(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方法は、少なくとも前記テンプレートを用いて、前記第1の領域および前記第2の領域の上にそれぞれ堆積される前記第1の部分および前記第2の部分の中に同時に転写することにより、前記第1の基板上に第1のパターンおよび第2のパターンを形成することをさらに含み、
前記転写パターンは、前記第1のパターンと前記第2のパターンとを含み、
前記テンプレートは、前記第1の深度構造のセットを伴う前記第1のパターンを前記第1の部分上に転写するために用いられ、
前記テンプレートは、前記第2の深度構造のセットを伴う前記第2のパターンを前記第2の部分上に転写するために用いられる、請求項1に記載の方法。
前記第1の部分は、少なくとも第1の光学機能による前記第1の深度を有するように堆積され、前記第2の部分は、少なくとも第2の光学機能による前記第2の深度を有するように堆積され、前記第1の光学機能または前記第2の光学機能は、内部結合格子の機能、直交瞳拡大素子格子の機能、または、射出瞳拡大素子格子の機能を含む、請求項2に記載の方法。
前記方法は、前記テンプレートを用いて、前記転写パターンを前記第1の基板上の前記第1の部分および前記第2の部分の中に転写した後に、前記接眼レンズの第1の回折光学要素に対して、前記第1の層の上方に第2の層を堆積することをさらに含み、
前記第2の層は、前記第2の層の第1の領域内に第1の屈折率値を有する第1の材料を含み、
前記第2の層は、前記第2の層の第2の領域内に第2の屈折率値を有する第2の材料をさらに含み、
前記第1の基板は、第3の屈折率値を有する第3の材料を含み、
前記第1の屈折率値および前記第2の屈折率値および前記第3の屈折率値は、回折効率に対する第1の要件、または、前記接眼レンズの第1の回折光学要素によって提供される視野に対する第2の要件に少なくとも基づいて選択される、請求項1に記載の方法。
前記方法は、前記接眼レンズに対して、前記第1の回折光学要素の上方にさらにスタックされている第1のレンズの上方に第2の回折光学要素をスタックすることをさらに含み、
前記第1の回折光学要素は、前記第2の回折光学要素よりも視認者の眼に近く、かつ、光学無限遠の第1の焦点距離を伴う第1の焦点面を画定し、
前記第2の回折光学要素は、第2の基板を含み、かつ、前記光学無限遠の第1の焦点距離よりも小さい第2の焦点距離を伴う第2の焦点面を画定し、
前記第2の回折光学要素は、第1の負のレンズによって前記第1の回折光学要素から分離されている、請求項1に記載の方法。
前記方法は、前記接眼レンズに対して、前記第3の回折光学要素の上方に補償レンズ層を堆積することをさらに含み、前記補償レンズ層は、前記第1のレンズおよび前記第2のレンズの総屈折力に少なくとも基づいて選択される、請求項7に記載の方法。
前記第1のレンズおよび前記第2のレンズは、前記第3の焦点距離よりも小さい異なる焦点距離を伴う異なる焦点面を画定する波面発散を作成する、請求項7に記載の方法。
前記方法は、前記接眼レンズに対して、前記第3の回折光学要素の上方に、かつ、視認者の眼から離れて1つ以上の追加の回折光学要素をスタックすることをさらに含み、前記第3の回折光学要素は、分離レンズによって前記1つ以上の追加の回折光学要素から分離され、前記1つ以上の追加の回折光学要素は、前記第3の焦点距離よりも小さい1つ以上の対応する焦点距離を伴うそれぞれの焦点面を画定する、請求項7に記載の方法。
前記方法は、前記1つ以上の追加の回折光学要素の上方に補償レンズ層を配置することをさらに含み、前記補償レンズ層は、前記接眼レンズ内の回折光学要素を分離するレンズの総屈折力に少なくとも基づいて選択される、請求項11に記載の方法。
前記第1の回折光学要素および前記第2の回折光学要素および前記第3の回折光学要素のうちの少なくとも2つが多重化されることにより、前記第1の焦点面および前記第2の焦点面および前記第3の焦点面に加えて、少なくとも1つの追加の焦点面が作成される、請求項7に記載の方法。
前記第1の回折光学要素は、1つ以上のプロジェクタの第1のセットに対応し、前記第2の回折光学要素は、1つ以上のプロジェクタの第2のセットに対応する、請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によると、回折構造が、採用され、回折構造は、導波管基板と上部格子表面との間にある下層/中間層を含む。上部格子表面は、第1の屈折率値に対応する第1の材料を備え、下層は、第2の屈折率値に対応する第2の材料を備え、基板は、第3の屈折率値に対応する第3の材料を備えている。
【0020】
このアプローチの1つの利点は、3つの層のための相対的屈折率の適切な選択によって、最小全内部反射角度が屈折率が増加させられるにつれて低減させられるという事実から、構造がより広範囲の入射光のためのより広い視野を得ることを可能にすることである。回折効率は、増加させられ、画像視認デバイスのディスプレイへの「より明るい」光の出力を可能にすることができる。
【0021】
種々の組み合わせが、利用可能であり、ある屈折率の下層は、第3の屈折率の基板とともに、別の屈折率の上部格子と組み合わせられ、これらの相対的値を調節することは、入射角への回折効率の依存性に多くの変動を提供する。異なる屈折率の層を伴う層状導波管が、提示される。種々の組み合わせおよび順列が、機能性を例証するために、関連性能データとともに提示される。利点は、角度の増加を含み、それは、格子を用いて出力角度の増加を提供し、したがって、接眼レンズを用いて視野の増加を提供する。さらに、角度に伴う回折効率における通常の低減に対抗する能力は、機能的に有益である。
【0022】
(いくつかの実施形態によるディスプレイシステム)
本開示の本部分は、本発明の改良された回折構造と併用され得る、例示的ディスプレイシステムを説明する。
【0023】
図2は、典型的には、それぞれ、眼からの固定半径方向焦点距離10における、各眼4および6に対する別個のディスプレイ74および76を有する従来の立体視的3Dシミュレーションディスプレイシステムを図示する。この従来のアプローチは、遠近調節手掛かりを含む、3次元における深度を検出および解釈するためにヒトの眼および脳によって利用される有用な手掛かりの多くを考慮することができない。
【0024】
実際、典型的ヒトの眼は、半径方向距離に基づいて、多数の深度の層を解釈可能であり、例えば、約12の深度の層を解釈可能である。約0.25メートルの近視野限界は、ほぼ最も近い焦点深度であり、約3メートルの遠視野限界は、ヒトの眼から約3メートルを上回って離れたいかなるアイテムも無限焦点を受けることを意味する。焦点の層は、眼に近づくほど、ますます薄くなる。言い換えると、眼は、眼に比較的近いほど非常に小さい焦点距離の差異を知覚可能であり、この効果は、オブジェクトが眼からより離れるにつれて、消散する。無限オブジェクト場所では、焦点深度/光屈折間隔値は、約1/3ジオプトリである。
【0025】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、立体視的3Dシミュレーションディスプレイシステムを実装するための改良されたアプローチを図示し、2つの複合画像が、各眼4および6に対して1つずつ表示され、各画像の種々の側面(14)のための種々の半径方向焦点深度(12)が、各眼に知覚される画像内の3次元深度階層化の知覚を提供するために利用され得る。複数の焦点面(例えば、12の焦点面)がユーザの眼と無限遠との間に存在するので、これらの焦点面および描写される関係内のデータは、仮想要素をユーザの視認のための拡張現実シナリオ内に位置付けるために利用され得る。なぜなら、ヒトの眼は、常に動き回り、焦点面を利用して深度を知覚するからである。この図は、種々の深度における特定の数の焦点面を示すが、本発明の実装は、所望の特定の用途のための必要に応じて、任意の数の焦点面を使用し得、本発明は、したがって、本開示における図のいずれかに示される特定の数の焦点面のみを有するデバイスに限定されないことに留意されたい。
【0026】
図4A−4Dを参照すると、本発明のいくつかの実施形態による、いくつかの一般的構成要素選択肢が、図示される。
図4A−4Dの議論に続く詳細な説明の一部では、種々のシステム、サブシステム、および構成要素が、ヒトVRおよび/またはARのための高品質で快適に知覚されるディスプレイシステムを提供する目的に対処するために提示される。
【0027】
図4Aに示されるように、ARシステムユーザ(60)が、ユーザの眼の正面に位置付けられるディスプレイシステム(62)に結合される、フレーム(64)構造を装着した状態で描写される。スピーカ(66)が、描写される構成では、フレーム(64)に結合され、ユーザの外耳道に隣接して位置付けられる(一実施形態では、図示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供する)。ディスプレイ(62)は、有線導線または無線接続等によって、ローカル処理およびデータモジュール(70)に動作可能に結合され(68)、データモジュール(70)は、フレーム(64)に固定して取り付けられること、
図4Bの実施形態に示されるように、ヘルメットまたは帽子(80)に固定して取り付けられること、ヘッドホン内に埋め込まれること、
図4Cの実施形態に示されるように、リュック式構成でユーザ(60)の胴体(82)に取り外し可能に取り付けられること、または
図4Dの実施形態に示されるように、ベルト結合式構成でユーザ(60)の腰(84)に取り外し可能に取り付けられること等、種々の構成で搭載され得る。
【0028】
ローカル処理およびデータモジュール(70)は、省電力プロセッサまたはコントローラと、フラッシュメモリ等のデジタルメモリとを備え得、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等、フレーム(64)に動作可能に結合され得るセンサから捕捉されたデータ、および/または、b)おそらく、処理または読み出し後にディスプレイ(62)へ渡すために、遠隔処理モジュール(72)および/または遠隔データリポジトリ(74)を使用して取得および/または処理されたデータである。ローカル処理およびデータモジュール(70)は、有線または無線通信リンク等を介して、遠隔処理モジュール(72)および遠隔データリポジトリ(74)に動作可能に結合され得る76、78)、これらの遠隔モジュール(72、74)は、互いに動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール(70)へのリソースとして利用可能である。
【0029】
一実施形態では、遠隔処理モジュール(72)は、データおよび/または画像情報を分析し、処理するように構成される1つ以上の比較的に強力なプロセッサまたはコントローラを備え得る。一実施形態では、遠隔データリポジトリ(74)は、「クラウド」リソース構成におけるインターネットまたは他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る比較的に大規模なデジタルデータ記憶設備を備え得る。一実施形態では、ローカル処理およびデータモジュールにおいて、全てのデータが記憶され、全ての計算が行われ、任意の遠隔モジュールからの完全自律使用を可能にする。
【0030】
Z軸差(すなわち、光学軸に沿って眼からの直線距離)の知覚が、可変焦点光学要素構成と共に導波管をすることによって、促進され得る。ディスプレイからの画像情報が、コリメートされ、導波管の中に投入され、当業者に公知の任意の好適な基板誘導光学方法を使用して、大射出瞳様式で分布され得、次いで、可変焦点光学要素能力が、導波管から現れる光の波面の焦点を変化させ、眼に、導波管から生じる光が特定の焦点距離からのものであるという知覚を提供するために利用され得る。言い換えると、入射光は、全内部反射導波管構成における課題を回避するためにコリメートされているので、それは、コリメートされた方式で出射し、視認者の眼が、遠点に遠近調節し、それを網膜上に集中させることを要求し、必然的に、何らかの他の介入が、光が再集中され、異なる視認距離からとして知覚されるようにしない限り、それは、光学無限遠からであるように解釈されるであろう。好適なそのような介入の1つは、可変焦点レンズである。
【0031】
いくつかの実施形態では、コリメートされた画像情報は、それが全内部反射し、隣接する導波管の中に通されるような角度で、ガラスまたは他の材料片の中に投入される。導波管は、ディスプレイからのコリメートされた光が、導波管の長さに沿って、反射体または回折特徴の分布にわたりほぼ均一に出射するよう分布されるように構成され得る。眼に向かう出射時、出射光は、可変焦点レンズ要素に通され、可変焦点レンズ要素の制御された焦点に応じて、可変焦点レンズ要素から出射し、眼に入射する光は、種々のレベルの焦点を有するであろう(コリメートされた平坦波面は、光学無限遠を表し、ビーム発散/波面曲率が大きいほど、眼58に対してより近い視認距離を表す)。
【0032】
「フレーム順次」構成では、順次の2次元画像のスタックが、コンピュータ断層撮影システムがスタックされた画像スライスを使用して3次元構造を表す様式と同様の様式で、ディスプレイに順次供給され、3次元知覚を経時的に生成し得る。一連の2次元画像スライスは、各々が眼に対して異なる焦点距離で、眼に提示され得、眼/脳は、そのようなスタックをコヒーレント3次元ボリュームの知覚の中に統合するであろう。ディスプレイタイプに応じて、行毎またはさらにピクセル毎の順序付けが、3次元視認の知覚を生成するために行われ得る。例えば、走査光ディスプレイ(走査ファイバディスプレイまたは走査鏡ディスプレイ等)では、ディスプレイは、導波管に、順次方式で一度に1つの線または1つのピクセルを提示する。
【0033】
図6を参照すると、スタックされた導波管アセンブリ(178)が、複数の導波管(182、184、186、188、190)および複数の弱レンズ(198、196、194、192)を有することによって、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得、複数の導波管および複数の弱レンズは、その導波管レベルに対して知覚されるべき焦点距離を示す各導波管レベルのための種々のレベルの波面曲率で画像情報を眼に送信するように一緒に構成されている。複数のディスプレイ(200、202、204、206、208)、または別の実施形態では、単一多重化ディスプレイが、導波管(182、184、186、188、190)の中にコリメートされた画像情報を投入するために利用され得、導波管の各々は、前述のように、眼に出射するために、各導波管の長さにわたり入射光を実質的に等しく分布させるように構成され得る。
【0034】
眼に最も近い導波管(182)は、そのような導波管(182)の中に投入されるにつれて、光学無限遠焦点面を表し得るコリメートされた光を眼に送達するように構成される。次の上方導波管(184)は、眼(58)に到達し得る前に、第1の弱レンズ(192;例えば、弱い負のレンズ)を通過する、コリメートされた光を送信するように構成される。そのような第1の弱レンズ(192)は、眼/脳が、その次の上方導波管(184)から生じる光を光学無限遠から人に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じているように解釈するように、若干の凸面波面曲率を作成するように構成され得る。同様に、第3の上方導波管(186)は、眼(58)に到達する前に、その出力光を第1(192)および第2(194)レンズを通過させる。第1(192)および第2(194)レンズの組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、その上方の第3の導波管(186)から生じている光を次の上方導波管(184)からの光より光学無限遠から人に向かってさらにより内向きに近い第2の焦点面から生じているように解釈するように、別の漸増量の波面発散を作成するように構成され得る。
【0035】
他の導波管層(188、190)および弱レンズ(196、198)も同様に、構成され、スタック内の最高導波管(190)は、人に最も近い焦点面を表す総焦点力のために、その出力をそれと眼との間の弱レンズの全てを通して送信する。スタックされた導波管アセンブリ(178)の他の側の世界(144)から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ(198、196、194、192)のスタックを補償するために、補償レンズ層(180)が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック(198、196、194、192)の総屈折力を補償する。そのような構成は、前述のように、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面に、再び、比較的に大きな射出瞳構成を提供する。導波管の反射側面およびレンズの焦点合わせ側面は両方とも、静的であり得る(すなわち、動的または電気活性ではない)。代替実施形態では、動的であり、前述のように、電気活性特徴を使用し、少数の導波管が、時系列方式で多重化され、より多数の有効焦点面を生成することを可能にし得る。
【0036】
種々の回折構成が、コリメートされたビームを焦点合わせすることおよび/または向け直すことのために採用されることができる。例えば、コリメートされたビームをブラッググレーティング等の線形回折パターンに通すことは、ビームを偏向、すなわち、「操向」させるであろう。コリメートされたビームを半径方向対称回折パターン、すなわち、「フレネルゾーンプレート」に通すことは、ビームの焦点を変化させるであろう。線形および半径方向要素の両方を有する組み合わせ回折パターンが、コリメートされた入力ビームの偏向および焦点合わせの両方を生成するように採用されることができる。これらの偏向および焦点合わせ効果は、反射ならびに透過性モードで生成されることができる。
【0037】
これらの原理は、追加の光学系制御を可能にするための導波管構成とともに適用され得る。
図7に示されるように、回折パターン(220)、すなわち、「回折光学要素」(または「DOE」)が、コリメートされたビームが平面導波管(216)に沿って全内部反射されるにつれて、それが多数の場所において回折パターン(220)に交差するように、平面導波管(216)内に埋め込まれている。構造はまた、その中にビームが投入され得る(例えば、プロジェクタまたはディスプレイによって)、別の導波管(218)を含み得、DOE(221)が、この別の導波管(218)内に埋め込まれる。
【0038】
好ましくは、DOE(220)は、ビームの光の一部のみ、DOE(220)の各交差点を用いて、眼(58)に向かって偏向させられる一方、残りは、全内部反射を介して、平面導波管(216)を通って移動し続けるように、比較的に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、多数の場所において導波管から出射する、いくつかの関連光ビームに分割され、結果は、
図8に示されるように、平面導波管(216)内で跳ね返るこの特定のコリメートされたビームに対する眼(58)に向かう非常に均一なパターンの出射放出である。眼(58)に向かう出射ビームは、この場合、DOE(220)が、線形回折パターンのみを有するので、実質的に平行として
図8に示される。しかしながら、この線形回折パターンピッチに対する変化は、出射平行ビームを制御可能に偏向させ、それによって、走査またはタイル表示機能性を生成するために利用され得る。
【0039】
図9を参照すると、埋め込まれるDOE(220)の半径方向対称回折パターン成分の変化に伴って、出射ビームパターンは、より発散性となり、それは、眼がより近い距離に対して遠近調節を行い、出射ビームパターンを網膜上に焦点を合わせることを要求し、出射ビームパターンは、光学無限遠より眼に近い視認距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0040】
図10を参照すると、その中にビームが投入され得る(例えば、プロジェクタまたはディスプレイによって)他の導波管(218)の追加に伴って、線形回折パターン等のこの他の導波管(218)内に埋め込まれたDOE(221)は、より大きい平面導波管(216)全体にわたり光を拡散させるように機能し得、それは、稼働中の特定のDOE構成に従って、より大きい平面導波管(216)から出射する入射光の非常に大きな入射場、例えば、大型のアイボックスを眼(58)に提供するように機能する。
【0041】
DOE(220、221)は、関連付けられた導波管(216、218)を二分するように描写されるが、これは、そうである必要はない。それらは、同一機能性を有するように、導波管(216、218)のうちのいずれかのいずれか側により近く、またはその上に設置されることもできる。したがって、
図11に示されるように、単一のコリメートされたビームの投入に伴って、クローン化されたコリメートビームの場全体が、眼(58)に向かって向かわせられ得る。加えて、前述のもの等の組み合わせられた線形回折パターン/半径方向対称回折パターンシナリオでは、Z軸焦点合わせ能力を伴うビーム分布導波管光学(射出瞳の機能的拡張等の機能性のために、
図11のそれ等の構成で、射出瞳は、光学要素自体と同じ大きさであることができ、それは、ユーザ快適性および人間工学のために非常に有意な利点であり得る)が、提示され、クローン化されたビームの発散角度および各ビームの波面曲率は両方とも、光学無限遠より近い点から生じる光を表す。
【0042】
一実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と、有意に回折しない「オフ」状態との間で切り替え可能である。例えば、切り替え可能DOEは、高分子分散型液晶の層を備え得、高分子分散型液晶の層において、微小液滴が、ホスト媒体内の回折パターンを備え、微小液滴の屈折率が、ホスト材料の屈折率に実質的に一致するように切り替えられることができるか(その場合、パターンは、入射光を著しく回折しない)、または、微小液滴が、ホスト媒体のものに一致しない屈折率に切り替えられることができる(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折する)。さらに、回折項に対する動的変化に伴って、ビーム走査またはタイル表示機能性が、達成され得る。前述のように、DOE(220、221)の各々に比較的低い回折グレーティング効率を有することが望ましい。なぜなら、それが光の分布を促進するからであり、さらに、望ましく送光される導波管を通り抜けて来る光(例えば、拡張現実構成では、世界144から眼58に向かって生じる光)が、それが交差するDOE(220)の回折効率がより低い場合、あまり影響を受けず、したがって、そのような構成を通して実世界のより優れたビューが達成されるからである。
【0043】
本明細書に図示されるもの等の構成は、好ましくは、時系列アプローチにおける画像情報の投入に伴って駆動され、フレーム順次駆動は、最も実装が簡単である。例えば、光学無限遠における空の画像が、時間1で投入され得、光のコリメートを保持する回折グレーティングが、利用され得る。その後、より近い木の枝の画像が、時間2で投入され得る一方、DOEが、例えば、1ジオプタまたは1メートル離れて、焦点変化を制御可能に与え、眼/脳に、枝の光情報がより近い焦点距離から生じているという知覚を提供する。この種類のパラダイムは、眼/脳が、入力が同一画像の全部分であることを知覚するような高速時系列方式で繰り返されることができる。これは、2つの焦点面の例にすぎない。好ましくは、システムは、より多くの焦点面を含み、オブジェクトとその焦点距離との間のより平滑な遷移を提供するであろう。この種類の構成は、概して、DOEが比較的に低速で(すなわち、数十〜数百サイクル/秒の範囲内で画像を投入するディスプレイのフレームレートと同期して)切り替えられることを仮定する。
【0044】
正反対のものは、DOE要素が、数十〜数百MHz以上で焦点をシフトさせることができ、ピクセルが、走査光ディスプレイタイプのアプローチを使用して、眼(58)の中に走査されるにつれて、ピクセル毎ベースでDOE要素の焦点状態の切り替えを促進する構成であり得る。これは、全体的ディスプレイフレームレートが非常に低く保たれ得る(「フリッカ」が問題ではない(約60〜120フレーム/秒の範囲内である)ことを確実にするために十分に低い)ことを意味するので、望ましい。
【0045】
これらの範囲の間において、DOEがKHzレートで切り替えられ得る場合、行毎ベースで、各走査線上の焦点が調節され得、それは、ユーザに、例えば、ディスプレイに対する眼運動の中の時間的アーチファクトの観点から目に見える利点を与え得る。例えば、ある場面における異なる焦点面は、この方法でインタリーブされ、頭部の運動に応答して、目に見えるアーチファクトを最小限にし得る(本開示の後半で詳細に論じられるように)。行毎焦点変調器が、グレーティング光弁ディスプレイ等の線走査ディスプレイに動作可能に結合され得、線走査ディスプレイにおいて、ピクセルの線形アレイが、掃引され、画像を形成する。行毎焦点変調器は、ファイバ走査ディスプレイおよび鏡走査光ディスプレイ等の走査光ディスプレイに動作可能に結合され得る。
【0046】
図6のものに類似するスタックされた構成は、動的DOEを使用して、多平面焦点合わせを同時に提供し得る。例えば、3つの同時焦点面を用いて、主要焦点平面(例えば、測定された眼遠近調節に基づいて)が、ユーザに提示され得、+マージンおよび−マージン(すなわち、1つのより近い焦点面、1つのより遠い焦点面)が、平面の更新が必要とされる前に、ユーザが遠近調節することができる大きな焦点範囲を提供するために利用され得る。この増加した焦点範囲は、ユーザが、より近いまたはより遠い焦点(すなわち、遠近調節測定によって決定されるように)に切り替える場合、時間的利点を提供することができ、新しい焦点の平面が、中央の焦点深度にされ得、+および−マージンは、再び、システムが追い付く間、いずれか一方への高速切り替えのために準備される。
【0047】
図12を参照すると、それぞれ、反射体(254、256、258、260、262)を端部に有し、ディスプレイ(224、226、228、230、232)によって一端に投入されたコリメートされた画像情報が、反射体までの全内部反射によって跳ね返り、その時点で、光の一部または全部が、眼もしくは他の標的に向かって反射されるように構成される平面導波管(244、246、248、250、252)のスタック(222)が、示される。反射体の各々は、全て、出射光を瞳孔等の共通目的地に向かって反射させるように、若干異なる角度を有し得る。レンズ(234、236、238、240、242)は、ビーム操向および/または焦点合わせのために、ディスプレイと導波管との間に挿入され得る。
【0048】
前述のように、光学無限遠におけるオブジェクトは、実質的に平面波面を作成する一方、眼から1m等、より近いオブジェクトは、湾曲波面(約1m凸面曲率半径を伴う)を作成する。眼の光学系は、最終的に網膜上に焦点を合わせられる(凸面波面は、凹面に変えられ、次いで、網膜上の焦点に至る)ように、光の入射光線を曲げるために十分な屈折力を有する必要がある。これらは、眼の基本機能である。
【0049】
前述の実施形態の多くでは、眼に向かわせられる光は、1つの連続波面の一部として取り扱われ、それらのうちのある一部が、特定の眼の瞳孔に衝突するであろう。別のアプローチでは、眼に向かわせられる光は、複数のビームレットまたは個々の光線に効果的に離散化もしくは分割され得、それらの各々は、ビームレットまたは光線の集合によって機能的に作成され得るより大きな集合波面の一部として、約0.5mm未満の直径と固有の伝搬経路とを有する。例えば、湾曲波面は、各々が所望の集合波面の曲率半径の中心に一致する原点を表すための適切な角度から眼に接近する複数の個別の近隣のコリメートされたビームを集合することによって近似され得る。
【0050】
ビームレットは、約0.5mm以下の直径を有する場合、それは、ピンホールレンズ構成を通して生じているかのようであり、それは、各個々のビームレットが、常時、眼の遠近調節状態から独立して、網膜上の相対焦点にあるが、しかしながら、各ビームレットの軌道が、遠近調節状態によって影響されるであろうことを意味する。例えば、ビームレットが、眼に平行に接近し、離散化されたコリメートされた集合波面を表す場合、無限遠に正しく遠近調節される眼は、全てが網膜上の同一共有スポットに収束するように、ビームレットを偏向させ、焦点が合って見えるであろう。眼が、例えば、1mに遠近調節する場合、ビームは、網膜の正面のスポットに収束され、経路を交差させ、網膜上の複数の近隣または部分的重複スポットに当たり、ぼけて見えるであろう。
【0051】
ビームレットが、発散性構成において眼に接近し、共有原点が視認者から1メートルの場合、1mの遠近調節は、ビームを網膜上の単一スポットに操向し、焦点が合って見えるであろう。視認者が、無限遠に遠近調節する場合、ビームレットは、網膜の背後のスポットに収束し、複数の近隣または部分的重複スポットを網膜上に生成し、ぼけた画像を生成するであろう。より一般的に述べると、眼の遠近調節は、網膜上のスポットの重複度を決定し、所与のピクセルは、スポットの全てが網膜上の同一スポットに向かわせられると、「焦点が合っており」、スポットが互いからオフセットされていると、「焦点がぼけている」。0.5mm以下の直径のビームレットが全て、常時、焦点が合っており、コヒーレント波面と実質的に同一であるかのように眼/脳によって知覚されるように集合され得るというこの概念は、快適な3次元仮想または拡張現実知覚のための構成を生成することにおいて利用され得る。
【0052】
言い換えると、複数の狭ビームのセットが、より大きい直径可変焦点ビームを用いる状態を模倣するために使用され得、ビームレット径が、最大約0.5mmに保たれる場合、必要な場合、比較的に静的焦点レベルを維持し、焦点がずれた知覚を生成するために、ビームレット角度軌道が、より大きい焦点ずれビームに類似する効果を作成するように選択され得る(そのような焦点ぼけ処理は、より大きいビームに対するようなガウスぼかし処理と同一ではない場合があるが、ガウスぼかしと類似方式で解釈され得る、多峰性点拡がり関数を作成するであろう)。
【0053】
いくつかの実施形態では、ビームレットは、この集合焦点効果を形成するように機械的に偏向させられず、むしろ、眼が、ビームレットが瞳孔を交差する多数の入射角度および多数の場所の両方を含む、多くのビームレットの上位セットを受光する。特定の視認距離からの所与のピクセルを表すために、適切な入射角度および瞳孔との交差点を備えている、上位セットからのビームレットの一部(空間内の同一共有原点から放出されているかのように)が、集合波面を表すために、一致する色および強度を伴ってオンにされる一方、共有原点と一貫しない上位セット内のビームレットは、その色および強度を伴ってオンにされない(但し、そのうちの一部は、ある他の色および強度レベルでオンにされ、例えば、異なるピクセルを表し得る)。
【0054】
ここで
図5を参照して、改良された回折構造を使用するARシステムの例示的実施形態800が、ここで説明される。ARシステムは、概して、画像発生プロセッサ812と、少なくとも1つのFSD808(ファイバ走査デバイス)と、FSD回路810と、結合光学832と、以下に説明される改良された回折構造と一緒にスタックされる導波管を有する少なくとも1つの光学アセンブリ(DOEアセンブリ802)とを含む。システムは、眼追跡サブシステム806も含み得る。
図5に示されるように、FSD回路は、マキシムチップCPU818を有する画像発生プロセッサ812と、温度センサ820と、圧電駆動/変換器822と、赤色レーザ826と、青色レーザ828と、緑色レーザ830と、全3つのレーザ826、828、830を組み合わせるファイバコンバイナと通信する回路810を備え得る。他のタイプの結像技術も、FSDデバイスの代わりに、使用可能であることに留意されたい。例えば、高分解能液晶ディスプレイ(「LCD」)システム、背面照明強誘電パネルディスプレイ、および/または高周波数DLPシステムは全て、本発明のいくつかの実施形態において使用され得る。
【0055】
画像発生プロセッサは、ユーザに最終的に表示される仮想コンテンツを発生させることに関与する。画像発生プロセッサは、仮想コンテンツに関連付けられた画像またはビデオを3Dにおいてユーザに投影され得るフォーマットに変換し得る。例えば、3Dコンテンツを発生させることにおいて、仮想コンテンツは、特定の画像の一部が特定の深度平面上に表示される一方、その他が、他の深度平面に表示されるように、フォーマットされる必要があり得る。または、画像は全て、特定の深度平面において発生され得る。または、画像発生プロセッサは、一緒に視認されると、仮想コンテンツがユーザの眼にコヒーレントかつ快適に現れるように、若干異なる画像を右および左眼にフィードするようにプログラムされ得る。1つ以上の実施形態では、画像発生プロセッサ812は、時系列様式で仮想コンテンツを光学アセンブリに送達する。仮想場面の第1の部分は、光学アセンブリが第1の部分を第1の深度平面において投影するように、最初に送達され得る。次いで、画像発生プロセッサ812は、光学アセンブリが第2の部分を第2の深度平面に投影するように、同一仮想場面の別の部分を送達し得る等。ここでは、Alvarezレンズアセンブリが、フレーム毎ベースで複数の側方平行移動(複数の深度平面に対応する)を生成するために十分に迅速に側方に平行移動され得る。
【0056】
画像発生プロセッサ812はさらに、メモリ814と、CPU818と、GPU816と、画像発生および処理のための他の回路とを含み得る。画像発生プロセッサは、ARシステムのユーザに提示されるべき所望の仮想コンテンツを用いてプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、画像発生プロセッサは、装着式ARシステム内に格納され得ることを理解されたい。他の実施形態では、画像発生プロセッサおよび他の回路は、装着式光学に結合されるベルトパック内に格納され得る。
【0057】
ARシステムは、光をFSDから光学アセンブリ802に向かわせるための結合光学832も含む。結合光学832は、光をDOEアセンブリの中に向かわせるために使用される1つ以上の従来のレンズを指し得る。ARシステムは、ユーザの眼を追跡し、ユーザの焦点を決定するように構成される眼追跡サブシステム806も含む。
【0058】
1つ以上の実施形態では、ソフトウェアぼかしが、仮想場面の一部としてぼかしを誘発するために使用され得る。ぼかしモジュールは、1つ以上の実施形態では、処理回路の一部であり得る。ぼかしモジュールは、DOEの中にフィードされている画像データの1つ以上のフレームの一部をぼかし得る。そのような実施形態では、ぼかしモジュールは、特定の深度フレームにおいてレンダリングされることを意図されないフレームの一部を完全にぼかし得る。前述の画像ディスプレイシステムおよびその中の構成要素を実装するために使用され得る、例示的アプローチは、米国特許出願第14/555,585号に説明される。
【0059】
(改良された回折構造)
前述のように、コリメートされたビームが、平面導波管に沿って全内部反射され、ビームが、複数の場所において回折パターンを交差するように、回折パターンが平面導波管上に形成されることができる。この配列は、本発明のいくつかの実施形態による、立体視的3Dシミュレーションディスプレイシステム内の複数の焦点面に画像オブジェクトを提供するためにスタックされることができる。
【0060】
図13Aは、導波管1302(本明細書では、「光ガイド」、「基板」、または「導波管基板」とも称される)の構造1300を実装するためにとられ得る、1つの可能なアプローチを図示し、外部結合格子(outcoupling grating)1304が、例えば、組み合わせられたモノリシック構造として、導波管1302の上部表面上に直接形成され、および/または両方とも同一材料から形成される(同一モノリシック構造から構築されない場合でも)。このアプローチでは、格子材料の屈折率は、導波管1302の屈折率と同一である。材料の屈折率n(または「屈折率」)は、光がその媒体を通して伝搬する程度を説明し、n=c/vとして定義され、cは、真空中の光のスピードであり、vは、媒体中の光の位相速度である。屈折率は、材料に進入するとき、光が曲げられる程度、または屈折させられる程度を決定する。
【0061】
図13Bは、光が導波管内を伝搬している角度の関数として、構造1300から出る光の効率の単一偏光に対する例示的シミュレーション結果のチャート1320を示す。このチャートは、構造1300に対して外部結合された(coutcoupled)光の回折効率が、より高い入射角において減少することを示す。図から分かるように、約43度の角度において、効率は、均一屈折率を伴う媒体内の入射角に基づく全内部反射率変動に起因して、描写されるプロット上で比較的に急降下する。
【0062】
したがって、構成1300の使用可能範囲は、幾分限定され、したがって、跳ね返り間隔がより高い入射角において減少し得るので、望ましくなく、これはさらに、それらの角度において観察者によって見える輝度を低減させ得ることが可能である。回折効率は、最も浅い入射角では、より低くなり、それは、上部表面との相互作用間の跳ね返り間隔(
図13C参照)が非常に離れ、光が外部結合する機会が非常に少ないので、全く望ましくない。したがって、より少ない外部結合されたサンプルを伴う調光信号が、この配列から生じることになり、この問題は、この偏光配向を用いたこれらの高角度においてより低い回折効率を有する格子によって悪化させられるであろう。本明細書および図で使用される場合、「1T」は、一次伝送回折次数を指すことに留意されたい。
【0063】
前述のもの等の導波管ベースの光学システムまたは基板誘導光学システムのいくつかの実施形態では、基板誘導画像内の異なるピクセルは、導波管内を異なる角度で伝搬するビームによって表され、光は、全内部反射(TIR)によって導波管に沿って伝搬する。TIRによって導波管内に捕捉されたままであるビーム角度の範囲は、導波管と導波管の外側の媒体(例えば、空気)との間の屈折率の差異の関数である。屈折率の差異が高いほど、ビーム角度の数が大きくなる。ある実施形態では、導波管に沿って伝搬するビーム角度の範囲は、回折要素によって導波管の面の外へ結合される画像の視野と相関し、かつ光学システムによって支持される画像分解能と相関する。加えて、全内部反射が生じる角度範囲は、導波管の屈折率によって決定付けられる。いくつかの実施形態では、最小で約43度および実践的最大で約83度であり、したがって、40度の範囲である。
【0064】
図14Aは、本発明のいくつかの実施形態による、この問題に対処するためのアプローチを図示し、構造1400は、基板1302と上部格子表面1304との間にある中間層1406(本明細書では、「下層1406」と称される)を含む。上部表面1304は、第1の屈折率値に対応する第1の材料を備え、下層1406は、第2の屈折率値に対応する第2の材料を備え、基板1302は、第3の屈折率値に対応する第3の材料を備えている。同一または異なる材料の任意の組み合わせが、構造1400のこれらの部分の各々を実装するために採用され得、例えば、全3つの材料は、異なる(かつ全3つの材料は、異なる屈折率値に対応する)、または層のうちの2つは、同一材料を共有する(例えば、3つの材料のうちの2つは、同一であり、したがって、第3の材料の屈折率値と異なる共通の屈折率値を共有する)ことに留意されたい。屈折率値の任意の組み合わせが、採用され得る。例えば、一実施形態は、下層のために低屈折率を含み、表面格子および基板のためにより高い屈折率値を用いる。屈折率値の他の例証的組み合わせを有する、他の例示的構成は、以下に説明される。任意の好適な材料のセットが、構造1500を実装するために使用され得る。例えば、ポリマー、ガラス、およびサファイアは全て、構造1400の層のいずれかを実装するために選択され得る、材料の例である。
【0065】
図15Aに示されるように、いくつかの実施形態では、比較的により高い屈折率基板を導波管基板1302として使用し、比較的により低い屈折率下層1406および比較的により低い屈折率上部格子表面1304を伴う、構造1500を実装することが、望ましくあり得る。これは、関係n1×sin(θ1)=n2×sin(90)を通して、屈折率が増加させられるにつれて、最小全内部反射角度が低減させられるという事実から、より広い視野を得ることが可能であり得るからである。屈折率1.5の基板に対して、臨界角は、41.8度である。しかしながら、1.7の基板屈折率に対して、臨界角は、36度である。
【0066】
より高い屈折率の基板上に形成される格子は、格子を構成する材料の層が格子と基板との間で厚すぎない限り、それ自体がより低い屈折率を有する場合でも、光を外部結合するために利用され得る。これは、そのような構成を用いて、全内部反射(「TIR」)のためのより広範囲の角度を有することができるという事実に関連する。言い換えると、TIR角度は、そのような構成を用いて、より低い値まで降下する。加えて、現在のエッチングプロセスの多くは、高屈折率ガラスまで拡張させるためにあまり好適ではない場合があることに留意されたい。いくつかの実施形態では、外部結合層を確実かつ安価に複製することが望ましい。
【0067】
下層1406の構成は、例えば、下層1406の厚さを変更することによって、構造1500の性能特性を改変するように調節され得る。
図15Aの構成(構造体は、比較的低い屈折率材料を備えている格子構造1304を最上部に含み、関連付けられたより低い屈折率下層1406を伴い、それは、関連付けられた高屈折率光誘導基板1302も含む)は、
図15Bに描写されるもの等のデータをもたらすようにモデル化され得る。この図を参照すると、左のプロット1502aは、ゼロ厚の下層1502を伴う構成に関連する。中央プロット1502bは、0.05ミクロン厚の下層1502に対するデータを示す。右のプロット1502cは、0.1ミクロン厚の下層1502に対するデータを示す。
【0068】
これらのプロットにおけるデータによって示されるように、下層厚が増加させられるにつれて、入射角の関数としての回折効率は、はるかに非線形となり、高角度において抑制され、それは、望ましくないこともある。したがって、この場合、下層の制御は、重要な機能的入力である。しかしながら、ゼロ厚の下層およびより低い屈折率を保有する格子特徴自体のみを用いる場合、構造によって支持される角度の範囲は、より低い屈折率の格子特徴材料ではなく、より高い屈折率ベース材料におけるTIR条件によって支配されることに留意されたい。
【0069】
図16Aを参照すると、より低い屈折率の基板1302上の比較的に高屈折率の下層1406を特徴とする構造1600の実施形態が図示され、上部表面回折格子1304は、下層1406より低く、必ずしも等しくないが、基板1302の屈折率に匹敵する屈折率を有する。例えば、上部表面格子は、1.5の屈折率に対応し得、下層は、1.84の屈折率に対応し得、基板は、1.5の屈折率に対応し得る。この例に対して、周期は、0.43μmであり、λは、0.532μmに対応すると仮定されたい。
【0070】
そのような構成に関連するシミュレーションが、
図16Bに提示される。この図に示されるように、0.3ミクロン厚の下層1406を伴うチャート1602aでは、回折効率は、前述の構成のように降下するが、次いで、角度範囲のより高い終点において上昇し始める。これは、チャート1602bに示されるように、0.5ミクロン厚の下層1406構成にも当てはまる。これらの(0.3ミクロン、0.5ミクロン)構成の各々において、効率が角度範囲のより高い極限において比較的に高くなることは、有益である。そのような機能性は、前述のよりまばらな跳ね返り間隔懸念に対抗する傾向となり得る。さらに、この図に示されるのは、90度回転偏光の例を特徴とする実施形態に対するチャート1602cであり、回折効率は、予期され得るように低いが、より浅い角度と比較してより急な角度においてより優れた効率を提供するという点において、望ましい挙動を示す。
【0071】
実際、いくつかの実施形態では、回折効率対角度は、高角度において増加し得る。これは、より高い伝搬角度において生じ得るより低い跳ね返り間隔を補償することに役立つので、いくつかの実施形態に関して望ましい特徴であり得る。したがって、
図16Aの構造構成は、より高い角度における回折効率対角度増加を促進するので、より低い跳ね返り間隔(より高い伝搬角度を用いて生じる)を補償することが望ましい実施形態において好ましくあり得、それは、前述のモノリシック構成に対して望ましい。
【0072】
図17Aを参照すると、別の構造1700が、描写され、下層1406は、基板1302の屈折率より実質的に高い屈折率を有する。格子構造1304は、最上部にあり、格子構造1304も、下層1406の屈折率より高い屈折率を有する。例えば、上部表面格子は、1.86の屈折率に対応し得、下層は、1.79の屈折率に対応し得、基板は、1.5の屈折率に対応し得る。前述のように、この例に対して、周期は、0.43μmであり、λは、0.532μmに対応すると仮定されたい。
【0073】
図17Bを参照すると、チャート1702は、
図17Aの構造1700に対して例証されるシミュレーションデータを示す。チャート1702に示されるように、結果として生じる回折効率対入射角のプロットは、比較的に高入射角において前述のより低い跳ね返り間隔を補償し、全般的により広範囲の角度にわたり合理的回折効率を保有することを補助する望ましい全般的挙動を実証する。
【0074】
下層1406は、基板全体にわたり均一である必要はないことに留意されたい。下層1406の任意の特性は、下層1406の厚さ、組成物、および/または屈折率の相違等、基板の異なる場所において変動させられ得る。下層1406の特性を変動させるための1つの可能な理由は、ディスプレイ画像および/またはディスプレイシステム内の光の非均一送光のいずれかにおける既知の変動の存在下、均一ディスプレイ特性を促進するためである。
【0075】
例えば、
図18Aに示されるように、導波管構造が導波管上の単一内部結合場所1802において入射光を受け取る場合を検討する。入射光が導波管1302の中に投入されるに場合、ますます少ない光が、導波管1302の長さに沿って伝搬するにつれて残るであろう。これは、内部結合場所1802の近傍の出力光が、導波管1302の長さに沿ってより遠い出力光より「明るく」見える結果となり得ることを意味する。下層1406が、導波管1302の全長に沿って均一である場合、下層1406の光学効果は、基板にわたるこの不均一輝度レベルを増強し得る。
【0076】
下層1406の特性は、基板1302にわたり調節され、出力光をより均一にすることができる。
図18Bは、下層1406の厚さが、導波管基板1302の長さにわたり変動させられるアプローチを図示し、下層1406は、内部結合場所1802の近傍ではより薄く、場所1802から距離が離れるほど厚くなる。このように、より優れた回折効率を促進するための下層1406の効果は、少なくとも部分的に、導波管基板1302の長さに沿って光損失の影響を改善し、それによって、構造の全体にわたりより均一な光出力を促進することができる。
【0077】
図18Cは、下層1406の厚さは変動させられないが、下層1406の屈折率が基板1302にわたり変動する代替アプローチを図示する。例えば、場所1802の近傍の出力光が、場所1802から離れた場所でより明るくなる傾向にある問題に対処するために、下層1406のための屈折率は、場所1802に近い基板1302と同一または同様であるが、場所1802から離れた場所におけるそれらの屈折率値において増大する差異を有するように構成される。下層1406材料の組成は、異なる場所において変動させられ、異なる屈折率値をもたらすことができる。
図18Dは、下層1406の厚さおよび屈折率の両方が基板1302にわたり変動させられる、ハイブリッドアプローチを図示する。この同一アプローチは、下層1406を変動させることと併せて、もしくはその代わりに、上部格子表面1304および/または基板1302の厚さおよび/または屈折率を変動させるために行われることができることに留意されたい。
【0078】
したがって、種々の組み合わせが、利用可能であり、ある屈折率の下層1406は、第3の屈折率の基板1302とともに、別の屈折率の上部格子1304と組み合わせられ、これらの相対的値の調節は、回折効率の入射角への依存性において多くの変動を提供する。異なる屈折率の層を伴う層状導波管が、提示される。種々の組み合わせおよび順列が、機能性を例証するために、関連性能データとともに提示される。利点は、角度の増加が挙げられ、それは、格子1304を用いて出力角度の増加を提供し、したがって、接眼レンズを用いて視野の増加を提供する。さらに、角度に伴う回折効率の通常の低減に対抗する能力は、機能的に有益である。
【0079】
図14Bは、材料1409の別の層(上部表面)が、格子層1304の上方に設置される実施形態を図示する。層1409は、異なる設計目標に対処するために構成可能に実装されることができる。例えば、層1409は、例えば、
図14Cに示されるように、複数のスタックされた回折構造1401aと1401bとの間に介在層を形成することができる。
図14Cに示されるように、この介在層1409は、任意の空隙/間隙を除去し、スタックされた回折構成要素のための支持構造を提供するために採用されることができる。この使用例では、層1409は、比較的低い屈折率、例えば、約1.1または1.2を有する材料から形成されることができる。この図には図示されないが、他の層(弱レンズ等)も、回折構造1401aと1401bとの間に設置され得る。
【0080】
加えて、層1409は、比較的に高屈折率を有する材料から形成されることができる。この状況では、入射光の全部またはかなりの量に対する回折効果を提供するであろうものは、格子表面1304ではなく、層1409上の格子である。
【0081】
明白なように、所望の光学効果および結果を達成するために、屈折率値の異なる相対的組み合わせが、層1409を含む異なる層に対して選択されることができる。
【0082】
そのような構造は、任意の好適な製造技法を使用して、製造され得る。「MR174」として知られるもの等のある高屈折率ポリマーが、直接、エンボス加工、印刷、またはエッチングされ、所望のパターン化された構造を生成し得るが、そのような層の硬化収縮等に関連する課題が存在する。したがって、別の実施形態では、別の材料が、高屈折率ポリマー層(すなわち、MR174の層等)上に転写、エンボス加工、またはエッチングされ、機能的に同様の結果を生成し得る。現在最先端の印刷、エッチング(すなわち、従来の半導体プロセスにおいて利用されるものに類似するレジスト除去およびパターン化ステップを含み得る)、およびエンボス加工技法が、そのような印刷、エンボス加工、および/またはエッチングステップを遂行するために利用され、および/または組み合わせられ得る。例えば、DVDの生産において利用されるものに類似する成形技法も、ある複製ステップのために利用され得る。さらに、印刷および他の堆積プロセスにおいて利用されるあるジェット噴射または堆積技法も、精度を伴ってある層を堆積するために利用され得る。
【0083】
本開示の以下の部分は、ここで、回折のための形成パターンを基板上に実装するための改良されたアプローチを説明し、堆積させられる転写材料(imprint material)の転写(imprinting)は、本発明のいくつかの実施形態に従って行われる。これらのアプローチは、転写材料の非常に精密な分布と任意の数の基板表面上への異なる転写パターンの非常に精密な形成とを可能にする。以下の説明は、前述の格子構成と共に使用され、それを実装するために使用されることができることに留意されたい。しかしながら、本発明の堆積アプローチは、他の構成と共にも同様に使用さ得ることに留意されたい。
【0084】
いくつかの実施形態によると、転写材料のパターン化された分布(例えば、パターン化されたインクジェット分布)が、転写材料の堆積を基板上に実装するために行われる。パターン化されたインクジェット分布を使用するこのアプローチは、堆積させられるべき材料に対する非常に精密な体積制御を可能にする。加えて、このアプローチは、より小さく、より均一なベース層を格子表面の真下に提供する役割を果たすことができ、前述のように、層のベース厚は、接眼レンズ/光学デバイスの性能に有意な影響を及ぼすことができる。
【0085】
図19は、単一基板上への転写材料の精密な可変体積堆積を実装するためのアプローチを図示する。図に示されるように、第1のより深い深度構造1904のセットおよび第2のより浅い(例えば、標準)深度構造1906のセットを有するテンプレート1902が、提供される。転写材料を転写受け取り側1908上に堆積するとき、比較的より大きい体積の転写材料1910が、テンプレート1902のより深い深度構造1904を伴うテンプレートの部分に対応して堆積させられる。対照的に、比較的により小さい体積の転写材料1912は、テンプレート1902のより浅い深度構造1906に対応して堆積させられる。そして、テンプレートは、第1および第2の深度構造のセットを転写材料の中に転写し、異なる深度および/またはパターンを有するそれぞれの構造を転写材料内形成するために使用される。このアプローチは、したがって、転写受け取り側1908上への異なる特徴の同時形成を可能にする。
【0086】
このアプローチは、異なる深度および/または特徴パラメータを伴う構造のために意図的に非均一である分布を生成するために利用されることができ、例えば、特徴構造は、同一基板上にあり、異なる厚さを有する。これは、例えば、同一下層厚を伴う可変深度の構造の同時転写を可能にする、転写材料の空間的に分布された体積を生成するために使用されることができる。
【0087】
図19の底部は、前述の堆積技法/装置を用いて形成される構造1920を図示し、下層1922は、パターン深度および体積の差異にかかわらず、均一厚を有する。転写材料は、構造1920内に非均一な厚さを伴って堆積させられていることが分かる。ここでは、上部層1924は、第1の層厚のセットを有する第1の部分1926を含む一方、第2の部分1928は、第2の層厚のセットを有する。この例では、部分1926は、部分1928の標準/より浅い厚さと比較して、より厚い層に対応する。しかしながら、厚さの任意の組み合わせが、本発明の概念を使用して構築され得、標準厚さより厚いおよび/またはより薄いのいずれか/両方である厚さが、下層上に形成されることに留意されたい。
【0088】
この能力は、例えば、スペーサ要素としての役割を果たすためのより大きい体積の材料を堆積させ、例えば、多層回折光学要素の構築を補助するために使用されることができる。
【0089】
いくつかの実施形態は、基板上への複数のタイプの転写材料の同時堆積を実装するためのアプローチに関する。これは、光学特性を有する材料が、一度に基板の複数の部分にわたり同時に堆積させられることを可能にする。このアプローチはまた、具体的機能に関連付けられた局所エリア(例えば、内部結合格子、直交瞳拡大素子(OPE)格子、または射出瞳拡大素子(EPE)格子としての役割を果たす)を調整するための能力を提供する。
【0090】
図20は、いくつかの実施形態による、同一層内への複数の異なる転写材料の指向性同時堆積を実装するためのアプローチおよび転写ステップを図示する。図に示されるように、テンプレート2002は、転写受け取り側2008上の異なるタイプの転写材料2010および2012の中にパターンを転写するために提供される。材料2010および2012は、異なる光学特性を有する同一材料(例えば、異なる屈折率を有する同一材料の2つの変形)または2つの全く異なる材料を含み得る。
【0091】
材料の任意の光学特性は、この技法を採用するときに検討および選択されることができる。例えば、
図20の実施形態に示されるように、材料2010は、転写受け取り側2008のある区分内に堆積させられる高屈折率材料に対応する一方、同時に、材料2012は、第2の区分のエリア内に堆積させられるより低い屈折率材料に対応する。
【0092】
結果として生じる構造2020に示されるように、これは、高屈折率部分2026およびより低い屈折率部分2028を有する多機能回折光学要素を形成する。この場合、第1の機能に関する高屈折率部分2026および第2の機能に関する部分2028は、同時に転写された。
【0093】
この例は、材料を同時に堆積するときに「調整」すべき光学特性として材料の屈折率を例証的に識別するが、他の光学特性も、構造の異なる部分内に堆積するための材料のタイプを識別するときに検討され得ることに留意されたい。例えば、不透明度および吸光度は、構造の異なる部分内への堆積のための材料を識別し、最終製品の局所特性を調整するために使用され得る他の特性である。
【0094】
加えて、あるタイプの材料は、転写前に、別の材料の上方/下方に堆積させられ得る。例えば、ある屈折率材料は、転写直前に第2の屈折率材料の直下に堆積させられ、回折光学要素を形成するための屈折率勾配を生成し得る。これは、例えば、
図17Aに示される構造(または前述または図中の他の関連構造のいずれか)を実装するために使用されることができる。
【0095】
別の実施形態によると、多側面転写が、光学構造の複数の側面に転写するために採用され得る。これは、転写が、光学要素の異なる側面上で生じ、ベース層体積を通した機能の多重化を実装することを可能にする。この方法において、異なる接眼レンズ機能が、格子構造機能に悪影響を及ぼさずに実装されることができる。
【0096】
図21A−Bは、全内部反射回折光学要素の状況における、2側面転写を実装するための例示的アプローチを図示する。
図21Aに図示されるように、第1のテンプレート2102aは、ある転写を基板/転写受け取り側2108の側面「A」上に生成するために使用され得る。これは、第1の材料を構造の側面A上に有する第1のパターン2112を形成する。
【0097】
図21Bに図示されるように、テンプレート2102bは、第2の転写を同一基板の側面「B」上に生成するために使用され得る。これは、第2の材料を基板の側面B上に有する第2のパターン2114を形成する。
【0098】
側面AおよびBは、同一もしくは異なるパターンを有し得、および/または同一もしくは異なるタイプの材料を有し得ることに留意されたい。加えて、各側面上のパターンは、さまざまな層厚(例えば、
図19のアプローチを使用して)を備え得、および/または異なる材料タイプを同一側面上に有し得る(例えば、
図20のアプローチを使用して)。
【0099】
図22に示されるように、第1のパターン2112は、基板2108の側面A上に転写され、第2のパターン2114は、反対側面B上に転写されている。結果として生じる2側面転写された要素2200の複合機能が、ここで、実現されることができる。特に、入射光が、2側面転写された要素2200に印加されるとき、一部の光は、要素2200から出射し、第1の機能1を実装する一方、他の光は、出射し、第2の機能2を実装する。
【0100】
追加の実施形態は、多層重転写および/または多層分離/オフセット基板統合に関する。これらのアプローチのいずれか/両方では、以前に転写されたパターンが、再び、噴出および印刷されることができる。接着剤が、第1の層上に噴出させられることができ、第2の基板がそれに接合され(おそらく空隙を伴って)、後続噴出プロセスが、第2の基板上に堆積させ、転写することができる。一連の転写されたパターンは、ロールツーロールプロセスにおいて順次互いに接合されることができる。多層重転写を実装するアプローチは、多層分離/オフセット基板統合アプローチと共に、またはその代わりに使用され得ることに留意されたい。
【0101】
図23は、多層重転写を実装するためのアプローチを図示する。ここでは、第1の転写材料2301が、基板上2308に堆積させられ、転写されることができる。この後、第2の転写材料2302の堆積(および可能な転写)が続く。これは、第1の転写材料2301および第2の転写材料2302の両方を有する複合多層構造をもたらす。一実施形態では、後続転写が、第2の転写材料2302のために実装され得る。代替実施形態では、後続転写は、第2の転写材料2302のために実装されない。
【0102】
図24は、多層分離/オフセット基板統合を実装するためのアプローチを図示する。ここでは、第1の基板1および第2の基板2の両方が、転写材料で堆積させられ、次いで、転写され得る。その後、基板1および基板2は、挟み込まれ、接合され得、一実施形態では、おそらく、基板2の活性構造と基板1の裏側との間に空隙2402を提供するオフセット特徴(同様に転写される)を伴う。転写されたスペーサ2404が、空隙2402を生成するために使用され得る。
【0103】
さらに別の実施形態によると、基板にわたり分布される材料の可変体積堆積を実装するためのアプローチが開示され、それは、表面不均一性の先験的知識に依存し得る。説明するために、
図25に示される基板2502を検討する。示されるように、基板2502の表面不均一性は、望ましくない平行度をもたらし、不良光学性能を生じさせ得る。この場合、基板2502(または以前に転写された層)は、変動性に対して測定され得る。
【0104】
転写材料の可変体積堆積が、下層トポグラフィまたは物理的特徴セットから独立して、堆積させられるべき転写材料の水平分布を提供するために採用され得る。例えば、基板は、真空チャックによって平坦に引っ張られ、原位置計測が、例えば、低コヒーレンスまたはレーザベースの接触測定プローブを用いて、表面高さを査定するために行われることができる。転写材料の分配体積は、再現時、より均一な層をもたらすために測定データに応じて変動させられることができる。この例では、基板の部分2504aは、最高レベルの変動を有し、部分2504bは、中間レベルの変動を有し、部分2504cは、最低レベルの変動を有する。したがって、大体積の転写材料が、部分2504a内に堆積させられ得、中体積の転写材料が、部分2504bの中に堆積させられ、および小/標準体積転写材料が、部分2504cの中に堆積させられる。結果として生じる製品2506によって示されるように、これは、より均一な総基板/転写材料/転写パターン厚をもたらし、それは、ひいては、転写されたデバイスの性能を調整し、またはそれに恩恵をもたらし得る。
【0105】
例は、厚さの不均一性に起因する変動を示すが、他のタイプの不均一性も、本発明の本実施形態によって対処され得ることに留意されたい。別の実施形態では、そのような変動は、くぼみ、ピーク、もしくは他の異常、または基板上の局所位置に関連付けられた特徴の存在に起因し得る。
【0106】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、本発明のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、種々の修正ならびに変更がそこに行われ得ることは明白であろう。例えば、前述のプロセスフローは、プロセスアクションの特定の順序を参照して説明されている。しかしながら、説明されるプロセスアクションの多くの順序は、本発明の範囲または動作に影響を及ぼすことなく、変更され得る。本明細書および図面は、故に、制限的意味ではなく、例証的意味におけるものであると見なされる。
【0107】
種々の本発明の例示的実施形態が、本明細書で説明される。非限定的な意味で、これらの実施例が参照される。それらは、本発明のより広くて紀要可能な側面を例証するように提供される。種々の変更が、説明される本発明に行われ得、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、同等物が置換され得る。加えて、特定の状況、材料、物質組成、プロセス、プロセス行為、またはステップを本発明の目的、精神、もしくは範囲に適合させるように、多くの修正が行われ得る。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書で説明および例証される個々の変形例の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わせられ得る、離散構成要素および特徴を有する。全てのそのような修正は、本開示に関連付けられる請求項の範囲内にあることを目的としている。
【0108】
本発明は、対象デバイスを使用して行われ得る方法を含む。方法は、そのような好適なデバイスを提供するという行為を含み得る。そのような提供は、エンドユーザによって行われ得る。換言すれば、「提供する」行為は、単に、エンドユーザが、対象方法において必須デバイスを提供するように、取得し、アクセスし、接近し、位置付けし、設定し、起動し、電源を入れ、または別様に作用することを要求する。本明細書で記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順番で、ならびに事象の記載された順番で実行され得る。
【0109】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関しては、これらは、上記で参照された特許および出版物と関連して理解されるとともに、概して、当業者によって公知または理解され得る。一般的または論理的に採用されるような追加の行為の観点から、本発明の方法ベースの側面に関して、同じことが当てはまり得る。
【0110】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意的に組み込むいくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるような説明および指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われ得、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、同等物(本明細書に記載されようと、いくらか簡単にするために含まれていなかろうと)が置換され得る。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定または介在値が、本発明内に包含されることを理解されたい。
【0111】
説明される本発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせて、記載および請求され得ることも想定される。単数形のアイテムへの参照は、複数形の同一のアイテムが存在するという可能性を含む。より具体的には、本明細書で、および本明細書に関連付けられる請求項で使用されるように、「1つの(「a」、「an」)」、「該(said)」、および「the(the)」という単数形は、特に規定がない限り、複数形の指示対象を含む。換言すれば、冠詞の使用は、上記の説明ならびに本開示に関連付けられる請求項において、対象アイテムの「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項の要素の記載と関連して、「単に」、「のみ」等の排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のために、先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0112】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示に関連付けられる請求項での「備えている」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質の変換として見なすことができるかにかかわらず、任意の追加の要素を含むことを可能にするものとする。本明細書で具体的に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広い一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0113】
本発明の範疇は、提供される実施例および/または対象の明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示に関連付けられる請求項の言葉の範囲のみによって限定されるものである。
【0114】
例証される実施形態の上記の説明は、排他的であること、または実施形態を開示される精密な形態に限定することを意図するものではない。具体的実施形態および実施例が、例証目的のために本明細書に説明されているが、種々の同等修正が、当業者によって認識されるであろうように、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、行われることができる。種々の実施形態の本明細書に提供される教示は、必ずしも、概して上記に説明される例示的ARシステムではなく、仮想またはARもしくはハイブリッドシステムを実装する、および/またはユーザインターフェースを採用する、他のデバイスにも適用されることができる。
【0115】
例えば、前述の詳細な説明は、ブロック図、概略図、および実施例の使用を介して、デバイスおよび/またはプロセスの種々の実施形態を記載している。そのようなブロック図、概略図、および実施例が、1つ以上の機能および/もしくは動作を含有する限り、そのようなブロック図、フロー図、または実施例内の各機能および/もしくは動作は、実装される、個々におよび/または集合的に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または事実上任意のそれらの組み合わせによって実装され得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【0116】
一実施形態では、本主題は、特定用途向け集積回路(ASIC)を介して実装され得る。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される実施形態は、全体的または部分的に、1つ以上のコンピュータによって実行される1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で起動する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)によって実行される1つ以上のプログラムとして、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)によって実行される1つ以上のプログラムとして、ファームウェアとして、もしくは事実上任意のそれらの組み合わせとして、標準的集積回路内に同等に実装されることができ、ソフトウェアおよび/またはファームウェアのための回路の設計ならびに/もしくはコードの書込が、本開示の教示に照らして、十分に当業者の技術の範囲内にあるであろうことを認識するであろう。
【0117】
論理が、ソフトウェアとして実装され、メモリ内に記憶されると、論理または情報は、任意のプロセッサ関連システムまたは方法による使用もしくはそれと関連した使用のために、任意のコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶されることができる。本開示の文脈では、メモリは、コンピュータおよび/またはプロセッサプログラムを含有もしくは記憶する、電子、磁気、光学、または他の物理的デバイスもしくは手段である、コンピュータ読み取り可能な媒体である。論理および/または情報は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスから命令をフェッチし、論理および/または情報に関連付けられた命令を実行することができる、コンピュータベースのシステム、プロセッサ含有システム、または他のシステム等の命令実行システム、装置、またはデバイスによる使用もしくはそれと関連した使用のために、任意のコンピュータ読み取り可能な媒体において具現化されることができる。
【0118】
本明細書の文脈では、「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、命令実行システム、装置、および/またはデバイスによる使用もしくはそれと関連した使用のために、論理および/または情報に関連付けられたプログラムを記憶し得る、任意の要素であることができる。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、限定ではないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置、もしくはデバイスであることができる。コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的実施例(非包括的リスト)として、ポータブルコンピュータディケット(磁気、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、セキュアデジタル、または均等物)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CDROM)、デジタルテープ、および他の非一過性媒体が挙げられるであろう。
【0119】
本明細書に説明される方法の多くは、変形例とともに行われることができる。例えば、方法の多くは、追加の行為を含む、いくつかの行為を省略する、および/または例証もしくは説明されるものと異なる順序で行われ得る。
【0120】
上記の種々の実施形態を組み合わせてさらなる実施形態を提供することができる。本明細書中において言及した、および/または出願データシートに列挙した米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物は全て、本明細書の具体的教示および定義に矛盾しない限り、それらの全体が引用により本明細書に組み入れられる。実施形態の態様は、なおさらなる実施形態を提供するために、種々の特許、出願、および刊行物のシステム、回路、および概念を利用することが必要である場合には、改変されることができる。
【0121】
これらおよび他の変更が、上記に詳述される説明に照らして、実施形態に成されることができる。概して、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を、本明細書および請求項で開示される具体的実施形態に限定するように解釈されるべきではないが、そのような請求項が権利を持つ均等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。故に、請求項は、本開示によって限定されない。
【0122】
さらに、上記で説明される種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせられることができる。その上さらなる実施形態を提供するために、種々の特許、出願、および出版物の概念を採用するように、必要であれば、実施形態の側面を修正されることができる。
【0123】
これらおよび他の変更が、上記に詳述される説明に照らして、実施形態に成されることができる。概して、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を、本明細書および請求項で開示される具体的実施形態に限定するように解釈されるべきではないが、そのような請求項が権利を持つ均等物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。故に、請求項は、本開示によって限定されない。