃焼させる状態とを交互に切換えながら、容器温度検出センサ1Sにて検出される底部温度を、第2目標温度としての裏用目標温度(例えば、160℃)に加熱する条件に設定されている。
【0102】
つまり、第1調理運転における第1加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度(例えば、180℃)以上になると、標準火力バーナ1Aを低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度(例えば、175℃)以下になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態に切換えることを繰り返しながら、コンロ用調理容器CKの底部温度を表用目標温度(例えば、180℃)に加熱する条件に設定されている。
【0103】
同様に、第2調理運転における第2加熱条件が、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度(例えば、160℃)以上になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を低火力で燃焼させる状態に切換え、その状態において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度(例えば、155℃)以下になると、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を高火力で燃焼させる状態に切換えることを繰り返しながら、コンロ用調理容器CKの底部温度を裏用目標温度(例えば、160℃)に加熱する条件に設定されている。
【0104】
ちなみに、上述の説明の通り、本実施形態においては、表裏調理スイッチ37が、さかなの「強」「中」「弱」やメニューの「強」「中」「弱」を選択することにより、第1調理時間と第2調理時間とを加えた総調理時間を変更設定する総調理時間設定部Uとして機能することになり、そして、運転制御部Mが、総調理時間と予め設定された分配比率とに基づいて、第1調理時間と前記第2調理時間とを設定することになる。
つまり、さかなの「強」「中」「弱」やメニューの「強」「中」「弱」の夫々に対して、長さを変えて複数の総調理時間が予め設定され、総調理時間設定部Uとして機能する表裏調理スイッチ37が、予め設定された複数の総調理時間を選択する形態で総調理時間を変更設定するように構成されている。
【0105】
また、運転制御部Mが、標準火力バーナ1Aの高火力で燃焼させながら予熱運転を実行するときの容器温度検出センサ1Sの検出温度の上昇状況に基づいて、高火力の火力の強さを判定して、その判定結果に基づいて、火力が強いほど短くするように、第1調理時間及び第2調理時間を補正する時間補正処理を実行するように構成されている。
【0106】
本実施形態においては、時間補正処理が、容器温度検出センサ1Sの検出温度が設定低温度(例えば、50℃)から設定高温度(例えば、80℃)に上昇するまでの上昇時間に基づいて、第1調理時間及び第2調理時間を補正するように構成されている。
つまり、上昇時間が設定基準時間である場合には、第1調理時間及び第2調理時間の補正時間を零として、上昇時間が設定基準時間よりも短いほど、第1調理時間及び第2調理時間を短くする補正時間を求め、上昇時間が設定基準時間よりも長いほど、第1調理時間及び第2調理時間を長くする補正時間を求めるように構成されている。
【0107】
具体的には、上昇時間と設定基準時間との差の時間に対して、予め実験により求めた演算係数(0よりも大きい係数)を乗算することによって、第1調理時間及び第2調理時間を補正する補正時間を求めるように構成されている。
ちなみに、演算係数は、補正時間として、正負の1〜2分程度を求める値に設定されることになる。
そして、求めた補正時間にて、第1調理時間及び第2調理時間を補正するように構成されている。
尚、補正時間を求めるにあたり、第1調理時間及び第2調理時間に対して同じ時間を求めてもよいが、第1調理時間及び第2調理時間に対して異なる演算係数を定めて、第1調理時間及び第2調理時間に対して異なる時間を求めるようにしてもよい。
【0108】
(表裏両面モードにおける制御作動)
次に、
図8のフローチャートに基づいて、運転制御部Mの表裏両面モードにおける制御作動を説明する。
さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」のいずれかが表裏調理スイッチ37にて選択された状態で、第1コンロ用操作具6Aの押し込み操作により点火指令が指令されたと判別すると(#1)、予熱加熱処理(#2)が実行され、続いて、時間補正処理(#3)が実行され、その後、コンロ用調理容器CKの予熱を完了した予熱完了であるか否かが判別され(#4)、予熱完了でない場合には、#2の予熱加熱処理に移行することになる。
【0109】
予熱加熱処理とは、
図10に示す如く、標準火力バーナ1Aを高火力にて燃焼を開始させ、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度よりも第1設定温度(例えば、20℃)低い第1切換温度T1になると、標準火力バーナ1Aを低火力にて燃焼させる状態に切換える。その切換後において、上昇を続ける底部温度が上昇状態から下降状態に変化した後、検出される底部温度が表用目標温度よりも第2設定温度(例えば、8℃)低い第2切換温度T2になると、標準火力バーナ1Aを高火力にて燃焼させる状態に切換える処理である。
そして、標準火力バーナ1Aを高火力にて燃焼させる状態に切換えた後、検出される底部温度が表用目標温度になると、予熱が完了したと判断されることになる。
【0110】
ちなみに、
図10においては、標準火力バーナ1Aの高火力を高カロリー(例えば、3000kcal/h)に設定して燃焼を行い、その後、標準火力バーナ1Aの高火力を低カロリー(例えば、2000kcal/h)に切換えて燃焼させる状態を例示する。
また、
図10には、コンロ用調理容器CKの表面温度として、コンロ用調理容器CKの中心から設定距離(例えば、7cm)離れた箇所の表面温度の変化を例示する。
尚、コンロ用調理容器CKの中心の表面温度やコンロ用調理容器CKの中心から小距離(例えば、3cm)離れた箇所の表面温度は、コンロ用調理容器CKの中心から設定距離(例えば、7cm)離れた箇所の表面温度よりも、少し低くなるものの、当該コンロ用調理容器CKの中心から設定距離(例えば、7cm)離れた箇所の表面温度と同じ傾向を示すものである。
【0111】
時間補正処理は、上述の如く、高火力で予熱運転を実行するときに検出される底部温度の上昇状況に基づいて、高火力の火力の強さを判定して、その判定結果に基づいて、火力が強いほど短くするように、第1調理時間及び第2調理時間を補正する処理である。
【0112】
#4の処理にて、予熱完了であると判別すると、調理タイマーの計時を開始し(#5)、続いて、標準火力バーナ1A(コンロバーナ1)を低火力で燃焼させる低火力加熱処理を開始する(#6)。
尚、
図8のフローチャートでは記載を省略するが、予熱が完了すると、予熱完了ランプ43が点灯されることになり、この予熱完了ランプ43の点灯にて予熱の完了を理解した調理者が、被調理物をコンロ用調理容器CKに載置(投入)することにより、第1調理運転が開始されることになる。
【0113】
#6の低火力加熱処理を実行した後には、調理タイマーの計測時間に基づいて、第1調理時間が経過したか否かを判定する(#7)。
#7の処理にて、第1調理時間が経過していないと判別したときには、次に、標準火力バーナ1Aが高火力で燃焼中であるか否かを判別し(#8)、高火力でない場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度以下であるか否かを判定する(#9)。
コンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度以下である場合には、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる高火力加熱処理を開始する(#10)。
【0114】
#10の高火力加熱処理を開始したのち、及び、#8の処理にて、標準火力バーナ1Aが高火力であると判定した場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度以上であるか否かを判別し(#11)、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度以上である場合には、低火力にて標準火力バーナ1Aを燃焼させる低火力加熱処理を実行する(#12)。
【0115】
#9の処理にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用下限温度以下でないと判別した場合、及び、#11の処理にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度以上でないと判別した場合には、#7の処理に移行することになり、同様に、#12の低火力加熱処理を実行した際にも、#7の処理に移行することになる。
【0116】
#7の処理にて、第1調理時間が経過していると判別した場合には、低火力にて標準火力バーナ1Aを燃焼させる低火力加熱処理を実行し(#13)、次に、被調理物を表裏反転させることを促す裏返し報知の処理を実行する(#14)。
ちなみに、
図8のフローチャートにおいては記載を省略するが、第1調理運転用残時間が30秒以下になると、その時点で、被調理物を裏返す準備を促す準備報知の処理が実行されて、被調理物を表裏反転させることを円滑に行えるように構成されている。
【0117】
調理者は、被調理物を表裏反転させると、その時点で、表裏調理スイッチ37を押し操作することになる。
従って、裏返し報知の処理(#14)を実行した後は、表裏調理スイッチ37の操作が有ったか否かを判定し(#15)、表裏調理スイッチ37の操作が無いときには、裏返し報知の処理(#14)からの経過時間が3分に達したか否かを判定する(#16)。
そして、3分が経過するまでの間に、表裏調理スイッチ37の操作がないときには、異常であるとして、標準火力バーナ1Aを消火する消火処理(#17)を実行して、表裏両面モードの制御作動を終了する。
【0118】
#15の処理にて、表裏調理スイッチ37の操作が有ったと判定したときには、次に、第2調理時間が経過したか否かを判別する(#18)。
#18の処理にて、第2調理時間が経過していないと判別したときには、次に、標準火力バーナ1Aが高火力で燃焼中であるか否かを判別し(#20)、高火力でないと判別した場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度以下であるか否かを判定する(#21)。
【0119】
#21の処理にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度以下であると判定した場合には、標準火力バーナ1Aを高火力で燃焼させる高火力加熱処理を開始する(#22)。
【0120】
#22の高火力加熱処理を開始したのち、及び、#20の処理にて、標準火力バーナ1Aが高火力であると判定した場合には、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度以上であるか否かを判別し(#23)、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度以上である場合には、低火力にて標準火力バーナ1A燃焼させる低火力加熱処理を実行する(#24)。
【0121】
#21の処理にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用下限温度以下でないと判別した場合、及び、#23の処理にて、コンロ用調理容器CKの底部温度が裏用目標温度以上でないと判別した場合には、#18の処理に移行することになり、同様に、#24の低加熱処理を実行した際にも、#18の処理に移行することになる。
【0122】
#18の処理にて、第2調理時間が経過していると判別した場合には、表裏両面モードが終了したことを報知する終了報知の処理を実行し(#19)、その後、#17の消火処理を実行して、表裏両面モードの制御作動を終了する。
【0123】
(表裏両面モードの時間管理の詳細)
運転制御部Mが、第1調理運転の実行中において、調理時間表示部41に表示されている第1調理運転用残時間が時間スイッチ38にて増減変更されると、その増減変更された時間にて第1調理運転用残時間を増減する第1調理運転用残時間の更新処理を行うように構成されている。
加えて、本実施形態においては、第1調理運転用残時間の更新処理においては、時間スイッチ38にて変更された時間と、上述の分配比率(例えば、6:4)に基づいて、第2調理時間の修正時間を求めて、その修正時間にて第2調理時間を更新するように構成されている。
すなわち、例えば、第1調理運転用残時間が時間スイッチ38にて5分を加えるように変更されると、5分に4/6を乗じて求めた時間(例えば、3分)が第2調理時間に加算されるように構成されている。
【0124】
また、運転制御部Mが、第2調理運転の実行中において、調理時間表示部41に表示されている第2調理運転用残時間が時間スイッチ38にて増減変更されると、その変更された時間にて第2調理運転用残時間を増減する第2調理運転用残時間の更新処理を実行するように構成されている。
【0125】
(表裏両面モードの時間管理の制御作動)
次に、
図9のフローチャートに基づいて、運転制御部Mの表裏両面モードにおける時間管理の制御作動を説明する。
先ず、表裏両面モードにおける総調理時間を表裏調理スイッチ37の操作により変更設定する総調理時間設定の処理(#31)を、第1コンロ用操作具6Aの押し込み操作により点火指令が指令されるまで実行し、点火指令が指令されたと判別すると(#32)、続いて、コンロ用調理容器CKの予熱を完了した予熱完了であるか否かを判別する(#33)。
【0126】
#33の処理にて、予熱完了であると判別すると、調理タイマーの計時を開始し(#34)、その後、第1調理運転用残時間を表示する処理を実行する(#35)。
【0127】
#35の処理にて第1調理運転用残時間を表示するにあたり、基本的には、第1調理運転用残時間を分単位で表示することになるが、第1調理運転用残時間が30秒以内になると、第1調理運転用残時間を秒単位で表示するように構成されている。
【0128】
次に、時間スイッチ38が操作されたか否かを判別し(#36)、時間スイッチ38が操作された場合には、その操作された時間に基づいて第1調理運転用残時間を更新する第1調理運転用残時間の更新処理を実行する(#37)。尚、第1調理運転用残時間の更新処理においては、上述の如く、第2調理時間を更新することが行われる。
【0129】
#37の第1調理運転用残時間の更新処理を実行した後、又は、#36の処理にて、時間スイッチ38が操作されていないと判別したときには、次に、表裏調理スイッチ37がON操作(押操作)されているか否かを判別し(#38)、表裏調理スイッチ37がON操作(押操作)されていると判別したときには、総調理残時間を表示する処理を実行する(#39)。
【0130】
次に、総調理残時間を表示したのちは、表裏調理スイッチ37がOFF操作(押操作が解除)されたか否かを判別し(#40)、表裏調理スイッチ37がOFF操作(押操作が解除)されていないと判別したときには、#39の処理に移行することになる。
【0131】
#38の処理にて、表裏調理スイッチ37がON操作されていないと判別したとき、又は、#40の処理にて、表裏調理スイッチ37がOFF操作されたと判別したときには、次に、第1調理時間が終了したか否かを判別し(#41)、第1調理時間が終了していないと判別したときには、#35の処理に移行することになる。
【0132】
#41の処理にて、第1調理時間が終了していると判別したときには、次に、第2調理運転用残時間を表示する処理を実行し(#42)、続いて、第2調理運転を開始してから3分経過するまでに表裏調理スイッチ37が操作されたか否かを判別し(#43)、第2調理運転を開始してから3分が経過しても表裏調理スイッチ37が操作されていないときには、調理時間表示部41にて各種の時間を表示しながら調理時間を管理する処理を終了する。
尚、#42の処理にて、第2調理運転用残時間を表示するにあたり、#43の処理にて表裏調理スイッチ37が操作されたと判別されるまでの間は、第2調理時間を減算することなく表示し、#43の処理にて表裏調理スイッチ37が操作されたと判別した後は、第2調理時間を時間経過に伴って減算した第2調理運転用残時間を表示することになる。
【0133】
#43の処理にて、第2調理運転を開始してから3分が経過するまでに表裏調理スイッチ37が操作された判別したときには、続いて、時間スイッチ38が操作されたか否かを判別し(#44)、時間スイッチ38が操作された場合には、その操作された時間に基づいて第2調理運転用残時間を更新する第2調理運転用残時間の更新処理を実行する(#45)。
【0134】
#45の処理を実行した後、又は、#44の処理にて時間スイッチ38が操作されていないと判別したときには、第2調理時間が終了した否かを判別し(#46)、第2調理時間が終了していない場合には、#42の処理に移行し、また、第2調理時間が終了している場合には、調理時間表示部41にて各種の時間を表示しながら調理時間を管理する処理を終了する。
【0135】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、表裏両面モードとしての、さかなの「強」「中」「弱」及びメニューの「強」「中」「弱」の調理メニューを、コンロ用調理容器CKを用いて行う場合を例示したが、これらの調理メニューを、グリルGにて行うようにしてもよい。つまり、グリルGが、グリル用調理容器を備える場合には、このグリル用調理容器に被調理物を載置する形態で実施してもよい。この場合、グリル用調理容器の底部温度を検出する温度検出部を備えさせることになる。
【0136】
(2)上記実施形態では、予熱運転を実行するときの容器温度検出センサ1Sの検出温度の上昇状況に基づいて、高火力の火力の強さを判定するにあたり、容器温度検出センサ1Sの検出温度が設定低温度(例えば、50℃)から設定高温度(例えば、80℃)に上昇するまでの上昇時間を上昇状況として、その上昇に基づいて、第1調理時間及び第2調理時間を補正する場合を例示したが、上昇状況として、予熱運転中の設定時間(例えば、5秒)が経過する間における、容器温度検出センサ1Sの検出温度の上昇温度を検出するようにする等、上昇状況の検出形態は種々変更できる。
【0137】
(3)上記実施形態では、総調理時間表示指令部Sを、表裏調理スイッチ37を兼用して構成する場合を例示したが、総調理時間表示指令部Sを、専用の操作スイッチを設ける形態で構成してもよい。
【0138】
(4)上記実施形態では、時間種別表示部Tを、調理時間表示部41の外部に設けるようにしたが、調理時間表示部41が液晶表示式に構成される場合等においては、時間種別表示部Tを、調理時間表示部41の内部にて表示する形態で構成してもよい。
【0139】
(5)上記実施形態では、表裏両面モードにおける第1加熱条件と第2加熱条件とを異なる条件としたが、第1加熱条件と第2加熱条件とを同じ条件に設定する形態で実施してもよい。
【0140】
(6)上記実施形態では、表裏両面モードにおいて、第1調理運転から第2調理運転に切換えた直後においては、第2調理運転用残時間を減少させることを停止しておき、被調理物の裏返しを終了したことが、表裏調理スイッチ37の操作により指令されると、第2調理運転用残時間を減少させることを開始するように構成したが、例えば、第1調理運転から第2調理運転に切換えた後においては、第2調理運転用残時間を減少させることを継続させる形態で実施してもよい。
【0141】
(7)上記実施形態では、第1調理運転中において、第1調理運転用残時間が増変更設定されると、第1調理運転用残時間を変更させることに加えて、第2調理時間をも変更する場合を例示したが、第2調理時間の変更を省略する形態で実施してもよい。
【0142】
(8)上記実施形態では、「表裏両面モード」として、さかなの「強」「中」「弱」とメニューの「強」「中」「弱」とを備えさせる場合を例示したが、さかなの「強」「中」「弱」とメニューの「強」「中」「弱」とのいずれか一つを備える形態で実施してもよい。
【0143】
(9)上記実施形態では、長さを変えて複数の総調理時間が予め設定され、総調理時間設定部Uにて、予め設定された複数の総調理時間を選択する形態で総調理時間を変更設定する場合を例示したが、例えば、時間スイッチ38にて総調理時間を変更設定する形態で実施してもよい。
【0144】
(10)上記実施形態では、標準火力バーナ1Aを用いて表裏両面モードを実行する場合を例示したが、高火力バーナ1Bを用いて表裏両面モードを実行させるようにしてもよく、要は、コンロバーナ1を用いて表裏両面モードを実行させればよい。
【0145】
(11)上記実施形態では、予熱運転において、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度よりも第1設定温度(例えば、20℃)低い第1切換温度T1になると、標準火力バーナ1Aを低火力にて燃焼させる状態に切換え、その後、上昇を続ける底部温度が上昇状態から下降状態に変化した後、検出される底部温度が表用目標温度よりも第2設定温度(例えば、8℃)低い第2切換温度T2になると、標準火力バーナ1Aを高火力にて燃焼させる状態に切換える場合を例示したが、容器温度検出センサ1Sにて検出されるコンロ用調理容器CKの底部温度が表用目標温度になるまで、標準火力バーナ1Aを高火力にて燃焼させる形態で予熱運転を実行してもよい。
【0146】
(12)上記実施形態では、ガス燃焼式調理器として、グリルGを備えるガスコンロGC例示したが、ガス燃焼式調理器としては、グリルGを備えないガスコンロGC、ガスコンロGCに組みこまれていない専用のガス燃焼式のグリルG等、種々の形態のものが適用できる。
【0147】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。