(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873086
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】サニタリーバッグ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/471 20060101AFI20210510BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20210510BHJP
A61F 13/515 20060101ALI20210510BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20210510BHJP
A61F 13/47 20060101ALI20210510BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20210510BHJP
A61F 13/58 20060101ALI20210510BHJP
A61F 5/453 20060101ALI20210510BHJP
A61F 5/451 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
A61F13/471
A61F13/514 100
A61F13/514 211
A61F13/514 321
A61F13/515
A61F13/53 300
A61F13/47 300
A61F13/56 100
A61F13/58
A61F5/453
A61F5/451
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-140520(P2018-140520)
(22)【出願日】2018年7月26日
(62)【分割の表示】特願2015-534968(P2015-534968)の分割
【原出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2018-187428(P2018-187428A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】202012103745.9
(32)【優先日】2012年10月1日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】202013101413.3
(32)【優先日】2013年4月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511238745
【氏名又は名称】マックエアレイズ フリースシュトフェ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】McAirlaid’s Vliesstoffe GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー マクシモフ
【審査官】
金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−268984(JP,A)
【文献】
特開2011−101666(JP,A)
【文献】
特開2010−207298(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0023222(US,A1)
【文献】
特開2009−131395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/471
A61F 5/451
A61F 5/453
A61F 13/47
A61F 13/514
A61F 13/515
A61F 13/53
A61F 13/56
A61F 13/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰茎の少なくとも一部を収容するためのサニタリーバッグであって、少なくとも、それぞれが四角形を有し且つ折り畳み線(F2)に沿って折り畳まれた2つの分割部分(A,B)を有する1つの裁断部(2)から成っており、前記2つの分割部分(A,B)はそれぞれ、前記折り畳み線(F2)から、当該分割部分(A,B)の、前記折り畳み線(F2)とは反対の側の縁部(5,6)まで、同じ長さを有しているものにおいて、
前記裁断部(2)の内側に、吸収パッド(3)が配置されており、
前記吸収パッド(3)は、前記両分割部分(A,B)にわたって一体的に、かつサニタリーバッグの開口縁部(4)に対して垂直方向に延在する前記折り畳み線(F2)を覆って延在しており、
前記裁断部(2)の前記両分割部分(A,B)が前記折り畳み線(F2)に沿って折り畳まれることにより重なり合った結合縁部(5,6;7a,7b)は、互いに水密に結合されており、
前記折り畳み線(F2)に対して平行に延びる前記結合縁部(5,6)の結合は前記開口縁部(4)の手前で間隔をおいて終了していて、結合部材(12)が前記開口縁部(4)から前記折り畳み線(F2)に対して平行に延びる前記結合縁部(5,6)までの領域に取り付けられており、該結合部材(12)は、前記開口縁部(4)の開口(11)のサイズを適合させて閉じることができるように、前記開口縁部(4)に隣接するサニタリーバッグの面に取り外し可能に固定されるものであり、前記開口縁部(4)の身体部分を支持する部分は平滑に保たれていて、ひだを付けられていない
ことを特徴とする、サニタリーバッグ。
【請求項2】
前記内側に、別の裁断部(10)が前記吸収パッド(3)を覆って配置されている、請求項1記載のサニタリーバッグ。
【請求項3】
前記裁断部(2)と前記別の裁断部(10)は、それぞれ同じ大きさを有している、請求項2記載のサニタリーバッグ。
【請求項4】
前記裁断部(2)は、液体に対して非透過性の材料から成っている、請求項1から3までのいずれか1項記載のサニタリーバッグ。
【請求項5】
前記裁断部(2)は、穿孔シート、通気性のSMSシート、天然又は合成繊維から成る不織布、不織布及び通気性シートから成る積層体から選択された、通気性の材料から成っている、請求項4記載のサニタリーバッグ。
【請求項6】
前記別の裁断部(10)は、液体に対して透過性の材料から成っている、請求項2記載のサニタリーバッグ。
【請求項7】
液体に対して透過性の前記材料は、弾性的である、請求項6記載のサニタリーバッグ。
【請求項8】
前記吸収パッド(3)の縁部は、前記裁断部(2)の縁部(4,5,6)に対して内側にずらされている、請求項1から7までのいずれか1項記載のサニタリーバッグ。
【請求項9】
前記裁断部(2)と前記別の裁断部(10)は、縁部領域においてのみ、互いに結合されている、請求項2を引用する請求項3から8までのいずれか1項記載のサニタリーバッグ。
【請求項10】
前記吸収パッド(3)は、配向及び/又は非配向繊維から成るウェブ材料から成っている、請求項1から9までのいずれか1項記載のサニタリーバッグ。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載のサニタリーバッグの、失禁用製品としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体部分、特に陰茎の少なくとも一部を収容するためのサニタリーバッグに関する。
【0002】
市場では、例えば尿等の体液を吸収するための多数の製品が知られている。特に、パッド、乳児及び幼児用おむつ、並びに失禁用おむつが挙げられる。これらの製品に共通するのは、一般に、いわゆる「ユニセックス製品」として市場に出回っていて、基本形状は、人の体格に適合されている、という点である。更に、特別に女性用に開発された製品が多数存在するのに対して、男性用に開発された補助手段は、ほぼ知られていないか、装着快適性が全く提供されないように形成されている。
【0003】
例えばドイツ連邦共和国特許第69809666号明細書から公知の男性用の尿吸収パッドは、開口を備えたバッグから形成されており且つ少なくとも1つの層材シートから成っている。この層材シートは、液体透過性の内層と、液体非透過性の外層と、これら両方の層間に設けられた吸収核とを有している。このバッグは、陰茎を開口に挿入することにより陰茎に装着することができる。この場合は、平らな又は線状の弾性部材が対を成して開口縁部に沿って配置されているので、これらの弾性部材部材が屈曲変形された状態では、弾性的な戻し力により、陰茎を締め付けることになる。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102008020606号明細書に開示された、冒頭で述べた形式のサニタリー製品は、身体部分に被せる帽子状の基体を有しており、この場合、基体は身体部分よりも大きな開口を有しており、且つ基体は急峻な上り勾配を有する側面を有しており、この側面は、頂点を過ぎると下方に向かってなだらかに傾斜する縁部に移行しており、更に、基体は折返し部を有しており、この折返し部を、身体部分を覆っている基体領域の上に折り返して重ね合わせることにより、開口を縮小することができるようになっている。一般に、基体は円錐形である。
【0005】
従来技術から公知の製品に共通するのは、工業的な製造方法を手間のかかるものにし、延いてはより高価にする形状を有している、という点である。
【0006】
よって本発明の根底を成す課題は、単純な幾何学形状から成っていて、高速機械を用いても、簡単且つ廉価な製造を可能にする、冒頭で述べた形式のサニタリーバッグを提供することにある。
【0007】
つまり本発明の対象は、身体部分、特に陰茎の少なくとも一部を収容するためのサニタリーバッグであって、このサニタリーバッグは少なくとも、それぞれ四角の形状を有し且つ折り畳み線に沿って折り畳まれた2つの分割部分A及びBを備える1つの裁断部から成っており、前記両分割部分はそれぞれ、前記折り畳み線から、該折り畳み線とは反対の側の縁部まで、同じ長さを有しており、前記裁断部の内側に、吸収パッドが配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によるサニタリーバッグは、所定の折り畳み線に沿って折り畳まれた1つの裁断部から成っており、この場合、この折り畳まれた形状が、サニタリーバッグの外形を形成している。裁断部は、一般にウェブ材料から得られる。高速機械での製造を可能にし、且つ裁断くず、つまり裁断部が切り出される材料の、利用不可能な残りを最小限に抑えるために、裁断部はできるだけ単純な幾何学形状を有している。好適には、前記分割部分はそれぞれ四角の形状を有している。
【0009】
好適な構成では、裁断部は正方形又は長方形の形状を有している。この形状は、他の形状におけるよりも、発生する裁断くずが少ない、という利点を有している。
【0010】
裁断部は折り畳み線に沿って折り畳まれ、これにより前記分割部分が互いに重ね合わされる。裁断部の、折り畳み線に対向して位置する縁部は、身体部分を収容するための開口を形成する。好適には、前記分割部分はそれぞれ、折り畳み線から該折り畳み線とは反対の側の縁部まで、同じ長さの辺を有している。
【0011】
裁断部の形状が正方形又は長方形の場合、つまり4つの直角を有している場合、折り畳み線は、サニタリーバッグの底部に位置していてよい、つまり裁断部の、折り畳み線に対向して位置する縁部が、身体部分を収容する開口を形成していてよい。又は折り畳み線は、開口に対して直角に位置している。裁断部の形状が長方形又は正方形の場合、裁断部は前記両折り畳み線のうちの一方に沿って折り畳まれてよい。裁断部の形状が四角形の場合、分割部分はそれぞれ台形の形状を有しており、折り畳み線は本発明による製品の底部部分を形成している。
【0012】
分割部分の、折り畳み線で突き当たる、重ね合わされた縁部は、互いに結合される。この結合部は裁断部の材料に応じて、異なって形成されていてよい。縁部は、例えば接着又は溶接によって、いくつかのケースでは縫合によっても互いに結合され得る。好適には、縁部の前記結合部は水密なので、縁部の前記結合部を介した体液の流出は概ね、可能な限り完全に回避される。
【0013】
好適な構成では、前記結合縁部は、開口の開口縁部から間隔をあけられている、すなわち、結合部は開口縁部のなお手前で終わっている。これにより、溶接シームから開口までの一部分が開いたままとなり、その結果、開口が拡張されることになる。この拡張により、開口内への陰茎の挿入、つまり本発明によるサニタリーバッグの取扱いが容易になる。
【0014】
裁断部の材料は、液体に対して非透過性であることが望ましく、尿又は別の体液が本発明によるサニタリーバッグを通じて衣服の方に浸透し、衣服を汚すことは回避したい。最適な装着快適性に関して好適なのは、裁断部が通気性の材料、即ち、水蒸気に対しては透過性であるが、液体に対しては非透過性の材料から成っている場合である。裁断部用の材料は例えば、穿孔された2次元及び/又は3次元シート、通気性のSMS、天然又は合成繊維から成る不織布(フリース)等の通気性シート、及び/又は汎用の失禁用製品の外面の製造用にも知られているような、不織布と通気性シート等の、異なる複数の材料から成る積層体(BTBS-Filme = breathable film textile backsheet)であってよい。
【0015】
裁断部の内側には、本発明に基づき吸収パッドが配置されている。この吸収パッドは少なくとも、前記両分割部分のうちの一方の分割部分の一部にわたって延在しており、好適には吸収パッドは両分割部分にわたって延在している。但し好適には、吸収パッドは縁部に対して内側にずらされている。単一又は複数の吸収パッドが、裁断部に配置され得る。好適な構成では、単一の吸収パッドは両方の分割部分A及びBにわたって延在しており、この場合、吸収パッドの縁部は、両分割部分A,Bの縁部に対して内側にずらされている。吸収パッドと、縁部との間の間隔は、重なり合う閉鎖縁部を形成する縁部に関して、これらの重なり合った縁部/辺が吸収パッドを内包することなく互いに結合され得る程度の大きさであることが望ましい。これに比べて、吸収パッドの開口縁部までの間隔は、やや大きくてよく、この間隔は、身体部分に対する支持面を形成するものなので、良好な装着快適性が保証されているように選択することが望ましい。
【0016】
1つの可能な構成では、本発明によるサニタリーバッグは多層に形成されていて、一般に外側に向けられる第1の裁断部と、内側、つまり身体部分の方に設けられた吸収パッドの他に、吸収パッドを覆って配置された別の裁断部を有している。この裁断部は、好適には液体に対して透過性の材料から成っている。体液は、この別の裁断部を介して吸収パッドに浸透する。この別の層の役目は、体液を身体部分から吸収パッドの方に迅速に搬送することであり、吸収パッドにおいて液体は吸収され且つ蓄積される。第1の裁断部と別の裁断部とは、好適には同じ大きさを有している。吸収パッドは、両裁断部によって包囲される。両裁断部は、例えば超音波を用いた溶接による適当な結合を介して、互いに結合され得る。これらの裁断部を互いに水密に結合することは必要とされていない。裁断部は、吸収パッドよりも大きいことが望ましく、これにより、裁断部の縁部を結合する際に、吸収パッドが一緒に内包されないようになっている。
【0017】
別の裁断部の材料は、好適には液体に対して透過性の材料であり、例えばフリース、好適には伸縮可能なポリプロピレンフリース/ポリエチレンフリースである。この伸縮性の利点は、吸収体が液体を吸収して、吸収体の体積が増大しても、別の裁断部の表面積が変化して、吸収体にスペースが与えられるので、別の裁断部又は外側に向けられた裁断部が裂断することはない、という点にある。
【0018】
この理由から、吸収核が、外側の裁断部と別の裁断部とにより形成される容積を有する体積より、やや小さくても有利である、ということが判った。
【0019】
この吸収パッドは、体液を受容し且つ持続的に吸収することに役立つ。身体部分に対する濡れ戻りは、好適には概ね回避されることが望ましい。よってこの吸収パッドは、好適には尿等の体液を吸収するのみならず、蓄積することもできる材料から形成される。良好に適しているのは、配向及び/又は非配向繊維から成る材料、特にセルロース及びセルロース系材料から成るフリース、並びに合成吸収材料である。吸収パッドは、好適にはエアレイド等の、セルロース繊維から成るフリースである。
【0020】
吸収核の吸収性は、この吸収核が高吸水性高分子から成る粒子を含有している場合に高められる。これらの粒子は、例えば吸収核の製造時に、直接に添加されてよい。
【0021】
1つの可能な構成では、吸収パッドはセルロース繊維から成る繊維材料ウェブから製造されているか、又は空気流内で積層されて、2つのエンボスロールから成るカレンダを通して案内される、セルロース繊維のばら荷(フラッフパルプ)から製造されている。押圧領域内にエンボス模様が生ぜしめられながら、繊維はバインダ無しで点状又は線状にカレンダ処理されて結合される。特に適しているのは、ヨーロッパ特許第1032342号明細書に記載された方法で製造される吸収核である、ということが判った。
【0022】
別の適した材料は、例えばヨーロッパ特許出願第2444046号明細書に記載されているような、ハニカム構造を有するポリマー材料である。
【0023】
吸収パッドは、上述したような吸収体から形成されてよく、この吸収体は、複数の液体透過性の層によってカバー状に取り囲まれていてよく、この場合、吸収体は、一方又は両方の層に位置固定されていてよいか、又は固定されずに、これらの層によって緩く包囲されているに過ぎない。
【0024】
サニタリーバッグの裁断部における吸収パッドのずれを回避するためには、吸収パッドが裁断部に位置固定されていてよい。この位置固定は、点状又は全面的に、接着剤又は別の付着性材料を用いて行うことができる。一般に、裁断部の位置固定は不要であり、裁断部と吸収体との間の摩擦で十分である。
【0025】
本発明の別の構成では、本発明によるサニタリーバッグは、開口を縮小し且つ開口の大きさを身体部分の外周に適合させるための手段を有している。適当な手段として、引張帯材、弾性的なゴムバンド、又は一方の結合縁部を他方の結合縁部に向かって折り返すことのできる結合手段が用いられる。
【0026】
好適な構成では、一方の結合縁部は他方の結合縁部に向かって折り返され、その位置で位置固定される。位置固定するために、折り返された結合縁部は、例えばこの結合縁部が位置固定される点に付着する、接着剤又は別の付着手段を有していてよい。好適には、この付着は解離可能であることが望ましい。別の構成では、結合手段として突出部が、折り返されるべき結合縁部に取り付けられており、この突出部は、折り返された結合縁部を位置固定して、開口を調節された大きさに保つ、適当な付着手段を有している。適当な結合手段の例は、弾性的な面ファスナや非弾性的な面ファスナ、及び弾性的な接着帯材や非弾性的な接着帯材等である。この、一方の結合縁部が他方の縁部に向かって折り返される構成は、身体部分を支持する上方の縁部が平滑に保たれていて、ひだをつけられないことにより、より高い装着快適性が得られる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】使用可能なサニタリーバッグの斜視図である。
【
図2】サニタリーバッグの第1の実施形態の、まだ折り畳まれていない形状を示した平面図である。
【
図3】サニタリーバッグの第2の実施形態の、まだ折り畳まれていない形状を示した図である。
【
図4】サニタリーバッグの第3の実施形態の、まだ折り畳まれていない形状を示した図である。
【
図5】
図4に示したサニタリーバッグを、折り畳み線に沿って折り畳んだところを示す図である。
【
図6】
図4に示したサニタリーバッグが閉じられた形状を示す図である。
【
図7】サニタリーバッグの第3の実施形態の、まだ折り畳まれていない形状を示した図である。
【
図8】
図7に示した実施形態の、折り畳まれて使用可能な形状を示した図である。
【
図9】サニタリーバッグの別の構成と、結合シームとを示す図である。
【
図11】サニタリーバッグの第4の実施形態の、まだ折り畳まれていない形状を示した図である。
【
図12】
図11に示した実施形態の、折り畳まれて使用可能な形状を示した図である。
【0028】
以下に、本発明の実施の形態を図面につき詳しく説明する。
【0029】
図2には、サニタリーバッグ1の可能な実施形態が、まだ折り畳まれていない、使用不可能な状態で示されている。全体的に四角形の裁断部2が、後の折り畳み線F1に沿って、この折り畳み線F1に対して対称的な、2つの方形の分割部分A,Bに分割されている。図示の実施形態では、分割部分Bにのみ、後の内面側に吸収パッド3が配置されている。吸収パッド3は、折り畳み線F1から、又は折り畳み線F1から僅かに間隔をあけて、サニタリーバッグの後の開口縁部4に向かって延在している。
【0030】
裁断部2は、まず最初に折り畳み線F1に沿って折り返される。次いでそのとき互いに重なり合う各側縁部5a,5b若しくは6a,6bが、自体公知の形式で、例えば接着、溶接又は縫合により互いに結合される。
【0031】
折り畳んで閉じることにより、1つの辺若しくは縁部に沿ってのみ開いた、すなわち開口11を有する袋若しくはバッグが形成される。開口縁部は、縁部4,7である。折り畳み線F1は、袋の底部を形成しており且つ開口11とは反対の側に配置されている。
【0032】
図3には、本発明によるサニタリーバッグ1の第2の可能な実施形態が示されている。裁断部2自体は、
図2に示した裁断部2と同じ形状を有しているが、この裁断部2の両分割部分A,Bの、後の内面側には、各1つの平らな吸収体3が位置している。この場合、これらの吸収体3はそれぞれ、側縁部5a,6a及び5b,6bに対して中心に配置されているが、中心から外れて配置されていてもよい。
【0033】
図4に示した第3の構成では、裁断部2が、それぞれ台形の形状を有する2つの分割部分A,Bにより形成される。台形の2つの平行な辺のうちの短い方は、折り畳み線F1において互いに突き合わされている。この裁断部2も、他の全ての実施形態の場合と同様に、材料ロールから繰り出されたウェブ材料から成っていてよい。
【0034】
図4に示した第3の実施形態では、裁断部2の内面側において単一の吸収パッド3が、折り畳み線F1を横切って両分割部分A,Bの広範にわたって延在している。この裁断部2もやはり、折り畳み線F1に沿って折り返される。互いに突き合わされた結合縁部5a,5b若しくは6a,6bは、自体公知の形式で互いに結合される。裁断部2の折返しは、好適には長方形として形成された吸収パッド3が、形成されるサニタリーバッグの内面側に位置するように行われる。開口11は、両開口縁部4a,4bによって形成される。
【0035】
図5には、
図4に示したサニタリーバッグを使用することができるように準備した、サニタリーバッグの最終的な形状が示されている。裁断部2が折り畳み線F1に沿って折り返されて、結合縁部5a,5b,6a,6bが互いに重なり合って自体公知の形式で互いに結合されており、開口11を備える台形の袋形状が生ぜしめられている。好適には長方形として形成された平らな吸収パッド3は、内側に位置するように配置されている。吸収パッド3は、両分割部分A,Bにわたって延在しており、延いては折り畳み縁部F1に合致する袋の底部にもわたって延在している。但し、吸収パッド3の長さは、開口を画成する両縁部4a,4bのそれぞれに対して、所定の間隔があく程度のものである。
【0036】
サニタリーバッグの、開口11に向かって広がる台形に基づいて、三角形の折返し部13が形成される。この折返し部13は、
図6に示すように使用に際しては折り返され、これにより、開口11を身体部分の大きさに調節することができるようになっている。このためには、開口11に対して斜めに延在する結合縁部5が、他方の結合縁部6に向かって折り返され、次いでこの折り返された位置で、位置固定式の結合部材12により、サニタリーバッグの外面に固定される。
【0037】
使用については、サニタリーバッグ1を
図5に示した状態で、開口11を通して身体部分に装着する。次いで三角形の折返し部13を、他方の結合縁部6に向かって折り畳み、これにより、裁断部2により形成された中空空間が、身体部分、例えば男性の陰茎を、不動に取り囲む。そのためには結合部材12が、裁断部の外面の適当な位置に位置固定される。この場合、身体部分から流出することのある体液、例えば尿が、サニタリーバッグ内に流入して、吸収パッド3により吸収される。結合部材12による位置固定は、サニタリーバッグを問題無く再び取り外すために、好適には再度解離可能である。
【0038】
但しサニタリーバッグは、特別な結合部材又は位置固定手段無しでも、身体部分に保持され得る。開口11を、身体部分の外周に適合させ、且つ場合によってはユーザに、サニタリーバッグがずれることはない、という感覚を与えるためには、開口11を形成する縁部4a,4bに沿って、又はこれらの縁部4a,4bから短い間隔をあけて、裁断部2の外側又は内側に、相応の予荷重によって開口11を小さく保つ、弾性的な材料が取り付けられていてよい。
【0039】
図9によれば、縁部4a,4bに沿って、つまり開口11を取り囲むように、周方向に軽く予荷重をかけられた状態の弾性的な帯材を裁断部2の前記縁部部分4a,4bに通して、開口11のサイズを可変にすることも可能である。
【0040】
図7及び
図8に示した実施形態では、吸収パッド3は、両方の分割部分A及びBにわたって一体的に、且つ開口に対して横方向に延在する裁断部2の折り畳み線F2を覆って延在している。この場合も裁断部2は、開口用の縁部4に対して直角を成す折り畳み線F2に沿って折り畳まれる。両側縁部5,6、並びにバッグの底部を形成する両縁部7a,7bは、それぞれ互いに結合される。図示の実施形態では、吸収パッド3は裁断部2のほぼ全高にわたって延在しており、特に、縁部7a,7bにより形成される底部付近まで延在している。但し、吸収パッド3は、鉛直方向の縁部5,6、並びに底部縁部7a,7bに対して間隔を置かれており、これらの縁部5,6,7a,7b若しくは縁部領域の結合部において、吸収パッド3は一緒には把持されない、つまり一緒には内包されないようになっている。開口縁部4までの縁部領域は、身体部分に対するサニタリーバッグの支持面15を形成する。この支持面15の長さによって、開口11のサイズも確定される。
【0041】
図1、
図7及び
図8に示した実施形態における結合縁部5,6若しくは7a,7b、並びに
図2〜
図6に示した実施形態における結合縁部5a,5b,6a,6bは、従来技術から公知の慣例の方法によって互いに結合される。これらの結合縁部は、体液がこれらの縁部を介して流出することを阻止するために、好適には液密であることが望ましい。このような結合部は、例えば裁断部2,10の辺若しくは縁部が互いに溶接されることにより得られる。溶接は、例えば裁断部が熱可塑性材料から成っている場合に可能であり、重なり合った縁部が、熱を用いることで溶融されて、互いに溶け合うことにより結合し合う。
【0042】
図1及び
図8に示した特別な構成では、結合縁部は底部に沿って、且つ折り畳み縁部F2に対して平行に延びる鉛直方向の結合縁部5,6に沿って延在している。
図1及び
図8に示した実施形態では、鉛直方向の両縁部5,6の結合部の結合は、底部側の結合縁部7a,7bを起点として、開口縁部4まで全長にわたっては行われていない。むしろ、結合は開口縁部4の手前で間隔をおいて終了しているので、溶接シームから開口11まで延在する縁部部分16は、開いたままである。この、側方に対して閉じられていない縁部部分16は、開口11の拡張部のように働くので、サニタリーバッグの取扱いが簡単になる。
【0043】
同様に
図1及び
図8では、縁部5又は縁部6の領域内で縁部部分16の高さに、結合部材12を取り付けることができる。この結合部材12は、開口11のサイズを適合させて閉じるように、縁部に対向して位置する面15に固定される。結合部材12は、好適には再度取り外し可能であり、例えば面ファスナ又は接着閉鎖部材である。結合部材12は、その長手方向において弾性的に形成されていてよく、これにより、使用時に開口11のサイズが、身体部分に更に良好に適合するようになっている。
【0044】
図9に示したサニタリーバッグの実施形態では、鉛直方向の縁部5,6が、開口11の近傍まで結合、つまり閉鎖されている。身体部分に対する開口サイズの適合は、サニタリーバッグの内側又は外側において縁部4付近に、又は縁部4に直接に取り付けられた弾性材料を介して行うことができる。1つの可能な構成では、縁部4の近傍に、弾性的な引張帯材14が通される。
【0045】
最も簡単な構成では、袋状のサニタリーバッグは、内部に吸収体3が配置された1つの裁断部を有している。吸収体は、放出された体液を吸収して蓄える。裁断部2は、体液が外部に、つまり衣服に向かって流出して、衣服を汚すことを阻止することが望ましい。
【0046】
同様に、本発明によるサニタリーバッグは、全ての実施形態において多層に形成されていてもよい。1つの可能な構成では、別の裁断部10が内側に、吸収体を覆うように配置されている。つまり、この別の裁断部10は、使用状態においてサニタリーバッグの内面若しくは内壁を形成している。これについては
図10にS−S線に沿った断面図が示されており、サニタリーバッグの前記のような3層構造を示している。吸収核3は、サニタリーバッグの外向きの表面を形成する裁断部2と、サニタリーバッグの内向きの表面を成す別の裁断部10とから形成される。裁断部2の縁部5a,5b,6a,6b並びに別の裁断部10の縁部5a,5b,6a,6bは、結合部17で互いに結合されて、吸収体3を取り囲んでいる。裁断部2の縁部と、別の裁断部10の縁部との結合は、自体公知の形式で行うことができる。結合部17が水密であることは必要とされない。好適な実施形態では、縁部は緩く、しかし解離不能に互いに結合されているので、比較的柔らかな結合縁部17が形成される。開口縁部4の領域において、縁部17は身体部分を支持しており、特にこの支持面に関して、柔らかく、肌に心地よい構造は有利である。
図10に示した断面図では、吸収体3は裁断部2,10とは結合されずに、これらの裁断部2,10によって包まれている。吸収体3を全面的又は部分面的に、一方の裁断部2,10に結合すること、又は同時に両方の裁断部2,10に結合することも可能である。
【0047】
吸収体を位置固定する別の手段は、この吸収体3を裁断部2,10によって動かないように封じ込めること、つまり結合縁部5,6を吸収体ぎりぎりのところで、吸収体から少しだけ間隔をあけて結合することにある。
【0048】
図10に示した多層構造体が、折り畳み線F1又はF2に沿って折り畳まれると、結合縁部5,6及び7a,7b若しくは縁部5a,5b及び6a,6bが重ね合わされて、互いに結合され、サニタリーバッグが完成する。既に述べたように、前記結合部は、好適には水密である。
【0049】
図11及び
図12に示した実施形態は、
図7及び
図8に示した実施形態と、吸収パッド3の配置形式において相違している。この実施形態でも、吸収パッド3は両分割部分面A及びBと、裁断部2の折り畳み線F2とを覆って一体的に延在している。吸収パッド3は、開口縁部4の方向に見て、縁部5,6の結合シームの長さを超過している。図示の実施形態では、吸収パッド3は結合部材12の上縁部に達している。
【0050】
本発明によるサニタリーバッグは、好適にはストックローラから繰り出されて機械に供給されるウェブ材料から製造される。裁断部2、吸収パッド3並びに場合によっては設けられる別の層若しくは裁断部10のための材料は、ローラに巻かれたウェブ材料として供給される。吸収パッド3は、裁断部2のウェブ材料上に置かれ、場合によって設けられる別の層は、別の裁断部10として同時に、又は次のステップで、吸収パッド3の上に配置される。次の方法ステップにおいて、吸収パッド3と、裁断部2用のウェブ材料と、場合によっては設けられる別の裁断部10用のウェブ材料とが、適当なサイズに裁断される。引き続く製造プロセスを簡単にするために、重なり合った縁部を互いに結合し、これにより、重なり合った裁断部のずれが防止される。結合は、例えば上で既に述べた超音波溶接によって行うことができる。
【0051】
次いで、このようにして生産された裁断部を、折り畳み線F1若しくはF2に沿って折り畳んで、重ね合わされた縁部5a,5b及び6a,6b若しくは5,6及び7a,7bを互いに結合して、水密な結合部を形成する。好適には更に前もって、すなわち縁部を結合する前に、結合部材12又は弾性材料14を取り付ける。
【符号の説明】
【0052】
1 サニタリーバッグ、 2 裁断部、外側に位置する層、 3 吸収パッド、 4 開口縁部、 5,5a,5b,6,6a,6b,7a,7b 結合縁部、 7 縁部、開口縁部、 10 裁断部、内側に位置する層、 11 開口、 12 結合部材、 13 折返し部、 14 弾性材料、 15 支持面、 16 未閉鎖の縁部、 17 結合部、 F1,F2 折り畳み縁部