特許第6873584号(P6873584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6873584-射出装置サブユニット 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6873584
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】射出装置サブユニット
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/13 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   B29C45/13
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-50372(P2020-50372)
(22)【出願日】2020年3月20日
【審査請求日】2020年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(72)【発明者】
【氏名】河口 倫範
【審査官】 北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−144356(JP,A)
【文献】 実開昭61−186414(JP,U)
【文献】 実開昭61−186413(JP,U)
【文献】 特開2017−154305(JP,A)
【文献】 特開2011−056774(JP,A)
【文献】 特開平03−159718(JP,A)
【文献】 特開平01−113217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な台車と該台車の上に設置されている射出装置とからなり、射出成形機の側方に配置されて該射出成形機と併用されるようになっている射出装置サブユニットであって、
前記台車は床面を走行するベース部と、該ベース部の上に設けられ前記射出装置が載置されている架台部とからなり、前記架台部はモータによって昇降し、それによって前記射出装置の高さが調整されるようになっており、
前記台車には前記射出装置を制御する制御盤が設けられていることを特徴とする射出装置サブユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の射出装置サブユニットにおいて、前記架台部にはリニアセンサが設けられ、前記リニアセンサによって検出される前記架台部の高さに基づいて前記射出装置が所望の高さに調整されることを特徴とする射出装置サブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車とその上に設置されている射出装置とからなる射出装置サブユニットであって、射出成形機と併用され、射出成形機の射出装置と異なる種類の樹脂を射出して2色成形を実施することができるようになっている射出装置サブユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
いわゆる2色成形方法は異なる2種類の樹脂から成形品を成形する方法であり、2台の射出装置からそれぞれ異なる樹脂を射出して成形することができる。2色成形方法を実施するために、1台の型締装置に対して2台の射出装置が設けられている特注対応の射出成形機を使用することもできる。しかしながら、引用文献1に記載されているように、1台の型締装置と1台の射出装置とからなる汎用的な射出成形機に対して、追加の射出装置つまり射出装置サブユニットを併用しても実施できる。この場合、射出装置サブユニットは射出成形機の側方に配置する。そして射出装置サブユニットの射出装置を、射出装置の型締装置に設けられている金型の側方に当接させる。そうすると射出装置サブユニットの射出装置から金型に樹脂を射出できる。このように射出装置サブユニットを併用すると、汎用的な射出成形機によっても2色成形方法が実施できるので成形コストは小さい。なお、射出装置サブユニットは2色成形方法だけでなく大量の樹脂を必要とする大型の成形品を成形する場合にも利用できる。つまり射出装置サブユニットを汎用的な射出成形機に併用し、それぞれの射出装置から同種の樹脂を射出すれば大型の成形品を成形できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−144356号公報
【0004】
従来の射出装置サブユニット50は、図2の(A)にその正面図が、その(B)に側面図が示されているように、台車51と、この台車51に設けられている射出装置52とから概略構成されている。台車51は車輪54、54、…とストッパ55、55、…とが設けられており、図示されていない射出成形機の近傍に射出装置サブユニット50を移動することができ、射出成形機の近傍で固定的に静止させることができるようになっている。台車51は、ベース部57と、このベース部57の上に設けられている架台部58とからなり、射出装置52はこの架台部58に固定されている。ベース部57には操作ハンドル59が設けられており、操作ハンドル59を回転すると所定の昇降機構により架台部58がベース部57に対して上下にスライドするようになっている。架台部58の先端には金型取付面61が設けられている。架台部58の高さを調整してこの金型取付面61を図示されていない金型に整合させ、金型に固定する。そうすると金型に設けられているスプルに対して射出装置サブユニット50の射出装置52が整合する。射出装置52の図示されていない射出ノズルをスプルにタッチして樹脂を射出することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の射出装置サブユニット50によっても、汎用的な射出成形機と併用して安価に2色成形を実施することはできる。しかしながら解決すべき課題も見受けられる。射出装置サブユニット50は、射出装置52を駆動するためのサーボアンプ、サーボアンプに電力を供給するコンバータ、射出装置52のヒータに電力を供給するヒータ制御回路、そしてこれらを制御するPLC等が必要であり、これらは図2の(C)に示されている制御盤63に設けられている。つまり射出装置サブユニット50を駆動させるには、別途制御盤63が必要になる。射出成形機の近傍には射出装置サブユニット50だけでなく制御盤63も配置しなければならないので、作業に必要なスペースが制限されるという問題がある。さらには重心位置が高いので安定させるためにベース部57の上面形状を大きくしなければならないという問題もある。これは、射出装置サブユニット50において重量の大きい射出装置52が高所に設けられていて台車51が比較的空間が大きくなっているからであり、必然的に全体の重心が高くなるからである。他の問題も見受けられる。架台部58は操作ハンドル59を操作して上下させるようにしているが、重量の大きい射出装置52が載置されているので操作に労力を要する。さらに人力で操作すると上下位置の調整の精度が粗くなる問題がある。
【0006】
本発明は以上のような問題を解決することを目的としており、具体的には、汎用的な射出成形機と併用して2色成形が実施できる射出装置サブユニットでありながら、過度に設置面積を占有することなく作業に必要なスペースが確保され、重心が低く安定しており、そして射出装置サブユニットの射出装置の高さを容易にかつ精度よく調整でき、それによって容易に射出成形機に設けられている金型に接続することができる、射出装置サブユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、射出装置サブユニットに制御盤を設ける。すなわち射出装置サブユニットは移動可能な台車と、その上に設置されている射出装置とからなるが、この台車に射出装置を制御する制御盤を設ける。さらに台車は床面を走行するベース部と、この上に設けられて射出装置が載置されている架台部とから構成されているが、この架台部はモータによって昇降するように構成し、それによって射出装置の高さの調整ができるようにする。
【0008】
すなわち本発明は、移動可能な台車と該台車の上に設置されている射出装置とからなり、射出成形機の側方に配置されて該射出成形機と併用されるようになっている射出装置サブユニットであって、前記台車は床面を走行するベース部と、該ベース部の上に設けられ前記射出装置が載置されている架台部とからなり、前記架台部はモータによって昇降し、それによって前記射出装置の高さが調整されるようになっており、前記台車には前記射出装置を制御する制御盤が設けられていることを特徴とする射出装置サブユニットとして構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の射出装置サブユニットにおいて、前記架台部にはリニアセンサが設けられ、前記リニアセンサによって検出される前記架台部の高さに基づいて前記射出装置が所望の高さに調整されることを特徴とする射出装置サブユニットとして構成される。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明は、移動可能な台車と該台車の上に設置されている射出装置とからなり、射出成形機の側方に配置されて該射出成形機と併用されるようになっている射出装置サブユニットを対象としている。そして本発明によると台車には射出装置を制御する制御盤が設けられている。従って、射出装置サブユニットを使用する場合には射出装置サブユニットだけを射出成形機の側方に設置すればよく、制御盤を設置するスペースを用意する必要がない。すなわち射出成形機の周囲において過度に設置面積が占有されることがなく、作業に必要なスペースが確保される。さらには、従来の射出装置サブユニットにおいては、重量の大きい射出装置が高所に設けられている一方で、台車において何もない空間が大きく、結果的に重心が高くなっているのに対し、本発明においては台車に重量の大きい制御盤が設けられていて何もない空間が小さくなっているので全体的に重心が比較的低い。そうすると台車は安定しやすくなるという効果が得られる。そして本発明によると、台車は床面を走行するベース部と、該ベース部の上に設けられ射出装置が載置されている架台部とからなり、架台部はモータによって昇降し、それによって射出装置の高さが調整されるようになっている。モータによって昇降させるので射出装置の高さを容易にかつ精度よく調整できる。従って容易に射出成形機に設けられている金型に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る射出装置サブユニットを示す図で、その(A)は射出装置サブユニットの正面図、その(B)はその(A)においてX方向からみた射出装置サブユニットの側面図、そしてその(C)はその(B)において符号Yで示されている部分を拡大して断面を示す射出装置サブユニットの一部断面図である。
図2】従来例を示す図で、その(A)、(B)はそれぞれ従来の射出装置サブユニットの正面図と側面図であり、その(C)は射出装置サブユニットの射出装置を制御する制御盤を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る射出装置サブユニット1は、概略図1の(A)、(B)のように構成されている。すなわち射出装置サブユニット1は、移動可能な台車2と、この台車2に設けられている射出装置3と、後で説明する制御盤4とから構成されている。本実施の形態に係る射出装置サブユニット1も、従来の射出装置サブユニットと同様に、図示されていない射出成形機と併用されるようになっており、射出成形機に設けられている射出装置を第1の射出装置とすると、射出装置サブユニット1の射出装置3は第2の射出装置として使用され、例えば第1、2の射出装置から異なる種類の樹脂を射出すれば2色成形を実施することができるようになっている。
【0012】
本実施の形態に係る射出装置サブユニット1においても、台車2は大きく2個の部分から構成されている。すなわち床面を走行するようになっているベース部5と、このベース部5に対して上下に昇降すると共に射出装置3が載置される架台部6とから構成されている。ベース部5には床面を走行するための車輪8、8、…が設けられていると共に、ベース部5を床面に固定するためのストッパ9、9、…が設けられている。移動時にはストッパ9、9、…は上方に持ち上げられて床面から離間するようになっているが、停止時には床面に押しつけるようになっている。
【0013】
従来の射出装置サブユニット1と同様に、本実施の形態に係る射出装置サブユニット1も架台部6を昇降させて射出装置3の高さを調整できる。つまり図示されない射出成形機に設けられている金型に対して射出装置3の高さを整合させることができるようになっている。従来の射出装置サブユニットにおいては射出装置の高さ調整は手動で実施する必要があったが、本実地の形態に係る射出装置サブユニット1は架台部6を電動式に昇降できる点に特徴がある。これを説明する。
【0014】
本実施の形態において、架台部6には2本のパイプ脚11、11が設けられパイプ脚11、11はベース部5に設けられている筒部12、12に摺動自在に挿入されている。パイプ脚11には、図1の(C)に示されているように、その下部において雌ネジからなる雌金具14が固定されている。そして雌金具14には、ベース部5に対して回転可能に設けられている雄ネジ15が螺合している。従って雄ネジ15が回転すると、雌金具14とパイプ脚11とが一体的に上下して架台部6と射出装置3とが昇降するようになっている。なお、図1の(C)には一方のパイプ脚11のみ示されているが、他方のパイプ脚11においても同様に雌金具14が設けられ、雄ネジ15が螺合している。
【0015】
台車2のベース部5には、その下部において2本の雄ネジ15、15のそれぞれに対応するように2個のギヤボックス17、17が設けられ、このギヤボックス17、17に雄ネジ15、15が挿入されている。なお、図1の(C)には1個のギアボックス17のみ示されており、他のギアボックス17については図示されていない。これらの2個のギアボックス17、17には1本の水平シャフト18が回転可能に挿入されている。ギアボックス17、17内には傘歯車が設けられており、水平シャフト18を回転すると水平シャフト18の回転が雄ネジ15、15に伝達されることになる。ベース部5にはモータ20が設けられ、モータ20の回転軸と水平シャフト18とにはそれぞれプーリ21、22が設けられ、タイミングベルト24によって回転が伝達されるようになっている。従って、モータ20を回転すると、水平シャフト18を介して雄ネジ15、15が回転し、架台部6と射出装置3とが昇降する。図示されていないが、本実施の形態において架台部6にはリニアセンサが設けられており、架台部6の高さが検出できるようになっている。次に説明する制御盤4に設けられているコントローラによって、架台部6の高さが検出されモータ20が制御される。従って射出装置3を所望の高さに調整できる。なお、モータ20としてサーボモータを採用するようにすれば、リニアセンサを設けなくても正確に射出装置3の高さを調整できる。
【0016】
本実施の形態に係る射出装置サブユニット1は、制御盤4が一体化されている点に特徴がある。制御盤4には、図示されていないが、複数の制御機器等が設けられている。すなわち、射出装置3の射出軸、可塑化軸等の複数個のサーボモータを駆動するための複数個のサーボアンプ、これら複数個のサーボアンプに電力を供給するコンバータが設けられている。そして、射出装置3のヒータに電力を供給するヒータ制御回路も設けられている。さらにこれらを制御するPLC等のコントローラも設けられている。このように制御盤4が一体化されているので、本実施の形態に係る射出装置サブユニット1は設置スペースが比較的小さくなっている。制御盤4のコントローラは、射出成形機のコントローラに接続されるようになっており、射出成形機において実施される成形サイクルに同期して射出装置3を制御するようになっている。なお、本実施の形態に係る射出装置サブユニット1においては、制御盤4にモニタは接続されていない。モニタは、制御盤4内のコントローラの設定を変更するなどメンテナンス時に必要になるが、例えばノートパソコン等を一時的に接続するようにしてもよいし、射出成形機に設けられているモニタに接続してもよい。
【符号の説明】
【0017】
1 射出装置サブユニット 2 台車
3 射出装置 4 制御盤
5 ベース部 6 架台部
8 車輪 9 ストッパ
11 パイプ脚 12 筒部
14 雌金具 15 雄ネジ
17 ギアボックス 18 水平シャフト
20 モータ 21 プーリ
22 プーリ 24 タイミングベルト
【要約】
【課題】設置スペースが小さく、重心が低く安定しており、そして射出装置の高さを容易にかつ精度よく調整できる射出装置サブユニットを提供する。
【解決手段】射出装置サブユニット(1)に制御盤(4)を設ける。すなわち射出装置サブユニット(1)は移動可能な台車(2)と、その上に設置されている射出装置(3)とからなるが、この台車(2)に射出装置(3)を制御する制御盤(4)を設ける。なお制御盤(4)はサーボアンプ、コンバータ、PLC等のコントローラ等から構成される。台車(2)は床面を走行するベース部(5)と、この上に設けられて射出装置(3)が載置されている架台部(6)とから構成されているが、本発明においては、この架台部(6)はモータ(20)によって昇降するように構成する。つまりモータ(20)によって射出装置(3)の高さの調整ができるようにする。
【選択図】図1
図1
図2