特許第6873429号(P6873429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社名古屋山尚の特許一覧

<>
  • 特許6873429-バケットへのブレーカー取付構造 図000002
  • 特許6873429-バケットへのブレーカー取付構造 図000003
  • 特許6873429-バケットへのブレーカー取付構造 図000004
  • 特許6873429-バケットへのブレーカー取付構造 図000005
  • 特許6873429-バケットへのブレーカー取付構造 図000006
  • 特許6873429-バケットへのブレーカー取付構造 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873429
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】バケットへのブレーカー取付構造
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   E02F3/40 B
   E02F3/40 D
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-73394(P2017-73394)
(22)【出願日】2017年4月3日
(65)【公開番号】特開2018-178358(P2018-178358A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】513294024
【氏名又は名称】株式会社名古屋山尚
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安井 俊介
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04087010(US,A)
【文献】 登録実用新案第3051321(JP,U)
【文献】 実開昭55−076207(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットと、その背面に取付けられたブレーカーとを含むバケットへのブレーカー取付構造であって、
バケットの背面上部に、軸受用凹部を備えた左右一対の平板を取付け、またバケットの背面下部に、軸受用筒体を水平に取り付け、
ブレーカーのブラケットには、水平軸とその下方に位置する取付穴とを形成し、
ブレーカーの水平軸を前記軸受用凹部に支持させ、ブレーカーの取付穴を前記軸受用筒体の両端に合わせたうえ、貫通軸を差し込むことにより、バケットの背面にブレーカーを取付けことを特徴とするバケットへのブレーカー取付構造。
【請求項2】
前記左右一対の平板を、バケットをバケット揺動用リンクと連結するバケット連結ピンの直下に配置したことを特徴とする請求項1に記載のバケットへのブレーカー取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットへのブレーカー取付構造に関するものである。なおブレーカーとはチゼルに衝撃を加えてコンクリートを破砕する場合等に用いられるアタッチメントであり、アイヨンと通称されているものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルカーなどの建設機械は、例えば特許文献1、特許文献2に示されるように、アームの先端に各種のアタッチメントを着脱自在に取り付けて所要の作業を行わせるものである。これらのアタッチメントとしては、コンクリートを破砕するブレーカー、破砕物や土砂をすくい上げるバケット、杭打ち具などが代表的なものである。
【0003】
油圧ショベルカーでは、アームの先端にバケットを取付けて作業することが多く、バケットが基本的なアタッチメントである。このためアタッチメントとしてブレーカー(アイヨン)を使用したい場合には、アームの先端からいったんバケットを取り外したうえで、ブレーカーを取付ける作業が必要となっていた。特にバケットによる作業とブレーカーによる作業とを交互に行いたい場合には、アタッチメントの交換頻度が高まり、作業性を著しく低下させるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−105236号公報
【特許文献2】特開2015−1079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、アームの先端にバケットとブレーカーとの両方を取付けることができる新規なバケットへのブレーカー取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた本発明のバケットへのブレーカー取付構造は、建設機械のアームの先端に取り付けられたバケットと、その背面に取付けられたブレーカーとを含むバケットへのブレーカー取付構造であって、バケットの背面上部に、軸受用凹部を備えた左右一対の平板を取付け、またバケットの背面下部に、軸受用筒体を水平に取り付け、ブレーカーのブラケットには、水平軸とその下方に位置する取付穴とを形成し、ブレーカーの水平軸を前記軸受用凹部に支持させ、ブレーカーの取付穴を前記軸受用筒体の両端に合わせたうえ、貫通軸を差し込むことにより、バケットの背面にブレーカーを取付けことを特徴とするものである。
【0007】
なお請求項2のように、前記左右一対の平板を、バケットをバケット揺動用リンクと連結するバケット連結ピンの直下に配置した構造とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アームの先端のバケットの背面にブレーカーを直接取付けることができるので、バケットによる作業とブレーカーによる作業とを交互に行いたいような場合に、バケットを上方に回転させるだけでブレーカーを使用することが可能となる。このためバケットを取り外したり取り付けたりするアタッチメントの交換作業が不要となり、作業性を大きく向上させることが可能となる。
【0009】
また、前記左右一対の平板をバケットをバケット揺動用リンクと連結するバケット連結ピンの直下に配置すれば、バケットの背面上部における平板と軸受用筒体との距離を十分に取ることができ、ブレーカーを確実に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】バケットを取付けた油圧ショベルカーを示す側面図である。
図2】バケットの側面図である。
図3】ブレーカーの説明図である。
図4図3の右側面図である。
図5】バケットにブレーカーを取付けた油圧ショベルカーを示す側面図である。
図6】使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1はバケットを取付けた油圧ショベルカーを示す説明図であり、1はクローラ式の下部走行体、2はその上部に地面に対して垂直な旋回軸3を中心として旋回自在に搭載された上部旋回体である。上部旋回体2の前面上部にはブーム4が設けられている。このブーム4は油圧式のブームシリンダ5によって昇降させることができる。
【0012】
ブーム4の先端にはアーム取付軸6によってアーム7が枢着されている。ブーム4の上方には油圧式のアームシリンダ8が設けられており、その先端はアーム7の基部のブラケット9に、アームシリンダ連結ピン10によって連結されている。このためアーム7はアーム取付軸6を中心として、上下に回転させることができる。
【0013】
アーム7の先端には、バケット取付ピン11によってバケット12が枢着されている。またアーム7の外側には油圧式のバケットシリンダ13が設けられている。バケットシリンダ13の基部はバケットシリンダ取付ピン14によって前記ブラケット8に連結されている。またバケットシリンダ13の先端は、バケットシリンダ連結ピン14によって、メインリンク15とアイドラリンク16とに連結されている。
【0014】
メインリンク15の他端はバケット連結ピン17によってバケット12の先端部に連結され、アイドラリンク16の他端はアーム連結ピン18によってアーム7の先端部に連結されてバケット揺動用リンクを構成している。このため、バケットシリンダ13を収縮させるとバケット12はバケット取付ピン11を中心として上方に回転し、バケットシリンダ13を伸張させるとバケット12は下向きに回転させることができる。
【0015】
以上に説明した構成は従来の油圧ショベルカーと同様であるが、本発明においては、バケット12の背面に左右一対の平板19と、軸受用筒体20とが取り付けられている。図2に示すように、左右一対の平板19はその上側に略半円状の軸受用凹部21を備えており、バケット12の背面上部に、好ましくはバケット連結ピン17の直下に配置されている。また軸受用筒体20は、バケット12の背面下部に水平に取り付けられている。本実施形態では、これらの平板19と軸受用筒体20はバケット12の背面に溶接されているが、取付方法は任意である。
【0016】
一方、図3に示すように、ブレーカー30はその先端にチゼル31を備え、ブレーカー30の側面には左右一対の平板32からなるブラケット33が取り付けられている。このブラケット33の上部には水平軸34が設けられている。この水平軸34はブラケット33の左右一対の平板32、32間に取り付けられている。
【0017】
ブラケット33の水平軸34よりも下方位置には、取付穴35が形成されている。取付穴35はブラケット33の左右一対の平板32、32に形成された貫通穴である。水平軸33と取付穴34との距離は、軸受用凹部21と軸受用筒体20との距離と同一である。またブラケット33の左右の32、32間の距離は、軸受用筒体20の長さよりも僅かに大きくなっている。
【0018】
なお図3に示される36は、ブレーカー30に作動用の油圧を供給する油圧ホースである。
【0019】
上記した構造のブレーカー30をバケット12の背面に取り付けるには、ブレーカー30の水平軸34をバケット12の軸受用凹部21に支持させ、ブレーカー30の取付穴35を軸受用筒体20の両端に合わせたうえ、取付穴35と軸受用筒体20を貫通させて貫通軸37を人手により差し込む。この作業は、ブレーカー30を地面に倒した状態で置き、バケット12の軸受用凹部21によりブレーカー30の水平軸34を持ち上げる方法で行うことができる。この結果、図5に示すようにブレーカー30をバケット12の背面に取り付けることができる。その後、ブレーカー30の油圧ホース36をアーム7側から延びるジョイント38に接続する。
【0020】
図5図6に示すように、バケット12の背面が上下方向になるようにバケット12を回転させれば、ブレーカー30も上下方向を向くこととなるので、ブレーカー30を用いてコンクリートを破砕したり、図6に示すように杭40の上端に衝撃を加えて杭40を地面に打ち込んだりすることができる。
【0021】
またこのブレーカー30は、貫通軸37を引き抜けば容易にバケット12から分離することができる。
【0022】
以上に説明したように、従来はアーム7の先端からバケット12を取り外し、ブレーカー30を取付ける2段階の工程が必要であったが、本発明のバケットへのブレーカー取付構造によれば、バケット12を取り外すことなくブレーカー30を容易に着脱することができるので、作業性を大幅に向上させることができる。しかも簡単な構造であるから製作コストも安価であるなど、多くの利点がある。
【符号の説明】
【0023】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 旋回軸
4 ブーム
5 ブームシリンダ
6 アーム取付軸
7 アーム
8 アームシリンダ
9 ブラケット
10 アームシリンダ連結ピン
11 バケット取付ピン
12 バケット
13 バケットシリンダ
14a バケットシリンダ取付ピン
14b バケットシリンダ連結ピン
15 メインリンク
16 アイドラリンク
17 アーム連結ピン
18 バケット連結ピン
19 平板
20 軸受用筒体
21 軸受用凹部
30 ブレーカー
31 チゼル
32 平板
33 ブラケット
34 水平軸
35 取付穴
36 油圧ホース
37 貫通軸
38 ジョイント
40 杭
図1
図2
図3
図4
図5
図6