(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、防火性能を向上させることを目的とした場合には、熱膨張性部材の熱膨張するタイミングを早めるために、火炎に晒される中空部外に当該熱膨張性部材を配設することが好ましい。しかしながら、単純に中空部の外面に熱膨張性部材を貼り付けた場合には、火炎に晒されて中空部が熱変形した場合には、当該熱膨張性部材は、支持を失うこととなり、所望の防火性能を発揮することができない。
そこで、不燃性または難燃性の取付部材を用いることが考えられる。
具体的に、取付部材は、中空部外に設けられ、熱膨張性部材を取り付ける。そして、取付部材は、中空部を構成する側壁部を介して、ネジ等の締結部材にて当該中空部内に設けられた補強部材に固定される。
しかしながら、上述したように構成した場合には、取付部材と補強部材との間には樹脂製の側壁部が介在しているため、火炎に晒されて当該側壁部が溶融した場合には、当該取付部材が傾くこととなる。すなわち、熱膨張性部材の熱膨張する方向が所望の方向から傾くこととなり、防火性能を向上させることができない、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、防火性能を向上させることができる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、室内外を仕切る建具であって、複数の側壁部で構成された樹脂製の中空部と、前記中空部内に設けられた不燃性または難燃性の補強部材と、前記中空部外に設けられ、加熱されることで膨張する熱膨張性部材を取り付ける不燃性または難燃性の取付部材とを備え、前記取付部材は、前記複数の側壁部のうち第1の側壁部を介して、第1の締結部材にて前記補強部材に固定され、前記第1の側壁部には、貫通孔が設けられ、前記補強部材及び前記取付部材の少なくとも一方の部材には、他方の部材に向けて突出し、前記貫通孔内に位置する不燃性または難燃性の位置固定部が設けられ
、当該建具は、枠体と、当該枠体内にスライド移動可能に設けられ、当該枠体内を開閉する障子とを有する引き形式窓であり、前記中空部、前記補強部材、及び前記取付部材は、前記障子の戸尻側框に設けられ、前記枠体には、前記障子を閉じた状態で、前記戸尻側框における前記第1の側壁部に対して当該建具の見込み方向に対向する対向部材が設けられていることを特徴とする。
【0007】
なお、位置固定部は、補強部材にのみ、取付部材にのみ、あるいは、補強部材及び取付部材の双方にそれぞれ設けられてもよい。以下では、説明の便宜上、位置固定部が取付部材にのみ設けられているものとして説明する。
本発明によれば、火炎に晒されて第1の側壁部が溶融した場合において、取付部材が傾く際に、取付部材に設けられた位置固定部が補強部材(他方の部材)に当接することで、当該取付部材の傾きを抑制することができる。すなわち、熱膨張性部材の熱膨張する方向を所望の方向に維持することが可能となる。
したがって、本発明に係る建具によれば、防火性能を向上させることができる。
ところで、引き形式窓では、火炎に晒された場合において、障子の戸尻側框と枠体に設けられた対向部材(引違い窓の場合には他の障子の召合せ框、片引き窓の場合には方立枠等)との間の間隙は、貫通口となり易く、防火性能に大きく影響を及ぼす。
本発明では、第1の側壁部は、対向部材に対して建具の見込み方向に対向する。言い換えれば、取付部材及び熱膨張性部材は、戸尻側框と対向部材との間の間隙に設けられている。このため、火炎に晒された場合において、熱膨張性部材の熱膨張により戸尻側框と対向部材との間の間隙を閉塞することができ、防火性能を向上させることができる、という効果を好適に実現することができる。
【0008】
また、本発明は、上述した建具において、前記位置固定部は、前記貫通孔を介して前記他方の部材に当接することを特徴とする。
本発明では、位置固定部は、第1の側壁部に形成された貫通孔を介して補強部材(他方の部材)に当接する。すなわち、位置固定部と補強部材(他方の部材)との間には、製造段階で樹脂製の部位が介在していない。このため、火炎に晒されて第1の側壁部が溶融した場合において、取付部材の傾きをより確実に防止することができる。
【0010】
また、本発明は、上述した建具において、前記戸尻側框に設けられた前記取付部材は、前記対向部材に係止する煙返し部材であることを特徴とする。
本発明では、取付部材は、熱膨張性部材を取り付ける機能の他、煙返し部材としての機能も併せ持つ。このため、例えば当該2つの機能を別々に設けた場合と比較して、部品点数を削減することができ、組立作業性の向上及び低コスト化を図ることができる。
【0011】
また、本発明は、上述した建具において、前記中空部、前記補強部材、及び前記取付部材は、前記戸尻側框及び前記対向部材の双方にそれぞれ設けられ、前記対向部材に設けられた前記取付部材は、前記戸尻側框に設けられた前記煙返し部材に係止する煙返し部材であることを特徴とする。
本発明では、中空部、補強部材、取付部材は、戸尻側框の他、対向部材にもそれぞれ設けられている。このため、対向部材においても、戸尻側框と同様に、熱膨張性部材の熱膨張する方向を所望の方向に維持することが可能となる。したがって、火炎に晒された場合において、戸尻側框及び対向部材に設けられた各熱膨張性部材の熱膨張により戸尻側框と対向部材との間の間隙をより確実に閉塞することができる。
また、対向部材に設けられた取付部材は、戸尻側框に設けられた取付部材と同様に、熱膨張性部材を取り付ける機能の他、煙返し部材としての機能も併せ持つ。このため、例えば当該2つの機能を別々に設けた場合と比較して、部品点数を削減することができ、組立作業性の向上及び低コスト化を図ることができる。
【0012】
また、本発明は、上述した建具において、前記戸尻側框に設けられた前記取付部材は、複数、設けられ、複数の前記取付部材は、前記戸尻側框の長手方向に連設され、複数の前記取付部材のうち少なくともいずれかの取付部材は、前記対向部材に対向する面に前記熱膨張性部材が取り付けられる固定部と、前記固定部の縁部から前記対向部材に向けて突出するとともに、前記長手方向に延在する重なり片とを備え、前記重なり片は、前記長手方向に連設される他の前記取付部材に対して前記戸尻側框の見付け方向に重なり合うことを特徴とする。
ところで、戸尻側框において、複数の取付部材を当該戸尻側框の長手方向に連設した場合には、各取付部材に取り付けられた各熱膨張性部材間に隙間が生じることとなる。当該隙間は、貫通口となり、防火性能に影響を及ぼす虞がある。
本発明では、複数の取付部材のうち少なくともいずれかの取付部材は、戸尻側框の長手方向に連設される他の取付部材に対して当該戸尻側框の見付け方向に重なり合う重なり片を備える。このため、当該重なり片により上述した隙間を閉塞することができる。また、重なり片を設けることで、不燃性または難燃性の剛性の高い部分が増加するため、当該重なり片を設けた取付部材の強度を向上させることができる。
【0013】
また、本発明は、上述した建具において、前記戸尻側框に設けられた前記中空部外には、錠が設けられ、前記錠は、前記複数の側壁部のうち前記第1の側壁部に交差する第2の側壁部を介して、第2の締結部材にて前記補強部材に固定される台座と、前記台座に対して回動または移動可能に支持されるロック片とを備え、前記台座は、前記第2の側壁部に沿って前記第1の側壁部側に突出した状態で固定され、前記取付部材は、前記対向部材側に張り出し、前記台座に対向する対向部を備えることを特徴とする。
ところで、台座と補強部材との間には樹脂製の第2の側壁部が介在しているため、火炎に晒されて当該第2の側壁部が溶融した場合には、当該台座が傾く虞がある。すなわち、鎌錠等のロック片がクレセント受け等の受け部材から外れ、戸尻側框と対向部材との間が開いてしまう虞がある。
本発明では、台座は、第2の側壁部に沿って第1の側壁部側に突出した状態で固定されている。また、取付部材は、対向部材側に張り出し、台座に対向する対向部を備える。このため、火炎に晒されて第2の側壁部が溶融した場合において、台座が傾く際に、取付部材(対向部)が台座に当接することで、当該台座の傾きを抑制することができる。すなわち、鎌錠等のロック片がクレセント受け等の受け部材から外れ、戸尻側框と対向部材との間が開いてしまうことを抑制することができる。
【0014】
また、本発明は、上述した建具において、前記位置固定部は、前記少なくとも一方の部材に一体形成されていることを特徴とする。
本発明では、位置固定部が少なくとも一方の部材(補強部材のみ、取付部材のみ、あるいは、補強部材及び取付部材の双方)に一体形成されているため、例えば位置固定部を当該少なくとも一方の部材とは別体で構成した場合と比較して、部品点数を削減することができ、組立作業性の向上及び低コスト化を図ることができる。
特に、絞り加工や突き出し加工等のプレス加工により、第1の締結部材を挿通する挿通孔の周縁に位置固定部を形成すれば、当該挿通孔の孔加工と同時に位置固定部を形成することができるため、当該加工を容易に行うことができる。
【0015】
また、本発明
に係る建具は、
室内外を仕切る建具であって、複数の側壁部で構成された樹脂製の中空部と、前記中空部内に設けられた不燃性または難燃性の補強部材と、前記中空部外に設けられ、加熱されることで膨張する熱膨張性部材を取り付ける不燃性または難燃性の取付部材とを備え、前記取付部材は、前記複数の側壁部のうち第1の側壁部を介して、第1の締結部材にて前記補強部材に固定され、前記第1の側壁部には、貫通孔が設けられ、前記補強部材及び前記取付部材の少なくとも一方の部材には、他方の部材に向けて突出し、前記貫通孔内に位置する不燃性または難燃性の位置固定部が設けられ、前記位置固定部は、前記少なくとも一方の部材とは別体で構成されていることを特徴とする。
本発明では、位置固定部が上述した少なくとも一方の部材とは別体で構成されているため、例えば位置固定部を補強部材や取付部材に一体形成した場合と比較して、当該補強部材や取付部材に絞り加工や突き出し加工等のプレス加工により位置固定部を形成する必要がない。また、位置固定部として、ワッシャ等の汎用の部材を利用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る建具によれば、防火性能を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る建具1を室内側から見た図である。
なお、以下では、見込み方向及び見付け方向等の用語を用いる。「見込み方向」とは、建具1の奥行きに沿った方向(
図2〜
図4の矢印Ar参照)である。見込み方向に沿った平面については、見込み面と称する場合がある。「見付け方向」とは、上框33,43及び下框34,44のように水平に沿った部材の場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向であり、戸先框35,45、外召合せ框5、及び内召合せ框6のように上下に沿った部材の場合、見込み方向に直交した水平に沿う方向である。見付け方向に沿った平面(見込み方向に直交する平面)については、見付け面と称する場合がある。
建具1は、引違い窓で構成され、窓枠2と、外障子3と、内障子4とを備える。
【0020】
窓枠2は、上枠21、下枠22、
図1中、左側に位置する左縦枠23、及び
図1中、右側に位置する右縦枠24を四周枠組みすることによって構成され、建物の開口部Opの縁部に沿うように取り付けられる。
これら各枠部材21〜24は、塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂製、またはアルミニウム等の金属製の押出形材であり、全長に亘って略一様な断面形状を有する。
【0021】
外障子3は、内障子4に対して室外側に位置し、窓枠2に対して
図1中、左右方向にスライド移動可能に取り付けられている。そして、外障子3は、ガラス材等で構成された面材31と、框部材32とを備える。
框部材32は、上框33と、下框34と、戸先框35と、外召合せ框5とを框組みすることにより構成され、内部で面材31の外周縁部を保持する。ここで、外召合せ框5は、本発明に係る対向部材に相当する。
これら各框部材33〜35,5は、塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂製の押出形材であり、全長に亘って略一様な断面形状を有する。
なお、外召合せ框5の詳細な構造については後述する。
【0022】
内障子4は、本発明に係る障子に相当する。この内障子4は、窓枠2に対して
図1中、左右方向にスライド移動可能に取り付けられている。そして、内障子4は、外障子3における面材31及び框部材32(上框33、下框34、戸先框35、及び外召合せ框5を含む)とそれぞれ同様の面材41及び框部材42(上框43、下框44、戸先框45、及び内召合せ框6を含む)を備える。ここで、内召合せ框6は、本発明に係る戸尻側框に相当する。
なお、内召合せ框6の詳細な構造については後述する。
そして、上述した外障子3及び内障子4において、戸先框35が左縦枠23に当接するとともに、戸先框45が右縦枠24に当接した場合には、外召合せ框5と内召合せ框6とが見込み方向に互いに対向するとともに互いに係合する。そして、開口部Opは、外障子3及び内障子4にて閉塞される。この状態では、外召合せ框5と内召合せ框6との間は、クレセント錠7によってロック可能である。当該クレセント錠7によりロックすることにより、外障子3及び内障子4は、開口部Opを閉塞した状態に保持される。ここで、クレセント錠7は、本発明に係る錠に相当する。
【0023】
次に、外召合せ框5及び内召合せ框6の構造について説明する。
図2〜
図4は、第1〜第3領域Ar1〜Ar3の横断面図をそれぞれ示している。
ここで、第1領域Ar1は、外召合せ框5及び内召合せ框6における上下方向の略中央領域である。また、第2領域Ar2は、外召合せ框5及び内召合せ框6における上下端部にそれぞれ位置する領域である。さらに、第3領域Ar3は、第1,第2領域Ar1,Ar2の間にそれぞれ位置する領域である。
【0024】
外召合せ框5について、以下で記載する内周側とは、框部材32の内周側であって、
図2〜
図4中、左側を意味する。また、外召合せ框5について、以下で記載する外周側とは、框部材32の外周側であって、
図2〜
図4中、右側を意味する。
外召合せ框5は、中空部51と、面材保持部52と、突出部53とを備える。
中空部51は、
図2〜
図4中、左右方向に並設された第1,第2中空部511,512を備える。
第1,第2中空部511,512は、外召合せ框5の長手方向に沿い、当該外召合せ框5の全長に亘って延在する角筒形状をそれぞれ有する。
第1中空部511内には、外補強部材54が設けられている。
外補強部材54は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成され、外召合せ框5を補強する部分であり、本発明に係る補強部材に相当する。この外補強部材54は、2部材で構成され、ネジ等の締結部材により互いに組み付けられることにより断面略O字形状を有し、第1中空部511の全長に亘って設けられている。そして、外補強部材54の外面において、第1中空部511の室内側の側壁部515、第1中空部511の室外側の側壁部、及び内周側の側壁部に対向する位置には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR0,TR1,TR2がそれぞれ貼り付けられている。なお、側壁部515は、本発明に係る第1の側壁部に相当する。
ここで、熱膨張性部材TR1,TR2は、外補強部材54の略全長に亘ってそれぞれ設けられている。一方、熱膨張性部材TR0は、第3領域Ar3のみに設けられている。
また、外補強部材54の外面において、熱膨張性部材TR0に対する上下の各位置(第1,第2領域Ar1,Ar2)には、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の裏板541がそれぞれ設けられている。これら裏板541は、外補強部材54の全長よりも短いピース状の部材であり、上下方向に延在する平面視矩形状の平板でそれぞれ構成され、ネジ等の締結部材Sc0により、外補強部材54の外面にそれぞれ固定されている。
【0025】
また、中空部51において、内周側の見込み面の室外側には、外周側に窪む押縁係合溝513が形成されている。そして、押縁係合溝513には、塩化ビニル樹脂(PVC)等の樹脂製の押縁55が取り付けられる。
面材保持部52は、中空部51において、内周側の見込み面の室内側の縁部から内周側に突出した部分である。
そして、面材31の端部は、面材保持部52と、押縁55と、中空部51の内周側の見込み面とで構成される断面視U字状の溝部514に配置された状態で保持される。また、溝部514の底部分において、面材31の端部に対向する位置には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR3が貼り付けられている。
【0026】
突出部53は、中空部51における室内側の外面(見付け面)の外周側の縁部から室内側に突出した部分である。そして、突出部53において、2つの第3領域Ar3には、当該突出部53における先端部分の内周側の縁部から内周側に向けてヒレ状に突出した外煙返し片531(
図4)がそれぞれ形成されている。
また、中空部51における室内側の外面(見付け面)には、外煙返し部材56(
図2,
図3)が設けられている。
外煙返し部材56は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成され、本発明に係る取付部材に相当する。この外煙返し部材56は、中空部51の全長よりも短いピース状の部材であり、第1,第2領域Ar1,Ar2における突出部53の内周側の位置にのみそれぞれ設けられている。また、これら外煙返し部材56は、断面略U字形状をそれぞれ有する。そして、各外煙返し部材56は、当該U字状の開口部分が内周側を向く姿勢で、ネジ等の締結部材Sc1により、側壁部515を介して外補強部材54(裏板541)にそれぞれ固定される。また、各外煙返し部材56における側壁部515に対向する部位561の室内側の面には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR4がそれぞれ貼り付けられている。
なお、外煙返し部材56の詳細な取付構造については、後述する。
【0027】
さらに、中空部51における室内側の外面(見付け面)には、クレセント受け57(
図2)が設けられている。
クレセント受け57は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成されている。このクレセント受け57は、中空部51の全長よりも短いピース状の部材であり、第1領域Ar1に設けられた外煙返し部材56の内周側の位置にのみ設けられている。また、クレセント受け57は、側壁部515から面材保持部52に沿って延在するとともに、先端部分が室内側に向けて鉤状に屈曲した形状を有する。そして、クレセント受け57は、ネジ等の締結部材Sc2により、側壁部515を介して外補強部材54に固定される。
【0028】
内召合せ框6について、以下で記載する内周側とは、框部材42の内周側であって、
図2〜
図4中、右側を意味する。また、内召合せ框6について、以下で記載する外周側とは、框部材42の外周側であって、
図2〜
図4中、左側を意味する。
内召合せ框6は、外召合せ框5における中空部51(第1,第2中空部511,512押縁係合溝513、及び押縁55を含む)、面材保持部52(溝部514及び熱膨張性部材TR3を含む)、及び突出部53とそれぞれ同様の中空部61(第1,第2中空部611,612、押縁係合溝613、及び押縁65を含む)、面材保持部62(溝部614及び熱膨張性部材TR3を含む)、及び突出部63を備える。
なお、中空部61において、室外側の側壁部61a、外周側の側壁部61b、室内側の側壁部61c、及び内周側の側壁部61dは、本発明に係る側壁部に相当する。また、側壁部61aは、本発明に係る第1の側壁部に相当する。さらに、側壁部61bは、本発明に係る第2の側壁部に相当する。
【0029】
ここで、第1中空部611内には、内補強部材64が設けられている。
内補強部材64は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成され、内召合せ框6を補強する部分であり、本発明に係る補強部材に相当する。この内補強部材64は、断面略U字形状を有し、当該U字状の開口部分が外周側に向く姿勢で第1中空部611内に配設される。また、内補強部材64は、第1中空部611の全長に亘って設けられている。そして、内補強部材64の外面において、側壁部61c,61dに対向する位置には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR5,TR6がそれぞれ貼り付けられている。さらに、内補強部材64における室内側の内面には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR7が貼り付けられている。また、内補強部材64には、固定部材66(
図2)が設けられている。
固定部材66は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成されている。この固定部材66は、中空部61の全長よりも短いピース状の部材であり、第1領域Ar1のみに設けられている。また、固定部材66は、断面略L字形状を有する。そして、固定部材66は、内補強部材64のU字状の開口部分を閉塞するように、ネジ等の締結部材Sc3により、当該内補強部材64に固定される。
【0030】
また、第2中空部612内には、連結部材67(
図2)が設けられている。
連結部材67は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成され、クレセント錠7と内補強部材64とを連結する部材である。この連結部材67は、中空部61の全長よりも短いピース状の部材であり、第1領域Ar1のみに設けられている。そして、連結部材67は、ネジ等の締結部材Sc4により、第1,第2中空部611,612を区画する壁部61eを介して固定部材66に固定される。
ここで、クレセント錠7は、第1領域Ar1に設けられている。このクレセント錠7は、台座71と、鎌錠72とを備える。
台座71は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成されている。そして、台座71は、ネジ等の締結部材Sc5により、側壁部61bを介して連結部材67に固定される。ここで、台座71は、一部が中空部61よりも室外側に突出した状態で固定される。なお、締結部材Sc5は、本発明に係る第2の締結部材に相当する。
鎌錠72は、本発明に係るロック片に相当する。この鎌錠72は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成され、台座71に対して回動可能に支持されている。そして、鎌錠72は、ユーザ操作により回動することで、クレセント受け57に係合した施錠状態、あるいは、クレセント受け57に係合しない解錠状態に設定される。
【0031】
さらに、突出部63は、第2,第3領域Ar2,Ar3のみに設けられている。すなわち、第1領域Ar1では、突出部63の一部が切り欠かれている。以下では、当該切り欠かれた部分を切欠部631(
図6参照)と記載する。
そして、側壁部61aの室外側の面(見付け面)には、突出部63に対して内周側の位置に、内煙返し部68(
図4)が設けられている。
内煙返し部68は、2つの第3領域Ar3のみにそれぞれ設けられている。この内煙返し部68は、室外側に突出するとともに、先端部分の内周側の縁部から内周側に向けてヒレ状に突出した内煙返し片681を備える。そして、内煙返し片681は、外障子3及び内障子4にて開口部Opを閉塞した際に、外煙返し片531に係合する。
【0032】
また、側壁部61aの室外側の面(見付け面)には、取付部材10が設けられている。
取付部材10は、上下方向(内召合せ框6の長手方向)に連設される第1〜第3取付部材11〜13を備える。
図5は、第1取付部材11を示す斜視図である。
図6は、第1取付部材11の取付構造を示す分解斜視図である。
図7は、第1取付部材11と第3取付部材13との位置関係を室外側から見た図である。
以下、
図2、
図5ないし
図7を参照しつつ、第1取付部材11について説明する。
第1取付部材11は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成されている。この第1取付部材11は、中空部61の全長よりも短いピース状の部材であり、第1領域Ar1のみに設けられている。そして、第1取付部材11は、固定部111と、第1,第2立上片112,113と、重なり片114と、内煙返し片115とを備える。
【0033】
固定部111は、上下方向に延在する平面視矩形状の平板で構成され、各板面が室内側及び室外側に向く姿勢で配置される。この固定部111において、上下両端部側には、表裏を貫通する挿通孔116がそれぞれ形成されている。また、これら挿通孔116の周縁部分は、絞り加工や突き出し加工等のプレス加工により、室内側にそれぞれ膨出し、円錐台形状をそれぞれ有する。なお、当該周縁部分は、本発明に係る位置固定部に相当する。以下では、説明の便宜上、当該周縁部分を位置固定部14と記載する。
第1立上片112は、固定部111における上下の各縁部から室外側にそれぞれ屈曲して延在した部分である。
第2立上片113は、固定部111における外周側の縁部から室外側に屈曲して延在した部分である。
重なり片114は、固定部111における内周側の縁部から室外側に屈曲して延在し、第2立上り片113に対向する部分である。ここで、重なり片114は、第2立上り片113(固定部111)よりも上端部が上方に位置し、かつ、下端部が下方に位置する。すなわち、重なり片114は、第2立上り片113(固定部111)よりも上下方向の長さ寸法が長く設定されている。そして、第1,第3取付部材11,13を内召合せ框6に取り付けた状態では、重なり片114は、上下に連設される第3取付部材13に対して内周側に位置し、内召合せ框6の見付け方向に重なり合う(
図7)。
内煙返し片115は、重なり片114における室外側の縁部から内周側に屈曲して延在した部分である。
【0034】
ここで、側壁部61aにおいて、各挿通孔116に対応する位置には、表裏を貫通する貫通孔615がそれぞれ形成されている。
そして、第1取付部材11は、各挿通孔116と各貫通孔615とにそれぞれネジ等の締結部材Sc6を挿通するとともに、当該各締結部材Sc6を内補強部材64に締結することにより、当該内補強部材64に対して固定される。なお、締結部材Sc6は、本発明に係る第1の締結部材に相当する。そして、締結部材Sc6にて第1取付部材11を内補強部材64に固定した状態では、各位置固定部14は、各貫通孔615に挿通されるとともに、内補強部材64にそれぞれ当接する。また、固定部111は、側壁部61aに沿って、切欠部631を介して、側壁部61b側に張り出す。そして、第2立上片113は、台座71における中空部61よりも室外側に突出した部位に対向する。すなわち、第2立上片113は、本発明に係る対向部に相当する。ここで、第2立上片113の見込み面は、側壁部61bの見込み面と見付け方向において略同じ位置に位置する(
図7)。また、第2立上片113の上下方向の長さは、クレセント錠7の台座71の上下方向の長さと略同じ長さである。さらに、重なり片114及び内煙返し片115は、2つの第3領域Ar3にそれぞれ設けられた内煙返し部68の間に位置し、当該内煙返し部68に連設される。そして、内煙返し片115は、外障子3及び内障子4にて開口部Opを閉塞した際に、第1領域Ar1に設けられた外煙返し部材56に係合する。すなわち、第1取付部材11は、煙返し部材である。また、固定部111における室外側の面には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR8が貼り付けられる。
【0035】
以下、
図3を参照しつつ、第2取付部材12について説明する。
第2取付部材12は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成されている。この第2取付部材12は、中空部61の全長よりも短いピース状の部材であり、2つの第2領域Ar2のみにそれぞれ設けられている。そして、これら第2取付部材12は、第1取付部材11における固定部111(挿通孔116及び位置固定部14を含む)、第1立上片112、及び内煙返し片115とそれぞれ同様の固定部121(挿通孔124及び位置固定部15を含む)、第1立上片122、及び内煙返し片123をそれぞれ備える。すなわち、各第2取付部材12は、第1取付部材11における外周側の一部(固定部111、第1,第2立上片112,113)を省略した形状をそれぞれ有する。
【0036】
ここで、側壁部61aにおいて、各挿通孔124に対応する位置には、表裏を貫通する貫通孔616がそれぞれ形成されている。
そして、各第2取付部材12は、各挿通孔124と各貫通孔616とにそれぞれネジ等の締結部材Sc7を挿通するとともに、当該各締結部材Sc7を内補強部材64に締結することにより、当該内補強部材64に対してそれぞれ固定される。なお、締結部材Sc7は、本発明に係る第1の締結部材に相当する。そして、締結部材Sc7にて各第2取付部材12を内補強部材64に固定した状態では、各第2取付部材12は、2つの第2領域Ar2にそれぞれ設けられた突出部63に対して内周側に位置付けられる。また、各位置固定部15は、各貫通孔616に挿通されるとともに、内補強部材64にそれぞれ当接する。さらに、各内煙返し片123は、2つの第3領域Ar3にそれぞれ設けられた内煙返し部68の上方側及び下方側にそれぞれ連設される。そして、各内煙返し片123は、外障子3及び内障子4にて開口部Opを閉塞した際に、2つの第2領域Ar2にそれぞれ設けられた外煙返し部材56に係合する。すなわち、第2取付部材12は、煙返し部材である。また、固定部121における室外側の面には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR9が貼り付けられる。
【0037】
以下、
図4を参照しつつ、第3取付部材13について説明する。
第3取付部材13は、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材で構成されている。この第3取付部材13は、中空部61の全長よりも短いピース状の部材であり、2つの第3領域Ar3のみにそれぞれ設けられている。そして、これら第3取付部材13は、固定部131と、一対の保持部132とをそれぞれ備える。
固定部131は、上下方向に延在する平面視矩形状の平板状で、各板面が室内側及び室外側を向く姿勢で配置される。この固定部131には、上述した挿通孔116とそれぞれ同様の複数の挿通孔133が上下方向に並設されている。また、複数の挿通孔133の周縁部分には、上述した位置固定部14とそれぞれ同様の位置固定部16がそれぞれ形成されている。
一対の保持部132は、固定部131における内周側及び外周側の各縁部から室外側に屈曲して延在した部分である。そして、一対の保持部132における互いに対向する位置には、加熱されることで膨張する熱膨張性部材TR10が挿通される挿通溝132aがそれぞれ形成されている。
【0038】
ここで、側壁部61aにおいて、各挿通孔133に対応する位置には、表裏を貫通する貫通孔617がそれぞれ形成されている。
そして、各第3取付部材13は、各挿通孔133と各貫通孔617とにそれぞれネジ等の締結部材Sc8を挿通するとともに、当該各締結部材Sc8を内補強部材64に締結することにより、当該内補強部材64に対してそれぞれ固定される。なお、締結部材Sc8は、本発明に係る第1の締結部材に相当する。そして、締結部材Sc8にて各第3取付部材13を内補強部材64に固定した状態では、各第3取付部材13は、2つの第3領域Ar3にそれぞれ設けられた突出部63及び内煙返し部68の間にそれぞれ位置付けられる。また、各位置固定部16は、各貫通孔617に挿通されるとともに、内補強部材64にそれぞれ当接する。そして、熱膨張性部材TR10を挿通溝132aに挿通することにより、締結部材Sc8は、当該熱膨張性部材TR10により隠蔽される。
【0039】
以下、
図2及び
図3を参照しつつ、外煙返し部材56の取付構造について説明する。
外煙返し部材56における側壁部515に対向する部位561には、上述した挿通孔116とそれぞれ同様の複数(本実施の形態1では2つ)の挿通孔562が上下方向に並設されている。また、2つの挿通孔562の周縁部分には、上述した位置固定部14とそれぞれ同様の位置固定部17がそれぞれ形成されている。
ここで、側壁部515において、各挿通孔562に対応する位置には、表裏を貫通する貫通孔516がそれぞれ形成されている。
そして、各外煙返し部材56は、各挿通孔562と各貫通孔516とにそれぞれ締結部材Sc1を挿通するとともに、当該各締結部材Sc1を外補強部材54(裏板541)に締結することにより、当該外補強部材54(裏板541)に対してそれぞれ固定される。なお、締結部材Sc1は、本発明に係る第1の締結部材に相当する。そして、締結部材Sc1にて各外煙返し部材56を外補強部材54に固定した状態では、各外煙返し部材56は、突出部53に対して内周側に位置付けられる。また、各位置固定部17は、各貫通孔516に挿通されるとともに、外補強部材54(裏板541)にそれぞれ当接する。さらに、各外煙返し部材56における室内側の部位563は、2つの第3領域Ar3にそれぞれ設けられた外煙返し片531に対して上下に連設される。
【0040】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、本実施の形態2に係る第1取付部材11Aを示す斜視図である。
図9は、第1取付部材11Aの取付構造を示す分解斜視図である。
上述した実施の形態1に係る第1取付部材11では、位置固定部14は、挿通孔116の周縁部分に設けられていた。
これに対して本実施の形態2に係る第1取付部材11Aでは、位置固定部14が省略され、挿通孔116から離間した位置に位置固定部14Aが形成されている。
【0041】
具体的に、位置固定部14Aは、2つの挿通孔116の間に位置し、上下方向に並設するように2つ形成されている。これら位置固定部14Aは、絞り加工や突き出し加工等のプレス加工により、室内側にそれぞれ膨出し、先端部分が固定部111の板面に平行となる平坦面でそれぞれ構成されている。
ここで、側壁部61aにおいて、各位置固定部14Aに対応する位置には、表裏を貫通する貫通孔615Aがそれぞれ形成されている。
そして、締結部材Sc6にて第1取付部材11Aを内補強部材64に固定した状態では、各位置固定部14Aは、各貫通孔615Aに挿通されるとともに、内補強部材64にそれぞれ当接する。
【0042】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図10は、本実施の形態3に係る第1取付部材11Bを示す斜視図である。
図11は、第1取付部材11Bの取付構造を示す分解斜視図である。
上述した実施の形態1に係る第1取付部材11では、位置固定部14は、当該第1取付部材11に一体形成されていた。
これに対して本実施の形態3では、第1取付部材11Bと位置固定部14Bとが別体で構成されている。
【0043】
具体的に、第1取付部材11Bは、上述した実施の形態1で説明した第1取付部材11に対して、位置固定部14が省略された部材である。
位置固定部14Bは、締結部材Sc6が挿通されるとともに、挿通孔116よりも径寸法が大きく貫通孔615よりも径寸法が小さい円環形状を有し、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性のワッシャで構成されている。また、位置固定部14Bは、2つの挿通孔116に対応して2つ設けられている。これら位置固定部14Bは、締結部材Sc6を介して第1取付部材11Bにそれぞれ取り付けられる。そして、締結部材Sc6にて第1取付部材11Bを内補強部材64に固定した状態では、各位置固定部14Bは、貫通孔615に挿通され、固定部111における室内側の板面と内補強部材64とにそれぞれ当接する。
【0044】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図12は、本実施の形態4に係る第1取付部材11Cを示す斜視図である。
図13は、第1取付部材11Cの取付構造を示す分解斜視図である。
上述した実施の形態1に係る第1取付部材11では、位置固定部14は、絞り加工や突き出し加工等のプレス加工により形成されていた。
これに対して本実施の形態4では、第1取付部材11Cと位置固定部14Cとを別体で構成し、溶接等により互いに一体化させている。
【0045】
具体的に、第1取付部材11Cは、上述した実施の形態1で説明した第1取付部材11に対して、位置固定部14が省略された部材である。
位置固定部14Cは、ステンレス、スチール、あるいはアルミニウム等の不燃性または難燃性の部材であり、上下方向に延在する平面視矩形状の平板で構成され、第1取付部11Cにおける固定部111の室内側の面に対して、溶接等により固定されている。この位置固定部14Cにおいて、2つの挿通孔116に対応した各位置には、表裏を貫通し、締結部材Sc6が挿通される挿通孔141それぞれ形成されている。
ここで、側壁部61aにおいて、位置固定部14Cに対応する位置には、表裏を貫通し、当該位置固定部14Cを挿通可能とする貫通孔615Cが形成されている。
そして、位置固定部14Cが一体化された第1取付部材11Cを締結部材Sc6にて内補強部材64に固定した状態では、位置固定部14Cは、貫通孔615Cに挿通されるとともに、内補強部材64に当接する。
【0046】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図14は、本実施の形態5に係る外煙返し部材56Dを示す斜視図である。
図15は、外煙返し部材56Dの取付構造を示す分解斜視図である。
上述した実施の形態1に係る外煙返し部材56では、位置固定部17は、絞り加工や突き出し加工等のプレス加工により形成されていた。
これに対して本実施の形態5では、外煙返し部材56Dと位置固定部17Dとを別体で構成し、溶接等により互いに一体化させている。
【0047】
具体的に、外煙返し部材56Dは、上述した実施の形態1で説明した外煙返し部材56に対して、位置固定部17が省略された部材である。
位置固定部17Dは、上述した実施の形態4で説明した位置固定部14Cと略同一の部材であり、2つの挿通孔562に対応した各位置に締結部材Sc1を挿通可能とする挿通孔171をそれぞれ有する平板で構成されている。そして、位置固定部17Dは、外煙返し部材56Dにおける部位561の室外側の面に対して、溶接等により固定される。
ここで、側壁部515において、位置固定部17Dに対応する位置には、表裏を貫通し、当該位置固定部17Dを挿通可能とする貫通孔516Dが形成されている。
そして、位置固定部17Dが一体化された外煙返し部材56Dを締結部材Sc1にて外補強部材54(裏板541)に固定した状態では、位置固定部17Dは、貫通孔516Dに挿通されるとともに、外補強部材54(裏板541)に当接する。
【0048】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1〜5によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1〜5では、本発明に係る建具を引違い窓で構成していたが、これに限らない。例えば、3枚以上の障子が左右方向にスライドする引違い方式の窓や両袖片引き窓や引き分け窓、枠体内の領域が縦骨により区分けされ、区分けされた一方の領域がFIX窓や壁をなす片引き窓、障子が上下方向にスライド移動する上げ下げ窓、障子が見込み方向に開閉するすべり出し窓、1枚の障子をはめ殺したはめ殺し窓、勝手口ドア、玄関ドア、あるいは、カーテンウォール等、各種の建具に本発明を採用しても構わない。
【0049】
上述した実施の形態1〜5では、本発明に係る取付部材(取付部材10及び外煙返し部材56)を内召合せ框6や外召合せ框5に取り付けていたが、これに限らず、各枠部材21〜24、各框部材33〜35、43〜45等に取り付けても構わない。
上述した実施の形態1,2,4では、位置固定部14〜16,14A,14Cを取付部材10に一体形成あるいは一体化していたが、これに限らず、内補強部材64に一体形成あるいは一体化しても構わない。また、位置固定部14〜16,14A,14Cを取付部材10及び内補強部材64の双方にそれぞれ一体形成あるいは一体化しても構わない。同様に、上述した実施の形態5では、位置固定部17,17Dを外煙返し部材56に一体形成あるいは一体化していたが、これに限らず、外補強部材54に一体形成あるいは一体化しても構わない。また、位置固定部17,17Dを外煙返し部材56及び外補強部材54の双方にそれぞれ一体形成あるいは一体化しても構わない。
【0050】
上述した実施の形態2において、第2,第3取付部材12,13についても、第1取付部材11Aの取付構造と同一の取付構造により、内補強部材64に対して固定しても構わない。同様に、上述した実施の形態3において、第2,第3取付部材12,13についても、第1取付部材11Bの取付構造と同一の取付構造により、内補強部材64に対して固定しても構わない。同様に、上述した実施の形態4において、第2,第3取付部材12,13についても、第1取付部材11Cの取付構造と同一の取付構造により、内補強部材64に対して固定しても構わない。
【0051】
上述した実施の形態1〜5では、位置固定部14〜16,14A〜14C,17,17Dは、貫通孔615〜617,615A,516,516Dを介して、内補強部材64や外補強部材54(裏板541)に当接する構成を採用していたが、これに限らない。すなわち、位置固定部14〜16,14A〜14C,17,17Dが内補強部材64や外補強部材54(裏板541)に当接しない構成としても構わない。
上述した実施の形態1〜5において、本発明に係る第1の締結部材(締結部材Sc1,Sc6〜Sc8)や位置固定部14〜16,14A〜14C,17,17Dの数は、上述した実施の形態1〜5で説明した数に限らず、その他の数だけ設けても構わない。
上述した実施の形態1〜5では、本発明に係る錠として、本発明に係るロック片(鎌錠72)が回動するクレセント錠7を採用していたが、これに限らず、当該ロック片が移動するその他の錠で構成しても構わない。