特許第6873475号(P6873475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873475
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】排水トラップ
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/28 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   E03C1/28 B
   E03C1/28 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-138815(P2017-138815)
(22)【出願日】2017年7月18日
(65)【公開番号】特開2019-19553(P2019-19553A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年4月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】391064474
【氏名又は名称】ミヤコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】束田 勝
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−095930(JP,A)
【文献】 特開2001−032348(JP,A)
【文献】 特開平09−279655(JP,A)
【文献】 特開2008−261183(JP,A)
【文献】 特開2008−025106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12〜 1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器の排水を床板の取付穴に立ち上げられた排水管に導いて排出する排水トラップであって、
排水管と接続されて床板の取付穴周縁に固定された固定用筒体と、
前記固定用筒体に支持されて封水を確保可能なトラップ本体と、
前記固定用筒体に支持されて設備機器の排水ホースと接続可能なエルボ部材と、
前記エルボ部材に装着されるとともに、前記固定用筒体にねじ結合されて前記エルボ部材を前記固定用筒体との間で挟み込むロック部材とから構成され、
前記固定用筒体が、筒状部材と、前記筒状部材の外周に設けられたフランジ部と、前記フランジ部から前記筒状部材へ縮径する部分に設けられたテーパ部とから構成され、
前記筒状部材の外周面に接着剤を介して排水管の内周面が接着される一方、前記フランジ部が床板に固定されることを特徴とする排水トラップ。
【請求項2】
前記筒状部材の外径は前記排水管の内径と略等しく、前記テーパ部の縮径側外径は前記排水管の外径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の排水トラップ。
【請求項3】
前記筒状部材の外径は前記排水管の内径と略等しく、前記テーパ部の縮径側外径は前記排水管の外径と略等しいことを特徴とする、請求項1に記載の排水トラップ。
【請求項4】
前記固定用筒体において、前記フランジ部が前記筒状部材に着脱自在に連結されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の排水トラップ。
【請求項5】
前記フランジ部は、前記床板に固定される部分以外に開口部を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の排水トラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、設備機器の排水ホースと排水管との間に配設されて設備機器の排水を排水管に排出する排水トラップに関し、特に、排水管との接続状態(接続端面)を容易に視認(視覚を用いて確認)することのできる排水トラップに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、排水トラップは、洗濯機などの設備機器からの排水を床下に敷設された排水管に排出するために採用され、設備機器の排水ホースと接続可能なエルボ部材、エルボ部材および排水管にわたって接続可能な固定用筒体、固定用筒体に配置されて封水するトラップ本体を有し、排水管と接続されて床板に取り付けられている。そして、エルボ部材と設備機器の排水ホースとを接続することにより、設備機器からの排水をトラップ本体に導いて、臭気の逆流を防止しつつ排水管に排出する。
【0003】
このような排水トラップであって、臭気の逆流防止を実現しつつ(気密性および水密性を維持しつつ)、排水トラップと排水管との接続状態を床上から視認に加えて容易に触認することのできる排水トラップを本出願人は出願しており、特開2017−095930号公報(特許文献1)に開示されている。
この特許文献1に開示された排水トラップは、設備機器の排水を床板の取付穴に立ち上げられた排水管に導いて排出する排水トラップであって、排水管と接続されて床板の取付穴周縁に固定された固定用筒体と、前記固定用筒体に支持されて封水を確保可能なトラップ本体と、前記固定用筒体に支持されて設備機器の排水ホースと接続可能なエルボ部材と、前記エルボ部材に装着されるとともに、前記固定用筒体にねじ結合されて前記エルボ部材を前記固定用筒体との間で挟み込むロック部材とから構成され、前記固定用筒体が、筒状部材と、前記筒状部材の外周に連結されたフランジ部とから構成され、前記筒状部材の外周面に接着剤を介して排水管の内周面が接着される一方、前記フランジ部が床板に固定され、前記フランジ部は、前記床板に固定される部分以外に開口部を備えることを特徴とする。
【0004】
この排水トラップについては、フランジ部に設けられた開口部としての点検口は、点検時において点検口を閉鎖している点検板を取り外してこの排水トラップと排水管との接続状態を視覚にて確認(視認)することができるとともに、指先を点検口から挿入してこの排水トラップと排水管との接続状態を触覚にて確認(触認)することができる。そして、点検時以外において、点検口を点検板により閉鎖することにより気密性および外観上の美観を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−095930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような排水トラップを含めて住宅の品質確保の観点から、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年6月23日法律第81号、以下において品確法と記載する場合がある)により、住宅の性能に関する表示基準・評価制度を設け、住宅紛争の処理体制を整備し、新築住宅の請負契約・売買契約における瑕疵担保責任について特例を設けることにより、住宅の品質確保の促進・住宅購入者等の利益の保護・住宅紛争の迅速・適正な解決を図ることが求められている。このような品確法の下で、排水トラップについても、排水トラップと設備機器の排水を床板の取付穴に立ち上げられた排水管とを接続した後において、床上斜め上方から排水トラップと排水管との接続端面を目視にて確認できるように施工しなければならない可能性がある。
【0007】
しかしながら、たとえば、特許文献1の図1(B)の断面図に示されるように、フランジ部に設けられた点検口を開けても、床上斜め上方から排水トラップと排水管との接続端面(パイプPの上端面)を目視にて確認できない場合がある。
本発明は、従来技術の前述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、排水トラップと排水管との接続端面を床上から視認することのできる排水トラップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る排水トラップは以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明に係る排水トラップは、設備機器の排水を床板の取付穴に立ち上げられた排水管に導いて排出する排水トラップであって、排水管と接続されて床板の取付穴周縁に固定された固定用筒体と、前記固定用筒体に支持されて封水を確保可能なトラップ本体と、前記固定用筒体に支持されて設備機器の排水ホースと接続可能なエルボ部材と、前記エルボ部材に装着されるとともに、前記固定用筒体にねじ結合されて前記エルボ部材を前記固定用筒体との間で挟み込むロック部材とから構成され、前記固定用筒体が、筒状部材と、前記筒状部材の外周に設けられたフランジ部と、前記フランジ部から前記筒状部材へ縮径する部分に設けられたテーパ部とから構成され、前記筒状部材の外周面に接着剤を介して排水管の内周面が接着される一方、前記フランジ部が床板に固定されることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記筒状部材の外径は前記排水管の内径と略等しく、前記テーパ部の縮径側外径は前記排水管の外径よりも小さいように構成することができる。
さらに好ましくは、前記筒状部材の外径は前記排水管の内径と略等しく、前記テーパ部の縮径側外径は前記排水管の外径と略等しいように構成することができる。
さらに好ましくは、前記固定用筒体において、前記フランジ部が前記筒状部材に着脱自在に連結されているように構成することができる。
【0010】
さらに好ましくは、前記フランジ部は、前記床板に固定される部分以外に開口部を備えるように構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る排水トラップによると、排水トラップと排水管との接続端面を床上から視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る排水トラップ100についての外観状態を示す図であって(A)上面図、(B)排水管に接続して床板に固定した状態の断面図、(C)エルボ水平開口側から見た側面図である。
図2】排水トラップ100の分解斜視図である。
図3】排水トラップ100の固定用筒体2および化粧カバー3を含む要部についての(A)側面図、(B)側面拡大図である。
図4図3の固定用筒体2を構成するフランジ部材21についての(A)上面図、(B)側面図である。
図5図3の固定用筒体2を構成する弾性部材22についての(A)上面図、(B)側面図、(C)側面拡大図である。
図6図3の固定用筒体2を構成する筒状部材23についての(A)上面図、(B)側面図、(C)側面拡大図である。
図7】本発明に係る排水トラップ100を排水管Pへ接続した施工状態を示す図であって(A)正常な排水管Pとの接続状態を示す断面図、(B)約3度傾いて立ち上がってきた排水管Pとの接続状態を示す断面図、(C)床表面FLよりも上方で切断された排水管Pとの接続状態を示す断面図、(D)床表面FLよりも下方で切断された排水管Pとの接続状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の実施の形態に係る排水トラップ100について、図1図6を参照してその構造を説明し、その後に図7を参照してその施工状態を説明する。
[排水トラップの概略構造]
排水トラップ100についての外観状態を示す上面図を図1(A)に、排水管Pに接続
して床板Fに固定した状態の断面図を図1(B)に、外観状態を示すエルボ部材5の水平開口側から見た側面図を図1(C)にそれぞれ示す。また、排水トラップ100の分解斜視図を図2に示す。さらに、排水トラップ100の固定用筒体2および化粧カバー3を含む要部を組み立てた状態についての側面図を図3(A)に、その拡大図を図3(B)に示す。
【0014】
図4図6は、固定用筒体2を構成する、フランジ部材21(図4)、弾性部材22(図5)および筒状部材23(図6)についての部品図である。フランジ部材21についての上面図を図4(A)にその側面図を図4(B)に、弾性部材22についての上面図を図5(A)にその側面図を図5(B)にその側面拡大図を図5(C)に、筒状部材23についての上面図を図6(A)にその側面図を図6(B)にその側面拡大図を図6(C)にそれぞれ示す。
【0015】
なお、以下においては、この排水トラップ100は、これらの図1図6に示すように、設備機器の排水を床板Fの取付穴FAに立ち上げられた排水管Pに導いて排出する排水トラップであって、排水管Pと接続されて床板Fの取付穴FA周縁に固定された固定用筒体2と、固定用筒体2に支持されて封水を確保可能なトラップ本体4と、固定用筒体2に支持されて設備機器の排水ホースと接続可能なエルボ部材5と、エルボ部材5に装着されるとともに、固定用筒体2にねじ結合されてエルボ部材5を固定用筒体2との間で挟み込むロック部材6とから構成され、固定用筒体2の筒状部材23(の外周面)に接着剤を介して排水管P(の内周面)が接着される一方、固定用筒体2のフランジ部材21が床板Fに固定される。
【0016】
そして、この排水トラップ100の特徴的な構造は、
(A)固定用筒体2が、筒状部材23と、筒状部材23の外周に設けられたフランジ部材21と、フランジ部材21から筒状部材23へ縮径する部分に設けられたテーパ部23Cとから構成されている点、
(B)固定用筒体2が、筒状部材23と、筒状部材23の外周に筒状部材23に着脱自在に設けられた円環形状のフランジ部材21と、筒状部材23とフランジ部材21との間に設けられる弾性部材22とから構成されている点、
である。
【0017】
なお、本発明に係る排水トラップにおいては、(A)および(B)の少なくともいずれか1つを備えればよいが、本実施の形態に係る排水トラップ100は(A)および(B)を備えるものとして以下において詳しく説明する。ここで、(B)を少なくとも備える場合にはフランジ部材21は筒状部材23に着脱自在に設けられる必要があるが、(A)を備えるが(B)を備えない場合にはこのようにフランジ部材21が筒状部材23に着脱自在に設けられる必要はなくフランジ部材21は筒状部材23と一体型であっても分離型であっても構わない。本実施の形態に係る排水トラップ100は、前述したように(A)および(B)を備えるために、フランジ部材21は筒状部材23と分離型であることになる。
【0018】
図1図6を参照して、本実施の形態に係る排水トラップ100の構造について詳しく説明する。
この排水トラップ100は、大略的には、排水管Pと接続されるとともに、床板Fに形成された取付穴FAの周縁に固定される固定用筒体2と、固定用筒体2に装着された化粧カバー3と、固定用筒体2に支持されたトラップ本体4と、トラップ本体4に嵌挿されて固定用筒体2に支持されたエルボ部材5と、エルボ部材5に装着されて固定用筒体2とねじ結合されたロック部材6と、から構成されている。
【0019】
固定用筒体2は、筒状部材23(上筒部23A、下筒部23Bおよびテーパ部23C)、フランジ部材21ならびに弾性部材22から構成されている。フランジ部材21は、筒状部材23に対して、前述したように着脱自在に連結されていても(本出願人の出願に係る特開2008−261183号公報に記載の態様)、固着されて連結されていても(本出願人による出願に係る特開2007−023688号公報に記載の態様)構わない。ここでは、本実施の形態に係る排水トラップ100は(A)および(B)を備えるために、
フランジ部材21は筒状部材23と分離型であって、フランジ部材21が筒状部材23に対して着脱自在に連結されているものとして説明する。
【0020】
なお、筒状部材23がフランジ部材21に対して着脱自在に連結されていると、床材の張り替えに際して筒状部材23に対するフランジ部材21の連結を解除してフランジ部材21を離脱させることができるので、床板Fの取付穴FAの周縁に固定用筒体2の筒状部材23が支持されることから、固定用筒体2の筒状部材23を挿通可能な最小限の穴を形成して床材の張り替えることができる。このため、床材の張り替えに際して、煩雑な作業と多くの作業時間が必要になるという問題を解決することができる点で好ましい。
【0021】
ここで、固定用筒体2は、無色透明、有色透明または有色不透明である樹脂、たとえば、ABS樹脂によって形成されている。このようにABS樹脂を採用することにより透明で形成したとしても強度低下を抑えることができる。なお、後述するように、本実施の形態に係る排水トラップ100において、本出願人による出願に係る特開2017−095930号公報に記載のようにフランジ部21に点検口を備えるようにしなくても、固定用筒体2(特に固定用筒体2を構成するフランジ部材21)を透明(無色透明または有色透明)に形成するとこの排水トラップ100と排水管Pとの接続端面を視認点検できる点で好ましい。
【0022】
固定用筒体2は、筒状部材23と、円環形状を備えたフランジ部材21と、筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に挟持されるとともに円環形状を備えた弾性部材22とで構成される。これらの詳細については後述する。
化粧カバー3は、固定用筒体2に装着可能であって、固定用筒体2に装着することにより、フランジ部材21の上面を覆って、固定用筒体2およびビスSを目隠しして上方から見た排水トラップ100の外観を化粧することができる。
【0023】
トラップ本体4は、固定用筒体2における筒状部材23の下筒部23Bまたはテーパ部23Cの内周面に嵌合可能な外径のわん体41と、わん体41の内部に配設された傾斜部421および垂直部422からなる仕切り壁42と、から形成されている。そして、仕切り壁42の垂直部422によってわん体41の内部が横断面半円状に二分割される一方、仕切り壁42の垂直部422の下端縁とわん体41の底面との間には、流通路4Aが形成されている。また、仕切り壁42の傾斜部421の裏面側において、わん体41の上部には、略半周にわたる流出口4Bが形成されている。このため、後述するように、設備機器からの排水は、仕切り壁42の傾斜部421に沿ってわん体41の横断面半円状の一方の空間に流れるとともに、流通路4Aを経てわん体41の横断面半円状の他方の空間に達し、流出口4Bから溢水する。この際、トラップ本体4のわん体41の内部において、その底面から流出口4Bに達する高さの封水を確保することができる。
【0024】
なお、トラップ本体4のわん体41の上部外周面には、固定用筒体2における筒状部材23の下筒部23Bまたはテーパ部23Cの内径に対応する外径の周縁段差部411が突出して形成されており、前述した固定用筒体2における筒状部材23の支持部23Uに支持することができる。
エルボ部材5は、ゴムなどから形成されたエルボ状の管状体であって、その一端部に排水ホース(図示せず)が接続可能であり、その他端部に、前述したトラップ本体4におけるわん体41の周縁段差部411の内周面に嵌合可能な外周面が形成されるとともに、固定用筒体2における筒状部材23の上筒部23Aの内周側上面に支持可能な突出部51が形成されている。
【0025】
ロック部材6は、前述した固定用筒体2における筒状部材23の上筒部23Aの雌ねじ23Mに螺合可能な雄ねじ6Mを有し、エルボ部材5にその他端部側から装着されるようになっている。
[排水トラップの詳細構造:固定用筒体]
このような概略的な構造を備えた本実施の形態に係る排水トラップ100において特徴的な構造を形成する固定用筒体2について以下に詳しく説明する。
【0026】
前述のように、固定用筒体2は、筒状部材23と、円環形状を備えたフランジ部材21と、筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に挟持されるとともに円環形状
を備えた弾性部材22とで構成される。
図1図3および図4に示すように、大略的には、フランジ部材21は、円環部分21Bに筒部21Cが立ち上がった形状を備える。円環部分21Bには、その周方向に予め定められた間隔(ここでは120度間隔)をおいて複数個(ここでは3個)のビス穴21Aが形成されており、ビス穴21Aを通してビスSを床板Fにねじ込むことによってフランジ部材21および固定用筒体2を介して床板Fに排水トラップ100を固定することができる。また、フランジ部材21の筒部21Cの内周面21Dには弾性部材22の円環部22Aの外周面22Dが当接する。さらに、フランジ部材21の円環部分21Bには、その周方向に予め定められた間隔(ここではビス穴21Aとは異なる位置になる120度間隔)をおいて複数個(ここでは3個)の切り欠き部21Fを備えており、この切り欠き部21Fを用いることにより、固定用筒体2からフランジ部材21を好適に分離することができる。
【0027】
図1図3および図5に示すように、大略的には、弾性部材22は、ゴム等のエラストマー素材から構成される略円環形状を備える。弾性部材22の円環部22Aの外周面22Dにはフランジ部材21の筒部21Cの内周面21Dが当接するとともに、弾性部材22の円環部22Aの内周面22Fに設けられた脱落防止部22Cには筒状部材23の上筒部23Aの外周面23Fが当接することにより、筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に弾性部材22が挟持される。なお、弾性部材22の種類および硬度は、筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に好適に挟持することができるように適宜設定される。この脱落防止部22Cは、後述するように、弾性部材22が固定用筒体2から脱落することを防止するとともに、排水管Pが傾いて立ち上がって施工されている場合に弾性部材22を弾性変形させてフランジ部材21を床上面FLに対して水平にするときの可動域を広げることができる。
【0028】
図1図3および図6に示すように、大略的には、筒状部材23は、上筒部23Aと、その上筒部よりも径の小さい下筒部23Bと、上筒部23Aと下筒部23Bとの間に設けられたテーパ部23Cとを備える。筒状部材23の上筒部23Aの外周面23Fに弾性部材22の円環部22Aの内周面22Fに設けられた脱落防止部22Cが当接する。
このようにして、筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に弾性部材22が挟持されて一体化された固定用筒体2についてさらに詳しく説明する。なお、フランジ部材21が筒状部材23に対して着脱自在に連結されている分離型ではなく一体型の場合には、この弾性部材22の存在に関係なく(弾性部材22が存在する場合には透明であって後述する接続端面TM(排水管Pの上端面TM)を床上から視認できることが必須)、フランジ部材21と筒状部材23とがテーパ部23Cを備えて一体化されている。
【0029】
次に前述したこの排水トラップ100の特徴的な構造(A)および(B)について説明する。
まず、(A)固定用筒体2が、筒状部材23と、筒状部材23の外周に設けられたフランジ部材21と、フランジ部材21から筒状部材23へ縮径する部分に設けられたテーパ部23Cとから構成されている点、について説明する。
【0030】
より詳しくは、筒状部材23の(より詳しくは下筒部23Bの)外径φD(T)は、排水管Pの内径φD(PS)と略等しく、テーパ部23Cの縮径側外径φD(TS)は、排水管Pの外径φD(PL)よりも小さいか排水管Pの外径φD(PL)と略等しい。ここで、テーパ部23Cは、フランジ部材21から筒状部材23へ縮径する部分であって、より詳しくは、テーパ部23Cは、筒状部材23における上筒部23Aの外径(拡径側外径φD(TL))から下筒部23Bの外径(拡径側外径φD(TS))へ外径が小さくなる部分である。なお、図示したように、排水管Pの内周面に排水トラップ100(の固定用筒体2における筒状部材23の下筒部23B)の外周面を挿入するためには、φD(T)はφD(PS)よりも少なくとも小さいことが必要であるものの、水密性を確保するためにはφD(T)とφD(PS)との差は少ないことが好ましいので、φD(T)とφD(PS)とは略等しいことが好ましい。
【0031】
このような構成であると、図1(B)および図3(B)に示すように、排水管Pとの接
続部となる筒状部材23の下筒部23Bの上方にはテーパ部23Cを備えるために排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TM(排水管Pの上端面TM)を床上から視認することができる。ここでは視認の方向を白抜き矢示で示している。なお、ここで、図6(C)に示すテーパ角αは、限定されるものではないが、排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TM(排水管Pの上端面TM)を床上から良好に視認することができるためには45〜65度程度が好ましい。
【0032】
この場合において、このように床上から排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TM(排水管Pの上端面TM)を視認するにあたっては、フランジ部材21は、床板に固定される部分以外に開口部を備えることが好ましい。
このような開口部としては、本出願人による出願に係る特開2017−095930号公報に記載された、フランジ部材21に設けられた開口部としての点検口が一例として挙げられる。フランジ部材21に設けられた点検口を図2に点線で示す。この点検口を通して、この排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TMを視覚にて確認(視認)することができるとともに、指先を点検口から挿入してこの排水トラップ100と排水管Pとの接続状態を触覚にて確認(触認)することができる。
【0033】
次に、(B)固定用筒体2が、筒状部材23と、筒状部材23の外周に筒状部材23に着脱自在に設けられた円環形状のフランジ部材21と、筒状部材23とフランジ部材21との間に設けられる弾性部材22とから構成されている点、について説明する。
より詳しくは、この弾性部材22は、前述したように、円環形状を備え、筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に挟持されているとともに、筒状部材23、フランジ部材21および弾性部材22の少なくとも1つは、弾性部材22が固定用筒体2から脱落することを防止する脱落防止部を備える。本実施の形態においては、このような脱落防止部の一例として、弾性部材22に脱落防止部22Cが設けられている。
【0034】
さらに詳しくは、限定されるものではないが、この脱落防止部22Cは、弾性部材22の内周面22Fに設けられた、弾性部材の円環内径が異なる複数(ここでは5つ)の段である。より詳しくは図5(C)に示すように、脱落防止部22Cは、弾性部材22の内周面22Fの上方に設けられた、全円周に沿って内径方向への張り出した段である。
このように脱落防止部22Cを構成することにより、図3(B)に示すように、弾性部材22の円環部22Aの外周面22Dにフランジ部材21の筒部21Cの内周面21Dが当接するとともに弾性部材22の円環部22Aの内周面22Fには筒状部材23の上筒部23Aの外周面23Fが当接することにより弾性部材22が筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に単に挟持されるだけでなく、弾性部材22の内周面22F側は脱落防止部22Cに筒状部材23の上筒部23Aの外周面23Fが当接する。
【0035】
この脱落防止部22Cにおいては、その出っ張った内径φD(S)を筒状部材23の上筒部23Aの外周面23Fの外径φD(TL)よりもわずかに小さく設計している。このため、筒状部材23の上筒部23Aの外周面23Fに弾性部材22の内周面22Fを嵌合させると、脱落防止部22Cの内径φD(S)がφD(TL)まで変形して圧縮されて弾性変形して元に戻る弾性力が発生する。この弾性力により、弾性部材22の内周面22Fと筒状部材23の上筒部23Aの外周面23Fとが強く当接されて、弾性部材22が固定用筒体2(ここでは筒状部材23)から脱落することを防止することができる。
【0036】
ここで、この説明およびこの説明に関する図においては、脱落防止部22Cのわずかな弾性変形量およびわずかなテーパ角βを考慮していない(以下において同じ)。テーパ角βは、弾性部材22を筒状部材23に上方から被せやすくするとともに、弾性部材22にフランジ部材21に上方から被せやすくするために設けられている。さらに、この部分を含めて図4図6に示したテーパ角βは、このような上方からの被せやすさに加えて、筒状部材23がエルボ部材5側へ貫通(離脱)しにくくなる効果を発現することもできる。
【0037】
なお、本実施の形態に係る排水トラップ100においては、脱落防止部22Cを弾性部材22の内周面22F側のみに設けているが、これに替えて/これに加えて、脱落防止部22Cを弾性部材22の外周面22D側に設けるようにしても構わない。さらに、弾性部材22に脱落防止部を設けるのではなく、弾性部材22に当接するフランジ部材21の内
周面21D側や筒状部材23の上筒部23Aの外周面23F側に脱落防止部22Cのような構造を備えるようにしても構わない。
【0038】
より詳しくは、この弾性部材22は、前述したように、円環形状を備え、筒状部材23の外周とフランジ部材21の内周との間に挟持されているとともに、筒状部材23、フランジ部材21および弾性部材22の少なくとも1つは、前記弾性部材が前記固定用筒体から前記エルボ部材側へ離脱することを防止する離脱防止部を備える。本実施の形態おいては、このような離脱防止部の一例として、フランジ部材21に離脱防止部21Eが設けられている。
【0039】
さらに詳しくは、限定されるものではないが、この離脱防止部21Eについて説明する。フランジ部材21の円環内径φD(N)は弾性部材22の円環外径φD(L)に略等しく(弾性部材22がフランジ部材21と筒状部材23とに挟持されることからこのように略等しいか弾性部材22の円環外径φD(L)が若干大きく)、この離脱防止部21Eは、フランジ部材21の円環内周の上端面に設けられた、弾性部材22の円環外径φD(L)よりも小さく弾性部材22の円環内径φD(S)よりも大きい径φD(M)を備えた小径部として構成される。すなわち、図3(B)に示すように、フランジ部材21の円環内周の上端面には、φD(L)>φD(M)>φD(S)を満足するφD(M)を備えた離脱防止部21Eを備える。
【0040】
このように離脱防止部21Eを構成することにより、弾性部材22が固定用筒体2(より詳しくはフランジ部材21)からエルボ部材5側へ離脱することを防止することができる。
なお、本実施の形態に係る排水トラップ100においては、離脱防止部21Eをフランジ部材21の円環内周の上端面のみに設けているが、これに替えて/これに加えて、弾性部材22および/または筒状部材23に離脱防止部21Eと同様の作用効果を発現する離脱防止部を設けるようにしても構わない。
【0041】
なお、本実施の形態に係る排水トラップ100においては、図3(B)に示すように、高さH(3)においてフランジ部材21の筒部21Cの上端面と弾性部材22の円環部22Aの上端面とをツライチ(ある方向の長さが一致)にするために弾性部材22の円環部22Aの上端面には出張部22Bを備えるが、この出張部22Bの有無にかかわらず(なければツライチにならず弾性部材22が落ち込む)、φD(L)>φD(M)>φD(S)を満足するφD(M)を備えた離脱防止部21Eをフランジ部材21の円環内周の上端面に備える。
【0042】
さらに、本実施の形態に係る排水トラップ100においては、高さ方向の特徴的な構造として、前述した高さH(3)におけるフランジ部材21の筒部21Cの上端面と弾性部材22の円環部22Aの上端面との関係(ツライチ)に加えて、図3(B)(および後述する図7(A))に示すように、正常に施工された排水管Pに接続された場合にはフランジ部材21と弾性部材22と筒状部材23とを組み上げた固定用筒体2において、筒状部材23の上筒部23Aの上端面高さH(1)は化粧カバー3の上端面高さH(2)よりも高い。
[排水トラップの施工状態]
次に、このように構成された排水トラップ100の施工状態について施工手順とともに説明する。
【0043】
まず、施工手順について説明する。設備機器の設置位置に合わせて、排水管Pの外径よりも大径であって、固定用筒体2におけるフランジ部材21のフランジ部材21のビス穴21Aの取付直径(図1(A)に示す半径R(1)の2倍)よりもビスSの分だけ少なくとも小径の取付穴FAを床板Fに形成する。そして、床下に敷設された排水管Pの一端部を床板Fの取付穴FAに臨むように立ち上げる。このとき、排水管Pの上端面と床面との距離関係がまちまちであったり(床表面(床上面)FLよりも下方で排水管Pが切断されていたり床表面FLよりも上方で排水管Pが切断されていたり)、床表面FLに対して垂直ではなく斜めに立ち上がっていたりして、排水管Pの施工精度が好ましくないことがある。
【0044】
次いで、排水管Pの上端端面に接着剤を塗布するとともに、固定用筒体2における筒状部材23の下筒部23Bの外周面および排水管Pの内周面(排水管Pの内周面の高さ方向位置は下筒部23Bの外周面に対応する位置)に接着剤を塗布し、排水管Pの上端面を筒状部材23の下筒部23Bの上面(テーパ部23Cの下面)に当接するまで嵌挿し、両者を接着する。固定用筒体2の筒状部材23と排水管Pとの接着が終了すれば、フランジ部材21に弾性部材22を装着して、固定用筒体2を床板Fに載置し、フランジ部材21のビス穴21Aを通してビスSをねじ込み、床板Fに固定する。固定用筒体2が固定されたならば、化粧カバー3を固定用筒体2に装着し、固定用筒体2(フランジ部材21、弾性部材22および筒状部材23)の外面を覆って化粧する。
【0045】
次いで、トラップ本体4を固定用筒体2に嵌挿しつつ排水管Pの内部に挿入し、その周縁段差部411を固定用筒体2における筒状部材23の支持部23Uに支持する。さらに、固定用筒体2を通して、ロック部材6を装着したエルボ部材5の他端部をトラップ本体4におけるわん体41の周縁段差部411の内周面に嵌挿させるとともに、その突出部51を固定用筒体2における筒状部材23の上筒部23Aの内筒上面23Nに支持する。この後、ロック部材6を固定用筒体2における筒状部材23の上筒部23Aにねじ込めば(ロック部材6の雄ネジ6Mを固定用筒体2における筒状部材23の上筒部23Aの雌ねじ23Mに螺合させれば)、エルボ部材5を固定用筒体2との間で挟み込み、水密性を確保しつつ離脱しないように固定することができる。
【0046】
このようにして、排水トラップ100を床板Fに取り付けたならば、図示しない設備機器の排水ホースをエルボ部材5の一端部に挿入し、固定バンドK(図1参照)を介して締結すればよい。これにより、設備機器の排水は、排水ホースを通してエルボ部材5からトラップ本体4に導かれる。そして、トラップ本体4に導かれた排水は、仕切り壁42の傾斜部421に沿ってわん体41の横断面半円状の一方の空間に流れるとともに、流通路4aを経てわん体41の横断面半円状の他方の空間に達し、流出口4Bから溢水し、排水管Pへと流出する。この際、トラップ本体4のわん体41の内部において、その底面から流出口4Bに達する高さの封水を確保することができ、排水管Pを上昇する臭気を水封することができる。
【0047】
次に、前述した特徴的な構造(A)に関する、排水トラップ100を取り付けた後の施工確認について説明する。以下においては、まず、固定用筒体2のフランジ部材21および弾性部材22を無色透明または有色透明で形成して間接的に視覚により確認(視認)する手順を説明した後に、固定用筒体2のフランジ部材21または弾性部材22を無色透明および有色透明に限定しないで形成して直接的に視覚により確認(視認)および触覚により確認(触認)する手順を説明する。
【0048】
共通する手順として、ロック部材6を緩めてエルボ部材5およびロック部材6を固定用筒体2から離脱させた後、トラップ本体4を引き上げて取り出し、さらに、化粧カバー3を離脱させ、床板F上に排水管Pが接続された固定用筒体2を露出させる。
固定用筒体2のフランジ部材21および弾性部材22を無色透明または有色透明で形成している場合には、床板Fの上方から図1(B)および図3(B)に示す白抜き矢示方向に、排水管Pの接続端面TM(排水管Pの上端面TM)を目視観察することができる。すなわち、固定用筒体2における筒状部材23の下筒部23Bの外周面と排水管Pとの接続状態、具体的には、接着剤の有無および接着剤の塗布状態を含めて、排水管Pの接続端面TM(排水管Pの上端面TM)を、床板Fの上方から目視観察することができる。特に、排水管Pとの接続部となる筒状部材23の下筒部23Bはテーパ部23Cを備えるために排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TM(排水管Pの上端面TM)を床上から好適に視認することができる。
【0049】
固定用筒体2のフランジ部材21および弾性部材22を無色透明または有色透明で形成している場合であっても無色透明および有色透明で形成していない場合であっても、排水トラップ100の固定用筒体2のフランジ部材21に開口部としての点検口を図2に点線で示すように設けることにより、この点検口を通して、この排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TMを視覚にて確認(視認)することができるとともに、指先を点検口か
ら挿入してこの排水トラップ100と排水管Pとの接続状態を触覚にて確認(触認)することができる。
【0050】
このように、排水トラップ100と排水管Pとを接続した後において床上斜め上方から排水トラップと排水管との接続端面TMを目視にて確認できることを品確法により求められても、本実施の形態に係る排水トラップ100によると、排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TMを床上から良好に視認することができる。
次に、前述した特徴的な構造(B)に関する、排水管Pの施工精度が好ましくない場合における排水トラップ100を排水管Pに接続して床板Fに取り付ける態様について、排水トラップ100を排水管Pへ接続した施工状態を示す図7を参照して説明する。なお、図7(A)は、正常に施工された排水管Pと排水トラップ100との接続状態を示す断面図であって、図7(B)は、約3度傾いて立ち上がって施工された排水管Pと排水トラップ100との接続状態を示す断面図であって、図7(C)は、床表面FLよりも上方で切断されて施工された排水管Pと排水トラップ100との接続状態を示す断面図であって、図7(D)は、床表面FLよりも下方で切断された排水管Pと排水トラップ100との接続状態を示す断面図である。すなわち、図7(B)、図7(C)および図7(D)は、排水管Pの施工精度が好ましくないにも関わらず、本実施の形態に係る排水トラップ100が備える弾性部材22により排水トラップ100を排水管Pに好適に接続して排水トラップ100を床板Fに取り付けることができる態様を示している。
【0051】
図7(A)に正常に施工された排水管Pに対して、図7(B)に示すように排水管Pが約3度傾いて立ち上がって施工されている場合について説明する。このように排水管Pが約3度傾いて立ち上がって施工されているため、排水管P(の内周面)に固定用筒体2の筒状部材23の下筒部23Bの外周面とを接着すると、固定用筒体2の筒状部材23が約3度傾いて接続されて床表面FLに対して斜めに固定されてしまう。しかしながら、筒状部材23とフランジ部材21との間でそれらに挟持された弾性部材22が弾性変形することにより、フランジ部材21は床上面FLに対して水平な状態を実現することができている。この場合において、弾性部材22を弾性変形させてフランジ部材21を床上面FLに対して水平にするときに、脱落防止部22Cにより適用できる可動域を広げること(より傾いて立ち上がった排水管Pに対応すること)ができている。この点で、脱落防止部22Cは、弾性部材22が固定用筒体2から脱落することを防止することができる機能に加えて、斜めに立ち上がった排水管Pに排水トラップ100が接続される場合にフランジ部材21を床上面FLに対して水平とする機能をより好適に実現することができる。この点で、脱落防止部22Cは、フランジ水平補正部とも言える。このため、排水トラップ100を排水管Pに接続した後に、排水トラップ100を床板Fに良好に取り付けることができる。
【0052】
次に、図7(A)に正常に施工された排水管Pに対して、図7(C)に示すように床表面FLよりも上方で排水管Pが切断されて施工されている場合について説明する。このように排水管Pが床表面FLよりも上方で切断されて施工されているため、排水管Pの上端面を筒状部材23の下筒部23Bの上面(テーパ部23Cの下面)に当接するまで嵌挿して排水管P(の内周面)に固定用筒体2の筒状部材23の下筒部23Bの外周面とを接着すると、筒状部材23がフランジ部材21および弾性部材22に対して上方へ出っ張る(フランジ21に対して筒状部材23が少し上がる)。すなわち、フランジ部材21と弾性部材22と筒状部材23とから構成される固定用筒体2において、弾性部材22を介して筒状部材23の上面がフランジ部材21の上面から離隔するように固定用筒体2が構成されて、H(C2)<H(2)かつH(C3)<H(3)となる。このように筒状部材23とフランジ部材21との間でそれらに挟持された弾性部材22が存在することにより、フランジ部材21のビス穴21Aを通してビスSをねじ込み、床板Fに固定することができている。このため、排水トラップ100を排水管Pに接続した後に、排水トラップ100を床板Fに良好に取り付けることができる。
【0053】
次に、図7(A)に正常に施工された排水管Pに対して、図7(D)に示すように床表面FLよりもした下方で排水管Pが切断されて施工されている場合について説明する。こ
のように排水管Pが床表面FLよりも下方で切断されて施工されているため、排水管Pの上端面を筒状部材23の下筒部23Bの上面(テーパ部23Cの下面)に当接するまで嵌挿して排水管P(の内周面)に固定用筒体2の筒状部材23の下筒部23Bの外周面とを接着すると、筒状部材23がフランジ部材21および弾性部材22に対して下方へ引っ込む(フランジ21に対して筒状部材23が少し下がる)。すなわち、フランジ部材21と弾性部材22と筒状部材23とから構成される固定用筒体2において、弾性部材22を介して筒状部材23の上面がフランジ部材21の上面へ接近するように固定用筒体2が構成されて、H(D2)>H(2)かつH(D3)>H(3)となる。このように筒状部材23とフランジ部材21との間でそれらに挟持された弾性部材22が存在することにより、フランジ部材21のビス穴21Aを通してビスSをねじ込み、床板Fに固定することができている。このため、排水トラップ100を排水管Pに接続した後に、排水トラップ100を床板Fに良好に取り付けることができる。
【0054】
以上のようにして、本実施の形態に係る排水トラップ100によると、
(A)排水トラップ100と排水管Pとの接続端面TMを床上から良好に視認することができたり、
(B)排水トラップ100に接続される排水管Pの施工精度が好ましくない場合であっても、排水トラップ100を排水管Pに好適に接続することができるとともに排水管Pが接続された排水トラップ100を床面に好適に固定することができたりする。
【0055】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、設備機器の排水ホースと排水管との間に配設されて設備機器の排水を排水管に排出する排水トラップに好適であって、(A)排水トラップと排水管との接続端面を床上から視認することができたり、(B)排水トラップに接続される排水管の施工精度が好ましくない場合であっても排水トラップを排水管に好適に接続することができるとともに排水管が接続された排水トラップを床面に好適に固定することができたりする排水トラップに特に好適である。
【符号の説明】
【0057】
100 排水トラップ
2 固定用筒体
21 フランジ部材
22 弾性部材
23 筒状部材
3 化粧カバー
4 トラップ本体
5 エルボ部材
6 ロック部材
P 排水管
F 床板
FA 取付穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7