特許第6873062号(P6873062)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6873062レーザ加工ヘッド、および、レーザ加工ヘッドを備えたレーザ加工装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873062
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】レーザ加工ヘッド、および、レーザ加工ヘッドを備えたレーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/03 20060101AFI20210510BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B23K26/03
   G02B13/00
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-568157(P2017-568157)
(86)(22)【出願日】2016年6月20日
(65)【公表番号】特表2018-520883(P2018-520883A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】EP2016064135
(87)【国際公開番号】WO2017001220
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2019年3月11日
(31)【優先権主張番号】102015211999.8
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502300646
【氏名又は名称】トルンプフ ヴェルクツォイクマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Trumpf Werkzeugmaschinen GmbH + Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(72)【発明者】
【氏名】ボリス レゴー
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−245675(JP,A)
【文献】 特開2012−252037(JP,A)
【文献】 特開平02−252451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/03
G02B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工レーザビーム(3)を加工対象のワーク(4)に集光させるための集光装置(2)であって、前記加工レーザビーム(3)の加工光路(14)上に配置されている集光装置(2)と、
検出器(6)を有する光学結像装置(5)であって、前記集光装置(2)を貫通する観察光路(10)に沿って、前記ワーク(4)の加工領域(9)からの観察光(8)を前記検出器(6)に結像するように構成されている光学結像装置(5)と、
前記観察光(8)の前記観察光路(10)を前記加工レーザビーム(3)の前記加工光路(14)から分離するためのビームスプリッタ(13)と、
を備えているレーザ加工ヘッド(1)において、
前記観察光路(10)上において前記ビームスプリッタ(13)と前記検出器(6)との間に配置された、前記光学結像装置(5)の結像光学系(16)と、
前記結像光学系(16)と前記検出器(6)との間に配置された、前記検出器(6)から離隔した絞り部(15)と、
を備えており、
前記結像光学系(16)は、前記加工レーザビーム(3)の前記加工光路(14)上において前記ビームスプリッタ(13)と前記ワーク(4)との間に前記絞り部(15)の像(15a)を生成するように構成されており、
前記結像光学系は、ケプラー望遠鏡(16)として構成されている、
ことを特徴とする、レーザ加工ヘッド(1)。
【請求項2】
前記絞り部(15)の像(15a)を前記加工光路(14)上において前記集光装置(2)と前記ワーク(4)との間に生成するように構成されている、
請求項1記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項3】
前記絞り部(15)の像(15a)を前記加工光路(14)上において前記ビームスプリッタ(13)と前記集光装置(2)との間に生成するように構成されている、
請求項1記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項4】
前記ビームスプリッタ(13)と前記集光装置の集光レンズ(2)との間に位置する、当該集光レンズ(2)の焦点平面(18)内に、前記絞り部(15)の像(15a)を生成するように構成されている、
請求項3記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項5】
前記絞り部(15)の像(15a)を前記集光装置の集光レンズ(2)に生成する、
請求項1記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項6】
前記絞り部(15)は、前記観察光路(10)上において可動であり、および/または、前記絞り部(15)の絞り開口(15a)は、前記観察光路(10)に対して垂直に可動である、
請求項1から5までのいずれか1項記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項7】
前記ケプラー望遠鏡(16)の第1のレンズ(16a)と第2のレンズ(16b)との間の共通の焦点平面(17)内に、他の絞り部(19)が配置されている、
請求項記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項8】
前記ビームスプリッタ(13)から前記検出器(6)への前記観察光路(10)上における前記ケプラー望遠鏡(16)の前記第1および/または前記第2のレンズ(16a,16b)は、当該観察光路(10)上において可動である、
請求項記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項9】
前記他の絞り部(19)は、前記第2のレンズ(16b)と連動して前記観察光路(10)上において移動することができる、
請求項記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項10】
前記光学結像装置(5)は、前記ワーク(4)の前記加工領域(9)を前記検出器(6)に結像させるために、前記絞り部(15)と前記検出器(6)との間に配置された他の光学系(7)を備えている、
請求項1からまでのいずれか1項記載のレーザ加工ヘッド。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載のレーザ加工ヘッド(1)と、前記加工レーザビーム(3)を生成するための光源(21)と、を備えている、レーザ加工装置(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工ヘッドに関し、当該レーザ加工ヘッドは、加工レーザビームを加工対象のワークに集光させるための集光装置であって、加工レーザビームの加工光路上に配置された集光装置と、検出器を有する光学結像装置であって、集光装置を貫通する観察光路に沿ってワークの加工領域からの観察光を検出器に結像するように構成されている光学結像装置と、観察光の観察光路を加工レーザビームの加工光路から分離するためのビームスプリッタと、を備えている、レーザ加工ヘッドに関する。本発明はまた、かかるレーザ加工ヘッドを備えたレーザ加工装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ材料加工では、レーザ加工ヘッドに配置された、レンズおよび/またはミラーから成る光学システムであって、集光装置を備えた光学システムによって、加工レーザビームを加工光路に沿って導き、加工対象のワークに集光させる。
【0003】
レーザ材料加工中にプロセス観察を行うためには、通常は、レーザ加工ヘッド内において、加工光路上にビームスプリッタ(たとえば、波長選択性ミラーまたはスクレイパーミラー)が配置されており、このビームスプリッタによって、観察光路を加工光路から分離する。
【0004】
かかるレーザ加工ヘッドは、たとえば独国特許発明第10120251号明細書(DE10120251B4)に開示されている。同文献において記載されているレーザ加工ヘッドはセンサ装置を備えており、このセンサ装置は、結像光学系と、絞り部と、感光性の受光部とを備えた、空間分解能を有する受光システムを備えている。結像光学系によって、レーザビームとワークとの間の相互作用ゾーンの範囲の領域を、検出器に配置された絞り部に結像させることができる。検出対象の観察野を選択するため、絞り部を少なくとも、結像光学系の光軸に対して垂直な方向に移動可能とすることができる。
【0005】
ワークから出た光束を、加工レーザビームの側方に配置された偏向ミラーを介して観察チャネルへ供給する、プロセス観察用のレーザ加工ヘッドが、独国特許出願公開第19630437号明細書(DE19630437A1)から公知となっている。
【0006】
このいわゆる同軸プロセス観察では、観察光路は集光装置を貫通して延在し、典型的には、加工レーザビームの光軸と観察光路の光軸とは一致する。集光装置は典型的には、加工レーザビームをワークに集光する集光レンズを備えており、ないしは、集光レンズから構成されており、このことによって複数の問題が生じる。
【0007】
集光レンズに高パワーの加工レーザ光を通すと、加工レーザ光の吸収によって、レンズ基板と、典型的には存在するレンズコーティングとに熱レンズが形成される。すなわち、基板における屈折率は均一でなくなり、形成される温度勾配に伴って変化する。集光レンズにおける加工レーザビームのパワーの分布が回転対称的である理想的な場合には、集光レンズは中央において最大温度を示し、径方向外側にレンズ縁部に向かうに従って温度は低下していく。CO加工レーザビームを使用し、かつ、当該加工レーザビームを集光するためにセレン化亜鉛レンズを使用する場合、レーザパワーが増大して加工持続時間が進行することに伴い、集光レンズの最大5%の有意な焦点距離短縮が生じる。レーザビームを生成する光源として固体レーザおよび水晶光学系を使用する場合、上記効果は比較的顕著でなくなるが、出力密度が大きい場合には、同様に当該効果が集光レンズにおいて現れる。
【0008】
加工レーザビームの集光に際しては、熱レンズによって生じる収差は許容範囲内である。しかし、熱により引き起こされる収差は、プロセス観察のために集光レンズによって同軸で行われる、加工プロセスの結像、すなわち、観察光において問題となる。一般的には、集光レンズにおいて形成される屈折率勾配によって集光レンズの結像特性が悪くなり、これにより、この集光レンズを通じて加工プロセスの同軸観察を行うための、観察光路上に配置された光学結像装置は、集光レンズの異なる熱負荷状態に対応して満足するように最適化することができなくなる。
【0009】
さらに、集光レンズからの物体距離が変化した場合、すなわち、レーザ加工ヘッドとワーク表面との間の距離を変化させてワークを加工する必要がある場合にも、プロセス観察の精度に係る問題が生じる。このことは、たとえば、刺入と切削との交代時に当てはまる。さらに、物体平面の向きがレーザビーム軸に対して厳密に垂直になっていない場合(ひいては、観察軸に対して厳密に垂直になっていない場合)、観察精度に悪影響を及ぼし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許発明第10120251号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19630437号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題
本発明の基礎となる課題は、プロセス観察用の光学結像装置を備えたレーザ加工ヘッドであって、プロセス観察の精度を向上させて有利には観察をプロセス条件にフレキシブルに合わせて調整できるレーザ加工ヘッドを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の対象
前記課題は本発明では、冒頭に述べた分野のレーザ加工ヘッドであって、観察光路上においてビームスプリッタと検出器との間に光学結像装置の結像光学系が配置されており、結像光学系と検出器との間に、検出器から離隔した絞り部(「ファーフィールド絞り部」)が配置されており、結像光学系は、加工ビームの加工光路上においてビームスプリッタとワークとの間に絞り部の像を生成するように構成されているレーザ加工ヘッドによって、解決される。
【0013】
集光装置は1つまたは複数の(集光)レンズと、場合によっては1つまたは複数の反射光学素子とを備えることができる。これに代えて、集光装置は場合によっては、反射光学素子のみを備えることも可能である。検出器は、空間分解能を有する検出器、たとえばカメラとすることができ、また、空間分解能を有しない検出器、たとえばフォトダイオードとすることもできる。検出器は、たとえば可視波長領域内または赤外波長領域内であり得る観察光の(1つまたは複数の)波長を感知するものである。(集光された)加工レーザビームの中心軸は、典型的には光学結像装置の光軸と一致するので、加工領域の観察は集光レンズを通じて同軸で行われる。
【0014】
本発明のレーザ加工ヘッドは光学結像装置を備えており、光学結像装置は、典型的にはワーク表面と一致する物体平面を検出器に結像する。光学結像装置の結像光学系によって、観察光路上においてビームスプリッタと検出器との間に配置された、検出器への物体平面の結像用の絞りを行う絞り部が、加工レーザビームの加工光路上に配置されたかのように作用する(「仮想絞り部」)。物体平面の結像用の絞り部を実際に加工レーザビームの加工光路上に配置することは、絞り部を(高コストの)波長選択性の構成にしないと実現することができない。というのも、加工レーザビームはこの絞り部を通過しなければならないからである。
【0015】
本発明のレーザ加工ヘッドは、加工光路上における絞り部の像の具体的な位置に依存して異なる態様で、プロセス観察の精度についての改善に寄与することができる。
【0016】
一実施形態では、レーザ加工ヘッドは、絞り部の像を加工光路上において、集光装置、特に集光装置の集光レンズと、ワークないしは光学結像装置の物体平面との間に生成するように構成されている。絞り部が結像光学系を介して集光レンズと光学結像装置の物体平面との間に結像されるように絞り部を観察光路上に位置決めし、または、レーザ加工ヘッドないしは光学結像装置を構成すると、加工レーザビームのビーム軸に対して垂直ではない、物体平面の向きを補正することができる。というのも、集光レンズと物体平面としてのワーク表面との間に仮想絞り部が配置されている場合、加工領域のより外側に位置する物体点が、より内側に位置するレンズ領域によって結像されるからである。
【0017】
他の代替的な一実施形態では、レーザ加工ヘッドないしは光学結像装置は、絞り部の像を加工光路上においてビームスプリッタと集光装置との間に、特にビームスプリッタと集光装置の集光レンズとの間に生成するように構成されている。絞り部が結像光学系を介して、加工レーザビームの加工光路上の、ビームスプリッタと集光装置の集光レンズとの間の、典型的には観察光がコリメートされて通過する区間に結像されるように、絞り部を観察光路上に位置決めすると、集光レンズに熱負荷がかかったときの集光レンズの焦点距離変化または加工距離の変動が物体平面の結像に及ぼす影響を、以下説明するように補償することができる。
【0018】
集光レンズに熱負荷がかかると集光レンズの焦点距離が短くなる。これは、加工レーザビームの入射したレーザパワーに依存して計算により求めることができる。よって、集光レンズに熱負荷がかかった場合に検出器における物体平面の結像がテレセントリックに行われるように、観察光路上における絞り部の位置を選択することができる。こうするためには、結像される仮想絞り部ないしは絞り部の像が、熱負荷を受ける集光レンズの焦点平面内に位置し、これにより、レーザ加工中にプロセス場所ないしは加工領域のテレセントリック結像が達成されるように、絞り部の位置を選択する。このテレセントリック結像の場合、倍率は物体距離によっては変化しない。すなわち、加工距離が変化した場合であっても、物体サイズを確実に測定することができる。加工ビームのレーザパワーが異なると、集光レンズにかかる熱負荷も変化するので、観察光路上における絞り部の位置が変化しない場合、テレセントリック結像に(小さい)誤差が生じる。この誤差を回避したい場合には、絞り部を移動させて結像光学系を適合すること(すなわち、結像光学系の光学素子のうち少なくとも1つを移動させること)によって行うことができる。
【0019】
本実施形態の一変形態様では、レーザ加工ヘッドは、ビームスプリッタと集光レンズとの間に位置する、集光装置の集光レンズの焦点平面内に、絞り部の像を生成するように構成されている。その際には、検出器における物体平面の結像は、集光レンズに熱負荷がかかっていない場合にはテレセントリックで行われ、このテレセントリック結像の場合、結像された物体点からの全ての主光線が平行に延在することにより、物体距離が変化した場合、倍率は変化しないこととなる。よってかかる場合には、集光レンズからの物体距離の変化は結像に影響を及ぼさない。
【0020】
他の代替的な一実施形態では、レーザ加工ヘッドないしは光学結像装置は、絞り部の像を集光装置の集光レンズに生成するように構成されている。絞り部が結像光学系を介して集光レンズ内に結像されるように絞り部を観察光路上に配置すると、ワークのプロセス場所ないしは加工領域の結像は、集光レンズに実際の絞り部が配置されているかのように行われる。その絞り開口は、集光レンズにかかる熱負荷が一様である、集光レンズの小さな内側領域のみを包囲する。よって、プロセス場所ないしは加工領域の全ての物体点の結像に対して、集光レンズの実質的に均一な屈折率変化が働くように、これら全ての物体点が集光素子によって結像される。このようにして、全ての物体点について適切に最適化された結像光学系によって熱レンズを均一に補正することができる。
【0021】
上述の実施形態の一発展形態では、絞り部は観察光路上において可動であり、および/または、絞り部の(少なくとも1つの)絞り開口は観察光路に対して垂直に(絞り平面内において)可動である。上記にて説明したように、観察光路上における絞り部の移動は、集光レンズに熱負荷がかかる場合に有利となる。かかる場合、絞り部を移動させることにより、加工光路上における絞り部の像が、加工ビームのレーザパワーに依存して常に所望の場所に位置すること、たとえば、熱負荷がかかる集光レンズの焦点平面内または集光レンズ自体に位置することを達成することができる。これに代えてまたはこれと共に、絞り部、より厳密にいうと絞り部の絞り開口を、観察光路上かつ加工光路に対して垂直方向においても、可変に位置決め可能とすることができる。こうするためには、絞り部をたとえば絞り平面内において可動とし、および/または、絞り開口に対して偏心で配置された、絞り平面に対して垂直に延在する回転軸まわりに回転可能とすることができる。加工光路の伝播方向に対して横方向に、ないしは、加工ビームの光軸に対して横方向に絞り部を位置決めできることにより、集光レンズのうち、検出器における物体平面の結像を行う部分領域を、調整することができる。このようにして、観察方向ないしは観察角度を変化させることができる。
【0022】
上記実施形態の一発展形態では、結像光学系は望遠鏡として、すなわち、ガリレイ望遠鏡または有利にはケプラー望遠鏡として構成されている。ケプラー望遠鏡は第1のレンズおよび第2のレンズを備えており、これらのレンズは相互間に自己の焦点距離をおいて配置されている。光学結像システムを用いて結像される物体平面の、ケプラー望遠鏡において生じる中間像により、組立時におけるシステム全体の位置合わせが簡素化し、下記にて説明するように、妨害となる散乱光の遮蔽が可能になる。この中間像は、ケプラー望遠鏡の両レンズ間に形成される焦点平面内に生成されるので、絞り部(「ファーフィールド絞り部」)は中間像と検出器との間、すなわち、コリメートされる光路上において当該望遠鏡の最後のレンズより下流に配置される。絞り部から望遠鏡の最後のレンズまでの距離が、加工光路上における仮想絞り部の位置を決定する。
【0023】
一発展形態では、ケプラー望遠鏡の第1のレンズと第2のレンズとの間の共通の焦点平面内に、他の絞り部が配置されている。ケプラー望遠鏡のこの焦点平面内には、有利には、妨害となる散乱光の影響を低減する追加の絞り部(「ニアフィールド絞り部」)を配置することができる。加工レーザビームの加工光路上の光学素子の反射された光成分、特に集光レンズの表面の反射された光成分は、この追加の絞り部によって遮蔽されて、検出器には到達しない。
【0024】
一発展形態では、ビームスプリッタを起点とする観察光路上においてケプラー望遠鏡の第1および/または第2のレンズが可動であるように、観察光路上に配置されている。熱に起因して集光レンズの焦点距離が変化した場合、または、レーザ加工ヘッドまでの物体距離が変化した場合には、ケプラー望遠鏡のレンズ間の中間像の位置が変化する。第2のレンズを移動させることにより、中間像が第2のレンズの焦点平面内に戻るように、ケプラー望遠鏡と絞り部(「ファーフィールド絞り部」)との間の距離を変化させることができる。このようにして、集光レンズの焦点距離ないしはケプラー望遠鏡と絞り部との間の物体距離が変化しても、観察光は平行に延在し、観察光ないしは観察光の光線は絞り部の絞り開口を平行に通過する。
【0025】
一発展形態では、上述の他の絞り部は第2のレンズと連動して観察光路上において移動することができる。「連動して移動」とは、移動時に他の絞り部と第2のレンズとの間の距離が一定のままであること、すなわち、これらがユニットとして移動することをいう。熱に起因して集光レンズの焦点距離が変化した場合、または、物体距離が変化した場合には、ケプラー望遠鏡の第2のレンズと追加の絞り部とから成るこのユニットを移動させることにより、追加の絞り部は正確に中間像内に戻る。追加の絞り部ないしは第2のレンズの移動は、典型的にはアクチュエータによって行われる。
【0026】
上記にて説明したように、さらに、加工光路上における絞り部の像が加工ビームのレーザパワーに依存して、熱負荷を受ける集光レンズの焦点平面内に常に位置するように、絞り部(「ファーフィールド絞り部」)も、特に第2の望遠鏡レンズに依存せずに、観察光路上において可動とすることができる。
【0027】
他の一実施形態では、加工領域を検出器に結像するための光学結像装置は、絞り部と検出器との間に配置された他の光学系を備えている。この光学系は、たとえば1つまたは複数のレンズを有することができ、典型的には、集光ユニットと共に、特に集光レンズと共に、検出器における物体平面ないしはワーク表面上の加工領域の結像を引き起こすように構成されている。
【0028】
他の一実施形態では、ビームスプリッタは波長選択性光学素子として構成されている。典型的には、加工レーザビームの波長と観察光の波長とは異なるので、波長選択性光学素子によって観察光路と加工光路との分離を行うことができる。これに代えて、ビームスプリッタを幾何学的なビームスプリッタとして、たとえばスクレイパーミラーとして構成することもできる。これは中央の開口を有し、この中央の開口を加工レーザビームまたは観察光が通過すると同時に、観察光または加工ビームがスクレイパーミラーにおいて偏向される。他の形態のビームスプリッタを使用することも可能である。
【0029】
本発明の他の一側面は、上記のレーザ加工ヘッドと、加工レーザビームを生成するための光源とを備えたレーザ加工装置に関する。この光源はたとえばCOレーザ、固体レーザ、特にディスクレーザ、ダイオードレーザ、または他の種類のレーザ光源とすることができる。レーザ加工装置はワークを加工するために、典型的には、レーザ加工ヘッドとワークとの相対移動を行うためのアクチュエータ等の形態の構成要素を備えている。レーザ加工ヘッドとワークとの間の距離も、レーザ加工装置の場合には典型的には調整することができる。ワークの加工を制御するため、レーザ加工装置は開ループ制御および/または閉ループ制御装置を備えている。
【0030】
明細書および図面から、本発明の他の利点が明らかである。また、上記構成、および、さらに詳細に記載する構成は、それ自体で単独で、または複数で任意の組み合わせで使用することも可能である。図示および記載された実施形態は限定列挙と解すべきものではなく、むしろ、本発明を説明するための例示的な性質を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】集光レンズに結像される絞り部を有する光学結像装置を備えたプロセス観察用のレーザ加工ヘッドを有する、一実施例のレーザ加工装置の概略図である。
図2】絞り部が集光レンズの焦点平面内に結像される、図1と同様の図である。
図3】絞り部が集光レンズとワーク表面との間に結像される、図2と同様の図である。
図4】光学結像装置のケプラー望遠鏡の第1のレンズと第2のレンズとの間の焦点平面内に他の絞り部が配置されている、図2および図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の図面の説明において、同一または同一機能の構成部分には同一の符号を使用している。
【0033】
図1は、レーザ加工ヘッド1の一例の構成を示しており、このレーザ加工ヘッド1は、加工レーザビーム3をワーク4に集光するために供される、集光レンズ2の形態の集光装置を備えている。図示の実施例では、ワーク4、厳密にいうとワーク表面4aは、集光レンズ2から、当該集光レンズ2の焦点距離fないしは物体距離sに相当する距離に配置されている。レーザ加工ヘッド1はさらに、検出器6を有する光学結像装置5も備えている。レンズの形態の光学系7が、検出器6から当該光学系7の焦点距離fないしは物体距離sの場所に配置されており、この光学系7は、集光レンズ2と共に、光学結像装置5の物体平面となるワーク表面4aを、検出器6、厳密にいうと検出器6の感光面6aが配置された像平面に結像するために供されるものである。
【0034】
光学結像装置5を用いて、ワーク4の加工領域9から出た観察光8(たとえばプロセス光)を、観察光路10に沿って検出器6に結像させる。この観察光路10は、集光レンズ2とワーク4との間の区間内の加工レーザビーム3のレーザビーム軸11と一致する光軸上に延在する。加工領域9には、図中の実施例では加工ビーム3によってワーク4に刺入されるが、他の加工プロセス、たとえば切削加工または溶接加工を加工領域9に施すことも可能である。図1を見ると分かるように、観察光路10はワーク4から出発して、加工レーザビーム3のレーザビーム軸11と同軸で、加工ノズル12と集光レンズ2とを通って延在している。検出器6に結像される加工領域9を含むワーク4のこの一部分の縁部側は、加工ノズル12の内側輪郭によって区切られる。
【0035】
レーザ加工ヘッド1にはビームスプリッタ13が配置されており、これは図示の実施例では、観察光8の観察光路10を加工レーザビーム3の加工光路14から分離するため、波長選択性光学素子として、ないしは、波長選択性コーティングを有するビームスプリッタミラーとして構成されている。図示の実施例ではビームスプリッタ13は、加工レーザビーム3を反射して、当該加工レーザビーム3とは異なる波長を有する観察光8を透過させるように構成されている。もちろん、図1に示された構成とは異なり、波長選択性コーティングの態様に依存してビームスプリッタ13において加工レーザビーム3を、場合によっては90°とは異なる角度で偏向することも可能である。
【0036】
光学結像装置5は、ケプラー望遠鏡16の形態の結像光学系を備えており、このケプラー望遠鏡16は、観察光路10上においてビームスプリッタ13から検出器6へ第1のレンズ16aと、当該観察光路10上においてビームスプリッタ13から検出器6へ第2のレンズ16bとを備えている。ケプラー望遠鏡16の焦点距離fを有する第1のレンズ16aと、当該ケプラー望遠鏡16の焦点距離fを有する第2のレンズ16bとは、相互間に両レンズの焦点距離f+fの和の距離をおいて配置されている。このケプラー望遠鏡16によって、図1に示された実施例では、絞り部15が集光レンズ2に結像される。すなわち、ケプラー望遠鏡16は集光レンズ2に絞り部15の像15aを生成する。絞り部15と第2のレンズ16bとの間の距離sは、第2のレンズ16bの焦点距離fに相当し、絞り部15が集光レンズ2に鮮明に結像されるように、距離sは、第1のレンズ16aと当該集光レンズ2との間の距離sに整合されている。図1を見ると、絞り部15は、ケプラー望遠鏡16によって拡大されて集光レンズ2に結像されることも分かる。
【0037】
絞り部15の像15aは光学結像装置5を用いて、絞り部15が加工レーザビーム3の加工光路14上の集光レンズ2に配置されているかのように、検出器6への加工領域9の結像に作用する。絞り部15の像15aの絞り開口は、集光レンズ2の径方向内側の、集光レンズ2にかかる熱負荷が一様ないしは均等に分布している小さな領域のみを包囲する。よって、加工領域9の物体点のうち、物体点が結像されると実質的に集光レンズ2の等しい屈折率変化が有効になる物体点のみが結像されるので、熱レンズは、検出器6への加工領域9の結像に実質的に影響を及ぼさなくなる。
【0038】
図1に示されているレーザ加工ヘッド1は、レーザ加工装置20においてワーク4を加工するためのレーザ加工プロセスを実施するために使用される。レーザ加工装置20は、加工レーザビーム3を生成するための光源21と、ワーク加工を行うための、特にレーザ加工ヘッド1とワーク4との相対移動の発生を行うための他の構成要素を備えている。簡略化のため、この他の構成要素は図示されていない。光源21は、COレーザ光源、固体レーザ光源、ダイオードレーザ光源、または、他の種類のレーザ光源とすることができる。
【0039】
図示の実施例では、ケプラー望遠鏡16の第2のレンズ16bは観察光路10上において可動に配置されており、(図示されていない)アクチュエータを用いて観察光路10上において、厳密にいうと光軸11上において、図1で双方向矢印により示されているように第2のレンズ16bを移動させることができる。熱に起因して集光レンズ2の焦点距離が変化した場合、または、ワーク4とレーザ加工ヘッド1の集光レンズ2との間の距離sが変化した場合、加工領域9の中間像の位置が変化する。この中間像は、かかる熱レンズないしは熱負荷が無い状態で、ケプラー望遠鏡16の両レンズ16a,16b間の共通の焦点平面17に生成されるものである。ケプラー望遠鏡16の第2のレンズ16bを移動させることにより、この中間像は第2のレンズ16bの焦点平面17内に戻り、レンズ16bより下流の光線束はコリメートされ、コリメートされた状態で絞り部15を通過する。さらに、熱に起因する集光レンズ2の焦点距離変化によって生じる、仮想絞り部15aの位置の誤差を補正するため、絞り部15も観察光路10上において可動に配置することができる。
【0040】
同様にプロセス観察の改善を可能にするレーザ加工ヘッド1を、図2に示す。図2に示されているレーザ加工ヘッド1と、図1に示されているレーザ加工ヘッド1との大きな相違点は、ケプラー望遠鏡16の形態の結像光学系は絞り部15を集光レンズ2に結像するのではなく、加工レーザビーム3の加工光路14上において集光レンズ2とビームスプリッタ13との間に結像し、しかも図示の実施例では、(物体側および像側の)焦点距離fが一致する集光レンズ2の(像側の)焦点平面18に結像することである。ビームスプリッタ13と集光レンズ2との間では、加工レーザビーム3および観察光8の双方がコリメートされる。絞り部15の像15aを集光レンズ2の焦点平面18に配置すると、集光レンズ2が熱負荷を全く受けない場合、ないしは、僅かしか熱負荷を受けない場合、光学結像装置5を用いた検出器6への物体平面ないしはワーク表面4aの結像はテレセントリックに行われる。
【0041】
集光レンズ2によって、絞り部15の像15aが生成される、当該集光レンズ2のワーク4とは反対側の焦点平面18に、ワーク表面4a(物体平面)の中間像が生成され、この中間像は加工領域9を含む。物体距離sの変化、すなわちワーク表面4aと集光レンズ2との間の距離の変化は、この場合においては結像に影響を及ぼさない。というのもテレセントリック結像の場合、倍率は物体距離によっては変化しないので、ワーク表面4aの、加工領域9を含む結像された領域は、変化せずに維持されるからである。
【0042】
熱負荷の際に集光レンズ2の焦点距離変化がワーク表面4aないしは加工領域9の結像に及ぼす影響を補償する必要がある場合には、ケプラー望遠鏡16によって、熱負荷を受ける集光レンズ2の、図2に示された焦点平面18と当該集光レンズ2自体との間に位置する、観察光路10上の位置に、絞り部15が結像されるように、絞り部15を観察光路10上に配置する。集光レンズ2に熱負荷がかかることにより、熱負荷がない状態の焦点距離fより短縮した焦点距離f’が生じ(図2参照)、これは、計算によってレーザパワーの強度に依存して求めることができる。よって、レーザパワーが分かっている場合には、レーザ加工中であっても加工領域9ないしはワーク表面4aを検出器6にテレセントリックに結像させるべく、熱負荷を受けて焦点距離f’が短縮した集光レンズ2の、当該集光レンズ2の方向に移動した(図示されていない)焦点平面内に、絞り部15の像15aが来るように、観察光路10上における絞り部15の位置を選択することができる。絞り部15の像15aを常に集光レンズ2の焦点平面18内に結像させるためには、場合によっては、1つまたは複数の(図示されていない)アクチュエータを用いて、絞り部15と、ケプラー望遠鏡16または望遠鏡レンズ16a,16bの少なくとも1つのいずれかとを、観察光路10上において移動できることがある。
【0043】
レーザ加工装置20の制御装置22が、加工レーザビーム3のレーザパワーに依存する、集光レンズ2の焦点距離f,f’のモデルに基づいて、加工レーザビーム3のビーム軸11上における位置が変化する、集光レンズ2の焦点平面18内に、絞り部15の像15aを結像させるように、絞り部15の移動距離とケプラー望遠鏡16ないしは第1の望遠鏡レンズ16aまたは第2の望遠鏡レンズ16bの移動距離とを常時調整することができる。熱に起因する集光レンズ2の焦点距離変化によって生じる、仮想絞り部15aの位置決めの誤差が僅かである場合には、絞り部15が可動であることを要しない。
【0044】
図3は、ケプラー望遠鏡16の形態の結像光学系が加工レーザビーム3の加工光路14上において集光レンズ2とワーク表面4aとの間に絞り部15の像15aを生成するレーザ加工ヘッド1を備えたレーザ加工装置20を示す。かかる態様により、ワーク4と集光レンズ2との間に絞り部15の像15aを位置決めした場合、ワーク表面4aの加工領域9のより外側に位置する物体点が集光レンズ2のより内側に位置するレンズ領域によって結像されるので、結像時に、加工レーザビーム3のビーム軸11に対して垂直でない物体平面ないしはワーク平面4aを補正することができる。
【0045】
図4に示されている実施例では、図1に示されている実施例と同様、絞り部15は集光レンズ2内に結像される。図1に示されているレーザ加工ヘッド1とは対照的に、光学結像装置5のケプラー望遠鏡16は他の絞り部19(「ニアフィールド絞り部」)を有し、これは、第1のレンズ16aと第2のレンズ16bとの間のケプラー望遠鏡16の焦点平面17内に配置されている。この他の絞り部19は、妨害となる散乱光が結像に及ぼす影響を緩和するために用いられる。加工レーザビーム3の加工光路14上の光学素子の反射された光成分、特に、観察光8の主光線に対して平行な角度では反射されない、集光レンズ2の表面の反射された光成分は、他の絞り部19によって遮蔽されて、検出器6には到達しない。
【0046】
図4に示されているレーザ加工ヘッド1では、他の絞り部19と第2のレンズ16bとが互いに連動して観察光路10上において移動できるように配置されている。すなわちこれらは、その相対距離を変化させることなく、観察光路10の光軸11上において移動することができる。他の絞り部19と第2のレンズ16bとを共に移動させるためには、図4中双方向矢印によって示唆されているアクチュエータを用いることができる。図1に示された実施例と同様、図4に示された実施例でも、熱に起因して集光レンズ2の焦点距離fが変化した場合、または物体距離sが変化した場合、第2のレンズ16bと他の絞り部19とから成るユニットを移動させることによって、光軸11上において移動した、ケプラー望遠鏡16の焦点平面17内のちょうど中間像内に、他の絞り部19を配置させることができる。
【0047】
図4に示されたレーザ加工ヘッド1ではさらに、絞り部15は観察光路10に対して垂直に、ないしはその光軸11に対して垂直に(すなわち、絞り平面内において可動に)観察光路10上に配置されている。絞り部15を移動させることにより、検出器6への加工領域9の結像が行われる、集光レンズ2の部分領域を調整することができる。このようにして、観察方向ないしは観察角度を変化させることができる。図4に同様に示されているように、こうするために代替的または追加的に、光軸11に対して平行に延在する回転軸まわりに絞り部15を回転させることができ、かかる回転によっても、絞り平面内における絞り部15の絞り開口15aの位置を調整することができる。
【0048】
まとめると、上記にて説明した態様により、レーザ材料加工の際のプロセス観察の精度、たとえばレーザ切削またはレーザ溶接の際のプロセス観察の精度を、改善することができる。また、プロセス観察を必要に応じてプロセス条件にフレキシブルに合わせて調整することもできる。もちろん、結像光学系16は必ずしもケプラー望遠鏡として構成する必要はなく、透過光学素子の他、反射光学素子を有することもでき、または、場合によっては反射光学素子からのみ構成されることもできる。また、ビームスプリッタ13も必ずしも波長選択性光学素子として構成されるものではなく、たとえば幾何学的なビームスプリッタとして、たとえばスクレイパーミラー等の形態で構成することもできる。集光装置は必ずしも1つの集光レンズから構成されることを要せず、たとえば加工レーザビーム3を集光するためにレンズ群を備え、または、反射光学素子を備え、もしくは反射光学素子から成ることができる。もちろん、上記にて説明した実施例は、集光装置がレンズ群の形態である場合にも類推的に適用することができる。その際には、集光レンズ2の焦点距離fは上記の考察に際しては、レンズ群の全焦点距離と置き換えられる。結像光学系16の各レンズ16a,16bも、もちろんレンズ群として構成することができる。その際には上記考察については、レンズ16a,16bの各焦点距離fないしはfは、各レンズ群の全焦点距離と置き換えられる。結像光学系16の各レンズ16a,16bの移動の制御、絞り部15の移動ないしは動きの制御、および、他の絞り部19がある場合にはその移動ないしは動きの制御は、レーザ加工装置20の制御装置22によって行われる。こうするためには、制御装置22は場合によっては、熱に起因する集光レンズ2の焦点距離変化についての情報を使用することができる。
図1
図2
図3
図4