(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873229
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】燃料電池装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04119 20160101AFI20210510BHJP
H01M 8/04701 20160101ALI20210510BHJP
H01M 8/04291 20160101ALI20210510BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20210510BHJP
【FI】
H01M8/04119
H01M8/04701
H01M8/04291
!H01M8/12 101
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-509490(P2019-509490)
(86)(22)【出願日】2017年7月5日
(65)【公表番号】特表2019-530137(P2019-530137A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017066748
(87)【国際公開番号】WO2018033292
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2019年4月18日
(31)【優先権主張番号】102016215582.2
(32)【優先日】2016年8月19日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102016215973.9
(32)【優先日】2016年8月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ブランデンブルガー
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ボッシュ
【審査官】
大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−507215(JP,A)
【文献】
特開2016−72251(JP,A)
【文献】
特開平6−163064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも略純粋な水素(36)により運転されるように設けられ、
固体酸化物形燃料電池ユニット(12)と、
前記固体酸化物形燃料電池ユニット(12)の水素および水を含んだアノード排ガスを再循環させ、少なくとも部分的に前記水素(36)と混合させるように設けられた再循環回路(14)と、
前記再循環回路(14)内に配置されていて、前記アノード排ガスから水を分離するように設けられた水分離ユニット(16)と、
前記水分離ユニット(16)に温度調整用にカソードガスの少なくとも一部部分量を供給するように設けられたカソードガス供給用の少なくとも1つのバイパス管路(24)とを備える
ことを特徴とする燃料電池装置。
【請求項2】
前記水分離ユニット(16)は、凝縮により前記アノード排ガスから水を分離するように設けられた凝縮ユニット(18)として形成されていることを特徴とする、請求項1記載の燃料電池装置。
【請求項3】
前記水分離ユニット(16)の少なくとも一部を温度調整するように設けられた少なくとも1つの温度調整ユニット(20)を特徴とする、請求項1または2記載の燃料電池装置。
【請求項4】
前記温度調整ユニット(20)は、少なくとも部分的に熱交換器(22)により形成されていることを特徴とする、請求項3記載の燃料電池装置。
【請求項5】
前記温度調整ユニット(20)は、前記水分離ユニット(16)の少なくとも一部を冷却するように設けられていることを特徴とする、請求項3または4記載の燃料電池装置。
【請求項6】
前記バイパス管路(24)は、前記水分離ユニット(16)に供給されるカソードガス体積流量を開ループ制御かつ/または閉ループ制御するように設けられた少なくとも1つの弁(26)を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の燃料電池装置。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載の少なくとも1つの燃料電池装置(10)を備える燃料電池システム。
【請求項8】
少なくとも略純粋な水素(36)により運転されるように設けられ、
固体酸化物形燃料電池ユニット(12)と、
前記固体酸化物形燃料電池ユニット(12)の水素および水を含んだアノード排ガスを再循環させ、少なくとも部分的に前記水素(36)と混合させるように設けられた再循環回路(14)と、
を備える、請求項1から6までのいずれか1項記載の燃料電池装置(10)を運転する方法であって、
前記再循環回路(14)内で前記アノード排ガスから水分離ユニット(16)によって前記水を分離し、
カソードガス供給用の少なくとも1つのバイパス管路(24)によって、前記水分離ユニット(16)に温度調整用にカソードガスの少なくとも一部部分量を供給する、
ことを特徴とする、燃料電池装置を運転する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
少なくとも略純粋な水素により運転されるように設けられ、固体酸化物形燃料電池ユニットと、固体酸化物形燃料電池ユニットの水素および水を含んだアノード排ガスを再循環させ、少なくとも部分的に上述の水素と混合させるように設けられた再循環回路と、を備える燃料電池装置は、既に提案されている。
【0002】
発明の開示
本発明は、少なくとも略純粋な水素により運転されるように設けられ、固体酸化物形燃料電池ユニットと、固体酸化物形燃料電池ユニットの水素および水を含んだアノード排ガスを再循環させ、少なくとも部分的に上述の水素と混合させるように設けられた再循環回路と、を備える燃料電池装置から出発する。
【0003】
再循環回路内に配置されていて、アノード排ガスから水を分離するように設けられた水分離ユニットを、燃料電池装置が備えていることを提案する。
【0004】
「燃料電池装置」とは、特に、燃料電池システムの特に1つの、特に機能的な構成部分、特に構造コンポーネントおよび/もしくは機能コンポーネントを形成しているか、または燃料電池システム全体を形成している装置と解すべきである。「固体酸化物形燃料電池ユニット」とは、この関連において特に、少なくとも1種の、特に連続的に供給される燃料ガス、特に水素と、少なくとも1種の酸化剤、特に酸素との少なくとも1種の化学的なエネルギを、特に電気的なエネルギに変換するように設けられた、少なくとも1つの固体酸化物形燃料電池を有するユニットと解すべきである。燃料電池装置を運転すべく、固体酸化物形燃料電池ユニットのアノードには、少なくとも略連続的に少なくとも略純粋な水素が燃料ガスとして供給される。固体酸化物形燃料電池ユニットのカソードには、燃料電池装置を運転すべく、少なくとも略連続的にカソードガス、特に酸素、好ましくは空気中酸素が酸化剤として供給される。好ましくは、少なくとも1つの固体酸化物形燃料電池ユニットは、多数の燃料電池を有し、これらの燃料電池は、特に1つの燃料電池スタック内に配置されている。燃料電池装置は、固体酸化物形燃料電池ユニットとして形成される固体酸化物形燃料電池ユニットを備えている。「設けられ」とは、特に、特別にプログラミングされ、設計されかつ/または構成されると解すべきである。或るものが或る特定の機能のために設けられているとは、特に、このものがこの特定の機能を少なくとも1つの使用状態および/または運転状態で充足かつ/または実施すると解すべきである。
【0005】
「再循環回路」とは、この関連において特に、固体酸化物形燃料電池ユニットの水素および水を含んだアノード排ガスを、このアノード排ガスが少なくとも略純粋な水素と混合される混合箇所に供給するように設けられた流体接続と解すべきである。特に再循環回路は、変換されなかった水素を改めて固体酸化物形燃料電池装置のアノード側に供給するように設けられている。特にアノード排ガスと水素との混合物は、固体酸化物形燃料電池ユニットのアノード側に供給されるように設けられている。「水分離ユニット」とは、この関連において特に、物理技術的かつ/または化学的なユニットであって、特に、ガス状の体積流量から蒸気状の水および/または分散した水の少なくとも大部分を分離するように設けられたユニットと解すべきである。燃料電池ユニットの運転中、水分離ユニットによりアノード排ガスから分離される総水量は、燃料電池ユニットの運転中にアノード側で生成される生成水の総量に少なくとも略、好ましくは正確に一致する。水分離ユニットは、特に、分離された水を少なくとも略完全に燃料電池装置から導出するように設けられた少なくとも1つの排出管路を有している。水分離ユニットは、特に酸素の乏しい空気を伴ったカソードアウトプット以外の、燃料電池装置の媒体出口をなしている。水分離ユニットは、特に固体酸化物形燃料電池ユニットのアノード排ガス出口と、アノード排ガスが少なくとも略純粋な水素と混合される混合箇所との間に配置されている。好ましくは、水分離ユニットは、凝縮によりアノード排ガスから水を分離するように設けられた凝縮ユニットとして形成されている。
【0006】
この種の構成により、燃料ガス利用度に関して改良された特性を備える冒頭で述べた形態の燃料電池装置が提供され得る。特に固体酸化物形燃料電池ユニットの運転時、固体酸化物形燃料電池ユニットのアノード排ガスは、有利には脱水され、残った水素は、固体酸化物形燃料電池ユニットのアノードに再び供給されることができ、これにより、有利には高い燃料ガス利用度が達成され得る。さらに有利には、アノード排ガス中の変換されなかった水素を燃焼させるアフタバーナを省略することができる。
【0007】
さらに燃料電池装置が、水分離ユニットの少なくとも一部を温度調整するように設けられた少なくとも1つの温度調整ユニットを備えていることを提案する。「温度調整ユニット」とは、この関連において特に、熱エネルギの供給および/または排出により水分離ユニットを必要とされるプロセス温度にもたらし、かつ/または必要とされるプロセス温度を少なくとも実質的に維持するように設けられたユニットと解すべきである。特に温度調整ユニットは、水分離ユニットを、アノード排ガスの水分が凝縮除去されるプロセス温度に温度調整するように設けられている。好ましくは、温度調整ユニットは、水分離ユニットの少なくとも一部を冷却するように設けられている。好ましくは、温度調整ユニットは、少なくとも部分的に熱交換器により形成されている。「熱交換器」とは、この関連において特に、少なくとも2つの特に流体の物質流間の温度勾配方向で熱を伝達、特に向流運転、直交流運転および/または並流原理で伝達するように設けられたユニットと解すべきである。熱交換器は、特に、少なくとも1つの流体の物質流、特に固体酸化物形燃料電池ユニットのアノード排ガスから、特に少なくとも1つの運転状態で温度調整ユニットに供給されている冷却流体に、熱を伝達するように設けられている。温度調整ユニットは、少なくとも部分的に熱に関して水分離ユニットと連結されている。特に温度調整ユニットは、少なくとも部分的に水分離ユニットと1ピースに形成されている。「1ピース」とは、特に少なくとも素材結合(stoffschluessig)式に結合、例えば溶接プロセス、接着プロセス、射出成形を用いた被着プロセスおよび/または当業者にとって有意義と思われるその他のプロセスにより結合されていると解すべきであり、かつ/または有利には、1つのピースで成形、例えばキャスティングからの製造および/またはシングルコンポーネントまたはマルチコンポーネント射出成形法での製造により、かつ有利には、単一のブランクから成形されていると解すべきである。これにより、アノード排ガスから水を有利には高信頼性にかつ/または効果的に分離することができる。特に水分離ユニットの温度調整により、アノード排ガスから水を有利には高信頼性にかつ/または効果的に凝縮除去することができる。
【0008】
さらに燃料電池装置が、水分離ユニットの温度調整用に水分離ユニットにカソードガスの少なくとも一部部分量を供給するように設けられたカソードガス供給用の少なくとも1つのバイパス管路を備えていることを提案する。「バイパス管路」とは、この関連において特に、カソードガスを固体酸化物形燃料電池ユニットのカソードに供給するように設けられたカソードガス導入管路からカソードガス流の少なくとも一部を分岐させ、水分離ユニット、特に水分離ユニットの温度調整ユニットを経由させ、固体酸化物形燃料電池ユニットのカソードに供給するように設けられた流体管路と解すべきである。これにより、有利には簡単に、水分離ユニットの冷却が達成され得る。
【0009】
さらにバイパス管路が、水分離ユニットに供給されるカソードガス体積流量を開ループ制御かつ/または閉ループ制御するように設けられた少なくとも1つの弁を有していることを提案する。特に弁は、特に電磁式および/または電気モータ式の比例弁として形成されている。特に弁は、流動技術的に水分離ユニット、特に水分離ユニットの温度調整ユニットの上流に接続されている。これにより水分離ユニット、特に水分離ユニットの温度調整ユニットに供給されるカソードガス体積流量は、有利には閉ループ制御かつ/または開ループ制御され得る。特に温度調整ユニットの冷却作用は、有利には、固体酸化物形燃料電池ユニットのカソードに供給されるカソードガス体積流量とは切り離されて閉ループ制御され得る。
【0010】
加えて、少なくとも1つの本発明に係る燃料電池装置を備える燃料電池システムを提案する。これにより、燃料ガス利用度に関して改良された特性を備える燃料電池システムが提供され得る。特に固体酸化物形燃料電池ユニットの運転時、固体酸化物形燃料電池ユニットのアノード排ガスは、有利には脱水され、残った水素は、固体酸化物形燃料電池ユニットのアノードに再び供給されることができ、これにより、有利には高い燃料ガス利用度が達成され得る。さらに有利には、アノード排ガス中の変換されなかった水素を燃焼させるアフタバーナを省略することができる。
【0011】
さらに、少なくとも略純粋な水素により運転されるように設けられ、固体酸化物形燃料電池ユニットと、固体酸化物形燃料電池ユニットの水素および水を含んだアノード排ガスを再循環させ、少なくとも部分的に上述の水素と混合させるように設けられた再循環回路と、を備える燃料電池装置を運転する方法であって、再循環回路内でアノード排ガスから水を分離する、燃料電池装置を運転する方法を提案する。特に、凝縮によりアノード排ガスから水を分離する。特に、凝縮ユニットとして形成され、カソードガス流の一部を供給することで温度調整、特に冷却される水分離ユニットにより水を分離する。これにより、固体酸化物形燃料電池ユニットのアノード排ガスを有利には脱水し、残った水素を固体酸化物形燃料電池ユニットのアノードに再び供給することができ、これにより、有利には高い燃料ガス利用度を達成し得る。さらに有利には、アノード排ガス中の変換されなかった水素を燃焼させるアフタバーナを省略することができる。
【0012】
ただし、本発明に係る燃料電池装置は、上述の使用および実施の形態に限定されるものではない。特に、本発明に係る燃料電池装置は、本明細書で説明する機能形式を充足するのに、本明細書で挙げた数とは異なる数の個々の要素、構成部材およびユニットを備えていてもよい。
【0013】
別の利点は、以下の図面の説明から看取可能である。図面には、本発明の一実施例を示してある。図面、明細書および特許請求の範囲は、多数の特徴の組み合わせを含む。当業者は、これらの特徴を合目的に個別的にも観察して、有意義な別の組み合わせにまとめる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】再循環されるアノード排ガスから水を分離する水分離ユニットを備える水素により運転される燃料電池装置を備える燃料電池システムの概略図である。
【0015】
実施例の説明
図1は、燃料電池装置10を備える燃料電池システム28の概略図を示している。燃料電池装置10は、少なくとも略純粋なガス状の水素36を用いて運転されるように設けられている。燃料電池装置10は、固体酸化物形燃料電池ユニット12を備えている。固体酸化物形燃料電池ユニット12は、ここでは簡単化して1つの固体酸化物形燃料電池30として示してある。しかし、合目的であるのは、固体酸化物形燃料電池ユニットを、多数の固体酸化物形燃料電池を有する燃料電池スタックとして形成することである。固体酸化物形燃料電池30は、アノード32とカソード34とを有している。アノード32には、水素36が燃料ガスとして供給される。水素36は、供給管路40を介して燃料電池システム28内に送給される。水素36の流入する体積流量は、弁42により閉ループ制御、開ループ制御かつ/または完全に遮断され得る。好ましくは、弁42は、電磁式に操作可能である。水素36は、固体酸化物形燃料電池ユニット12のアノード32に入る前、予熱ユニット46によりプロセス温度に加熱される。カソード34には、カソードガス38、特に空気中酸素が供給される。カソードガス38は、別の供給管路44を介して燃料電池システム28内に送給される。カソードガス38は、圧縮機48により圧送される。カソードガス38は、固体酸化物形燃料電池ユニット12のカソード34に入る前、別の予熱ユニット50によりプロセス温度に加熱される。
【0016】
燃料電池装置10は、再循環回路14を備え、再循環回路14は、固体酸化物形燃料電池ユニット12の水素および水を含んだアノード排ガス56を再循環させ、少なくとも部分的に水素36と混合させるように設けられている。再循環回路14は、特に、固体酸化物形燃料電池ユニット12内で変換されなかった水素54を水素36と混合させ、固体酸化物形燃料電池ユニット12のアノード側に改めて供給するように設けられている。燃料電池装置10は、圧縮機52を備え、圧縮機52は、再循環回路14を通してアノード排ガス56を圧送するように設けられている。さらに燃料電池装置10は、水分離ユニット16を備え、水分離ユニット16は、再循環回路14内に配置されている。水分離ユニット16は、アノード排ガス56から水を分離するように設けられている。水分離ユニット16は、固体酸化物形燃料電池ユニット12のアノード排ガス出口58と、アノード排ガス56の水素54が水素36と混合される混合箇所60との間に配置されている。
【0017】
水分離ユニット16は、凝縮ユニット18として形成されており、凝縮ユニット18は、凝縮によりアノード排ガス56から水を分離するように設けられている。燃料電池装置10は、温度調整ユニット20を備え、温度調整ユニット20は、水分離ユニット16を温度調整するように設けられている。特に温度調整ユニット20は、アノード排ガス56の水分が凝縮除去されるプロセス温度に水分離ユニット16を温度調整するように設けられている。温度調整ユニット20は、水分離ユニット16の少なくとも一部を冷却するように設けられている。温度調整ユニット20は、少なくとも部分的に熱交換器22により形成されている。分離された水は、排出管路62を介して燃料電池システム28から導出される。
【0018】
さらに燃料電池装置10は、カソードガス供給用のバイパス管路24を備え、バイパス管路24は、水分離ユニット16に温度調整用にカソードガス38の少なくとも一部部分量を供給するように設けられている。バイパス管路24は、圧縮機48の下流で供給管路44から分岐している。バイパス管路24は、弁26を有し、弁26は、水分離ユニット16に供給されるカソードガス体積流量を開ループ制御かつ/または閉ループ制御するように設けられている。特に弁26は、特に電磁式および/または電気モータ式の比例弁として形成されている。特に弁26は、流動技術的に水分離ユニット16、特に水分離ユニット16の温度調整ユニット20の上流に接続されている。
【0019】
燃料電池装置10の運転中、アノード排ガス56は、まず予熱ユニット46に供給され、このとき、アノード32に入る前の水素36を加熱すべく、熱エネルギをアノード排ガス56から水素36に伝達する。その後、アノード排ガス56は、水分離ユニット16に供給され、水分離ユニット16は、アノード排ガス56から水が凝縮除去されるまで、アノード排ガス56を冷却する。凝縮除去された水は、排出管路62を介して導出され、残った水素54は、混合箇所60に供給される。カソードガス38を加熱する別の予熱ユニット50には、カソード排ガス64を介して熱エネルギが供給される。カソード排ガス64の残った熱エネルギは、熱交換器66を介して利用に供される。