特許第6873518号(P6873518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6873518
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】食品用包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/50 20060101AFI20210510BHJP
   B65D 65/10 20060101ALI20210510BHJP
   B65D 65/26 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B65D85/50 140
   B65D65/10 A
   B65D65/26
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-104356(P2020-104356)
(22)【出願日】2020年6月17日
【審査請求日】2020年7月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520218958
【氏名又は名称】高橋 慧
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慧
【審査官】 杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−271334(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3111557(JP,U)
【文献】 特開平11−222259(JP,A)
【文献】 特許第5572183(JP,B2)
【文献】 特開2017−158445(JP,A)
【文献】 実開平02−029291(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/10
B65D 65/10
B65D 65/26
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側シートと内側シートを備え、食品を包装した状態で、前記食品、前記内側シート、シート状食品、前記外側シートの順に配置される食品用包装体であって、
前記外側シートは、二対の引き裂き部を備え、
前記引き裂き部は、各々前記外側シートの所定の一辺上に開始端を有し、
一対の前記引き裂き部は、前記開始端から、前記一辺に対し略垂直に位置する前記外側シートの他辺に渡って前記外側シートが引き裂かれるよう案内し、
他の一対の前記引き裂き部は、前記開始端から、前記一辺に対し略垂直に位置し、前記他辺に対向する前記外側シートの一辺に渡って前記外側シートが引き裂かれるよう案内し、
前記引き裂き部の各々は、食品を包装した状態で、前記食品の稜線近傍に位置し、
前記二対の引き裂き部の各々により切除される切除部であって、一対の前記引き裂き部の間に位置し、食品を包装した状態で、前記食品の側面に位置する前記切除部を備え、
前記外側シートは、少なくとも、各々の前記切除部内の一部において、前記内側シートと固定されることを特徴とする、食品用包装体。
【請求項2】
請求項に記載の食品用包装体であって、
前記内側シートは、中央部分で分離可能に重ね合わされた第1内側シートと第2内側シートとを備え、
前記食品を包装した状態において2つの記切除部が切除されるとき、1つの切除部に固定された前記第1内側シートと、他の前記切除部に固定された前記第2内側シートとが、前記切除部の切除に伴い各々食品から除去されるとともに、前記外側シートの一部が把持部として前記シート状食品の外側から前記食品の一部を覆うことを特徴とする、食品用包装体。
【請求項3】
請求項2に記載の食品用包装体であって、
食品を包装した状態で、折り曲げた前記外側シートの一部が前記把持部と分離しないよう固定され、
前記切除部の切除に伴い、前記固定された前記外側シートの一部が前記把持部と分離しないことを特徴とする、食品用包装体。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の食品用包装体であって、
前記引き裂き部の各々は、前記外側シートの短辺上に形成された前記開始端から、前記外側シートの長辺上の終了端に渡って直線状に形成された開封誘導線であることを特徴とする、食品用包装体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の食品用包装体であって、
前記外側シートは矩形であって、対向する二辺に、内側に折り返される折り返し部を有することを特徴とする、食品用包装体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の食品用包装体により包装された食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
包装用シートで包装されたおにぎりが販売されている。これらのおにぎりに用いられるおにぎり用包装シートであって、食べる際に除去すると、飯塊と海苔との間に配置された内部シートが取り除かれ、乾燥した海苔が飯塊を包み込むよう構成されたおにぎり用包装シートが普及している。
【0003】
特許文献1には、おにぎりの包装用シートに用いる外部シートに関する技術が開示されている。同文献の段落[0014]には、「外部シート12には、一方の短縁部24aから他方の短縁部24bに至る一連の第一引裂き線28が取付けられている。第一引裂き線28は、一方の短縁部24aの端付近から他方の短縁部24bに向けて、図1で左斜め下方に向かう第一傾斜部30と、その第一傾斜部30と連絡するものであって長縁部22a,22bに平行な中間連絡部32と、その中間連絡部32と連絡するものであって図1で右斜め下方に向かって他方の短縁部24bの端付近と連絡する第二傾斜部34とを一連に連絡したものである。」と記載され、段落[0015]には、「外部シート12には、第二引裂き線36が取付けられている。第二引裂き線36は、第一傾斜部30の途中と連絡した位置から第二傾斜部34の途中と連絡した位置までに至るものであり、図1で右斜め下方に向かう第一傾斜部38と、その第一傾斜部38と連絡するものであって長縁部22a,22bに平行な中間連絡部40と、その中間連絡部40と連絡するものであって図1で左斜め下方に向かって第二傾斜部34の途中と連絡する第二傾斜部42とを一連に連絡したものである。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5572183号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包装用シートをおにぎりから除去すると、直におにぎりを把持することになり、衛生的でない。
【0006】
特許文献1に記載された技術は、外部シートで保持領域を形成するため、第二引裂き線の始点を第一引裂き線の途中に連絡させている。本構成では、第二引裂き線の始点を形成するために、第一引裂き線との連絡部分にカットテープ等の始点となる切り込み部分を形成する必要が生じ、外部シートに内包された海苔が外気に触れる可能性が生じる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、より衛生的に食品を包装する包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る食品用包装体は、外側シートと内側シートを備え、食品を包装した状態で、前記食品、前記内側シート、シート状食品、前記外側シートの順に配置される食品用包装体であって、前記外側シートは、二対の引き裂き部を備え、前記引き裂き部は、各々前記外側シートの所定の一辺上に開始端を有し、一対の前記引き裂き部は、前記開始端から、前記一辺に対し略垂直に位置する前記外側シートの他辺に渡って前記外側シートが引き裂かれるよう案内し、他の一対の前記引き裂き部は、前記開始端から、前記一辺に対し略垂直に位置し、前記他辺に対向する前記外側シートの一辺に渡って前記外側シートが引き裂かれるよう案内し、前記引き裂き部の各々は、食品を包装した状態で、前記食品の稜線近傍に位置し、前記二対の引き裂き部の各々により切除される切除部であって、一対の前記引き裂き部の間に位置し、食品を包装した状態で、前記食品の側面に位置する前記切除部を備え、前記外側シートは、少なくとも、各々の前記切除部内の一部において、前記内側シートと固定されることを特徴とする。
【0010】
前記内側シートは、中央部分で分離可能に重ね合わされた第1内側シートと第2内側シートとを備え、前記食品を包装した状態において2つの記切除部が切除されるとき、1つの切除部に固定された前記第1内側シートと、他の前記切除部に固定された前記第2内側シートとが、前記切除部の切除に伴い各々食品から除去されるとともに、前記外側シートの一部が把持部として前記シート状食品の外側から前記食品の一部を覆うことを特徴としてもよい。
前記食品用包装体は、食品を包装した状態で、折り曲げた前記外側シートの一部が前記把持部と分離しないよう固定され、前記切除部の切除に伴い、前記固定された前記外側シートの一部が前記把持部と分離しないことを特徴としてもよい。
【0011】
前記引き裂き部の各々は、前記外側シートの短辺上に形成された前記開始端から、前記外側シートの長辺上の終了端に渡って直線状に形成された開封誘導線であることをと特徴してもよい。
【0012】
前記外側シートは矩形であって、対向する二辺に、内側に折り返される折り返し部を有することを特徴してもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するため、本発明の他の態様に係る食品は、上述のいずれかの食品用包装体により包装されたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、より衛生的に食品を包装する包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】食品用包装体の外観の一例を示す図である。図1(A)は、食品用包装体の分解正面図の一例(その1)である。図1(B)は、食品用包装体の分解正面図の一例(その2)である。図1(C)は、内側シートと外側シートを重ね合わせた状態の正面図の一例である。
図2】食品用包装体による食品塊の包装を説明するための図(その1)である。
図3】食品用包装体による食品塊の包装を説明するための図(その2)である。図3(A)は、図2に示す状態から飯塊32の両正面を食品用包装体1で挟んだ状態の食品を示す。図3(B)は、図3(A)に示す状態から食品用包装体で飯塊を覆った状態の食品を示す。
図4】食品から食品塊であるおにぎりを取り出す方法を説明するための図である。図4(A)は、おにぎりを取り出す方法を説明するための図(その1)であって、図4(B)はおにぎりを取り出す方法を説明するための図(その2)である。
図5】包装時及び包装開放後の外側シートの状態を説明するための図である。図5(A)は、食品塊を包装している状態の外側シートの一例を示す図であり、図5(B)は、包装を開放した状態の外側シートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、食品用包装体1の外観の一例を示す図である。図1(A)は、食品用包装体1の分解正面図の一例(その1)である。図1(B)は、食品用包装体1の分解正面図の一例(その2)である。図1(C)は、外側シート10と内側シート20を重ね合わせた状態の正面図の一例である。
【0018】
食品用包装体1は、外側シート10と、内側シート20とを備える。外側シート10は、食品用包装体1で食品塊を包装した状態において、外側に位置するシート状の包装体である。内側シート20は、食品塊を包装した状態において、外側シート10より内側に位置するシート状の包装体である。
【0019】
外側シート10と内側シート20には、例えばポリプロピレン等の防湿性に優れた材料が用いられる。外側シート10は、内側シート20との間にシート状食品である海苔31を挟む。即ち、食品用包装体1は、食品を包装した状態で、食品、内側シート20、シート状食品、外側シート10の順に配置される。
【0020】
図1に示す外側シート10と内側シート20は、説明の便宜上、異なる着色がされているが、外側シート10と内側シート20は同じ色であってもよい。また、図1に示す外側シート10と内側シート20は、説明の便宜上、透過素材で構成されているが、外側シート10と内側シート20は、透過素材で構成されていなくてもよい。
【0021】
例えば、外側シート10は、矩形に形成される。外側シート10は、1又は複数個所に切り欠きを有していてもよい。図1に示す外側シート10は、長方形であって、一方の短辺の中央部分に二等辺三角形の切り欠きを有している。
【0022】
外側シート10は、二対の引き裂き部11を備える。引き裂き部11の各々は、開始端を外側シート10の一辺上に有する。例えば引き裂き部11の開始端は、外側シート10の一方の短辺上に位置する。図1に示す外側シート10は、一対の引き裂き部11a・11bと、一対の引き裂き部11c・11dとを有する。なお、図1に示す引き裂き部11a・11b・11c・11dは、外側シート10の短辺上の切り欠きに開始端を有する。
【0023】
一対の引き裂き部11a・11bは、開始端を有する外側シート10の一辺に対し略垂直に位置する、外側シート10の他辺に渡って、外側シート10が引き裂かれるよう案内する。一対の引き裂き部11c・11dは、開始端を有する外側シート10の一辺に対し略垂直に位置し、前述の他辺に対向する外側シート10の一辺に渡って、外側シート10が引き裂かれるよう案内する。
【0024】
例えば、引き裂き部11の各々は、外側シート10の短辺上に形成された開始端から、外側シート10の長辺上の終了端に渡って直線状に形成された開封誘導線である。開封誘導線は、例えば外側シート10の裏面又は表面に形成されたカットテープにより形成される。他の例として、開封誘導線は、外側フィルムの一部を他の部分より脆弱に構成することによって形成される。脆弱に構成する方法として、例えば貫通しない切れ目を設ける、又はミシン目を設ける、等の方法が含まれる。
【0025】
なお、開封誘導線は、外側シート10の短辺上に開始端を有するものであればよく、終了端が外側シート10の長辺上に設けられていなくてもよい。開封誘導線の終了端は、開始端から外側シート10の長辺上の一点を結ぶ線上の、外側シート10の長辺上でない部分に設けられていてもよい。その場合、引き裂き部11を裂く際に、開封誘導線の開始端から終了端まで引き裂き、そのまま同方向に力を加えれば、外側シート10の長辺に到達するまで、該外側シート10の一部が引き裂かれる。
【0026】
図1に示す二対の引き裂き部11は、各々対となる引き裂き部11が平行するよう構成される。しかしながら、引き裂き部11の構成はこれに限定されない。例えば、一対の引き裂き部11の間の距離が、開始端から終了端に向かうにつれて、徐々に大きくなるよう形成されてもよいし、徐々に小さくなるよう形成されていてもよい。なお、引き裂き部11の一部又は全部は、直線でなくてもよい。例えば、引き裂き部11の一部又は全部は、曲率半径の大きい円弧形状を形成するものであってもよい。
【0027】
また、引き裂き部11は、外側シート10の短辺上に形成された、引き裂き用ノッチであってもよい。その場合においても、引き裂き部11は、各々外側シート10の長辺に渡って外側シート10が引き裂かれるよう案内するといえる。
【0028】
対となる引き裂き部11の間の領域は、各々切除部12・13として機能する。切除部12・13は、各々対となる引き裂き部11が引き裂かれると、外側シート10から切除される。
【0029】
内側シート20は、分離可能に重ね合わされる、第1内側シート21と、第2内側シート22とを備える。第1内側シート21と、第2内側シート22とは、各々切除部12・13の一部と固定される。図1(C)において、第1内側シート21は、固定部14において切除部12と固定され、第2内側シート22は、固定部15において切除部13と固定される。
【0030】
また、図1において、第1内側シート21と、第2内側シート22は、内側シート20の短辺方向中央部分において、分離可能に重ね合わされている。第1内側シート21と第2内側シート22とが重なる位置は、本図に示す位置に限定されるものではない。第1内側シート21と、第2内側シート22は、各々切除部12・13の一部に固定される位置にあればよい。
【0031】
また、一例として、外側シート10と内側シート20は、重ね合わせた状態において、略同じ形状を有する。例えば図1(C)に示す例では、内側シート20は、第1内側シート21と第2内側シート22とを重ね合わせた状態において、外側シート10と同じ形状となるよう、一方の短辺中央部分に二等辺三角形の切り欠きを有している。内側シート20の形状はこれに限られず、外側シート10と略同じ形状でなくてもよい。内側シート20は、包装した状態において、海苔31と飯塊32(後述)とが接触しない大きさや形状を有していればよい。
【0032】
また、固定部14・15の固定方法は限定されない。例えば、熱による溶着や圧着、又は接着により固定される。
【0033】
図2は、食品用包装体1による食品塊の包装を説明するための図(その1)である。図2は、外側シート10と内側シート20との間に海苔31を挟み、固定部14・15において外側シート10と内側シート20とを固定した食品用包装体1に対し、三角立体形状の飯塊32を設置した状態を示す。なお、食品用包装体1により包装される飯塊32の形状は、三角立体形状に限られず、任意の形状の飯塊32を包装することができる。以下、三角立体形状の飯塊32について、三角形の部分を正面、四角形の部分を側面として説明する。
【0034】
例えば、飯塊32は、前述の食品塊であって、4つの引き裂き部11a・11b・11c・11dのうち、内側の引き裂き部11b・11dの近傍に配置される。なお、内側シート20が除去された後において、外側シート10のうち、飯塊32の正面に当接する部分は、把持部16として機能するが、詳細は後述する。
【0035】
図3は、食品用包装体1による食品塊の包装を説明するための図(その2)である。図3(A)は、図2に示す状態から飯塊32の両正面を食品用包装体1で挟んだ状態の食品100を示す。図3(B)は、図3(A)に示す状態から食品用包装体1で飯塊32を覆った状態の食品100を示す。
【0036】
おにぎりの形状に食品用包装体1を折り曲げ、図3(B)に示す、おにぎりの販売体である食品100を得る。2つの切除部12・13は、各々飯塊32の側面(左右の側面)に位置する。また、飯塊32の2つの正面、及び1つの側面(下側の側面)の少なくとも一部に、把持部16が位置する。折り曲げられた食品用包装体1は、包装が開放されないよう、折り曲げた部分の一部がシール等により固定される。なお、この際、折り曲げた外側シート10の一部が把持部16と分離しないよう固定されると、おにぎりを取り出す際に発生する食品用包装体1の分離部品の数が少なくなる。
【0037】
図4は、食品100から食品塊であるおにぎりを取り出す方法を説明するための図である。図4(A)は、おにぎりを取り出す方法を説明するための図(その1)であって、図4(B)はおにぎりを取り出す方法を説明するための図(その2)である。
【0038】
まず、引き裂き部11の開始端をつまんで引く。引き裂き部11の案内に従って、外側シート10の一部が引き裂かれ、切除部12・13が外側シート10から引き離されるにつれ、飯塊32と接する内側シート20又は海苔31の一部が露わになる。
【0039】
その後さらに力を加え、引き裂き部11が外側シート10の長辺に到達するまで引き裂かれ、切除部12・13が外側シート10から分離され、切除される。切除部12・13の切除に伴い、固定部14・15に固定された第1内側シート21・第2内側シート22が海苔31の内側から引き出され、飯塊32から取り外される。
【0040】
その結果、飯塊32に直に海苔31が接し、おにぎりが形成される。おにぎりの両正面及び側面(下側の側面)には、外側シート10の一部が把持部16として除去されずに残存する。即ち、おにぎりを食べる際に、把持部16を手で把持することにより、直におにぎりに手が触れるのを防ぐことができる。
【0041】
図5は、包装時及び包装開放後の外側シート10の状態を説明するための図である。図5(A)は、食品塊を包装している状態の外側シート10の一例を示す図であり、図5(B)は、包装を開放した状態の外側シート10の一例を示す図である。
【0042】
図5(A)に示す例において、食品100の2側面の各々に切除部12・13が位置している。また、飯塊32の三角形の両正面の各々について、三角形の斜辺に相当する二辺に沿うよう、4つの引き裂き部11a・11b・11c・11dが位置している。即ち、三角立体形状の有する六辺のうち、頂点を挟む四辺を形成する稜線に、引き裂き部11a・11b・11c・11dが形成されている。
【0043】
図5(B)に示すように、切除部12・13を外側シート10から除去すると、把持部16がおにぎりを挟むよう残存し、おにぎりの一部を覆う。これにより、衛生的におにぎりを食べることができる。また、引き裂き部11の開始端が海苔31に重ならないよう構成することにより、海苔31が外気に触れるのを防ぐことができ、より衛生的である。
【0044】
なお、外側シート10に内包された海苔31が外気に触れないよう、外側シート10の一部に、内側に折り返す折り返し部を設けてもよい。例えば、外側シート10の対向する二辺を内側に折り返して折り返し部とし、内側シート20と重ねて飯塊32を包んでもよい。一例として、折り返し部は長方形である外側シート10の両短辺に形成される。なお、折り返し部は外側シート10の両長辺に形成されてもよい。付言すれば、内側シート20の一部を外側に折り返して折り返し部を形成してもよい。
【0045】
以上、本発明に係る各実施形態及び変形例の説明を行ってきたが、本発明は、上記した実施形態の一例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態の一例は、本発明を分かり易くするために詳細に説明したものであり、本発明は、ここで説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態の一例の構成の一部を他の一例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の一例の構成に他の一例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の一例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることもできる。
【0046】
例えば、本実施形態における食品用包装体は、おにぎり以外の食品に用いることができる。即ち、食品用包装体により包装された食品は、おにぎりでなくてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1:食品用包装体、10:外側シート、11・11a・11b・11c・11d:引き裂き部、12・13:切除部、14・15:固定部、16:把持部、20:内側シート、21:第1内側シート、22:第2内側シート、31:海苔、32:飯塊、100:食品
【要約】
【課題】より衛生的に食品を包装する包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】外側シートと内側シートを備え、食品を包装した状態で、前記食品、前記内側シート、シート状食品、前記外側シートの順に配置される食品用包装体であって、前記外側シートは、二対の引き裂き部を備え、前記引き裂き部は、各々前記外側シートの所定の一辺上に開始端を有し、一対の前記引き裂き部は、前記開始端から、前記一辺に対し略垂直に位置する前記外側シートの他辺に渡って前記外側シートが引き裂かれるよう案内し、他の一対の前記引き裂き部は、前記開始端から、前記一辺に対し略垂直に位置し、前記他辺に対向する前記外側シートの一辺に渡って前記外側シートが引き裂かれるよう案内することを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5