特許第6873476号(P6873476)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JOLEDの特許一覧

<>
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000002
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000003
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000004
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000005
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000006
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000007
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000008
  • 特許6873476-アクティブマトリクス表示装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873476
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】アクティブマトリクス表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20210510BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20210510BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20210510BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   G09F9/30 338
   H05B33/14 A
   H01L27/32
   H05B33/02
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-153480(P2017-153480)
(22)【出願日】2017年8月8日
(65)【公開番号】特開2019-32441(P2019-32441A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2019年7月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】國田 謙二
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−338754(JP,A)
【文献】 特開2011−040167(JP,A)
【文献】 特開2009−037099(JP,A)
【文献】 特開2003−303687(JP,A)
【文献】 特開2008−186808(JP,A)
【文献】 特開2002−260843(JP,A)
【文献】 米国特許第6307528(US,B1)
【文献】 国際公開第2017/127563(WO,A1)
【文献】 特開2004−46154(JP,A)
【文献】 特開2013−093565(JP,A)
【文献】 特開2014−010168(JP,A)
【文献】 特開2005−077864(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0118457(US,A1)
【文献】 特開2004−087302(JP,A)
【文献】 特開2015−041453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30 − 9/46 、
H01L21/336、27/32 、29/786、51/50 、
H05B33/00 −33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配置された複数の画素セルからなる画素マトリクスと、当該画素マトリクスにおける列毎に、当該列の画素セルそれぞれに接続される第1グローバル電源配線と、当該列毎に、当該列の画素セルそれぞれに接続される第2グローバル電源配線とを有するアクティブマトリクス表示装置であって、
前記画素セルは、前記第1グローバル電源配線に接続されるローカル電源配線と、当該ローカル電源配線に接続される複数のサブ画素セルとを備え、
前記複数のサブ画素セルのそれぞれは、前記第1グローバル電源配線と前記第2グローバル電源配線との上層側に位置する、陽極と発光層と陰極とが積層された構成を含む発光部を備え、
前記第1グローバル電源配線と前記第2グローバル電源配線とは、前記陽極よりも下層側において、前記画素マトリクスの平面視で互いに平行に形成され、
前記ローカル電源配線は、前記第2グローバル電源配線と、前記画素マトリクスの平面視において重ならない
アクティブマトリクス表示装置。
【請求項2】
前記第1グローバル電源配線と前記第2グローバル電源配線とは、金属配線を含み、
前記ローカル電源配線は、ポリシリコン配線を含む
請求項1に記載のアクティブマトリクス表示装置。
【請求項3】
前記第2グローバル電源配線は、第1金属配線層からなる第1金属配線と、前記第1金属配線層より上層の第2金属配線層からなる第2金属配線とを含み、一の画素セルを前記列方向に通過する領域における、前記列方向の一端と他端とが、一の前記第1金属配線で直接接続されていない
請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、行列状に配置された複数の画素セルからなる画素マトリクスを有するアクティブマトリクス表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、アクティブマトリクス表示装置の各画素セルには、互いに電位の異なる複数の電源を供給する必要がある。このため、アクティブマトリクス表示装置は、画素マトリクスの列毎に、その列の画素セルそれぞれに接続される複数のグローバル電源配線を含んで構成される。
【0004】
また、アクティブマトリクス表示装置は、互いに異なる信号又は電源を伝達する2以上の配線が、画素マトリクスの平面視において交差可能にレイアウトされ得るように、2以上の配線層と、配線層間の絶縁層とが積層されて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−088524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画素マトリクスの平面視において、第1の配線と第2の配線とが交差する交差領域が存在する場合に、その交差領域における、第1の配線と第2の配線との間の絶縁層の部分に、アクティブマトリクス表示装置の製造工程において異物が混入してしまうことがある。そして、このことによって、第1の配線と第2の配線との間の絶縁が破壊され、第1の配線と第2の配線とがショートしてしまうことがある。このようなショートが発生すると、アクティブマトリクス表示装置の歩留まりが低下する。
【0007】
そこで、本発明は、従来よりも、歩留まりの低下を抑制し得るアクティブマトリクス表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るアクティブマトリクス表示装置は、行列状に配置された複数の画素セルからなる画素マトリクスと、当該画素マトリクスにおける列毎に、当該列の画素セルそれぞれに接続される第1グローバル電源配線と、当該列毎に、当該列の画素セルそれぞれに接続される第2グローバル電源配線とを有するアクティブマトリクス表示装置であって、前記画素セルは、前記第1グローバル電源配線に接続されるローカル電源配線を備え、前記ローカル電源配線は、前記第2グローバル電源配線と、前記画素マトリクスの平面視において重ならない。
【発明の効果】
【0009】
上記構成のアクティブマトリクス表示装置によると、従来よりも、歩留まりの低下を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係るアクティブマトリクス表示装置1の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る画素セルの構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係るサブ画素セルの回路構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る画素マトリクスの一部切り欠き斜視図である。
図5図5は、実施の形態に係る画素セルのレイアウト構造を示す断面図である。
図6図6は、実施の形態に係る画素セルの電源配線構造を示す模式図である。
図7図7は、変形例に係る画素セルの電源配線構造を示す模式図である。
図8図8は、変形例に係る薄型ディスプレイ装置の外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るアクティブマトリクス表示装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
各図において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を付している。また、各図は、模式図であり、膜厚及び各部の大きさの比などは、必ずしも厳密に表したものではない。
【0013】
(実施の形態)
[1.全体構成]
図1は、実施の形態に係るアクティブマトリクス表示装置1の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、アクティブマトリクス表示装置1は、行列状に配置された複数の画素セル10からなる画素マトリクス2と、データ線駆動回路3と、垂直走査回路4と、画素マトリクス2における列毎に、その列の画素セル10それぞれに接続される第1グローバル電源配線11と、その列毎に、その列の画素セル10それぞれに接続される第2グローバル電源配線12とを有して構成される。
【0015】
図2は、画素セル10の構成を示すブロック図である。
【0016】
図2に示されるように、画素セル10は、赤色を発光するサブ画素セル100aと、緑色を発光するサブ画素セル100bと、青色を発光するサブ画素セル100cとを含む。以下、サブ画素セル100aと、サブ画素セル100bと、サブ画素セル100cとを明示的に区別する必要がない場合には、サブ画素セル100aと、サブ画素セル100bと、サブ画素セル100cとを単にサブ画素セル100とも称する。
【0017】
図3は、サブ画素セル100の回路構成を示すブロック図である。
【0018】
図3に示されるように、サブ画素セル100は、回路部20と発光部30とを含んで構成される。
【0019】
回路部20は、駆動トランジスタ21と、スイッチトランジスタ22と、参照電圧トランジスタ23と、初期化トランジスタ24と、ゲートノード25と、ソースノード26と、ホールディングキャパシタ27とを含む。そして、発光部30は、発光素子35を含む。
【0020】
スイッチトランジスタ22は、ゲート端子が走査線41に接続され、走査線41の信号(WS)が論理値1となるタイミングで、ゲートノード25の電位を、データ線44のデータ電圧に設定する。すなわち、スイッチトランジスタ22は、走査線41の信号(SW)が論理値1となるタイミングで、ホールディングキャパシタ27に、データ線44のデータ電圧を書き込む。
【0021】
駆動トランジスタ21は、ゲート端子が、ゲートノード25に接続され、ソース端子が発光素子35に接続(すなわち、ソースノード26に接続)され、ドレイン端子が電源VCCに接続されている。この構成により、駆動トランジスタ21は、スイッチトランジスタ22を介してゲート端子に設定されたデータ電圧を、そのデータ電圧に対応する信号電流に変換し、変換した信号電流で、発光素子35を駆動する。すなわち、駆動トランジスタ21は、ホールディングキャパシタ27に書き込まれたデータ電圧に応じた駆動能力で、発光素子35を駆動する。
【0022】
ホールディングキャパシタ27は、ゲートノード25と、ソースノード26との間の容量を実現する。ホールディングキャパシタ27は、オン状態であるスイッチトランジスタ22によってデータ線44のデータ電圧がゲートノード25に設定された後において、スイッチトランジスタ22がオン状態からオフ状態へと変化した場合に、ゲートノード25の電位を、その容量によって、そのデータ電圧に維持する。このことにより、駆動トランジスタ21は、駆動トランジスタ21がオフ状態となった後においても、オン状態であったスイッチトランジスタ22によって設定されたデータ電圧に対応する信号電流で、発光素子35を駆動させ続けることが可能となる。
【0023】
参照電圧トランジスタ23は、ゲート端子が参照電圧制御線42に接続され、参照電圧制御線42の信号(REF)が論理値1となるタイミングで、ゲートノード25の電位を、参照電圧VREFに設定する。
【0024】
初期化トランジスタ24は、ゲート端子が初期化制御線43に接続され、初期化制御線43の信号(INI)が論理値1となるタイミングで、ソースノード26の電位を、初期化電圧VINIに初期化する。
【0025】
発光素子35は、駆動トランジスタ21によって変換された信号電流の電流量に応じて発光する素子である。すなわち、発光素子35は、駆動トランジスタ21の駆動能力に応じた発光量で発光する。ここでは、発光素子35は、有機EL素子であるとして例示する。但し、発光素子35は、必ずしも有機EL素子の例に限定される必要はない。例えば、発光素子35が、発光ダイオード等である例も考えられる。
【0026】
図4は、画素マトリクス2の一部切り欠き斜視図である。
【0027】
図4に示されるように、画素マトリクス2を構成する各画素セル10は、画素マトリクス2の平面視において下層側に位置するトランジスタ構成領域40において回路部20がレイアウトされ、画素マトリクス2の平面視において上層側に位置する有機EL素子構成領域50において発光部30がレイアウトされる。
【0028】
有機EL素子構成領域50は、画素マトリクス2の平面視において最上層に位置する。このため、図4に示されるように、画素マトリクス2の表面に、発光素子35がアレイ状に配置されることとなる。これより、画素マトリクス2の表面に、画像を表示する表示画面が構成される。例えば、画素マトリクス2が、1080行×1920列の行列状に配置された画素セル10によって構成される場合には、画素マトリクス2の表面には、フルハイビジョンサイズの画像を表示する表示画面が構成される。
【0029】
再び図1に戻って、アクティブマトリクス表示装置1の構成についての説明を続ける。
【0030】
垂直走査回路4は、画素マトリクス2に対して、行単位で共通な複数の制御信号線(図示せず)を介して、各画素セル10の動作を、行単位で制御する。
【0031】
データ線駆動回路3は、垂直走査回路4と同期して動作し、垂直走査回路4によって制御される行単位で、その行に位置する画素セル10のホールディングキャパシタ27に書き込むためのゲート電圧を、複数のデータ線(図示せず)のそれぞれに供給する。
【0032】
[2.画素セルの電源構成]
以下、画素セル10の電源構成について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
図5は、画素セル10のレイアウト構造についての、画素マトリクス2の平面に対する垂直面による断面図である。
【0034】
図5に示されるように、画素セル10において、トランジスタ構成領域40は、基板70上に、下層側から上層側へと順に、ポリシリコン層、ゲート絶縁膜71、第1メタル層、第1層間絶縁膜72、第2メタル層、第2層間絶縁膜73が積層されて構成される。そして、画素セル10において、有機EL素子構成領域50は、第2層間絶縁膜73上に、下層側から上層側へと順に、陽極75、有機発光層76、透明陰極77が積層され、隣接するサブ画素セル100間にバンク74が配置されて構成される。
【0035】
図6は、画素セル10の電源配線構造を示す模式図である。以下、便宜上、図6における上側を上方、下側を下方と呼ぶ。
【0036】
図6に示されるように、画素セル10は、画素セル10内における電源配線として、第1ローカル電源配線201及び第2ローカル電源配線202を備える。
【0037】
第1グローバル電源配線11は、画素セル10を列方向に通過している。
【0038】
第1グローバル電源配線11は、画素セル10の上方端とコンタクト211とを接続する、第1メタル層からなる第1金属配線301と、コンタクト211とコンタクト212とコンタクト216とを接続する、第2メタル層からなる第2金属配線302と、コンタクト212と画素セル10の下方端とを接続する、第1メタル層からなる第1金属配線303とを含む。図6に示されるように、第1グローバル電源配線11は、画素セル10の上方端と下方端とが、第1金属配線301と、第2金属配線302と、第1金属配線303との直列接続を介して接続されており、一の第1金属配線で直接接続されていない。
【0039】
また、第1グローバル電源配線11は、画素セル10の上方端の行方向位置と、画素セル10の下方端の行方向位置とが等しい。
【0040】
前述したように、画素セル10は、画素マトリクス2において行列状に配置される。このため、第1グローバル電源配線11における、画素セル10の上方端は、画素マトリクス2において画素セル10の同列上方に隣接する画素セル10の下方端へと連続し、同様に、第1グローバル電源配線11における、画素セル10の下方端は、画素マトリクス2において画素セル10の同列下方に隣接する画素セル10の上方端へと連続する。
【0041】
また、第1グローバル電源配線11は、コンタクト216を介して、第1ローカル電源配線201に接続される。
【0042】
第1ローカル電源配線201は、第1グローバル電源配線11から供給される電源電圧を、サブ画素セル100aとサブ画素セル100bとサブ画素セル100cとに供給する。第1ローカル電源配線201は、ポリシリコン層によって実現される。すなわち、第1ローカル電源配線201は、ポリシリコン配線である。
【0043】
図6に示されるように、第1ローカル電源配線201は、第2グローバル電源配線12と、画素マトリクス2の平面視において重ならない。
【0044】
第2グローバル電源配線12は、画素セル10を列方向に通過している。
【0045】
第2グローバル電源配線12は、画素セル10の上方端とコンタクト213とを接続する、第1メタル層からなる第1金属配線401と、コンタクト213とコンタクト214とコンタクト215とを接続する、第2メタル層からなる第2金属配線402と、コンタクト214とコンタクト215と画素セル10の下方端とを接続する、第1メタル層からなる第1金属配線403とを含む。図6に示されるように、第2グローバル電源配線12は、画素セル10の上方端と下方端とが、第1金属配線401と、第2金属配線402と、第1金属配線403との直列接続を介して接続されており、一の第1金属配線で直接接続されていない。
【0046】
また、第2グローバル電源配線12は、画素セル10の上方端の行方向位置と、画素セル10の下方端の行方向位置とが等しい。
【0047】
このため、第1グローバル電源配線11の場合と同様に、第2グローバル電源配線12における、画素セル10の上方端は、画素マトリクス2において画素セル10の同列上方に隣接する画素セル10の下方端へと連続し、同様に、第2グローバル電源配線12における、画素セル10の下方端は、画素マトリクス2において画素セル10の同列下方に隣接する画素セル10の上方端へと連続する。
【0048】
また、第2グローバル電源配線12は、コンタクト215を介して、第2ローカル電源配線202に接続される。
【0049】
第2ローカル電源配線202は、第2グローバル電源配線12から供給される電源電圧を、サブ画素セル100aとサブ画素セル100bとサブ画素セル100cとに供給する。第2ローカル電源配線202は、第1メタル層からなる第1金属配線によって実現される。
【0050】
[3.考察]
以下、上記構成のアクティブマトリクス表示装置1について考察する。
【0051】
前述した通り、本実施の形態に係るアクティブマトリクス表示装置1では、第1ローカル電源配線201は、第2グローバル電源配線12と、画素マトリクス2の平面視において重ならない。このため、本実施の形態に係るアクティブマトリクス表示装置1では、第1ローカル電源配線201と第2グローバル電源配線12との間のショートが抑制される。従って、本発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス表示装置1は、従来よりも、歩留まりの低下を抑制し得る。
【0052】
また、前述した通り、本実施の形態に係るアクティブマトリクス表示装置1では、第2グローバル電源配線12は、画素セル10の上方端と下方端とが一の第1金属配線で直接接続されない。このため、第2グローバル電源配線12は、画素マトリクス2において、列方向に並ぶ画素セル10の数によらず、単一の第1金属配線による配線長は、画素セル10の列方向の長さを超えることはない。これにより、アクティブマトリクス表示装置1の製造工程等において、第2グローバル電源配線12を構成する単一の第1金属配線に集電される電荷の量は制限される。このため、第2グローバル電源配線12を構成する単一の第1金属配線の周囲の絶縁体(例えば、ゲート絶縁膜71、第1層間絶縁膜72等)の静電破壊が抑制される。従って、本発明の実施の形態に係るアクティブマトリクス表示装置1は、従来よりも、歩留まりの低下を抑制し得る。
【0053】
(変形例)
以上、本発明に係るアクティブマトリクス表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係るアクティブマトリクス表示装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0054】
実施の形態において、1つの画素セル10に含まれるサブ画素セル100の数が3つであるとして説明した。しかしながら、少なくとも1つのサブ画素セル100を含んでいれば、1つの画素セル10に含まれるサブ画素セル100の数は、3つに限定されない。例えば、1つの画素セル10に4つのサブ画素セル100が含まれる構成であっても構わない。
【0055】
また、実施の形態において、サブ画素セル100aが赤色を発光し、サブ画素セル100bが緑色を発光し、サブ画素セル100cが青色を発光するとして説明した。しかしながら、各サブ画素セル100の発光する色の組み合わせは、上記組み合わせに限定されない。例えば、サブ画素セル100aがシアン色を発光し、サブ画素セル100bがマゼンダ色を発光し、サブ画素セル100cがイエロー色を発光する構成の例であっても構わない。
【0056】
また、実施の形態において、各画素セル10の第2ローカル電源配線202について、あたかも、行方向に隣接する画素セル10の第2ローカル電源配線202に接続しないかのように図示された図6を用いて説明した。しかしながら、各画素セル10の第2ローカル電源配線202は、必ずしも、行方向に隣接する画素セル10の第2ローカル電源配線202に接続しない構成の例に限定されない。
【0057】
例えば、図7に図示されるように、各画素セル10の第2ローカル電源配線202aが、行方向に隣接する画素セル10の第2ローカル電源配線202aに接続している構成であっても構わない。
【0058】
また、例えば、本発明に係るアクティブマトリクス表示装置は、図8に示すような薄型ディスプレイ装置として実現される。図8は、薄型ディスプレイ装置の外観図である。このような薄型ディスプレイ装置は、従来よりも、歩留まりの低下を抑制し得る。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、例えば、行列状に配置された複数の画素セルからなる画素マトリクスを有するアクティブマトリクス表示装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 アクティブマトリクス表示装置
2 画素マトリクス
10 画素セル
11 第1グローバル電源配線
12 第2グローバル電源配線
201 第1ローカル電源配線(ローカル電源配線)
202、202a 第2ローカル電源配線
301、303、401、403 第1金属配線
302、402 第2金属配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8