(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係るEC化装置の動作原理)
【0011】
図1を用いて、本実施の形態に係るEC化装置(以下、単に「本装置」という。)100の概要について説明する。
図1は、本装置100と周辺装置との関わり方を説明する図である。
【0012】
図1で示すように、本装置100は、通信ネットワーク370を介して、商業施設210に設置されるセンシング手段340、ユーザー350が操作するユーザー端末360などと接続される。通信ネットワーク370は、有線・無線のどちらでも良い。
【0013】
センシング手段340は、商業施設210に設置されるカメラ装置であっても良く、本装置100は、カメラ装置340が撮影する商品250、人290の画像情報に基づいて、商品250、人290の施設内位置情報330を知ることができる。
【0014】
また、センシング手段340は、商品250、人290が備える発信器が発信し、商業施設210に設置される受信器が受信する電磁波に基づいて、商品250、人290の施設内位置330を計測する仕組みであっても良い。ユーザー350は、本装置100を利用して買い物をする人であり、ユーザー端末360は、携帯情報端末であっても、パーソナルコンピューターであっても良い。
【0015】
本装置100は、WEB上に設置される仮想店舗において買い物ができる環境を提供するものであるが、あたかも実在する商業施設210で買い物をしているような環境をユーザー端末360上で実現させるものである。本装置100は、現実の商業施設(顧客対応を行う施設)100をまるごとEC(Electronic Commerce)化し、顧客の利便性を向上させるものである。
【0016】
図1乃至7を用いて、本装置100の動作原理について説明する。
図2は、本装置100の機能ブロック図である。
図3乃至7は、後述する本装置100が備える各手段による処理を説明するための図である。
【0017】
図2で示すように、本装置100は、固定物情報記憶手段110、商品情報記憶手段120、人情報記憶手段130、位置情報記憶手段140、位置情報算出手段150、位置情報更新手段160、施設内様子表示手段170、詳細情報表示手段180、売買処理手段190、問い合わせ手段200を有する。
【0018】
固定物情報記憶手段110は、商業施設210において固定的に配置される固定物220を識別する固定物識別情報230、固定物220の外観情報240などの情報を関連付けて記憶する。固定物220は、例えば、商業施設210に設置される商品棚、通路、レジ、入口、出口、装飾物などである。外観情報240は、固定物220の大きさ、形状、模様、色彩を特定する情報であり、例えば、固定物220の画像情報であっても良い。
【0019】
図3は、固定物情報記憶手段110に記憶される情報の一例を示す図である。
図3で示すように、固定物情報記憶手段110においては、名称:商品棚、識別番号230:10001、外観情報240:(大きさ)80cm×150cm×200cm;(画像情報)棚画像.jpgなどの情報が関連付けて記憶される。また、固定物情報記憶手段110においては、名称:通路、識別番号230:10002、外観情報240:(大きさ)1000cm×150cm×0cm;(画像情報)通路画像.jpgなどの情報が関連付けて記憶される。
【0020】
商品情報記憶手段120は、商業施設210において実際に並べて販売される商品250一つ一つを識別する商品識別情報260、商品250の外観情報270、商品250の説明を含む詳細情報280などの情報を関連付けて記憶する。外観情報270は、商品250の大きさ、形状、模様、色彩を特定する情報であり、例えば、商品250の画像情報であっても良い。
【0021】
図4は、商品情報記憶手段120に記憶される情報の一例を示す図である。
図4で示すように、商品情報記憶手段120においては、名称:商品A、識別番号260:20001、外観情報270:(大きさ)30cm×20cm×3cm;(画像情報)商品画像A.jpg、詳細情報280:説明1などの情報が関連付けて記憶される。また、商品情報記憶手段120においては、名称:商品B、識別番号260:20002、外観情報270:(大きさ)30cm×5cm×100cm;(画像情報)商品画像B.jpg、詳細情報280:説明2などの情報が関連付けて記憶される。
【0022】
人情報記憶手段130は、商業施設210にいる人290を識別する人識別情報300、人290の外観情報310などの情報を関連付けて記憶する。人290は、商業施設210で働く従業員や店員であっても良く、商業施設210に来訪した客であっても良い。外観情報310は、人290の大きさ、形状、模様、色彩を特定する情報であり、例えば、人の姿を模したキャラクター(アバター)の画像情報であっても良い。
【0023】
図5は、人情報記憶手段130に記憶される情報の一例を示す図である。
図5で示すように、人情報記憶手段130においては、名称:店員A、識別番号300:30001、外観情報310:(画像情報)人物画像A.jpgなどの情報が関連付けて記憶される。また、人情報記憶手段130においては、名称:客C、識別番号300:30003、外観情報300:(画像情報)人物画像C.jpgなどの情報が関連付けて記憶される。
【0024】
位置情報記憶手段140は、識別情報230、260、300、識別情報230、260、300で識別される対象物220、250、290の第1位置情報320などの情報を関連付けて記憶する。なお、第1位置情報320は、商業施設210における対象物220、250、290の位置を表す情報であり、例えば、xyz座標系で表される情報である。
【0025】
図6は、位置情報記憶手段140に記憶される情報の一例を示す図である。
図6で示すように、位置情報記憶手段140においては、識別番号230:10001、位置情報320:(xyz座標)100,100,0などの情報が関連付けて記憶される。また、位置情報記憶手段140においては、識別番号260:20001、位置情報320:(xyz座標)300,300,50などの情報が関連付けて記憶される。
【0026】
位置情報算出手段150は、商業施設210に設置されるセンシング手段340によるセンシング結果に基づいて、識別情報260、300毎に、商業施設210における商品250及び人290の現在位置である第2位置情報330を算出する。商業施設210における商品250・人290の移動を検知するための仕組みである。
【0027】
位置情報算出手段150は、商業施設210に設置されるカメラ装置によって撮影される商品250・人290の画像情報に基づいて、商品250・人290の第2位置情報330を算出する形態としても良い。
【0028】
また、位置情報算出手段150は、商品250・人290が備える発信器が発信し、商業施設210に設置される受信器が受信する電磁波に基づいて、商品250・人290の第2位置情報330を算出する形態としても良い。位置情報算出手段150は、人290が発する声を、商業施設210に設置されるマイク装置で受信し、その受信強度等に基づいて、人290の第2位置情報330を算出する形態としても良い。
【0029】
位置情報更新手段160は、商品識別情報260・人識別情報300毎に、位置情報算出手段150によって算出された第2位置情報300に基づいて、位置情報記憶手段140に記憶される第1位置情報320を更新する。商業施設210における商品250・人290の移動を把握するための仕組みである。
【0030】
施設内様子表示手段170は、ユーザー端末360からの表示要求に応じて動作する。施設内様子表示手段170は、識別情報230、260、300それぞれについて、関連付けられる外観情報240、270、310が第1位置情報320で特定される商業施設210における位置に配置される画像をユーザー端末360上に表示させる。
【0031】
なお、施設内様子表示手段170は、商業施設210に設置されるカメラ装置が撮影する商業施設210の画像に重ねて、上記画像を表示させる形態としても良い。
【0032】
図7は、施設内様子表示手段170によってユーザー端末360上に表示される画像の一例を示す図である。
図7で示すように、施設内様子表示手段170は、現実の商業施設(顧客対応を行う施設)210について、商品棚、通路、レジ、入口、出口、装飾物、商品、従業員、客をまるごとユーザー端末360上に表示させる。
【0033】
詳細情報表示手段180は、ユーザー端末360上に表示される商品250の選択操作に基づいて、選択操作が行われた商品250に関連付けられる詳細情報280をユーザー端末360上に表示させる。詳細情報表示手段180は、ユーザー350が興味を持つ商品250に関する説明情報をユーザー350に示すことができる。
【0034】
売買処理手段190は、ユーザー端末360上に表示される商品250の購入操作に基づいて、購入操作が行われた商品250の代金決済及び発送を含む売買処理が行われる。売買処理手段190による処理は、ユーザー端末360上に表示される商品250の購入操作を受け付けた後、従来技術水準の一般的な情報処理によって実現される。
【0035】
問い合わせ手段200は、ユーザー端末360上に表示される人(従業員、店員)290に対する選択的呼び出し操作に基づいて、呼び出し操作が行われた人290が所持する情報端末を含む所定の問い合わせ先とユーザー端末360(ユーザー350)との間で会話可能な環境を確立させる。問い合わせ手段200は、ユーザー350による商品250に関する問い合わせ機能を実現するものである。
本装置100は、上記のような動作原理に基づいて、現実の商業施設(顧客対応を行う施設)210をまるごとEC化し、顧客350の利便性を向上させる。
(本実施の形態に係るEC化装置のハードウエア構成)
【0036】
図8を用いて、本装置100のハードウエア構成例について説明する。
図8は、本装置100のハードウエア構成の一例を示す図である。
図8で示すように、本装置100は、CPU(Central Processing Unit)410、ROM(Read-Only Memory)420、RAM(Random Access Memory)430、補助記憶装置440、通信I/F450、入力装置460、表示装置470、記録媒体I/F480を有する。
【0037】
CPU410は、ROM420に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM430に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、本装置100全体を制御する。ROM420は、CPU410が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM430は、CPU410でROM420に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0038】
補助記憶装置440は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置440は、記憶手段110、120、130、140を含み、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0039】
通信I/F450は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワーク370に接続し、通信機能を提供する他装置340、360とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0040】
入力装置460は、キーボードなど本装置100にデータ入力を行うための装置である。表示装置(出力装置)470は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、本装置100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。記録媒体I/F480は、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリなどの記録媒体490とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0041】
本装置100が有する各手段は、CPU410が、ROM420又は補助記憶装置440に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、本装置100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F450を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記録媒体I/F480を介して記録媒体490から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本装置100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係るEC化装置による処理例)
(1)本装置100による位置情報更新処理
【0042】
図9を用いて、本装置100による位置情報更新処理の例について説明する。
図9は、本装置100による位置情報更新処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【0043】
S10で位置情報算出手段150が、商業施設210に設置されるセンシング手段340によるセンシング結果に基づいて、識別情報260、300毎に、商業施設210における商品250及び人290の現在位置である第2位置情報330を算出する。商業施設210における商品250・人290の移動を検知するための仕組みである。
【0044】
位置情報算出手段150は、商業施設210に設置されるカメラ装置によって撮影される商品250・人290の画像情報に基づいて、商品250・人290の第2位置情報330を算出する形態としても良い。
【0045】
また、位置情報算出手段150は、商品250・人290が備える発信器が発信し、商業施設210に設置される受信器が受信する電磁波に基づいて、商品250・人290の第2位置情報330を算出する形態としても良い。位置情報算出手段150は、人290が発する声を、商業施設210に設置されるマイク装置で受信し、その受信強度等に基づいて、人290の第2位置情報330を算出する形態としても良い。
【0046】
S20で位置情報更新手段160が、商品識別情報260・人識別情報300毎に、位置情報算出手段150によって算出された第2位置情報300に基づいて、位置情報記憶手段140に記憶される第1位置情報320を更新する。
上記処理に基づいて、本装置100は、商業施設210における商品250・人290の移動を把握するための仕組みを提供する。
(2)本装置100によるEC化処理
図10を用いて、本装置100によるEC化処理の例について説明する。
図10は、本装置100によるEC化処理の一例の流れを示すフローチャートである。
S110で施設内様子表示手段170が、ユーザー端末360から、商業施設210内の様子をユーザー端末360上に表示させる要求を受け付ける。
【0047】
S120で施設内様子表示手段170が、S110の表示要求に応じて動作する。施設内様子表示手段170は、識別情報230、260、300それぞれについて、関連付けられる外観情報240、270、310が第1位置情報320で特定される商業施設210における位置に配置される画像をユーザー端末360上に表示させる。
【0048】
なお、施設内様子表示手段170は、商業施設210に設置されるカメラ装置が撮影する商業施設210の画像に重ねて、上記画像を表示させる形態としても良い。
【0049】
図7は、施設内様子表示手段170によってユーザー端末360上に表示される画像の一例を示す図である。
図7で示すように、施設内様子表示手段170は、現実の商業施設(顧客対応を行う施設)210について、商品棚、通路、レジ、入口、出口、装飾物、商品、従業員、客をまるごとユーザー端末360上に表示させる。
【0050】
S130で詳細情報表示手段180が、S120においてユーザー端末360上に表示させた商品250を選択する操作に基づいて、選択操作が行われた商品250に関連付けられる詳細情報280をユーザー端末360上に表示させる。詳細情報表示手段180は、ユーザー350が興味を持つ商品250に関する説明情報をユーザー350に示すことができる。
【0051】
S140で問い合わせ手段200が、S120においてユーザー端末360上に表示させた人(従業員、店員)290に対する呼び出し操作に基づいて、呼び出し操作が行われた人290が所持する情報端末を含む所定の問い合わせ先とユーザー端末360(ユーザー350)との間で会話可能な環境を確立させる。問い合わせ手段200は、ユーザー350による商品250に関する問い合わせ機能を実現するものである。
【0052】
S150で売買処理手段190が、S120においてユーザー端末360上に表示させた商品250を購入する操作に基づいて、購入操作が行われた商品250の代金決済及び発送を含む売買処理を行う。売買処理手段190による処理は、ユーザー端末360上に表示される商品250の購入操作を受け付けた後、従来技術水準の一般的な情報処理によって実現される。
【0053】
上記のような処理を行うことによって、本装置100は、現実の商業施設(顧客対応を行う施設)210をまるごとEC化し、顧客の利便性を向上させることができる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【解決手段】EC化装置において、商業施設の固定物、商品、人の位置情報を記憶する位置情報記憶手段140、商業施設に設置されるセンシング手段340(撮像装置、収音装置、発信器受信器)によって、商品や人の現在位置を算出し、位置情報を更新する位置情報更新手段160、画像をユーザー端末上に表示させる施設内様子表示手段170、商品の選択操作に基づき、商品の詳細情報を表示させる詳細情報表示手段180、商品の購入操作に基づいて、商品の代金決済及び発送を含む売買処理を行う販売処理手段190及び人に対する呼び出し操作に基づいて、呼び出し操作が行われた人が所持する情報端末などの問い合わせ先とユーザーとの間で会話可能な環境を確立させる問い合わせ手段200を有する。