特許第6873146号(P6873146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6873146-軌道のレールを溶接する溶接アセンブリ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873146
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】軌道のレールを溶接する溶接アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E01B 29/17 20060101AFI20210510BHJP
   B23K 37/00 20060101ALI20210510BHJP
   B23K 37/02 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   E01B29/17
   B23K37/00 301Z
   B23K37/02 D
【請求項の数】6
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-540822(P2018-540822)
(86)(22)【出願日】2017年1月9日
(65)【公表番号】特表2019-508609(P2019-508609A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】EP2017000018
(87)【国際公開番号】WO2017133828
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2019年10月4日
(31)【優先権主張番号】A56/2016
(32)【優先日】2016年2月4日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514318345
【氏名又は名称】プラッサー ウント トイラー エクスポート フォン バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Plasser & Theurer, Export von Bahnbaumaschinen, Gesellschaft m.b.H.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト フレッツァー
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ ミュールライトナー
【審査官】 亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第02219761(GB,A)
【文献】 国際公開第2004/111340(WO,A1)
【文献】 特表2011−529792(JP,A)
【文献】 特表2008−529886(JP,A)
【文献】 特開平07−001152(JP,A)
【文献】 特表2012−510576(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0125216(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103817422(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 27/00−37/00
B23K 37/00
B23K 37/02
B23K 11/00−11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道のレール(2)を溶接する溶接アセンブリ(1)であって、
アセンブリガイド(4)に沿ってガイド長手方向(5)で相互に移動可能な2つの溶接ユニット(6)を備え、該溶接ユニット(6)は、下端部(7)にそれぞれ、レール腹部(8)に当接するように設けられた複数のクランプジョー(9)を有しており、少なくとも1つの前記溶接ユニット(6)は、作業運転時に軌道(3)上に載置するように設けられた、前記溶接ユニット(6)に対して摺動可能な支持装置(11)に結合されている、溶接アセンブリ(1)において、
前記支持装置(11)は、前記ガイド長手方向(5)で前記溶接ユニット(6)に対して摺動可能に構成されていることを特徴とする、溶接アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記支持装置(11)は、前記クランプジョー(9)に接続している前記下端部(7)で、各々の前記溶接ユニット(6)にそれぞれ取り付けられていることを特徴とする、請求項1記載の溶接アセンブリ。
【請求項3】
各々の前記溶接ユニット(6)は、前記ガイド長手方向(5)に対して直交方向に延在しているアセンブリ横方向(12)に関して互いに離間した2つの支持装置(11)を有し、前記クランプジョー(9)は、両前記支持装置(11)の間に配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載の溶接アセンブリ。
【請求項4】
前記支持装置(11)は、スライドレール(16)として構成されており、該スライドレール(16)は、ばね付勢によって、溶接プロセスの終了とともに到達可能な終了位置から開始位置へ自動的に戻るように摺動可能であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の溶接アセンブリ。
【請求項5】
前記開始位置および前記終了位置によって設定される摺動距離は、少なくとも150mmであることを特徴とする、請求項記載の溶接アセンブリ。
【請求項6】
前記支持装置(11)の、前記ガイド長手方向(5)に延在している長さは、少なくとも、前記軌道(3)の隣り合う2つのまくらぎ(17)の相互間隔に相当するように構成されていることを特徴とする、請求項または記載の溶接アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道のレールを溶接する溶接アセンブリであって、アセンブリガイドに沿ってガイド長手方向で相互に移動可能な2つの溶接ユニットを備え、これらの溶接ユニットは、下端部にそれぞれ、レール腹部に当接するように設けられた複数のクランプジョーを有する、溶接アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の溶接アセンブリは、国際公開第2010063362号により公知である。相互に移動可能な2つの溶接ユニットの各々には、押付け平面内でレール長手方向に対して直交方向に直線状に摺動可能な2つのクランプジョーが、レール腹部に押し付けるために設けられている。
【0003】
欧州特許出願公開第0597215号明細書またはスイス国特許出願公開第703854号明細書によれば、同様に溶接アセンブリが公知であり、これらの溶接アセンブリでは、複数のクランプジョーが、偏心軸を回動させることによってレール腹部に押し付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の課題は、溶接プロセスを簡単に実施することが可能な、冒頭で述べたタイプの溶接アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、冒頭で述べたタイプの溶接アセンブリにおいて、少なくとも1つの溶接ユニットが、作業運転時に軌道上に載置するように設けられた、溶接ユニットに対して相対的に摺動可能な支持装置に結合されていることによって解決される。
【0006】
この種の支持装置によって、溶接アセンブリを溶接箇所へ動かすために、使用されるクレーンをより小さくすることが可能である。なぜならば、溶接プロセスの間に持ち上げられたレールの応力によって発生した力が、有利には、支持装置によって軌道上に直接伝達されるからである。さらに、複数の支持装置がスライダ状に構成される場合には、溶接アセンブリの、2つの溶接ユニットを相互に移動させる間に生じうるまくらぎとの不都合な摩擦も確実に排除することができる。本発明のさらなる利点は、絶対的に必要とされる範囲においてのみ、最終的な溶接ビードの除去を実施するためにクレーンに負荷を掛けることなく溶接アセンブリを迅速に持ち上げることが可能であるので、除去用カッタを支障なくレール底部の下方で動かすことができることにある。
【0007】
本発明のさらなる利点は、従属請求項および図面の記載から明らかである。
【0008】
以下に、本発明を、図示する実施形態に基づき詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】溶接アセンブリの概略側面図である。
図2】溶接アセンブリをレール長手方向から見た図である。
図3】溶接アセンブリの概略側面図である。
図4】溶接アセンブリの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および図2に示された、軌道3のレール2を溶接する溶接アセンブリ1は、アセンブリガイド4に沿ってガイド長手方向またはレール長手方向5で相互に移動可能な2つの溶接ユニット6から構成される。これらの溶接ユニット6は、鉛直線に関して下端部7にそれぞれ、レール腹部8に当接するように設けられたクランプジョー9を有する。両溶接ユニット6の間には、溶接ビードを除去するための除去装置10が位置している。さらなる詳細については欧州特許第2315877号明細書ですでに公知であり、したがって詳細には説明されない溶接アセンブリ1は、溶接箇所に搬送するために、ここでは詳細には図示されないクレーン(図3参照)に結合されている。
【0011】
両溶接ユニット6は、クランプジョー9に接続している下端部7で、作業運転時に軌道3上に載置するように設けられた2つの支持装置11にそれぞれ結合されている。これらの支持装置11は、ガイド長手方向5に対して直交方向に延在するアセンブリ横方向12で互いに離間して配置されており、クランプジョー9はそれぞれ、両支持装置11の間に位置決めされている。各々の支持装置11は、鉛直線に関して溶接ユニット6に対して相対的に液圧式に位置調整可能な支柱13として構成されている。
【0012】
溶接プロセスのために、溶接アセンブリ1は、溶接すべき両レール2にわたってセンタリングされ、両溶接ユニット6が溶接プロセスにとって支障なく相互に移動可能である範囲内で下降される。次に、レール2は、2つのレール挟持体14によって把持され、わずかに持ち上げられる。その際、レール2は、複数のクランプジョー9の間に位置決めされたストッパに押し付けられる。
【0013】
最終的に溶接アセンブリ1を複数のまくらぎ上でかつ/または複数のまくらぎの間に位置するバラスト15上で支持するために、溶接プロセスの終了後、支柱13は液圧式に励起され、鉛直方向に伸長される。その際、溶接アセンブリ1は、除去装置10の下降した両部分が、レール底部の下方で続いて行われる溶接ビードの除去プロセスのために問題なく接近旋回可能となるまで、鉛直方向で軌道3から離反される。その際、レール2は、複数のクランプジョー9によって挟み付けられた状態のままである。したがって、レールの曲げから生じる力は、前述のクレーンの負荷を軽減しつつ支柱13によって吸収される。
【0014】
代替的な最小限の変化形態では、両溶接ユニット6のうちの1つの溶接ユニットのみに2つの支柱13を配置してもよい。
【0015】
図3および図4には、支持装置11の別の変化形態が示されている。この支持装置11は、特に他のタイプの溶接アセンブリ1(これに関しては国際公開第2004/111340号を参照)に適合されている。
【0016】
スライドレール16として構成されたこの支持装置11は、ガイド長手方向5で溶接ユニット6に対して相対的に摺動可能に構成されている。スライドレール16は、ばね付勢によって、溶接プロセスの終了とともに到達可能な終了位置(図3参照)から開始位置(図4参照)へ自動的に戻るように摺動可能である。開始位置および終了位置によって設定される摺動距離は、少なくとも150mmである。支持装置11またはスライドレール16の、ガイド長手方向5に延在している長さは、少なくとも、軌道3の隣り合う2つのまくらぎ17の相互間隔に相当するように構成されている。
【0017】
溶接を実施するために、溶接アセンブリ1は、レール長手方向に関してセンタリングされた後、全部で4つのスライドレール16に載置してまくらぎ17上に設置される。その際、スライドレール16は、図4から看取可能な開始位置にある。溶接を完了させる衝撃的な突合わせを実施するために、両溶接ユニット6は、アセンブリガイド4に沿って相互に移動され、その際、スライドレール16と溶接ユニット6との間でそれぞれ相対移動が行われる。これにより到達した終了位置は、図3から看取可能である。このために、ここでは詳細には図示されない複数のレール取付け装置を介して溶接ユニット6を支障なく摺動させることが可能であるように、スライドレール16の高さが構成されていなければならないことは自明である。溶接ビードを除去した後、クレーンによって溶接アセンブリ1が持ち上げられ、その際、スライドレール16は、ばね付勢によって、自動的にその開始位置に摺動される(図4参照)。
図1
図2
図3
図4