特許第6873334号(P6873334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873334
(24)【登録日】2021年4月22日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】靴およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A43B 9/16 20060101AFI20210510BHJP
   A43B 13/16 20060101ALI20210510BHJP
   B29D 35/06 20100101ALI20210510BHJP
【FI】
   A43B9/16
   A43B13/16
   B29D35/06
【請求項の数】20
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-539947(P2020-539947)
(86)(22)【出願日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】JP2018032119
(87)【国際公開番号】WO2020044492
(87)【国際公開日】20200305
【審査請求日】2020年12月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000310
【氏名又は名称】株式会社アシックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001265
【氏名又は名称】特許業務法人山村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 慎太朗
(72)【発明者】
【氏名】若杉 晋作
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/115284(WO,A1)
【文献】 特開2001−029110(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0282565(US,A1)
【文献】 特表2008−515491(JP,A)
【文献】 実公昭34−012549(JP,Y1)
【文献】 米国特許第6234988(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 9/16
A43B 13/16
B29D 35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
編み物、編状物および/または織物を主体とし、内足および外足の側面11,12の一部と背面13の一部を構成するアッパー部材1と、
熱可塑性の樹脂で形成され、接地面2Fを含む底部24と、前記アッパー部材1の前記内外の側面11,12の下部および背面13の下部の各々について少なくとも一部に付着され前記底部24に連なった周囲部21とを形成するアウトソール部材2と、
前記アッパー部材1およびアウトソール部材2で定義された内部空間Sに挿入されたソックライナ3とを備え、
前記アッパー部材1は少なくとも前記外足の側面12の一部が欠損している開口10を定義し、
前記アウトソール部材2は前記開口10を覆う窓部20を有し、
前記開口10を覆う窓部20を介して前記内部空間Sのソックライナ3の少なくとも外足の側面32の一部が視認される半透明の部材で前記窓部20が形成されている、靴。
【請求項2】
請求項1において、前記アッパー部材1の少なくとも前記外足の側面12の一部および前記アッパー部材1の底面4の一部が欠損している前記開口10を前記アッパー部材1の環状縁部Eが定義し、
前記アウトソール部材2は前記環状縁部Eよりも前方Fおよび上方Z2に延び、
前記環状縁部E以外のアッパー部材1の部位において前記アッパー部材1のアウターサーフェスに前記アウトソール部材2が入り込んで前記アウトソール部材2がアンカーされた溶着構造により、前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が付着されている、靴。
【請求項3】
請求項2において、前記アッパー部材1に付着された前記アウトソール部材2の前記アッパー部材1との界面F1の表面粗さよりも、前記アウトソール部材2の窓部20のインナーサーフェスF2の表面粗さの方が小さい、靴。
【請求項4】
請求項1,2もしくは3において、前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1が呈する明度と前記窓部20に配置されたソックライナ3の少なくとも一部のアウターサーフェスS3が呈する明度とが互いに異なる、靴。
【請求項5】
請求項2もしくは3において、前記環状縁部Eにおいて、前記アウトソール部材2の少なくとも一部に前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1が付着されずに接触した接触状態である、靴。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項において、前記開口10が前記アッパー部材1の少なくとも前記外足の側面12から前記アッパー部材1の底面4に連なっている、靴。
【請求項7】
請求項6において、前記開口10が前記アッパー部材1の少なくとも前記外足の側面12および底面4から前記背面13に連なっている、靴。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項において、
前記アウトソール部材2の少なくとも外足の側面12における前記窓部20には、厚肉部25と前記厚肉部25よりも薄い薄肉部26とが設けられている、靴。
【請求項9】
編み物、編状物および/または織物を主体とし、底面4、内足の側面11、外足の側面12および背面13を有するソック状のアッパー部材1と、
熱可塑性の樹脂で形成され、前記底面4に付着され接地面2Fを含む底部24と、前記アッパー部材1の側面11,12の下部および背面13の下部に付着され前記底部24に連なった周囲部21とを形成するアウトソール部材2と、
前記アッパー部材1およびアウトソール部材2で定義された内部空間Sに挿入されたソックライナ3とを備え、
少なくとも前記外足の側面12の一部、前記背面13の一部および前記底面4の一部が欠損している開口10を前記アッパー部材1の環状縁部Eが定義し、
前記環状縁部Eは前記背面13において横方向に延びる第1縁部E1と、前記背面13から前記外足の側面12に沿って前記外足の側面12において前方Fおよび下方Z1に向って前記底面4の第1部41まで延びる第2縁部E2と、前記底面4の第1部41から前記底面4において幅方向Wの内側に向かって前記底面4の第2部42まで延びる第3縁部E3と、前記底面4の第2部42から前記内足の側面11または前記底面4において後方Bに向って前記背面13まで延びる第4縁部E4とがループを形成し、
前記アウトソール部材2は前記底部24から前記アッパー部材1の前記背面13および各側面11,12に沿って前記環状縁部Eよりも上方Z2に延び、前記開口10を覆う窓部20を有し、
前記開口10を覆う窓部20を介して前記内部空間Sのソックライナ3の少なくとも外足の側面32、背面33および底面34の各々の一部が視認される半透明の部材で前記窓部20が形成されている、靴。
【請求項10】
編み物、編状物および/または織物を主体とし、底面4、内足の側面11、外足の側面12および背面13を有するソック状のアッパー部材1と、
熱可塑性の樹脂で形成され、前記底面4に付着され接地面2Fを含む底部24と、前記アッパー部材1の側面11,12の下部に付着され前記底部24に連なった周囲部21とを形成するアウトソール部材2と、
前記アッパー部材1およびアウトソール部材2で定義された内部空間Sに挿入されたソックライナ3とを備え、
少なくとも前記外足の側面12の一部および前記底面4の一部が欠損している開口10を前記アッパー部材1の環状縁部Eが定義し、
前記環状縁部Eは前記底面4において底面4の第3部43から底面の外足側の第4部44まで横方向に延びる第1縁部E1と、前記第4部44から前記外足の側面12に向かって立ち上がり前記外足の側面12に沿って前記外足の側面12において前方Fに向って延び更に前記外足の側面12から下方の前記底面4の外足側の第5部45まで延びる第2縁部E2と、前記底面4の第5部45から前記底面4において幅方向Wの内足側に向かって前記底面4の第6部46まで延びる第3縁部E3と、前記底面4の第6部46から前記内足の側面11または前記底面4において後方Bに向って前記底面4の前記第3部43まで延びる第4縁部E4とがループを形成し、
前記アウトソール部材2は前記底部24から前記アッパー部材1の各側面11,12に沿って前記環状縁部Eよりも上方Z2に延び、前記開口10を覆う窓部20を有し、
前記開口10を覆う窓部20を介して前記内部空間Sのソックライナ3の少なくとも外足の側面32および底面34の各々の一部が視認される半透明の部材で前記窓部20が形成されている、靴。
【請求項11】
請求項9もしくは10において、
前記アウトソール部材2は前記環状縁部Eよりも前方Fおよび上方Z2に延び、
前記環状縁部E以外のアッパー部材1の部位において前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1に前記アウトソール部材2が入り込んで前記アウトソール部材2がアンカーされた溶着構造により、前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が付着されている、靴。
【請求項12】
請求項11において、前記アッパー部材1に付着された前記アウトソール部材2の前記アッパー部材1との界面F1の表面粗さよりも、前記アウトソール部材2の窓部20のインナーサーフェスF2の表面粗さの方が小さい、靴。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか1項において、前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1が呈する明度と前記窓部20に配置されたソックライナ3の少なくとも一部のアウターサーフェスS3が呈する明度とが互いに異なる、靴。
【請求項14】
請求項9、10、11、12もしくは13において、前記環状縁部Eにおいて、前記アウトソール部材2の少なくとも一部に前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1が付着されずに接触した接触状態である、靴。
【請求項15】
請求項1の靴の製造方法であって、
前記開口10を定義するアッパー部材1を足型部分52を有する中子50の前記足型部分52に装着する装着工程と、
靴の幅方向Wに互いに歯合される複数の外型61,62の間に前記中子50を装填する装填工程と、
前記複数の外型61,62を型締めする工程と、
前記複数の外型61,62と前記アッパー部材1との間に前記アウトソール部材2となる溶融樹脂71を供給する工程と、
前記溶融樹脂71を硬化させて前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が一体に形成される工程と、
前記複数の外型61,62を型開きする工程と、
前記中子の前記装填工程前に、前記アッパー部材1の開口10を閉塞する樹脂パート8を前記中子50に嵌める工程とを備える、製造方法。
【請求項16】
請求項15において、前記嵌める工程が前記中子50の前記装填工程前に、かつ、前記アッパー部材1の前記装着工程後に実行される、製造方法。
【請求項17】
請求項9の靴の製造方法であって、
前記開口10を定義するアッパー部材1を足型部分52を有する中子50の前記足型部分52に装着する装着工程と、
前記幅方向Wに互いに歯合される複数の外型61,62の間に前記中子50を装填する装填工程と、
前記複数の外型61,62を型締めする工程と、
前記複数の外型61,62と前記アッパー部材1との間に前記アウトソール部材2となる溶融樹脂71を供給する工程と、
前記溶融樹脂71を硬化させて前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が一体に形成される工程と、
前記複数の外型61,62を型開きする工程と、
前記中子50の前記装填工程前に、前記アッパー部材1の開口10を閉塞する樹脂パート8を前記中子50に嵌める工程とを備える、製造方法。
【請求項18】
請求項17において、前記嵌める工程が前記中子50の前記装填工程前に、かつ、前記アッパー部材1の前記装着工程後に実行される、製造方法。
【請求項19】
請求項17もしくは18の前記嵌める工程において、前記樹脂パート8が前記足型部分52の踵部53にフィットするように、かつ、前記樹脂パート8の外周囲80が前記アッパー部材1のループの前記環状縁部Eにおいてアッパー部材1のアウターサーフェスS1に重なるように、前記樹脂パート8を前記中子50に嵌める、製造方法。
【請求項20】
請求項19の方法において、
前記樹脂パート8は前記アウトソール部材2とは異なる樹脂で構成され、
前記型開き工程後に、前記樹脂パート8を取り除く工程を更に備える、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソック状のアッパー部材を用いた靴およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
靴のパーツは機械で生成されているが、各パーツを組み立てる作業は一般に人手で行われている場合が多い。かかる作業には熟練を要するので、品質維持が難しいし、また、ランニングコストが嵩む。
【0003】
そこで、熱可塑性樹脂からなるソール材をソック状のアッパー部材に一体に成型することで、機械的に靴を製造することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2013/121578 A1(フロントページ)
【特許文献2】USP2,484,215
【特許文献3】USP9,675,130 B2(フロントページ)
【特許文献4】JP2000−152803 A
【発明の概要】
【0005】
前記各先行技術では、靴を機械的に量産できるであろう。しかし、靴の機能や美観を向上させる工夫がなされていない。
したがって、本発明の目的は、機能や美観を向上させることができ、かつ、量産するのに適した靴の構造や製造方法を提供することである。
【0006】
本発明の第1の局面において、靴は、編み物、編状物および/または織物を主体とし、内足および外足の側面11,12の一部と背面13の一部を構成するアッパー部材1と、
熱可塑性の樹脂で形成され、接地面2Fを含む底部24と、前記アッパー部材1の前記内外の側面11,12の下部および背面13の下部の各々について少なくとも一部に付着され前記底部24に連なった周囲部21とを形成するアウトソール部材2と、
前記アッパー部材1およびアウトソール部材2で定義された内部空間Sに挿入されたソックライナ3とを備え、
前記アッパー部材1は少なくとも前記外足の側面12の一部が欠損している開口10を定義し、
前記アウトソール部材2は前記開口10を覆う窓部20を有し、
前記開口10を覆う窓部20を介して前記内部空間Sのソックライナ3の少なくとも外足の側面32の一部が視認される半透明の部材で前記窓部20が形成されている。
【0007】
本発明の第2の局面において、靴は、編み物、編状物および/または織物を主体とし、底面4、内足の側面11、外足の側面12および背面13を有するソック状のアッパー部材1と、
熱可塑性の樹脂で形成され、前記底面4に付着され接地面2Fを含む底部24と、前記アッパー部材1の側面11,12の下部および背面13の下部に付着され前記底部24に連なった周囲部21とを形成するアウトソール部材2と、
前記アッパー部材1およびアウトソール部材2で定義された内部空間Sに挿入されたソックライナ3とを備え、
少なくとも前記外足の側面12の一部、前記背面13の一部および前記底面4の一部が欠損している開口10を前記アッパー部材1の環状縁部Eが定義し、
前記環状縁部Eは前記背面13において横方向に延びる第1縁部E1と、前記背面13から前記外足の側面12に沿って前記外足の側面12において前方Fおよび下方Z1に向って前記底面4の第1部41まで延びる第2縁部E2と、更に前記底面4の第1部41から前記底面4において幅方向Wの内側に向かって前記底面4の第2部42まで延びる第3縁部E3と、前記底面4の第2部42から前記内足の側面11または前記底面4において後方Bに向って前記背面13まで延びる第4縁部E4とがループを形成し、
前記アウトソール部材2は前記底部24から前記アッパー部材1の前記背面13および各側面11,12に沿って前記環状縁部Eよりも上方Z2に延び、前記開口10を覆う窓部20を有し、
前記開口10を覆う窓部20を介して前記内部空間Sのソックライナ3の少なくとも外足の側面32、背面33および底面34の各々の一部が視認される半透明の部材で前記窓部20が形成されている。
【0008】
本発明の第3の局面において、靴は、編み物、編状物および/または織物を主体とし、底面4、内足の側面11、外足の側面12および背面13を有するソック状のアッパー部材1と、
熱可塑性の樹脂で形成され、前記底面4に付着され接地面2Fを含む底部24と、前記アッパー部材1の側面11,12の下部に付着され前記底部24に連なった周囲部21とを形成するアウトソール部材2と、
前記アッパー部材1およびアウトソール部材2で定義された内部空間Sに挿入されたソックライナ3とを備え、
少なくとも前記外足の側面12の一部および前記底面4の一部が欠損している開口10を前記アッパー部材1の環状縁部Eが定義し、
前記環状縁部Eは前記底面4において底面4の第3部43から底面の外足側の第4部44まで横方向に延びる第1縁部E1と、前記第4部44から前記外足の側面12に向かって立ち上がり前記外足の側面12に沿って前記外足の側面12において前方Fに向って延び更に前記外足の側面12から下方の前記底面4の外足側の第5部45まで延びる第2縁部E2と、前記底面4の第5部45から前記底面4において幅方向Wの内足側に向かって前記底面4の第6部46まで延びる第3縁部E3と、前記底面4の第6部46から前記内足の側面11または前記底面4において後方Bに向って前記底面4の前記第3部43まで延びる第4縁部E4とがループを形成し、
前記アウトソール部材2は前記底部24から前記アッパー部材1の各側面11,12に沿って前記環状縁部Eよりも上方Z2に延び、前記開口10を覆う窓部20を有し、
前記開口10を覆う窓部20を介して前記内部空間Sのソックライナ3の少なくとも外足の側面32および底面34の各々の一部が視認される半透明の部材で前記窓部20が形成されている。
【0009】
これらの靴において、半透明の部材で前記窓部20が形成されており、そのため、前記半透明の窓部20を介して前記内部空間Sのソックライナ3の少なくとも外足の側面32の他に底面34などが視認される。ここで、ソックライナ3は前記内部空間Sに挿入されており、そのため、靴の購入時や購入後に、交換することができる。したがって、着用者の好みや衣服に応じた配色を有する靴が得られる。
また、前記窓部20に貫通孔を設けて当該貫通孔を介して前記内部空間Sのソックライナ3の一部を視認できるようにしてもよい。前記貫通孔の形状は種々の形状を採用してもよく、たとえば、多角形状、くの字状または格子状などに形成されていてもよい。この場合、前記アウトソール部材2の軽量化が実現され、また、通気性が向上するだろう。
【0010】
本発明において、アウトソール部材の半透明の部材は、前記内部空間Sに挿入されたソックライナ3の色合いを外部から認識できる程度の透明度であればよい。ここで、一見透明に見える樹脂であっても、完全に透明な樹脂は存在せず、本発明において、半透明とは前記透明に近い半透明を含む。
【0011】
例えば、前記アウトソール部材の半透明の部材の透明度は前記ソックライナの透明度よりも大きく、前記アウトソール部材の全部が半透明であってもよい。一般に、顔料の添加量を小さくすることにより透明度の高いアウトソール部材が得られる。半透明のアウトソール部材の熱可塑性樹脂としては例えばポリウレタン、ナイロン、SEBS(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体)およびEVAなどを採用することができる。
ここで、透明度(transparency)とは、物質または材料の透明性を表す尺度で、例えば透明性の度合は光線透過率で表示されてもよい。透明度の測定方法としては、ヘーズメータなどを用いて測定することができる。具体的には、アウトソール部材から試験片を切り出し、必要であれば再成型するなどして、JIS K 7136(プラスチックー透明材料のヘーズの求め方)を参考に測定することができる。
【0012】
本発明において横方向や後方などの方向を示す用語は真横や真後を含み、斜め横方向や斜め後方を含む意味である。
【0013】
好ましくは、前記開口10が前記アッパー部材1の少なくとも前記外足の側面12から前記アッパー部材1の底面4に連なっている。
前記開口10がアッパー部材1の底面4にも設けられている場合、前記開口10において前記ソックライナ3の厚さをアッパー部材1の底面4の分だけ厚くすることができる。そのため、ソックライナ3による緩衝性の向上が期待できる。
【0014】
欠損している開口10とは、本来であれば、あるべきはずのものが欠けていることを意味し、したがって、編み物等を構成する糸や繊維間に生じる微細な開口ではなく、刳り抜かれたような大きな開口を意味する。
前記欠損している開口10はアッパー部材1を編む際に履き口の開口のように予め形成されてもよいが、一旦アッパー部材を形成した後に一部が切り抜かれてもよい。
【0015】
ソック状のアッパー部材1とは、少なくとも履き口が開口した筒状のものを含むが、ラストに装着できる形状であれば履き口や前記開口10以外の部分、たとえば爪先または踏まず部の一部が開口していてもよいことを意味する。また、ソック状とは、少なくとも足の甲、背面および底面の一部を覆いラストに被せることのできる形状を持つものを意味し、シューソールを通す孔や後に舌片により覆われるスリット状の開口を持つものを含む。
【0016】
本発明において、アッパー部材1としては編み物、編状物および/または織物を主体とするが、合成皮革または樹脂シートを含んでいてもよく、これらの2種以上で構成されたものも採用することができる。例えば、編織物や経編地が採用されてもよい。
なお、「主体」とは、アッパー部材1を構成する材料のうち、最も大きな割合を占める材料を意味する。
【0017】
前記ソック状のアッパー部材1が編み物や織物である場合、周知の編み機や織機で生成されてもよいし、編み物や織物が縫合されてソック状に形成されてもよい。編状物とは布帛の構造がマクロの編目状、つまり、格子構造のものを意味する。
【0018】
アッパー部材1が編み物、編状物および織物(以下、これらを総称して「編み物等」という)のうちの1種又は2種以上からなる場合、あるいは、前記編み物等のうち1種又は2種以上を主体とする場合、熱可塑性樹脂のアウトソール部材2がアンカー効果によりアッパー部材1に固着される。すなわち、アッパー部材1に溶着されたアウトソール部材2の一部の樹脂はアッパー部材1の網目構造の内に入り込む。したがって、アンカー効果によりアウトソール部材2がアッパー部材1と一体になる。
【0019】
“アウトソール部材が熱可塑性の樹脂で形成され”とはアウトソール部材が熱可塑性の樹脂成分を主成分とすることを意味し、これにより、アウトソール部材の前記窓部における内表面(inner surface)を平滑に成型することができる。このアウトソール部材の平滑な内表面は光を乱反射させることなく窓ガラスのように光を透過させる。そのため、前記窓部を介して内部空間Sのソックライナの表面を視認することができる。
【0020】
ここで、“主成分とする”とは、少なくとも、熱可塑性の樹脂成分が他の樹脂成分よりも多量である(重量が大きい)ことを意味する。前記内表面を平滑にするなどの効果を得るためには、前記主成分である前記熱可塑性の樹脂成分の重量比はアウトソール部材を構成する樹脂成分全体の50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましく、90〜100重量%が更に好ましく、100重量%が最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1Aおよび図1Bは、各々、本発明の実施例1に関し、靴からソックライナを取り出した靴の分解内側面図および分解外側面図である。
図2図2A図2B図2Cおよび図2Dは、各々、靴の内側面図、外側面図、背面図および底面図である。
図3図3Aおよび図3Bは、各々、靴の後足部の横断面図および外側面図である。
図4図4Aは中子(ラスト)を示す斜視図、図4Bは樹脂パートを示す斜視図、図4Cはアッパー部材が装着された中子を示す斜視図、図4Dは同中子に樹脂パートが装着された状態を示す中子の斜視図である。
図5図5Aおよび図5Bは、各々、成形工程を示す金型等の断面図である。
図6図6Aおよび図6Bは、各々、成形工程を示す金型等の断面図である。
図7図7A図7Bおよび図7Cは、それぞれ、成形工程後の靴の製法の工程を示す断面図である。
【0022】
図8図8Aおよび図8Bは、各々、本発明の実施例2に関し、靴からソックライナを取り出した靴の分解内側面図および分解外側面図である。
図9図9A図9B図9Cおよび図9Dは、各々、靴の内側面図、外側面図、背面図および底面図である。
図10図10Aおよび図10Bは、各々、靴の後足部の横断面図および外側面図である。
図11図11Aは中子(ラスト)を示す斜視図、図11Bは樹脂パートを示す斜視図、図11Cはアッパー部材が装着された中子を示す斜視図、図11Dは同中子に樹脂パートが装着された状態を示す中子の斜視図である。
図12図12Aおよび図12Bは、各々、成形工程を示す金型等の断面図である。
【0023】
図13図13Aおよび図13Bは別の製法の工程を示すラストの斜視図、図13Cは同断面図である。
図14図14A図14Bおよび図14Cは更に別の製法の工程を示すラスト等の斜視図である。
図15図15Aは靴からソックライナを取り出した靴の分解内側面をデジタル写真で示す参考内側面図、図15Bは靴の内側面をデジタル写真で示す参考内側面図である。
図16図16A図16Bおよび図16Cは、各々、実施例3を示す靴の内側面図、外側面図および底面図である。
図17図17A図17Bおよび図17Cは、各々、実施例4を示す靴の内側面図、外側面図および底面図である。
【0024】
図1A図2D図3B図8B図9B図9D図10B図16A図16C図17Bおよび図17Cにおいて、靴の構造を分かり易くするために、アッパー部材の開口を覆うアウトソール部材の部位(窓部)はグレーで示されている。図3A図6B図7C図10Aおよび図12Bにおいて、アウトソール部材または溶融樹脂の部位は、図を理解し易くするために、グレーで示されている。
【0025】
図1A図2D図4C図4D図8A図9D図11C図11D図13B図14A図14Cおよび図16A図17Cにおいて、アッパー部材の部位には格子模様が付されている。又、これらの図において、アッパー部材が露出している部位は格子模様が実線で描かれており、一方、アッパー部材がアウトソール部材で覆われている部位は格子模様が破線で描かれている。
【0026】
図3Aおよび図10Aにおいて、アッパー部材の表面にアウトソール部材が溶着されて付着された溶着構造の部位は太い実線で示されている。
図3Bおよび図10Bにおいて、アッパー部材の一部を構成する編物の露出した表面は不規則な繰り返し模様が描かれている。
【0027】
図3A図7Cおよび図10Aにおいて、ソックライナの発泡体の部位にはドット模様が付され、ソックライナのゼリー状の非発泡体の部位には樹脂ハッチングが施されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
好ましくは、前記アッパー部材1の少なくとも前記外足の側面12の一部および前記アッパー部材1の底面4の一部が欠損している前記開口10を前記アッパー部材1の環状縁部Eが定義し、
前記アウトソール部材2は前記環状縁部Eよりも前方Fおよび上方Z2に延び、
前記環状縁部E以外のアッパー部材1の部位において前記アッパー部材1のアウターサーフェス(外表面:outer surface)に前記アウトソール部材2が入り込んで前記アウトソール部材2がアンカーされた溶着構造により、前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が付着されている。
【0029】
アッパー部材1にアウトソール部材2が溶着構造により付着されている場合、アッパー部材1をインサート成型することにより、靴を機械的に量産することができる。
【0030】
前記アウトソール部材2がアンカーされた溶着構造は、前記編み物等を主体とするアッパー部材1の表面の微細な凹凸にアウトソール部材2の樹脂が木の根のように入り込んで硬化していることで、いわゆるアンカー効果を発揮し、両者の接合力を高めるだろう。
【0031】
好ましくは、前記アッパー部材1に付着された前記アウトソール部材2の前記アッパー部材1との界面F1の表面粗さよりも、前記アウトソール部材2の窓部20のインナーサーフェス(内表面:inner surface)の表面粗さの方が小さい。
【0032】
前記溶着構造の部位は、前記編み物等の表面が微細な凹凸で形成され、そのため、ここに入射した外光を前記編み物等の表面が乱反射する上、前記編み物等の表面に入り込んだアウトソール部材の樹脂の面(界面F1)も微細な凹凸で形成され、前記乱反射された光はアウトソール部材2を通過する際に、前記樹脂の界面F1により乱反射されると共に種々の方向に不規則に屈折する。そのため、アウトソール部材2が透明度の高い樹脂であってもアウトソール部材2が不透明の樹脂であるかのような色合いに見える。
【0033】
したがって、前述の窓部20から視認されるソックライナ3の色合いに加え、アウトソール部材2で覆われていないアッパー部材1の表面と、前記溶着構造の部位の色合とを、1種類の半透明のアウトソール部材で実現することができる。
【0034】
前記アウトソール部材2の界面F1の状態は照明装置を持つマイクロスコープ(拡大鏡)や顕微鏡などを用いることで容易に確認することができるだろう。
【0035】
好ましくは、前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1の少なくとも一部が呈する明度よりも前記窓部20に配置されたソックライナ3のアウターサーフェスS3の少なくとも一部が呈する明度の方が高い。
【0036】
ここで、明度とは、色の明るさの度合を意味する。明度は本質的に色味のない黒、灰、白などの色を基準に定められ、一般に、白は9.5、黒は1の値を用いるが、白黒のデジタル写真に基づいて目視で確認できるだろう。
【0037】
前記ソックライナ3のアウターサーフェスS3の明度が高い場合、ソックライナ3で反射された反射光の光量が大きくなって、窓部20を介してソックライナ3の色合い等を更に視認し易くなるだろう。
一方、前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1が呈する明度と前記窓部20に配置されたソックライナ3の少なくとも一部のアウターサーフェスS3が呈する明度とが互いに異なっていてもよい。
たとえば、ソックライナ3のアウターサーフェスS3が呈する明度が部分的にアッパー部材1のアウターサーフェスS1が呈する明度よりも小さくてもよい。すなわち、ソックライナ3のアウターサーフェスS3にロゴや模様が暗い色で表示されている場合、当該ロゴや模様が呈する明度がアッパー部材1のアウターサーフェスS1が呈する明度よりも小さくでもよい。この場合、ソックライナ3のアウターサーフェスS3における色のコントラストが強くなり美観が向上するだろう。
【0038】
好ましくは、前記環状縁部Eにおいて、前記アウトソール部材2の少なくとも一部に前記アッパー部材1のアウターサーフェスが付着されずに接触した接触状態である。
この場合、接触状態の環状縁部Eにおいて、アウトソール部材2のインナーサーフェスは平滑に成型することができる。その場合、環状縁部Eのアウトソール部材2は、アッパー部材1に付着されたアウトソール部材2と異なる色合いとなる。したがって、更なる美観の多様性を発揮することが可能となる。
【0039】
好ましくは、靴の側面視において、前記アウトソール部材2のうちの前記溶着構造により前記アッパー部材1に付着された部位よりも前記アウトソール部材2のうちの前記アッパー部材1と接触状態の部位の方が前記アッパー部材1が透けて見える。
前記溶着構造により前記アッパー部材1に付着された前記アウトソール部材2の前記アッパー部材1との前記界面F1の表面粗さよりも、前記アッパー部材1と接触状態の前記アウトソール部材2の前記インナーサーフェスF2の部位の表面粗さの方が小さい。そのため、靴の側面視において、前記アウトソール部材2のうち、溶着構造により前記アッパー部材1に付着された部位よりも前記アッパー部材1と接触状態の部位の方が前記アッパー部材1が透けて見える。
この場合、アウトソール部材2を介してアッパー部材1の模様を視認でき、更なる美観の多様性を発揮することが可能となる。
【0040】
好ましくは、前記開口10が前記アッパー部材1の少なくとも前記外足の側面12および底面4から前記背面13に連なっている。
この場合、前記背面13まで窓部20が連なっており、前記背面13においても美観の多様性を発揮することができる。
【0041】
好ましくは、前記ソックライナ3が少なくとも2層以上の複数層で、前記複数層のソックライナ3の一部が前記窓部20を介して視認される。
この場合、複数層のソックライナ3の表面を窓部20から見ることができ、美観の更なる多様性を発揮することができる。
【0042】
好ましくは、前記アウトソール部材2の少なくとも外足の側面12における前記窓部20には、厚肉部25と前記厚肉部25よりも薄い薄肉部26とが設けられている。
この場合、厚肉部25と薄肉部26とは厚さの相違により同一の樹脂であっても透明度が互いに相違する。そのため、窓部20を介して見えるソックライナ3の色合いも厚肉部25と薄肉部26とで異なって見える。
なお、厚肉部25や薄肉部26の形状は六角形や円形などの他に種々の形状が採用される。
【0043】
好ましい靴の製造方法において、前記開口10を定義するアッパー部材1を足型部分52を有する中子50の前記足型部分52に装着する装着工程と、
靴の幅方向Wに互いに歯合される複数の外型61,62の間に前記中子50を装填する装填工程と、
前記複数の外型61,62を型締めする工程と、
前記複数の外型61,62と前記アッパー部材1との間に前記アウトソール部材2となる溶融樹脂71を供給する工程と、
前記溶融樹脂71を硬化させて前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が一体に形成される工程と、
前記複数の外型61,62を型開きする工程と、
前記中子の前記装填工程前に、前記アッパー部材1の開口10を閉塞する樹脂パート8を前記中子50に嵌める工程とを備える。
【0044】
更に好ましくは、前記樹脂パート8は前記アウトソール部材2とは異なる樹脂で構成され、前記型開き工程後に、前記樹脂パート8を取り除く工程を更に備える。
【0045】
製造時に中子50に樹脂パート8を嵌めることにより、前記溶融樹脂71が中子50であるラストの表面に付着するのを防止できる。そのため、離型作業が容易になる。
【0046】
前記樹脂パート8はアウトソール部材2となる溶融樹脂71に溶着しない樹脂材料を用いることで、型開き後に樹脂パート8を靴から取り除くことができる。かかる樹脂としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンを採用することができる。
【0047】
好ましくは、前記嵌める工程が前記中子50の前記装填工程前に、かつ、前記アッパー部材1の前記装着工程後に実行される。
【0048】
この場合、アッパー部材1の開口10の周囲の縁部において、アッパー部材1の表面に樹脂パート8の外周囲80が重なり、そのため、重なり部分において溶融樹脂71がアッパー部材1のインナーサーフェス(内表面)とラストのアウターサーフェス(外表面)との間に侵入するのを防止する。したがって、溶融樹脂71の不用意な広がりを抑制し、射出圧力を高くできる等、成型性が著しく向上する。
【0049】
本製造方法において、アウトソール部材となる溶融樹脂71の粘度をアッパー部材の空孔率で徐した値を所定の範囲に設定することで、樹脂の染み出しやバリを生じにくくすることができる。
【0050】
また、アッパー部材が溶融樹脂71の圧力で押されなくなる程度まで金型でアッパー部材を押すことにより、前記染み出しやバリを生じにくくなる。
【0051】
1つの前記各実施態様または下記の実施例に関連して説明および/または図示した特徴は、1つまたはそれ以上の他の実施態様または他の実施例において同一または類似な形で、および/または他の実施態様または実施例の特徴と組み合わせて、または、その代わりに利用することができる。
【実施例】
【0052】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【0053】
以下、本発明の実施例が図面に従って説明される。
図1A図7Cは実施例1を示す。
【0054】
図1A図3Bに示すように、この靴は、図1Aおよび図1Bのアッパー部材1とアウトソール部材2とソックライナ3とで構成される。
【0055】
本実施例の場合、アッパー部材1は図2Aの足の内足Meを覆う側面11と、図2Bの外足Laを覆う側面12、図2Cの背面13を有すると共に、足裏を覆う図2Dの底面4を有する。前記底面4と両側面11,12とは互いに縫い合わされていてもよい。また、背面13において、アッパー部材1は、例えば後端において縫い合わされていてもよい。
【0056】
前記アッパー部材1は例えば編み物、編状物および織物でソック状に形成されている。前記アッパー部材1は内部空間Sに足を挿入する履き口14を有する。
【0057】
前記両側面11,12および背面13において、前記アッパー部材1は、例えば伸び難い織物等と、伸び易い編み物等とが二重に積層されていてもよい。一方、前記底面4において、前記アッパー部材1は織物で形成される場合が多い。
【0058】
本発明において、アッパー部材1の背面13とは、図3Bの前記履き口14の後端14eよりも後方Bのアッパー部材1の部位を意味する。
【0059】
図2A図2Dにおいて、前記アッパー部材1のアウターサーフェスの一部には、アウトソール部材2が付着されている。前記アウトソール部材2は、例えばポリウレタンのような熱可塑性の樹脂で形成されている。図2Dにおいて、2本のループ状の実線のうち、内周側のループ状の実線は接地面2Fを表し、一方、外周側のループ状の実線はアウトソール部材2のアウトラインを表す。
【0060】
図1Aおよび図1Bにおいて、アウトソール部材2は前記底面4に付着され接地面2Fを含む底部24と、前記アッパー部材1の両側面11,12の下部および背面13の下部に付着され前記底部24に連なった周囲部21とを形成する。図3Aに示すように、前記ソックライナ3は前記アッパー部材1およびアウトソール部材2で定義された前記内部空間Sに挿入されている。
【0061】
図2A図2Dにおいて、前記アッパー部材1は前記内足Meの側面11の一部、前記外足Laの側面12の一部、前記背面13の一部および前記底面4の一部が刳り抜かれたかのように欠損している開口10を有する。開口10は前記アッパー部材1の環状縁部Eにより定義されている。前記環状縁部Eは図2Cの第1縁部E1、図2Bの第2縁部E2、図2Dの第3縁部E3および図2Aの第4縁部E4が、以下に説明するように互いに連なってループを形成している。これらの縁部E1〜E4は図2A図2Dにおいて2本の破線で囲まれた帯状の部位である。
【0062】
図2Cの第1縁部E1は前記背面13において内足Meから外足Laに向って背面13を横断するように横方向(幅方向W)に延びる。前記第1縁部E1に連なる図2Bの第2縁部E2は前記背面13から前記外足Laの側面12に沿って前記外足Laの側面12において前方Fおよび下方Z1に向って放物線状に前記底面4の外足La側の第1部41まで延びる。前記第2縁部E2に連なる図2Dの第3縁部E3は、底面4を幅方向Wに横断するように、前記底面4の第1部41から前記底面4において幅方向Wに前記底面4の内足Me側の第2部42まで延びる。前記第3縁部E3に連なる図2Aの第4縁部E4は前記底面4の第2部42から前記内足Meの側面11において後方Bに向って前記背面13まで延びて、前記第1縁部E1に連なる。
【0063】
図2A図2Dに示すように、前記アウトソール部材2は前記底部24から前記アッパー部材1の前記背面13および各側面11,12に沿って前記環状縁部Eよりも上方Z2に延びる。前記アウトソール部材2は前記開口10を覆う窓部20を有する。なお、前記窓部20の前端は前記履き口14の後端14eよりも前方に配置されていてもよい。
【0064】
前記窓部20を含むアウトソール部材2は、全ての部位が互いに均質の半透明の部材で形成されている。そのため、本例の場合、前記開口10を覆う窓部20を介して図1Aおよび図2Aのソックライナ3の両側面31,32、背面33および底面34の各々の一部が視認される。また、いわゆる二色成形する必要がないため、製造が容易である。
【0065】
図3Aにおいて、前記靴は露出領域α1、溶着領域α2、非溶着領域α3および窓領域α4を有する。前記露出領域α1においてはアッパー部材1がアウトソール部材2に覆われておらず露出している。
【0066】
図1A図1Bおよび図3Aにおいて、前記アウトソール部材2は前記環状縁部Eよりも前方Fおよび上方Z2に延びる。前記溶着領域α2において、前記環状縁部E以外のアッパー部材1の部位において前記アッパー部材1のアウターサーフェスに前記アウトソール部材2が入り込んで前記アウトソール部材2がアンカーされた溶着構造により、前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が付着されている。
【0067】
前記溶着領域α2の前記溶着構造により前記アッパー部材1に付着された前記アウトソール部材2の前記アッパー部材1との界面F1の表面粗さよりも、前記窓領域α4の前記アウトソール部材2の窓部20のインナーサーフェスF2の表面粗さの方が小さく、平滑である。
【0068】
図3Aの前記非溶着領域α3において、つまり、前記各縁部E1〜E4においては、前記アウトソール部材2に前記アッパー部材1のアウターサーフェスが付着(溶着)されずに接触した接触状態である。換言すると、前記環状縁部Eにおいて前記アッパー部材1は前記アウトソール部材2に接着されることなく前記アウトソール部材2と前記ソックライナ3との間に挟まれている。
【0069】
図15Aおよび図15Bに示すように、前記各領域α1〜α4は、以下のような風合いを醸し出す。前記露出領域α1はアッパー部材1が露出しており、アッパー部材1の持つ外観がそのまま看られることができる。
【0070】
図3Aの前記溶着領域α2は前記編み物等の表面が微細な凹凸で形成され、そのため、ここに入射した外光を前記編み物等の表面が乱反射する上、前記編み物等の表面に入り込んだ前記アウトソール部材2の樹脂の面(界面F1)も微細な凹凸で形成され、前記乱反射された光はアウトソール部材2を通過する際に、前記界面F1により乱反射されると共に種々の方向に不規則に屈折する。そのため、図15Bのアウトソール部材2が透明度の高い樹脂であってもアウトソール部材2が不透明の樹脂であるかのようなメタリックな風合いを醸し出す。
【0071】
図3Aの前記縁部E(E1)において、つまり、非溶着領域α3においては、前記アウトソール部材2に前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1が付着されずに接触した接触状態で、かつ、アウトソール部材2のインナーサーフェスF2は平滑に成型されている。そのため、図15Bのように、環状縁部Eのアウトソール部材2からアッパー部材1が透けて見え、前記溶着領域α2とは全く異なる風合いを醸し出す。
【0072】
図3Aの窓領域α4において、半透明のアウトソール部材2で前記窓部20が形成されており、かつ、窓部20のインナーサーフェスF2が平滑であるため、前記半透明の窓部20を介して図15Aのソックライナ3の外足の側面32、背面33および底面34などが視認される。
ここで、図15Aに示すように、前記アッパー部材1のアウターサーフェスS1(図3A)が呈する明度よりも前記窓部20に配置されたソックライナ3のアウターサーフェスS2(図3A)が呈する明度の方が高い。そのため、溶着領域α2のアッパー部材1のアウターサーフェスS1で反射された反射光の光量よりも、窓領域α4のソックライナ3で反射された反射光の光量が大きくなって、窓部20を介してソックライナ3の色合い等を更に視認し易くなるだろう。
【0073】
図2Bおよび図2Dにおいて、前記開口10は前記アッパー部材1の少なくとも前記外足の側面12から前記アッパー部材1の底面4に連なっている。また、図2B図2Dにおいて、前記開口10は前記アッパー部材1の前記外足の側面12および底面4から前記背面13に連なっている。
【0074】
図1Bにおいて、前記ソックライナ3は2層で、前記2層のソックライナ3の一部が前記窓部20を介して視認される。図3Aにおいて、前記ソックライナ3は例えばEVAなどの熱可塑性樹脂の発泡層37を主体とし、後足の下層にゼリー状の非発泡層38が積層されていてもよい。なお、発泡層37の上には繊維層39が積層されていてもよい。
【0075】
前記発泡層37と非発泡層38とは、互いに異なる光沢や色の外表面を持つ。したがって、窓部20を通して2色の色合いを表示することができる。
【0076】
図3Bにおいて、前記アウトソール部材2の例えば外足の側面における前記窓部20には、厚肉部25と前記厚肉部25よりも薄い薄肉部26とが設けられている。また、図3Aの前記溶着領域α2および非溶着領域α3において、図3Bの貫通孔29が設けられて、アッパー部材1の一部が露出していてもよい。なお、前記貫通孔29が前記窓部20に設けられて前記ソックライナ3の一部が露出してもよい。
【0077】
つぎに、前記実施例1の靴の製造方法の一例が図4A図7Cにしたがって説明される。本実施例の製造方法においては、予め、中子50、樹脂パート8および第1〜第3外型61〜63が用意される。なお、外型は2つ又は4つ以上に分割されていてもよい。
【0078】
図4Aの前記中子50は幅木51(core print)と足型部分52とを有し、アッパーの一部を形成する図4Cのソック状のアッパー部材1を前記足型部分52に装着するためのものである。前記幅木51は図5Bの前記第1および第2外型61,62に保持される。
【0079】
図5Aの前記第1外型61と第2外型62とは幅方向Wに互いに歯合する。これらの第1および第2外型61,62は、それぞれ、前記薄肉部26および貫通孔29(図3B)を形成するための多数の凸部(図示せず)を有する。
【0080】
図5Bの前記第3外型63は足型部分52の足裏部分に対面する。この第3外型63は例えば縦に長い溝を形成するための突条を有していてもよい。
【0081】
図4Bの樹脂パート8は例えばポリプロピレン製で、図4Dのように中子50の踵部53に嵌る構造となっている。すなわち、図4Aに示すように中子50の踵部53は表面が削られたかのような形状となっており、一方、スコップ形状の樹脂パート8の外周囲80は薄肉となって、図4Dのように樹脂パート8が中子50の踵部53に嵌るようになっている。
【0082】
つぎに、各製造工程について説明する。
まず、図4Cに示すアッパーの一部を形成するソック状のアッパー部材1を用意する。図4Cに示すように、前記ソック状のアッパー部材1の踵部分には開口10が予め形成される。前述のように、前記開口10は図2A図2Dの前記両側面11,12、背面13および底面14にわたって前記アッパー部材1に形成されている。
【0083】
前記開口10を有する前記ソック状のアッパー部材1を幅木51と足型部分52とを有する中子50の前記足型部分52に装着する。この装着時において、前記幅木51(Core print)は前記中子50における前記アッパー部材1の履き口14から突出した状態となる。
【0084】
図4Cの前記アッパー部材1の装着後で、かつ、後述する前記中子50の前記装填工程前に、前記アッパー部材1の開口10を閉塞する樹脂パート8を、図4Dのように、前記中子50に嵌める工程が実行される。
【0085】
図4Dの前記嵌める工程において、前記樹脂パート8が前記足型部分52の踵部53にフィットするように、かつ、前記樹脂パート8の外周囲80が前記アッパー部材1のループの前記環状縁部Eにおいてアッパー部材1のアウターサーフェスに重なるように、前記樹脂パート8が前記中子50に嵌められる。
【0086】
この状態で、つまり、前記中子50にアッパー部材1が装着され、かつ、樹脂パート8が嵌められた状態の前記中子50が図5Aの外型61〜63内に装填される。前記中子50は前記外型61〜63で支持されてもよいし、更に他の外型を設けて支持されてもよい。
【0087】
その後、図5Bおよび図6Aに示すように、第1〜第3外型61〜63を型締めする。この際、第1および第2外型61,62は幅方向Wに接近し、一方、第3外型63は中子50の足裏部分に向かって接近する。
【0088】
前記型締めにより、第1〜第3外型61〜63とアッパー部材1や樹脂パート8との間にキャビティ64が形成される。なお、前記中子50と各外型61〜63とは前記アウトソール部材2が形成されない部分において、前記アッパー部材1を介して互いに圧接する。
【0089】
前記型締後、図6Bに示すように、前記第1〜第3外型61〜63と前記アッパー部材1との間の前記キャビティ64に前記アウトソール部材2となる溶融樹脂71を供給する。この供給後、前記溶融樹脂71を冷却し硬化させて、前記アッパー部材1に前記アウトソール部材2が一体に形成される。
【0090】
前記溶融樹脂71の硬化時に、前記アウトソール部材2はアッパー部材1のアウターサーフェスに前記溶着構造により付着する。一方、アウトソール部材2はポリプロピレン製の樹脂パート8の表面に付着しない。
【0091】
その後、図7Aのように、第1〜第3外型61〜63を型開きする。前記型開き後、図7Aの樹脂パート8を内部空間Sから抜き取る。こうして、図7Bのアッパー部材1にアウトソール部材2が一体に形成された靴の中間品が射出成型により生成される。
前記樹脂パート8が抜き取られた中間品には、前記窓部20と前記環状縁部Eとが表れる。前記環状縁部Eはアウトソール部材2に接着されていない。
【0092】
その後、前記中間品の内部空間Sに前記ソックライナ3が装着される。なお、ソックライナ3はアウトソール部材2に接着されていてもよいし、接着されなくてもよい。前記環状縁部Eは前記ソックライナ3のアウターサーフェスと前記アウトソール部材2のインナーサーフェスとの間に接着されずに挟まれ前記アウトソール部材のインナーサーフェスと接触した接触状態である。
【0093】
図8A図12Bは実施例2を示す。
この実施例2については前記実施例1と相違する部分について主に説明する。
【0094】
図8A図9Bに示すように、特に図9Aから分かるように、本例の場合、開口10は内足Meの側面11には設けられておらず、図9Bの外足Laの側面12、図9Cの背面13および図9Dの底面4に連なって設けられている。
【0095】
図9Cの第1縁部E1は内足Meの前記背面13において底面4から上方に向って延び更に内足Meから外足Laに向って横方向(幅方向W)に延びる。前記第1縁部E1に連なる図9Bの第2縁部E2は前記背面13から前記外足Laの側面12に沿って前記外足Laの側面12において前方Fおよび下方Z1に向って放物線状に前記底面4の外足La側の第1部41まで延びる。前記第2縁部E2に連なる図9Dの第3縁部E3は、底面4を幅方向Wに横断するように、前記底面4の第1部41から前記底面4において幅方向Wに前記底面4の内足Me側の第2部42まで延びる。前記第3縁部E3に連なる第4縁部E4は前記底面4の第2部42から前記内足の底面4において後方Bに向って前記背面13まで延びて、図9Cの前記第1縁部E1に連なる。
【0096】
前記窓部20を含むアウトソール部材2は、半透明の部材で形成されている。そのため、本例の場合、前記アッパー部材1の前記開口10を覆う前記アウトソール部材2の窓部20を介して図8Bのソックライナ3の外側面32、背面33および底面34の各々の一部が視認される。
【0097】
つぎに、この実施例2の靴の製造方法の一例が図11A図12Bにしたがって説明される。本実施例の製造方法においても、予め、中子50、樹脂パート8および第1〜第3外型61〜63が用意される。
【0098】
図11Bの樹脂パート8は例えばポリプロピレン製で、図11Dのように中子50の踵部53に嵌る構造となっている。すなわち、図11Aに示すように、中子50の踵部53は外足の表面が削られたかのような形状となっており、一方、スコップ形状の樹脂パート8の外周囲80は薄肉となって、図11Dのように樹脂パート8が中子50の踵部53に嵌るようになっている。図11Bおよび図12Aに示すように、前記樹脂パート8は外足側の前記外周囲80の方が内足側の前記外周囲よりも上方に位置するように形成されている。
【0099】
本例においても、図11C図12Bに示すように、前記実施例1と同様の工程を経て、図9A図9Dに示す靴が生成される。
【0100】
図12A図5Aとの比較から分かるように、図5Aの実施例1では樹脂パート8が中子50から脱落したり位置ズレし難い構造であるのに対し、図12Aの実施例2では樹脂パート8が中子50に対し脱落や位置ズレしないように、樹脂パート8を中子50に粘着させてもよい。
【0101】
なお、前記本例のその他の構成および製造工程は図1A図7Cの前記実施例1と同様であり、その詳しい図示および説明が省略される。
【0102】
図13A図13Cは他の製造方法の一部の工程を示す。
本例においては、中子50となるラストの踵部分にポリオレフィン系樹脂が塗布された非付着部54が設けられ、この部分に溶融樹脂71が溶着しないようになっている。
【0103】
図13Bおよび図13Cに示すように、前記非付着部54はアッパー部材1が入り込む迷路構造55を形成する。これにより、アッパー部材1とラスト50の表面との間に溶融樹脂71が入り込むのが防止される。
【0104】
図14A図14Cは更に他の製造方法の一部の工程を示す。
本例においては、図14Aに示すように、予め開口を有していないソック状のアッパー部材1と、図14Bの樹脂パート8を用いる。
【0105】
本例においては、まず、図14Aのように、ラスト状の中子50に前記アッパー部材1を装着する。ついで、図14Bの帯状の樹脂パート8を図14Cのように、前記アッパー部材1の上から装着する。この装着後、前述と同様にアウトソール部材2がアッパー部材1に一体となるようにアウトソール部材2を成型する。成型後、前記樹脂パート8の縁に沿ってアッパー部材1を切断し、切断後、樹脂パート8およびアッパー部材1の一部が取り除かれて、前記開口が形成される。
【0106】
本発明において、図1A図1Bの開口10は、靴の後足部ではなく、中足部や前足部のみに設けられていてもよい。また、開口10は外足のみや内足のみに設けられていてもよい。更に、開口10はアッパー部材1の全長にわたって設けられていてもよい。
【0107】
図16A図16Cは実施例3を示す。
本例において、開口10は中足部において前記内足の側面11の一部、前記外足の側面12の一部および前記底面4の一部が欠損して開口10が設けられている。前記開口10を定義する前記環状縁部Eは、第1〜第4縁部E1〜E4を有し、ループを形成する。
【0108】
図16Cにおいて、前記第1縁部E1は前記底面4において底面4の内足Me側の第3部43から底面の外足側の第4部44まで横方向に延びる。第2縁部E2は、前記第4部44から図16Bの前記外足の側面12に向かって立ち上がり前記外足の側面12に沿って前記外足の側面12において前方Fに向かって延び更に前記外足の側面12から図16Cの下方の前記底面4の外足側の第5部45まで延びる。
【0109】
図16Cにおいて、前記第3縁部E3は前記底面4の外足La側の第5部45から前記底面4において幅方向Wの内足側に向かって前記底面4の第6部46まで延びる。第4縁部E4は前記底面4の第6部46から図16Aの前記内足の側面11において後方Bに向かって前記底面4の前記第3部43まで延びる。
【0110】
第4部44および第5部45は外足La側に配置され、第3部43および第6部46は内足Me側に配置されている。また、第5部45および第6部46は、それぞれ、第4部44および第3部43よりも前方Fに配置されている。
なお、前記本例のその他の構成および製造工程は図1A図7Cの前記実施例1と同様であり、その詳しい図示および説明が省略される。
【0111】
図17A図17Cは実施例4を示す。
本例において、開口10は中足部に設けられており、前記内足Meの側面11には設けられておらず、外足Laの側面12の一部および底面4の一部にのみ設けられている。
【0112】
図17Cにおいて、第1縁部E1は前記底面4において底面4の第3部43から底面の外足側の第4部44まで横方向に延びる。第2縁部E2は前記第4部44から図17Bの前記外足の側面12に向かって立ち上がり前記外足の側面12に沿って前記外足の側面12において前方Fに向かって延び更に前記外足の側面12から図17Cの下方の前記底面4の外足側の第5部45まで延びる。
【0113】
図17Cにおいて、前記第3縁部E3は前記底面4の外足La側の第5部45から前記底面4において幅方向Wの内足側に向かって前記底面4の第6部46まで延びる。第4縁部E4は前記底面4の第6部46から図17Cの前記底面4において後方Bに向かって前記底面4の前記第3部43まで延びる。
【0114】
なお、第4部44および第5部45は外足La側に配置され、第3部43および第6部46は中央寄りに配置されていてもよい。
【0115】
前記本例のその他の構成および製造工程は図8A図12Bの前記実施例2と同様であり、その詳しい図示および説明が省略される。
【0116】
なお、前記各実施例ではアウトソール部材2について、全ての部位が互いに均質で半透明な単一の素材で形成しているが、互いに異なる素材を組み合わせて二色成形でアウトソール部材2を形成してもよい。
【0117】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、アッパー部材1に腰裏や舌片を予め縫い付けた後に、アウトソール部材2を成形することも可能である。
また、アウトソール部材2は強化繊維が含まれたFRPであってもよい。
なお、成型後に、所定の部位に紐通し孔が機械加工等より形成されてもよい。更に、アウトソール部材2が成形される際に、たとえば中足のアーチを補強する別の補強部材がインサート成形されてもよい。
したがって、以上のような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明はアッパー部材にアウトソール部材を一体に成形する靴に適用できる。
【符号の説明】
【0119】
1:アッパー部材 10:開口 11,12:側面 13:背面 14:履き口
14e:後端
2:アウトソール部材 2F:接地面 20:窓部 21:周囲部 22:全周リヴ
24:底部 25:厚肉部 26:薄肉部 29:貫通孔
3:ソックライナ 31,32:側面 33:背面 34:底面 37:発泡層
38:非発泡層 39:繊維層
4:底面 41〜46:第1部〜第6部
50:中子 51:幅木 52:足型部分 53:踵部
61,62,63:外型 64:キャビティ
71:溶融樹脂
8:樹脂パート 80:外周囲
E:環状縁部 E1:第1縁部 E2: 第2縁部 E3:第3縁部 E4:第4縁部
F1:界面 F2:窓部のインナーサーフェス
S:空間 S1:アッパー部材のアウターサーフェス S2:ソックライナのアウターサーフェス
F:前方 B:後方 Z1:下方 Z2:上方 W:幅方向
La:外足 Me:内足
α1:露出領域 α2:溶着領域 α3:非溶着領域 α4:窓領域
図1
図2
図3
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