(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、ROADMノード内の異なる方向のROADMサービス側の間の実際の光ファイバ接続に関する情報は、一般的に、手動による設定(configuration)で事前にデータベースに入力され、ROADMのサービスチャネルの自動スケジューリングに用いられている。しかし、このような方法は効率が悪く、リアルタイム性が悪く、エラーが発生しやすく、エラーの発生後にそのエラーを発見することが困難である。ほかの方法として、ROADMの回線側に出力されるスペクトル情報を検出することにより、ルーティング・マッチング(routing matching)を実現する方法があるが、スペクトル情報の採集は速度が遅く、サービスチャネルの事前の開設に頼っており、サービス開始前の設定を実現することができず、既存のサービスの設定にも影響を及ぼしかねない。
【0004】
ネットワークの規模が大きい場合、例えば、方向aと方向bとの間に波長1が存在し、方向cと方向dとの間にも波長1が存在するなどのように、異なる方向の間に交差する波長が多重化される可能性があり、ルーティング方向情報を載せていないサービス波長に頼るだけでは、正確なマッチングをすることができない。外部サービス側での光ファイバ接続を回避するために光バックプレーン(optical backplane)を使用する方法もあるが、信頼性が低く、コストが高く、ROADMの次元が高くなると、共通バックプレーン(sharing backplane)もシャーシ(chassis)の体積が大きくなる原因となる。
【0005】
本発明は、現在、異なる方向のROADMサービス側のポートの光ファイバの物理的接続情報を確立する場合、手動による設定で物理的光接続関係をデータベースに入力されるため、効率が悪く、リアルタイム性が悪く、エラーが発生しやすく、エラーの発生後にそのエラーを発見することが困難であることが解決しようとする技術的課題である。
【0006】
本発明の目的は、WSS(Wavelength Selective Switch)を用いて参照制御光チャネル(reference control optical channel)が、ROADMサービス側ポート間のポーリング(polling)を制御することにより、異なるROADMサービス側ポート間の光ファイバ接続の自動ルーティング・マッチング(auto-routing matching)を実現し、設定の効率を向上させると同時に、異なるROADMサービス側のポート間の光ファイバ接続の性能の監視及びシャーシのカスケード接続用の代替物理チャネルとしてのROADMサービス側光ファイバの接続のためのマッチング装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次の技術手段によって上記の目的を達成した。
【0008】
第1の態様において、本発明は、参照制御光チャネル送信機1と、下りリンクWSS2と、複数の送信ポートと、参照制御光チャネル受信機3と、上りリンクWSS4と、複数の受信ポートとを備えるROADMサービス側光ファイバ接続のマッチング装置である。
【0009】
前記参照制御光チャネル送信機1は、前記参照制御光チャネル信号を送信するように構成され、前記下りリンクWSS2は、前記参照制御光チャネルが各送信ポート(emitting port)でのポーリング送信(polling emission)を実現するように構成されている。
【0010】
前記参照制御光チャネル受信機3は、前記参照制御光チャネル信号を受信するように構成され、上りリンクWSS4は、各受信ポートによる参照制御光チャネルのポーリング、選択、受信を実現するように構成されている。
【0011】
ここで、前記参照制御光チャネルは、ROADM内のWSSの動作波長範囲内で、かつサービス光チャネルの波長範囲外で動作する。
【0012】
好ましくは、合波器(combiner)5をさらに備え、前記合波器5は、前記参照制御光チャネル送信機1と前記下りリンクWSS2との間に配置され、前記合波器5は、ROADMの下りリンクサービス信号を前記参照制御光チャネル信号とともに多重化され、下りリンクWSS2に注入されるように構成される。
【0013】
好ましくは、分波器(wave separator)6をさらに備え、前記分波器6は、前記上りリンクWSS4と前記参照制御光チャネル受信機3との間に配置され、前記分波器6は、前記参照制御光チャネルをROADMの上りリンクサービス光信号と分離するように構成される。
【0014】
第2の態様において、本発明は、ROADMサービス側の光ファイバ接続のマッチング方法をさらに提供する。前記方法は、上記第1の態様によるROADMサービス側光ファイバ接続のマッチング装置によって実現することができ、ROADMサービス側に参照制御光チャネルを挿入し、前記参照制御光チャネルは、ROADM内のWSSの動作波長範囲内で、サービス光チャネルの波長範囲外で動作する。ここで、ROADMには、上りリンクWSSと、下りリンクWSSと、複数の送信ポート(emitting port)と、複数の受信ポートとが設けられている。
【0015】
前記方法は、具体的に、
参照制御光チャネル送信側において、前記下りリンクWSSにより、各送信ポートの間で、参照制御光チャネル信号をポーリング送信する。参照制御光チャネル受信側において、上りリンクWSSにより、各受信ポートでポーリング受信し、任意の受信ポートが他のROADMの送信ポートからの参照制御光チャネル信号を受信した場合、当該ROADMの対応する受信ポートと他のROADMの対応する送信ポートとの接続のマッチング関係を確立する。
【0016】
好ましくは、参照制御光チャネルの送信側で、各送信ポートを介して送信された参照制御光チャネル信号は、ROADMカード情報及び対応する送信ポート情報が載せられている。
【0017】
好ましくは、前記参照制御光チャネルの送信側で、前記下りリンクWSSにより、各送信ポートで、参照制御光チャネル信号がポーリング送信される。具体的には、前記下りリンクWSSは、ポーリングにより、現在の送信ポートを決定し、参照制御光チャネル送信機は、ROADMカード情報及び現在の送信ポート情報が載せられている参照制御光チャネル信号を出射し、対応する送信ポートから出射し、載せられた情報を外部に送信する。
【0018】
下りサービス光信号と前記参照制御光チャネル信号とが同時に存在する場合、前記下りサービス信号は参照制御光チャネル信号とともに前記下りリンクWSSに注入され、対応する送信ポートから出射される。
【0019】
好ましくは、前記任意の受信ポートが他のROADMの送信ポートからの参照制御光チャネル信号を受信した場合、当該ROADMの対応する受信ポートとほかのROADMの対応する送信ポートとの接続マッチング関係を確立することは、具体的に次のことを含む。
【0020】
前記上りリンクWSSは、各受信ポートへのポーリングにより、現在の受信ポートを決定し、
現在の受信ポートにより、参照制御光チャネル受信機が他の任意の方向のROADM送信ポートから出射された参照制御光チャネル信号を受信した場合、受信した前記参照制御光チャネル信号に載せられた情報を解析し、
前記載せられた情報の解析により、前記参照制御光チャネル信号を出射したROADM及び対応する送信ポートを決定し、当該ROADMの現在の受信ポートと、ROADMの送信に対応する送信ポートとの光ファイバ接続のマッチング関係を確立し、2ポートの光ファイバ接続の設定情報を生成する。
【0021】
好ましくは、現在の受信ポートにより、参照制御光チャネル受信機が他の任意の方向のROADM送信ポートから送信された参照制御光チャネル信号を受信したことは、具体的に、ROADMの上りリンクサービス信号と前記参照制御光チャネル信号との合波光が、現在の受信ポートにより、前記上りリンクWSSに入り、分波された後に前記参照制御光チャネル信号を前記参照制御光チャネル受信機に注入させる。
【0022】
好ましくは、前記参照制御光チャネル送信機によって各送信ポートを介して出射された参照制御光チャネル信号には光パワー情報が載せられており、任意の方向X ROADMの送信ポートxと他の方向Y ROADMの受信ポートyと接続関係を確立した後、前記方法はさらに次のことを含む。
【0023】
前記方向Y ROADMに対応する参照制御光チャネル受信機は、受信した光パワーを検出すると同時に解析を行い、前記方向X ROADMの参照制御光チャネル送信機の送信ポートxを介して送信された光パワー情報を得て、対応するリンク上の挿入損失(insertion loss)情報を計算により取得し、
ROADMカードに予め格納され、事前にキャリブレーションされておいた前記方向X ROADMの参照制御光チャネル送信機の送信ポートxまでの挿入損失、及び前記方向Y ROADMの受信ポートyの参照制御光チャネル受信機までの挿入損失を取得し、
上記のデータに基づいて、前記方向X ROADM送信ポートxと前記方向Y ROADM受信ポートyとの間の光ファイバの物理的接続の挿入損失を計算する。
【0024】
好ましくは、任意方向のX ROADMのポートが他の任意方向Y ROADMのポートとデュプレックス接続関係が確立され、かつ前記方向X ROADMと前記方向Y ROADMとが異なるシャーシに配置された場合、前記参照制御光チャネルは、異なるシャーシ間のカスケード接続の通信チャネルを予備の物理チャネルとして、シャーシ間カスケード接続インターラクティブのサービスの搬送(carrying cascade interactive services between the chassis)に用いられる。
【発明の効果】
【0025】
従来技術に対する本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0026】
本発明によって提供されたROADMサービス側光ファイバ接続のためのマッチング装置及び方法において、ROADMサービス側で、WSSによってサポート可能な波長範囲内及びサービス光チャネルの波長範囲外で動作する参照制御光チャネルを挿入し、WSSで参照制御光チャネルのROADMサービス側ポート間のポーリングを制御し、異なるROADMサービス側ポート間の物理接続の自動ルーティング・マッチングを実現し、光ファイバ接続ルーティングの手動による設定の効率低下の問題を解決した。同時に、異なる方向ROADMの対応するポートで接続関係が確立された場合は、異なる方向ROADMのサービス側光ファイバ接続の性能をさらに検出することができ、異なる方向ROADMが異なるシャーシに配置された場合は、参照制御光チャネルの通信はさらに異なるシャーシ間のカスケード接続通信チャネルの予備の物理チャネルとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下に、添付の図面および実施形態を参照しながら、本発明に対してさらなる詳細な説明をする。本明細書で述べた具体的な実施形態は、本発明の解釈にのみ用いられ、本発明の限定に用いられるものではないことは理解される。
【0029】
本発明の説明において、用語「内」、「外」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「頂」、「底」等によって示された向きまたは位置関係は、図面に示された向きまたは位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜上使用されるものであり、本発明が必ず特定の向き構造及び動作を求めるものではなく、本発明を限定することを意図するものではない。
【0030】
さらに、以下に記載される本発明の様々な実施形態に含まれる技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることが可能である。以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【0031】
実施形態1
本発明に係る位置の実施形態は、ROADMサービス側の光ファイバ接続のためのマッチング装置を提供する。前記装置は、一方向のROADMに対して、ROADMサービス側に参照制御光チャネルが挿入され、前記参照制御光チャネルは、ROADMにおいて波長選択スイッチ(「WSS」という,Wavelength selector switch)の動作波長範囲内で、サービス光チャネル波長範囲外で動作する。このようにすると、参照制御用光チャネルは、サービス用光チャネルの波長を占用せずに独立して通信することができるので、サービス用光信号の有無の制約を受けず、ネットワーク内に既存のサービス用光信号に対しても影響を及ぼさない。
【0032】
図1に示したように、ROADMのサービス光チャネルの占用する周波数はf1とf2との間で、主に光増幅器の動作波長に依存するが、ROADMにおいて、WSSの動作周波数はf1乃至f2を含むf0乃至f3との間で、すると、f0乃至f1の間またはf2乃至f3の間に参照制御光チャネルを挿入することができる。WSSは任意の波長のルーティングを独立して設定することができるため、サービス光チャネルの信号は参照制御光チャネルの挿入による影響を受けない。
【0033】
ここで、前記参照制御光チャネルの選択原則は、具体的に、一般に、Cバンド通信は40nmのサービス光帯域幅を占用し、
図1を参照して、サービス光チャネルの占用周波数区間に対応するf1及びf2は、それぞれ191.325THz及び196.125THzで、WSSはより広い周波数範囲をサポートすることができ、例えば、f0及びf3がそれぞれ191.125THzと196.275THzであると仮定する。すると、f0とf1との間の0.2T及び、f2とf3との間の0.15Tは、参照制御光チャネルによって占用されてもよい。ここで、サービス光チャネルの周波数範囲及びWSS周波数範囲は説明の便宜上のものにすぎず、具体的な周波数範囲は上記の例示と異なってもよく、詳細はここで繰り返さない。
【0034】
図2を参照すると、前記装置は、参照制御光チャネル送信機1と、下りリンクWSS2と、下りリンクサービス側の複数の送信ポートと、参照制御光チャネル受信機3と、上りリンクWSS4と、上りリンクサービス側の複数の受信ポートとを備える。n個の送信ポートとn個の受信ポートがあり、n個の送信ポートをポートa1〜ポートanと記し、n個の受信ポートがポートb1〜ポートbnと記す。
【0035】
一の具体的な実施形態において、
図2を参照して、前記下りリンクWSS2及び前記上りリンクWSS4は、いずれも1×nWSSを採用し、前記装置はさらに合波器5と分波器6とを備える。前記参照制御用光チャネル送信機1と、合波器5と、下りリンクWSS2と、複数の送信ポートは、いずれも下りリンク側信号の経路上に配置され、前記合波器5は前記参照制御光チャネル送信機1と前記下りリンクWSS2との間に配置されている。
【0036】
前記参照制御光チャネル送信機1は、参照制御光チャネル信号を送信(出射)するように構成され、下りリンクサービス光信号が参照制御光チャネル信号と同時に生成された場合、前記合波器5は下りリンクサービス信号と前記参照制御光チャネルと結合した後、前記下りリンクWSS2に注入されるように構成され、前記下りリンクWSS2は、下りサービス信号をルーティングすると同時に、前記参照制御光チャネルの各送信ポートでポーリング送信することを実現することができる。
【0037】
引き続き
図2を参照すると、前記参照制御光チャネル受信機3と、上りリンクWSS4と、分波器6と、複数の受信ポートはいずれも上りリンク側信号の経路上に配置され、前記分波器6は前記上りリンクWSS4と、前記参照制御光チャネル受信機3との間に配置されている。
【0038】
前記参照制御光チャネル受信機3は、参照制御光チャネル信号を受信するように構成され、前記上りリンクWSS4は、上りリンクサービス信号をルーティングすると同時に、各受信ポートで前記参照制御光チャネルをポーリング選択するのに用いられ、分波器6は、前記参照制御光信号とROADMの上りサービス光信号との分離に用いられ、さらに前記参照制御光信号を、前記参照制御光チャネル受信器3に注入するように構成されている。異なる方向のROADMの送信ポートと当該ROADMの受信ポートとの間の物理的接続が正常に存在する場合、対応する2つのポート間で参照制御光チャネルの通信が確立される。具体的な方法は実施形態2で紹介するので、ここでは詳細を省略する。
【0039】
別の具体的な実施形態において、
図3を参照すると、前記下りリンクWSS2は2×nWSSを採用し、前記参照制御光チャネル送信機1と下りリンクWSS2との間に合波器を設ける必要はなく、下りリンクサービス信号と参照制御光チャネルとの合波は、2×nWSSによって直接行われ、および/または、上りリンクWSS4は2×nWSSを採用し、前記参照制御光チャネル受信機3と上りリンクWSS4との間に分波器を設ける必要はなく、下りリンクサービス信号と参照制御光チャネルとの分波を、2×nWSSによって直接行われる。
図3には、前記上りリンクWSS4及び前記下りリンクWSS2の両方がいずれも2×nWSSを採用する場合を示し、これによって構造がさらに簡略化された。
【0040】
図2に示された単一方向のROADMの構造を一例とし、現在のネットワークには、方向A ROADM、方向B ROADM、方向C ROADM、及び方向D ROADMの4つの方向ROADMが存在し、各方向のROADM単位はいずれも
図2に示されるようになっていると仮定すると、異なる方向のROADMサービス側ポート間の光ファイバの接続関係は、
図4に示す通りになる。ここで、方向A ROADMの送信側ポートa1は、光ファイバによって方向C ROADMの受信側ポートb1に接続され、方向A ROADMの送信側ポートa2は、光ファイバによって方向D ROADMの受信側のポートb1に接続され、方向A ROADMの送信側ポートanは、光ファイバによって方向B ROADMの受信側のポートbnに接続される。各ポート間のマッチング方法については、実施形態2で具体的に説明するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0041】
本発明に係るROADMサービス側光ファイバ接続のマッチング装置において、参照制御光チャネル送信機と参照制御光チャネル受信機とを備え、WSSがサポート可能な波長範囲内、かつサービス光チャネルの波長範囲外で動作する参照制御光チャネルを用い、WSSによって、サービス光に対して干渉のない異なるROADMサービス側ポート間の光ファイバの自動ルーティング・マッチングを実現し、光ファイバ接続ルーティングの手動による設定の効率低下という問題を解決した。
【0042】
実施形態2
上述の実施形態1を踏まえ、本発明に係る実施形態は、ROADMサービス側の光ファイバ接続のためのマッチング方法をさらに提供し、実施形態1に記載されたマッチング装置によって実現することができる。ROADMサービス側に参照制御光チャネルを挿入し、前記参照制御光チャネルは、ROADMのWSSの動作波長範囲内で、かつサービス光チャネルの波長範囲外で動作する。具体的な設定については、実施形態1及び
図1を参照することができ、具体的には次のとおりである。
【0043】
単一方向ROADMについて、
図2の左半分のROADM下りリンクサービスリンクを参照すると、参照制御光チャネル送信側では、前記下りリンクWSS2により、各送信ポート間で参照制御光チャネル信号をポーリング送信(出射)する。ここで、各送信ポートを介して出射した前記参照制御光チャネル信号には、ROADMカード情報及び対応する送信ポート情報が載せられている。
【0044】
図2の右半分のROADM上りリンクサービスリンクを参照すると、参照制御光チャネル受信側では、前記上りリンクWSS4により、各受信ポートで前記参照制御光チャネル信号を、ポーリング、選択、受信する。前記参照制御光チャネル受信機3が任意の受信ポートを通じて他のROADMから参照制御光チャネル信号を受信した場合、前記参照制御光チャネル信号に載せられている情報を解析し、これらの載せられている情報に基づいて、当該ROADMの対応受信ポートと他のROADMの対応送信ポートとの光ファイバ接続のマッチング関係を確立し、2ポートの光ファイバ接続の設定情報を生成する。
【0045】
本発明によるROADMサービス側光ファイバ接続のマッチング方法において、ROADMサービス側に参照制御光チャネルを挿入し、参照制御光チャネルはサービス光チャネルの波長を占用せずに独立して通信することができる。ROADMにおけるWSSを用いて、参照制御光チャネルのROADM異なるサービス側ポート間におけるポーリングを制御し、異なる方向のROADMのポート間の光ファイバ接続が正常に存在する場合には、ポートのマッチングを実現することができ、さらにサービスルーティングに正しい設定に情報を提供することができる。この方法はマッチング問い合わせの効率及び正確さが改善され、かつ強いリアルタイム性を有する。
【0046】
図2に示された参照制御光チャネルを有するROADM構造図を例とし、単一方向ROADMについて、下りリンクサービスにおいて、参照制御光チャネル信号のポーリング送信及び制御の手順は以下の通りである。前記下りリンクWSS2はポーリングにより、現在の送信ポートを決定し、参照制御光チャネル送信機によって、ROADMカード情報及び現在の送信ポート情報が載せられた参照制御光チャネル信号を送信し、対応する送信ポートから出射(送信)され、参照制御光チャネル信号に載せられた情報が外部に送信される。
【0047】
ここで、n個の送信ポートに対して、前記下りリンクWSS2が順次にポーリングし、例えば、ポートa1、ポートa2、・・・、ポートanの昇順に従って順次ポーリングされてもよく、または他の指定された順序に従ってポーリングされてもよく、ここでは特に制限していない。現在、ポートa1にポーリングされ、つまり、該方向ROADMは、そのポートa1から参照制御光チャネル信号を送信することを選択すると仮定すると、前記制御光チャネル送信機1によって、対応する情報が載せられている制御光チャネル信号が送信(出射)される。
【0048】
例えば、現在、方向A ROADMである場合、前記参照制御光チャネル信号は方向A ROADM情報及び対応するポートa1情報が載せられている。前記参照制御光チャネル信号は、参照制御光チャネル送信機1により送信され、前記下りWSS2に注入された後、現在選択されているポートa1から出射し、ポートa1を介して対応する載せられた情報が外部に送信される。したがって、前記下りリンクWSSを介して、前記参照制御光チャネルは各送信ポートで情報をポーリング送信することができる。
【0049】
実際の応用において、サービス信号は必ずしも参照制御光チャネル信号と同時に発生する必要はなく、通常は、前記参照制御光チャネルを介して物理的光ファイバ接続の設定情報が先に確立され、次いでサービス信号と接続される。
図2の装置図を参照すると、下りリンクサービスにおいて、下りリンクサービス信号が生成された後、前記合波器5と下りリンクWSS2に順次に注入された後、対応する送信ポートから出射される。
【0050】
ここで、下りサービス光信号と前記参照制御光チャネル信号とが同時に存在する場合、前記下りサービス信号と参照制御光チャネルとが、まず合波器5により合波され、形成された合波光が、次いで前記下りリンクWSS2に注入され、対応する送信ポートから出射される。
【0051】
前記下りリンクWSS2は、前記参照制御光チャネルを、独立して柔軟に任意の送信ポートに切り替えることができ、参照制御光チャネルはサービス光チャネルの波長を占用しないため、サービス光信号の有無に制限されることはなく、ネットワーク内の既存のサービス光信号にも影響を及ぼさない。
【0052】
引き続き
図2に示された参照制御光チャネルを有するROADM構造図を一例とすると、単一方向ROADMについて、上りリンクサービスにおいて、上りリンクWSSにより、各受信ポート間で前記参照制御光チャネルをポーリング、選択、受信する。具体的な手順は
図5に示すように、以下のステップを含む。
【0053】
ステップ301:前記上りリンクWSSは、各受信ポートへのポーリングにより現在の受信ポートを決定する。送信ポートのポーリングと同様、n個の受信ポートに対して、前記上りリンクWSSは、ポートb1、ポートb2、・・・、ポートbnの昇順で順次にポーリングしてもよく、または他の指定された順序でポーリングしてもよく、ここでは制限しない。現在ポーリングされている受信ポートがポートb1であると仮定する。
【0054】
ステップ302:現在の受信ポートを介して、参照制御光チャネル受信機が他の任意の方向ROADM送信ポートから出射した参照制御光チャネル信号を受信した場合、受信した前記参照制御光チャネル信号に載せられた情報を解析する。現在ポートb1が選択された後、前記参照制御光チャネル受信機3が参照制御光チャネル信号を受信できると仮定すると、ポートb1と他の方向ROADMの送信ポートとの間に光ファイバ接続が存在していることを意味し、上記載せられている情報に対して解析を行う。
【0055】
ここで、ポートb1を介して前記参照制御光チャネルを受信するプロセスは、具体的に、ROADMの上りリンクサービス信号と前記参照制御光チャネルとの合波光が、現在のポートb1を介して前記上りリンクWSS4に入る。前記分波器6は、前記上りリンクサービス信号と前記参照制御光チャネルとを分離させ、前記参照制御光チャネルを前記参照制御光チャネル受信機3に注入させる。
【0056】
ステップ303で、載せられた情報の解析により、前記参照制御光チャネル信号のROADM及び対応する送信ポートを決定し、当該ROADMの現在の受信ポートと発射ROADMに対応する送信ポートとの間の光ファイバ接続のマッチング関係を確立し、2ポートの光ファイバ接続の設定情報を生成する。
【0057】
図4に示されたROADMノードを例にすると、方向A ROADM送信側ポートa1が光ファイバにより、方向C ROADM受信側ポートb1に接続し、方向A ROADM送信側ポートa2が光ファイバにより、方向D ROADM受信側ポートb1に接続し、方向A ROADMの送信側のポートanは、光ファイバにより、方向B ROADMの受信側のポートbnに接続する。
【0058】
図4の光ファイバ接続の状況により、参照制御光チャネルにより各方向のROADMポート間の光ファイバ接続関係の確立の手順は
図6に示された通りである。方向A ROADMの参照制御光チャネルは、その下りリンクWSSを介して各送信ポートでポーリングし、次いで信号に載せられた情報を送信し、他の各方向のROADM上りリンクWSSは、それぞれの対応する各受信ポートでポーリングし、情報の受信を待つ。
【0059】
方向A ROADM下りリンクWSSがポートa1から参照制御光チャネル信号を送信することを選択し、同時に方向C ROADM上りリンクWSSがポートb1で前記参照制御光チャネル信号の受信を選択した場合、方向C ROADMで参照制御光信号受信機が、方向A ROADMポートa1からの信号を解析することができ、さらに、方向A ROADMポートa1及び方向C ROADMポートb1の光ファイバの接続に関する設定情報を生成する。
【0060】
同様に、方向A ROADMポートa2及び方向D ROADMポートb1の光ファイバの接続に関する設定情報、方向A ROADMポートan及び方向B ROADMポートbnの設定情報、及び
図5に示されていない他の存在し得る設定情報も対応して自動的に生成することもできる。
図6は、方向A ROADM下りWSSポートでポーリングし、同時に方向B ROADM上りWSSポートでポーリングした場合のマッチングプロセスのフローを示し、ほかの各方向ROADM間のマッチング処理フローも同様に行われ、ここでは繰り返さない。
【0061】
本発明に係るROADMサービス側光ファイバ接続のマッチング方法は、WSSによってサポートされる波長範囲内で、かつサービス光チャネル波長範囲外で動作する参照制御光チャネルを用い、サービス光に対して干渉のない異なる方向ROADMサービス側光ファイバ接続の自動ルーティング・マッチングを実現し、光ファイバ接続関係の手動による設定の効率低下という問題を解決した。
【0062】
実施形態3
上述の実施形態1及び実施形態2を踏まえ、本発明はさらに前記参照制御光チャネルの他の応用例を提供する。実施形態1に記載された装置を用いて実施形態2に記載された方法によってROADMサービス側光ファイバ接続のマッチング関係を確立した後、さらに前記制御光チャネルを使用して光ファイバの物理的接続性能を監視することもできる。
【0063】
本発明に係る実施形態において、前記参照制御光チャネル送信機1が各送信ポートを介して送信(出射)した参照制御光チャネル信号には、送信光パワー情報がさらに載せられ、異なるROADMの対応するポートの光ファイバ接続の設定情報が確立されたうえ、参照制御光チャネルは送信光パワー情報をさらに伝送することも可能であり、受信側で受信光パワーを検出することで、対応するリンクの挿入損失情報を取得し、設計値との比較を行い、性能的に不合格な光ファイバの物理的接続には警報を生成する。任意の方向X ROADMの送信ポートxと任意の方向Y ROADMの受信ポートyとの間の接続関係が確立された後、2つのポート間の物理的接続性能を検出する手順は
図7に示された通りであり、具体的には以下のステップを含む。
【0064】
ステップ401:前記方向Y ROADMに対応する参照制御光チャネル受信機が受信光パワーを検出するとともに解析し、前記方向X ROADMの参照制御光チャネル送信機によって送信ポートxを介して送信された光パワー情報を取得して計算し、対応するリンク上の挿入損失情報を得る。
【0065】
ここで、
図8を参照して、方向X ROADMの送信ポートxと方向Y ROADMの受信ポートyとの間の接続を例示する。該リンク上で、方向X ROADMの参照制御光チャネル送信機(ポイントtp1と表記)、方向X ROADMポートx(ポイントtp2と表記)、方向Y ROADMポートy(ポイントtp3と表記)、及び方向Y ROADM参照制御光チャネル受信機(ポイントtp4と表記)がある。実際の使用では、検出、解析することにより、ポイントtp1のパワーp1とポイントtp4のパワーp4を得て、p1−p4が当該光信号リンク上の挿入損失値である。
【0066】
ステップ402:ROADMカードに予め格納した事前にキャリブレーションしておいた前記方向X ROADMの参照制御光チャネル送信機の送信ポートxまでの挿入損失、及び方向Y ROADMの受信ポートyの参照制御光チャネル受信機までの挿入損失を取得する。
【0067】
各異なる方向ROADMに対し、ROADMの工場出荷時に、前記参照制御用光チャネル送信機の各送信ポートまでの挿入損失、及び前記各受信ポートの参照制御用光チャネル送信機までの挿入損失は、予めキャリブレーションされている。例えば、ここでキャリブレーション結果により、方向X ROADM参照制御光チャネル送信機(ポイントtp1)のポートx(ポイントtp2)までの挿入損失はIL1、方向Y ROADMのポートy(ポイントtp3)の参照制御光チャネル送信機(ポイントtp4)までの挿入損失はIL2。
【0068】
ステップ403:上記のデータに基づいて、方向X ROADM送信ポートxと方向Y ROADM受信ポートyとの間の光ファイバの物理接続の挿入損失を計算する。方向X ROADMポートx(ポイントtp2)と方向B ROADMポートy(ポイントtp3)との間の光ファイバの物理的接続の挿入損失は、(p1−p4)−(IL1+IL2)であり、p1−p4>>IL1+IL2であれば、tp2とtp3との間の光ファイバの物理的接続の挿入損失が大きすぎることを意味する。この場合、実際のアプリケーション応じて警報閾値を設定することができ、(p1−p4)−(IL1+IL2)が警報閾値を超えると警報が生成されるようにすることができる。
【0069】
以上を要するに、異なるROADMの対応するポート間に設定情報を確立したうえで、実施形態1に記載された前記装置を用いて、前記参照制御光チャネルにより、異なる方向ROADMサービス側のポート間の光ファイバの物理的接続性能を監視することもできることがわかる。これは、本発明における前記参照制御光チャネルに関する他の応用例である。
【0070】
実施形態4
上述の実施形態1及び実施形態2に基づいて、本発明はさらに前記参照制御光チャネルの他の応用例を提供する。実施形態1に記載された装置を用いて実施形態2に記載された方法により、ROADMサービス側の光ファイバの接続関係を確立した後、前記参照制御光チャネルを用いて、異なるシャーシ間のカスケード接続通信チャネルの予備の物理チャネルとすることもできる。
【0071】
第2実施形態におけるポートマッチングの後、2つの異なる方法ROADMポート間でデュプレックス接続関係が確立され、2つの異なる方法ROADMが異なるシャーシに位置する場合、前記参照制御光チャネルを、異なるシャーシ間のカスケード接続通信チャネルの代替の物理チャネルとし、シャーシ間カスケード接続インターラクティブのサービスの搬送に用いられる。
【0072】
前記デュプレックス接続関係を確立するとは、具体的に、一の任意の方向のX ROADMの送信ポートと他の任意の方向Y ROADMの受信ポートと接続関係を確立し、同時に方向Y ROADMの送信ポートと方向X ROADMの受信ポートxとの接続関係をも確立されることを意味する。方向X ROADMと方向Y ROADMとの間にデュプレックス接続関係が確立され、デュプレックス通信を実現することができる。
【0073】
具体的に
図9を参照して、方向X ROADMの送信ポートanは方向Y ROADMの受信ポートbnとマッチングされ、方向Y ROADMの送信ポートanは方向X ROADMの受信ポートbnとマッチングされていると仮定する。前記方向X ROADMはメインシャーシに位置し、前記方向Y ROADMはスレーブシャーシに位置し、前記メインシャーシと前記スレーブシャーシとの2つの装置の間にシャーシカスケード接続チャネルを設ける必要があり、2つのシャーシ間の通信接続を確立し、情報のやりとりを行う。
【0074】
一般的に、前記シャーシカスケード接続チャネルは物理的接続チャネルであり、例えば、ネットワークインタフェースとネットワークケーブルとによって2つのシャーシ間の通信接続を確立し、ネットワークインタフェースが故障し、またはネットワークケーブルが切れたような問題が発生した場合、前記メインシャーシと前記スレーブシャーシとの間の通信接続が切断され、通常の通信に影響を及ぼすことになる。
【0075】
方向X ROADMのポートan/bnと方向Y ROADMのポートbn/anとが参照制御光チャネルによりデュプレックス通信接続を確立した後、前記参照制御光チャネルは、直接2つのシャーシ間の予備のシャーシカスケード接続チャネルとすることができる。ネットワークインタフェースが故障している場合やネットワークケーブルが切れた場合でも、2つのシャーシ間では、依然として、前記予備のシャーシカスケード接続チャネルにより、情報のやりとりを実現することができ、通常の通信に影響を及ぼすことなく、ネットワークケーブルによる接続を必要とせずに2つのシャーシ間の通信を実現することができる。
【0076】
以上を要するに、異なる方向ROADMサービス側の対応するポート間の設定情報の確立に基づいて、異なる方向ROADMが異なるシャーシに配置されている場合、実施形態1に記載された前記装置を用い、異なる方向のROADMの参照制御光チャネルの間の通信を用いて、異なるシャーシカスケード接続通信チャネル用の予備の物理チャネルとすることができ、これが本発明における前記参照制御光チャネルの別の応用例である。
【0077】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態であるにすぎず、本発明の制限に用いられるものではなく、本発明の趣旨及びその原則の範囲内での変更、均等な置き換え及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。