(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1の例では、情報処理システム1は、ストア端末10と情報処理装置100と買取業者端末200とを有する。
【0011】
ストア端末10と情報処理装置100と買取業者端末200は、図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図1に示す情報処理システム1には、複数台のストア端末10と複数台の情報処理装置100と複数台の買取業者端末200とが含まれてもよい。
【0012】
ストア端末10は、ストア端末10の管理者である出品者S1によって利用される情報処理装置である。なお、出品者とは、ストアやストアを運営する事業者、個人事業主等を指す。ストア端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0013】
また、ストア端末10は、出品者S1の操作に応じて、商品G1の在庫を買い取る買取りが保証された商品G1を情報処理装置100が提供するショッピングサービスに出品する。また、ストア端末10は、出品した商品G1が売れ残ったと出品者S1が判断した場合には、出品者S1の操作に応じて、商品G1の買取要求を情報処理装置100に送信する。
【0014】
情報処理装置100は、複数のストアから複数の商品の出品を受け付けて、インターネットを通じて商品を販売するショッピングサービスを提供するサーバ装置である。情報処理装置100は、ショッピングサービスへの出店申込みを行なったストアに対して、在庫商品の買取保証プランを提供する。情報処理装置100は、ストアが出品する商品に対して買取保証を付けるサービスを提供する。また、情報処理装置100は、商品G1の出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けた場合に商品G1の在庫を買い取る買取りが保証された商品G1の出品を出品者S1のストア端末10から受け付ける。また、情報処理装置100は、商品G1の出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けたことを契機として、出品を受け付けた商品G1の買取額を算出する。そして、情報処理装置100は、算出した買取額に基づいて商品G1を買い取る買取り処理を実行する。ここで、買取額とは、算出時点において出品者S1によって商品G1が売却される場合に、この金額であれば商品G1を売却できるであろうと想定される金額を意味する。なお、情報処理装置100は、ショッピングサービスの代わりに、オークションサービスを提供するサーバ装置であってもよい。
【0015】
買取業者端末200は、買取業者T1によって利用される情報処理装置である。買取業者端末200は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。また、買取業者端末200は、情報処理装置100と連携して、商品G1を出品者S1から買い取る買取りサービスを提供する。
【0016】
以下、
図1を用いて、情報処理の一例を説明する。
図1に示す例では、ストアがショッピングサービスへの出店申込みを行うことを前提に、情報処理装置100の管理者と出品者S1との間で、買取保証契約が締結される。具体的には、ストアから商品G1の買取要求を受け付けた場合に、情報処理装置100の管理者が商品G1の買取額に基づいて出品者S1から商品G1を買い取る買取保証契約が締結される(ステップS1)。出品者S1は、ショッピングサービスに出品する商品G1の在庫を仕入れ先から仕入れる(ステップS2)。なお、情報処理装置100の管理者は、出品者S1がショッピングサービスに商品G1を出品するために、出品者S1が商品G1の在庫の仕入れ資金を情報処理装置100の管理者から借りる場合に、仕入れ資金の借入契約と同時に買取保証契約を締結するようにしてもよい。
【0017】
ストア端末10は、出品者S1によって商品G1の在庫の仕入れが行われると、出品者S1の操作に応じて、出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けた場合に商品G1の在庫を買い取る買取りが保証された商品G1を情報処理装置100が提供するショッピングサービスに出品する。また、ストア端末10は、出品者S1の操作に応じて、商品G1の画像や商品G1の価格といった商品G1に関する情報を出品申込みとともに情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けた場合に商品G1の在庫を買い取る買取りが保証された商品G1の出品をストア端末10から受け付ける(ステップS3)。
【0018】
ストアによる出品を受け付けてから所定期間が経過した時点で、ショッピングサービスに出品された商品G1のうち所定数以上の商品G1が売れ残ったとする。出品者S1は、出品した商品G1が所定期間に所定数以上売れ残ったので、商品G1が過剰在庫となったと判断する。出品者S1は、商品G1が過剰在庫となったと判断すると、出品前に締結した買取保証契約に基づいて、商品G1の買取りを希望する。ストア端末10は、出品者S1の操作に応じて、過剰在庫となった商品G1の買取要求を情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、商品G1の買取要求をストア端末10から受け付ける(ステップS4)。
【0019】
続いて、情報処理装置100は、出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けると、商品G1の買取額を算出する(ステップS5)。具体的には、情報処理装置100は、ストアから商品G1の買取要求を受け付けると、記憶部に格納された出品者S1の仕入れ実績に基づいて、出品者S1が商品G1を仕入れる能力である仕入れ能力を示す第1指標値を算出する。また、情報処理装置100は、ストアから商品G1の買取要求を受け付けると、記憶部に格納された出品者S1の販売実績に基づいて、出品者S1が商品G1を販売する能力である販売能力を示す第2指標値を算出する。続いて、情報処理装置100は、算出した第1指標値と第2指標値とを買取要求を受け付けた時点における商品G1の市場価格に乗じることにより、商品G1の買取額を算出する。
【0020】
続いて、情報処理装置100は、商品G1の買取額を算出すると、買取業者T1に商品G1を引き渡すよう出品者S1のストア端末10に要求を送信する(ステップS6)。
【0021】
ストア端末10は、商品G1の引き渡し要求を受け付ける。出品者S1は、買取業者T1に商品G1を受け渡す(ステップS7)。
【0022】
買取業者T1は、出品者S1から商品G1を受け取る。買取業者端末200は、買取業者T1の操作に応じて、商品G1の受取連絡を情報処理装置100に送信する(ステップS8)。
【0023】
情報処理装置100は、買取業者端末200から商品G1の受取連絡を受け付けると、出品者S1に買取額を支払う支払い処理を実行する(ステップS9)。例えば、情報処理装置100は、買取保証契約時に出品者S1によって指定された口座に買取額を入金する。
【0024】
買取業者T1は、出品者S1から受け取った商品G1を査定して、商品G1の買取価格を決定する(ステップS10)。ここで、買取業者T1による買取価格は、情報処理装置100によって算出された買取額と異なってもよい。買取業者端末200は、買取価格を決定すると、情報処理装置100の管理者に対して買取価格を支払う支払い処理を実行する(ステップS11)。
【0025】
上述したように、情報処理装置100は、商品G1の出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けた場合に商品G1の在庫を買い取る買取りが保証された商品G1の出品を受け付ける。また、情報処理装置100は、出品を受け付けた商品G1の買取額を算出する。これにより、情報処理装置100は、ショッピングサービスに出品するストアに対して、万が一商品G1が売れ残っても、商品G1の在庫を買い取ってもらえるという安心感を与えることができる。すなわち、情報処理装置100は、ショッピングサービスへのストアによる出品を促すことができる。また、情報処理装置100は、出品者S1がショッピングサービスに出品する商品G1の在庫を仕入れるために投じた資金のうち、買取申込み時の時価相当の金額を補償することができる。すなわち、情報処理装置100は、出品者S1の運営リスクを低減することができる。特に、情報処理装置100は、出品者S1がショッピングサービスに出品する商品G1の在庫を仕入れるために銀行等から資金を借り入れた場合に、ストアの運営リスクを低減することができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0026】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0027】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、ストア端末10との間で情報の送受信を行う。
【0028】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、
図2に示すように、仕入れ情報記憶部121と、販売情報記憶部122と、モデル記憶部123とを有する。
【0029】
(仕入れ情報記憶部121)
仕入れ情報記憶部121は、商品を仕入れる能力である仕入れ能力を示す第1指標値を算出するのに用いられる各種の情報を記憶する。
図3に、実施形態に係る仕入れ情報記憶部の一例を示す。
図3に示す例では、仕入れ情報記憶部121は、「日時」、「出品者ID」、「商品ID」、「利ざや(売価−(原価+販売促進費))(億円)」、「原価率(原価/売価)」、「従業員の専門性(商品数/従業員数)」といった項目を有する。
【0030】
「日時」は、仕入れ情報記憶部121の各項目に格納された情報が取得された日時を示す。
図3では、出品者から商品の買取要求を受け付けた日時である場合を示す。
【0031】
「出品者ID」は、ショッピングサービスに出品した出品者を識別するための識別情報を示す。
【0032】
「商品ID」は、ショッピングサービスに出品された商品を識別するための識別情報を示す。
図3の1レコード目は、出品者ID「S1」で識別される出品者(出品者S1)によって商品ID「G1」で識別される商品(商品G1)が出品されたことを示す。
【0033】
「利ざや(売価−(原価+販売促進費))(億円)」は、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる金額を示す。なお、販売促進費とは、商品やサービスの販売を促進するために支出される費用を意味する。
【0034】
「原価率(原価/売価)」は、商品の原価を商品の売価で除することにより得られる商品の原価率を示す。
【0035】
「従業員の専門性(商品数/従業員数)」は、商品数を従業員数で除することにより得られる商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値を示す。
【0036】
(販売情報記憶部122)
販売情報記憶部122は、商品を販売する能力である販売能力を示す第2指標値を算出するのに用いられる各種の情報を記憶する。
図4に、実施形態に係る販売情報記憶部の一例を示す。
図4に示す例では、販売情報記憶部122は、「日時」、「出品者ID」、「商品ID」、「平均売却期間(日)」、「利ざや(売価−(原価+販売促進費))(億円)」、「プロモーション投下率(販売促進費/売価)」といった項目を有する。
【0037】
「日時」は、販売情報記憶部122の各項目に格納された情報が取得された日時を示す。
図4では、出品者から商品の買取要求を受け付けた日時である場合を示す。
【0038】
「出品者ID」は、ショッピングサービスに出品した出品者を識別するための識別情報を示す。
【0039】
「商品ID」は、ショッピングサービスに出品された商品を識別するための識別情報を示す。
図4の1レコード目は、出品者ID「S1」で識別される出品者(出品者S1)によって商品ID「G1」で識別される商品(商品G1)が出品されたことを示す。
【0040】
「平均売却期間(日)」は、商品を仕入れてから商品を売却するまでにかかる平均日数を示す。
【0041】
「利ざや(売価−(原価+販売促進費))(億円)」は、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる金額を示す。
【0042】
「プロモーション投下率(販売促進費/売価)」は、商品の販売促進費を商品の売価で除することにより得られる商品のプロモーション投下率を示す。
【0043】
(モデル記憶部123)
モデル記憶部123は、商品を仕入れる仕入れ能力を示す第1指標値を算出するために用いられる第1モデルと商品を販売する販売能力を示す第2指標値を算出するために用いられる第2モデルに関する各種情報を記憶する。
図5に、実施形態に係るモデル記憶部の一例を示す。
図5に示す例では、モデル記憶部123は、「商品ID」、「出品歴」、「第1モデルID」、「第2モデルID」といった項目を有する。
【0044】
「商品ID」は、ショッピングサービスに出品された商品を識別するための識別情報を示す。
図5の1レコード目は、商品ID「G1」で識別される商品(商品G1)がショッピングサービスに出品されたことを示す。
【0045】
「出品歴」は、出品者によって商品が出品された期間である出品歴を示す。
図5の1レコード目は、出品歴「3年未満」は、出品者によって商品G1が出品された期間が3年未満であることを示す。
【0046】
「第1モデルID」は、仕入れ能力を示す第1指標値を算出するために用いられる第1モデルを識別するための識別情報を示す。
図5の1レコード目に示す例では、第1モデルID「M11」で識別される第1モデル(第1モデルM11)は、商品G1を仕入れる仕入れ能力を示す第1指標値を算出するために用いられることを示す。また、第1モデルM11は、出品歴が3年未満である出品者に関する第1指標値を算出するために用いられることを示す。
【0047】
「第2モデルID」は、販売能力を示す第2指標値を算出するために用いられる第2モデルを識別するための識別情報を示す。
図5の1レコード目に示す例では、第2モデルID「M12」で識別される第2モデル(第2モデルM12)は、商品G1を販売する販売能力を示す第2指標値を算出するために用いられることを示す。また、第2モデルM12は、出品歴が3年未満である出品者に関する第2指標値を算出するために用いられることを示す。
【0048】
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0049】
図2に示すように、制御部130は、出品受付部131と、買取要求受付部132と、算出部133と、第1算出部133Aと、第2算出部133Bと、買取り部134と、決定部135とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0050】
(出品受付部131)
出品受付部131は、ショッピングサービスへの商品の出品を受け付ける。具体的には、出品受付部131は、商品G1の出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けた場合に商品G1の在庫を買い取る買取りが保証された商品G1の出品を出品者S1のストア端末10から受け付ける。
【0051】
(買取要求受付部132)
買取要求受付部132は、出品者S1のストア端末10から商品G1の買取要求を受け付ける。
【0052】
(算出部133)
算出部133は、出品受付部131によって出品を受け付けられた商品の買取額を算出する。具体的には、算出部133は、買取要求受付部132がストアから商品G1の買取要求を受け付けたことを契機として、商品G1の買取額を算出する。また、算出部133は、商品を仕入れる能力である仕入れ能力を示す第1指標値を算出する第1算出部133Aと、商品を販売する能力である販売能力を示す第2指標値を算出する第2算出部133Bと、を有し、第1算出部133Aによって算出された第1指標値と第2算出部133Bによって算出された第2指標値とに基づいて、買取額を算出する。また、算出部133は、商品の市場価格に基づいて、買取額を算出する。
【0053】
図1に示す例では、第1算出部133Aは、買取要求受付部132がストアから商品G1の買取要求を受け付けたことを契機として、仕入れ情報記憶部121に格納された出品者S1の仕入れ実績を参照して、出品者S1が商品G1を仕入れる能力である仕入れ能力を示す第1指標値を算出する。また、第2算出部133Bは、買取要求受付部132がストアから商品G1の買取要求を受け付けたことを契機として、販売情報記憶部122に格納された出品者S1の販売実績を参照して、出品者S1が商品G1を販売する能力である販売能力を示す第2指標値を算出する。続いて、算出部133は、第1算出部133Aによって算出された第1指標値と第2算出部133Bによって算出された第2指標値と買取要求を受け付けた時点における商品G1の市場価格とを乗じることにより、商品G1の買取額を算出する。また、算出部133は、商品G1の出品歴に基づいて、買取額を算出する。
【0054】
(第1算出部133A)
第1算出部133Aは、仕入れ情報記憶部121に格納された出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が高い方から所定の割合に含まれる出品者の仕入れ実績を正解データとして、出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する所定の出品者の仕入れ実績から出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する所定の出品者の仕入れ能力を示す第1指標値を予測する第1モデルを生成する。あるいは、第1算出部133Aは、仕入れ情報記憶部121に格納された出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が所定の閾値を超える出品者の仕入れ実績を正解データとしてもよい。
【0055】
例えば、第1算出部133Aは、出品者S1の出品歴が3年未満である場合には、出品歴が3年未満である出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が150%を超える出品者の仕入れ実績を正解データとして、出品歴が3年未満である所定の出品者の仕入れ実績から出品歴が3年未満である所定の出品者の仕入れ能力を示す第1指標値を予測する第1モデルM11を生成する。例えば、第1算出部133Aは、出品者S1の出品歴が3年〜10年である場合には、出品歴が3年〜10年である出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が125%を超える出品者の仕入れ実績を正解データとして、出品歴が3年〜10年である所定の出品者の仕入れ実績から出品歴が3年〜10年である所定の出品者の仕入れ能力を示す第1指標値を予測する第1モデルM21を生成する。例えば、第1算出部133Aは、出品者S1の出品歴が10年以上である場合には、出品歴が10年以上である出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が110%を超える出品者の仕入れ実績を正解データとして、出品歴が10年以上である所定の出品者の仕入れ実績から出品歴が10年以上である所定の出品者の仕入れ能力を示す第1指標値を予測する第1モデルM31を生成する。
【0056】
また、第1算出部133Aは、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる商品の利ざや、商品の原価を商品の売価で除することにより得られる商品の原価率、又は、商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値のうち、少なくともいずれか1つに基づいて、商品を仕入れる能力である仕入れ能力を示す第1指標値を算出する。
【0057】
具体的には、第1算出部133Aは、第1モデルの素性として、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる商品の利ざや、商品の原価を商品の売価で除することにより得られる商品の原価率、及び、商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値を用いて、第1指標値を予測する第1モデルを生成する。
【0058】
例えば、第1算出部133Aは、商品の利ざやが大きいほど、第1指標値が大きくなるように学習された第1モデルM11を生成する。
図3に示す例では、出品者S1の商品G1の利ざやが1000億円であるのに対して、出品者S2の商品G1の利ざやは100億円である。したがって、第1算出部133Aは、出品者S1の商品G1の利ざやは出品者S2の商品G1の利ざやよりも大きいので、出品者S1の第1指標値を出品者S2の第1指標値よりも大きく算出するように学習された第1モデルM11を生成する。
【0059】
例えば、第1算出部133Aは、商品の原価率が小さいほど、第1指標値が大きくなるように学習された第1モデルM11を生成する。
図3に示す例では、出品者S1の商品G1の原価率が0.1であるのに対して、出品者S2の商品G1の原価率は0.3である。したがって、第1算出部133Aは、出品者S1の商品G1の原価率は出品者S2の商品G1の原価率よりも小さいので、出品者S1の第1指標値を出品者S2の第1指標値よりも大きく算出するように学習された第1モデルM11を生成する。
【0060】
例えば、第1算出部133Aは、商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値が大きいほど、第1指標値が大きくなるように学習された第1モデルM11を生成する。商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値は、例えば、商品数を従業員数で除することにより得る。
図3に示す例では、出品者S1の商品G1の従業員の専門性が100であるのに対して、出品者S2の商品G1の従業員の専門性は10である。したがって、第1算出部133Aは、出品者S1の商品G1の従業員の専門性は出品者S2の商品G1の従業員の専門性よりも大きいので、出品者S1の第1指標値を出品者S2の第1指標値よりも大きく算出するように学習された第1モデルM11を生成する。
【0061】
なお、商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値は、商品のカテゴリ数を従業員数で除することにより得てもよい。あるいは、商品数を従業員数で除することにより得られる指標値と商品数を従業員数で除することにより得られる指標値とを組み合わせて、商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値を算出するようにしてもよい。
【0062】
また、算出部133は、商品G1の出品者S1とは異なる他の出品者との比較に基づいて、買取額を算出する。具体的には、第1算出部133Aは、第1モデルの素性として、出品者S1の仕入れ実績に加えて、同一商品G1を出品する他の出品者による仕入れ実績の平均値(相場)に対する出品者S1による仕入れ実績を用いて、第1指標値を予測する第1モデルを生成する。例えば、第1算出部133Aは、出品者S1の仕入れ実績に加えて、商品G1の利ざやの相場に対する出品者S1の商品G1の利ざや、商品G1の原価率の相場に対する出品者S1の商品G1の原価率、及び、商品G1を仕入れる従業員の専門性を示す指標値の相場に対する出品者S1の商品G1の従業員の専門性を示す指標値を素性として用いて、出品者S1が商品G1を仕入れる能力である仕入れ能力を示す第1指標値を予測する第1モデルを生成する。
【0063】
続いて、第1算出部133Aは、出品者S1の出品歴に応じて生成された第1モデルに出品者S1の仕入れ実績を入力することにより、出品者S1の仕入れ能力を示す第1指標値を算出する。
【0064】
(第2算出部133B)
第2算出部133Bは、販売情報記憶部122に格納された出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が高い方から所定の割合に含まれる出品者の販売実績を正解データとして、出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する所定の出品者の販売実績から出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する所定の出品者の販売能力を示す第2指標値を予測する第2モデルを生成する。あるいは、第2算出部133Bは、販売情報記憶部122に格納された出品者S1の出品歴と同程度の出品歴を有する出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が所定の閾値を超える出品者の販売実績を正解データとしてもよい。
【0065】
例えば、第2算出部133Bは、出品者S1の出品歴が3年未満である場合には、出品歴が3年未満である出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が150%を超える出品者の販売実績を正解データとして、出品歴が3年未満である所定の出品者の販売実績から出品歴が3年未満である所定の出品者の販売能力を示す第2指標値を予測する第2モデルM12を生成する。例えば、第2算出部133Bは、出品者S1の出品歴が3年〜10年である場合には、出品歴が3年〜10年である出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が125%を超える出品者の販売実績を正解データとして、出品歴が3年〜10年である所定の出品者の販売実績から出品歴が3年〜10年である所定の出品者の販売能力を示す第2指標値を予測する第2モデルM22を生成する。例えば、第2算出部133Bは、出品者S1の出品歴が10年以上である場合には、出品歴が10年以上である出品者のうち、対前年比の売上の伸び率が110%を超える出品者の販売実績を正解データとして、出品歴が10年以上である所定の出品者の販売実績から出品歴が10年以上である所定の出品者の販売能力を示す第2指標値を予測する第2モデルM32を生成する。
【0066】
また、第2算出部133Bは、商品を仕入れてから商品を売却するまでにかかる平均売却期間、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる商品の利ざや、又は、商品の販売促進費を商品の売価で除することにより得られる商品のプロモーション投下率のうち、少なくともいずれか1つに基づいて、商品を販売する能力である販売能力を示す第2指標値を算出する。
【0067】
具体的には、第2算出部133Bは、第2モデルの素性として、商品を仕入れてから商品を売却するまでにかかる平均売却期間、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる商品の利ざや、及び、商品の販売促進費を商品の売価で除することにより得られる商品のプロモーション投下率を用いて、第2指標値を予測する第2モデルを生成する。
【0068】
例えば、第2算出部133Bは、平均売却期間が短いほど、第2指標値が大きくなるように学習された第2モデルM12を生成する。
図4に示す例では、出品者S1の商品G1の平均売却期間が30日であるのに対して、出品者S2の商品G1の平均売却期間は10日である。したがって、第2算出部133Bは、出品者S2の商品G1の平均売却期間は出品者S1の商品G1の平均売却期間よりも短いので、出品者S2の第2指標値を出品者S1の第2指標値よりも大きく算出するように学習された第2モデルM12を生成する。
【0069】
例えば、第2算出部133Bは、商品の利ざやが大きいほど、第2指標値が大きくなるように学習された第2モデルM12を生成する。
図4に示す例では、出品者S1の商品G1の利ざやが1000億円であるのに対して、出品者S2の商品G1の利ざやは100億円である。したがって、第2算出部133Bは、出品者S1の商品G1の利ざやは出品者S2の商品G1の利ざやよりも大きいので、出品者S1の第2指標値を出品者S2の第2指標値よりも大きく算出するように学習された第2モデルM12を生成する。
【0070】
例えば、第2算出部133Bは、プロモーション投下率が小さいほど、第2指標値が大きくなるように学習された第2モデルM12を生成する。
図4に示す例では、出品者S1の商品G1のプロモーション投下率が0.3であるのに対して、出品者S2の商品G1のプロモーション投下率は0.1である。したがって、第2算出部133Bは、出品者S2の商品G1のプロモーション投下率は出品者S1の商品G1のプロモーション投下率よりも小さいので、出品者S2の第2指標値を出品者S1の第2指標値よりも大きく算出するように学習された第2モデルM12を生成する。
【0071】
また、算出部133は、商品G1の出品者S1とは異なる他の出品者との比較に基づいて、買取額を算出する。具体的には、第2算出部133Bは、第2モデルの素性として、出品者S1の販売実績に加えて、同一商品G1を出品する他の出品者による販売実績の平均値(相場)に対する出品者S1による販売実績を素性として用いて、第2指標値を予測する第2モデルを生成する。例えば、第2算出部133Bは、出品者S1の販売実績に加えて、商品G1の平均売却期間の相場に対する出品者S1の商品G1の平均売却期間、商品G1の利ざやの相場に対する出品者S1の商品G1の利ざや、及び、商品G1のプロモーション投下率の相場に対する出品者S1の商品G1のプロモーション投下率を素性として用いて、出品者S1が商品G1を販売する能力である販売能力を示す第2指標値を予測する第2モデルを生成する。
【0072】
続いて、第2算出部133Bは、出品者S1の出品歴に応じて生成された第2モデルに出品者S1の販売実績を入力することにより、出品者S1の販売能力を示す第2指標値を算出する。
【0073】
(買取り部134)
買取り部134は、買取業者端末200と連携して、出品者S1から過剰在庫となった商品を買い取る買取り処理を実行する。具体的には、買取り部134は、算出部133によって商品G1の買取額が算出されると、ストアから商品G1を受け取るよう買取業者端末200に連絡する。
【0074】
例えば、買取り部134は、算出部133によって商品G1の買取額が算出されると、買取業者T1に商品G1を引き渡すよう出品者S1のストア端末10に要求を送信する。出品者S1は、商品G1の引き渡し要求を受け付けると、買取業者T1に商品G1を受け渡す。買取業者T1は、出品者S1から商品G1を受け取る。買取業者端末200は、買取業者T1の操作に応じて、商品G1の受取連絡を情報処理装置100に送信する。買取り部134は、買取業者端末200から商品G1の受取連絡を受信する。
【0075】
続いて、買取り部134は、商品G1の受取連絡を受信すると、算出部133によって算出された買取額を出品者S1に支払う支払い処理を実行する。
【0076】
(決定部135)
図1では、情報処理装置100が、あらかじめ買取先として決定された買取業者T1と連携して、出品者S1から商品を買い取る買取り処理を実行する例を示したが、情報処理装置100が買い取り時に買取先を決定してもよい。具体的には、決定部135は、第1指標値と第2指標値のうち少なくともいずれか1つに基づいて、商品の出品者S1とは異なる他の出品者の中から商品の買取先を決定する。具体的には、決定部135は、出品者S1よりも第1指標値が下回る他の出品者の中から商品の買取先を決定する。
【0077】
例えば、決定部135は、商品G1の出品者S1が抱える過剰在庫の買取先を決定する場合、出品者S1よりも第1指標値が下回る他の出品者の中から商品G1の買取先を決定する。例えば、第1指標値が低いことは、商品G1を仕入れる仕入れ能力が低いことを示す。そして、商品G1を仕入れる仕入れ能力が低いことは、商品G1を仕入れるために多くのコストや労力を要することを意味する。すなわち、商品G1を仕入れる仕入れ能力が低いことは、商品G1を仕入れるために要する金額である仕入れ値が高いことを意味する。よって、仕入れ能力が低い出品者は、自らの手で商品G1を仕入れるよりも、他のルートで商品G1を仕入れる方が商品G1を安く仕入れることができる可能性が高い。したがって、仕入れ能力が低い出品者は、出品者S1から商品G1を買い取ってくれる可能性が高い。
【0078】
例えば、出品者S1の第1指標値は0.8であり、他の出品者S2の第1指標値は0.5であるとする。すると、出品者S1は出品者S2よりも仕入れ能力が高いので、出品者S2よりも安く商品G1を仕入れることができる。例えば、出品者S1による商品G1の仕入れ値は80円であるのに対して、出品者S2による商品G1の仕入れ値は180円である。この場合、出品者S1から出品者S2に対して、商品G1を150円で買い取る買取りを提示すると、出品者S2は、自らの手で商品G1を仕入れるよりも、出品者S1から買い取った方が30円安い仕入れ値で商品G1を仕入れることができる。さらに、出品者S1による商品G1の買取額が100円である場合には、出品者S1は、自らの手で商品G1を売却するよりも、出品者S2に150円で買い取ってもらった方が50円高い金額で商品G1を売却できる。したがって、決定部135は、出品者S1よりも第1指標値が下回る他の出品者S2を商品G1の買取先として決定する。
【0079】
また、決定部135は、出品者S1よりも第1指標値が下回る他の出品者が複数存在する場合には、その中から第2指標値が高い出品者を商品G1の買取先として決定してもよい。第2指標値が高いことは、商品G1を販売する販売能力が高いことを示す。そして、商品G1を販売する販売能力が高いことは、商品G1を仕入れる必要性が高いことを意味する。すなわち、販売能力が高い出品者は商品G1を必要とするので、出品者S1から商品G1を買い取ってくれる可能性が高い。
【0080】
例えば、出品者S1よりも第1指標値が下回る他の出品者が出品者S2と出品者S3の2者であるとする。そして、出品者S2の第2指標値は0.5であり、出品者S3の第2指標値は0.9であるとする。すると、出品者S3は出品者S2よりも販売能力が高いので、出品者S2よりも早く商品G1を売却して、出品者S2よりも早く手元から商品G1がなくなる可能性が高い。したがって、決定部135は、出品者S1よりも第1指標値が下回る出品者S2と出品者S3の2者のうち、第2指標値が高い出品者である出品者S3を商品G1の買取先として決定する。
【0081】
〔3.情報処理のフロー〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
【0082】
図6に示すように、情報処理装置100は、ストアから商品の買取り要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。情報処理装置100は、ストアから商品の買取り要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS101;No)は、ストアから商品の買取り要求を受け付けるまで待機する。
【0083】
情報処理装置100は、ストアから商品の買取り要求を受け付けたと判定した場合(ステップS101;Yes)は、出品を受け付けた商品の買取額を算出する(ステップS102)。
【0084】
続いて、情報処理装置100は、ストアから商品の在庫を受け取ったかを判定する(ステップS103)。情報処理装置100は、ストアから商品の在庫を受け取っていないと判定した場合(ステップS103;No)は、ストアから商品の在庫を受け取るまで待機する。
【0085】
情報処理装置100は、ストアから商品の在庫を受け取ったと判定した場合(ステップS103;Yes)は、出品者に算出した買取額を支払う(ステップS104)。
【0086】
〔4.変形例〕
上述した実施形態に係る情報処理システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理システム1の他の実施形態について説明する。なお、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
〔4−1.同一商品の出品者ごとにモデルを生成する〕
図1に示す例では、第1算出部133Aが、第1モデルの素性として、同一商品G1を出品する他の出品者による仕入れ実績の平均値(相場)に対する出品者S1による仕入れ実績を用いる例を示した。また、第2算出部133Bが、第2モデルの素性として、同一商品G1を出品する他の出品者による販売実績の平均値(相場)に対する出品者S1による販売実績を用いる例を示した。
【0088】
これに対して、第1算出部133Aは、同一商品G1を出品する他の出品者による仕入れ実績の平均値(相場)に対する出品者S1による仕入れ実績を第1モデルの素性に含める代わりに、同一商品G1を出品する出品者ごとに第1モデルを生成してもよい。また、第2算出部133Bは、同一商品G1を出品する他の出品者による販売実績の平均値(相場)に対する出品者S1による販売実績を第2モデルの素性に含める代わりに、同一商品G1を出品する出品者ごとに第2モデルを生成してもよい。このようにして、情報処理装置100は、商品G1の出品者S1とは異なる他の出品者との比較に基づいて、買取額を算出してもよい。
【0089】
〔4−2.買取要求を受け付ける代わりに在庫状況が所定の条件を満たしたか否かを判定して買い取る〕
図1に示す例では、算出部133は、出品者S1から商品G1の買取要求を受け付けたことを契機として、商品G1の買取額を算出する例を示したが、出品者S1から商品G1の買取要求を受け付ける代わりに商品G1の在庫状況が所定の条件を満たしたことを契機として、商品G1の買取額を算出してもよい。
【0090】
具体的には、買取要求受付部132は、出品者S1から買取要求を受け付ける代わりに、出品者S1が商品G1の買取りを希望する所定の条件を出品時に出品者S1から受け付ける。例えば、買取要求受付部132は、所定期間に所定数以上の商品G1が売れ残っている場合に、商品G1の買取額を算出するという条件を受け付ける。
【0091】
続いて、買取要求受付部132は、所定期間に所定数以上の商品G1が売れ残っているか否かを判定する。続いて、買取要求受付部132は、所定期間に所定数以上の商品G1が売れ残っていると判定した場合に、商品G1の買取額を算出する。買取り部134は、算出部133によって商品G1の買取額が算出されると、出品者S1から商品G1を買い取る買取り処理を実行する。
【0092】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、出品受付部131と、算出部133とを備える。出品受付部131は、商品の出品者から商品の買取要求を受け付けた場合に商品の在庫を買い取る買取りが保証された商品の出品を受け付ける。算出部133は、出品受付部131によって出品を受け付けられた商品の買取額を算出する。
【0093】
これにより、情報処理装置100は、電子商取引サービスに出品する出品者に対して、万が一商品が売れ残っても、商品の在庫を買い取ってもらえるという安心感を与えることができる。すなわち、情報処理装置100は、電子商取引サービスへのストアによる出品を促すことができる。また、情報処理装置100は、出品者が電子商取引サービスに出品する商品の在庫を仕入れるために投じた資金のうち、買取申込み時の時価相当の金額を補償することができる。すなわち、情報処理装置100は、出品者の運営リスクを低減することができる。特に、情報処理装置100は、出品者が電子商取引サービスに出品する商品の在庫を仕入れるために銀行等から資金を借り入れた場合に、ストアの運営リスクを低減することができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0094】
また、算出部133は、商品の買取要求を受け付けたことを契機として、商品の買取額を算出する。あるいは、算出部133は、商品の在庫状況が所定条件を満たしたことを契機として、商品の買取額を算出する。
【0095】
これにより、情報処理装置100は、ストアから買取要求を受け付けた時点に相応の買取額で商品を買い取る買取り処理を行うことができる。あるいは、情報処理装置100は、商品の在庫状況が所定条件を満たした時点に相応の買取額で商品を買い取る買取り処理を行うことができる。すなわち、情報処理装置100は、商品を買い取ることにより、大きな損失を抱えるリスクが少ない。つまり、情報処理装置100は、出品者に対して買取りサービスの事業を継続して提供することができる。よって、情報処理装置100は、買取りサービスに対するストアからの信頼を得ることができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0096】
また、算出部133は、商品を仕入れる能力である仕入れ能力を示す第1指標値を算出する第1算出部133Aと、商品を販売する能力である販売能力を示す第2指標値を算出する第2算出部133Bと、を有し、第1算出部133Aによって算出された第1指標値と第2算出部133Bによって算出された第2指標値とに基づいて、買取額を算出する。
【0097】
これにより、情報処理装置100は、出品者の仕入れ能力と出品者の販売能力の双方を考慮して、出品者の能力を総合的かつ客観的に算出することができる。また、情報処理装置100は、総合的かつ客観的に算出された能力に応じた買取額を算出することができる。したがって、情報処理装置100は、出品者にとって納得感のある買取額で買取保証サービスを提供することができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0098】
また、第1算出部133Aは、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる商品の利ざや、商品の原価を商品の売価で除することにより得られる商品の原価率、又は、商品を仕入れる従業員の専門性を示す指標値のうち、少なくともいずれか1つに基づいて、第1指標値を算出する。
【0099】
これにより、情報処理装置100は、特定の指標値に偏らずに、多数の指標値に基づいて出品者の仕入れ能力を多面的に評価することができる。すなわち、情報処理装置100は、客観的に納得感のある第1指標値を算出することができる。つまり、情報処理装置100は、出品者にとって納得感のある買取額で買取保証サービスを提供することができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0100】
また、第2算出部133Bは、商品を仕入れてから商品を売却するまでにかかる平均売却期間、商品の販売促進費と商品の原価とを加えた額を商品の売価から引くことにより得られる商品の利ざや、又は、商品の販売促進費を商品の売価で除することにより得られる商品のプロモーション投下率のうち、少なくともいずれか1つに基づいて、第2指標値を算出する。
【0101】
これにより、情報処理装置100は、特定の指標値に偏らずに、多数の指標値に基づいて出品者の販売能力を多面的に評価することができる。すなわち、情報処理装置100は、客観的に納得感のある第2指標値を算出することができる。つまり、情報処理装置100は、出品者にとって納得感のある買取額で買取保証サービスを提供することができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0102】
また、算出部133は、商品の出品者とは異なる他の出品者との比較に基づいて、買取額を算出する。
【0103】
これにより、情報処理装置100は、商品間の格差に関わらず、同じ商品を扱う同業者の相場に応じた買取額を算出することができる。なぜならば、一般的に、商品を仕入れる困難さや商品を販売する困難さは、商品ごとに異なるからである。よって、情報処理装置100は、出品者にとって納得感のある買取額で買取保証サービスを提供することができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0104】
また、算出部133は、商品の出品歴に基づいて、買取額を算出する。
【0105】
これにより、情報処理装置100は、出品歴の格差に関わらず、出品歴が同程度のストアに相応の買取額を算出することができる。なぜならば、一般的に、出品歴が浅いストアに比べると、出品歴が長いストアの売上の伸び率は低くなる傾向があるように、出品者の能力を算出するための指標値は、出品歴ごとに異なるからである。よって、情報処理装置100は、出品者にとって納得感のある買取額で買取保証サービスを提供することができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0106】
また、算出部133は、商品の市場価格に基づいて、買取額を算出する。
【0107】
これにより、情報処理装置100は、ストアから買取要求を受け付けた時点における商品の市場価格である時価に基づいて、商品の買取額を算出することができる。したがって、情報処理装置100は、電子商取引サービスに出品したストアに、買取りを要求した時点に相応の買取額で商品を買い取ってもらえるという安心感を与えることができる。
【0108】
また、情報処理装置100は、決定部135をさらに備える。決定部135は、第1指標値と第2指標値のうち少なくともいずれか1つに基づいて、商品の出品者とは異なる他の出品者の中から商品の買取先を決定する。また、決定部135は、出品者よりも第1指標値が下回る他の出品者の中から商品の買取先を決定する。
【0109】
これにより、情報処理装置100は、例えば、仕入れ能力は高いが販売能力は低いストアAの過剰在庫となった商品の買取先として、仕入れ能力は低いが販売能力は高いストアBを決定することができる。すなわち、情報処理装置100は、ストアAとストアBの双方に利益がある過剰在庫となった商品の買取サービスの仲介をすることができる。したがって、情報処理装置100は、ストアによる出品を促すことができる。
【0110】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0111】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0112】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0113】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0114】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0115】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムまたはデータを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0116】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0117】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0118】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0119】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0120】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、算出部は、算出手段や算出回路に読み替えることができる。