(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873206
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】シリンダにフィルタカートリッジを装着するためのキー構造及び関連するフィルタデバイス
(51)【国際特許分類】
B01D 27/08 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
B01D27/08
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-186046(P2019-186046)
(22)【出願日】2019年10月9日
(65)【公開番号】特開2020-59022(P2020-59022A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2019年10月16日
(31)【優先権主張番号】107135984
(32)【優先日】2018年10月12日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519364657
【氏名又は名称】旭然國際股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】何 兆全
【審査官】
駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−521547(JP,A)
【文献】
特表2014−528833(JP,A)
【文献】
特表2004−535291(JP,A)
【文献】
特開2016−203170(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2018/0001234(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0023142(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D23/00−35/04
B01D35/08−37/08
B01D46/00−46/54
B01D35/00−35/04
C02F1/28
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダにフィルタカートリッジを装着するためのキー構造であって、
水平方向に沿って延び、前記フィルタカートリッジと結合される結合部分を含む、本体と、
該本体に接続され、前記水平方向に対して実質的に垂直方向に沿って下向きに延びる、弾性アームとを含み、
シリンダの内壁にある位置決め凹部との係合のために、係合フックが前記弾性アームの端に形成される、
キー構造。
【請求項2】
前記本体に接続され、前記垂直方向に沿って下向きに延びる、少なくとも1つの固定ラグと、該少なくとも1つの固定ラグに形成され、前記水平方向に沿って延びる、当接部分とを更に含み、該当接部分は、前記係合フックが前記位置決め凹部と係合するときに、前記シリンダの端面にある突出リムに当接する、請求項1に記載のキー構造。
【請求項3】
前記本体に接続され、前記垂直方向に沿って上向きに延びる、少なくとも1つの作動リブを更に含み、該少なくとも1つの作動リブは、前記少なくとも1つの作動リブが作動させられるときに、前記本体を前記シリンダに対して回転させる、請求項1に記載のキー構造。
【請求項4】
当該キー構造の構造強度を強化するために、前記本体に配置される少なくとも1つの強化リブを更に含む、請求項1に記載のキー構造。
【請求項5】
前記結合部分は、前記フィルタカートリッジのエンドキャップのネック部分と取り外し可能に結合され、2つの係合突起が、前記結合部分の2つの側面から突出し、前記ネック部分の壁にある2つの係合凹部にそれぞれ対応する位置に配置され、前記2つの係合突起は、前記結合部分が前記ネック部分と結合されるときに、前記2つの係合凹部とそれぞれ係合する、請求項1に記載のキー構造。
【請求項6】
前記水平方向に沿う前記結合部分の断面の形状は、前記水平方向に沿う前記ネック部分の断面の形状と一致する、請求項5に記載のキー構造。
【請求項7】
前記水平方向に沿う前記結合部分の断面の形状は、前記水平方向に沿う前記ネック部分の断面の形状と一致しない、請求項5に記載のキー構造。
【請求項8】
カバーと、シリンダとを含む、シェルであって、前記カバーは、前記シリンダと取り外し可能に結合され、収容空間が、前記カバーと前記シリンダとによって囲まれ、位置決め凹部が、前記シリンダの内壁に形成される、シェルと、
前記収容空間内に配置されるフィルタカートリッジと、
該フィルタカートリッジを前記シリンダに装着するためのキー構造とを含み、該キー構造は、
水平方向に沿って延び、前記フィルタカートリッジと結合される結合部分を含む、本体と、
該本体に接続され、前記水平方向に対して実質的に垂直方向に沿って下向きに延びる、弾性アームとを含み、
前記位置決め凹部との係合のために、係合フックが前記弾性アームの端に形成される、
フィルタデバイス。
【請求項9】
前記シリンダは、前記係合フックが前記位置決め凹部に入るように案内するために、前記位置決め凹部の少なくとも1つの側面に配置される、少なくとも1つの案内構造を含む、請求項8に記載のフィルタデバイス。
【請求項10】
前記キー構造は、前記本体に接続され、前記垂直方向に沿って下向きに延びる、少なくとも1つの固定ラグを更に含み、当接部分が、前記少なくとも1つの固定ラグに形成され、前記水平方向に沿って延び、突出リムが、前記シリンダの端面に形成され、前記当接部分は、前記係合フックが前記位置決め凹部と係合するときに、前記突出リムに当接する、請求項8に記載のフィルタデバイス。
【請求項11】
前記キー構造は、前記本体に接続され、前記垂直方向に沿って上向きに延びる、少なくとも1つの作動リブを更に含み、該少なくとも1つの作動リブは、前記少なくとも1つの作動リブが作動させられるときに、前記本体を前記シリンダに対して回転させる、請求項8に記載のフィルタデバイス。
【請求項12】
前記キー構造は、前記キー構造の構造強度を強化するために、前記本体に配置される少なくとも1つの強化リブを更に含む、請求項8に記載のフィルタデバイス。
【請求項13】
前記フィルタカートリッジは、カートリッジ本体と、該カートリッジ本体に装着されるエンドキャップとを含み、ネック部分が、前記エンドキャップに形成され、前記結合部分は、前記ネック部分と取り外し可能に結合され、2つの係合凹部が、前記ネック部分の壁に形成され、2つの係合突起が、前記結合部分の2つの側面から突出し、前記2つの係合凹部にそれぞれ対応する位置に配置され、前記2つの係合突起は、前記結合部分が前記ネック部分と結合されるときに、前記2つの係合凹部とそれぞれ係合する、請求項8に記載のフィルタデバイス。
【請求項14】
前記水平方向に沿う前記結合部分の断面の形状は、前記水平方向に沿う前記ネック部分の断面の形状と一致する、請求項13に記載のフィルタデバイス。
【請求項15】
前記水平方向に沿う前記結合部分の断面の形状は、前記水平方向に沿う前記ネック部分の断面の形状と一致しない、請求項13に記載のフィルタデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ製品に関し、より具体的には、フィルタカートリッジの組立て及び分解を容易にするキー構造、並びにキー構造を備えるフィルタデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
濾過技術の進歩及びフィルタ材料の開発に伴って,フィルタデバイスは、様々な分野において広く用いられている。フィルタデバイスは、通常、フィルタシェルと、フィルタカートリッジとを含む。フィルタシェルは、パイプラインとの接続のための吸引ポート及び排出ポートを有する。フィルタカートリッジは、濾過の目的を達成するために、プロセス流体、廃水又は飲料水から特定の物質を除去するためにフィルタシェル内に配置される。しかしながら、フィルタカートリッジの細孔は、使用の増加に伴って徐々に塞がれることがあり、それはフィルタデバイスの濾過効率に負の効果をもたらすだけでなく、フィルタデバイスの圧力差を増加させる。フィルタデバイスのフィルタ効率を維持し、フィルタデバイスの過大な圧力差を防止するために、フィルタカートリッジは、定期的に交換されなければならない。その上、ユーザがフィルタカートリッジを交換するとき、ユーザはフィルタカートリッジ上の残留物質に触れることがあり、それは潜在的な危険をもたらすことがある。従って、ユーザが安全且つ容易にフィルタカートリッジを交換することを可能にすることは、当該分野において重要な主題となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】CN1283341C
【特許文献2】CN1283342C
【特許文献3】EP1490158B1
【特許文献4】JP4266833B2
【特許文献5】JP4664596B2
【特許文献6】KR10−0925587B1
【特許文献7】KR10−0956895B1
【特許文献8】TW567085
【特許文献9】TWI222892
【特許文献10】US7101479B2
【特許文献11】US7169302B2
【特許文献12】US7520984B2
【特許文献13】WO03/082434A1
【特許文献14】WO03/082435A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、フィルタカートリッジの組立て及び分解を容易にするキー構造、並びにキー構造を備えるフィルタデバイスを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の目的を達成するために、本発明は、シリンダにフィルタカートリッジを装着するキー構造を開示する。キー構造は、本体と、弾性アームとを含む。本体は、水平方向に沿って延び、フィルタカートリッジと結合される結合部分を含む。弾性アームは、本体に接続され、水平方向に対して実質的に垂直方向に沿って下向きに延びる。シリンダにある位置決め凹部との係合のために、係合フックが前記弾性アームの端に形成される。
【0006】
本発明のある実施形態によれば、キー構造は、本体に接続され、垂直方向に沿って下向きに延びる、少なくとも1つの固定ラグを更に含む。当接部分が、少なくとも1つの固定ラグに形成され、水平方向に沿って延び、当接部分は、係合フックが位置決め凹部と係合するときに、シリンダの端面にある突出リムに当接する。
【0007】
本発明のある実施形態によれば、キー構造は、本体に接続され、垂直方向に沿って上向きに延びる、少なくとも1つの作動リブを更に含み、少なくとも1つの作動リブは、少なくとも1つの作動リブが作動させられるときに、本体を前記シリンダに対して回転させる。
【0008】
本発明のある実施形態によれば、キー構造は、キー構造の構造強度を強化するために、本体に配置される少なくとも1つの強化リブを更に含む。
【0009】
本発明のある実施形態によれば、結合部分は、フィルタカートリッジのエンドキャップのネック部分と取り外し可能に結合される。2つの係合突起が、結合部分の2つの側面から突出し、ネック部分の壁にある2つの係合凹部にそれぞれ対応する位置に配置され、2つの係合突起は、結合部分がネック部分と結合されるときに、2つの係合凹部とそれぞれ係合する。
【0010】
本発明のある実施形態によれば、水平方向に沿う結合部分の断面の形状は、水平方向に沿うネック部分の断面の形状と一致する。
【0011】
本発明のある実施形態によれば、水平方向に沿う結合部分の断面の形状は、水平方向に沿うネック部分の断面の形状と一致しない。
【0012】
前述の目的を達成するために、本発明は、フィルタデバイスを更に開示する。フィルタデバイスは、シェルと、フィルタカートリッジと、キー構造とを含む。シェルは、カバーと、シリンダとを含む。カバーは、シリンダと取り外し可能に結合される。収容空間が、カバーとシリンダとによって囲まれる。位置決め凹部が、シリンダに形成される。フィルタカートリッジは、収容空間内に配置される。キー構造は、フィルタカートリッジをシリンダに装着するためにある。キー構造は、本体と、弾性アームとを含む。本体は、水平方向に沿って延び、フィルタカートリッジと結合される結合部分を含む。弾性アームは、本体に接続され、水平方向に対して実質的に垂直方向に沿って下向きに延びる。位置決め凹部との係合のために、係合フックが弾性アームの端に形成される。
【0013】
本発明のある実施形態によれば、シリンダは、係合フックが位置決め凹部に入るように案内するために、位置決め凹部の少なくとも1つの側面に配置される、少なくとも1つの案内構造を含む。
【0014】
本発明のある実施形態によれば、キー構造は、本体に接続され、垂直方向に沿って下向きに延びる、少なくとも1つの固定ラグを更に含む。当接部分が、少なくとも1つの固定ラグに形成され、水平方向に沿って延びる。突出リムが、シリンダの端面に形成され、当接部分は、係合フックが位置決め凹部と係合するときに、突出リムに当接する。
【0015】
本発明のある実施形態によれば、フィルタカートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体に装着されるエンドキャップとを含む。ネック部分が、エンドキャップに形成される。結合部分は、ネック部分と取り外し可能に結合される。2つの係合凹部が、ネック部分の壁に形成される。2つの係合突起が、結合部分の2つの側面から突出し、2つの係合凹部にそれぞれ対応する位置に配置され、2つの係合突起は、結合部分が前記ネック部分と結合されるときに、2つの係合凹部とそれぞれ係合する。
【0016】
要約すると、本発明のキー構造は、フィルタカートリッジと結合される結合部分を利用し、係合フックを更に利用して、シリンダにある位置決め凹部と係合する。従って、シリンダにフィルタカートリッジを装着することが望まれるときには、結合部分をフィルタカートリッジと結合させ、次に、キー構造を作動させて、シリンダにある位置決め凹部に係合フックを係合させるだけでよく、それはフィルタカートリッジの組立てを達成する。更に、シリンダをカバーから取り外すときには、フィルタカートリッジ及びシリンダを一緒に取り外すことができ、それはフィルタカートリッジの交換のための保守空間を節約する。その上、フィルタカートリッジをシリンダから取り外すことが望まれるときには、フィルタカートリッジ及びキー構造をシリンダから一緒に取り外すことを可能にするために、キー構造を作動させて、シリンダにある位置決め凹部から係合フックを取り外すだけでよい。従って、本発明のキー構造は、簡単な構造、フィルタカートリッジの交換のための保守空間の節約、及び容易な操作という利点を有する。加えて、前述の取外しプロセスの間に、ユーザは、フィルタカートリッジではなくキー構造のみに触れ、それはフィルタカートリッジ上の残留物質に触れることによって引き起こされる潜在的な危険を効果的に防止する。
【0017】
本発明のこれらの目的及び他の目的は、様々な図及び図面に例示する好ましい実施形態の以下の詳細な記述を読んだ後、当業者に疑義なく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に従ったフィルタデバイスの概略図である。
【0019】
【
図2】本発明の実施形態に従ったフィルタデバイスの分解図である。
【
図3】本発明の実施形態に従ったフィルタデバイスの分解図である。
【0020】
【
図4】本発明の実施形態に従ったシリンダの図である。
【0021】
【
図5】本発明の実施形態に従った異なる視野におけるキー構造及びフィルタカートリッジの図である。
【
図6】本発明の実施形態に従った異なる視野におけるキー構造及びフィルタカートリッジの図である。
【0022】
【
図7】本発明の実施形態に従った異なる視野における第1の状態にあるフィルタデバイスの図である。
【
図8】本発明の実施形態に従った異なる視野における第1の状態にあるフィルタデバイスの図である。
【
図9】本発明の実施形態に従った異なる視野における第1の状態にあるフィルタデバイスの図である。
【0023】
【
図10】本発明の実施形態に従った異なる視野における第2の状態にあるフィルタデバイスの図である。
【
図11】本発明の実施形態に従った異なる視野における第2の状態にあるフィルタデバイスの図である。
【
図12】本発明の実施形態に従った異なる視野における第2の状態にあるフィルタデバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好ましい実施形態の以下の詳細な記述では、添付の図面を参照する。添付の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明が実施されることがある特定の実施形態を一例として示す。これに関して、「頂」、「底」、「正面」、「背面」などのような方向の用語は、説明されている(複数の)図の向きを参照して使用される。本発明の構成要素を数多くの異なる向きに配置することができる。よって、方向の用語は、例示の目的のために使用されており、決して限定的なものでない。従って、図面及び記述は、本質的に例示的なものと考えられ、限定的なものと考えられない。
【0025】
図1〜
図3を参照する。
図1は、本発明の実施形態に従ったフィルタデバイス1の概略図である。
図2及び
図3は、本発明の実施形態に従ったフィルタデバイス1の分解図である。
図1〜
図3に示すように、フィルタデバイス1は、シェル11と、フィルタカートリッジ12と、キー構造13とを含む。シェル11は、カバー111と、シリンダ112とを含む。カバー111及びシリンダ112は、互いに取り外し可能に結合される(組み合わされる)(combined)。収容空間113が、カバー111及びシリンダ112によって囲まれている。フィルタカートリッジ12は、シリンダ112に取り付けられ、収容空間113内に配置される。カバー111は、吸引ポート1111と、排出ポート1112と、連通部分1113とを含む。吸引ポート1111は、図示されていない上流パイプラインとの接続のために、収容空間113と連通する。連通部分1113は、フィルタカートリッジ12との接続のために、収容空間113内に配置される。排出ポート1112は、図示されていない下流パイプラインとの接続のために、連通部分1113と連通する。そのようにして、上流パイプライン及び下流パイプラインが、吸引ポート1111及び排出ポート1112にそれぞれ接続されるとき、流体は、吸引ポート1111から収容空間113に流入し、次に、フィルタカートリッジ12によって濾過されるよう、フィルタカートリッジ12を通じて流れる。その後、流体は、連通部分1113及び排出ポート1112を通じて下流パイプラインに流れることができ、それは流体を濾過する目的を達成する。
【0026】
具体的には、
図2〜
図6を参照のこと。
図4は、本発明の実施形態に従ったシリンダ112の図である。
図5及び
図6は、本発明の実施形態に従った異なる視野におけるキー構造13及びフィルタカートリッジ12の図である。
図2〜
図6に示すように、キー構造13は、本体131と、弾性アーム132と、2つの固定ラグ133と、2つの作動リブ134と、8つの強化リブ135とを含む。本体131は、水平方向Hに沿って延び、フィルタカートリッジ12との結合(組み合わせ)(combination)のための結合部分1311を含む。フィルタカートリッジ12は、エンドキャップ121と、カートリッジ本体122とを含む。エンドキャップ121は、カートリッジ本体122に装着される。ネック部分1211及び接続部分1212が、端部キャップ121に形成されている。接続部分1212は、連通部分1113に接続されるためにある。ネック部分1211は、結合部分1311と取り外し可能に結合されるためにある。
【0027】
具体的には、2つの係合凹部123が、ネック部分1211の壁に形成される。2つの係合突起1312は、結合部分1311の2つの側面から突出し、ネック部分1211にある2つの係合凹部123にそれぞれ対応する位置に配置される。結合部分1311がネック部分1211と取り外し可能に結合されるとき、2つの係合突起1312は、それぞれ、2つの係合凹部123と係合するので、2つの係合突起1312及び2つの係合凹部123の係合によって、キー構造13及びフィルタカートリッジ12を互いにしっかりと係合させることができる。好ましくは、この実施形態において、水平方向Hに沿う結合部分1311の断面の形状及び水平方向Hに沿うネック部分1211の断面の形状は互いに一致し、ヒョウタン(gourd)の形状に形成されることができる。詳細には、結合部分1311の開放端は、結合部分1311の閉塞端よりも狭くあることができ、それは結合部分1311をネック部分1211とよりしっかりと係合させる。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されない。水平方向Hに沿う結合部分1311の断面の形状は、水平方向Hに沿うネック部分1211の断面の形状と一致する必要はない。例えば、別の実施形態において、ネック部分1211の断面は、犬骨(dog bone)の形状に形成されることができ、結合部分1311の断面は、犬骨の形状と一致しないヒョウタンの形状に形成されることができる。
【0028】
更に、弾性アーム132は、本体131に接続され、水平方向Hに対して実質的に垂直な垂直方向Vに沿って下方に延びる。係合フック1321が、弾性アーム132の端に形成されている。位置決め凹部1121が、シリンダ112に形成されている。キー構造13がフィルタカートリッジ12と結合された後に、フィルタカートリッジ12及びキー構造13は、一緒にシリンダ112内に配置されることができる。フィルタカートリッジ12及びキー構造13がシリンダ112内に一緒に配置されると、係合フック1321は、シリンダ112内に下方に伸びて、シリンダ112に対するキー構造13の組立て及び位置決めを達成するために、位置決め凹部1121と係合することができる。この実施形態において、シリンダ112は、好ましくは、2つの案内構造1122を含むことができる。2つの案内構造1122は、係合フック1321が位置決め凹部1121に入るよう或いは位置決め凹部1121から出るよう案内するために、位置決め凹部1121の2つの側に配置されている。2つの固定ラグ133は、本体131に接続され、垂直方向Vに沿って下向きに延びる。2つの固定ラグ133は、弾性アーム132の2つの側に配置される。係合フック1321が位置決め凹部1121と係合するときに、シリンダ112の端面1123にある突出リム1124に当接するために、当接部分1331が、各固定ラグ133に形成され、水平方向Hに沿って延びる。係合フック1321及び2つの当接部分1331は、シリンダ112に対するキー構造13の組立て安定性を達成するために、3点支持体を形成することができる。しかしながら、位置決め凹部1121、弾性アーム132、係合フック1321、固定ラグ133及び当接部分1331の数及び構成は、この実施形態の図に例示するものに限定されない。それは実際的な要求に依存する。
【0029】
更に、係合フック132を位置決め凹部1221と回転可能に係合させて或いは位置決め凹部から回転可能に係合解除させて、キー構造13の組立て又は分解を達成するよう、ユーザが2つの作動リブ134を作動させてシリンダ112に対して本体131を回転させることを可能にするために、2つの作動リブ134は、本体131に接続され、垂直方向Vに沿って上向きに延びる。8つの強化リブ135は、それぞれ、キー構造13の構造強度を強化するために、本体131、本体131と弾性アーム132との接続部分、及び本体131と各固定ラグ133との接続部分に配置されている。しかしながら、強化リブ135の数、サイズ、及び構成は、この実施形態の図に例示するものに限定されない。それは実際的な要求に依存する。
【0030】
図2〜
図3及び
図7〜
図12を参照のこと。
図7〜
図9は、本発明の実施形態に従った異なる視野における第1の状態にあるフィルタデバイス1の図である。
図10〜
図12は、本発明の実施形態に従った異なる視野における第2の状態にあるフィルタデバイス1の図である。
図2及び
図3に示すように、フィルタデバイス1を組み立てることが望まれるとき、シリンダ112をカバー111から取り外すことができる。その後、キー構造13とフィルタカートリッジ12の組み立てを達成するために、キー構造13の本体131の結合部分1311をフィルタカートリッジ12のネック部分1211と結合させることができる。更に、
図7に示すように、当接部分1331がシリンダ112の端面1123にある突出リム1124に当接するまで、キー構造13とフィルタカートリッジ12とのアセンブリをシリンダ112内に配置することができる。上述のプロセスの間に、シリンダ112の内壁が係合フック1321と干渉するので、弾性アーム132は弾性的に内向きに変形させられることが留意されなければならない。
【0031】
その上、当接部分1331が突出リム1124に当接するとき、係合フック1321及び位置決め凹部1121は、同じ高さ又はレベルに配置される。このとき、係合フック1321が、
図9に示すように、位置決め凹部1121と位置合わせされない(misaligned)ならば、ユーザは、2つの作動リブ134を作動させて、キー構造13及びフィルタカートリッジ12を全体的に、シリンダ112に対して、
図8に示すような位置から
図11に示すような位置まで回転させることができるので、係合フック1321は、位置決め凹部1121と位置合わせされる(aligned)よう案内構造1122を通過することができ、それは、キー構造13によってフィルタカートリッジ12をシリンダ112に装着するという目的を達成するために、係合フック1321が、弾性的に変形させられた弾性アーム132の回復力によって、
図12に示すように、位置決め凹部1121と係合させられることを可能にする。その後、ユーザは、フィルタデバイス1の組立てを達成するために、フィルタカートリッジ12が取り付けられるシリンダ112上にカバー111を取り付けることができる。しかしながら、それはこの実施形態に限定されない。例えば、当接部分1331が突出リム1124に当接する状態で、係合フック1321が位置決め凹部1121と位置合わせされるならば、本体131及び本体131に接続された係合フック1321を回転させるために作動リブ134を作動させることは必要とされない。シリンダ112に対するキー構造13の組立て及び位置決めを達成するために、弾性的に変形させられた弾性アーム132は弾性的に回復して、係合フック1321を位置決め凹部1121と係合させることができる。
【0032】
ある時間期間の使用後にフィルタカートリッジ12を交換することが望ましいとき、ユーザはカバー111からシリンダ112を取り外すことができる。なぜならば、フィルタカートリッジ12は、キー構造13によってシリンダ112に装着されているからである。このとき、フィルタカートリッジ12は、カバー111に取り付けられる代わりに、シリンダ112の取外しと共に取り外されることができる。従って、カバー111からのシリンダ112の取外しの間に、シリンダ112を下向きに分解してフィルタカートリッジ12全体を露出させることは必要とされず、それはフィルタカートリッジ12の交換のための保守空間を節約する。その後、ユーザは、2つの作動リブ134を作動させて、キー構造13及びフィルタカートリッジ12を全体的にシリンダ112に対して回転させることができるので、係合フック1321は、案内構造1122を通過して、位置決め凹部1121から係合解除されることができる。位置決め凹部1121からの係合フック1321の係合解除の間に、弾性アーム132は、係合フック1321及びシリンダ112の内壁との干渉によって弾性的に変形させられることができる。従って、係合フック1321が位置決め凹部1121から外れると、ユーザは、キー構造13及びフィルタカートリッジ12を全体的にシリンダ112から容易に一緒に取り外すことができる。キー構造13及びフィルタカートリッジ12の前述の取外しの間に、それはユーザがフィルタカートリッジ12に直接的に触れるのを防止し得ることが留意されるべきである。従って、本発明は、フィルタカートリッジ12上の残留物質に触れることによって引き起こされる潜在的な危険を防止することができる。キー構造13は、カートリッジフィルタ12の交換と共に交換されることができる。換言すれば、使用済みキー構造13及び使用済みフィルタカートリッジ12の取外し後、使用済みキー構造13を使用済みフィルタカートリッジ12から取り外すことは必要でない。代わりに、使用済みフィルタカートリッジ12又はキー構造13上の残留物質に触れることによって引き起こされる潜在的な危険を防止するために、使用済みフィルタカートリッジ13及び使用済みフィルタカートリッジ12の古いアセンブリを交換するために、新しいキー構造を新しいフィルタカートリッジと結合させることができる。
【0033】
従来技術とは対照的に、本発明のキー構造は、フィルタカートリッジと結合させられるべき結合部分を利用し、シリンダ上の位置決め凹部と係合する係合フックを更に利用する。従って、シリンダ上にフィルタカートリッジを取り付けることが望まれるときには、結合部分をフィルタカートリッジと結合させ、次に、キー構造を作動させて、係合フックをシリンダ上の位置決め凹部と係合させるだけでよく、それはフィルタカートリッジの組立てを達成する。更に、シリンダをカバーから取り外されるとき、フィルタカートリッジ及びシリンダを一緒に取り外すことができ、それはフィルタカートリッジの交換のための保守空間を節約する。その上、シリンダからフィルタカートリッジを取り外すことが望まれるときには、シリンダからのフィルタカートリッジ及びキー構造の一緒の取外しを可能にするために、キー構造を作動させて係合フックをシリンダ上の位置決め凹部から外すだけでよい。従って、本発明のキー構造は、簡単な構造、フィルタカートリッジの交換のための保守空間の節約、及び容易な操作という利点を有する。加えて、前述の取外しプロセスの間に、ユーザは、フィルタカートリッジではなく、キー構造に触れるだけであり、それはフィルタカートリッジ上の残留物質に触れることによって引き起こされる潜在的な危険を効果的に防止する。
【0034】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、デバイス及び方法の数多くの修正及び変更が行われてよいことを容易に理解するであろう。従って、上記開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0035】
1 フィルタデバイス (filter device)
11 シェル (shell)
111 カバー (cover)
1111 吸引ポート (suction port)
1112 排出ポート (discharging port)
1113 連通部分 (communication portion)
112 シリンダ (cylinder)
1121 位置決め凹部 (positioning recess)
1122 案内構造 (guiding structures)
1123 端面 (end surface)
1124 突出リム (protruding rim)
113 収容空間 (accommodating space)
12 フィルタカートリッジ (filter cartridge)
121 エンドキャップ (end cap)
1211 ネック部分 (neck portion)
1212 接続部分 (connecting portion)
122 カートリッジ本体 (cartridge body)
123 係合凹部 (engaging recesses)
13 キー構造 (key structure)
131 本体 (main body)
1311 結合部分 (combining portion)
1312 係合突起 (engaging protrusions)
132 弾性アーム (resilient arm)
1321 係合フック (engaging hook)
133 固定ラグ (fixing lugs)
1331 当接部分 (abutting portions)
134 作動リブ (operating ribs)
135 強化リブ (strengthening ribs)