特許第6873002号(P6873002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873002
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】蓄熱タンクおよび燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20210510BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   F24H9/00 E
   F24H1/00 631A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-148657(P2017-148657)
(22)【出願日】2017年7月31日
(65)【公開番号】特開2019-27707(P2019-27707A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 健太郎
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−292435(JP,A)
【文献】 特開2009−262983(JP,A)
【文献】 特開2003−214712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00,9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置からの排熱を蓄熱する熱媒体を貯留し、耐圧性が水道圧よりも低く、かつ周壁が、少なくとも1つの凹部分または凸部分を有する蓄熱タンクと、
前記発電装置として燃料電池セルを有する燃料電池モジュールとを備え、
前記周壁は、少なくとも1つの前記凹部分を有し、前記凹部分のうち少なくとも1つは、前記周壁の壁面に沿って延びる凹溝であり、
前記周壁のうち前記燃料電池モジュールと対向する領域における前記凹溝が占める割合は、前記周壁のうち前記燃料電池モジュールと対向しない領域における前記凹溝が占める割合より、高い、燃料電池装置
【請求項2】
前記凹溝は、内部に向けて凸となる形状であり、かつ水平方向に延びている請求項に記載の燃料電池装置
【請求項3】
前記凹溝の少なくとも1つは、全周にわたって延びている請求項またはに記載の燃料電池装置
【請求項4】
前記燃料電池モジュールと前記蓄熱タンクとは対向して配置されており、前記凹溝の少なくとも1つは前記周壁のうち前記燃料電池モジュールと対向する壁面に設けられている請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料電池装置。
【請求項5】
前記燃料電池モジュールと対向する凹溝の少なくとも1つが、上下方向に延びる請求項に記載の燃料電池装置。
【請求項6】
前記燃料電池モジュール及び前記蓄熱タンクを収容する外装ケースと、
前記外装ケースと、前記蓄熱タンクとの間に位置する緩衝材と、をさらに備える請求項のうちいずれか1つに記載の燃料電池装置。
【請求項7】
前記周壁は樹脂性材料からなる請求項1〜6のいずれか1つに記載の燃料電池装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱タンクおよび燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電装置からの排熱を利用して温水を生成するシステムが開発されており、近年においては、発電装置として燃料電池を用いたシステムの開発が進められている。発電装置の一例である燃料電池装置では、水素含有ガス(燃料ガス)と酸素含有ガス(通常は空気)とを用いて電力を得ることができる燃料電池装置の開発が進められている。燃料電池装置においては、発電に伴って発生する排熱を利用して生成した温水を蓄熱タンク(「貯湯タンク」ともいう)に蓄積し、温水需要に対する供給を行っている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−29805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来における蓄熱タンクは、水道圧に耐え得る堅牢な円筒状の金属製(例えば、特殊ステンレス鋼)のタンクであったため、機械的強度は十分ではあったものの、軽量化および低コスト化が図れないという課題があった。そのため、機械的な強度を確保しつつ、軽量化および低コスト化を図ることのできる蓄熱タンクおよび燃料電池装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の蓄熱タンクは、発電装置からの排熱を蓄熱する熱媒体を貯留し、耐圧性が水道圧よりも低く、かつ周壁が、少なくとも1つの凹部分または凸部分を有する。
【0006】
また、本開示の燃料電池装置は、上記の蓄熱タンクと、前記発電装置として燃料電池セルを有する燃料電池モジュールとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の蓄熱タンクによれば、軽量および低コストで、十分な強度を有する蓄熱タンクを実現することができる。
【0008】
また、本開示の燃料電池装置によれば、軽量および低コストで、十分な強度を有する蓄熱タンクを備えた燃料電池装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る燃料電池装置の一例における構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る燃料電池装置の一例における内部の様子を示す模式的な斜視図である。
図3】第1実施形態に係る燃料電池装置における蓄熱タンクの一例を示す外観斜視図である。
図4図3の蓄熱タンクを逆の方向から見た外観斜視図である。
図5】第2実施形態に係る燃料電池装置の筐体の具体例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る燃料電池装置の一例の構成を示すブロック図である。図1に示す燃料電池装置50は、少なくとも燃料電池モジュール36を有する燃料電池本体31と、少なくとも蓄熱タンク2を有する給湯装置1とを組み合わせて構成される。
【0011】
給湯装置1は、燃料電池本体31から熱媒体が流入する流入口12および熱媒体が流出する流出口11を有する蓄熱タンク2と、流入口12に接続された流入管8と、流出口11に接続された流出管7とを含み、熱媒体が循環する循環部13とを備えている。蓄熱タンク2は、発電装置である燃料電池本体31において生じた排熱を蓄熱する熱媒体を貯留するタンクである。
【0012】
また、蓄熱タンク2の内部には、熱媒体と給湯用水とが熱交換する第1熱交換部4が配設される。第1熱交換部4には、給湯用水が流通する給水管5と、熱媒体と熱交換した給湯用水が流通する給湯管6とが接続される。
【0013】
蓄熱タンク2の外部には給湯用配管9が配設される。給水管5は、給湯用配管9の水道水を流通させる給水側に接続され、給湯管6は、給湯用配管9の給湯を流通させる給湯側に接続される。給水側と給湯側との間には混合弁10が配設される。混合弁10によって、給湯側に給水側の水道水を混合して、給湯温度を調節することができる。また、給湯管6の給湯側には、第1熱交換部4での熱交換量が不足する場合に、給湯管6からの出湯の温度を上昇させるべく、バックアップ用のボイラー(図示せず)を配設することもできる。なお、給湯装置1の動作は不図示の制御装置によって制御される。
【0014】
ここで、上述したような給湯装置1においては、蓄熱タンク2に直接給湯用配管9が接続されていない。それゆえ、例えば、蓄熱タンク2に給水管5として直接水道管が接続されている場合には、蓄熱タンク2は水道水圧に耐えることができる耐圧性が必要となるが、本実施形態の蓄熱タンク2には必ずしも耐圧性は要求されないこととなる。それゆえ、蓄熱タンク2は樹脂、耐久性が低い金属等で設けることもできるし、その形状も円筒状に限らず角柱状とすることもできる。例えば樹脂により蓄熱タンク2を構成した場合には、より軽量で安価な給湯装置1とすることができ、さらに複雑な形状であっても容易に成形することができる。
【0015】
さらに、蓄熱タンク2に貯留された熱媒体が直接給湯されるわけではないことから、蓄熱タンク2内に貯留する熱媒体の設計の自由度も確保できる。それゆえ、熱媒体として、水のほか、不凍液等を用いることもできる。
【0016】
給湯用配管9の不図示の給湯用蛇口が開かれると、給湯用配管9の水道水が給水管5から第1熱交換部4に流入する。第1熱交換部4に流入した水道水は、蓄熱タンク2に貯留された熱媒体と熱交換しながら第1熱交換部4を移動し、第1熱交換部4から給湯管6に流入する。
【0017】
燃料電池本体31は、都市ガス等の原燃料を供給する原燃料供給装置32、燃料電池セルに酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給装置33、セルスタック34および改質器35を有する燃料電池モジュール(以下、「モジュール」とも称する)36を備えている。なお、図1に示す燃料電池本体31では、モジュール36を二点鎖線により囲って示している。また、図1には示していないが、セルスタック34と改質器35との間には、セルスタック34の発電に使用されなかった余剰の燃料ガスを燃焼させるための着火装置を設けるほか、燃焼後の排ガスやセルスタック34から排出される発電に使用されなかった排ガスを浄化するための浄化装置を設けることができる。なお、セルスタック34としては、固体酸化物形の燃料電池セルを組み合わせてなるセルスタック34とすることができる。
【0018】
また、図1に示す燃料電池本体31においては、セルスタック34を構成する燃料電池セルの発電により生じた排ガス(排熱)と熱媒体との間で熱交換を行なう第2熱交換部37を備えている。さらに、第2熱交換部37で生成された凝縮水を純水に処理するための水処理装置38、水処理装置38にて処理された水(純水)を貯水するための水タンク39が設けられており、水タンク39と第2熱交換部37との間が凝縮水供給管40により接続されている。なお、水処理装置38としてはイオン交換樹脂を備えるイオン交換樹脂装置を用いることができる。
【0019】
水タンク39に貯水された水は、水タンク39と改質器35とを接続する水供給管41に備えられた水ポンプ42により改質器35に供給される。
【0020】
さらに図1に示す燃料電池本体31は、各種機器の動作を制御する制御装置43が設けられているほか、モジュール36にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電気の外部負荷への供給量を調整するための供給電力調整部(パワーコンディショナ)44を備えている。
【0021】
さらに、給湯装置1の循環部13には、第2熱交換部37に流入する熱媒体を冷却するラジエータ45と、ラジエータ45で冷却した熱媒体を第2熱交換部37に圧送する循環ポンプ46を備えている。さらに、循環部13の第2熱交換部37の入口側には、第2熱交換部37に流入する熱媒体の温度を測定するための入口温度センサ47が設けられており、第2熱交換部37の出口側には、第2熱交換部37より流出する熱媒体の温度を測定するための出口温度センサ48が設けられている。
【0022】
また、制御装置43は、モジュール36の発電に合わせて、原燃料供給装置32、酸素含有ガス供給装置33、水ポンプ42の各装置の動作を制御するほか、入口温度センサ47、出口温度センサ48により測定された温度情報に基づいて、ラジエータ45、循環ポンプ46の動作を制御する。なお、制御装置43はマイクロコンピュータを有しており、入出力インターフェイス、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random-Access Memory)およびROM(Read-Only Memory)を備えている。なお、CPUは、燃料電池装置の運転の制御を実施するものであり、RAMはプログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは、上記の制御のためのプログラムを記憶するものである。
【0023】
ここで、図1に示した燃料電池装置50の運転方法について説明する。
【0024】
セルスタック34の発電に必要な燃料ガスを生成するにあたり、制御装置43は原燃料供給装置32、水ポンプ42を作動させる。それにより、改質器35に原燃料(天然ガス、灯油等)と水とが供給され、改質器35で水蒸気改質を行なうことにより、水素を含む燃料ガスが生成されて燃料電池セルの燃料極層側に供給される。
【0025】
一方、制御装置43は酸素含有ガス供給装置33を動作させることにより、燃料電池セルの酸素極層側に酸素含有ガス(空気)を供給する。
【0026】
なお、制御装置43はモジュール36において着火装置を作動させることにより、セルスタック34の発電に使用されなかった燃料ガスを燃焼させる。それにより、モジュール内の温度(セルスタック34や改質器35の温度)が上昇し、効率よい発電を行なうことができる。
【0027】
セルスタック34の発電に伴って生じた排ガスは、浄化装置にて浄化された後、第2熱交換部37に供給され、循環部13を流れる熱媒体とで熱交換される。第2熱交換部37での熱交換により温度の上昇した熱媒体は、循環部13を流れて蓄熱タンク2に貯留される。一方、第2熱交換部37での熱交換によりセルスタック34より排出される排ガスに含まれる水が凝縮水となり、凝縮水供給管40を通じて、水処理装置38に供給される。凝縮水は、水処理装置38にて純水とされて、水タンク39に貯水される。水タンク39に貯水された水は、水ポンプ42により水供給管41を介して改質器35に供給される。このように、凝縮水を有効利用することにより、水自立運転を行なうことができる。
【0028】
なお、上述の例においては第2熱交換部37にて生成される凝縮水のみを改質器35に供給する構成の燃料電池装置50を用いて説明したが、改質器35に供給する水として水道水を利用することもできる。この場合、水道水に含まれる不純物を処理するための水処理装置として、例えば、活性炭フィルター、逆浸透膜装置、イオン交換樹脂装置等を、この順に接続することで、純水を効率よく精製することができる。なお、水道水を用いる場合においても、水処理装置38にて生成した純水が、水タンク39に貯水されるよう各装置を接続することができる。
【0029】
図2は、本実施形態に係る燃料電池装置の一例における内部の様子を示す模式的な斜視図である。ここで、以下の実施形態では、便宜上、矢符Aの方向から(すなわち、y方向に)見た場合を燃料電池装置50の正面とする。また、正面に向かって左方向をx方向とし、高さ方向をz方向とする。さらに、図2においては、主に燃料電池モジュール36と蓄熱タンク2を表示しており、その他の補機、並びにこれらを接続する配管および配線等については、図示を省略している。なお、上記の補機、配管、および配線類は、図2に示されている燃料電池モジュール36および蓄熱タンク2を除いた空間または隙間等に配設される。
【0030】
燃料電池装置50は、図2に示されるように、16本のフレーム61a〜61pを組み合わせて構成されたフレーム構体61、およびフレーム構体61の各面(6面)に配設された外装パネル(図示せず)からなる筐体60を有する。筐体60の中には、セルスタック34を収納する燃料電池モジュール36、蓄熱タンク2、および燃料電池モジュール36の発電運転を補助する複数の補機などが収容される。
【0031】
さらに、蓄熱タンク2の右隣には燃料電池モジュール36が配設されて、燃料電池モジュール36から送出された熱媒体が流入管8を介して流入口12から流入し、流出口11から流出管7に熱媒体が流出する(図1を参照)。
【0032】
図3は、本実施形態に係る燃料電池装置における蓄熱タンクの一例を示す外観斜視図である。蓄熱タンク2は、発電装置である燃料電池本体31において生じた排熱を蓄熱する熱媒体を貯留する。そして、蓄熱タンク2は、耐圧性が水道圧よりも低く、かつ、その周壁が、少なくとも1つの凹部分または凸部分を有している。これによって、機械的強度が高くない材料(例えば、樹脂材料)で蓄熱タンク2を作製した場合であっても、その機械的強度を向上させることができる。
【0033】
なお、通常、水道圧は500kPa程度であり、従来の蓄熱タンクでは圧力に耐えられるよう減圧弁を設けて350kPa程度に減圧することが一般的に行われている。
【0034】
耐圧性が水道圧よりも低いとは、蓄熱タンクの耐圧性が、350kPa以下の耐圧性を有していることを意味している。さらには、200kPa以下の耐圧性の蓄熱タンクとすることでコストを低減した蓄熱タンクとすることができる。
【0035】
蓄熱タンク2の構造は、図1図4で示す本実施形態に限定されることはなく、第1実施形態で示した蓄熱タンク2に水を追加するために350kPa以下の水道圧となるように減圧弁等を介して水道管が接続されていてもよい。また、第1実施形態で示した蓄熱タンク2に水を追加するために直接水道管が接続されていてもよいが、この場合において、蓄熱タンク2に水道圧がかからないよう、蓄熱タンクの上限水位を蓄熱タンク2の上端と空間を空けた位置に設定することがよい。
【0036】
図3に示す蓄熱タンク2は、例えば樹脂製であり、機械的強度を高めるために、周壁22に凹部分又は凸部分としての横凹溝23及び縦凹溝24を設けて構成されている。なお、横凹溝および縦凹溝は、凹溝の一例である。
【0037】
ここで、横凹溝23および縦凹溝24は、周壁22の厚みを一定にしつつ、表面の凹凸と内部の凸凹とを一体的に形成する。
【0038】
凹溝のうち、少なくとも1つは、周壁22の壁面に沿って延びる横凹溝23又は縦凹溝24である。この構成により、周壁22の強度を上げ、蓄熱タンク2の変形を抑制することができる。
【0039】
さらに、凹溝23、24の少なくとも1つは、周壁22の全周にわたって配設されていてもよく、図3(および図4)に示されるように、横凹溝23の1つが、周壁22の全周にわたって配設されている。これによって、周壁22の全周に均等に圧力が分散され、部分的な変形を抑制することができる。
【0040】
さらにまた、蓄熱タンク2の周壁22には、少なくとも、燃料電池モジュールと対向する位置の壁面に横凹溝23を設けてもよく、周壁22の上下方向に延びる縦凹溝24を設けてもよい。これによって、蓄熱タンク2の燃料電池モジュール36側の強度を特に向上させ燃料電池モジュール36側に水圧や熱によって膨張・変形してしまうことを抑制することができる。
【0041】
なお、図3に示される蓄熱タンク2は、図示していないが、燃料電池本体31において生成された熱媒体が流入する流入口、熱媒体が流出する流出口、給水管および給湯管などを備えていてもよい。また、その位置については、適宜設定することができる。
【0042】
図4は、図3の蓄熱タンクを逆の方向から見た外観斜視図である。図4の外観斜視図は、上記図3の外観斜視図を補完するものであり、図3では示されていない蓄熱タンク2の外観を示している。なお、図4において、上記図3と同一の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
図4に示されるように、蓄熱タンク2は、主に4本の横凹溝23、1本の縦凹溝24が設けられている。周壁22における燃料電池モジュール36と対向する領域における凹溝23、24が占める割合は、燃料電池モジュール36と対向しない領域の周壁22における凹溝23、24が占める割合より高くなっている。これによって、燃料電池モジュール36と反対側の左側に敢えて圧力を集中させ、燃料電池モジュール36側に膨張することを抑制させるものである。
【0044】
横凹溝23は、内部に向けて凸となる形状であり、かつ水平方向に延びているので、蓄熱タンク2内における水の上下方向の移動が抑制され、蓄熱タンク2内の水温の均一化を防止することができる。
【0045】
蓄熱タンクの横凹溝23および縦凹溝24の断面形状は、円弧状又は矩形状であってもよい。また、図3又は図4で示すように蓄熱タンク2の下部が突き出した形状となっていてもよい。この構成により、さらに蓄熱タンクの耐久性を向上することができる。
【0046】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る燃料電池装置の筐体の具体例を示す斜視図である。図5に示すように、筐体60Aと蓄熱タンク2との間に、例えば発泡スチロールなどの緩衝部材62を適宜配設し、蓄熱タンク2を各種の衝撃から保護する。
【0047】
これによって、フレーム構体61と蓄熱タンク2とが直接接触して蓄熱タンク2に傷が付くことを防止する。さらに、緩衝部材62を断熱材料で構成することで、この緩衝部材62を介して熱がフレーム構体61に伝導して、蓄熱タンク2の温度が低下してしまうことを防止する。
【0048】
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
【0049】
例えば、上述の説明において、樹脂製の蓄熱タンクについて説明したが、蓄熱タンクの材料は樹脂に限るものではなく、他の合金などであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
2,2A 蓄熱タンク
22 周壁
23 横凹溝
24 縦凹溝
36 燃料電池モジュール
31 燃料電池本体
50 燃料電池装置
52 タンク本体
図1
図2
図3
図4
図5