【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様によると、本発明は、一般式(I)の化合物
【化1】
(式中、
R
1は
【化2】
(式中、*は前記基との残りとの結合点を示す)
から選択される基を表し;
R
2は水素、ハロゲン、−NR
7R
8、CN、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、3〜10員ヘテロシクロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
4〜C
6−シクロアルケニル、3〜10員へテロシクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルケニル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−SiR
10R
11R
12、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10または−(PO)(R
10)
2を表し、
各C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、3〜10員ヘテロシクロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜10員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキル、C
1〜C
4−ヒドロキシアルキル、フェニル−C
1〜C
4−アルキル、(C
1〜C
4−アルコキシ)−(C
1〜C
4−アルキル)−、C
1〜C
6−アルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−NR
7(CO)R
10、−NR
8(CO)OR
7、−NR
8(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10、−(PO)(R
10)
2、場合により1回または複数回、C
1〜C
4−アルキルで置換されたヘテロアリール基で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基は互いに結合して、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、エチレンオキシまたはトリメチレンオキシ基を一緒に形成し;
各4〜10員ヘテロシクロアルケニルは、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
4−アルキルで置換されており;
R
3、R
4は、互いに独立に、水素またはメチルを表し;
R
5はC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキルまたはC
1〜C
6−アルコキシを表し;
R
7、R
8は、互いに独立に、水素、C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−CH
2−を表し、該フェニルは場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8は一緒になって、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキルから選択される置換基で置換された4、5、6または7員環状アミン基を表し、前記4、5、6または7員環状アミン基は場合により、O、NおよびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含有し;
R
9はC
1〜C
4−アルキルまたはフェニルを表し、各C
1〜C
4−アルキルまたはフェニルは、場合により1回または複数回、互いに独立に、R
13で置換されており;
R
10はC
1〜C
4−アルキルを表す;あるいは
R
9およびR
10は一緒になって、−N=(SO)R
9R
10基の場合、5〜8員ヘテロシクロアルキル基を表し;
R
11は水素、C
1〜C
4−アルキル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8またはCNを表し;
R
12は水素またはC
1〜C
4−アルキルを表し;
R
13はハロゲン、OH、−NR
7R
8、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、C
1〜C
6−ハロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、−(CO)OR
7または−(CO)NR
7R
8を表す)
またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
本文で言及される用語は、以下の意味を有する:
【0015】
「ハロゲン原子」、「ハロ−」または「Hal−」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を意味するものと理解されるべきである。
【0016】
「C
1〜C
6−アルキル」という用語は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ−ペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、2−エチルブチル、1−エチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチルもしくは1,2−ジメチルブチル基、またはこれらの異性体を意味するものと理解されるべきである。特に、前記基は、1、2、3または4個の炭素原子を有する(「C
1〜C
4−アルキル」)、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソ−プロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル基、さらに特に1、2または3個の炭素原子を有する(「C
1〜C
3−アルキル」)、例えば、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピルである。
【0017】
「C
1〜C
6−ハロアルキル」という用語は、「C
1〜C
6−アルキル」という用語が上で定義されるものであり、1個または複数の水素原子が同一にまたは異なってハロゲン原子によって置き換えられている、すなわち、あるハロゲン原子は別のハロゲン原子から独立している直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基を意味するものと理解されるべきである。特に、前記ハロゲン原子はFである。前記C
1−C
6−ハロアルキル基は、例えば、−CF
3、−CHF
2、−CH
2F、−CF
2CF
3または−CH
2CF
3である。
【0018】
「C
1〜C
4−ヒドロキシアルキル」という用語は、「C
1〜C
4−アルキル」という用語が上で定義されるものであり、1個または複数の水素原子がヒドロキシ基によって置き換えられている直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル基を意味するものと理解されるべきである。
【0019】
「C
1〜C
6−アルコキシ」という用語は、「アルキル」という用語が上で定義されるものである式−O−アルキルの直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、イソ−ペントキシもしくはn−ヘキソキシ基、またはこれらの異性体を意味するものと理解されるべきである。好ましくは、前記「C
1〜C
6−アルコキシ」は、1、2、3、4または5個の炭素原子(「C
1〜C
5−アルコキシ」)、好ましくは1、2、3または4個の炭素原子(「C
1〜C
4−アルコキシ」)を含むことができる。
【0020】
「C
1〜C
6−ハロアルコキシ」という用語は、水素原子の1個または複数が同一にまたは異なってハロゲン原子によって置き換えられている、上に定義される直鎖または分岐の飽和一価C
1〜C
6−アルコキシ基を意味するものと理解されるべきである。特に、前記ハロゲン原子はFである。前記C
1−C
6−ハロアルコキシ基は、例えば、−OCF
3、−OCHF
2、−OCH
2F、−OCF
2CF
3または−OCH
2CF
3である。
【0021】
「C
2〜C
6−アルケニル」という用語は、1個または複数の二重結合を含み、かつ2、3、4、5もしくは6個の炭素原子、または2、3もしくは4個の炭素原子(「C
2〜C
4−アルケニル」)、特に2もしくは3個の炭素原子(「C
2〜C
3−アルケニル」)を有する直鎖または分岐の一価炭化水素基を意味するものと理解されるべきであり、前記アルケニル基が2個以上の二重結合を含む場合、前記二重結合は互いに孤立していても、互いに共役していてもよいことが理解される。前記アルケニル基は、例えば、ビニル、アリル、(E)−2−メチルビニル、(Z)−2−メチルビニル、ホモアリル、(E)−ブタ−2−エニル、(Z)−ブタ−2−エニル、(E)−ブタ−1−エニル、(Z)−ブタ−1−エニル、ペンタ−4−エニル、(E)−ペンタ−3−エニル、(Z)−ペンタ−3−エニル、(E)−ペンタ−2−エニル、(Z)−ペンタ−2−エニル、(E)−ペンタ−1−エニル、(Z)−ペンタ−1−エニル、ヘキサ−5−エニル、(E)−ヘキサ−4−エニル、(Z)−ヘキサ−4−エニル、(E)−ヘキサ−3−エニル、(Z)−ヘキサ−3−エニル、(E)−ヘキサ−2−エニル、(Z)−ヘキサ−2−エニル、(E)−ヘキサ−1−エニル、(Z)−ヘキサ−1−エニル、イソ−プロペニル、2−メチルプロパ−2−エニル、1−メチルプロパ−2−エニル、2−メチルプロパ−1−エニル、(E)−1−メチルプロパ−1−エニル、(Z)−1−メチルプロパ−1−エニル、3−メチルブタ−3−エニル、2−メチルブタ−3−エニル、1−メチルブタ−3−エニル、3−メチルブタ−2−エニル、(E)−2−メチルブタ−2−エニル、(Z)−2−メチルブタ−2−エニル、(E)−1−メチルブタ−2−エニル、(Z)−1−メチルブタ−2−エニル、(E)−3−メチルブタ−1−エニル、(Z)−3−メチルブタ−1−エニル、(E)−2−メチルブタ−1−エニル、(Z)−2−メチルブタ−1−エニル、(E)−1−メチルブタ−1−エニル、(Z)−1−メチルブタ−1−エニル、1,1−ジメチルプロパ−2−エニル、1−エチルプロパ−1−エニル、1−プロピルビニル、1−イソプロピルビニル、4−メチルペンタ−4−エニル、3−メチルペンタ−4−エニル、2−メチルペンタ−4−エニル、1−メチルペンタ−4−エニル、4−メチルペンタ−3−エニル、(E)−3−メチルペンタ−3−エニル、(Z)−3−メチルペンタ−3−エニル、(E)−2−メチルペンタ−3−エニル、(Z)−2−メチルペンタ−3−エニル、(E)−1−メチルペンタ−3−エニル、(Z)−1−メチルペンタ−3−エニル、(E)−4−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−4−メチルペンタ−2−エニル、(E)−3−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−3−メチルペンタ−2−エニル、(E)−2−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−2−メチルペンタ−2−エニル、(E)−1−メチルペンタ−2−エニル、(Z)−1−メチルペンタ−2−エニル、(E)−4−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−4−メチルペンタ−1−エニル、(E)−3−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−3−メチルペンタ−1−エニル、(E)−2−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−2−メチルペンタ−1−エニル、(E)−1−メチルペンタ−1−エニル、(Z)−1−メチルペンタ−1−エニル、3−エチルブタ−3−エニル、2−エチルブタ−3−エニル、1−エチルブタ−3−エニル、(E)−3−エチルブタ−2−エニル、(Z)−3−エチルブタ−2−エニル、(E)−2−エチルブタ−2−エニル、(Z)−2−エチルブタ−2−エニル、(E)−1−エチルブタ−2−エニル、(Z)−1−エチルブタ−2−エニル、(E)−3−エチルブタ−1−エニル、(Z)−3−エチルブタ−1−エニル、2−エチルブタ−1−エニル、(E)−1−エチルブタ−1−エニル、(Z)−1−エチルブタ−1−エニル、2−プロピルプロパ−2−エニル、1−プロピルプロパ−2−エニル、2−イソプロピルプロパ−2−エニル、1−イソプロピルプロパ−2−エニル、(E)−2−プロピルプロパ−1−エニル、(Z)−2−プロピルプロパ−1−エニル、(E)−1−プロピルプロパ−1−エニル、(Z)−1−プロピルプロパ−1−エニル、(E)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル、(Z)−2−イソプロピルプロパ−1−エニル、(E)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル、(Z)−1−イソプロピルプロパ−1−エニル、(E)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル、(Z)−3,3−ジメチルプロパ−1−エニル、1−(1,1−ジメチルエチル)エテニル、ブタ−1,3−ジエニル、ペンタ−1,4−ジエニル、ヘキサ−1,5−ジエニルまたはメチルヘキサジエニル基である。特に、前記基はビニルまたはアリルである。
【0022】
「C
3〜C
10−シクロアルキル」という用語は、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含む飽和一価単環式または二環式炭化水素環(「C
3〜C
10−シクロアルキル」)を意味するものと理解されるべきである。前記C
3〜C
10−シクロアルキル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルもしくはシクロデシル、または二環式炭化水素環、例えば、ペルヒドロペンタレニレンもしくはデカリン環である。特に、前記環は3、4、5または6個の炭素原子を含む(「C
3〜C
6−シクロアルキル」)、好ましくはシクロプロピルである。
【0023】
「C
4〜C
6−シクロアルケニル」という用語は、4、5または6個の炭素原子を含む一価単環式炭化水素環を意味するものと理解されるべきである。前記C
4〜C
6−シクロアルケニル基は、例えば、シクロブテニル、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニル基である。
【0024】
「3〜10員ヘテロシクロアルキル」という用語は、2、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子と、C(=O)、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NR
a(式中、R
aは水素原子またはC
1〜C
6−アルキルもしくはC
1〜C
6−ハロアルキル基を表す)から選択される1個または複数のヘテロ原子含有基とを含む飽和一価単環または二環式炭化水素環を意味するものとして理解されるべきであり、前記ヘテロシクロアルキル基が炭素原子または存在する場合には窒素原子のいずれか1個を介して分子の残りに結合することが可能である。
【0025】
特に、前記3〜10員ヘテロシクロアルキルは、2、3、4または5個の炭素原子と、上記ヘテロ原子含有基の1個または複数とを含むことができ(「3〜6員ヘテロシクロアルキル」)、さらに特に、前記ヘテロシクロアルキルは、4または5個の炭素原子と、上記ヘテロ原子含有基の1個または複数とを含むことができる(「5〜6員ヘテロシクロアルキル」)。
【0026】
特に、これに限定されないが、前記ヘテロシクロアルキルは、例えば、4員環(アゼチジニル、オキセタニルなど)、または5員環(テトラヒドロフラニル、ジオキソリニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピロリニルなど)、または6員環(テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニルもしくはトリチアニルなど)、または7員環(ジアゼパニル環など)であり得る。前記ヘテロシクロアルキルがベンゾ縮合していてもよい。好ましくは、3〜6員ヘテロシクロアルキルはテトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルまたはピペラジニルである。
【0027】
前記ヘテロシクロアルキルは、二環式、例えば、限定されないが、5,5員環、例えば、ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロル−2(1H)−イル環または5,6員二環式環、例えば、ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]ピラジン−2(1H)−イル環であり得る。
【0028】
上記のように、前記窒素原子含有環は部分的不飽和であってもよい、すなわち、1個または複数の二重結合を含んでもよい、例えば、限定されないが、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、4H−[1,3,4]チアジアジニル、4,5−ジヒドロキサゾリルまたは4H−[1,4]チアジニル環である、またはベンゾ縮合していてもよい、例えば、限定されないが、ジヒドロイソキノリニル環である。
【0029】
「ヘテロシクロアルキル」という用語が上で定義されるものである、式−O−ヘテロシクロアルキルの「3〜10員ヘテロシクロアルコキシ」という用語は、2、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子と、C(=O)、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NR
a(式中、R
aは水素原子、C
1〜C
6−アルキルまたはC
1〜C
6−ハロアルキル基を表す)から選択される1個または複数のヘテロ原子含有基とを含み、酸素原子を介して分子の残りと結合している飽和一価単環または二環式炭化水素環、例えば、ピロリジンオキシ、テトラヒドロフランオキシまたはテトラヒドロピラノキシを意味すると理解されるべきである。
【0030】
「4〜10員ヘテロシクロアルケニル基」という用語は、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子と、C(=O)、O、S、S(=O)、S(=O)
2、NR
a(式中、R
aは水素原子またはC
1〜C
6−アルキルもしくはC
1〜C
6−ハロアルキル基を表す)から選択される1個または複数のヘテロ原子含有基とを含む不飽和一価単環または二環式炭化水素環を意味するものと理解されるべきであり、前記ヘテロシクロアルケニル基が炭素原子または存在する場合には窒素原子のいずれか1個を介して分子の残りに結合することが可能である。前記ヘテロシクロアルケニルの例は1個または複数の二重結合を含み得る、例えば、4H−ピラニル、2H−ピラニル、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル、3,6−ジヒドロ−2H−チオピラン−4−イル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル、3H−ジアジリニル、2,5−ジヒドロ−1H−ピロリル、[1,3]ジオキソリル、4H−[1,3,4]チアジアジニル、2,5−ジヒドロフラニル、2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロチオフェニル、2,3−ジヒドロチオフェニル、4,5−ジヒドロオキサゾリル、4H−[1,4]チアジニルもしくは5,6−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン−7(8H)−イル基である、またはベンゾ縮合していてもよい。
【0031】
「ヘテロアリール」という用語は、5、6、7、8、9、10、11、12、13もしくは14個の環原子(「5〜14員ヘテロアリール」基)、5もしくは6もしくは9もしくは10個の環原子(「5〜10員ヘテロアリール」基)、または特に5もしくは6個の環原子(「5〜6員ヘテロアリール」基)を有し、同一であっても異なっていてもよい少なくとも1個のヘテロ原子(前記ヘテロ原子は酸素、窒素または硫黄などである)を含み、さらに各場合で、ベンゾ縮合されていてもよい、一価の、単環式、二環式または三環式芳香族環系を意味するものと理解される。特に、ヘテロアリールは、チエニル、フラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チア−4H−ピラゾリル等およびそのベンゾ誘導体、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル等;またはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等およびそのベンゾ誘導体、例えば、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニル等;またはアゾシニル、インドリジニル、プリニル等およびそのベンゾ誘導体;またはシンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフトピリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、キサンテニル、オキセピニルまたは1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル等から選択される。
【0032】
一般に、特に言及しない限り、ヘテロアリールまたはヘテロアリーレン基は、その全ての可能な異性体型、例えば、その位置異性体を含む。したがって、いくつかの例示的非制限的例について、ピリジニルまたはピリジニレンという用語は、ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イレン、ピリジン−3−イル、ピリジン−3−イレン、ピリジン−4−イルおよびピリジン−4−イレンを含む;あるいはチエニルまたはチエニレンという用語は、チエン−2−イル、チエン−2−イレン、チエン−3−イルおよびチエン−3−イレンを含む。
【0033】
本文の全体にわたって、例えば、「C
1〜C
6−アルキル」、「C
1〜C
6−ハロアルキル」、「C
1〜C
6−アルコキシ」または「C
1〜C
6−ハロアルコキシ」の定義の文脈で使用される「C
1〜C
6」という用語は、1〜6個、すなわち、1、2、3、4、5または6個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するアルキル基を意味するものと理解されるべきである。前記「C
1〜C
6」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C
1〜C
6、C
2〜C
5、C
3〜C
4、C
1〜C
2、C
1〜C
3、C
1〜C
4、C
1〜C
5;特にC
1〜C
2、C
1〜C
3、C
1〜C
4、C
1〜C
5、C
1〜C
6;さらに特にC
1〜C
4;「C
1〜C
6−ハロアルキル」または「C
1〜C
6−ハロアルコキシ」の場合には一層さらに特にC
1〜C
2と解釈されるべきであることがさらに理解されるべきである。
【0034】
同様に、本明細書で使用される場合、本文の全体にわたって、例えば、「C
2〜C
6−アルケニル」および「C
2〜C
6−アルキニル」の定義の文脈で使用される「C
2〜C
6」という用語は、2〜6個、すなわち、2、3、4、5または6個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するアルケニル基またはアルキニル基を意味するものと理解されるべきである。前記「C
2〜C
6」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C
2〜C
6、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
2〜C
3、C
2〜C
4、C
2〜C
5;特にC
2〜C
3と解釈されるべきであることがさらに理解されるべきである。
【0035】
さらに、本明細書で使用される場合、本文の全体にわたって、例えば、「C
3〜C
6−シクロアルキル」の定義の文脈で使用される「C
3〜C
6」という用語は、3〜6個、すなわち、3、4、5または6個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味するものと理解されるべきである。前記「C
3〜C
6」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C
3〜C
6、C
4〜C
5、C
3〜C
5、C
3〜C
4、C
4〜C
6、C
5〜C
6;特にC
3〜C
6と解釈されるべきであることがさらに理解されるべきである。
【0036】
さらに、本明細書で使用される場合、本文の全体にわたって、例えば、「C
2〜C
4−アルケニル」の文脈で使用される「C
2〜C
4」という用語は、2〜4個、すなわち、2、3または4個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するアルケニル基を意味するものと理解されるべきである。前記「C
2〜C
4」という用語は、その中に含まれる任意の部分範囲、例えば、C
2〜C
4、C
2〜C
3、C
3〜C
4と解釈されるべきであることがさらに理解されるべきである。
【0037】
「置換されている」という用語は、指定された原子上の1個または複数の水素が指示される基から選択されるものによって置き換えられており、但し、存在している状況下での指定された原子の通常の結合価を超えず、その置換が安定な化合物をもたらすことを意味する。置換および/または変数の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0038】
「置換されていてもよい」という用語は、指定される基、ラジカルまたは部分による任意の置換を意味する。
【0039】
環系置換基は、例えば、環系上の利用可能な水素に取って代わる、芳香族または非芳香族環系に結合した置換基を意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、例えば、本発明の一般式の化合物の置換基の定義における「1個または複数の」という用語は、「1、2、3、4または5個、特に1、2、3または4個、さらに特に1、2または3個、一層さらに特に1または2個」を意味するものと理解される。
【0041】
本発明はまた、本発明の化合物の全ての適当な同位体変種も含む。本発明の化合物の同位体変種は、少なくとも1個の原子が同じ原子番号を有するが、自然状態で通常または主に見られる原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられているものとして定義される。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、
2H(重水素)、
3H(トリチウム)、
11C、
13C、
14C、
15N、
17O、
18O、
32P、
33P、
33S、
34S、
35S、
36S、
18F、
36Cl、
82Br、
123I、
124I、
129Iおよび
131Iが挙げられる。本発明の化合物の特定の同位体変種、例えば、
3Hまたは
14Cなどの1種または複数の放射性同位体が組み込まれたものは、薬剤および/または基質組織分布研究に有用である。トリチウム標識、および炭素−14、すなわち
14C同位体は、その調製の容易さおよび検出性のために特に好まれる。さらに、重水素などの同位体による置換は、大きな代謝安定性から生じる特定の治療利点、例えば、インビボ半減期の増加または投与必要量の減少を与え得るので、いくつかの状況で好まれ得る。本発明の化合物の同位体変種は一般的に、例示的方法などによって当業者により知られている従来手順によってまたは適当な試薬の適当な同位体変種を使用して以下の実施例に記載される調製によって調製することができる。
【0042】
化合物、塩、多形、水和物、溶媒和物などの語の複数形が本明細書で使用される場合、これは、単一の化合物、塩、多形、異性体、水和物、溶媒和物なども意味するとみなされる。
【0043】
「安定な化合物」または「安定な構造」により、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、および有効な治療剤への製剤化を生き延びるのに十分に堅牢である化合物が意味される。
【0044】
本発明の化合物は、種々の所望の置換基の位置および性質に応じて、1個または複数の不斉中心を含み得る。不斉炭素原子は、(R)または(S)配置で存在し得るので、単一の不斉中心の場合にはラセミ混合物、また複数の不斉中心の場合にはジアステレオマー混合物をもたらし得る。特定の例では、所与の結合、例えば、指定される化合物の2個の置換芳香環を接合する中心結合の周りの回転が制限されるために非対称が存在する場合もある。
【0045】
本発明の化合物は、非対称の硫黄原子、例えば、構造:
【化3】
(式中、*は分子の残りが結合し得る原子を示す)
の非対称スルホキシドまたはスルホキシイミン基を含み得る。
【0046】
環上の置換基はシス型またはトランス型のいずれで存在してもよい。全てのこのような配置(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)が本発明の範囲に含まれることが意図されている。
【0047】
好ましい化合物は、より望ましい生物学的活性をもたらすものである。本発明の化合物の分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体および立体異性体あるいはラセミまたはジアステレオマー混合物も本発明の範囲に含まれる。このような材料の精製および分離は、当技術分野で知られている標準的技術によって達成することができる。
【0048】
光学異性体は、従来法によるラセミ混合物の分割、例えば、光学活性酸もしくは塩基を用いたジアステレオ異性体塩の形成または共有結合性ジアステレオマーの形成によって得ることができる。適当な酸の例には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸がある。ジアステレオ異性体の混合物は、当技術分野で知られている方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって、その物理的および/または化学的違いに基づいて個々のジアステレオマーに分離することができる。その後、光学活性塩基または酸を分離したジアステレオマー塩から遊離させる。光学異性体の別の分離法は、エナンチオマーの分離を最大化するために選択してもよい、従来の誘導体化を用いるまたは用いない、キラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用を含む。適当なキラルHPLCカラムは、Daicelによって製造されており、例えば、数ある中でも全て日常的に選択可能なChiracel ODおよびChiracel OJがある。誘導体化を用いるまたは用いない酵素分離も有用である。本発明の光学活性化合物はさらに、光学活性出発物質を利用したキラル合成によっても得ることができる。
【0049】
異性体の異なる型を互いから限定するために、IUPAC Rules Section E(Pure Appl Chem 45、11〜30、1976)が参照される。
【0050】
本発明は、単一の立体異性体として、または任意の比の前記立体異性体、例えば、R−もしくはS−異性体またはE−もしくはZ−異性体の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な立体異性体を含む。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば、単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、任意の適当な先行技術の方法、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーによって達成することができる。
【0051】
さらに、本発明の化合物は互変異性体として存在し得る。例えば、ヘテロアリール基としてピラゾール部分を含む本発明の任意の化合物は、例えば、1H互変異性体もしくは2H互変異性体、または2種の互変異性体の任意の量の混合物としてさえ存在することができ、あるいはトリアゾール部分は、例えば、1H互変異性体、2H互変異性体もしくは4H互変異性体、または前記1H、2Hおよび4H互変異性体の任意の量の混合物、すなわち:
【化4】
としてさえ存在することができる。
【0052】
本発明は、単一の互変異性体として、または任意の比の前記互変異性体の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な互変異性体を含む。
【0053】
さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の少なくとも1個の窒素が酸化されているという点で定義されるN−オキシドとして存在することができる。本発明は、全てのこのような可能なN−オキシドを含む。
【0054】
本発明はまた、本明細書に開示される化合物の有用な形態、例えば、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に薬学的に許容される塩、および共沈物に関する。
【0055】
本発明の化合物は水和物または溶媒和物として存在することができ、本発明の化合物は例えば、化合物の結晶格子の構造要素として極性溶媒、特に水、メタノールまたはエタノールを含む。極性溶媒、特に水の量は、化学量論比または非化学量論比で存在し得る。化学量論的溶媒和物の場合、例えば、水和物、半−、(セミ−)、一−、セスキ−、二−、三−、四−、五−等溶媒和物、または水和物がそれぞれ可能である。本発明は、全てのこのような水和物または溶媒和物を含む。
【0056】
さらに、本発明の化合物は、遊離型で、例えば、遊離塩基もしくは遊離酸もしくは双性イオンとして存在することができる、または塩型で存在することができる。前記塩は任意の塩、有機または無機付加塩のいずれか、特に薬学で習慣的に使用される任意の薬学的に許容される有機または無機付加塩であり得る。
【0057】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機または有機酸付加塩を指す。例えば、S.M.Berge等「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.1977、66、1〜19を参照されたい。
【0058】
本発明の化合物の適当な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性の、鎖中または環内に窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸または硝酸による酸付加塩、または有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、ケイヒ酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチニン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸またはチオシアン酸による酸付加塩であり得る。
【0059】
さらに、十分に酸性の本発明の化合物の別の適当な薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムもしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムもしくはマグネシウム塩、アンモニウム塩または生理学的に許容されるカチオンを与える有機塩基による塩、例えば、N−メチル−グルカミン、ジメチル−グルカミン、エチル−グルカミン、リジン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシ−メチル−アミノメタン、アミノプロパンジオール、sovak塩基、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールによる塩である。さらに、塩基性窒素含有基は、低級ハロゲン化アルキル(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルならびにブチル);硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチルおよびジブチル);および硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルならびにステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)などの剤によって四級化され得る。
【0060】
当業者であれば、請求される化合物の酸付加塩が、いくつかの既知の方法のいずれかを介して化合物と適当な無機酸または有機酸の反応によって調製され得ることをさらに認識するだろう。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の既知の方法を介して本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって調製される。
【0061】
本発明は、単一の塩として、または任意の比の前記塩の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な塩を含む。
【0062】
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての可能な結晶型または多形を、単一多形としてまたは任意の比の2種以上の多形の混合物として含む。
【0063】
本発明の化合物中の基が置換されている場合、特に指定しない限り、この基は、一置換されていても多置換されていてもよい。本発明の文脈において、2回以上生じる全ての基は互いに独立に定義される。1個、2個または3個の同一のまたは異なる置換基による置換が好ましい。
【0064】
本発明の文脈において、「治療」または「治療すること」という用語は、疾患(「疾患」という用語はそれだけに限らないが、状態、障害、傷害または健康問題を含む)の、このような状態および/またはこのような状態の症状の発達、経過または進行の阻害、遅延、検査、軽減、減弱、制限、減少、抑制、忌避または治癒を含む。ここでは、「療法」は「治療」という用語と同義であると理解される。
【0065】
「防止」、「予防」または「妨害」という用語は本発明の文脈において同義的に使用され、疾患の、このような状態および/またはこのような状態の症状の発達または進行に罹患する、を経験する、を患うまたはこれらを有するリスクの回避または減少を指す。
【0066】
疾患の治療または予防は部分的であっても完全であってもよい。
【0067】
別の実施形態では、本発明は、一般式(I)の化合物
【化5】
(式中、
R
1は基
【化6】
(式中、*は前記基と分子の残りとの結合点を示す)
を表し;
R
2は水素、ハロゲン、−NR
7R
8、CN、C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−アルコキシ、3〜6員ヘテロシクロアルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
4〜C
6−シクロアルケニル、3〜6員へテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10または−(PO)(R
10)
2を表し、
各C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−アルコキシ、3〜6員ヘテロシクロアルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜6員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、C
1〜C
4−ヒドロキシアルキル、フェニル−C
1〜C
2−アルキル、(C
1〜C
4−アルコキシ)−(C
1〜C
4−アルキル)−、C
1〜C
4−アルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−NR
7(CO)R
10、−NR
8(CO)OR
7、−NR
8(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、場合により1回または複数回、C
1〜C
4−アルキルで置換されたヘテロアリール基で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基は互いに結合して、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、エチレンオキシまたはトリメチレンオキシ基を一緒に形成し;
R
3、R
4は、互いに独立に、水素またはメチルを表し;
R
5はC
1〜C
4−アルキルを表し;
R
7、R
8は、互いに独立に、水素、C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−CH
2−を表し、該フェニルは場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8は一緒になって、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキルから選択される置換基で置換された5員または6員環状アミン基を表し、前記5員または6員環状アミン基は場合により、O、NおよびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含有し;
R
9はC
1〜C
4−アルキルを表し;
R
10はC
1〜C
4−アルキルを表す;あるいは
R
9およびR
10は一緒になって、−N=(SO)R
9R
10基の場合、5〜6員ヘテロシクロアルキル基を表し;
R
11は水素またはC
1〜C
4−アルキルを表す)
またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
【0068】
他の実施形態では、本発明は、一般式(I)の化合物
【化7】
(式中、
R
1は
【化8】
(式中、*は前記基と分子の残りとの結合点を示す)
から選択される基を表し;
R
2は水素、ハロゲン、−NR
7R
8、CN、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、3〜10員ヘテロシクロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
4〜C
6−シクロアルケニル、3〜10員へテロシクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルケニル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−SiR
10R
11R
12、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10または−(PO)(R
10)
2を表し、
各C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、3〜10員ヘテロシクロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜10員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールは、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキル、C
1〜C
4−ヒドロキシアルキル、フェニル−C
1〜C
4−アルキル、(C
1〜C
4−アルコキシ)−(C
1〜C
4−アルキル)−、C
1〜C
6−アルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−NR
7(CO)R
10、−NR
8(CO)OR
7、−NR
8(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10、−(PO)(R
10)
2、場合により1回または複数回、C
1〜C
4−アルキルで置換されたヘテロアリール基で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基は互いに結合して、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、エチレンオキシまたはトリメチレンオキシ基を一緒に形成し;
各4〜10員ヘテロシクロアルケニルは、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
4−アルキルで置換されており;
R
3、R
4は、互いに独立に、水素またはメチルを表し;
R
5は水素、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキルまたはC
1〜C
6−アルコキシを表し;
R
7、R
8は、互いに独立に、水素、C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−CH
2−を表し、該フェニルは場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8は一緒になって、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキルから選択される置換基で置換された4、5、6または7員環状アミン基を表し、前記4、5、6または7員環状アミン基は場合により、O、NおよびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含有し;
R
9はC
1〜C
4−アルキルまたはフェニルを表し、各C
1〜C
4−アルキルまたはフェニルは、場合により1回または複数回、互いに独立に、R
13で置換されており;
R
10はC
1〜C
4−アルキルを表す;あるいは
R
9およびR
10は一緒になって、−N=(SO)R
9R
10基の場合、5〜8員ヘテロシクロアルキル基を表し;
R
11は水素、C
1〜C
4−アルキル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8またはCNを表し;
R
12は水素またはC
1〜C
4−アルキルを表し;
R
13はハロゲン、OH、−NR
7R
8、CN、NO
2、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、C
1〜C
6−ハロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、−(CO)OR
7または−(CO)NR
7R
8を表す)
またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
【0069】
別の実施形態によると、本発明は、一般式(Ib)
【化9】
(式中、R
1、R
2、R
4、R
5、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12およびR
13は上記または下記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物を網羅する。
【0070】
別の実施形態では、本発明は、
R
1が基
【化10】
(式中、*は前記基と分子の残りとの結合点を示す)
を表し;
R
2が−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルコキシ、C
4〜C
6−シクロアルケニル、6員へテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)OR
7、−N=(SO)R
9R
10、−(PO)(OR
7)R
10または−(PO)(R
10)
2を表し、
各C
1〜C
4−アルコキシ、6員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールが、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルキル、ヒドロキシメチル、フェニル−CH
2−、メトキシメチル、C
1〜C
4−アルコキシ、6員ヘテロシクロアルキル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−NR
7(SO
2)R
9で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基は互いに結合して、エチレンジオキシ基を一緒に形成し;
R
4がメチルを表し;
R
5がメチルを表し;
R
7、R
8が、互いに独立に、水素、C
1〜C
6−アルキル、シクロプロピル、フェニルまたはフェニル−CH
2−を表し、該フェニルが場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8が一緒になって、5員環状アミン基を表し;
R
9がメチルまたはエチルを表し;
R
10がメチルまたはエチル表す;あるいは
R
9およびR
10が一緒になって、−N=(SO)R
9R
10基の場合、5員ヘテロシクロアルキル基を表す、
一般式(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
【0071】
別の実施形態によると、本発明は、
R
1が基
【化11】
(式中、*は前記基と分子の残りとの結合点を示す)
を表し;
R
2が−N−メチル−(2,2−ジメチルプロピル)、プロパン−2−イルオキシ、シクロペンタ−1−エン−1−イル、6員へテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)O−メチル、−N=(SO)ジエチル、−N=(SO)(CH
2)
4、−(PO)(O−エチル)メチル、−(PO)(O−(2−メチルプロピル))メチルまたは−(PO)(メチル)
2を表し、
各6員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールが、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルキル、ヒドロキシメチル、フェニル−CH
2−、メトキシメチル、C
1〜C
4−アルコキシ、6員ヘテロシクロアルキル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−NR
7(SO
2)R
9で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基は互いに結合して、エチレンジオキシ基を一緒に形成し;
R
4がメチルを表し;
R
5がメチルを表し;
R
7、R
8が、互いに独立に、水素、C
1〜C
5−アルキル、シクロプロピル、フェニルまたは非置換フェニル−CH
2−を表し、該フェニルが場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8が一緒になって、5員環状アミン基を表し;
R
9がメチルまたはエチルを表し;
R
10がメチルまたはエチル表す;あるいは
R
9およびR
10が一緒になって、−N=(SO)R
9R
10基の場合、テトラメチレン基を表す、
一般式(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
【0072】
別の実施形態によると、本発明は、
R
1が基
【化12】
(式中、*は前記基と分子の残りとの結合点を示す)
を表し;
R
2がプロパン−2−イルオキシ、−N=(SO)ジエチル、−(PO)(O−エチル)メチル、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、モルホリン−4−イル、4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル、4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−5−イルまたは2−メチル−1,3−チアゾール−5−イルを表し;
R
4がメチルを表し;
R
5がメチルを表す、
一般式(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
【0073】
別の実施形態によると、本発明は、
R
1が
【化13】
(式中、*は前記基と分子の残りの結合点を示す)
から選択される基を表す、
一般式(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
【0074】
別の実施形態によると、本発明は、
R
1が
【化14】
(式中、*は前記基と分子の残りの結合点を示す)
を表す、
一般式(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
【0075】
別の実施形態では、本発明は、R
1が
【化15】
(式中、*は前記基と分子の残りの結合点を示す)
から選択される基を表す、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0076】
別の実施形態では、本発明は、R
1が
【化16】
(式中、*は前記基と分子の残りの結合点を示す)
から選択される基を表す、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0077】
別の実施形態では、本発明は、R
1が
【化17】
(式中、*は前記基と分子の残りの結合点を示す)
を表す、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0078】
別の実施形態では、本発明は、
R
2が水素、ハロゲン、−NR
7R
8、CN、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、3〜10員ヘテロシクロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
4〜C
6−シクロアルケニル、3〜10員へテロシクロアルキル、4〜10員ヘテロシクロアルケニル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−SiR
10R
11R
12、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10または−(PO)(R
10)
2を表し、
各C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−アルコキシ、3〜10員ヘテロシクロアルコキシ、C
2〜C
6−アルケニル、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜10員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールが、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキル、C
1〜C
4−ヒドロキシアルキル、フェニル−C
1〜C
4−アルキル、(C
1〜C
4−アルコキシ)−(C
1〜C
4−アルキル)−、C
1〜C
6−アルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−NR
7(CO)R
10、−NR
8(CO)OR
7、−NR
8(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10、−(PO)(R
10)
2、場合により1回または複数回、C
1〜C
4−アルキルで置換されたヘテロアリール基で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基が互いに結合して、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、エチレンオキシまたはトリメチレンオキシ基を一緒に形成し;
各4〜10員ヘテロシクロアルケニルが、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
4−アルキルで置換されている、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0079】
別の実施形態では、本発明は、
R
2が水素、ハロゲン、−NR
7R
8、CN、C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−アルコキシ、3〜6員ヘテロシクロアルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、C
4〜C
6−シクロアルケニル、3〜6員へテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、−(PO)(OR
7)
2、−(PO)(OR
7)R
10または−(PO)(R
10)
2を表し、
各C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−アルコキシ、3〜6員ヘテロシクロアルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜6員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールが、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキル、C
1〜C
4−ヒドロキシアルキル、フェニル−C
1〜C
2−アルキル、(C
1〜C
4−アルコキシ)−(C
1〜C
4−アルキル)−、C
1〜C
4−アルコキシ、C
3〜C
6−シクロアルキル、3〜6員ヘテロシクロアルキル、フェニル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−NR
7(CO)R
10、−NR
8(CO)OR
7、−NR
8(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−(SO
2)NR
7R
8、−NR
7(SO
2)R
9、−((SO)=NR
11)R
10、−N=(SO)R
9R
10、場合により1回または複数回、C
1〜C
4−アルキルで置換されたヘテロアリール基で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基が互いに結合して、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、エチレンオキシまたはトリメチレンオキシ基を一緒に形成し;
前記フェニル基の2個の置換基が、隣接する環原子に結合している場合、場合によりメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、エチレンオキシまたはトリメチレンオキシ基を一緒に形成するように互いに結合している、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0080】
別の実施形態では、本発明は、
R
2が−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルコキシ、C
4〜C
6−シクロアルケニル、6員へテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)OR
7、−N=(SO)R
9R
10、−(PO)(OR
7)R
10または−(PO)(R
10)
2を表し、
各C
1〜C
4−アルコキシ、6員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールが、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルキル、ヒドロキシメチル、フェニル−CH
2−、メトキシメチル、C
1〜C
4−アルコキシ、6員ヘテロシクロアルキル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−NR
7(SO
2)R
9で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基が互いに結合して、エチレンジオキシ基を一緒に形成する、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0081】
別の実施形態では、本発明は、
R
2が−N−メチル−(2,2−ジメチルプロピル)、プロパン−2−イルオキシ、シクロペンタ−1−エン−1−イル、6員へテロシクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、−(CO)O−メチル、−N=(SO)ジエチル、−N=(SO)(CH
2)
4、−(PO)(O−エチル)メチル、−(PO)(O−(2−メチルプロピル))メチルまたは−(PO)(メチル)
2を表し、
各6員ヘテロシクロアルキル、フェニルまたはヘテロアリールが、場合により1回または複数回、互いに独立に、ハロゲン、OH、−CN、−NR
7R
8、C
1〜C
4−アルキル、ヒドロキシメチル、フェニル−CH
2−、メトキシメチル、C
1〜C
4−アルコキシ、6員ヘテロシクロアルキル、−(CO)OR
7、−(CO)NR
7R
8、−(SO
2)R
9、−(SO)R
9、−SR
9、−NR
7(SO
2)R
9で置換されている、あるいは
2個の隣接するフェニル環原子に結合した前記フェニル基の2個の置換基が互いに結合して、エチレンジオキシ基を一緒に形成する、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0082】
別の実施形態では、本発明は、
R
2がプロパン−2−イルオキシ、−N=(SO)ジエチル、−(PO)(O−エチル)メチル、1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル、モルホリン−4−イル、4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル、4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル、1−メチル−1H−イミダゾール−5−イルまたは2−メチル−1,3−チアゾール−5−イルを表す、
式(I)もしくは(Ib)の化合物またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
【0083】
別の実施形態では、本発明は、R
3がメチルを表し、R
4がHを表す、式(I)の化合物に関する。
【0084】
別の実施形態では、本発明は、R
3がHを表し、R
4がメチルを表す、式(I)の化合物に関する。
【0085】
別の実施形態では、本発明は、R
3がHを表し、R
4がHを表す、式(I)の化合物に関する。
【0086】
別の実施形態では、本発明は、R
3がメチルを表し、R
4がメチルを表す、式(I)の化合物に関する。
【0087】
別の実施形態では、本発明は、R
4がHまたはメチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0088】
別の実施形態では、本発明は、R
4がHを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0089】
好ましい実施形態では、本発明は、R
4がメチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0090】
別の好ましい実施形態では、本発明は、R
4が絶対配置Rのメチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0091】
別の実施形態では、本発明は、R
5がC
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキルまたはC
1〜C
6−アルコキシを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0092】
別の実施形態では、本発明は、R
5がC
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキルまたはC
1〜C
4−アルコキシを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0093】
別の実施形態では、本発明は、R
5がC
1〜C
4−アルキルまたはC
1〜C
4−ハロアルキルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0094】
別の実施形態では、本発明は、R
5がC
1〜C
4−アルキルまたはC
1〜C
4−アルコキシを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0095】
別の実施形態では、本発明は、R
5がメチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0096】
別の実施形態では、本発明は、R
5がC
1〜C
4−アルキルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0097】
別の実施形態では、本発明は、R
5がメチル、エチルまたはプロピルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0098】
別の実施形態では、本発明は、R
5がメチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0099】
別の実施形態では、本発明は、R
5が水素を表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0100】
別の実施形態では、本発明は、R
7、R
8が互いに独立に、水素、C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−CH
2−を表し、該フェニルが場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8が一緒になって、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
6−アルキル、C
1〜C
6−ハロアルキルから選択される置換基で置換されている4、5、6または7員環状アミン基を表し、前記4、5、6または7員環状アミン基が場合によりO、NおよびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含む、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R
7、R
8が互いに独立に、水素、C
1〜C
6−アルキル、C
3〜C
6−シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−CH
2−を表し、該フェニルが場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8が一緒になって、場合により1回または複数回、互いに独立に、C
1〜C
4−アルキル、C
1〜C
4−ハロアルキルから選択される置換基で置換されている5または6員環状アミン基を表し、前記5または6員環状アミン基が場合によりO、NおよびSからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含む、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R
7、R
8が互いに独立に、水素、C
1〜C
5−アルキル、シクロプロピル、フェニルまたは非置換フェニル−CH
2−を表し、該フェニルが場合により1回または複数回、ハロゲンで置換されている;あるいは
R
7およびR
8が一緒になって、5員環状アミン基を表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R
7が水素を表し、R
8が水素を表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0101】
別の実施形態では、本発明は、R
7が水素を表し、R
8がC
1〜C
4−アルキルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0102】
別の実施形態では、本発明は、R
7が水素を表し、R
8がC
1〜C
5−アルキル、シクロプロピルまたは非置換フェニル−CH
2−を表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0103】
別の実施形態では、本発明は、R
7がC
1〜C
4−アルキルを表し、R
8がC
1〜C
4−アルキルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0104】
別の実施形態では、本発明は、R
9がメチル、エチル、プロピルまたは場合によりR
13で置換されているフェニルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0105】
別の実施形態では、本発明は、R
9がメチル、エチルまたはプロピルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0106】
別の実施形態では、本発明は、R
9がメチルまたはエチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0107】
別の実施形態では、本発明は、R
10がメチル、エチルまたはプロピルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0108】
別の実施形態では、本発明は、R
10がメチルまたはエチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0109】
別の実施形態では、本発明は、R
10がメチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0110】
別の実施形態では、本発明は、R
10がエチルを表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0111】
別の実施形態では、本発明は、R
9およびR
10が一緒になって、−N=(SO)R
9R
10基の場合、5員ヘテロシクロアルキル基を表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0112】
別の実施形態では、本発明は、R
9およびR
10が一緒になって、−N=(SO)R
9R
10基の場合、テトラメチレン基を表す、式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0113】
さらなる実施形態では、本発明は、その立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物の形態である上記実施形態のいずれかによる式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0114】
本発明は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物の本発明の任意の実施形態または態様内の任意の部分的組み合わせに関することが理解されるべきである。
【0115】
さらに、本発明は、下記の本文の実施例節で開示される一般式(I)または(Ib)の標記化合物を網羅する。
【0116】
別の態様によると、本発明は、スキーム1〜6および/または実験節で以下に記載されるステップを含む、本発明の化合物を調製する方法を網羅する。
【0117】
特に、本発明は、
一般式4(式中、R
3、R
4およびR
5は一般式(I)または(Ib)の化合物について定義されるのと同じ意味を有する)の化合物を、塩基、好ましくは強塩基を用いて、好ましくは−20℃〜溶媒の沸点の間、好ましくは−5℃〜30℃の間の温度で、有機溶媒中で反応させて、一般式(5)の化合物を得ることを特徴とする、
一般式5の化合物を調製する方法
【化18】
を網羅する。好ましくは、一般式5の化合物の調製は、非プロトン性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミド中で行うことができる。
【0118】
一般式5の化合物を調製するために使用することができる好ましい強塩基は、LiHMDS、KHMDS、NaHMDSまたはLDAである。
【0119】
特に、本発明は、
一般式7(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は一般式(I)または(Ib)の化合物について定義されるのと同じ意味を有する)の化合物を、塩基、好ましくは強塩基を用いて、好ましくは−20℃〜溶媒の沸点の間、好ましくは−5℃〜30℃の間の温度で、有機溶媒中で反応させて、一般式(8)の化合物を得ることを特徴とする、
一般式8の化合物を調製する方法
【化19】
を網羅する。
【0120】
好ましくは、一般式8の化合物の調製は、非プロトン性有機溶媒、好ましくはテトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミド中で行うことができる。
【0121】
一般式8の化合物を調製するために使用することができる好ましい強塩基は、LiHMDS、KHMDS、NaHMDSまたはLDAである。
【0122】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(I)または(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式5
【化20】
(式中、R
3、R
4およびR
5は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである。)
の化合物を網羅する。
【0123】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(I)または(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式8
【化21】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである。)
の化合物を網羅する。
【0124】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(I)または(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式9
【化22】
(式中、R
3、R
4およびR
5は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである。)
の化合物を網羅する。
【0125】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(I)または(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式11
【化23】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである。)
の化合物を網羅する。
【0126】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(I)または(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式12
【化24】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りであり、Xはクロロ、ブロモまたはヨードである)
の化合物を網羅する。
【0127】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(I)または(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式15
【化25】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである。)
の化合物を網羅する。
【0128】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(I)または(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式16
【化26】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は、上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである。)
の化合物を網羅する。
【0129】
さらなる態様によると、本発明は、一般式(Ib)の本発明の化合物の調製、特に本明細書に記載される方法に有用な中間体化合物を網羅する。特に、本発明は、一般式39
【化27】
(式中、YはOH、−O−SO
2−CF
3、Cl、Br、I、SHまたは−SO
2Cl、好ましくはOH、−O−SO
2−CF
3またはClを表し、R
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである。)
の化合物を網羅する。
【0130】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式5
【化28】
(式中、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0131】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式8
【化29】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0132】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式9
【化30】
(式中、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0133】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式11
【化31】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0134】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式12
【化32】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りであり、Xはクロロ、ブロモまたはヨードである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0135】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式15
【化33】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0136】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式16
【化34】
(式中、R
1、R
3、R
4およびR
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0137】
さらに別の態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)または(Ib)の化合物を調製するための、一般式39
【化35】
(式中、YはOH、−O−SO
2−CF
3、Cl、Br、I、SHまたは−SO
2Cl、好ましくはOH、−O−SO
2−CF
3またはClを表し、R
5は上記の一般式(I)または(Ib)の化合物について定義される通りであり、好ましくはR
5はメチルである)
の中間体化合物の使用を網羅する。
【0138】
本発明による一般式(I)または(Ib)の化合物は、予想され得なかった有用な作用範囲を示す。そのため、これらの化合物は、ヒトおよび動物の疾患を治療および/または予防するための医薬品として使用するのに適している。
【0139】
特に、本発明の前記化合物は、驚くべきことに、ATRキナーゼを有効に阻害することが分かったので、ATRキナーゼによって媒介される疾患、特に過剰増殖性疾患を治療または予防するために使用することができる。
【0140】
本発明は、疾患、特に過剰増殖性疾患の治療または予防に使用するための、本発明の一般式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0141】
本発明は、疾患、特に過剰増殖性疾患を治療するために、本発明の化合物および/または医薬組成物を使用する方法に関する。化合物を利用して細胞増殖および/または細胞分裂を阻害する、遮断する、低減する、減少させる等、ならびに/あるいはアポトーシスをもたらすことができる。この方法は、疾患を治療するのに有効な量の本発明の化合物を、それを必要とする哺乳動物、特にヒトに投与するステップを含む。過剰増殖性疾患には、それだけに限らないが、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響を及ぼす他の過形成、前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍(乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、目、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌およびこれらの遠隔転移など)が含まれる。これらの疾患にはリンパ腫、肉腫および白血病も含まれる。
【0142】
乳癌の例には、それだけに限らないが、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌、および非浸潤性小葉癌が含まれる。
【0143】
気道の癌の例には、それだけに限らないが、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が含まれる。
【0144】
脳癌の例には、それだけに限らないが、脳幹および視床下部(hypophtalmic)膠腫、小脳および大脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍が含まれる。
【0145】
男性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、前立腺および精巣癌が含まれる。女性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰癌、ならびに子宮の肉腫が含まれる。
【0146】
消化管の腫瘍には、それだけに限らないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺癌が含まれる。
【0147】
尿路の腫瘍には、それだけに限らないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道およびヒト乳頭状腎臓癌が含まれる。
【0148】
目の癌には、それだけに限らないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が含まれる。
【0149】
肝癌の例には、それだけに限らないが、肝細胞癌(線維層板型の変形を伴うまたは伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合肝細胞性胆管癌が含まれる。
【0150】
皮膚癌には、それだけに限らないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌および非黒色腫皮膚癌が含まれる。
【0151】
頭頸部癌には、それだけに限らないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭癌、および口腔癌および扁平細胞が含まれる。リンパ腫には、それだけに限らないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫が含まれる。
【0152】
肉腫には、それだけに限らないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉種が含まれる。
【0153】
白血病には、それだけに限らないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および有毛細胞白血病が含まれる。
【0154】
これらの疾患はヒトにおいてよく特徴づけられているが、他の哺乳動物でも類似の病因で存在し、本発明の化合物または医薬組成物を投与することによって治療することができる。
【0155】
本発明は、欠陥のあるATMシグナル伝達および/またはp53機能を有する過剰増殖性疾患、特に肺癌、特に小細胞肺癌、結腸直腸癌、膀胱癌、リンパ腫、神経膠腫および卵巣癌の治療に関する。
【0156】
特に、本発明は、肺癌、特に小細胞肺癌、結腸直腸癌、膀胱癌、リンパ腫、特にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBC)およびマントル細胞リンパ腫(MCL)、前立腺癌、特に去勢抵抗性前立腺癌、神経膠腫ならびに卵巣癌の治療に関する。
【0157】
本発明はさらに、疾患、とりわけ上記疾患、特に過剰増殖性疾患を治療および/または予防するための医薬品を製造するための一般式(I)もしくは(Ib)の化合物および/または本発明の医薬組成物の使用を提供する。
【0158】
本発明のさらなる主題は、障害、特に上述の障害を治療および/または予防するための医薬品の製造における一般式(I)もしくは(Ib)の化合物および/または本発明の医薬組成物の使用である。
【0159】
本発明はさらに、疾患、特に過剰増殖性疾患を治療および/または予防する方法に使用するための一般式(I)または(Ib)の化合物に関する。
【0160】
本発明はさらに、有効量の一般式(I)もしくは(Ib)の化合物および/または本発明の医薬組成物を用いて、疾患、とりわけ上記疾患、特に過剰増殖性疾患を治療および/または予防する方法を提供する。
【0161】
本発明はさらに、疾患、とりわけ上記疾患、特に過剰増殖性疾患の治療および/または予防に使用するための一般式(I)もしくは(Ib)の化合物および/または本発明の医薬組成物を提供する。本発明はさらに、上記疾患、特に過剰増殖性疾患の治療および/または予防に使用するための一般式(I)もしくは(Ib)の化合物および/または本発明の医薬組成物を提供する。
【0162】
本発明はさらに、一般式(I)もしくは(Ib)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物と、1種または複数の賦形剤、特に不活性で非毒性の薬学的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。適当な剤形のこのような医薬組成物を調製するための従来手順を利用することができる。
【0163】
本発明はさらに、本発明による少なくとも1種の化合物を、慣用的に1種または複数の薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む医薬組成物、特に医薬品、および上述の目的のためのその使用に関する。
【0164】
薬学的に許容される賦形剤には、特に、以下が含まれる
・充填剤および賦形剤(例えば、セルロース、微結晶セルロース、例えばAvicel(登録商標)、ラクトース、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム、例えばDi−Cafos(登録商標)、
・軟膏基剤(例えば、ワセリン、パラフィン、トリグリセリド、ワックス、ウールワックス、ウールワックスアルコール、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール)、
・坐剤用基剤(例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、硬質脂肪)、
・溶媒(例えば、水、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、中鎖長トリグリセリド脂肪油、液体ポリエチレングリコール、パラフィン)、
・界面活性剤、乳化剤、分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、レシチン、リン脂質、脂肪アルコール、例えばLanette(登録商標)、ソルビタン脂肪酸エステル、例えばSpan(登録商標)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばTween(登録商標)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド、例えばCremophor(登録商標)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、グリセロール脂肪酸エステル、ポロキサマー、例えばPluronic(登録商標))、
・緩衝剤および酸および塩基(例えば、リン酸塩、炭酸塩、クエン酸、酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム溶液、炭酸アンモニウム、トロメタモール、トリエタノールアミン)、
・等張剤(例えば、グルコース、塩化ナトリウム)、
・吸着剤(例えば、高分散性シリカ)、
・粘度増強剤、ゲル形成剤、増粘剤および/またはバインダー(例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース−ナトリウム、デンプン、カルボマー、ポリアクリル酸、例えばCarbopol(登録商標)、アルギン酸塩、ゼラチン)、
・崩壊剤(例えば、修飾デンプン、カルボキシメチルセルロース−ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、例えばExplotab(登録商標)、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム、例えばAcDiSol(登録商標))、
・流動調節剤、潤滑剤、滑剤および離型剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、高分散性シリカ、例えばAerosil(登録商標))、
・コーティング材料(例えば、糖、シェラック)およびフィルム形成剤、または急速にもしくは修飾された様式で溶解する分散膜(例えば、ポリビニルピロリドン、例えばKollidon(登録商標)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、例えばEudragit(登録商標))、
・カプセル材料(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、
・合成ポリマー(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、例えばEudragit(登録商標)、ポリビニルピロリドン、例えばKollidon(登録商標)、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールならびにこれらのコポリマーおよびブロックコポリマー)、
・可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、クエン酸トリアセチル、フタル酸ジブチル)、
・浸透促進剤、
・安定剤(例えば、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル)、
・保存剤(例えば、パラベン、ソルビン酸、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム)、
・着色剤(例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、二酸化チタン)、
・香味料、甘味料、香味および/または臭気マスキング剤。さらなる賦形剤および手順は、その各々が参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献に記載されている:Powell,M.F.ら、「Compendium of Excipients for Parenteral Formulations」PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 1998、52(5)、238〜311;Strickley,R.G「Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in United States(1999)−Part−1」PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 1999、53(6)、324〜349;およびNema,S.ら、「Excipients and Their Use in Injectable Products」PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 1997、51(4)、166〜171。本発明はさらに、特に上記疾患を治療および/または予防するための、少なくとも1種の本発明による化合物と、少なくとも1種または複数のさらなる有効成分とを含む医薬組成物、特に医薬品に関する。
【0165】
本発明はさらに、
1種または複数の一般式(I)または(Ib)の化合物から選択される有効成分と、
1種または複数の癌を治療するための抗過剰増殖(antihyperproliferative)、細胞増殖抑制性または細胞毒性物質から選択される有効成分と
を含む医薬組み合わせを提供する。
【0166】
本発明における「組み合わせ」という用語は、当業者に知られているように使用され、固定した組み合わせ、固定していない組み合わせまたはパーツキット(kit−of−parts)として存在し得る。
【0167】
本発明における「固定した組み合わせ」は、当業者に知られているように使用され、例えば、第1の有効成分および第2の有効成分が1つの単位投与量または単一実体中に一緒に存在する組み合わせとして定義される。「固定した組み合わせ」の1つの例は、第1の有効成分および第2の有効成分が同時投与用の混和物、例えば、製剤中に存在する医薬組成物である。「固定した組み合わせ」の別の例は、第1の有効成分および第2の有効成分が混和していないが一単位中に存在する医薬組み合わせである。
【0168】
本発明における固定していない組み合わせまたは「パーツキット」は、当業者に知られているように使用され、第1の有効成分および第2の有効成分が2つ以上の単位中に存在する組み合わせとして定義される。固定していない組み合わせまたはパーツキットの1つの例は、第1の有効成分および第2の有効成分が別々に存在する組み合わせである。固定していない組み合わせまたはパーツキットの成分は、別々に、順次、同時に、同時発生的にまたは時差的交互的に(chronologically staggered)投与することができる。