特許 6873077 増強されたボディポジションフィードバックを提供するアパレル製品

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6873077

(24)【登録日】2021年4月22日

(45)【発行日】2021年5月19日

(54)【発明の名称】増強されたボディポジションフィードバックを提供するアパレル製品

(51)【国際特許分類】

   A41D 13/00 20060101AFI20210510BHJP

【ＦＩ】

   A41D13/00 115

【請求項の数】21

【全頁数】43

(21)【出願番号】特願2018-55763(P2018-55763)

(22)【出願日】2018年3月23日

(62)【分割の表示】特願2016-33199(P2016-33199)の分割

【原出願日】2008年5月14日

(65)【公開番号】特開2018-109258(P2018-109258A)

(43)【公開日】2018年7月12日

【審査請求日】2018年4月5日

【審判番号】不服2020-2420(P2020-2420/J1)

【審判請求日】2020年2月21日

(31)【優先権主張番号】11/756,291

(32)【優先日】2007年5月31日

(33)【優先権主張国】US

(73)【特許権者】

【識別番号】514144250

【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ

(74)【代理人】

【識別番号】100147485

【弁理士】

【氏名又は名称】杉村 憲司

(72)【発明者】

【氏名】ノードストローム マシュー ディー．

(72)【発明者】

【氏名】フォックス リチャード ワーレン

【合議体】

【審判長】 森藤 淳志

【審判官】 横溝 顕範

【審判官】 藤井 眞吾

(56)【参考文献】

【文献】 特開２００６−２２５８３３（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００５−２６４３９４（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開平１１−１２４７０２（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２００２−２２０７０８（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

A41B11/00-11/14

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

一つまたは複数の布要素を含み、かつ人の足の土踏まず部分への密着を提供し、かつ人の足の土踏まず部分を横切って延在するように構造化されかつ配設された土踏まず区域を含む、人の足のための衣類構造；および
該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも少なくとも１０％高く、着用者の動きを妨げることのない圧縮力適用能力を有する該衣類構造の該土踏まず区域を横切って延在する第一の領域を含む、該衣類構造の該土踏まず区域と係合したフットポジションフィードバックシステムであって、該第一の領域が該衣類構造の足の外側に位置する第一端から、該衣類構造の中底部分を横切って、該衣類構造の足の内側に位置する第二端まで延在し、前記第一端と前記第二端は、衣類構造の最大部分を構成する布要素と第一の領域との境界である、フットポジションフィードバックシステム
を含む、アパレル製品であって、
前記衣類構造の最大部分を構成する布要素は、足首から甲部分を通り足先まで連続する領域を有し、
前記フットポジションフィードバックシステムは、接着剤によって前記衣類構造と係合している、アパレル製品。

【請求項2】

衣類構造の甲部分の少なくとも一部分がフットポジションフィードバックシステムによって覆われない、請求項１記載のアパレル製品。

【請求項3】

フットポジションフィードバックシステムが、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を含み、第二の領域が衣類構造の内側足首もしくはかかと部分に沿って延在するか、または衣類構造の外側足首もしくはかかと部分に沿って延在する、請求項１記載のアパレル製品。

【請求項4】

第二の領域と第一の領域とが隣接している、請求項３記載のアパレル製品。

【請求項5】

フットポジションフィードバックシステムが、
衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該衣類構造の内側足首またはかかと部分に沿って延在する第二の領域、および
該衣類構造の該最大部分を構成する該布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該衣類構造の外側足首またはかかと部分に沿って延在する第三の領域
を含む、請求項３記載のアパレル製品。

【請求項6】

第二の領域と第一の領域とが隣接し、かつ第三の領域と第一の領域とが隣接している、請求項５記載のアパレル製品。

【請求項7】

フットポジションフィードバックシステムが多層構造を有する、請求項１記載のアパレル製品。

【請求項8】

フットポジションフィードバックシステムが、より高い圧縮力適用能力を提供する第一の材料層、および該第一の材料よりも低い圧縮力適用能力を有し、該第一の材料層と係合した第二の材料層を含む、請求項１記載のアパレル製品。

【請求項9】

フットポジションフィードバックシステムが、より高い圧縮力適用能力を提供する第一の材料層を含み、該第一の材料層が、その中に画定された第一の開口部を含む、請求項１記載のアパレル製品。

【請求項10】

フットポジションフィードバックシステムがさらに、第一の材料層と係合した第二の材料層を含み、該第二の材料層が、第一の材料よりも低い圧縮力適用能力を有し、かつ該第二の材料層が第一の開口部を覆う、請求項９記載のアパレル製品。

【請求項11】

フットポジションフィードバックシステムがさらに第三の材料層を含み、第二の材料層が第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれている、請求項８または１０記載のアパレル製品。

【請求項12】

フットポジションフィードバックシステムの第三の材料層が、衣類構造を構成する少なくとも一つの布要素と直接接触して、それにより、該フットポジションフィードバックシステムを該衣類構造と係合させる、請求項１１記載のアパレル製品。

【請求項13】

フットポジションフィードバックシステムが、衣類構造の足の内側から衣類構造の土踏まず区域を横切って、衣類構造の中底部分を横切って、衣類構造の足の外側まで延在する、第二の領域を含み、該第二の領域が、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有すると共に第一の領域よりも伸び抵抗が高く、第一の領域が該第二の領域を少なくとも部分的に取り囲む、請求項１記載のアパレル製品。

【請求項14】

フットポジションフィードバックシステムが、衣類構造の足の内側から衣類構造の土踏まず区域を横切って、衣類構造の中底部分を横切って、衣類構造の足の外側まで延在する、第二の領域を含み、該第二の領域が、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有すると共に第一の領域よりも伸び抵抗が高く、第一の領域が該第二の領域を取り囲む、請求項１記載のアパレル製品。

【請求項15】

フットポジションフィードバックシステムが衣類構造の土踏まず区域に位置するテクスチャリング要素を含む、請求項１〜１４のいずれか一項記載のアパレル製品。

【請求項16】

人の足のための衣類構造；
該衣類構造の土踏まず区域において該衣類構造と係合し、該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも少なくとも１０％高く、着用者の動きを妨げることのない圧縮力適用能力を有する、第一の高圧縮力適用領域であって、該衣類構造の足の外側に位置する第一端から、該衣類構造の中底部分を横切って、該衣類構造の足の内側に位置する第二端まで延在し、前記第一端と前記第二端は、衣類構造の最大部分を構成する布要素と第一の領域との境界である、第一の高圧縮力適用領域；
および
該衣類構造の足首およびふくらはぎ区域において該衣類構造と係合し、該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する、第二の高圧縮力適用領域
を含む、フットポジション意識増強衣類構造であって、
前記衣類構造の最大部分を構成する布要素は、足首から甲部分を通り足先まで連続する領域を有し、
前記第一の高圧縮力適用領域は、接着剤によって前記衣類構造と係合している、フットポジション意識増強衣類構造。

【請求項17】

衣類構造がソックスである、請求項１６記載のフットポジション意識増強衣類構造。

【請求項18】

第一の高圧縮力適用領域が、第二の高圧縮力適用領域の圧縮力適用能力とは異なる圧縮力適用能力を有する、請求項１６または１７記載のフットポジション意識増強衣類構造。

【請求項19】

着用者の第一の足を受け入れるための、第一の請求項１６〜１８のいずれか一項記載のフットポジション意識増強衣類構造；および
該着用者の第二の足を受け入れるための、第二の請求項１６〜１８のいずれか一項記載のフットポジション意識増強衣類構造
を含む、一組のソックス。

【請求項20】

第一のフットポジション意識増強衣類構造が、第二のフットポジション意識増強衣類構造の圧縮力適用構造とは異なる圧縮力適用構造を有する、請求項１９記載の一組のソックス。

【請求項21】

第一のフットポジション意識増強衣類構造が、第二のフットポジション意識増強衣類構造の圧縮力適用能力とは異なる圧縮力適用能力を有する、請求項１９記載の一組のソックス。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

発明の分野
本発明は、増強されたボディポジション感知情報を着用者に提供するアパレル製品に関する。増強されたボディポジション情報を着用者に提供するための構造は、アパレル製品と係合した別個の要素であってもよいし、アパレル構造の布の一部として一体に形成されていてもよい。

【背景技術】

【0002】

背景
多くの運動競技活動は、練習中および競技イベント中のいずれでも、参加者が同じまたは同様な活動を何度も繰り返し実行することを要求する。たとえば、ゴルファーは、ラウンドまたは練習セッションの過程で繰り返しゴルフクラブをスイングし、野球、ソフトボールまたはクリケットのプレーヤは、ゲームまたは練習の過程で繰り返しバットをスイングしたり、ボールを投げたりし、ヨガに熱心な人、体操選手およびダンサーは、同様なルーチンを繰り返し実行し、バスケットボールプレーヤは、フリースローおよび他のタイプのショットを繰り返し打ち、フットボールプレーヤは、繰り返し走る、投げる、ブロックする、突進する、走るなどし、ヨット選手、カヤック選手、カヌー選手、クルーチームメンバーまたは他の「ボート」系アスリートは、ローイングまたは他の動作を繰り返し実行し、ランナーは、繰り返しかつ周期的に腕および脚を動かすなどである。

【0003】

運動競技パフォーマンスの様々な部分における正しい体のポジショニングおよび／または動きは、アスリートを多様な方法で援助することができる。たとえば、活動中の正しいボディポジショニングおよび／または姿勢は、アスリートが、より効果的に、および／または別の物体に対してより良い方向で力を適用または発揮すること、下手なポジショニングまたは着地による怪我を回避すること、筋肉の痛みを予防すること、美観的により好ましいまたは堅実なルーチンを実行することなどに役立つことができる。トレーナおよびコーチは、アスリートが、運動競技パフォーマンスを増強し、反復可能かつ確実な動作を確立するために、自らの「フォーム」で正しいボディポジショニングおよびワーキングを展開することを援助するのに多大な時間を費やす。

【0004】

コーチまたはトレーナーの監視下で訓練することは、アスリートのフォームまたはボディポジショニングを大きく改善することができ、それが、結果として、改善された運動競技パフォーマンスをもたらすことができる。しかし、大部分の人にとって、コーチまたはトレーナーが常にいるわけではなく、練習またはパフォーマンス中、アスリートの体の多くの部分はアスリート自身には見えないため、多くの場合、アスリートにとって、ボディポジショニングおよびフォームを自らチェックする方法はない。人間は、通常の姿勢もしくはポジションにおいて、および／または一般的な動きの間に、自分の体の様々な部分の位置を容易に「感じる」ことはできない（たとえば、人は、一般に、スタンスまたは特定の動きの間に自分の腰のポジションまたは土踏まずのポジションを「感じる」ことはできない）。したがって、アスリートは、時間とともに、自分のパフォーマンスに悪影響を及ぼすやり方で、良くない姿勢、ボディポジショニングおよび／または他のフォーム悪化癖を身につけてしまう。

【発明の概要】

【0005】

以下、本発明およびその様々な例示的特徴の基本的理解を提供するために、本発明の局面の概要を提示する。この概要は、本発明の範囲をいかなるふうにも限定することを意図したものではなく、単に、以下に続くより詳細な説明のための概観および状況を提供するものである。

【0006】

本発明の局面は、着用者が体の様々な部分のポジションを理解する、または「感じる」ことをより良く援助するために（場合によっては、着用者の体を過度に制限することなく、または動作もしくは動きを抑制するブレース構造を形成することなく）、改善された感覚フィードバックを着用者に提供する衣類構造に関する。本発明のいくつかの例のアパレル製品は、（a）一つまたは複数の布要素を有する衣類構造であって、人体の少なくとも一つの所定の部分への密着（たとえば、増強されたポジション感知および／またはポジションフィードバックが望まれる体の一つまたは複数の区域への密着（および場合によっては少なくとも部分的に巻き付けられたフィット））を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造、および（b）衣類構造と係合した、またはその一部として一体に形成された（少なくとも、増強されたポジション感知および／またはポジションフィードバックが望まれる所望の区域で）ボディポジションフィードバックシステムを含むことができる。ボディポジションフィードバックシステムは、より高い圧縮力を着用者の体の選択された部分に提供および適用することができ、それが、人体の様々な部分に位置する神経、深層組織受容器、関節機械受容器などを刺激する、またはそれらと相互作用することに役立って、そのような区域における感覚応答および体の選択された部分のポジションに関するフィードバックを着用者により良く与える。より高い圧縮力を生じさせる（そして、ボディポジションフィードバックシステムの引っ張り伸びに抵抗する）ためには、より高い弾性率を有する材料をボディポジションフィードバックシステムに使用することができる。
[請求項1001]
一つまたは複数の布要素を含み、かつ少なくとも腰部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された、人の胴体の少なくとも腰部分を覆うための衣類構造と、
該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する少なくとも第一の領域を該腰部分中に含む、該腰部分で該衣類構造と係合したロワーバックポジションフィードバックシステムと
を含む、アパレル製品。
[請求項1002]
第一の領域の最大寸法が、衣類構造の腰部分を横切って該衣類構造の第一の側から該衣類構造の第二の側に向かう方向に延在する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1003]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を腰部分中に含み、該第二の領域が該衣類構造中で第一の領域よりも下に位置し、かつ該第二の領域の最大寸法が、該衣類構造の該腰部分を横切って第一の側から第二の側に向かう方向に延在する、請求項1002記載のアパレル製品。
[請求項1004]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第三の領域を腰部分中に含み、該第三の領域が該衣類構造中で第一の領域よりも上に位置し、かつ該第三の領域の最大寸法が、該衣類構造の該腰部分を横切って第一の側から第二の側に向かう方向に延在する、請求項1003記載のアパレル製品。
[請求項1005]
第一、第二および第三の領域が共通のベース領域によって接続されている、請求項1004記載のアパレル製品。
[請求項1006]
共通のベース領域が、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する、請求項1005記載のアパレル製品。
[請求項1007]
第一の領域と第二の領域とが共通のベース領域によって接続されている、請求項1003記載のアパレル製品。
[請求項1008]
共通のベース領域が、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する、請求項1007記載のアパレル製品。
[請求項1009]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を腰部分中に含む、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1010]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第三の領域を腰部分中に含む、請求項1009記載のアパレル製品。
[請求項1011]
第二の領域が衣類構造中で第一の領域よりも下に位置し、かつ第三の領域が該第一の領域よりも上に位置する、請求項1010記載のアパレル製品。
[請求項1012]
第二の領域が衣類構造中で第一の領域よりも上に位置する、請求項1009記載のアパレル製品。
[請求項1013]
第二の領域が第一の領域とは全く隣接していない、請求項1009記載のアパレル製品。
[請求項1014]
ロワーバックポジションフィードバックシステムの第一の領域が、衣類構造の第一の側から該衣類構造の第二の側に向けて延在する方向の全長寸法、および該全長寸法に対して垂直な方向の全高寸法を有し、該全長寸法が該全高寸法の少なくとも4倍の大きさである、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1015]
ロワーバックポジションフィードバックシステムの第一の領域が、衣類構造の第一の側から該衣類構造の第二の側に向けて延在する方向の全長寸法、および該全長寸法に対して垂直な方向の全高寸法を有し、該全長寸法が該全高寸法の少なくとも7倍の大きさである、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1016]
ロワーバックポジションフィードバックシステムの第一の領域が、衣類構造の第一の側から該衣類構造の第二の側に向けて延在する方向の全長寸法、および該全長寸法に対して垂直な方向の全高寸法を有し、該全長寸法が該全高寸法の少なくとも10倍の大きさである、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1017]
ロワーバックポジションフィードバックシステムの第一の領域が該ロワーバックポジションフィードバックシステムのベース領域から衣類構造の第一の側に向けて延在し、かつ該ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに、該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を腰部分中に含み、該第二の領域が該ベース領域から該衣類構造の該第一の側とは反対側の第二の側に向けて延在する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1018]
ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第三の領域を腰部分中に含み、該第三の領域がベース領域から該衣類構造の第二の側に向けて延在する、請求項1017記載のアパレル製品。
[請求項1019]
ロワーバックポジションフィードバックシステムの第一の領域が該ロワーバックポジションフィードバックシステムのベース領域から衣類構造の第一の側に向けて延在し、該ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに、該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を腰部分中に含み、該第二の領域が該ベース領域から該衣類構造の該第一の側に向けて延在する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1020]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが、衣類構造の脊柱区域に概ね沿って延在するベース領域を含み、第一の領域が該ベース領域から該衣類構造の第一の側に向けて延在し、かつ該ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに、
該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該ベース領域から該衣類構造の該第一の側とは反対側の第二の側に向けて延在する、腰部分中の第二の領域、
該衣類構造の該最大部分を構成する該布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該ベース領域から該衣類構造の該第一の側に向けて延在する、該腰部分中の第三の領域、および
該衣類構造の該最大部分を構成する該布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該ベース領域から該衣類構造の該第二の側に向けて延在する、該腰部分中の第四の領域
を含む、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1021]
ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに、
衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、ベース領域から該衣類構造の第一の側に向けて延在する、腰部分中の第五の領域、および
該衣類構造の該最大部分を構成する該布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該ベース領域から該衣類構造の第二の側に向けて延在する、該腰部分中の第六の領域
を含む、請求項1020記載のアパレル製品。
[請求項1022]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが多層構造を有する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1023]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが、より高い圧縮力適用能力を提供する第一の材料層、および該第一の材料層と係合した第二の材料層を含み、該第二の材料層が、該第一の材料よりも低い圧縮力適用能力を有する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1024]
ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに第三の材料層を含み、第二の材料層が第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれている、請求項1023記載のアパレル製品。
[請求項1025]
ロワーバックポジションフィードバックシステムの第三の材料層が、衣類構造を構成する少なくとも一つの布要素と直接接触して、それにより、該ロワーバックポジションフィードバックシステムを該衣類構造と係合させる、請求項1024記載のアパレル製品。
[請求項1026]
ロワーバックポジションフィードバックシステムが、より高い圧縮力適用能力を提供する第一の材料層を含み、該第一の材料層が、その中に画定された第一の開口部を含む、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1027]
ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに、第一の材料層と係合した第二の材料層を含み、該第二の材料層が、第一の材料よりも低い圧縮力適用能力を有し、かつ該第二の材料層が第一の開口部を覆う、請求項1026記載のアパレル製品。
[請求項1028]
ロワーバックポジションフィードバックシステムがさらに第三の材料層を含み、第二の材料層が第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれている、請求項1027記載のアパレル製品。
[請求項1029]
ロワーバックポジションフィードバックシステムの第三の材料層が、衣類構造を構成する少なくとも一つの布要素と直接接触して、それにより、該ロワーバックポジションフィードバックシステムを該衣類構造と係合させる、請求項1028記載のアパレル製品。
[請求項1030]
第一の領域が、衣類構造の腰部分を横切って、該衣類構造の第一の側から該衣類構造の反対側の第二の側に向けて延在する方向に、少なくとも4インチ延在する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1031]
第一の領域が衣類構造の脊柱部分に実質的にセンタリングされている、請求項1030記載のアパレル製品。
[請求項1032]
第一の領域が、衣類構造の腰部分を横切って、該衣類構造の第一の側から該衣類構造の反対側の第二の側に向けて延在する方向に、少なくとも7インチ延在する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1033]
第一の領域が衣類構造の脊柱部分に実質的にセンタリングされている、請求項1032記載のアパレル製品。
[請求項1034]
第一の領域が、衣類構造の腰部分を横切って、該衣類構造の第一の側から該衣類構造の反対側の第二の側に向けて延在する方向に、少なくとも10インチ延在する、請求項1001記載のアパレル製品。
[請求項1035]
第一の領域が衣類構造の脊柱部分に実質的にセンタリングされている、請求項1034記載のアパレル製品。
[請求項1036]
一つまたは複数の布要素を含み、かつ土踏まず部分への密着を提供し、かつそれを横切って延在するように構造化されかつ配設された、人の足のための衣類構造と、
該衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第一の領域を該土踏まず部分中に含む、該土踏まず部分で該衣類構造と係合したフットポジションフィードバックシステムと
を含む、アパレル製品。
[請求項1037]
第一の領域が衣類構造の足の外側から該衣類構造の中底部分を横切って該衣類構造の足の内側まで延在する、請求項1036記載のアパレル製品。
[請求項1038]
衣類構造の甲部分の少なくとも大部分がフットポジションフィードバックシステムによって覆われない、請求項1037記載のアパレル製品。
[請求項1039]
フットポジションフィードバックシステムが、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する第二の領域を含む、請求項1036記載のアパレル製品。
[請求項1040]
第二の領域と第一の領域とが隣接している、請求項1039記載のアパレル製品。
[請求項1041]
第二の領域が衣類構造の内側足首またはかかと部分に沿って延在する、請求項1039記載のアパレル製品。
[請求項1042]
第二の領域が衣類構造の外側足首またはかかと部分に沿って延在する、請求項1039記載のアパレル製品。
[請求項1043]
フットポジションフィードバックシステムが、
衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該衣類構造の内側足首またはかかと部分に沿って延在する第二の領域と、
該衣類構造の該最大部分を構成する該布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有し、該衣類構造の外側足首またはかかと部分に沿って延在する第三の領域と
を含む、請求項1039記載のアパレル製品。
[請求項1044]
第二の領域と第一の領域とが隣接し、かつ第三の領域と第一の領域とが隣接している、請求項1043記載のアパレル製品。
[請求項1045]
フットポジションフィードバックシステムが多層構造を有する、請求項1036記載のアパレル製品。
[請求項1046]
フットポジションフィードバックシステムが、より高い圧縮力適用能力を提供する第一の材料層、および該第一の材料層と係合した第二の材料層を含み、該第二の材料層が、該第一の材料よりも低い圧縮力適用能力を有する、請求項1036記載のアパレル製品。
[請求項1047]
フットポジションフィードバックシステムがさらに第三の材料層を含み、第二の材料層が第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれている、請求項1046記載のアパレル製品。
[請求項1048]
フットポジションフィードバックシステムの第三の材料層が、衣類構造を構成する少なくとも一つの布要素と直接接触して、それにより、該フットポジションフィードバックシステムを該衣類構造と係合させる、請求項1047記載のアパレル製品。
[請求項1049]
フットポジションフィードバックシステムが、より高い圧縮力適用能力を提供する第一の材料層を含み、該第一の材料層が、その中に画定された第一の開口部を含む、請求項1036記載のアパレル製品。
[請求項1050]
フットポジションフィードバックシステムがさらに、第一の材料層と係合した第二の材料層を含み、該第二の材料層が、該第一の材料よりも低い圧縮力適用能力を有し、かつ該第二の材料層が第一の開口部を覆う、請求項1049記載のアパレル製品。
[請求項1051]
フットポジションフィードバックシステムがさらに第三の材料層を含み、第二の材料層が第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれている、請求項1050記載のアパレル製品。
[請求項1052]
フットポジションフィードバックシステムの第三の材料層が、衣類構造を構成する少なくとも一つの布要素と直接接触して、それにより、該フットポジションフィードバックシステムを該衣類構造と係合させる、請求項1051記載のアパレル製品。
[請求項1053]
第一の圧縮力適用能力を有し、テキスタイルまたはポリマー材料でできており、その中に画定された第一の開口部を含む、第一の材料層と、
該第一の材料層と係合しかつ該第一の開口部を覆い、布またはポリマー材料でできており、かつ第一の圧縮力適用能力よりも低い第二の圧縮力適用能力を有する、第二の材料層と
を含む、アパレル製品と係合するためのボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1054]
第三の材料層をさらに含み、該第三の材料層の第一の面が第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一方と係合しており、かつ該第二の材料層が該第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれている、請求項1053記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1055]
第三の材料層の第一の面とは反対側の第二の面が、該第三の材料層を衣類構造と係合させるための材料を含む、請求項1054記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1056]
第三の材料層がテキスタイルまたはポリマー材料でできている、請求項1054記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1057]
第一の材料層の第一の自由端が、第一の開口部から離れる方向に延在する第一のウィング部材を含む、請求項1053記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1058]
第一の材料層の第一の自由端とは反対側の第二の自由端が、第一の開口部から離れる方向に延在する第二のウィング部材を含む、請求項1057記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1059]
第一および第二のウィング部材が、第一の開口部から離れて実質的に同じ方向に延在する、請求項1058記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1060]
第一の材料層が、第一の開口部を画定する第一端および該第一端とは反対側の第二端を含み、該第二端が、該第一の開口部とは別個の第二の開口部を画定する、請求項1053記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1061]
第二の材料層がさらに第二の開口部を覆う、請求項1060記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1062]
第一の材料層が、第一の開口部から第二の開口部に向かう方向に延在する全長寸法、および該全長寸法に対して垂直な方向の全高寸法を有し、該全長寸法が該全高寸法の少なくとも4倍の大きさである、請求項1060記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1063]
第一の材料層が、第一の開口部から第二の開口部に向かう方向に延在する全長寸法、および該全長寸法に対して垂直な方向の全高寸法を有し、該全長寸法が該全高寸法の少なくとも7倍の大きさである、請求項1060記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1064]
第一の材料層が、第一の開口部から第二の開口部に向かう方向に延在する全長寸法、および該全長寸法に対して垂直な方向の全高寸法を有し、該全長寸法が該全高寸法の少なくとも10倍の大きさである、請求項1060記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1065]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、ならびに
該ベース領域の該第二の側から延在する第二の領域
を含む、請求項1053記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1066]
第二の領域が、その中に画定された第二の開口部を含む、請求項1065記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1067]
第二の材料層がさらに第二の開口部を覆う、請求項1066記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1068]
第一の材料層がさらに、ベース領域の第一の側から延在する第三の領域を含む、請求項1065記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1069]
第三の領域が、その中に画定された第三の開口部を含む、請求項1068記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1070]
第二の材料層がさらに第三の開口部を覆う、請求項1069記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1071]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、ならびに
該ベース領域の該第一の側から延在する第二の領域
を含む、請求項1053記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1072]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、
該ベース領域の該第二の側から延在する第二の領域、
該ベース領域の該第一の側から延在する第三の領域、ならびに
該ベース領域の該第二の側から延在する第四の領域
を含む、請求項1053記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1073]
第二の領域が、その中に画定された第二の開口部を含み、第三の領域が、その中に画定された第三の開口部を含み、かつ第四の領域が、その中に画定された第四の開口部を含む、請求項1072記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1074]
第二の材料層がさらに第二、第三および第四の開口部を覆う、請求項1073記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1075]
第一の材料層がさらに、
ベース領域の第一の側から延在する第五の領域、および
該ベース領域の第二の側から延在する第六の領域
を含む、請求項1072記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1076]
第二の領域が、その中に画定された第二の開口部を含み、第三の領域が、その中に画定された第三の開口部を含み、第四の領域が、その中に画定された第四の開口部を含み、第五の領域が、その中に画定された第五の開口部を含み、かつ第六の領域が、その中に画定された第六の開口部を含む、請求項1075記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1077]
第二の材料層がさらに第二、第三、第四、第五および第六の開口部を覆う、請求項1076記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1078]
第一の領域が第二の領域とは反対側にあり、かつ第三の領域が第四の領域とは反対側にあり、第一の材料層中、該第一の領域と該第三の領域との間に第一の空間が画定され、かつ該第一の材料層中、該第二の領域と該第四の領域との間に第二の空間が画定されている、請求項1072記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1079]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が少なくとも4インチである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1080]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が少なくとも7インチである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1081]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が少なくとも10インチである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1082]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が、該第一の領域の最大全高寸法の少なくとも4倍の大きさである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1083]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が、該第一の領域の最大全高寸法の少なくとも7倍の大きさである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1084]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が、該第一の領域の最大全高寸法の少なくとも10倍の大きさである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1085]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が、該第一の領域の最大全高寸法の少なくとも4倍の大きさであり、第三の領域の自由端と第四の領域の自由端との間の距離が、該第三の領域の最大全高寸法の少なくとも4倍の大きさである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1086]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が、該第一の領域の最大全高寸法の少なくとも7倍の大きさであり、第三の領域の自由端と第四の領域の自由端との間の距離が、該第三の領域の最大全高寸法の少なくとも7倍の大きさである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1087]
第一の領域の自由端と第二の領域の自由端との間の距離が、該第一の領域の最大全高寸法の少なくとも10倍の大きさであり、第三の領域の自由端と第四の領域の自由端との間の距離が、該第三の領域の最大全高寸法の少なくとも10倍の大きさである、請求項1078記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1088]
第一、第二、第三および第四の領域が別々の突起としてベース領域から離れて延在する、請求項1072記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1089]
第一、第二、第三および第四の領域それぞれが、その高さ寸法の少なくとも2倍である長軸方向長さ寸法を有する、請求項1088記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1090]
第一、第二、第三および第四の領域それぞれが、その高さ寸法の少なくとも3倍である長軸方向長さ寸法を有する、請求項1088記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1091]
少なくとも第一および第二の領域が、それらの対応する高さ寸法の少なくとも4倍である長軸方向長さ寸法を有する、請求項1088記載のボディポジションフィードバックシステム。
[請求項1092]
一つまたは複数の布要素を含み、人体の少なくとも一つの所定の部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造と、
第一の圧縮力適用能力を有し、テキスタイルまたはポリマー材料でできており、かつその中に画定された第一の開口部を含む第一の材料層、および
該第一の材料層と係合しかつ該第一の開口部を覆い、布またはポリマー材料でできており、かつ該第一の圧縮力適用能力よりも低い第二の圧縮力適用能力を有する第二の材料層
を含む、該衣類構造と係合したボディポジションフィードバックシステムと
を含む、アパレル製品。
[請求項1093]
第三の材料層をさらに含み、該第三の材料層の第一の面が第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一方と係合しており、第二の材料層が該第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれており、かつ該第三の材料層の該第一の面とは反対側の第二の面が衣類構造と係合している、請求項1092記載のアパレル製品。
[請求項1094]
第一の材料層の第一の自由端が、第一の開口部から離れる方向に延在する第一のウィング部材を含み、かつ該第一の材料層の該第一の自由端とは反対側の第二の自由端が、該第一の開口部から離れる方向に延在する第二のウィング部材を含む、請求項1092記載のアパレル製品。
[請求項1095]
第一の材料層が、第一の開口部を画定する第一端、および該第一端とは反対側の第二端を含み、該第二端が第二の開口部を画定する、請求項1092記載のアパレル製品。
[請求項1096]
第二の材料層がさらに第二の開口部を覆う、請求項1095記載のアパレル製品。
[請求項1097]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、ならびに
該ベース領域の該第二の側から延在する第二の領域
を含む、請求項1092記載のアパレル製品。
[請求項1098]
第一の材料層がさらに、ベース領域の第一の側から延在する第三の領域を含む、請求項1097記載のアパレル製品。
[請求項1099]
第三の領域が、その中に画定された第三の開口部を含み、かつ第二の材料層が該第三の開口部を覆う、請求項1098記載のアパレル製品。
[請求項1100]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、ならびに
該ベース領域の該第一の側から延在する第二の領域
を含む、請求項1092記載のアパレル製品。
[請求項1101]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、
該ベース領域の該第二の側から延在する第二の領域、
該ベース領域の該第一の側から延在する第三の領域、ならびに
該ベース領域の該第二の側から延在する第四の領域
を含む、請求項1092記載のアパレル製品。
[請求項1102]
第一の材料層がさらに、
ベース領域の第一の側から延在する第五の領域、および
該ベース領域の第二の側から延在する第六の領域
を含む、請求項1101記載のアパレル製品。
[請求項1103]
第一の領域が第二の領域とは反対側にあり、かつ第三の領域が第四の領域とは反対側にあり、第一の材料層中、該第一の領域と該第三の領域との間に第一の空間が画定され、かつ該第一の材料層中、該第二の領域と該第四の領域との間に第二の空間が画定されている、請求項1101記載のアパレル製品。
[請求項1104]
第一、第二、第三および第四の領域が別々の突起としてベース領域から離れて延在する、請求項1101記載のアパレル製品。
[請求項1105]
一つまたは複数の布要素を含み、人体の少なくとも一つの所定の部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造を提供する工程と、
第一の圧縮力適用能力を有し、テキスタイルまたはポリマー材料でできており、かつその中に画定された第一の開口部を含む第一の材料層、および
該第一の材料層と係合しかつ該第一の開口部を覆い、布またはポリマー材料でできており、かつ該第一の圧縮力適用能力よりも低い第二の圧縮力適用能力を有する第二の材料層
を含むボディポジションフィードバックシステムを、該衣類構造と係合させる工程と
を含む、アパレル製品を製造する方法。
[請求項1106]
ボディポジションフィードバックシステムがさらに第三の材料層を含み、該第三の材料層の第一の面が第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一方と係合し、該第二の材料層が該第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれ、かつ該第三の材料層の該第一の面とは反対側の第二の面が衣類構造と係合する、請求項1105記載の方法。
[請求項1107]
係合させる工程が、
ベース層の第一の面を衣類構造と係合させる工程、および
該ベース層の該第一の面とは反対側の第二の面を第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一方と係合させる工程
を含み、該第二の材料層が該第一の材料層と第三の材料層との間に挟まれる、
請求項1105記載の方法。
[請求項1108]
第一の材料層の第一の自由端が、第一の開口部から離れる方向に延在する第一のウィング部材を含み、かつ該第一の材料層の該第一の自由端とは反対側の第二の自由端が、該第一の開口部から離れる方向に延在する第二のウィング部材を含む、請求項1105記載の方法。
[請求項1109]
衣類構造が、人の足と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の土踏まず部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1108記載の方法。
[請求項1110]
衣類構造が、人の足と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の土踏まず部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1105記載の方法。
[請求項1111]
第一の材料層が、第一の開口部を画定する第一端、および該第一端とは反対側の第二端を含み、該第二端が第二の開口部を画定する、請求項1105記載の方法。
[請求項1112]
第二の材料層がさらに第二の開口部を覆う、請求項1111記載の方法。
[請求項1113]
衣類構造が、人の胴体の腰区域と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の腰部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1111記載の方法。
[請求項1114]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、ならびに
該ベース領域の該第二の側から延在する第二の領域
を含む、請求項1105記載の方法。
[請求項1115]
第一の材料層がさらに、ベース領域の第一の側から延在する第三の領域を含む、請求項1114記載の方法。
[請求項1116]
衣類構造が、人の胴体の腰区域と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の腰部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1114記載の方法。
[請求項1117]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、ならびに
該ベース領域の該第一の側から延在する第二の領域
を含む、請求項1105記載の方法。
[請求項1118]
衣類構造が、人の胴体の腰区域と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の腰部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1117記載の方法。
[請求項1119]
第一の材料層が、
第一の側および該第一の側とは反対側の第二の側を有するベース領域、
該ベース領域の該第一の側から延在し、第一の開口部を含む第一の領域、
該ベース領域の該第二の側から延在する第二の領域、
該ベース領域の該第一の側から延在する第三の領域、ならびに
該ベース領域の該第二の側から延在する第四の領域
を含む、請求項1105記載の方法。
[請求項1120]
第一の材料層がさらに、
ベース領域の第一の側から延在する第五の領域、および
該ベース領域の第二の側から延在する第六の領域
を含む、請求項1119記載の方法。
[請求項1121]
衣類構造が、人の胴体の腰区域と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の腰部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1120記載の方法。
[請求項1122]
第一の領域が第二の領域とは反対側にあり、かつ第三の領域が第四の領域とは反対側にあり、かつ第一の材料層中、該第一の領域と該第三の領域との間に第一の空間が画定され、かつ該第一の材料層中、該第二の領域と該第四の領域との間に第二の空間が画定される、請求項1119記載の方法。
[請求項1123]
衣類構造が、人の胴体の腰区域と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の腰部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1122記載の方法。
[請求項1124]
第一、第二、第三および第四の領域が別々の突起としてベース領域から離れて延在する、請求項1119記載の方法。
[請求項1125]
衣類構造が、人の胴体の腰区域と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の腰部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1124記載の方法。
[請求項1126]
衣類構造が、人の胴体の腰区域と係合するための部分を含み、かつ係合させる工程が、衣類構造の腰部分と係合するようにボディポジションフィードバックシステムを係合させる工程を含む、請求項1105記載の方法。
[請求項1127]
アパレル製品と係合するためのボディポジションフィードバックシステムを製造する方法であって、
第一の圧縮力適用能力を有し、テキスタイルまたはポリマー材料でできており、かつその中に画定された第一の開口部を含む第一の材料層を提供する工程と、
布またはポリマー材料でできており、該第一の圧縮力適用能力よりも低い第二の圧縮力適用能力を有する第二の材料層を、該第一の開口部を覆うように該第一の材料層と係合させる工程と
を含む、方法。
[請求項1128]
第三の材料層を第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一方と係合させる工程をさらに含み、該第二の材料層が該第一の材料層と該第三の材料層との間に挟まれる、請求項1127記載の方法。
[請求項1129]
第三の材料層の露出面が、該第三の材料層を衣類構造と係合させるための材料を含む、請求項1128記載の方法。
[請求項1130]
係合させる工程が、熱または圧力の少なくとも一方を第一および第二の材料層に適用してこれらの層を接合する工程を含む、請求項1127記載の方法。
[請求項1131]
第一の材料層が、第一の材料層のためのテキスタイルまたはポリマー材料のシートを所望の形状に切断する工程によって提供される、請求項1127記載の方法。

【0007】

本発明は、添付図面によって例として説明されるが、それに限定されない。全図を通じて同じ参照番号が同じまたは同種の要素を示す。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】ゴルフスイングをするアスリートならびにこの活動中にポジショニングおよび／または動きが重要になることがある体の様々なゾーンを示す。

【図2】図2Aおよび図2Bは本発明の一例のロワーバックポジションフィードバックシステムを含む例示的衣類構造を示す。

【図3A】本発明の一例のボディポジションフィードバックシステムを製造する例示的方法を示す。

【図3B】本発明の一例のボディポジションフィードバックシステムを製造する例示的方法を示す。

【図3C】本発明の一例のボディポジションフィードバックシステムを製造する例示的方法を示す。

【図3D】本発明の一例のボディポジションフィードバックシステムを製造する例示的方法を示す。

【図3E】本発明の一例のボディポジションフィードバックシステムを製造する例示的方法を示す。

【図3F】本発明の一例のボディポジションフィードバックシステムを製造する例示的方法を示す。

【図4】本発明のいくつかの例の例示的ボディポジションフィードバックシステムの断面図を示す。

【図5】図5Aおよび図5Bは本発明の様々な衣類構造および／またはロワーバックポジションフィードバックシステムのいくつかの例を示す。

【図6】図6Aおよび図6Bは本発明の様々な衣類構造および／またはロワーバックポジションフィードバックシステムのいくつかの例を示す。

【図7】図7Aおよび図7Bは本発明の様々な衣類構造および／またはロワーバックポジションフィードバックシステムのいくつかの例を示す。

【図8】本発明の様々な衣類構造および／またはロワーバックポジションフィードバックシステムのいくつかの例を示す。

【図9】本発明の様々な衣類構造および／またはロワーバックポジションフィードバックシステムのいくつかの例を示す。

【図10】図10Aおよび図10Bは本発明の一例のフットポジションフィードバックシステムを含む例示的衣類構造を示す。

【図11】一体に形成されたボディポジションフィードバックシステムを有する例示的衣類構造を示す。

【図12】一体に形成されたボディポジションフィードバックシステムを有する例示的衣類構造を示す。

【図13】図13Aおよび図13Bは本発明の例のフットポジションフィードバックシステムを含むさらなる例示的衣類構造を示す。

【図14】図14A〜図14Eは本発明の例のフットポジションフィードバックシステムを含むさらなる例示的衣類構造を示す。

【図15】ボディポジションフィードバックシステムの一部としてテクスチャリングを含む本発明のもう一つの例示的衣類構造を示す。

【0009】

読者は、これらの図面に示される様々な部品が必ずしも原寸に比例して描かれてはいないことに留意されたい。

【発明を実施するための形態】

【0010】

詳細な説明
以下の詳細な説明および添付図面は、本発明の例のボディポジションフィードバックシステムおよびアパレル製品の特徴を開示する。

【0011】

I. 本発明のボディポジションフィードバックシステムおよび方法の概説
上記のように、人は、通常の姿勢またはポジションにおける、および／または一般的な動きもしくは活動中の自分の体の様々な部分の位置を容易に「感じる」ことはできない。たとえば、人の背中側、特に腰は、相対的に希薄な「触覚」神経集団を有する。しかし、人体の体幹部、そのポジショニングおよびその動き（背中側を含む）は、多くの運動競技活動にとって非常に重要である。たとえば、体幹部は、ゴルフスイングにおいて回転およびパワー発生の中心点である。そのうえ、スイングの始まりおよびスイングの過程で繰り返し体を正しい姿勢に配し、正しく体をポジショニングできることは、一貫した反復可能なスイングを展開する（そして、それにより、自分のゴルフゲームを改善する）ためにきわめて重要である。

【0012】

図1は、スイング中のゴルファー100を示す。スイングの始まりおよびスイングの過程での体のポジショニング（たとえば、アドレスポジションでの姿勢）が、達成される結果にとって非常に重要になることがある。図1は、少なくともスイング中のある時期にそのポジションが達成される結果にとって重要になることがある人体の様々なゾーンまたは区域を示す。ゴルフスイングの場合、これらの重要なゾーンは、手102、足および足首104、ふくらはぎ106、膝108、腕110、肩112、仙骨（腰）および体幹部114ならびに臀部116を含む。ゴルフスイング中の様々な時期（たとえばアドレスでの姿勢、スイングの過程における他の時期など）でこれらのゾーンの一つまたは複数を正しくポジショニングする支援は、アスリートがスイングの過程で繰り返し体を正しい姿勢に配し、正しく体をポジショニングすることを大きく支援することができる。

【0013】

本発明の局面は、たとえば体の選択された部分における神経、関節機械受容器および／または深層組織受容器の増強された刺激により、着用者が体の様々な選択された部分のポジショニングをより意識することに役立つ衣類に関する。衣類は、図1に関連して上記した様々な区域またはゾーンの一つまたは複数に密着する（そして、場合によっては少なくとも部分的に巻き付く）ように設計することができる。さらには、そのような衣類は、たとえば体の様々な部分に沿って、またはそれらの周囲に圧縮力を適用して（そして、引っ張り伸びに抵抗して）、衣類の増強されたフィードバック区域に隣接する体の様々な部分のポジションに関する体性感覚フィードバックを増強し、体のそれら様々な部分のポジションに関するユーザ「意識」を増強するボディポジションフィードバック増強構造または領域を含むことができる。そのような改善された「意識」は、アスリートが自らをより良くポジショニングし、「筋肉記憶」を発達させ、より良いポジショニングを長く維持することに役立つことができる。

【0014】

有利には、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ボディポジションフィードバック構造または領域は、圧縮力が適用される並置領域および圧縮力が適用されない領域を含む。隣接領域に適用される圧縮力の差が、それらの場所におけるボディポジションに関する着用者の感覚および意識を増強する傾向を示す。以下、隣接する場所に適用される圧縮力のこの差を生じさせる様々な構造および方法を説明する。

【0015】

上述したように、本発明の局面は、アパレル製品、たとえば胴体上部および／または胴体下部の衣服（たとえばシャツ、ブラウス、タンクトップ、レオタード、レギンス、形状適合性衣類、パンツ、ショーツ、スカート、下着など）、ソックスまたは人の足もしくは脚を少なくとも部分的に収容する他の衣類、手袋または人の手もしくは腕を少なくとも部分的に覆う、または収容する他の衣類などとともに使用される、またはそれらに一体化されることができるボディポジションフィードバックシステムに関する。体の所望の部分を少なくとも部分的に収容する、またはその上もしくはそれに対して装着される特殊な衣類、たとえば脚または腕を挿入するためのスリーブまたはラップ、図1に示す区域のいずれかを収容する、または覆うための衣類またはラップなどが提供されてもよい。

【0016】

A. 衣服構造に取り付けられたフィードバックシステム
まず、別個に係合したボディポジションフィードバックシステムを有する衣類構造をさらに詳細に説明する。

【0017】

1. アパレル製品と係合するための例示的ボディポジションフィードバックシステム
本発明の少なくともいくつかの例のボディポジションフィードバックシステムは、人体の様々な部分に位置する神経、関節機械受容器および／または深層組織受容器を刺激する、またはそれらと相互作用することに役立って、体の様々な部分のポジションまたは向きに関するフィードバックを着用者により良く与えることができる。このようなボディポジションフィードバックシステムは、（a）第一の弾性率または伸び抵抗を有し（それにより、着用者の体に圧縮力を適用する）、テキスタイルまたはポリマー材料でできており、中に画定された第一の開口部を含む第一の材料層、および（b）第一の材料層と係合し、第一の開口部を少なくとも部分的に覆い、布またはポリマー材料でできており、第一の弾性率または伸び抵抗よりも低い第二の弾性率または伸び抵抗を有する第二の材料層を含むことができる。場合によっては、望むならば、本発明の少なくともいくつかの例のボディポジションフィードバック構造はさらに、第三の材料層を含むことができ、第三の材料層の第一の面が第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一方と係合し、第二の材料層が第一の材料層と第三の材料層との間に挟まれる。この第三の材料層は、存在する場合、第三の材料層と衣類構造との係合を支援するのに適した材料を有する表面を含むことができる。以下、本発明の例示的ボディポジションフィードバックシステムのより具体的な例および特徴を説明する。

【0018】

2. 取り付けられたボディポジションフィードバックシステムを含む例示的なアパレル製品
本発明の例のボディポジションフィードバックシステムは、広く多様な異なる衣類構造とともに、および／または多様な異なる体の部分もしくは領域のポジション感知を増強するために、使用することができる。一般に、本発明の少なくともいくつかのアパレル製品は、（a）一つまたは複数の布要素を有する衣類構造であって、人体の少なくとも一つの所定の部分への密着（たとえば、増強されたポジション感知および／またはポジションフィードバックが望まれる体の一つまたは複数の区域への密着）を提供する（および場合によっては少なくとも部分的に巻き付く）ように構造化されかつ配設された衣類構造、および（b）衣類構造と係合した（少なくとも、増強されたポジション感知および／またはポジションフィードバックが望まれる所望の区域で）ボディポジションフィードバックシステムを含むことができる。望むならば、ボディポジションフィードバックシステムは、上記の様々な構造を有することもできるが、布に適用される簡単な一つの層構造を構成することもできる。いくつかの例示的構造において、ボディポジションフィードバックシステムの少なくとも一つの部分は、衣類構造の最大部分を構成する布要素および／またはそれが覆う布要素の弾性率または伸び抵抗と比較して高い弾性率または伸び抵抗を有する（それにより、圧縮力を体に適用する）。いくつかの例示的衣類構造において、衣類構造の布要素およびボディポジションフィードバックシステムの材料は、ボディポジションフィードバックシステムが、隣接する布要素によって適用される圧縮力よりも少なくとも10％高い圧縮力を着用者の体に適用するように選択することができる。さらに他の例示的構造において、ボディポジションフィードバック領域におけるこの圧縮力の差は、直接隣接領域（布要素によって覆われている）と比較して、少なくとも25％高い、少なくとも40％高い、少なくとも50％高い、少なくとも75％高い、少なくとも100％高いまたは少なくとも150％高いことができる。

【0019】

本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ボディポジションフィードバックシステムの少なくとも第一の材料層は、増強されたポジション感知が望まれる体の十分な部分の周囲に延在するための方向に途切れのない構造を有する。より具体的には、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ボディポジションフィードバックシステムの少なくとも第一の材料層は、増強されたボディポジション感知が望まれる活動中に伸びる、伸長する、または動く人体の部分の周囲に延在するのに十分な長さである。第一の材料層は、衣類構造の最大部分を構成する布要素および／またはそれが覆う布要素によって適用される圧縮力よりも高い圧縮力を体に適用することができる。このようにして、比較的伸び抵抗性の第一の材料層に抗して体が伸びる、伸長する、または動く動作が、伸び、伸長または動きに対して何らかのレベルの圧縮または抵抗を生じさせて（所望の動きを実質的に妨げたり、変化させたり、影響したりすることなく）、それが、その区域における深層組織局在神経または他の感覚受容器をより良く刺激することに役立つ。この刺激が衣類着用者に感覚フィードバックを提供し、着用者に、体の標的部分のポジショニングをより良く意識させる。刺激の繰り返し（たとえば反復練習、ドリル、プレーなどの間）が、着用者が自分の体が正しいポジションにあるときの感覚に気づき、馴染むとともに、「筋肉記憶」を増強する。本発明の例の衣類を着用しているとき（たとえば正しいボディポジショニングおよびフォームを確保するため）、インストラクタまたはコーチとの練習および訓練が、アスリートまたは他者が正しいボディポジショニングの感覚をより良く「染み込ませ」、「筋肉記憶」を発達させることを可能にし、それが、所望の活動中のより良い、かつより反復性のボディポジショニングおよびより良いパフォーマンスをもたらすことができる。さらには、本発明の少なくともいくつかの例の衣類構造は、実際の競技および／または実践中にアスリートによって着用されることもできる。

【0020】

本発明の例のボディポジションフィードバックシステムは、本発明を逸脱することなく、任意の適当な、または所望のやり方で衣類構造と係合させることができる。いくつかのより具体的な例において、ボディポジションフィードバックシステムは、衣類構造の面と直接係合する少なくとも一つの面を含み、ボディポジションフィードバックシステムのこの面は、ボディポジションフィードバックシステムを衣類面に固定することを可能にする材料（たとえば、接着剤、たとえばウレタン系、熱活性化接着剤または熱可塑性材料など）でできている、それを含む、および／またはそれを含むように改変されることができる。熱および／または圧力をボディポジションフィードバックシステムおよび／または衣類構造に適用すると、フィードバックシステムを衣類構造に固定することができる（たとえば、一つまたは複数の積層手法によって、接着剤またはセメント材料の一つまたは複数の層を硬化させるなど）。他の可能な係合法は、ボディポジションフィードバックシステムを衣類構造に縫合すること、一つまたは複数の機械的コネクタ、たとえばスナップ、フック＆ループファスナシステム、他のファスナシステムなどによってボディポジションフィードバックシステムを衣類構造に係合させることなどを含むが、これらに限定されない。

【0021】

次に、本発明のいくつかの例のアパレル製品のより具体的な例を説明する。

【0022】

a. ロワーバックポジションフィードバックシステムを含む衣類
多くの運動競技活動は、物体をスイングする、もしくは他のやり方で体をねじる、および／または腕、脚、胴体上部および／または体幹部を動かすことを含む（たとえば、ゴルフスイング、野球スイング、クリケットスイング、投球など）。体、特に腰（たとえば体幹部、仙骨区域など）の正しいポジショニングおよび／または動きは、これらの活動の間に達成される結果に影響することができる。本発明のいくつかの例の増強されたロワーバックポジションフィードバックを提供するアパレル製品は、（a）少なくとも人の胴体の腰部分を覆うための衣類構造（たとえばシャツ、ブラウス、レオタード、タンクトップ、円柱管、下着など）であって、一つまたは複数の布要素を含み、少なくとも腰部への密着を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造、および（b）腰部分で衣類構造と係合したロワーバックポジションフィードバックシステムであって、衣類構造の最大部分を構成する布要素および／またはロワーバックポジションフィードバックシステムが覆う布要素（たとえば、ロワーバックポジションフィードバックシステムに直接隣接する布要素）によって適用される圧縮力より高い圧縮力を着用者の体に適用する（たとえば伸びに抵抗することによって）少なくとも第一の領域を腰部分中に含むロワーバックポジションフィードバックシステムを含むことができる。

【0023】

本発明を逸脱することなく、本発明の例のロワーバックポジションフィードバックシステムは多様な構造および構成を採ることができる（上記構造を含む）。本発明の少なくともいくつかの例において、より高い圧縮力を提供するポジションフィードバックシステムの領域は、装着者の腰部分を横切って装着者の両側（および衣類の両側）の一方から他方まで少なくとも一回（たとえば途切れずに）延在する。ロワーバックポジションフィードバックシステムは、それぞれが装着者の腰（および衣類背面）を横切って一方の側から他方の側まで延在する一つ、二つ、三つまたはそれ以上の部分（場合によっては相互接続された部分）を含むことができる。いくつかの例示的構造において、フィードバックシステムの多数の部分が着用者の腰を横切って延在する場合、それらの様々な部分の長さの大部分は、たとえば少なくとも0.5インチ、少なくとも1インチまたは少なくとも2インチまたはそれ以上、互いに切り離される（場合によっては垂直方向に切り離される）。高圧縮力適用材料の互い違い区域および特定の区域におけるこの材料の不在が、刺激される深層組織受容器および刺激されない区域（上述した「差」）がある体の上の互い違い区域をもたらし、それが、ポジションフィードバックシステムのより良好なユーザ感覚および体のポジショニングのより良好な着用者感覚を生じさせることができる（たとえば、密接した位置にある対照的な刺激領域および非刺激領域による）。

【0024】

それにもかかわらず、本発明を逸脱することなく、ロワーバックポジションフィードバックシステムの広い範囲の構造および構成が可能である。いくつかのより具体的な例として、望むならば、衣類構造の腰部分を横切って衣類の一方の側から他方の側までの方向に延在する高圧縮力適用領域の一つまたは複数の全長寸法は、少なくとも4インチであることができ、いくつかの例において、少なくとも7インチ、少なくとも10インチ、少なくとも12インチまたはそれを超える寸法であることができる。

【0025】

本発明のいくつかの例示的ロワーバックポジションフィードバックシステムにおいて、高圧縮力適用領域は、全長寸法に対して垂直な方向の全高寸法（たとえば、着用者の背中の上下）の少なくとも4倍である全長寸法を衣類構造の第一の側から衣類構造の第二の側まで延在する方向に有する。いくつかのより具体的な例において、この全高に対する全長の比（L：H）は、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12またはそれを超える比であることができる。

【0026】

本発明を逸脱することなく、ロワーバックポジションフィードバックシステムのためのさらに追加的な特徴および構造が可能である。たとえば、多数の高圧縮力適用領域がフィードバックシステム構造中に提供されるならば、それらの領域は、垂直方向および／または水平方向に互いに切り離されて位置することができる。そのうえ、これらの領域は、一つまたは複数の共通のベース領域で合流する、および／またはそこから延在することができる（ベース領域もまた、高圧縮力適用材料から構成されている、たとえば他の高圧縮力適用領域の材料とで連続する、それと同じである、またはそれとは異なることができる。ベース領域は、存在する場合、ポジションフィードバックシステム中の中心に位置することもできるし、衣類構造の脊柱または中心区域に実質的に沿って延在するように配設されることもできる。望むならば、高圧縮力適用材料全体が、ベース領域およびそこから延在する任意の領域（存在する場合）を含め、連続部として（たとえば一つの一体部品、直結された多数の部品などとして）できていることもできる。この高圧縮力適用材料はまた、一つの材料層または多数の材料層を含むことができる。

【0027】

以下、様々な添付図面に関連して、ロワーバックポジションフィードバックシステムのより具体的な例をさらに詳細に説明する。

【0028】

b. フットポジションフィードバックシステムを含む衣類
重量配分、フットポジショニング、重量シフトおよび足の動きもまた、重量移動を含む活動、たとえば上述したようなスイング動作または投球動作を含む活動を含む多くの運動競技活動の正しい、および／または効率的なパフォーマンスにとって重要になることがある。フットポジショニングの着用者フィードバックおよびより良い着用者意識を提供することに役立つアパレル製品は、（a）人の足のための衣類構造（たとえばソックス、スリーブまたは足を少なくとも部分的に収容する他の衣服製品）であって、一つまたは複数の布要素を含み、土踏まず部分（内側から外側）、甲部分（たとえば、足の上部を斜めに横切って）などへの密着を提供し、それを横切って延在するように構造化されかつ配設された衣類構造、および（b）土踏まず部分および／または甲部分で衣類構造と係合したフットポジションフィードバックシステムであって、衣類構造の最大部分を構成する布要素および／またはフィードバックシステムが覆う布要素（たとえば、フィードバックシステムに直接隣接して位置する布要素）によって適用される圧縮力と比較して高い圧縮力を土踏まず部分および／または甲部分に適用する第一の領域を土踏まず部分および／または甲部分中に含むフットポジションフィードバックシステムを含むことができる。そのような構造において、高圧縮力適用領域を構成する材料の主要な部分は、衣類構造の足の外側から、および／または衣類構造の甲（または上）部分を横切って、衣類構造の中底（またはソール）部分を横切って、衣類構造の足の内側まで延在する（たとえば途切れずに、場合によって一つまたは複数の部品として）ことができる。本発明のこの局面の少なくともいくつかの例において、衣類構造の甲部分および／または中底部分の少なくとも一部分（場合によっては大部分）は、フットポジションフィードバックシステムによって覆われない（たとえば、上記のように刺激される受容器と非刺激受容器との感覚における差を提供し、強調することに役立つため）。衣類構造の他の布材料と比較した場合の、ポジションフィードバック領域に適用される圧縮力における差は、上記の様々な値を採ることができる（たとえば、少なくとも10％高い、少なくとも25％高い、少なくとも40％高い、少なくとも50％高い、少なくとも75％高い、少なくとも100％高いまたは少なくとも150％高い）。

【0029】

本発明の少なくともいくつかの例のフットポジションフィードバックシステムは、衣類構造の最大部分を構成する布要素および／またはフィードバックシステムが覆う布要素（たとえば、フィードバックシステムに直接隣接して位置する）によって適用される圧縮力と比較して高い圧縮力を提供する複数の領域を含むことができる。これらの様々な領域は、互いに切り離されていることもできるし、互いにつながれていることもできるし、互いに連続的である（または、少なくとも、たとえば、土踏まず指向高圧縮力適用領域から延在する「ウィング」または突起としての土踏まず指向高圧縮力適用領域とで連続している）こともできる。着用者の土踏まず部分を横切って延在する領域に加えて、またはそれの代わりに、衣類構造の内側足首部分、衣類構造の外側足首部分、衣類構造のかかと部分の一つまたは複数に沿って、衣類構造の甲部分を横切ってなど高圧縮力適用領域が提供されてもよい。フットポジションフィードバックシステムは、望むならば、上記様々なロワーバックポジションフィードバックシステムと同じ一般構造を有することができる（たとえば多層構造、単層構造など）。

【0030】

以下、様々な添付図面に関連して、フットポジションフィードバックシステムのより具体的な例をさらに詳細に説明する。

【0031】

3. ボディポジションフィードバックシステムおよび当該システムを含むアパレル製品を製造する例示的方法
本発明のさらなる局面は、ボディポジションフィードバックシステムおよび／または当該システムを含む、たとえば上記様々なタイプのアパレル製品を製造する方法に関する。上記タイプのボディポジションフィードバックシステムを製造する方法（以下さらに詳細に説明する）は、（a）第一の圧縮力適用能力（たとえば伸び抵抗）を有する第一の材料層であって、テキスタイルおよび／またはポリマー材料でできており、その中に画定された第一の開口部を含む第一の材料層を提供すること（たとえば、別の供給源から第一の材料層を得ることによって第一の材料層を作る（たとえば、半加工品（blank）からそれを切り出すなど）ことによって）、および（b）テキスタイルおよび／またはポリマー材料でできており、少なくともいくつかの構造において第一の材料層の圧縮力適用能力よりも低い第二の圧縮力適用能力（たとえば伸び抵抗）を有する第二の材料層を第一の材料層と係合させて、第一の開口部を少なくとも部分的に覆うことを含むことができる。場合によっては、本発明の少なくともいくつかの例の方法はさらに、（c）第三の材料を第一の材料層または第二の材料層の少なくとも一つと係合させること（第二の材料層は第一の材料層と第三の材料層との間に挟まれる）、および（d）第三の材料層を衣類構造と係合させるための材料（たとえば接着剤など）で第三の材料層の露出面を処理する、またはその材料を第三の材料層の露出面に提供することを含むことができる。望むならば、第一および第三の材料層の少なくとも一部分は、これらの層を、第二の材料層の少なくとも一部分がそれらの間に位置する状態で積層させることを可能にするのに適当な材料で形成される、および／またはその材料を含むことができる。

【0032】

本発明の少なくともいくつかの例の、たとえば上記のタイプのアパレル製品を製造する方法は、（a）一つまたは複数の布要素を含む衣類構造であって、人体の少なくとも一つの所定の部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造を提供すること（たとえば、別の供給源から得ることによってそれを製造することによって）、および（b）ボディポジションフィードバックシステムを衣類構造と係合させること（たとえば積層、接着剤またはセメント、縫合、機械的コネクタなどによって）を含むことができる。ボディポジションフィードバックシステムは、たとえば、単層または単材料構造、多層または多材料構造、積層構造などを含め、上記任意の様々なタイプのいずれを含むこともできる。

【0033】

B. 衣服構造に一体に形成されるフィードバックシステム
1.一体に形成されたボディポジションフィードバックシステムを含む例示的アパレル製品
完全に形成された、または実質的に完全に形成された衣服製品の選択的位置に一つまたは複数の構造を取り付けるよりも、本発明の少なくともいくつかの例のボディポジションフィードバックシステムは、衣服構造の一部として一体に形成することもできる。これは、たとえば、衣類構造の他の区域と比較して異なる材料から衣類構造中の一つまたは複数の区域または領域を製造することによる方法、衣類構造の他の区域と比較して異なる編成、縫合、製織または他のテキスタイル構造特徴を衣類構造の一つまたは複数の区域または領域に使用することによる方法、衣類構造の他の区域と比較して異なる厚さおよび／またはテクスチャリングを衣類構造の一つまたは複数の区域に提供することによる方法などの一つまたは複数を含む多様な方法で達成することができる。

【0034】

一般に、本発明のこの局面の少なくともいくつかの例示的なアパレル製品は、（a）一つまたは複数の布要素でできた衣類構造であって、人体の少なくとも一つの所定の部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造、および（b）衣類構造に一体に形成された（たとえば上記方法で）ボディポジションフィードバックシステムを含むことができる。本発明のこの局面の少なくともいくつかの例のボディポジションフィードバックシステムは、（a）第一の圧縮力適用能力（たとえば伸び抵抗）を有する第一の領域であって、この第一の圧縮力適用能力が、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力および／または第一の領域を直接取り囲む布要素の圧縮力適用能力よりも高い第一の領域、および（b）第一の領域によって少なくとも部分的に取り囲まれた第二の領域であって、第一の圧縮力適用能力とは異なる第二の圧縮力適用能力を有し、第二の圧縮力適用能力が、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力よりも高い第二の領域を含むことができる。第一の領域の圧縮力適用能力は、第二の領域の圧縮力適用能力よりも高くてもよいし、低くてもよい（しかし、望むならば、いくつかの例示的構造において、これら二つの領域は、同じまたは実質的に同じであってもよいし、同じまたは実質的に同じ圧縮力適用能力を有してもよい）。

【0035】

次に、本発明のこの局面のアパレル製品のより具体的な例を説明する。

【0036】

a. 一体に形成されたロワーバックポジションフィードバックシステムを含む衣類
上記のように、多くの運動競技活動は、物体をスイングする、もしく他のやり方で体をねじる、および／または腕、脚、胴体上部および／または体幹部を動かすことを含む（たとえばゴルフスイング、野球スイング、クリケットスイング、投球など）。体、特に腰（たとえば体幹部、仙骨区域など）の正しいポジショニングおよび／または動きは、これらの活動の間に達成される結果に影響することができる。本発明のこの局面のいくつかの例の増強されたロワーバックポジションフィードバックを提供するアパレル製品は、（a）少なくとも人の胴体の腰部分を覆うための衣類構造であって、一つまたは複数の布要素を含み、少なくとも腰部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造、および（b）腰部分で衣類構造に一体に形成されたロワーバックポジションフィードバックシステムを含むことができる。このロワーバックポジションフィードバックシステムは、腰部分中の少なくとも第一の領域を含むことができ、第一の領域の最大寸法が、衣類構造の腰部分を横切って衣類構造の第一の側から衣類構造の第二の側に向かう方向に延在し、第一の領域は、衣類構造の最大部分を構成する布要素によって適用される圧縮力および／または第一の領域を直接取り囲む布要素によって適用される圧縮力よりも高い圧縮力を着用者の体に適用する（たとえば伸びに抵抗することによって）。より高い圧縮力を適用する様々な領域は、任意の所望のやり方で、たとえば上記様々な方法（たとえば、異なる材料（異なる弾性率を有する材料）を衣類構造に組み込む、異なる縫合、編成または製織パターンを使用する、材料の異なる厚さおよび／またはテクスチャリングを提供するなどにより）で、衣類構造の一部として衣類構造中に一体に提供されることができる。本発明を逸脱することなく、高圧縮力適用領域および／または衣類構造の他の部分の構造を変化させる他の方法を使用してもよい。

【0037】

より高い圧縮力適用領域は、別個の取り付けられるロワーバックポジションフィードバックシステムに関連して上記した（そして、以下、本発明の具体的な例示的構造の詳細な説明でより詳細に記載される）サイズ、形状および位置を含む、任意の所望のサイズ、形状および位置で衣類構造の腰区域に提供されることができる。

【0038】

b. 一体に形成されたフットポジションフィードバックシステムを含む衣類
同じく上記のように、足のポジショニングおよび動きもまた、上述したようなスイングまたは投球動作を含む活動を含む多くの運動競技活動の正しい、および／または効率的なパフォーマンスにとって重要になることがある。足のポジショニングの着用者フィードバックおよびより良い着用者意識を提供することに役立つ本発明のこの局面のアパレル製品は、（a）人の足のための衣類構造であって、一つまたは複数の布要素を含み、土踏まず部分および／または甲部分への密着を提供し、それを横切って延在するように構造化されかつ配設された衣類構造、および（b）土踏まず部分および／または甲部分で衣類構造に一体に形成されたフットポジションフィードバックシステムを含むことができる。このフットポジションフィードバックシステムは、土踏まず部分および／または甲部分を横切って衣類構造の内側から衣類構造の中底部分および／または甲部分を横切って衣類構造の外側まで延在する少なくとも第一の領域を含むことができ、第一の領域は、衣類構造の最大部分を構成する布要素の圧縮力適用能力および／または第一の領域を直接取り囲む布要素の圧縮力適用能力よりも高い圧縮力適用能力を有する。

【0039】

より高い圧縮力適用（たとえば伸び抵抗）を提供する様々な領域は、任意の所望のやり方で、たとえば、上記様々な方法（たとえば、異なる材料（異なる弾性率を有する材料）を衣類構造に組み込む、異なる縫合、編成または製織パターンを使用する、材料の異なる厚さおよび／またはテクスチャリングを提供するなどにより）で、この足収容衣類構造の一部として一体に提供されることができる。本発明を逸脱することなく、より高い圧縮力適用領域および／または衣類構造の他の部分の構造を変化させる他の方法を使用してもよい。

【0040】

より高い圧縮力適用領域は、別個の取り付けられるフットポジションフィードバックシステムに関連して上記した（そして、以下、本発明の具体的な例示的構造の詳細な説明でより詳細に記載される）サイズ、形状および位置を含む、衣類構造の足収容部分に関する任意の所望のサイズ、形状および位置でこの衣類構造中に提供されることができる。

【0041】

2. 一体に形成されたボディポジションフィードバックシステムを含むアパレル製品を製造する例示的方法
本発明のさらなる局面は、たとえば上記様々なタイプの一体に形成されたボディポジションフィードバックシステムを含むアパレル製品を製造する方法に関する。上記タイプ（以下さらに詳細に説明する）のボディポジションフィードバックシステムを製造する方法は、（a）一つまたは複数の布要素を含む衣類構造であって、人体の少なくとも一つの所定の部分への密着を提供するように構造化されかつ配設された衣類構造を形成すること、および（b）衣類構造の一部としてボディポジションフィードバックシステムを一体に形成することを含む。本発明のこの局面の少なくともいくつかの例のボディポジションフィードバックシステムは、（a）第一の圧縮力適用能力を有する第一の領域であって、衣類構造の最大部分を構成する布要素および／または第一の領域を直接取り囲む布要素によって適用される圧縮力よりも高い圧縮力を適用する第一の領域、および（b）第一の領域によって少なくとも部分的に取り囲まれた第二の領域であって、第一の圧縮力適用能力とは異なる第二の圧縮力適用能力を有し、第二の領域によって適用される圧縮力が、衣類構造の最大部分を構成する布要素によって適用される圧縮力よりも高い第二の領域を含むことができる。第一の領域によって適用される圧縮力は、第二の領域によって適用される圧縮力よりも高くてもよいし、低くてもよい（しかし、望むならば、本発明の少なくともいくつかの例示的構造において、これらの領域は、同じまたは実質的に同じ圧縮力を適用してもよい）。

【0042】

より高い圧縮力を提供する様々な領域は、任意の所望のやり方で、たとえば、上記様々な方法（たとえば、異なる材料（異なる弾性率を有する材料）を衣類構造の選択された位置に組み込む、異なる縫合、編成または製織パターンを使用する、異なる材料厚さおよび／またはテクスチャリングを提供するなどにより）で、衣類構造の一部として一体に提供されることができる。より高い圧縮力適用の多数の領域が提供される場合、本発明を逸脱することなく、異なる領域を同じやり方または異なるやり方で構成することができる。

【0043】

上記に提供された本発明の様々な例および局面の概説を提供したところで、以下、本発明のボディポジションフィードバックシステムおよび衣類構造の様々な具体例のより詳細な説明を提供する。

【0044】

II. 本発明の例示的ボディポジションフィードバックシステム、アパレル製品および方法の詳細な説明
以下の記述および添付図面が本発明の様々な例示的ボディポジションフィードバックシステム、アパレル製品および当該製品を製造する方法を説明する。一つより多い図面で同じ参照番号が見られる場合、その参照番号は、本明細書および図面中で同じまたは同種の部品を指すために一貫して使用される。

【0045】

図2Aおよび2Bは、本発明の例示的ボディポジションフィードバックシステム202を含む衣類構造200の正面および背面をそれぞれ示す。この例示的構造200において、ボディポジションフィードバックシステム202は、体の腰または仙骨区域のポジショニングに関する情報を着用者に提供するように設計され、衣類構造200中に配置されている。

【0046】

本発明を逸脱することなく、衣類構造200は、一つまたは複数の布要素で、たとえば従来のやり方で、従来の材料で、および／または従来の構造で（たとえば、縫合または別の所望のやり方で係合される任意の所望の数の個々の布要素または部品220を使用して）できていることができる。いくつかの例において、衣類構造200は、少なくとも部分的にエラストマー材料、たとえばスパンデックス材料または体の上もしくは少なくともボディポジションフィードバックシステム202が配置される体の部分（図示される例示的構造200においては、体幹部の腰または仙骨区域）への密着を提供する他の材料でできていることができる。図2Bに示す例示的構造200において、衣類構造200の後部は、ボディポジションフィードバックシステム202を配置し、それを着用者の体の所望のポジションに対して密着する関係に保持するのに役立つ被装着区域204を含む。または、望むならば、個々の被装着区域204を省くことができるよう、衣類構造200全体を着用者の体に密着するように作ることもできる。一つのより具体的な例として、衣類構造200の少なくとも一部の基布は、NIKE, Inc.（Beaverton, Oregon）から市販されているタイプのDRI-FIT（登録商標）布材料であることができる。または、望むならば、区域204は、体のこれら（または他の）選択区域を標的にした冷却を提供するために、メッシュ材料でできていることもできる。

【0047】

この例示的構造200におけるボディポジションフィードバックシステム202は、腰を横切って衣類構造200の一方の側から他方の側へと延在する垂直方向に互い違いのいくつかの領域206、208および210を含む。領域206、208および210の少なくとも一つを含むボディポジションフィードバックシステム202は、衣類構造200の最大部分を構成する材料もしくは構造および／またはフィードバックシステム202が覆う材料もしくは構造に関連する弾性率（たとえば伸び抵抗、圧縮力適用能力など）と比較して高い「弾性率」（たとえば伸び抵抗、圧縮力適用能力など）を有する。本発明を逸脱することなく、ボディポジションフィードバックシステム202は、多様なサイズおよび形状を採ることができるが、図2Bの例示的構造200に示すように、ボディポジションフィードバックシステム202の少なくともいくつかの部分は、増強されたポジション感知が望まれる体の十分な部分の周囲に延在する（またはそれに巻き付く）ような方向に途切れのない構造を有する。たとえば、図2Bは、各領域206、208および210が腰を横切って衣類構造200の両側を少なくとも部分的に巻いて延在することを示す。この構造200において、領域206、208および210の少なくとも一つは、体の所望の部分（この例では腰）の周囲に延在する、または巻き付くのに十分な全長（衣類構造200の中央背中方向に対して垂直な方向に領域206、208および／または210の一方の自由端から他方の自由端までの寸法「L」―図3Dを参照）を有する。領域206、208および／または210は、特定の標的体部分、たとえば一つまたは複数の椎骨または体の腰もしくは体幹区域の他の区域に関するフィードバックを提供するように配設されることができる。所望の活動の間（たとえばゴルフボールアドレスポジション時、ゴルフスイング中など）、腰（または体の他の部分）が、ボディポジションフィードバックシステム202に関連する比較的高い伸び抵抗または圧縮力に抗して伸びる、または動く。より高い伸び抵抗のせいで、ボディポジションフィードバックシステム202の領域206、208および／または210は、伸びまたは動きに対して何らかのレベルの圧縮または抵抗を生じさせ（所望の動きを実質的に妨げる、変化させる、または影響することなく）、それが、着用者の腰の深層組織局在神経または感覚受容器をより良く刺激するのに役立つ。この刺激が衣類着用者に感覚フィードバックを提供し、着用者に、体の標的部分のポジショニングをより良く意識させる。

【0048】

図2Bおよび3Dに示すように、この例示的構造200における高圧縮力適用領域206、208および210の最大連続寸法（長さ寸法「L」）は、衣類構造200の腰部分を横切って衣類構造200の一方の側からその反対側に向かう方向に延在する。各領域206、208および210は、別個の端部領域または突起（206a、206b、208a、208b、210aおよび210b）を含み、各領域206、208および210内の端部領域または突起206a、206b、208a、208b、210aおよび210bそれぞれは、この例示的構造200において、共通のベース領域212によって互いに接続されている。領域206、208および210と同様に、共通のベース領域212は、衣類構造200の最大部分を構成する布要素の伸び抵抗および／またはそれが覆う材料の伸び抵抗よりも高い伸び抵抗を有する材料でできていることができる。このベース領域212は、衣類構造200の脊柱または中央背中区域に沿ってセンタリング（または実質的にセンタリング）されることができる。本発明のすべてのボディポジションフィードバックシステムにおいて必要なわけではないが、ベース領域212が領域206、208および210を合わせて保持し、それが、衣類200におけるフィードバックシステム202のポジショニングおよび衣類200全体の製造を支援することができる。

【0049】

上記のように、この図示される例示的構造200において、領域206、208および210の少なくとも一つは、体の所望の部分（この例では腰）の周囲に延在するのに十分な全長（領域206、208および／または210の一方の自由端から他方の自由端までの寸法「L」―図3Dを参照）を有する。このようにして、領域206、208および／または210は、伸びまたは動きに抵抗する力（または圧縮力）を体のその部分に適用する。この全長寸法「L」は、たとえば衣類サイズおよび／または収容される体の部分に依存して異なることができる（たとえば、少なくとも4インチ、少なくとも7インチ、少なくとも10インチ、少なくとも12インチまたはそれを超える寸法）。そのうえ、少なくともいくつかの例示的構造200において、この長さ寸法Lは、対応する領域206、208および／または210の全高寸法「H」よりも実質的に大きい（たとえば、高さ寸法「H」は、衣類構造200の中央背中部分に対して平行な方向および／または寸法「L」に対して垂直な方向において領域206、208および／または210（ベース領域212を除く）の最大寸法である―図3Dを参照）。本発明の少なくともいくつかの例示的構造において、L：H比は少なくとも4であることができ、いくつかの構造において、少なくとも7、少なくとも10、少なくとも12またはそれを超える比であることができる。

【0050】

図2Bはさらに、より高い圧縮力適用領域206、208および210の端部が互いから切り離されていることを示す（実際、領域206、208および210は、その長さの大部分、75％、85％またはそれを超える部分にわたって互いから切り離されている）。この切り離しが、圧縮力が異なるふうに適用される（上記の「差」）いくつかの隣接区域を提供し、それが、ボディポジションの着用者の「感覚」および意識をさらに増強することができる。本発明を逸脱することなく、任意の所望の切り離し距離または量を使用することができる。いくつかのより具体的な例として、切り離し距離「S」（この図示される例示的構造202においては共通のベース領域212を除く―図3Dを参照）は、0.25H〜2Hの範囲であることができ、いくつかの構造において、0.5H〜1.5Hまたは0.75H〜1.25Hの範囲であることができる。

【0051】

上述したように、本発明のボディポジションフィードバックシステムは、衣類構造に別個に取り付けられることもできるし（たとえば、従来のアパレル製品構造の一つまたは複数の布要素に重ねることなどにより）、衣類構造の一部として一体に形成されることもできる。本発明を逸脱することなく、これらのタイプのボディポジションフィードバックシステムはいずれも、広く多様な異なる形態および／または構造を採ることができる。適当なボディポジションフィードバックシステム（たとえば図2Aおよび2Bのシステム202）ならびにその構成およびアパレル製品構造への組み込みの一例を、図3A〜3Fに関連して以下さらに詳細に説明する。

【0052】

図3A〜3Fに示す方法によって構成されるボディポジションフィードバックシステムは、既存の衣類構造（たとえばシャツ、タンクトップ、下着、レオタードなど）に別個に適用することができる多層構造である。図3Aは、図2Bの例示的ボディポジションフィードバックシステム構造202の第一の層300の製造を示す。図示するように、このステップでは、一つまたは複数の第一の層部材300を、より大きな材料302の半加工品または部片から切り抜く。本発明を逸脱することなく、たとえば打ち抜き、レーザ切断、ハンドカットなどを含む任意の所望のタイプの切削処理を使用することができる。また、本発明を逸脱することなく、任意の所望のタイプの材料302を使用することができる。この図示される例において、材料302は、衣類構造の他の部分を構成する布要素の弾性率と比較して（たとえば、衣類構造200を構成するスパンデックス、綿、ポリエステルまたは他の布要素220の伸び抵抗または圧縮力適用能力と比較して）高い弾性率を有する（たとえば、引っ張り伸び力に対してより抵抗性である、および／またはより高い圧縮力を提供する）材料であることができる。いくつかのより具体的な例として、材料302は、タックルツイル製造で一般に使用される材料、キャンバスタイプ材料、ポリエステルタイプ材料、gygli材料などであることができる。いくつかの構造において、材料302は、ボディポジションフィードバックシステム構成工程中の後の時機に第一の材料層300を別の材料に接合する（たとえば、積層工程、熱および／または圧力の適用、接着剤などによって）ことを可能にするのに適当な材料でできている、またはそれを含有する。

【0053】

図示された例示的構造300は、図2Bに示す構造と同じく、共通のベース部材308によって接続された複数の高い伸び抵抗の領域を含む。この例示的構造300の個々の突起または端部領域304それぞれは、その中に切り抜かれた開口部306を含む。追加的または代替的に、望むならば、本発明を逸脱することなく、より高い圧縮力適用材料層300は、つなぎ合わされた（たとえば、縫合、接着剤またはセメント、機械的コネクタ（たとえばフック＆ループファスナ）などによってつながれた）多数の部片でできていることができる。

【0054】

図3Bは、ボディポジションフィードバックシステムを製造する例示的方法におけるもう一つのステップを示す。このステップは、図3Aに関連して上述したステップと同様な、材料310を切削するステップであるが、この場合、材料310は、ボディポジションフィードバックシステム構造202全体の第二の層を形成している。本発明を逸脱することなく、このステップには、図3Aに関連して上記したものを含む任意の所望のタイプの切削加工を使用することができる。一般に、材料310は、第一の層部材300とほぼ同じサイズおよび形状を有する一つまたは複数の第二の層部材312に切り出されるが、所望により、部材312は、いくらか異なるサイズ（たとえばいくらか小さめ）および／またはいくらか異なる形状であってもよい。

【0055】

本発明を逸脱することなく、第二の材料層312は、衣類およびアパレル製造で従来から使用されている任意のタイプの材料を含む任意の所望の材料310でできていることができる。本発明の少なくともいくつかの例において、第二の材料層312は、綿、ポリエステルなどのような可撓性材料でできており、場合によっては、衣類構造200の他の布要素220の少なくとも一つに含まれる同じ材料でできている。いくつかの例示的構造において、第二の材料層312は、衣類構造200の最大部分を構成する布要素の伸び抵抗よりも高い伸び抵抗および／または第一の材料層300よりも高い伸び抵抗を有する材料でできていることができるが、この図示される例示的構造においては、第二の材料層312は、第一の材料層300と同じ、またはそれよりも低い伸び抵抗を有する。いくつかのより具体的な例として、第二の材料層312は、メッシュ材料、たとえば高性能発汗管理材料（たとえば、ポリエステルマイクロファイバ、ポリエステルマイクロファイバ／綿ブレンド、ポリエステルマイクロファイバ／綿／スパンデックスブレンド、ポリエステル／スパンデックスブレンドなどでできている、またはそれを含有する薄く軽量の布）、たとえばNIKE, Inc.（Beaverton, Oregon）から市販されている様々な製品に含まれているような「Sphere Dry」ポリエステルニット材料および／またはDri-FIT（登録商標）ポリエステル材料でできていることができる（この同じ材料または同様な材料は、衣類構造200全体の他の布要素220として使用することもできる）。

【0056】

ひとたび材料層300および312がそれぞれの半加工品302および310から切り抜かれると、図3Cに示すように、それらを互いに接合し、それにより、ボディポジションフィードバックベース部材320を構築することができる。本発明を逸脱することなく、たとえば、縫合、接着剤またはセメント、積層加工などの一つまたは複数を含む、これらの層300および312を接合する任意の所望のやり方を使用することができる。いくつかのより具体的な例として、層300および312は、従来のタックルツイル構成および製造で使用されているやり方で互いに接合することができる。これらはまた、当技術分野で従来から公知であり、使用されているような加熱プレス技術を使用して接合することもできる。

【0057】

図3Cは、第二の層312の材料が第一の材料層300中の開口部306の上に延在し、それを覆うことを示す。可撓性で軽量および／または低圧縮力適用材料（材料層300と比較して）および／またはメッシュ材料を第二の材料層312として使用すると、図3A〜3Fの方法によって構成されるタイプの多層ボディポジションフィードバックシステムを含む衣類構造全体において特定の利点を提供することができる。たとえば、第二の材料層312のための軽量メッシュまたは他の材料は、第一の材料層300の存在のせいで生じるおそれのある過度な蓄熱を防ぐ、または減らすのに役立つことができる（たとえば、第一の材料層300があまり通気性ではない場合）。追加的または代替的に、望むならば、材料層312のための軽量および／または可撓性材料の使用は、ボディポジションフィードバックベース部材320全体が着用者の体とともにより良好に動く、および／または撓む（少なくとも、高伸び抵抗性材料領域の略長軸方向または長さ寸法以外の方向に）のに役立つことができ、それにより、不快なひだ、折れ曲がりなどを回避するのに役立つ。

【0058】

図3Bおよび3Cは、第一の材料層300と係合し、すべての開口部306を完全に覆うための一つの第二の材料層312を示す。これは必要条件ではない。むしろ、望むならば、複数の第二の材料層312を提供し、第一の材料層300に別々に取り付けることができる。たとえば、各第二の材料層部片312が開口部306の一つだけまたは全部よりも少ない数を覆うことができ、多数の第二の材料層312が一つの開口部を覆うことができる、などである。複数の第二の材料層312が存在する場合、本発明を逸脱することなく、それらは重複する、部分的に重複する、および／または互いに離れたままでいることができる。

【0059】

図3Dは、本発明の少なくともいくつかの例のボディポジションフィードバックシステムに組み込むことができるもう一つの材料層330の製造を示す。この層330、すなわちベース層は、上記技術と同じまたは同様な技術を使用して、第一の材料層300とほぼ同じサイズおよび形状（場合によっては少し大きい）に半加工品332から切り抜くことができる。本発明を逸脱することなく、ベース層330は任意の所望の材料332でできていることができる。このベース層330の様々な例示的特徴を、図3Eおよび3Fに関連して以下さらに詳細に説明する。

【0060】

ベース層330は、他の層300と同じ形状でなくてもよい。たとえば、望むならば、ベース層330は、単に、様々な部品を正確に並べる必要なしに他の層を容易に適用することができる（以下に説明する）大きな材料ブロックであってもよい。また、本発明を逸脱することなく、ベース層330のための多部品構成（多数のベース層部品が一つの層300と係合）を使用することもできる。

【0061】

この図示される例示的手法の次のステップにおいて、図3Eに示すように、ベース層330を衣類構造の一つまたは複数の布要素、たとえば図2Aおよび2Bに関連して上記した衣類構造200の布要素220に適用する。本発明を逸脱することなく、ベース層330を布要素220に適用する任意のやり方を使用することができる。たとえば、望むならば、ベース層330の一つの面が、熱、圧力および／または他の接着剤硬化および／または積層技術を使用してベース層330を布要素220に適用することを可能にするための接着剤または他の材料を含む（または含むように処理される）ことができる。他の例として、ベース層330を、縫合、機械的コネクタ（たとえばフック＆ループファスナ）などによって布要素220と係合させることができる。ベース層330が適用された組み合わせ衣類構造が、図3E中、参照番号340によって示されている。

【0062】

次に、図3Fに示されるように、ボディポジションフィードバックベース320をベース層330の上で衣類ベース構造340と係合させて最終的な衣類構造（たとえば、図2Aおよび2Bに示す衣類構造200のようなもの）を製造する。本発明を逸脱することなく、ボディポジションフィードバックベース320を衣類ベース構造340上のベース層330と係合させる任意の所望のやり方を使用することができる。たとえば、望むならば、ベース層330の露出面は、熱、圧力および／または他の接着剤硬化および／または積層技術を使用してボディポジションフィードバックベース320をベース層330に適用することを可能にするための接着剤または他の材料を含む（または含むように処理される）ことができる。他の例として、ボディポジションフィードバックベース320は、縫合、機械的コネクタ（たとえばフック＆ループファスナ）などによってベース層330と係合させることができる。一つの例示的構造において、ベース層330および第一の材料層300は、たとえば熱、圧力および／または積層加工を使用してそれらを係合させることを可能にする材料でできている、および／またはそれを含む。ベース層330および第一の材料層300はまた、Bermis Associates Inc.（Shirley, Massachusetts, United States）から市販されているタイプの熱可塑性ポリマー材料でできていることができ、これらのBemis材料の接着性によって合わせて保持されることができる。また、gygli材料および／またはFramis Italia SpA（Gaggiano, Italy）から市販されている材料をそのような積層構造に使用することもできる。

【0063】

当業者は、本発明を逸脱することなく、上記様々な方法を有意に変更することができることを理解するであろう。たとえば、図3A〜3Fに関連して様々な独立したステップが記載されているが、本発明を逸脱することなく、これらのステップは、順序変更される、組み合わせる、さらなる特徴を含む、同時に実施される、一つまたは複数の当事者によって実施されるなどが可能である。たとえば、望むならば、多層ボディポジションフィードバックシステムは、衣類構造とは完全に独立して構成したのち、その構成後（たとえばすべての層を含む）、単一の要素として衣類構造に適用することができる（たとえば、一つの積層、加熱および／またはプレス工程で、縫合によってなど）。もう一つの例として、望むならば、衣類をベース材料として使用してフィードバックシステム構造全体を構成することもできる（たとえば、まずベース層330を衣類に適用し、第二の層312をベース層330に適用し、次いで第一の層300を第二の層の上に適用する）。さらに別の例として、望むならば、本発明を逸脱することなく、層の一つまたは複数（たとえばベース層330、第二の材料層312など）を省くこともできる。望むならば、一つの層（たとえば層330および／または層300）だけでボディポジションフィードバックシステム全体を形成することもできる。また、他の改変が可能である。

【0064】

ボディポジションフィードバックシステム全体が衣類構造の他の布要素（フィードバックシステムに直接隣接する布要素を含む）よりも通気性が劣る場合、これは、有利な効果を有することができる。より高い圧縮力適用領域の低下した通気性は、これらの区域でいくらかの局所的発汗を生じさせることができる。より高い発汗の区域における汗の存在によって生じる差が、示差的感覚、ひいては自分のボディポジションに関する着用者の感覚および意識をさらに増強することができる。

【0065】

図4は、たとえば図2A〜3Fに関連して上記した多層タイプの本発明の取り付け可能なボディポジションフィードバックシステムの様々な例の断面図を示す。図4の上の断面図は、第一の材料層300およびベース層330が実質的に同じサイズおよび形状であり、第二の材料層312がこれらの層の間に挟まれているボディポジションフィードバックシステム202を示す。図4の上部分に示すように、第二の材料層312は他の層よりもいくぶん小さく、それが第一の材料層300およびベース層330の外縁を露出させて、それらを互いに接合することができるようにしている（たとえば、接着剤またはセメント、積層技術、縫合などにより）。他方、図4の下の断面図は、第一の材料層300よりもいくぶん大きい（そして、第一の材料層300を越えて延在する）ベース層330を示す。第一の材料層は第二の材料層312よりもいくぶん大きい（そして、第二の材料層312が第一の材料層300とベース層330との間に挟まれている）。ここでもまた、本発明を逸脱することなく、図4の上の断面図部分に関連して上記した方法を含め、様々な層を接合する任意の所望の方法を使用することができる。望むならば、この構造を使用して、最終構造でタックルツイルタイプの外観を有するボディポジションフィードバックシステム202を製造することができる。

【0066】

図4は、本発明の少なくともいくつかの例の衣類構造および／またはボディポジションフィードバックシステムに含めることができるもう一つのオプション的特徴を示す。図4の下の断面図に示すように、ボディポジションフィードバックシステム202の一つまたは複数の層は「テクスチャリング」特徴または要素を含むことができる。図4において、テクスチャリングは、ベース層330の底から延在する隆起区域350によって示されている。このタイプのテクスチャリングは、ボディポジションフィードバックシステム202の着用者の「感覚」をさらに増強したり、神経および深層組織受容器をより良く刺激したりすることができる。隆起区域350は、ボディポジションフィードバックシステム202の任意の所望の面または層（および／またはその任意の部分）の上に提供されることができ、任意の所望のサイズまたは形状であることができる（たとえば、それらが含められる層（たとえば図4の層330）のベース面レベルに対して少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mmまたは少なくとも8mm隆起している）。隆起区域350は、層構造330の一部として一体に形成される（たとえばその中に成形またはエンボス加工される）こともできるし、別個の要素としてそれに適用される（たとえば、その上にプリントされる）こともできる（それに適用されたシリコーンドット要素、機械的ファスナ要素またはその部分（たとえばオス形スナップ要素）など）。テクスチャリング350は、材料の層全体に均一かつ均等に適用することもできるが、それが適用される材料層の一つまたは複数の部分で多数の不連続な位置に存在させることを含め、特定の位置に集中させることもできる。

【0067】

本発明を逸脱することなく、本発明の局面は、任意の所望の衣類タイプまたはスタイルとともに使用することができる。ロワーバックポジションフィードバックシステム202を衣類構造に含める様々な例が図5A〜7Bに関連して示されている。具体的には、図5Aおよび5Bは、ロワーバックポジションフィードバックシステム202をタンクトップまたはスポーツブラタイプ衣類構造500に含める例を示す。図6Aおよび6Bは、ロワーバックポジションフィードバックシステム202をベストタイプ衣類構造600に含める例を示す。図7Aおよび7Bは、ロワーバックポジションフィードバックシステム202を長袖形状適合性衣類構造700に含める例を示す。

【0068】

本発明のロワーバックポジションフィードバック装置はまた、図2A〜7Bに関連して先に示し、説明した特定の構造に限定される必要はない。むしろ、たとえば、本発明を逸脱することなく、多層構造は、より多数または少数の層を有するように変更することができる。または、所望により、本発明を逸脱することなく、より高い伸び抵抗を有する単層構造、たとえば上記層300（開口部306はあってもなくてもよい）を提供し、完全なボディポジションフィードバックシステムとして衣類構造と係合させることもできる。

【0069】

また、本発明を逸脱することなく、ボディポジションフィードバックシステムの形状を広く変化させることができる（たとえば、所望の衣類構造に含め、ポジションがより良く感知されるべき所望の身体部分と係合させるのに望ましい形状を提供するため）。場合によっては、ボディポジションフィードバックシステムは、増強されたポジショニングフィードバックが望まれる体の部分に少なくとも部分的に巻き付く、より高い伸び抵抗の材料（または圧縮力適用材料）の構造を含む。また、他の変形が可能である。図8および図9は、それぞれ、ボディポジションフィードバックシステム802および902をそれぞれ含む例示的衣類構造800および900を示す。これらのフィードバックシステム802および902それぞれは、衣類構造の最大部分を構成する布要素の伸び抵抗および／またはそれらが覆う布要素の伸び抵抗と比較して高い伸び抵抗を有する複数の独立した領域（804および904）を含む。しかし、これらの構造802および902においては、領域804および904は、互いに切り離され、接続されないままである。望むならば、より高い圧縮力適用領域804および／または904のいくつかは、たとえば図2Bに関連して上記したやり方で、ベース領域と相互接続することができる。本発明を逸脱することなく、任意の所望の数の相互接続状態および非接続状態のより高い圧縮力適用領域を衣類構造中に任意の所望のポジションおよび／または間隔で提供することができる。相互接続するベース領域は、存在する場合、中央脊柱区域だけでなく、領域802および902の長手沿いの任意の場所に位置することができる。本発明を逸脱することなく、ボディポジションフィードバックシステム802および902はまた、背中の任意の所望の区域または領域（たとえば、一つまたは複数の特定の椎骨など）を標的化するために、同じまたは異なる角度または方向を含め、所望の角度または方向で体を横切って延在するように向けることができる。

【0070】

上述したように、本発明は、腰のポジショニングの着用者感覚および／または意識を増強するための衣類構造に限定されない。運動競技パフォーマンス中（たとえばゴルフスイング中、ゴルフスタンス中など）の足のポジショニングおよび動きが、パフォーマンスおよび／または反復可能かつ確実な能力を達成するのに重要な要因になることがある。図10Aおよび10Bは、たとえば図2A〜9Bに関して先に概説したタイプの多層ボディポジションフィードバックシステム1002を含む例示的ソックス構造1000を示す。より具体的には、この図示される例示的フットポジションフィードバックシステム構造1002は、ソックス構造1000の布要素1020と直接係合するベース層1030を含む。図示された例示的フットポジションフィードバックシステム構造1002はさらに、ベース層1030と、その上にある上／第一の材料層1010との間に挟まれた第二の材料層1012（たとえばメッシュまたは軽量の材料層）を含み、層1010は、その中に画定された開口部1006を含み、この開口部を介して第二の材料層1012が露出する。この構造1002におけるベース層1030および／または第一の材料層1010は、衣類構造1000の最大部分を構成する布要素1020の伸び抵抗および／またはそれが被さる布要素の伸び抵抗と比較して高い伸び抵抗（または圧縮力適用能力）を有することができる。この多層構造1002の様々な部分は、図2A〜9Bに関連して上記した特徴と同じまたは同様な特性を有することもできるし、同じまたは同様な材料でできていることもできるし、同じまたは同様なやり方で互いおよび衣類構造1000と係合することもできる。

【0071】

特に、この例示的構造1000において、より高い圧縮力適用材料1030および／または1010は、衣類構造の外側から中底1060を横切って内側まで途切れず延在している（たとえば、これらの部品は、指定された方向に少なくとも2インチ、いくつかの例では少なくとも3インチ、少なくとも4インチ、少なくとも6インチまたはより長く途切れずに延在している）。このようにして、足にかかる重量が、フットポジションフィードバックシステム1002の端部1062に対して対向する力を適用する傾向を示す。フィードバックシステム1002の少なくとも一つの層のより高い伸び抵抗が、着用者の足（たとえば土踏まず、側面など）に対する圧縮力または引っ張り重量力に対する抵抗を適用し、それにより、足に関する着用者の「感覚」を高め、足のこの部分のポジションに関する着用者の意識を高める。

【0072】

この図示される例示的フットポジションフィードバックシステム1002はさらなる（オプションの）特徴を含む。いくつかの活動にとって、足首および／またはかかとのポジショニングおよび／または位置が重要になることがある（たとえば反復可能なゴルフ姿勢またはスタンスを確立する場合）。したがって、この構造1000におけるフットポジションフィードバックシステム1002の端部1062は、土踏まず区域から離れて（そして開口部1006から離れて）衣類構造1000の後部に向けて延在するさらなる高伸び抵抗性材料を含む。これらの延長部分または「ウィング区域」1064は、衣類構造の足首および／またはかかと区域に沿って延在して、それらのポジションにおける局所圧縮力および／または伸び抵抗を高める。より高い伸び抵抗のこれらの区域は、たとえばゴルフスイングに含まれるねじり動作の間、足に関する着用者の「感覚」および／または足のこの部分のポジションに関する着用者の意識を高めるのに役立つ。

【0073】

本発明を逸脱することなく、ウィング区域1064は、存在する場合、衣類構造1000の外側および内側のいずれかまたは両方に提供されることができ、これらのウィング区域1064は、同じまたは異なる外観を見せることができる。加えて、望むならば、ウィング区域1064は、かかとの後ろあたりを含め、衣類構造1000のかかと区域の周囲に任意の所望の距離だけ延在することができる。さらに別の代替として、望むならば、二つのウィング区域1064（二つが存在するならば）は、後かかと区域で結合すること、および／またはかかとの後部の周囲でフットポジションフィードバックシステム1002の一端1062から他端まで延在する一つの連続したウィング区域1064を一体に形成することができる。

【0074】

この図示される例示的構造1000において、ウィング区域1064は、ベース層1030から延在し（そして、その一部として一体に形成され）、ベース層は、上記のように、衣類構造の最大部分を構成する材料および／またはベース層1030によって覆われる材料よりも高い伸び抵抗の材料を構成することができる。これは必要条件ではない。または（またはさらには）、望むならば、一方または両方のウィング区域1064（存在するならば）は、第一の材料層1010からの延長部として形成されてもよい。なおさらなる例として、望むならば、ウィング区域1064は、ベース層1030および／または第一の材料層1010に接続されてもよいし、それから切り離されてもよい別個の高伸び抵抗性材料を構成することもできる。

【0075】

ボディポジションフィードバックシステムは、既存の完全な衣類構造と係合した別々の構造（たとえば多層構造または他の別々の構造）を構成する必要はない。むしろ、望むならば、そのような構造は、衣類を構成する他の材料または布要素に被さることなく、衣類構造の一体部分として形成されることができる。たとえば、フィードバックシステムの外周（図4の要素202など）が、縫合することができる材料でできているならば、フィードバックシステム202は、たとえば別個の布要素のように、かつ／または従来の衣類構造からの布要素の全部または一部のための交換として、衣類構造に直接組み込むことができる。

【0076】

しかし、ボディポジションフィードバックシステムは、衣類とは別個の構造である必要は全くない。むしろ、望むならば、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、ボディポジションフィードバックシステムは、衣類構造を構成する布要素の一つまたは複数の一部として衣類構造に一体に組み込まれてもよい。そのようなシステムの様々な例を、図11〜14Eに関連して以下さらに詳細に説明する。

【0077】

図11は、ロワーバックポジションフィードバックシステム1102を有する例示的衣類構造1100を示す。所望により、このロワーバックポジションフィードバックシステムは、一般に、図2A〜9Bに関連して上記した様々な別個に係合するフィードバックシステムと同じサイズ、形状および／または位置を有することができる。しかし、この例示的構造1100において、フィードバックシステム1102のためのより高い伸び抵抗（圧縮力適用）は、衣類のその部分を、衣類構造1100の最大部分を構成する構造とはいくらか異なる構造として形成することによって提供される。構造におけるこの変更は、多様な方法で達成することができる。

【0078】

いくつかのより具体的な例として、異なる（そして比較的高伸び抵抗性の）構造は、衣類構造の最大部分を構成する縫合、製織および／または編成パターンと比較して異なる縫合、製織および／または編成パターンをフィードバックシステム領域の位置に提供することにより、フィードバックシステム1102の領域に提供することができる（衣類構造1100全体の最大部分を構成する構造の伸び抵抗と比較して）。一つのテキスタイル構造内で様々なタイプの縫い目を形成することができる（たとえば、異なる弾性および／または異なる伸縮性または他の特性を有する異なる縫合パターンを製造するため）最新の市販編機およびシステムが当技術分野で公知である。一般に、そのような従来の編機およびシステムは、針の選択によってテキスタイル構造における設計を変更するようにプログラムすることができる。より具体的には、テキスタイル構造上の各位置で形成される縫い目のタイプは、特定の針が各縫い目位置で糸を受ける、または受けないように編機をプログラムすることによって選択することができる。このようにして、様々なパターン、テキスチャーまたは設計を選択的および意図的に一体のテキスタイル構造に付与して、それにより、異なる弾性、異なる伸縮性および／または異なる圧縮性を有する領域を形成することができる。

【0079】

もう一つの例として、衣類構造の最大部分を構成する材料と比較して異なる材料を高伸び抵抗領域に使用することにより、衣類構造の領域の構造を、衣類構造の最大部分の伸び抵抗と比較して高い伸び抵抗を提供する（フィードバックシステム1102の領域中に）ように変化させることができる。上記タイプの最新および従来の編機およびシステムはまた、縫い目ごとに特定のタイプの糸材料を使用するようにプログラムすることができる。すなわち、特定の針が各縫い目位置で特定のタイプの糸を受け入れるように編機をプログラムすることにより、テキスタイル構造上の各位置で使用される糸のタイプを選択することができる。このようにして、異なる伸縮特性を有する糸および／または材料を一体衣類構造に組み込んで、それにより、異なる弾性、異なる伸縮性および／または異なる圧縮性を有する領域を形成することができる。

【0080】

衣類構造の最大部分の伸び抵抗と比べて高い伸び抵抗を提供する（フィードバックシステム1102の領域に）ために、衣類構造の最大部分を構成する材料の厚さと比較して厚い材料を布要素および／またはより高い伸び抵抗の区域に使用および／または形成することにより、衣類構造の領域のために異なる構造を提供することもできる。この厚さ変更は、たとえば、より高い伸び抵抗の区域において、他の領域と比較して重い糸材料を使用する、またはより「増強された」構造を形成することによって達成することができる。追加的または代替的に、望むならば、増大した厚さを、より高い伸び抵抗の区域内の複数の別個の位置に提供して、たとえば、それにより、より高い伸び抵抗の位置に布要素のテクスチャリングおよび／または不均等面（たとえば、厚い部分と薄い部分とが交互にある）を提供することもできる。このテクスチャリング特徴は、図4に関連して上記したように、構造を形成し、着用者の感覚性をさらに増強することができる。

【0081】

図11に示すように、衣類構造1100の編成および／または他の特徴は、より高い圧縮力適用領域1102が、異なる伸び抵抗を有する多数の区域1104および1106を有するように選択的に変化させることができる。本発明を逸脱することなく、図11の区域1106は、区域1104と比較して高い、または低い伸び抵抗を有することができる。または、望むならば、領域1102全体が一つの材料構造でできている、および／または全体を通して本質的に同じ伸び抵抗（衣類構造の最大部分を構成する材料および／または構造の伸び抵抗および／またはすぐ周囲にある布要素の伸び抵抗よりも高い伸び抵抗）を有するように設計されていることもできる。領域1102中の異なるハッチングは、異なる構造を有する（たとえば、上記方法の一つまたは複数において）衣類1100の区域1104および1106を示す。それにもかかわらず、異なる構造のこれらの区域および実により高い圧縮力適用領域1102全体が1ピース構造として一体に形成され、布要素が衣類構造1100の残りを構成することもできる。

【0082】

図12は、フットポジションフィードバックシステム1202を有する例示的ソックス構造1200を示す。この図示された例示的フットポジションフィードバックシステム1202は一般に、図10Aおよび10Bに関連して上記した構造の同じサイズ、形状および位置を有するが、この場合、フットポジションフィードバックシステム1202（衣類構造の最大部分および／またはすぐ周囲にある布要素に関する伸び抵抗または圧縮力適用能力よりも高い伸び抵抗または圧縮力適用能力を有する）は、異なる布構造を使用して提供される（図11に関連して上記した様々なやり方で、たとえば異なる縫合、製織および／または編成パターン、異なる材料、異なる材料厚さおよび／またはテクスチャリングなど）。本発明を逸脱することなく、異なる弾性率、伸縮性および／または圧縮性を有する任意の所望の数の区域が構造1202に含まれることができるが、この図示される例において、フットポジションフィードバックシステム1202は、異なる伸び抵抗の三つの別個の領域、すなわち領域1204、1206および1208を含む。また、システム1202内の異なる伸び抵抗を有するいくつかの別個の領域1204、1206および1208は、互いに対する相対的伸び抵抗の任意の所望の配設を有することができる（たとえば、領域1204から1208へと内側に移動するにつれ伸び抵抗が高くなる、伸び抵抗が領域1206で最高になり、領域1208で最低になる、など）。

【0083】

衣類構造に一体化された（たとえば異なる材料構造によって）フットポジションフィードバックシステム1302を含むもう一つの例示的衣類構造1300が図13Aおよび13Bに示されている。この例示的構造1300において、フットポジションフィードバックシステム1302は、二つの切り離された部分、すなわち土踏まずポジションフィードバック部分1302a（土踏まず区域中の中底を横切って衣類構造1300の外側から内側まで延在する）および甲／かかと／足首ポジションフィードバック部分1302b（衣類構造の外側つま先区域から甲区域を斜めに横切って内側かかと／足首区域まで延在する）を含む。内側かかと／足首区域で、フィードバック部1302bは、二つの別々の端部1304aおよび1304bに分岐し、一方の部分1304aがかかとの下を（下中底部分まで）延在し、もう一方の部分1304bが後かかとの周囲を衣類の背面まで延在する。土踏まずポジションフィードバック部分1302aは、たとえば図10Aおよび10Bに関連して上記した構造と同様なやり方で、着用者が、自分の重量配分ならびに土踏まず区域および足の他の部分のポジション／動きをより良く意識することに役立つ。甲／かかと／足首ポジションフィードバック部分1302bは、着用者が、甲、足首およびかかとのポジショニングおよび動きをより意識することに役立つ。

【0084】

甲／かかと／足首ポジションフィードバック部分1302bの斜行構造（外側つま先から内側かかと／足首区域まで）は、この高圧縮力適用領域を、足の動きおよび運動競技活動の間に動くかかと区域の周りおよび甲区域を横切って巻き付けるのに役立つ。この動きは、高圧縮力適用領域1302bの圧縮力および／または比較的低い伸縮性に抗して作用し、着用者をして甲／かかと／足首のポジションおよび動きをより意識させることに役立つ。その非対称構造のおかげで、この例示的衣類構造1300はさらに、このソックスが右足に装着されるべきなのか左足に装着されるべきなのかをユーザに知らせる「コレクトフットインジケータ」1310を含む。

【0085】

本発明を逸脱することなく、このフットポジションフィードバックシステム1302の様々な部品は、任意の所望の相対的伸び抵抗（または圧縮力適用能力）を提供されることができる。たとえば、領域1302aの内部1306は、最高の伸び抵抗を有することができ、領域1308および1302bは、同じまたは異なる伸び抵抗（領域1306の伸び抵抗よりも低い）を有することができる。この例示的構造1300のこれらの三つの領域1302b、1306および1308すべては、衣類構造1300の最大部分を構成する材料の伸び抵抗およびすぐ周囲にある布構造の伸び抵抗よりも高い伸び抵抗を有する。追加的または代替的に、伸び抵抗（または圧縮力適用能力）は所与の領域内で異なることができ、たとえば、より高い伸び抵抗を領域1302bの長さの一つまたは複数の部分に沿って、たとえば分岐した端部1304a／1304bまたはその近くで構造中に組み込むことができる。

【0086】

図13Aおよび13Bの図示される例示的構造1300は、フットポジションフィードバックシステム1302のすべての部分（衣類構造の最大部分に関連する伸び抵抗よりも高い伸び抵抗を有する）を含め、たとえば異なる布構造（たとえば、図11に関連して上記した様々なやり方で、異なる縫合、製織および／または編成パターン、異なる材料、異なる材料厚さおよび／またはテクスチャリングなど）を使用して、衣類構造に一体に形成されることができる。これは必要条件ではない。むしろ、望むならば、より高い伸び抵抗の区域1302a、1302b、1304a、1304b、1306および／または1308の一つまたは複数は、たとえば図2A〜10Bに関連して上記したやり方で別個の高伸び抵抗要素を衣類構造に取り付けることによって提供することができる。

【0087】

図14A〜14Eは、本発明のもう一つの例示的フットポジション意識増強衣類構造1400を示す。この例示的衣類構造1400は、前記衣類と比較して足首およびふくらはぎのより上の方まで延在する「クルーソックス」タイプ衣類を含む。この衣類1400は、二つの別個の高圧縮力適用領域、すなわち、土踏まず区域の周囲の領域1402ならびに足首およびふくらはぎ区域の周囲の領域1404を含む。これらの領域1402および1404は、衣類1400の布構造の一部として一体に形成されることもできるし、衣類1400に取り付けられる別個の構造であることもできる。

【0088】

図14A〜14Eの例示的衣類構造1400は、二つの領域1402および1404が必ずしも同じ圧縮力適用能力を有しなくてもよい（図中の異なるハッチングによって示すように）ことを示す。この図示される例示的構造1400において、領域1402は、領域1404よりも高い圧縮力適用能力を有することができるが、これは必要条件ではない。むしろ、望むならば、二つの領域が同じ圧縮力適用能力を有することもできるし、領域1404が領域1402よりも高い圧縮力適用能力を有することもできる。また、本発明を逸脱することなく、任意の所望の数の領域および／または任意の所望の数の異なる圧縮力適用能力を所与の衣類構造中に提供することができる。また、望むならば、本発明を逸脱することなく、一組のソックスの両方が同じまたは異なる圧縮力適用構造および／または能力を有することができる。

【0089】

図15は、本発明の局面のもう一つの衣類構造1500を示す。このボディポジションフィードバック領域1502は、図10A、10Bおよび12に関連して上記した領域と同様な形状および位置にあり、領域1502は、上記方法のいずれかを使用して提供することができる。本発明を逸脱することなく、領域1502のための任意の所望の形状（多数の別個の領域を含む）を使用することができる。しかし、この例示的構造1500において、ボディポジションフィードバック領域1502の少なくともいくつかの部分はテクスチャリング要素1504を含む。上記のように、テクスチャリング要素1504は、衣類構造1500または領域1502と別々に係合させることもできるし、衣類製造工程を使用して所望の領域で衣類構造1500に一体に形成することもできる（たとえば、より重い糸を使用する、より厚い編成または縫合パターンを使用するなどして、選択された位置で衣類構造1500を編む）。このタイプのテクスチャリングは、自分の体のポジションに関する着用者の「感覚」および意識をさらに増強することができる。場合によっては、望むならば、このテクスチャリングを、上記のように、高弾性率領域の圧縮力および／または引っ張り伸び抵抗と組み合わせて使用することもできる。または、望むならば、テクスチャリングのみを使用して着用者感覚および／またはボディポジショニング意識を高めることもできる（たとえば高伸び抵抗領域の必要なしで）。

【0090】

本発明の少なくともいくつかの例の足収容構造または脚収容構造（たとえば図10A、10Bおよび12〜15に示すもののようなソックス）はまた、着用者の歩き方またはスタンスの特徴を変化させるためにも有用であることができる。歩行中および／または立っているときの様々な時機におけるフットポジショニングに関する着用者意識を高めることにより、着用者は、ステップ中に自らの歩き方を調節したり、自らの立ちポジションを調節したりすることができる。ソックス（または他の衣類構造）中の高圧縮力適用領域のポジショニングおよび／または他の特徴に依存して、そのような衣類は、正しい回内、回外および／または他の歩き方／スタンス関連の問題を矯正したり、足または脚のスタンスおよび／または動きの制御を他のやり方で提供したりするのに役立つように使用することができる。

【0091】

III.結論
本発明を、添付図面において、多様な例示的構造、特徴、要素ならびに例示的構造、特徴、要素の組み合わせを参照して説明した。しかし、本開示によって果たされる目的は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明に関連する様々な特徴および概念の例を提供することである。当業者は、請求の範囲によって画定される発明の範囲を逸脱することなく、上記態様に対して数多くの変形および改変を加えることができることを理解するであろう。たとえば、本発明を逸脱することなく、図1〜15に関連して上記した様々な特徴および概念を個々におよび／または任意の組み合わせで使用することができる。

【0092】

さらには、本発明の局面は、他の衣類構造および体の様々な標的区域（たとえば、図1に示すゾーンのいずれか）に関するフィードバック情報を提供するように設計された衣類構造との使用に拡張することもできる。いくつかのより具体的な例として、本発明の局面は、手、足、足首、ふくらはぎ、膝、腕、肘、肩、仙骨または背、体幹部、臀部、首などの他の部分の少なくとも一部分のポジショニングに関するポジションフィードバック情報を着用者に提供するように特異的に設計され、カスタマイズされた衣類構造との使用に拡張することもできる。体のこれらの部分の一つまたは複数に対して、またはその周囲に密着する、および／またはそれらを少なくとも部分的に収容する任意のタイプの衣類構造を本発明の例にしたがって提供することができる。また、本発明の局面を組み込む衣類構造は、正しい体の姿勢、動きおよび／またはポジショニングがパフォーマンスに影響するおそれがある、および／または「筋肉記憶」の発達がパフォーマンスを増強するおそれのある任意の活動を含め、広く多様なスポーツ、運動競技パフォーマンスおよび／または他の活動における使用のために開発されることができる。そのようなスポーツおよび／または活動の例は、ゴルフ、野球、ソフトボール、クリケット、バスケットボール、フットボール、ホッケー、スキー、スノーボード、ボート競技、ヨット競技、重量挙げ、スプリント、ランニング、ジョッギング、ウォーキング、体操、サイクリング、スケートボード、サッカー、水泳、テニス、ヨガ、ダンス、バレーボール、ボブスレー、リュージュ、ラクロスなどを含むが、これらに限定されない。

【図1】

【図2】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】

【図3F】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】