(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段による前記取得状態の比較は、前記第1の情報と前記第2の情報とが取得されるまでの早さの比較であり、前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、取得の早い方を優先して表示させる制御である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
前記制御手段による前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、取得の早い方をユーザ操作無しで表示させた後、取得の遅い方をユーザ操作に応じて表示させる制御である、
ことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
前記制御手段による前記取得状態の比較は、前記第1の情報と前記第2の情報との情報量又は重要度の比較であり、前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、より情報量の多い方、又はより重要度が高い方を優先して表示させる制御である、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子機器。
前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、より取得の早い方を最初に表示させた後、取得の遅い方を、その情報量がより多い、又は重要度がより高いことを条件に表示させる制御である、
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
無線通信が可能な距離に前記外部機器が存在している場合に、その外部機器の表示画面を利用できるか否かを示す通知をその外部機器から受信する通知受信手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記通知受信手段が外部機器の表示画面を利用できる旨の通知であれば、前記第1の情報を当該電子機器の表示画面に表示させ、外部機器の表示画面を利用できない旨の通知であれば、前記第1の情報と前記第2の情報を当該電子機器の表示画面に表示させる制御を行う、請求項7に記載の電子機器。
前記外部機器の表示画面を利用できる状態か否かの判断は、無線通信の電波強度により推定される外部機器との距離関係、開閉センサの検出により推定される蓋又は外装ケースの開閉状態、明るさセンサの検出により推定される外部光の明るさ状態のうちの、1又は複数の条件により判断する、請求項8に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、
図1〜
図7を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、内蔵辞書を利用して情報検索が可能な第1の電子機器と、インターネットを利用して情報検索が可能な第2の電子機器との通信によりそれらの電子機器で得られた検索結果の表示を制御する表示制御システム(通信システム)の概要構成を示したブロック構成図である。
この表示制御システム(通信システム)を構成する第1の電子機器1及び第2の電子機器2は、ユーザ所有の情報検索機能付のモバイル端末であり、本実施形態においては、内蔵辞書を利用して情報検索が可能な第1の電子機器1として、電子辞書装置に適用した場合を例示し、インターネットを利用して情報検索が可能な第2の電子機器2として、スマートフォン(多機能型携帯電話)又はタブレット端末に適用した場合を例示している。
【0011】
第1の電子機器(電子辞書装置)1、第2の電子機器(スマートフォン又はタブレット端末)2との間では、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)という極力電力を使わない通信規格を使用し、狭い通信可能エリア(例えば、半径5メートル)内において双方向通信を行うようにしている。そして、第1の電子機器1と第2の電子機器2との初めての接続時には、相互通信によるペアリング処理(ペアリング初期設定処理)を行って第1の電子機器1と第2の電子機器2とを対応付けるようにしている。なお、この通信可能エリアを、ユーザ操作によって調整可能としてもよい。
【0012】
本実施形態においては、第1の電子機器1、第2の電子機器2のうち、そのどちらか一方の機器から文字列などの検索条件を入力(指定)する操作が行われると、この検索条件が入力された自機と他方の機器(外部機器)とが通信可能な距離に存在していれば、両機器に備えられとている情報検索機能を利用して、自機は両方の検索結果を得るようにしている。すなわち、この複数の電子機器1、2の何れか一方の機器から検索条件を入力する操作が行われると、例えば、ユーザの所望する検索条件が文字キー操作によって入力指定されたり、検索条件の一覧からユーザの所望する検索条件が選択指定されたりすると、その機器(自機)は、自己の情報検索機能を起動してその検索結果(第1の情報)を取得すると共に、この指定された検索条件を他方の機器(外部機器)に送信して情報検索の依頼を行い、それに応答して当該他方の機器(外部機器)から検索結果(第2の情報)を受信取得する。そして、自機は、この第1の情報と第2の情報の取得状態を比較し、その比較結果に応じて第1の情報と第2の情報の表示状態を制御するようにしている。
【0013】
図2は、表示制御システム(通信システム)の動作概念(上述の検索処理)を説明するための図ある。
ここで、第1の電子機器1、第2の電子機器2のうち、検索条件の入力が行われた方の機器を操作機器と呼称し、検索条件の入力が行われない方の機器を非操作機器と呼称するものとすると、
図2(1)は、第1の電子機器(電子辞書装置)1が操作機器となり、第2の電子機器(スマートフォン又はタブレット端末)2が非操作機器となる場合を示している。この場合、第1の電子機器(操作機器)1は、指定された検索条件に基づいて内蔵辞書の検索結果(第1の情報)を取得する第1の検索書処理を実行すると共に、この第1の検索書処理の実行に並行して、この検索条件を第2の電子機器(外部機器:非操作機器)2に送信し、それに応答したインターネット上の検索結果(第2の情報)をその外部機器を経由して受信取得する第2の検索書処理を実行する。そして、第1の電子機器(操作機器)1は、検索結果(第1の情報、第2の情報)の取得状態を比較し、その比較結果に応じて第1の情報と第2の情報の表示状態を制御するようにしている。
【0014】
図2(2)は、上述の場合とは逆に、第2の電子機器(スマートフォン又はタブレット端末)2が操作機器となり、第1の電子機器(電子辞書装置)1が非操作機器となる場合を示している。この場合、第2の電子機器(操作機器)2は、指定された検索条件に基づいてインターネット上の検索結果(第1の情報)を取得する第1の検索書処理を実行すると共に、この第1の検索書処理の実行に並行して、この検索条件を第1の電子機器(外部機器:非操作機器)1に送信し、それに応答した内蔵辞書の検索結果(第2の情報)をその外部機器から受信取得する第2の検索書処理を実行する。そして、第2の電子機器(操作機器)2は、検索結果(第1の情報、第2の情報)の取得状態を比較し、その比較結果に応じて第1の情報と第2の情報の表示状態を制御するようにしている。
【0015】
このように第1の電子機器1、第2の電子機器2を、相対する概念として、場合に応じて自機又は外部機器と呼称したり、操作機器又は非操作機器と呼称したりすると、自機が操作機器であれば、外部機器は非操作機器となり、逆に自機が非操作機器であれば、外部機器は操作機器となる。また、内蔵辞書の検索結果、インターネット上の検索結果を、2種類の検索結果を表すものとして、場合に応じて第1の情報、第2の情報と呼称すると、第1の情報(内蔵辞書の検索結果、又はインターネット上の検索結果)は、自機(操作機器)の検索機能で得られた情報(自機の検索結果)となり、第2の情報(内蔵辞書の検索結果、又はインターネット上の検索結果)は、外部機器(非操作機器)の検索機能で得られた情報(外部機器の検索結果)となる。
【0016】
第1の電子機器(電子辞書装置)1の中核を成す制御部11は、電源部(二次電池)12からの電力供給によって動作し、記憶部13内に格納されている各種のプログラムに応じてこの電子機器1の全体動作を制御するもので、この制御部11には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。電源部12はメイン電源及びバックアップ電源(常時電源)を有し、他の電子機器からの電源オン要求に応じてメイン電源をオンする機能を備えている。記憶部13は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、
図4〜
図7に示した動作手順に応じて第1実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されている。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、USBメモリなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0017】
センサ部14は、ユーザが表示画面を利用可能(閲覧可能)な状態であるか否かを検出するもので、蓋又は外装ケースの開閉を磁気的または光学的に検出する開閉スイッチなどの開閉センサ(図示省略)と、外部光の遮蔽状態を検出する明るさセンサ(図示省略)を有する構成となっている。このセンサ部14の開閉センサによって蓋又は外装ケースが閉じられている状態であることが検出されると、制御部11は、表示画面を利用不可能(閲覧不可能)な状態にあると判断し、また、明るさセンサによって外部光が遮蔽されている状態(例えば、機器が鞄の中に入れている状態)であることが検出されると、制御部11は、表示画面を利用不可能(閲覧不可能)な状態にあると判断する。
【0018】
操作部15は、図示省略したが、電源オン/オフを行う電源キー、アルファベットなどを入力する文字入力キーなどの各種のキーを備えている。表示部16は、高精細液晶などの表示画面を有するディスプレイ装置である。BLE通信部17は、短距離無線通信機能を構成するもので、メイン電源とは別のバックアップ電源で動作し、第2の電子機器(スマートフォン又はタブレット端末)2との間で双方向通信を行う。内蔵辞書18は、例えば、英和辞典、和英辞典、国語辞典、百科事典など電子辞書データベースを構成するもので、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)に記憶されており、それらの内容は電気的に書き換え可能となっており、第2の電子機器(スマートフォン又はタブレット端末)2を介してインターネット上のサーバ装置3に接続することにより、サーバ装置3側のデータベース31の内容をインストールして自己の内蔵辞書18に追加登録することが可能となっている。
【0019】
第2の電子機器(スマートフォン又はタブレット端末)2は、上述した第1の電子機器(電子辞書装置)1側の各構成要素(制御部11、電源部12、記憶部13、センサ部14、操作部15、表示部16、BLE通信部17)と基本的には同様の制御部21、電源部22、記憶部23、センサ部24、操作部25、表示部26、BLE通信部27の他に、インターネット接続用の広域通信部28を備えている。制御部21は、記憶部23内に格納されている各種のプログラムに応じてこの電子機器2の全体動作を制御するもので、第1の電子機器1から検索条件をBLE通信部27で受信すると、又はその操作部25から検索条件が入力されると、インターネット上のサーバ装置(検索サイト)3に接続してその検索条件を送信し、サーバ装置3に対してデータベース31の検索を依頼する。
【0020】
サーバ装置(検索サイト)3側のデータベース31は、第1の電子機器1側の内蔵辞書18よりも広範囲で詳細な情報(例えば、各種の辞書の他に、地図情報、歴史情報、ニュース情報、その他の最新情報、画像情報など)を記憶するもので、サーバ装置3は、第2の電子機器2から検索依頼を受けると、その依頼と共に受信した検索条件に基づいてデータベース31を検索し、その検索条件に該当する検索結果をその依頼元である第2の電子機器2に対して送信する。
【0021】
図3は、第1の情報及び第2の情報の取得状態と第1の電子機器1及び第2の電子機器2の処理の内容(情報検索、検索結果の表示)との関係を説明するための図である。
(1)、第1の情報と第2の情報の取得状態(取得までの早さ)に応じて、その早く取得した方の情報を優先して表示する。
(2)、両機器が、無線通信が可能な状態(両機器の間が通信可能な距離)であれば、その両機器で情報検索を実行する。
(3)、両機器の無線通信が不可能な状態であれば、つまり、両機器が通信不可能な距離に離れていれば、操作機器のみで情報検索を実行する。
(4)、両機器の表示画面を同時に見られる状態、つまり、両機器が所定の距離内に存在している場合であって、かつ非操作機器の表示画面を利用可能(閲覧可能)な状態(例えば、鞄の中に入れられていない状態で、蓋や外装ケースが閉められていない状態)であれば、両方の機器で検索結果(第1の情報と第2の情報)を表示する。
(5)、両機器の表示画面を同時に見られない状態、又は非操作機器の表示画面を利用不可能(閲覧不可能)な状態であれば、操作機器のみで2つの検索結果(第1の情報と第2の情報)を切り替え表示する。
【0022】
次に、第1実施形態における表示制御システムの動作概念を
図4〜
図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体の他に、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。なお、
図4〜
図7は、第1の電子機器1及び第2の電子機器2の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この
図4〜
図7のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0023】
図4は、第1の電子機器1又は第2の電子機器2において、一定時間の割り込みで実行開始される第1実施形態の特徴的な動作(入力操作による検索処理)を説明するためのフローチャートである。
まず、第1の電子機器1又は第2の電子機器2は、ユーザの所望する検索条件が文字キー操作によって入力指定されたり、検索条件の一覧からユーザの所望する検索条件が選択指定されたりしたかを調べ(ステップA1)、検索条件が指定されなければ(ステップA1でNO)、後述するステップA7に移るが、検索条件が指定されると(ステップA1でYES)、以下、その電子機器は、操作機器として動作し、他の電子機器は、非操作機器として動作する。この場合、検索条件が指定された電子機器は、自機が操作機器であることを自機及び他の電子機器(外部機器)1に対して宣言するようにしている。
【0024】
操作機器は、指定された検索条件に基づいて自機の検索機能で検索処理を開始する(ステップA2)。すなわち、操作機器が第1の電子機器1であれば、検索条件に基づいて内蔵辞書18を利用した検索を開始するが、操作機器が第2の電子機器2であれば、インターネット上のサーバ装置(検索サイト)3を利用した検索を開始する。そして、ペアリングした他の電子機器(外部機器:非操作機器)と無線通信が可能な状態であるか、つまり、第1の電子機器1と第2の電子機器2との間は、無線電波が正常に到達する範囲内の距離であるかを調べる(ステップA3)。
【0025】
ここで、両機器の間で無線通信が不可能な状態であれば(ステップA3でYES)、両機器が離れすぎているため、ステップA7に移り、自機の検索処理は完了したかを調べるが、いま、両機器の間で無線通信が可能な状態(距離)であれば(ステップA3でYES)、そのペアリングした外部機器をアクセスしてそのメイン電源はオンされているかを調べ(ステップA4)、その外部機器のメイン電源がオフ状態であれば(ステップA4でNO)、無線通信によりメイン電源のオン要求をその外部機器に送信する(ステップA5)。そして、自機と外部機器の両方で情報検索を実行させるために、上述のステップA1で入力操作された同じ検索条件をその外部機器にも送信する(ステップA6)。その後、上述のステップA7に移る。
【0026】
一方、ペアリングした外部機器と無線通信が不可能な状態(距離)であれば(ステップA3でNO)、自機のみで情報検索を実行するために上述のステップA4〜A6をスキップしてステップA7に移る。ここで、自機の検索処理が完了していなければ(ステップA7でNO)、
図4のフローから抜けるが、つまり、自機の検索処理が完了し、検索条件に該当する第1の情報(内蔵辞書の検索結果、又はインターネット上の検索結果)を取得した場合には(ステップA7でYES)、自機及び外部機器に対して検索処理の完了を通知(ステップA8)した後、
図4のフローから抜ける。
【0027】
図5は、非操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2において、一定時間の割り込みで実行開始される第1実施形態の特徴的な動作(外部要求による検索処理)を説明するためのフローチャートである。
まず、非操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2は、外部機器(操作機器)からメイン電源のオン要求を受信したかを調べ(ステップB1)、その電源のオン要求を受信しなければ(ステップB1でNO)、次のステップB3に移るが、電源オン要求を受信すると(ステップB1でYES)、その要求に応答してメイン電源をオンさせる(ステップB2)。そして、外部機器(操作機器)から検索条件を受信したかを調べ(ステップB3)、検索条件を受信しなければ(ステップB3でNO)、ステップB5に移り、自機の検索処理は完了したかを調べるが、いま、自機の検索処理は開始前であるので、
図5のフローから抜ける。
【0028】
いま、外部機器(操作機器)から検索条件を受信すると(ステップB3でYES)、この検索条件に基づいて自機の検索機能による検索を開始させる(ステップB4)。すなわち、自機(非操作機器)が第1の電子機器1であれば、検索条件に基づいて内蔵辞書18を利用した検索を開始し、第2の電子機器2であれば、インターネット上のサーバ装置(検索サイト)3を利用した検索を開始する。そして、自機の検索は完了したか、つまり、検索条件に該当する第2の情報(内蔵辞書の検索結果、又はインターネット上の検索結果)を取得したかを調べ(ステップB5)、自機の検索が完了していなければ(ステップB5でNO)、
図5のフローから抜ける。
【0029】
また、自機の検索処理が完了すると(ステップB5でYES)、その表示画面が利用可能(閲覧可能)な状態にあるかを判断する(ステップB6)。この場合、次の各判断要素(a)〜(c)を基に表示画面を利用できるか否かの判断を行う。
(a)、両機器との無線通信時にその電波強度を検出してその電波強度に応じて両機器の距離を求め、その距離が所定距離以内であること、つまり、両機器の距離は、ユーザが両機器の表示画面を閲覧可能な距離(例えば、1m)以内であること。なお、この所定距離をユーザ操作によって任意に調整可能としてもよい。
(b)、センサ部14(又は24)を構成する開閉センサによって、機器の蓋又は外装ケースが開けられている状態が検出されていること(蓋又は外装ケースが閉じられていないこと)。
(c)、センサ部14(又は24)を構成する明るさセンサによって、所定値以上の外部光が検出されていること(例えば、表示画面が覆われたり、機器が鞄の中に入れられたりしないこと)。
【0030】
ここで、非操作機器は、各要素(a)〜(c)の全てを満たすことを条件に表示画面の利用が可能であると判断し、その1つの要素でも満たさなければ、表示画面の利用が不可能であると判断する。いま、表示画面の利用が可能であれば(ステップB7でYES)、自機及び外部機器に対して検索が完了したことを通知すると共に、その検索結果(第2の情報:内蔵辞書の検索結果、又はインターネット上の検索結果)を自機(非操作装置)の表示画面で表示する旨を外部機器(操作機器)に対して通知する(ステップB8)。そして、受信した検索条件に該当する第2の情報を自己の表示画面に表示(ステップB9)させた後、
図5のフローから抜ける。
【0031】
一方、表示画面の利用が不可能な状態であれば、つまり、両機器の間が表示画面を閲覧不可能な距離であったり、蓋又は外装ケースが閉じられていたり、機器が鞄の中に入れられていたりしている場合には(ステップB7でNO)、自機及び外部機器に対して検索処理が完了したことを通知すると共に、その検索結果(第2の情報)を自機の表示画面で表示することができない旨を外部機器(操作機器)に対して通知する(ステップB10)。更に、この第2の情報をその外部機器に送信(ステップB11)した後、
図5のフローから抜ける。
【0032】
図6は、操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2において、一定時間の割り込みで実行開始される第1実施形態の特徴的な動作(検索結果の表示処理A)を説明するためのフローチャートである。
まず、操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2は、自機(操作機器)又は外部機器(非操作機器)のどちらかで検索処理が完了したか(検索完了通知を受け取ったか)を調べ(ステップC1)、どちらかも完了していなければ(ステップC1でNO)、
図6のフローから抜けるが、どちらかの検索処理が完了してその通知を受け取ったときには(ステップC1でYES)、最初に受け取った検索完了の通知であるかを調べる(ステップC2)。
【0033】
最初の検索完了通知であれば(ステップC2でYES)、最初に検索を完了したのは外部機器であるかを調べ(ステップC3)、自機の検索の方が早ければ(ステップC3でNO)、自機の検索結果(第1の情報)をその表示画面に表示させる処理(ステップC4)を行った後、
図6のフローから抜ける。一方、最初の検索が完了したのが外部機器であれば(ステップC3でYES)、その外部機器から検索結果(第2の情報)を表示できない旨の通知(利用不可能通知)を受信したかを調べる(ステップC5)。いま、外部機器から利用不可能通知を受信しなければ(ステップC5でNO)、自機の表示画面にその検索結果(第2の情報)を表示させないで、そのまま
図6のフローから抜けるが、利用不可能通知を受信した場合には(ステップC5でYES)、外部機器からの検索結果(第2の情報)を自機の表示画面に表示させる処理(ステップC6)を行った後、
図6のフローから抜ける。
【0034】
次に、他の機器でも検索処理が完了したときには(ステップC1でYES)、最初の検索完了ではないので(ステップC2でNO)、自機の表示画面に検索結果が表示されているかを調べる(ステップC7)。ここで、最初に検索が完了した自機の検索結果(第1の情報)が表示されている場合(ステップC4)、又は最初に検索が完了した外部機器の検索結果(第2の情報)が表示されている場合には(ステップC6)、そのまま
図6のフローから抜けるが、上述のステップC5でNOと判断された場合には、検索結果(第2の情報)が表示されていないので(ステップC7でNO)、後に検索が完了した検索結果(自機の検索結果:第1の情報)を表示画面に表示させる(ステップC8)。その後、
図6のフローから抜ける。
【0035】
図7は、操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2において、一定時間の割り込みで実行開始される第1実施形態の特徴的な動作(検索結果の表示処理B)を説明するためのフローチャートである。
まず、操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2は、表示切り替え操作が行われたかを調べる(ステップD1)。ここでり、自機の表示画面に表示されている検出結果を他の検索結果に切り替えるユーザ操作(表示切り替え操作)が行われなければ(ステップD1でNO)、
図7のフローから抜けるが、表示切り替え操作が行われると(ステップD1でYES)、全ての検索処理が完了しているかを調べる(ステップD2)。いま、全ての検索処理が完了していなければ(ステップD2でNO)、今回の操作(表示切り替え操作)を無効とするために
図7のフローから抜ける。
【0036】
表示切り替え操作時に、全ての検索処理が完了していれば(ステップD2でYES)、自機の表示画面に表示されている検索結果は第2の情報か、つまり、外部機器からの検索結果であるかを調べ(ステップD3)、表示中の情報が第2の情報(外部機器からの検索結果)であれば(ステップD3でYES)、この第2の情報に代えて自機の検索結果(第1の情報)に切り替え表示させる(ステップD4)。すなわち、最初に検索が完了した外部機器の検索結果(第2の情報)を、後に検索が完了した自機の検索結果(第1の情報)に切り替え表示させる。
【0037】
一方、表示中の検索結果が第1の情報で自機の検索結果であれば(ステップD3でNO)、外部機器から表示画面の利用不可能通知を受信しているかを調べ(ステップD5)、受信していなければ(ステップD5でNO)、今回の操作(表示切り替え操作)を無効とするために
図7のフローから抜けるが、利用不可能通知を受信していれば(ステップD5でYES)、自機の検索結果(第1の情報)に代えて外部機器からの検索結果(第2の情報)に切り替え表示させる(ステップD6)。すなわち、最初に検索が完了した自機の検索結果(第1の情報)を、後に検索が完了した外部機器の検索結果(第2の情報)に切り替え表示させる。その後、
図7のフローから抜ける。
【0038】
以上のように、第1実施形態において第1の電子機器1又は第2の電子機器2は、検索条件の指定に応じて、その検索条件に対応する第1の情報を検索して取得する第1の検索処理と、この第1の検索処理と並行して、この検索条件を外部機器に送信し、その送信に応じて外部機器により検索された第2の情報を外部機器から受信して取得する第2の検索処理を行い、この第1の情報と第2の情報の取得状態を比較し、その比較結果に応じて第1の情報と第2の情報の表示状態を制御するようにしたので、複数の機器の検索機能又は表示機能をより効果的に利用することができる。
【0039】
第1の情報と第2の情報の取得状態の比較は、第1の情報と第2の情報とが取得されるまでの早さの比較であり、表示状態の制御は、第1の情報と第2の情報のうち、より取得の早い方を優先して表示させる制御であるので、検索処理に時間差があっても、遅い方の検索が完了する前に早い方の検索結果を表示させることができる。
【0040】
第1の情報と第2の情報の表示状態の制御として、第1の情報と第2の情報のうち、取得の早い方をユーザ操作無しで表示させた後、取得の遅い方をユーザ操作に応じて表示させる制御を行うようにしたので、ユーザは取得の早い方の情報を閲覧した後、必要に応じて取得の遅い方の情報を閲覧することができる。
【0041】
操作機器が第1の電子機器1の場合に、第1の検索処理は、入力された検索条件に基づいて内蔵辞書18を検索してその検索結果を取得する処理であり、第2の検索処理は、入力された検索条件を外部機器に送信して、インターネット上のサーバ装置3の検索結果を外部機器から受信取得する処理であるので、第1の電子機器1にインターネット接続機能が備えられていなくても外部機器を経由してサーバ装置3から各種の情報を得ることができる。
【0042】
操作機器が第2の電子機器2の場合に、第1の検索処理は、指定された検索条件に基づいてインターネット上のサーバ装置3の検索結果を受信取得する処理であり、第2の検索処理は、指定された検索条件を外部機器に送信して、その外部機器の内蔵辞書18により検索された第2の情報をその外部機器から受信して取得する処理であるので、第2の電子機器2に内蔵辞書が備えられていなくても外部機器を経由して内蔵辞書から各種の情報を得ることができる。
【0043】
検索条件が指定された場合に、無線通信が可能な距離に外部機器が存在しているか否かを検出し、存在しない場合には第1の検索処理だけを実行し、存在していれば、第1の検索処理と第2の検索処理の両方を実行するようにしたので、第1の電子機器1と第2の電子機器2との距離関係(接近状態)に応じて表示状態を制御することができる。
【0044】
無線通信が可能な距離に外部機器が存在している場合においてその外部機器の表示画面を利用できれば、第1の情報を自機の表示画面に表示させ、利用できなければ、第2の情報を外部機器から受信して、第1の情報と第2の情報を自機の表示画面に表示させる制御を行うようにしたので、外部機器の表示画面を利用できない状態であってもユーザは第2の情報を自機で閲覧することが可能となる。
【0045】
外部機器の表示画面を利用できる状態か否かの判断は、無線通信の電波強度により推定される外部機器との距離関係、開閉センサの検出により推定される蓋又は外装ケースの開閉状態、明るさセンサの検出により推定される外部光の明るさ状態に基づいて判断するようにしたので、その判断を容易かつ的確に行うことが可能となる。
【0046】
外部機器のメイン電源がオン状態でない場合に、メイン電源とは別の電源で動作するBLE無線通信により外部機器のメイン電源をオン状態に移行させてから外部機器に検索条件を送信するようにしたので、外部機器のメイン電源がオフされていても、その外部機器により検索された第2の情報を外部機器経由で受信して取得することができる。
【0047】
内蔵辞書を利用して情報検索が可能な第1の電子機器1と、インターネットを利用して情報検索が可能な第2の電子機器2のうち、検索条件が指定された方を操作機器(自機)とし、検索条件が指定されない方を非操作機器(外部機器)とすることにより、第1の電子機器1、第2の電子機器2の何れも操作機器(自機)、非操作機器(外部機器)として動作させることができる。
【0048】
更に、第1実施形態の効果をまとめて言い換えると、モバイル端末である第1の電子機器1と第2の電子機器2をユーザが所有している場合に、その一方の機器から検索条件が入力されるだけで、他方の機器が通信可能な距離に存在していれば、両機器の検索機能を利用して、同一の検索条件で得られた複数の異なる検索結果を表示することができる。この場合、他方の機器の表示画面も同時に見ることができる状態であれば、両機器の表示画面には同一の検索条件で得られた複数の異なる検索結果が表示されるので、ユーザはその両画面を見比べることで、より多角的かつ詳細に情報を知ることができる。また、他方の機器の表示画面を同時に見ることができない状態であっても、一方の機器の表示画面で両方の検索結果を切り替え表示させることができるので、一度に表示できる情報量を増加させることができると共に、ユーザにとっては見やすいものとなり、より効果的な表示が可能となる。
【0049】
なお、上述した第1実施形態においては、他の検索結果の表示要求操作(表示切り替え操作)が行われる毎に、第1の情報と第2の情報とを切り替え表示するようにしたが、更に、最初の検索が完了してその検索結果が表示されている状態で、後の検索が完了した際に、後の検索が完了した旨をメッセージ表示するようにすれば、ユーザは、後の検索が完了した時点で表示切り替え操作を行うことができるようになる。
【0050】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について
図8を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、第1の情報と第2の情報のうち、より取得の早い方を表示させた後、取得の遅い方をユーザ操作(表示切り替え操作)に応じて切り換え表示させるようにしたが、この第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、第1の情報と第2の情報のうち、より取得の早い方を優先的に表示させるが、ユーザ操作によらず、第1の情報と第2の情報とを比較し、取得の遅い方であっても、情報量が多い、又は重要度が高ければ、その遅い方に切り替え表示させるようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0051】
図8は、第2実施形態において、操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2において、一定時間の割り込みで実行開始される第2実施形態の特徴的な動作(検索結果の表示処理C)を説明するためのフローチャートである。すなわち、
図8の表示処理Cは、第1実施形態で示した
図7の表示処理Bに代わって実行されるもので、その他の処理(
図4〜
図6で示した動作)は、第1実施形態と基本的に同様であるため、その説明は省略するものとする。
まず、操作機器として動作する第1の電子機器1又は第2の電子機器2は、全ての検索処理が完了したかを調べ(ステップE1)、全ての検索処理が完了していなければ(ステップE1でNO)、
図8のフローから抜けるが、全ての検索処理が完了していれば(ステップE1でYES)、自機の表示画面に表示されている検索結果は、外部機器からの第2の情報であるかを調べる(ステップE2)。
【0052】
いま、外部機器からの検索結果(第2の情報)が表示されている状態において(ステップE2でYES)、自機の検索で得られた第1の情報と第2の情報とを比較して、第1の情報は第2の情報に比べて重要度が高いか、又は情報量が多いかを調べる(ステップE3)。例えば、空白や無意味な情報を除いた情報量(実質的な情報量)の多さを比較したり、特定のキーワードが含まれているか否か、最新情報か否か、情報の提供元などによって重要度が高いか否かを比較したりする。
【0053】
その結果、第1の情報が第2の情報よりも重要度が低い、又は情報量が少なければ(ステップE3でNO)、外部機器からの検索結果(第2の情報)をそのまま継続表示させるために
図8のフローから抜けるが、第1の情報の方が第2の情報よりも重要度が高い、又は情報量が多ければ(ステップE3でYES)、第2の情報に代えて第1の情報に切り替え表示させる(ステップE4)。すなわち、最初に検索が完了した外部機器の検索結果(第2の情報)を、後に検索が完了した自機の検索結果(第2の情報よりも重要度が高い、又は情報量が多い第1の情報)に切り替え表示させる。
【0054】
また、第1の情報が表示されている状態において(ステップE2でNO)、外部機器から検索結果を表示できない旨の通知(表示画面の利用不可能通知)を受信しているかを調べ(ステップE5)、その利用不可能通知を受信していなければ(ステップE5でNO)、
図8のフローから抜けるが、利用不可能通知を受信していれば(ステップE5でYES)、第1の情報と第2の情報とを比較し、第2の情報は第1の情報よりも重要度が高いか、又は情報量が多いかを調べる(ステップE6)。いま、第2の情報が第1の情報よりも重要度が低い、又は情報量が少なければ(ステップE6でNO)、第1の情報をそのまま継続表示させるために
図8のフローから抜けるが、第2の情報の方が第1の情報よりも重要度が高い、又は情報量が多ければ(ステップE6でYES)、第1の情報に代えて第2の情報に切り替え表示させる(ステップE7)。すなわち、最初に検索が完了した自機の検索結果(第1の情報)を、後に検索が完了した外部機器の検索結果(第2の情報)に切り替え表示させる。その後、
図8のフローから抜ける。
【0055】
以上のように、第2実施形態においては、第1の情報と第2の情報の取得状態として、それらの情報量又は重要度を比較し、より情報量が多い、又はより重要度が高い方を優先して表示させるようにしたので、ユーザにあっては、より価値の高い情報を閲覧することができる。
【0056】
第1の情報と第2の情報のうち、より取得の早い方を最初に表示させた後、取得の遅い方を、情報量がより多い、又は重要度がより高いことを条件に表示させるようにしたので、ユーザにあっては検索処理に時間差があっても取得の早い方から閲覧することができると共に、後でより価値の高い情報を閲覧することができる。
【0057】
なお、上述した第2実施形態においては、第1の情報と第2の情報のうち、より取得の早い方を最初に表示させた後、取得の遅い方を、情報量がより多い、又は重要度がより高いことを条件に表示するようにしたが、更に、表示中の情報よりも情報量がより多い、又は重要度がより高い情報が存在している旨をメッセージ表示した後、ユーザ操作(表示切り替え操作)を受け付けるようにしてもよい。
【0058】
<変形例1>
上述した各実施形態においては、第1の情報と第2の情報のうち、より取得の早い方を優先して表示するようにしたが、第1の情報と第2の情報を取得してから表示までの時間に差がある場合に、表示するまでの早さを比較し、より表示の早い方を優先して表示するようにしてもよい。例えば、受信した第2の情報を早く取得してもそのHTML(Hyper Text Markup Language)ファイルを解釈して表示するまでに時間がかかる場合には、取得の早さよりも表示の早い方を優先して表示するようにしてもよい。更に、取得するまでの早さを比較するか、表示するまでの早さを比較するかをユーザ操作に応じて任意に選択可能としたり、所定の条件成立に応じて選択可能としたりするようにしてもよい。これによって機器の違いや接続先などに応じた制御が可能となり、より実用性の高いものとなる。
【0059】
<変形例2>
上述した各実施形態において非操作機器は、外部機器の表示画面の利用が可能であれば(
図5のステップB7でYES)、検索結果(第2の情報)を表示させ(ステップB9)、表示画面の利用が不可能であれば(ステップB7でNO)、第2の情報を操作機器に送信(ステップB11)するようにしたが、表示画面の利用が可能な場合でも第2の情報を操作機器に送信するようにしてもよい。この検索結果を受信した操作機器側ではそれを記憶保持しておき、後で切り替え表示時、例えば、
図7のステップD5でNOの場合にその検索結果(第2の情報)を読み出して切り替え表示させるようにしてもよい。又は、
図8のステップE5でNOと判断された場合であって、更に第2の情報が第1の情報よりも重要度が高いか、又は情報量が多いと判断されたことを条件に、読み出して切り替え表示させるようにしてもよい。
【0060】
<変形例3>
上述した各実施形態においては、第1の情報と第2の情報をユーザ操作に応じて切り替え表示したり、重要度や情報量に応じて切り替え表示したりするようにしたが、第1の情報と第2の情報を一定時間毎に時分割に切り替え表示するようにしてもよい。また、第1の情報と第2の情報を同一の表示画面に同時に分割して表示するようにしてもよい。
更に、上述した各実施形態においては、操作機器側で第1の情報と第2の情報を切り替え表示するようにしたが、非操作機器側でも第1の情報と第2の情報を切り替え表示したり、一定時間毎に時分割に切り替え表示したり、同一の表示画面に同時に表示したりするようにしてもよい。
【0061】
また、上述した各実施形態においては、第1の電子機器1、第2の電子機器2を含む表示制御システム(通信システム)に適用した場合を例示したが、3台以上の電子機器を含む表示制御システムに適用するようにしてもよい。この場合、いずれか1台の機器を操作機器とし、他の全ての機器を非操作機器としてもよく、または複数台の機器を操作機器としてもよい。このように3台以上の電子機器を含む表示制御システムの場合には、3種類以上の情報(検索結果)を切り替え表示、時分割表示、同時表示の何れかでその表示状態を制御するようにしてもよい。
【0062】
上述した各実施形態においては、内蔵辞書を利用して情報検索が可能な第1の電子機器1として電子辞書装置に適用した場合を示し、インターネットを利用して情報検索が可能な第2の電子機器2としてスマートフォン(多機能型携帯電話)又はタブレット端末に適用した場合を示したが、これに限らず、パーソナルコンピュータ、PDA(個人向け携帯型情報通信機器)、電子ゲーム、音楽プレイヤー、電子腕時計などに適用するようにしてもよい。また、内蔵辞書を利用した情報検索やインターネットを利用した情報検索に限らないことは勿論である。この場合、第1の電子機器1及び第2の電子機器2は、電子辞書装置同士であってもよく、例えば、一方の電子辞書装置は和英辞書、他方の電子辞書装置は、和独辞書を検索して、指定された検索条件(日本語文字列)に該当する検索結果として英語及び独逸語の翻訳文字列を、その検索結果の取得状態に基づいてその表示状態を制御するようにしてもよい。更に、第1の電子機器1及び第2の電子機器2は、通信機能を備えた電子腕時計(スマートウオッチ)とスマートフォンの関係であってもよい。
【0063】
上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0064】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
検索条件の指定に応じて、その検索条件に対応する第1の情報を第1の記憶手段から検索する第1の検索処理手段と、
前記第1の検索処理手段の実行と並行して、前記指定された検索条件を外部機器に送信することにより、前記指定された検索条件に対応する第2の情報を前記外部機器が有する第2の記憶手段から検索する第2の検索処理手段と、
前記検索に応じた前記第1の情報と前記第2の情報の取得状態を比較し、その比較結果に応じて前記第1の情報と前記第2の情報の表示状態を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、
前記第1の検索処理手段は、前記検索条件の指定に応じて、その検索条件に対応する第1の情報を第1の記憶手段から検索して取得し、
前記第2の検索処理手段は、前記第1の検索処理手段の実行と並行して、前記指定された検索条件を外部機器に送信し、その送信に応じて第2の記憶手段から検索された第2の情報を前記外部機器から受信して取得する、
ことを特徴とする。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電子機器において、
前記制御手段による前記取得状態の比較は、前記第1の情報と前記第2の情報とが取得されるまでの早さの比較であり、前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、取得の早い方を優先して表示させる制御である、
ことを特徴とする。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電子機器において、
前記制御手段による前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、取得の早い方をユーザ操作無しで表示させた後、取得の遅い方をユーザ操作に応じて表示させる制御である、
ことを特徴とする。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の電子機器において、
前記制御手段による前記取得状態の比較は、前記第1の情報と前記第2の情報との情報量又は重要度の比較であり、前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、より情報量の多い方、又はより重要度が高い方を優先して表示させる制御である、
ことを特徴とする。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電子機器において、
前記表示状態の制御は、前記第1の情報と前記第2の情報のうち、より取得の早い方を最初に表示させた後、取得の遅い方を、その情報量がより多い、又は重要度がより高いことを条件に表示させる制御である、
ことを特徴とする。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電子機器において、
前記第1の記憶手段は内蔵辞書であり、
前記第2の記憶手段は、インターネット上のサーバ装置であり、
前記第2の検索処理手段は、前記検索条件に応じて外部機器がインターネット上のサーバ装置との通信によって取得した前記第2の情報をその外部機器を経由して受信取得する、
ことを特徴とする。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電子機器において、
前記第1の記憶手段は、インターネット上のサーバ装置であり、
前記第1の検索処理手段は、検索条件の指定に応じて、インターネット上のサーバ装置により検索された前記第1の情報をそのサーバ装置から受信取得し、
前記第2の記憶手段は、前記外部機器の内蔵辞書であり、
前記第2の検索処理手段は、前記指定された検索条件に応じて前記外部機器の内蔵辞書により検索された前記第2の情報をその外部機器から受信取得する、
ことを特徴とする。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電子機器において、
前記検索条件が指定された場合に、無線通信が可能な距離に前記外部機器が存在しているか否かを検出する検出手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記検出手段によって存在しないことが検出された場合には前記第1の検索処理手段だけの実行を指示し、存在することが検出された場合には、前記第1の検索処理手段と前記第2の検索処理手段の両方の実行を指示する制御を行う、
ことを特徴とする。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の電子機器において、
無線通信が可能な距離に前記外部機器が存在している場合に、その外部機器の表示画面を利用できるか否かを示す通知をその外部機器から受信する通知受信手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記通知受信手段が外部機器の表示画面を利用できる旨の通知であれば、前記第1の情報を当該電子機器の表示画面に表示させ、外部機器の表示画面を利用できない旨の通知であれば、前記第2の情報を前記外部機器から受信して、前記第1の情報と前記第2の情報を当該電子機器の表示画面に表示させる制御を行う、
ことを特徴とする。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の電子機器において、
前記外部機器の表示画面を利用できる状態か否かの判断は、無線通信の電波強度により推定される外部機器との距離関係、開閉センサの検出により推定される蓋又は外装ケースの開閉状態、明るさセンサの検出により推定される外部光の明るさ状態のうちの、1又は複数の条件により判断する、
ことを特徴とする。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項9に記載の電子機器において、
メイン電源とは別の電源で動作するBLE無線通信手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記外部機器のメイン電源がオン状態でない場合には、前記BLE無線通信により他方の外部機器のメイン電源をオン状態に移行させてから前記第2の検索処理手段によるその外部機器への前記検索条件の送信を開始させる制御を行う、
ことを特徴とする。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の何れか1項に記載の電子機器において、
内蔵辞書を利用して情報検索が可能な第1機器と、インターネットを利用して情報検索が可能な第2機器のうち、どちらの機器からでも前記検索条件の指定が可能であり、前記検索条件の指定が行われた方を当該電子機器とし、検索条件の指定が行われていない方を前記外部機器とする、
ことを特徴とする。
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項2に記載の電子機器において、
前記制御手段は、前記第1の情報と前記第2の情報を取得してから表示までの時間に差がある場合に、取得するまでの早さを比較するか、表示するまでの早さを比較するかを選択可能に制御する、
ことを特徴とする。
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、
電子機器における表示制御方法であって、
検索条件の指定に応じて、その検索条件に対応する第1の情報を第1の記憶手段から検索する処理と、
前記検索処理の実行と並行して、前記指定された検索条件を外部機器に送信することにより、前記指定された検索条件に対応する第2の情報を前記外部機器が有する第2の記憶手段から検索する処理と、
前記検索に応じた前記第1の情報と前記第2の情報の取得状態を比較し、その比較結果に応じて前記第1の情報と前記第2の情報の表示状態を制御する処理と、
を含むことを特徴とする。
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、
電子機器のコンピュータに対して、
検索条件の指定に応じて、その検索条件に対応する第1の情報を第1の記憶手段から検索する機能と、
前記検索処理の実行と並行して、前記指定された検索条件を外部機器に送信することにより、前記指定された検索条件に対応する第2の情報を前記外部機器が有する第2の記憶手段から検索する機能と、
前記検索に応じた前記第1の情報と前記第2の情報の取得状態を比較し、その比較結果に応じて前記第1の情報と前記第2の情報の表示状態を制御する機能と、
を実現させるためのプログラムである。