(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カウント部の最大カウント数に基づいて、前記繰り返し回数のカウント数および前記ライン数設定部に設定されるライン数を決定する請求項1記載のインクジェット印刷装置。
前記カウント部が、前記最大カウント数までのカウントを継続して行うことを示す信号が設定される継続カウント設定部と、前記継続カウント設定部に設定された信号に基づいてカウントが継続されたことを示す信号を、前記搬送制御部に出力する継続カウント実施出力部とを有する請求項1または2記載のインクジェット印刷装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明のインクジェット印刷装置の一実施形態について詳細に説明する。本実施形態のインクジェット印刷装置は、長尺状の印刷媒体に印刷を施すことができるよう構成されたものであり、長尺状の印刷媒体に対する印刷制御に特徴を有するものであるが、まずは、インクジェット印刷装置全体の機械的な構成について説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の概略構成図である。なお、
図1に矢印で示す上下左右が、実際のインクジェット印刷装置1における上下左右方向である。
【0018】
本実施形態のインクジェット印刷装置1は、
図1に示すように、送出部2と、上流側バッファ部3と、テンション付与部3Aと、エンコーダ部3Bと、画像形成部4と、下流側バッファ部5と、巻取部6と、制御部7とを備えている。
【0019】
送出部2は、フィルムまたは紙などからなる長尺状の印刷媒体Wがロール状に巻かれたロール10から印刷媒体Wを送り出すものである。送出部2は、ロール10を回転可能に支持するロール支持軸11と、後述するロール支持軸を回転させる送出モータ31(
図3参照)とを備えている。ロール10から印刷媒体Wが送り出される際には、送出モータ31によってロール支持軸11が
図1における時計回りに回転する。
【0020】
上流側バッファ部3は、送出部2とテンション付与部3Aとの間で印刷媒体Wの弛みを吸収する機構である。具体的には、上流側バッファ部3は、支持ローラ12と、ダンサーローラ13とを備える。支持ローラ12は、送出部2とテンション付与部3Aとの間において印刷媒体Wを支持する支持機構である。支持ローラ12は、互いに左右方向に所定間隔だけ離間して、同じ高さに配置されている。ダンサーローラ13は、隣接する支持ローラ12間において、自重により印刷媒体Wを押し下げる。これにより、送出部2とテンション付与部3Aとの間で生じた印刷媒体Wの弛みが上流側バッファ部3によって吸収される。ダンサーローラ13は、印刷媒体Wの弛み量に応じて上下動し、印刷媒体Wの張力を保持しつつ、弛みを吸収する。
【0021】
テンション付与部3Aは、ガイドローラ14と、アウトフィードローラ15とを備えている。アウトフィードローラ15は、後述するアウトフィードモータ32(
図3参照)によって回転し、上流側バッファ部3からガイドローラ14を介して取り込まれた印刷媒体Wを、下流側へ送り出すものであり、適宜ブレーキを掛けつつ印刷媒体Wを送り出すことで印刷媒体Wに張力を付与する。アウトフィードローラ15は、上側のガイドローラ15aと、下側のガイドローラ15bとの間で印刷媒体Wをニップし、送出部2の送出モータ31と同期しつつ駆動される。これにより上流側バッファ部3での弛みを吸収させつつ、印刷媒体Wに所定の張力を付与している。
【0022】
エンコーダ部3Bは、2本のガイドローラ16と、隣接するガイドローラ16間に配置されたエンコーダ17とを備えている。印刷媒体Wの搬送にともなってエンコーダ17が回転することにより、印刷媒体Wの搬送方向、搬送量および搬送速度を測定する。
【0023】
画像形成部4は、ヘッド下搬送部20と、インクジェットヘッド部40とを備えている。
【0024】
ヘッド下搬送部20は、送出部2から送り出された印刷媒体Wを後述するラインヘッド41A〜41Dの下方の画像形成範囲に沿って搬送する機構である。
図1に示すように、ヘッド下搬送部20は、印刷媒体Wの搬送方向に沿って配置された複数のヘッド下支持ローラ21と、ヘッド下搬送ローラ24と、下流側ガイドローラ22,23とを備えている。なお、このヘッド下搬送部20は、その経路の要所に、搬送速度を測定するためのレーザードップラーセンサーやエンコーダを備えている。
【0025】
ヘッド下支持ローラ21は、ラインヘッド41A〜41Dより下側において印刷媒体Wを支持するものである。複数のヘッド下支持ローラ21の最高点をつないだ経路が、ラインヘッド41A〜41Dの下方における印刷媒体Wの搬送経路である。本実施形態においては、複数のヘッド下支持ローラ21は、印刷媒体Wの搬送方向に沿って間隔を空けて、搬送経路が上に凸形状となるように放物線状に配置されている。なお、本実施形態では、搬送経路が上に凸形状となるように山型に形成された場合を例示するが、ヘッド下支持ローラ21を同じ高さに配置し、搬送経路を平坦に形成するようにしてもよい。
【0026】
ヘッド下搬送ローラ24は、後述するヘッド下搬送モータ33(
図3参照)によって回転する駆動ローラ24aと、下部ローラ24bとを備えている。駆動ローラ24aは、下部ローラ24bとの間で印刷媒体Wをニップしつつ回転することにより、印刷媒体Wを下流側(右方向)へ搬送する。
【0027】
インクジェットヘッド部40は、ヘッド下支持ローラ21上を搬送される印刷媒体Wに対してインクを吐出して印刷を施すものである。インクジェットヘッド部40は、上述したように4つのラインヘッド41A〜41Dを備えている。ラインヘッド41A〜41Dは、
図1に示すように、所定の間隔を空けて配列され、印刷媒体Wの搬送経路に沿って上に凸となる放物線上に配置されている。ラインヘッド41A〜41Dは、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエロー)のインクを吐出する。
【0028】
図2は、インクジェットヘッド部40を上方から見た図である。ラインヘッド41A〜41Dは、
図2に示すように、それぞれ6個のヘッドモジュール411を備えている。そして、各ラインヘッド41A〜41Dにおいて、ヘッドモジュール411は、千鳥配置されている。すなわち、各ラインヘッド41A〜41Dは、印刷媒体Wの搬送方向に直交する方向に3つのヘッドモジュール411が等間隔で配置されたヘッド列を2列有し、その2列のヘッド列が上記直交する方向に半ピッチ分だけずれるように配置されて構成されている。ヘッドモジュール411は、上記直交方向に沿って配置された複数のノズル(図示せず)を有し、そのノズルからインクを吐出するものである。
【0029】
下流側バッファ部5は、ヘッド下搬送部20と巻取部6との間で印刷媒体Wの弛みを吸収するものである。下流側バッファ部5は、支持ローラ51と、ダンサーローラ52とを備えている。支持ローラ51は、ヘッド下搬送部20と巻取部6との間において印刷媒体Wを支持する支持機構である。支持ローラ51は、互いに左右方向に所定間隔だけ離間して、同じ高さに配置されている。ダンサーローラ52は、隣接する支持ローラ51間において、自重により印刷媒体Wを押し下げるものある。これにより、ヘッド下搬送部20と巻取部6との間で生じた印刷媒体Wの弛みが下流側バッファ部5に吸収される。ダンサーローラ52は、印刷媒体Wの弛み量に応じて上下動する。
【0030】
巻取部6は、印刷された印刷媒体Wを巻き取るものである。巻取部6は、巻取軸61を備えている。巻取軸61は、後述する巻取モータ34(
図3参照)によって
図1における時計回りに回転するものである。巻取軸61の回転により、印刷済の印刷媒体Wが巻取軸61に巻き取られる。巻取軸61は、巻き取った印刷済の印刷媒体Wを巻き取って印刷済ロール60として保持する。
【0031】
また、本実施形態のインクジェット印刷装置1は、通常のカット用紙にも印刷を施すことが可能なように構成されている。以下、カット用紙の給紙、用紙搬送および排紙の構成について説明する。
【0032】
本実施形態のインクジェット印刷装置1は、カット用紙の給紙部8と、排紙部9とを備えている。給紙部8は、複数のカット用紙P1が積載される給紙トレイ81と、ガイド板82とを備えている。給紙部8は、給紙トレイ81に積載されたカット用紙を図示省略したシートフィーダなどの機構によって繰り出し、ガイド板82を介してテンション付与部3Aの上部から用紙搬送経路に向けてカット用紙を給紙するよう構成されている。
【0033】
給紙部8によって給紙されたカット用紙P1は、テンション付与部3Aおよびエンコーダ部3Bの用紙搬送経路を経由して、インクジェットヘッド部40下の用紙搬送経路まで搬送され、インクジェットヘッド部40によって印刷が施される。
【0034】
インクジェットヘッド部40によって印刷が施された印刷済カット用紙P2は、下流側ガイドローラ23で下方にカーブされ、搬送ベルト25に吸着して排紙部9に向けて搬送される。搬送ベルト25は、多数の穴を有しており、図示省略した吸引機構によって穴を介して印刷済カット用紙P2を吸引し、搬送可能なように構成されている。搬送ベルト25は、搬送ベルトローラ26が回転することによって、搬送ベルトローラ26と下流側ガイドローラ23との間で搬送される。
【0035】
排紙部9は、印刷済カット用紙P2を回収する機構であり、具体的には、排紙トレイ91と、分離爪92と、排紙ガイド93とを備えている。
【0036】
そして、搬送ベルト25によって搬送された印刷済カット用紙P2は、分離爪92によって搬送ベルト25から剥ぎ取られて分離される。分離された印刷済カット用紙P2は、排紙ガイド93に沿って滑り落ちて排紙トレイ91内に収容される。
【0037】
なお、以下、長尺状またはカット用紙と特定することなく印刷媒体Wと言った場合、これらの双方を意味するものとする。
【0038】
制御部7は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御するものある。制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えている。制御部7は、半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶媒体に予め記憶されたプログラムを実行し、かつ各回路を動作させることによって、印刷媒体Wを搬送し、これらに対してインクジェットヘッド部40からインクを吐出させて印刷を施すよう制御するものである。
【0039】
図3は、制御部7のより具体的な構成を示すブロック図である。制御部7は、
図3に示すように、主コントローラ部70と、メカコントローラ部80(本発明の搬送制御部に相当する)とを備えている。
【0040】
主コントローラ部70とメカコントローラ部80とは、それぞれ異なる制御基板から構成されるものであり、主コントローラ部70は、CPU(Central Processing Unit)71およびメモリ72などを備えており、メカコントローラ部80は、主コントローラ部70のCPU71およびメモリ72とは別の独立したCPU83およびメモリ84などを備えている。
【0041】
主コントローラ部70は、具体的には、CPU71、メモリ72、外部I/F73、画像制御回路74、ヘッド制御回路75(本発明のヘッド制御部に相当する)およびメカコントローラI/F76を備えている。主コントローラ部70は、LAN(Local Area Network)コネクタおよびUSB(Universal Serial Bus)コネクタを有する外部I/F73から入力された印刷ジョブを受け付け、その印刷ジョブを、印刷される画像データとジョブデータとに分離するものである。ジョブデータは、たとえば印刷媒体Wが長尺状の印刷媒体であるか否かを示す情報、長尺状の印刷媒体Wの長さ、並びにカット用紙のサイズおよび枚数などといった印刷媒体Wの搬送制御に関連する情報を含むデータあり、メカコントローラI/F76を介してメカコントローラ部80に出力される。
【0042】
主コントローラ部70において分離された画像データは、画像制御回路74に入力される。画像制御回路74は、画像データに対して種々の画像処理を施すものである。画像処理としては、たとえば誤差拡散処理および上述したヘッドモジュール411間のつなぎ補正処理などがある。画像制御回路74において画像処理が施された処理済画像データは、ヘッド制御回路75に出力される。
【0043】
ヘッド制御回路75は、入力された処理済画像データに基づいて、インクジェットヘッド部40を制御し、インクジェットヘッド部40の各ラインヘッド41A〜41Dからインクを吐出させるものである。また、ヘッド制御回路75は、メカコントローラ部80から出力された設定情報に基づいて、搬送される印刷媒体Wに対する印刷開始タイミングおよび印刷終了タイミングを制御するものである。印刷開始タイミングおよび印刷終了タイミングを制御するための構成については、後で詳述する。
【0044】
メカコントローラ部80は、具体的には、CPU83、メモリ84、主コントローラI/F85、アクチュエータI/F86、ドライバ87、センサI/F88および画像制御I/F89を備えている。
【0045】
メカコントローラ部80は、主コントローラ部70から出力されたジョブデータを主コントローラI/F85から受け付け、そのジョブデータに基づいて、搬送機構30を制御して印刷媒体Wの搬送制御を行うものである。
図3に示す搬送機構30は、
図1に示すインクジェット印刷装置1において、印刷媒体Wを搬送する各種の機構の総称であり、具体的には、上述した送出モータ31、アウトフィードモータ32、ヘッド下搬送モータ33、巻取モータ34および各種のローラを備えたものである。
【0046】
メカコントローラ部80のCPU83は、アクチュエータI/F86を介してドライバ87を起動し、ドライバ87は、搬送機構30が有する送出モータ31、アウトフィードモータ32、ヘッド下搬送モータ33および巻取モータ34を駆動する。CPU83は、予めメモリ84に予め記憶されたプログラムおよびセンサI/F88から入力された用紙検出センサ(図示省略)などのセンサ検出信号を用いて、印刷媒体Wの搬送制御を行う。また、CPU83は、ジョブデータに基づいて、印刷媒体Wに対する印刷開始タイミングおよび印刷終了タイミングなどの設定情報を生成し、その設定情報を画像制御I/F89を介して主コントローラ部70に出力して、主コントローラ部70の画像制御回路74およびヘッド制御回路75に設定するものである。画像制御回路74は、設定情報に基づいて画像処理を施し、ヘッド制御回路75は、設定情報に基づいて印刷開始タイミングおよび印刷終了タイミングを制御する。
【0047】
次に、主コントローラ部70のヘッド制御回路75において、印刷開始タイミングおよび印刷終了タイミングを制御するための構成について詳細に説明する。
図4は、ヘッド制御回路75の具体的な構成を示すブロック図である。なお、
図4では、ヘッド制御回路75の構成のうち、印刷開始タイミングおよび印刷終了タイミングの制御に関する構成のみを示している。
【0048】
ヘッド制御回路75は、
図4に示すように、ページ開始処理回路42、ラインカウンタ43(本発明のカウント部に相当するものである)、ライン数設定部44、比較回路45、ページ終了処理回路46、継続カウント実施出力部47、および継続カウント設定部48を備えている。
【0049】
ページ開始処理回路42は、メカコントローラ部80のCPU83によって設定された印刷開始タイミングの設定情報に基づいて、ラインカウンタ43にページ処理開始信号を出力するものである。
【0050】
ラインカウンタ43は、印刷媒体Wの搬送にともなってインクジェットヘッド部40によって印刷媒体Wに対して順次印刷されるライン数を、ページ処理開始信号を受け付けた時点からカウントするものである。本実施形態のラインカウンタ43は、ビットカウンタで構成されるものである。また、ラインカウンタ43は、エンコーダ部3Bにおけるエンコーダ17または印刷媒体Wの搬送距離を計測するその他のエンコーダから出力された信号に基づいてライン数をカウントするものである。
【0051】
ライン数設定部44は、印刷媒体Wの搬送方向の長さに応じたライン数が設定されるものである。たとえば印刷媒体Wが通常のカット用紙である場合には、そのカット用紙の印刷範囲の搬送方向の長さに応じたライン数が設定される。このライン数は、メカコントローラ部80のCPU83によってジョブデータに基づいて設定される。印刷媒体Wが長尺状の印刷媒体である場合に設定されるライン数については、後で詳述する。なお、以下、ライン数設定部44に設定されるライン数を設定ライン数という。
【0052】
比較回路45は、ラインカウンタ43によってカウントされたライン数と設定ライン数と比較し、ラインカウンタ43によってカウントされたライン数が、設定ライン数に到達した場合に、ページ処理終了信号をページ終了処理回路46に出力するものである。
【0053】
ページ終了処理回路46は、ページ処理終了信号を受け付けた際、インクジェットヘッド部40による印刷を停止させるものである。
【0054】
継続カウント実施出力部47と継続カウント設定部48は、印刷媒体Wが長尺状の印刷媒体である場合に機能するものである。
【0055】
ここで、本実施形態のインクジェット印刷装置1においては、印刷媒体Wが通常のカット用紙である場合には、上述したようにライン数設定部44にそのカット用紙の印刷範囲に応じた設定ライン数が設定され、ラインカウンタ43は、設定ライン数に到達するまでライン数のカウントを行い、設定ライン数に到達した時点において比較回路45からページ処理終了信号が出力される。
【0056】
一方、印刷媒体Wが、通常のカット用紙よりも長い長尺状の印刷媒体である場合には、ラインカウンタ43は、カウントしたライン数が、ライン数設定部44に設定された設定ライン数に到達した場合でもカウントを停止することなく、最大カウント数までライン数のカウントを継続する。なお、本実施形態においては、ラインカウンタ43は、ラインカウンタ43が有するビット数によってカウント可能な最大のカウント数を最大カウント数としてカウントする。このように最大カウント数を設定することによって、特に別個に最大カウント数を設定する必要がなく、かつ現状の回路を最大限利用することができる。ただし、これに限らず、たとえば、最も長いカット用紙に対応するライン数よりも大きいカウント数であって、上述したカウント可能な最大のカウント数に近いカウント数を最大カウント数として設定するようにしてもよい。
【0057】
より具体的には、印刷媒体Wが長尺状の印刷媒体である場合には、メカコントローラ部80が、ジョブデータに基づいて、その設定情報(以下、長尺印刷設定情報という)を主コントローラ部70に出力する。そして、主コントローラ部70において、長尺印刷設定情報が受け付けられた場合には、ヘッド制御回路75の継続カウント設定部48にその長尺印刷設定情報が設定される。本実施形態の継続カウント設定部48は、レジスタから構成されるものである。
【0058】
また、メカコントローラ部80のCPU83は、長尺状の印刷媒体Wの印刷範囲に対応する全ライン数を上述した最大カウント数で除算し、その除算値を設定ループ回数として取得し、かつ除算した余りの値を主コントローラ部70のヘッド制御回路75に出力してライン数設定部44に設定ライン数として設定する。
【0059】
そして、比較回路45は、継続カウント設定部48に長尺印刷設定情報が設定された場合には、ラインカウンタ43によってカウントされたライン数が設定ライン数に到達してもページ終了処理信号を出力せず、ラインカウンタ43は、カウントを停止することなく最大カウント数までライン数のカウントを継続し、最大カウント数までカウントした後はカウントを0(ゼロ)に戻して、再び最大カウント数までのカウントを繰り返して行う。そして、比較回路45は、継続カウント実施出力部47に、設定ライン数を超えてカウントが継続される度に、そのことを示す信号(以下、ループカウント信号という)を出力する。継続カウント実施出力部47は、ループカウント信号をメカコントローラ部80に出力する。
【0060】
継続カウント実施出力部47から出力されたループカウント信号は、メカコントローラI/F76および主コントローラI/F85を介してCPU83に入力される。CPU83は、予め記憶されたプログラムの動作によってメモリ84のメモリ空間を利用してループカウント信号が入力された回数をカウントする。すなわち、メカコントローラ部80のCPU83は、ループカウント信号の入力回数をカウントすることによって、ラインカウンタ43における最大カウント数までのカウントの繰り返し回数をカウントする。
【0061】
そして、メカコントローラ部80のCPU83は、カウントした繰り返し回数が、上述した設定ループ回数に到達した場合には、画像制御I/F89を介してヘッド制御回路75の継続カウント設定部48を制御し、継続カウント設定部48に設定された長尺印刷設定情報をリセットする。
【0062】
継続カウント設定部48に設定された長尺印刷設定情報がリセットされた場合には、比較回路45は、ラインカウンタ43によってカウントされたライン数と設定ライン数とを比較し、ラインカウンタ43によってカウントされたライン数が、設定ライン数に到達した場合に、ページ処理終了信号をページ終了処理回路46に出力する。
【0063】
図5は、印刷媒体Wが長尺状の印刷媒体であり、上述した設定ループ数が「2」である場合におけるラインカウンタ43のカウント制御の概念図である。ラインカウンタ43は、0からカウントを開始し、最大カウント数までのカウントを2回繰り返す。そして、その後、ラインカウンタ43は、ライン数設定部44に設定された設定ライン数までカウントし、この時点において、比較回路45からページ終了処理回路46にページ処理終了信号が出力される。
【0064】
次に、本実施形態のインクジェット印刷装置1において、長尺状の印刷媒体Wを印刷する際におけるメカコントローラ部80の制御動作について、
図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0065】
まず、メカコントローラ部80のCPU83は、受け付けられたジョブデータの中に、長尺状の印刷媒体Wに対する印刷であることを示す情報が含まれているか否かを確認する(S10)。
【0066】
そして、ジョブデータの中に、長尺状の印刷媒体Wに対する印刷であることを示す情報が含まれている場合には(S10,YES)、上述したようにラインカウンタ43において最大カウント数までカウントする必要があるため、メカコントローラ部80のCPU83は、ヘッド制御回路75の継続カウント設定部48に長尺印刷設定情報を設定する(S12)。
【0067】
次いで、メカコントローラ部80のCPU83は、長尺状の印刷媒体Wの搬送を開始し、ヘッド制御回路75のラインカウンタ43によってライン数のカウントが開始される。そして、上述したように長尺印刷設定情報が設定されている場合には、ラインカウンタ43は、カウントしたライン数が設定ライン数に到達した場合でもカウントを停止することなく最大カウント数までカウントを継続し、ラインカウンタ43によるカウント数が設定ライン数を超えた場合には(S14,YES)、ヘッド制御回路75の継続カウント実施出力部47からメカコントローラ部80に対して、割り込み処理によってループカウント信号が出力される。
【0068】
メカコントローラ部80のCPU83は、上述したループカウント信号を受け付けた場合には、ジョブデータの中に、無限ループモードが設定されているか否かを確認する(S16)。なお、無限ループモードとは、印刷媒体Wの終端が検出されるか、またはユーザからの印刷強制停止指示を受け付けるまでは印刷を継続して行うモードである。無限ループモードは、たとえばプリンタドライバの設定画面において設定され、ジョブデータの中にその設定情報が含まれる。無限ループモードを設定した場合、ユーザが、長尺状の印刷媒体Wの長さおよび残量を考慮することなく、印刷を継続して行うことができる。
【0069】
そして、CPU83は、無限ループモードが設定されていない場合には(S16,NO)、ループカウント信号の入力回数をカウントすることによって、ラインカウンタ43における最大カウント数までのカウントの繰り返し回数をカウントする(S18)。
【0070】
そして、メカコントローラ部80のCPU83は、カウントした繰り返し回数が、上述した設定ループ回数に到達した場合には(S20,YES)、継続カウント設定部48に設定された長尺印刷設定情報をリセットする(S22)。
【0071】
長尺印刷設定情報がリセットされた後は、ヘッド制御回路75の比較回路45によってラインカウンタ43によってカウントされたライン数と設定ライン数とが比較され、ラインカウンタ43によってカウントされたライン数が、設定ライン数に到達した場合には、ページ処理終了信号をページ終了処理回路46に出力し、印刷処理が終了する。
【0072】
一方、S16において無限ループモードが設定されていた場合には、メカコントローラ部80のCPU83は、ループカウント信号のカウントを行わない。そして、ヘッド制御回路75のラインカウンタ43は、印刷媒体Wの終端が検出されるか、またはユーザからの印刷強制停止指示を受け付けるまでは最大カウント数までのカウントを継続する。印刷媒体Wの終端が検出されるか、またはユーザからの印刷強制停止指示が受け付けられた場合には、比較回路45からページ終了処理回路46にページ処理終了信号が出力され、印刷処理が終了する。
【0073】
なお、S10において長尺状の印刷媒体への印刷であることが確認されなかった場合には(S10,NO)、すなわちカット用紙への印刷である場合には、上述したように主コントローラ部70のヘッド制御回路75において印刷終了タイミングの制御が行われ、メカコントローラ部80のCPU83による印刷終了タイミングの制御は行われない。
【0074】
上記実施形態のインクジェット印刷装置1によれば、ヘッド制御回路75のラインカウンタ43が、印刷媒体が長尺状の印刷媒体である場合には、ライン数設定部44に設定されたライン数に到達した場合でも、予め設定された最大カウント数までライン数のカウントを継続し、最大カウント数までのカウントを繰り返して行う。
【0075】
そして、メカコントローラ部80のCPU83が、上述した最大カウント数までのカウントの繰り返し回数をカウントし、ヘッド制御回路75が、繰り返し回数のカウント数に基づいて、長尺状の印刷媒体に対する印刷を停止する。
【0076】
したがって、ラインカウンタ43の回路規模を大きくすることなく、カット用紙を印刷するためのヘッド制御回路75をそのまま利用することができ、かつ印刷処理を制御するヘッド制御回路75ではなく、メカコントローラ部80のCPU83において、最大カウント数までのカウントの繰り返し回数をカウントするようにしたので、上述した特許文献1に記載のようなブランクを発生させることなく、壁紙の下地模様などのような、間隔を空けることなく連続した模様を適切に印刷することができる。
【0077】
また、カット用紙を印刷するためのヘッド制御回路75に対して、継続カウント実施出力部47および継続カウント設定部48を付加するだけで良いので、簡易な改良によって実現可能である。
【0078】
本発明のインクジェット印刷装置に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記)
【0079】
本発明のインクジェット印刷装置においては、カウント部の最大カウント数に基づいて、繰り返し回数のカウント数およびライン数設定部に設定されるライン数を決定することができる。
【0080】
また、本発明のインクジェット印刷装置において、最大カウント数は、カウント部が有するビット数によってカウント可能な最大のカウント数とすることができる。
【0081】
また、本発明のインクジェット印刷装置において、カウント部は、最大カウント数までのカウントを継続して行うことを示す信号が設定される継続カウント設定部と、継続カウント設定部に設定された信号に基づいてカウントが継続されたことを示す信号を、搬送制御部に出力する継続カウント実施出力部とを有することができる。
【0082】
また、本発明のインクジェット印刷装置において、ヘッド制御部と搬送制御部とは、異なる制御基板から構成することができる。