【実施例】
【0038】
以下、実施例を挙げて本出願をより具体的に説明する。しかし、これらの実施例は本出願の理解を容易にするためのものにすぎず、本出願がこれらに限定されるものではない。
【0039】
本出願の実施例において、純度とは、乾燥した最終固形分の質量に対する、乾燥した最終固形分に含まれる目標金属とメチオニンの合計質量の百分率を示すものであり、回収率とは、反応に投入される目標金属とメチオニンの全合計質量に対する、乾燥した最終固形分に含まれる目標金属とメチオニンの合計質量の百分率を示すものである。
【0040】
比較例1:金属塩とメチオニンを溶解させ、その後NaOHを添加する方法によるメチオニン−亜鉛キレートの製造
特許文献1に記載の方法によりメチオニン−亜鉛キレートを製造した。具体的には、ZnCl
2水溶液2Lを調製し、それにL−メチオニンの濃度が120g/LとなるようにZnCl
2:L−メチオニン=1:2のモル比でL−メチオニンを溶解した。当該水溶液にNaOHをL−メチオニンと同じ当量比で投入し、L−メチオニン−亜鉛キレート粒子を含む懸濁液を作製した。当該懸濁液を真空濾過器で分離してL−メチオニン−亜鉛キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン79.1%、亜鉛17.8%であり、ここで、純度は96.9%、回収率は78.3%であった。
【0041】
比較例2:Ca(OH)
2/硫酸金属塩/メチオニンを同時に混合して合成する方法によるメチオニン−亜鉛キレートの製造
特許文献2に記載の方法によりメチオニン−亜鉛キレートを製造した。具体的には、L−メチオニン120gにCa(OH)
2とZnSO
4七水和物をL−メチオニンに対する当量比0.5で混合して粉末混合物を作製した。当該混合物を密閉容器に入れ、80℃で12時間反応させた。その後、常温まで冷却し、L−メチオニン−亜鉛キレートとCaSO
4混合物を得た。乾燥後の含有量はメチオニン59.2%、亜鉛13.0%、カルシウム7.8%、SO
418.0%であり、ここで、メチオニン−亜鉛キレートは不溶性塩(CaSO
4)と共に析出し、メチオニンと亜鉛の含有量を加算した純度は73.7%であったので、95%以上の純度を得るためにはさらなる精製工程が必要であった。最終回収率は97.2%であった。
【0042】
比較例3:金属塩とメチオニンを溶解させ、その後NaOHを添加する方法によるメチオニン−マンガンキレートの製造
特許文献1に記載の方法によりメチオニン−マンガンキレートを製造した。具体的には、MnCl
2水溶液2Lを調製し、それにL−メチオニンの濃度が120g/LとなるようにMnCl
2:L−メチオニン=1:2のモル比でL−メチオニンを溶解した。当該水溶液にNaOHをL−メチオニンと同じ当量比で投入し、L−メチオニン−マンガンキレート粒子を含む懸濁液を作製した。当該懸濁液を真空濾過器で分離してL−メチオニン−マンガンキレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン67.2%、マンガン8.8%であり、ここで、純度は76.0%、回収率は7.1%であった。
【0043】
比較例4:金属塩とメチオニンを溶解させ、その後NaOHを添加する方法によるメチオニン−銅キレートの製造
特許文献1に記載の方法によりメチオニン−銅キレートを製造した。具体的には、CuCl
2水溶液2Lを調製し、それにL−メチオニンの濃度が120g/LとなるようにCuCl
2:L−メチオニン=1:2のモル比でL−メチオニンを溶解した。当該水溶液にNaOHをL−メチオニンと同じ当量比で投入し、L−メチオニン−銅キレート粒子を含む懸濁液を作製した。当該懸濁液を真空濾過器で分離してL−メチオニン−銅キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン82.4%、銅16.8%であり、ここで、純度は99.2%、回収率は28.9%であった。
【0044】
実施例1:まずCa(OH)
2とメチオニンを溶解させ、その後硝酸金属塩を添加する方法によるメチオニン−亜鉛キレートの製造(Met:Zn=1:0.4)
L−メチオニン濃度150g/Lの水溶性懸濁液2Lに前記L−メチオニンに対する当量比0.5でCa(OH)
2を投入し、L−メチオニン−カルシウムキレート水溶液を作製した。その後、当該水溶液にL−メチオニンに対する当量比0.4で六水和物であるZn(NO
3)
2・6H
2Oを投入し、L−メチオニン−亜鉛キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン81.8%、亜鉛17.8%であり、ここで、純度は99.6%、回収率は90.2%であった。
【0045】
実施例2:まずCa(OH)
2とメチオニンを溶解させ、その後硝酸金属塩を添加する方法によるメチオニン−亜鉛キレートの製造(Met:Zn=1:0.5)
L−メチオニン濃度154g/Lの水溶性懸濁液2Lに前記L−メチオニンに対する当量比0.5でCa(OH)
2を投入し、L−メチオニン−カルシウムキレート水溶液を作製した。その後、当該水溶液にL−メチオニンに対する当量比0.5でZn(NO
3)
2・6H
2Oを投入し、L−メチオニン−亜鉛キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン81.4%、亜鉛18.1%であり、ここで、純度は99.5%、回収率は93.6%であった。
【0046】
実施例3:まずCa(OH)
2とメチオニンを溶解させ、その後硝酸金属塩を添加する方法によるメチオニン−亜鉛キレートの製造(Met:Zn=1:0.7)
L−メチオニン濃度154g/Lの水溶性懸濁液2Lに前記L−メチオニンに対する当量比0.5でCa(OH)
2を投入し、L−メチオニン−カルシウムキレート水溶液を作製した。その後、当該水溶液にL−メチオニンに対する当量比0.7でZn(NO
3)
2・6H
2Oを投入し、L−メチオニン−亜鉛キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン81.4%、亜鉛18.2%であり、ここで、純度は99.6%、回収率は94.6%であった。
【0047】
実施例4:まずCa(OH)
2とDL−メチオニンを溶解させ、その後硝酸金属塩を添加する方法によるDL−メチオニン−亜鉛キレートの製造
DL−メチオニン濃度154g/Lの水溶性懸濁液2Lに前記DL−メチオニンに対する当量比0.5でCa(OH)
2を投入し、DL−メチオニン−カルシウムキレート水溶液を作製した。その後、当該水溶液にDL−メチオニンに対する当量比0.5でZn(NO
3)
2・6H
2Oを投入し、DL−メチオニン−亜鉛キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン81.9%、亜鉛17.9%であり、ここで、純度は99.8%、回収率は93.9%であった。
【0048】
実施例5:まずCa(OH)
2と増量したメチオニンを溶解させ、その後硝酸金属塩を添加する方法によるメチオニン−亜鉛キレートの製造
L−メチオニン濃度240g/Lの水溶性懸濁液2Lに前記L−メチオニンに対する当量比0.5でCa(OH)
2を投入し、L−メチオニン−カルシウムキレート水溶液を作製した。その後、当該水溶液にL−メチオニンに対する当量比0.5でZn(NO
3)
2・6H
2Oを投入し、L−メチオニン−亜鉛キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン81.6%、亜鉛18.0%であり、ここで、純度は99.6%、回収率は94.9%であった。
【0049】
実施例6:まずCa(OH)
2とメチオニンを溶解させ、その後硝酸金属塩を添加する方法によるメチオニン−マンガンキレートの製造
L−メチオニン濃度120g/Lの水溶性懸濁液2Lに前記L−メチオニンに対する当量比0.5でCa(OH)
2を投入し、L−メチオニン−カルシウムキレート水溶液を作製した。その後、当該水溶液にL−メチオニンに対する当量比0.5でMn(NO
3)
2を投入し、L−メチオニン−マンガンキレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン59.4%、マンガン9.9%であり、ここで、純度は69.3%、回収率は45.4%であった。
【0050】
実施例7:まずCa(OH)
2とメチオニンを溶解させ、その後硝酸金属塩を添加する方法によるメチオニン−銅キレートの製造
L−メチオニン濃度120g/Lの水溶性懸濁液2Lに前記L−メチオニンに対する当量比0.5でCa(OH)
2を投入し、L−メチオニン−カルシウムキレート水溶液を作製した。その後、当該水溶液にL−メチオニンに対する当量比0.5でCu(NO
3)
2三水和物を投入し、L−メチオニン−銅キレートを得た。乾燥後の含有量はメチオニン82.0%、銅17.1%であり、ここで、純度は99.1%、回収率は95.7%であった。
【0051】
実施例8:メチオニン−金属キレート反応の副産物を用いたCa(NO
3)
2含有液体肥料の製造
実施例2によるL−メチオニン−亜鉛キレートの製造後に、表題化合物であるL−メチオニン−亜鉛キレートを分離して残った母液を8倍にさらに濃縮することにより、反応副産物であるCa(NO
3)
2を主成分として含む液体肥料を製造した。120℃で前記液体肥料副産物の水分を全て蒸発させた後に残った固形分の含有量は、カルシウム22.2%、NO
368.6%、メチオニン7.6%、亜鉛1.2%であった。
【0052】
実施例9:メチオニン−金属キレート反応の副産物を用いたCa(NO
3)
2含有固形肥料の製造
実施例2によるL−メチオニン−亜鉛キレートの製造後に、表題化合物であるL−メチオニン−亜鉛キレートを分離して残った母液を濃縮した液体肥料を流動層乾燥機(180℃)に噴射して顆粒結晶形態の固形肥料を製造した。
【0053】
以上、一連の比較例及び実施例から、従来のメチオニン−金属キレートの製造方法である、金属塩とメチオニンの混合物にNaOHを添加したり、硫酸金属塩を用いる方法に比べて、本出願のメチオニン−カルシウムキレートの形成後に硝酸金属塩と反応させる製造方法を用いることにより、メチオニン−金属キレートの純度と回収率を大幅に増加させられることが確認された。具体的には、NaOHを用いる比較例1においては、96.9%と比較的純度が高かったが、回収率が78.3%にすぎず、硫酸塩を用いる比較例2においては、不溶性塩である硫酸カルシウムが共に析出して純度が73.7%にすぎず、さらなる精製過程が必要であったが、本出願の製造方法により同じモル比でメチオニンと亜鉛化合物を反応させる実施例2においては、さらなる精製過程を経ることなく、99.5%の純度及び93.6%と非常に高い回収率が示された。
【0054】
一方、金属の種類を変えてメチオニン−金属キレートを製造し、その回収率を確認した結果、比較例3及び4により従来のNaOHを用いた方法でメチオニン−金属キレートを製造した場合に比べて、本出願の実施例6及び7により製造した場合に、メチオニン−マンガンキレート及びメチオニン−銅キレートの回収率はそれぞれ38.3%及び66.8%増加した。
【0055】
さらに、本出願によるメチオニン−金属キレートの製造工程において、反応溶液から表題化合物であるメチオニン−金属キレートを回収して残った母液は主成分としてCa(NO
3)
2を含有するので、実施例8のように、前記母液を濃縮及び顆粒化することにより顆粒粒子形態のCa(NO
3)
2が得られることが確認された。
【0056】
よって、本出願の工程によれば、飼料及び飼料添加剤として使用可能なメチオニン−金属キレートを高い収率で製造できるだけでなく、前記工程の副産物として生成されるCa(NO
3)
2を濃縮し、さらなる顆粒化過程を経て粒子化することにより、肥料などとして活用することができる。
【0057】
以上の説明から、本出願の属する技術分野の当業者であれば、本出願がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。なお、前記実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本出願には、明細書ではなく請求の範囲の意味及び範囲とその等価概念から導かれるあらゆる変更や変形された形態が含まれるものと解釈すべきである。