(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の実施形態による小旋回型ショベルの側面図である。
図2は、
図1に示すショベルを上から見た平面図である。以下、本明細書では、小旋回型ショベルを単に「ショベル」と称することもある。ショベルの下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載される。上部旋回体3にはブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられる。エンドアタッチメントとして、法面用バケット、浚渫用バケット等が用いられてもよい。
【0013】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例として掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。
【0014】
上部旋回体3にはキャビン10が設けられ、且つエンジン11等の動力源が搭載される。キャビン10内には、運転席、ショベル操作に必要な各種操作装置、及びショベルの駆動を制御するコントローラ等が設置されている。
【0015】
本明細書では、上部旋回体3の前側(Z1側)は、上部旋回体3の中央から見てブーム4が取付けられている側である。上部旋回体3の左側(X2側)は、前後軸で分割される2つの側のうち、上部旋回体3の中央から見てキャビン10が設けられている側である。
【0016】
ブーム4は、上部旋回体3のほぼ中央にあるブーム支持ブラケット14に回動可能に支持される。具体的には、ブーム4は、右側ブラケット14Rと左側ブラケット14Lとの間に挟まれた状態で、右側ブラケット14R、ブーム4、及び左側ブラケット14Lを貫通するブームフートピン400により支持される。
【0017】
キャビン10は、上部旋回体3の前側(Z1側)で且つブーム4の左側(X2側)に設置されている。上部旋回体3の前側(Z1側)で且つブーム4の右側(X1側)にはカバー22が取り付けられている。カバー22の後側(Z2側)には、燃料タンク24と作動油タンク26が設置されている。
図2の例では、燃料タンク24が外側(X1側)に設置され、作動油タンク26が内側(X2側)に設置されている。
【0018】
カバー22の上面及び作動油タンク26の上面は、メンテナンス時等に作業者の通路として使用される。一方、燃料タンク24の上面は、作動油タンク26の上面より高い位置にあり、作業者の通路としては使用されない。
【0019】
上部旋回体3の外周部分には、カバー22から燃料タンク24にかけて、ハンドレール60が取り付けられている。作業者は上部旋回体3の上に登る際にハンドレール60を利用する。ハンドレール60は燃料タンク24のところまで延在する。ハンドレール60が終端した位置からは、ハンドレール60の延長方向にハンドレール70が延在する。ハンドレール70は燃料タンク24の上面に取り付けられており、燃料タンク24の上面の角に沿って内側(X2側)に向けて屈曲している。ハンドレール70は、作動油タンク26の上面に作業者が乗ったときに作業者が掴まることのできるような位置に設けられる。
【0020】
燃料タンク24及び作動油タンク26の後側(Z2側)には、排ガス処理装置を覆うSCRカバー90が設けられている。SCRカバー90の燃料タンク24に近い部分には、排ガス処理装置から延出する排気筒(マフラー)92が突出している。
【0021】
カバー22、燃料タンク24、作動油タンク26、ハンドレール60、ハンドレール70、及びSCRカバー90は、上部旋回体3の右側に設置されている。
【0022】
上部旋回体3の中央には、上述のようにブーム4が回動可能に取り付けられている。上部旋回体3の後部は円弧形状を有する。円弧の半径は、ショベルの旋回半径が所定値以下となるように制限されている。上部旋回体3の後部の中央には、カウンタウェイト28が取り付けられている。そして、カウンタウェイト28とブーム4との間のスペースに、エンジン11が設置されている。エンジン11の上部は、エンジンフード30で覆われている。
【0023】
エンジンフード30の前側(Z1側)には、エンジンフード30を開けてエンジン11のメンテナンス作業を行なう際に操作者が通る通路32が設けられる。通路32の前側には、通路32より低い位置に作業用足場34が設けられている。作業用足場34は作動油タンク26の横に配置された旋回モータを覆うように設けられ、旋回モータカバーとしても機能する。作業者は、通路32に登るときに、まず低い方の作業用足場34に乗ってから、高いほうの通路32に登る。このとき、作業者はハンドレール70の鉛直方向に延在する部分に手をかけることで、作業用足場34から通路32まで容易に登ることができる。
【0024】
次に
図3〜
図5を参照し、上部旋回体3における各構成部品の配置について説明する。
図3は上部旋回体3の内部を示す平面図である。
図3では、カバー22、SCRカバー90、エンジンフード30等のカバー類が全て取り外されている。
図4は上部旋回体3の右前部を右斜め前の位置から見たときの上部旋回体3の斜視図である。
図4では、カバー22が取り外されている。
図5は、上部旋回体3の右前部を右側の位置から見たときの上部旋回体3の側面図である。
図5の破線(隠れ線)はカバー22等で覆われた内部構成部品を透視的に示している。
【0025】
図3に示すように、上部旋回体3の底部を構成する旋回フレーム300の上には、液体還元剤タンクとしての尿素水タンク36が設置されている。尿素水タンク36の後側(Z2側)には、コントロールバルブ37、燃料タンク24、及び作動油タンク26が設置されている。旋回フレーム300は、
図5に示すように、底板300aと、底板300aの上に設置される梁部300bとで構成されている。尿素水タンク36及びコントロールバルブ37は底板300a上に設置されている。底板300aは、25mm程度の厚さを有している。
【0026】
尿素水タンク36は、
図4に示すように、その前面、上面、及び後面がタンク用ケーシング部100で部分的に覆われている。尿素水タンク36の右前部にはレベルゲージ36Gが設けられている。レベルゲージ36Gは、尿素水タンク36内の尿素水のレベルを示すゲージである。
図4の例では、レベルゲージ36Gは、尿素水が許容最大量まで補給されたときの液面レベルが見えるように構成されている。
【0027】
タンク用ケーシング部100には、液体還元剤供給ポンプとしての尿素水ポンプ38が取り付けられている。尿素水ポンプ38には、液体還元剤供給パイプとしての尿素水パイプ39が接続されている。尿素水パイプ39は、
図3に示すように、右側ブラケット14Rと作動油タンク26との間に設置されて排ガス処理装置50と接続される。この構成により、尿素水タンク36の尿素水が排ガス処理装置50へ供給されてエンジン11の排ガスが処理される。
【0028】
エンジン11は、上部旋回体3の後部の中央に設置されている。エンジン11のファンが設けられた側であるエンジン11の左側(X2側)には、エンジン用冷却器40及びインタクーラ42が設置されている。インタクーラ42の更に外側(X2側)には、エンジン11に供給する空気を濾過するためのエアフィルタ44が設置されている。このように、エンジン11の左側(X2側)にはエンジン11に付随する様々な機器が設置されている。そのため、排ガス処理装置50のような大きな機器を配置するスペースを確保するのは難しい。
【0029】
そこで、本実施形態では、排ガス処理装置50は、エンジン11の右側(X1側)の不図示のポンプ室の上方に設置されている。ただし、排ガス処理装置50は比較的大きな装置であるため、その長手方向軸が上部旋回体3の前後軸に対して傾斜するように、斜めに設置されている。このように、排ガス処理装置50を斜めに設置することにより、排ガス処理装置50の全体を、ポンプ室の上方において、上部旋回体3の旋回半径内に収容することができる。
【0030】
また、排ガス処理装置50をポンプ室の上方に配置することで、排ガス処理装置50をエンジン11に対して比較的低い位置に設置することができる。このため、排ガス処理装置50から上方に延出する排気筒(マフラー)92の高さを低くすることができる。
【0031】
ここで、排ガス処理装置50について簡単に説明する。本実施形態では、エンジン11としてディーゼルエンジンが用いられているため、排ガス規制をクリアするために排ガス処理装置50を設ける必要がある。排ガス処理装置50は、エンジン11の排気系に設置され、エンジン11の排ガスを処理して排ガス規制をクリアした排ガスに変換する。このようにして浄化された排ガスが、排ガス処理装置50の排気筒(マフラー)92から大気に放出される。
【0032】
次に、上部旋回体3の右側(X1側)で且つ前側(Z1側)に設置される尿素水タンク36、コントロールバルブ37等の具体的な構成と配置について説明する。
【0033】
コントロールバルブ37は、カバー22を支持するカバーフレーム部80の内側に設置されている。カバーフレーム部80は、
図4に示すように、底板300aから立ち上がる前側(Z1側)の2本の縦フレーム81と、後側(Z2側)の2本の縦フレーム82とを有している。縦フレーム81は、その高さが縦フレーム82の高さより低くなるように形成され、縦フレーム81と縦フレーム82とは斜めに延びる繋ぎフレーム83で連結されている。左右一対の繋ぎフレーム83は横フレーム84で連結されている。また、左右一対の縦フレーム82は横フレーム85で連結されている。カバーフレーム部80の内側にはコントロールバルブ37が設置されている。
【0034】
尿素水タンク36は、
図3に示すように、カバーフレーム部80の前側(Z1側)の領域S内に設置されている。領域Sは、従前においては工具箱として利用されていた領域(スペース)である。そのため、領域Sに尿素水タンク36を設置する際に上部旋回体3の外形に変更を加える必要は無い。上部旋回体3の旋回半径が大きくなることもない。また、作業者は、尿素水タンク36が領域S内に設置された状態で、尿素水の補給作業を簡便に行うことができる。尿素水タンク36は、上部旋回体3の右前部のアクセスし易い位置に設置されているためである。具体的には、作業者は、下部走行体1の上に登るだけで、尿素水タンク36に尿素水を補給できる。
【0035】
尿素水タンク36は、容積拡大部361を有していてもよい。容積拡大部361は、尿素水タンク36の容積を拡大するための膨らみである。容積拡大部361の個数、形状、大きさ等に制限はなく、適宜状況に応じて決定される。
【0036】
尿素水タンク36の給液口には、尿素水を補給するための円筒形状のフィラー362が設けられている。
図4の例では、フィラー362の給液口は、前側(Z1側)へ向かって斜め上を向くように設けられている。
【0037】
フィラー362の給液口は、尿素水タンク36の給液口よりも高い位置にある。そのため、尿素水タンク36を尿素水で完全に満たすまで尿素水を補給できる。また、尿素水タンク36が傾いたとしても、フィラー362の円筒形状部分によりフィラー362の給液口から尿素水が跳ね出るのを防止できる。フィラー362の円筒形状部分は、上方に直線的に延びていてもよいし、
図5に示すように湾曲していてもよいし、屈曲していてもよい。屈曲或いは湾曲する場合には、フィラー362の給液口から尿素水が跳ね出ることをより効果的に防止できる。また、フィラー362の給液口には蓋363が設けられている。また、フィラー362の円筒形状部分は、角筒形状の保護材362aによって保護されている。保護材362aは、円筒形状等の他の形状であってもよい。保護材362aは省略されてもよい。
【0038】
尿素水タンク36は、タンク用ケーシング部100内に収納されている。タンク用ケーシング部100は、2つの縦プレート101と上面プレート102で構成される。縦プレート101は、尿素水タンク36の前面(Z1側の面)と、後面(Z2側の面)のそれぞれに沿って延びる。上面プレート102は、2つの縦プレート101の上縁部間を繋ぎ、且つ、尿素水タンク36の上面を覆う。後面(Z2側の面)に沿って延びる縦プレート101は、
図4では不可視となっている。
図4の例では、縦プレート101は、その中央部に開口を有する。但し、開口は省略されてもよい。
【0039】
上面プレート102は、円筒形状のフィラー362を挿通可能な開口部を有している。また、上面プレート102の後側(Z2側)には、尿素水ポンプ38を固定する支持ブラケット103が連結されている。尿素水ポンプ38は、支持ブラケット103に固定されている。なお、図の明確化のため、
図5ではタンク用ケーシング部100及び尿素水ポンプ38の図示が省略されている。
【0040】
尿素水ポンプ38の近傍に位置する尿素水パイプ39は、カバーフレーム部80の前側(Z1側)に位置する横フレーム84及び縦フレーム81に沿うように設置されている。
【0041】
また、
図5に示すように、尿素水タンク36は、その底面が燃料タンク24の底面よりも低くなるように旋回フレーム300の底板300a上に搭載される。カバー22の下に収納される尿素水タンク36の高さをできるだけ高くするためである。
【0042】
燃料タンク24は、その底面が旋回フレーム300を構成する2本の梁部300bの上に位置するように設置されている。梁部300bにより嵩上げされた領域Hには、不図示の油圧パイプ等が挿通されていてもよい。
【0043】
次に
図5を参照し、上部旋回体3の右前部を覆うカバー22について説明する。
図5の例では、カバー22は、上部旋回体3の右前部の上面及び前面を覆う右前面カバー22Fと、上部旋回体3の右側部の右側面を覆う右側面カバー22Rとを含む。
図5の例では、右側面カバー22Rは、一点鎖線で示す軸22RX周りに開閉(回動)可能に且つ施錠可能に構成されている。
図5のドットハッチングで示す図形は、右側面カバー22Rの内側に取り付けられるシール部材22RPである。シール部材22RPは、右側面カバー22Rが閉じられたときに、上部旋回体3の右前部の内部を密封する。但し、右側面カバー22Rは、開閉(回動)不能に構成されていてもよく、右前面カバー22Fと一体的に構成されていてもよい。
【0044】
右前面カバー22Fは作業者が昇降する通路としての機能も有している。右前面カバー22Fは、その外周面に側断面形状が階段形状となるように複数の昇降ステップ220、221、222が形成されている。昇降ステップ220、221、222の上面には滑り止め220a、221a、222aがそれぞれ取付けられている。旋回フレーム300の右側の前端には昇降ステップ300cが取付けられている。昇降ステップ300cの上面、右前面カバー22Fの上面、及び燃料タンク24の上面には、ハンドレール60の縦フレームが連結されている。このように、右前面カバー22Fは尿素水タンク36、コントロールバルブ37等の上部を覆うカバーとして機能すると共に、作業者が昇降する通路としても機能する。
【0045】
右前面カバー22Fの前側(Z1側)には開閉可能なドア223が取付けられている。ドア223は、尿素水タンク36のフィラー362の蓋363と対向する位置で横開きとなるように取り付けられている。蓋363はドア223が開かれると外部に露出した状態となる。作業者は、ドア223を開いて蓋363を取り外すことで尿素水タンク36に尿素水を補給できる。
【0046】
作業者は、例えば、補給用尿素水容器36Xを持って下部走行体1の上に登る。補給用尿素水容器36Xは、補給用の尿素水を収容する持ち運び可能な容器であり、例えば、ポリエチレン製内袋と段ボール製外袋で構成されている。そして、作業者は、補給用尿素水容器36Xを昇降ステップ220の上に載せ、補給用尿素水容器36Xのノズルをフィラー362の給液口に差し込む。そして、作業者は、補給用尿素水容器36Xを傾けることで、補給用尿素水容器36Xから尿素水タンク36に尿素水を補給できる。この際、作業者は、レベルゲージ36Gを視認することで、尿素水が許容最大量まで補給されたか否かを容易に確認できる。
【0047】
ドア223は鍵付きであってもよい。蓋363への不正なアクセスを防止するためである。この場合、蓋363に鍵を取り付ける必要はない。ドア223に取り付けられた鍵で蓋363への不正なアクセスを防止できるためである。
【0048】
昇降ステップ220の下方には前照灯を収納する前照灯カバー220bが形成されている。前照灯カバー220bの前面(Z1側の面)にはルーバが取り付けられている。前照灯は、このルーバを通じて上部旋回体3の前方を照明する。
【0049】
次に
図6を参照し、尿素水タンク36のレベルゲージ36Gとカバー22との関係の一例について説明する。
図6は、上部旋回体3の右前部を右斜め前の位置から見たときの上部旋回体3の斜視図である。
【0050】
カバー22は、第1開口部OP1と第2開口部OP2とを有する。第1開口部OP1は、尿素水タンク36の給液口に対応する位置に形成される。尿素水タンク36の給液口に対応する位置は、例えば、フィラー362の給液口に対応する位置である。第2開口部OP2は、尿素水タンク36のレベルゲージ36Gに対応する位置に形成される。
【0051】
第1開口部OP1は、例えば、右前面カバー22Fの前面(Z1側の面)で昇降ステップ220よりも高い位置に形成される。そして、第1開口部OP1は、前方に向かって開口している。厳密には、斜め上方向に向かって開口している。尿素水の補給の際に作業者がフィラー362の蓋363及びその給液口を容易に視認できるようにするためである。
図6の例では、第1開口部OP1には開閉可能なドア223が取付けられている。ドア223は、尿素水タンク36のフィラー362の蓋363と対向する位置で横開きとなるように取り付けられている。図中の矢印はドア223の開き方向を示す。蓋363はドア223が開かれると外部に露出した状態となる。
【0052】
第2開口部OP2は、例えば、右前面カバー22Fの右側面の縁部の凹部として形成される。すなわち、第2開口部OP2は、右前面カバー22Fと右側面カバー22Rの間の隙間に形成される。
図6の例では、右側面カバー22Rには開閉用のドアノブ(ドアハンドル)224が取り付けられている。
図6の破線(隠れ線)は、右前面カバー22Fの右側面の縁部を示す。右前面カバー22Fの右側面の縁部のうち縦方向(Y軸方向)に延びる部分は、レベルゲージ36Gのところで前面側に凹むように構成されて第2開口部OP2を形成する。そのため、尿素水タンク36のレベルゲージ36Gは、右側面カバー22Rが閉じられた状態であっても、第2開口部OP2を通じて露出した状態となっている。作業者は、右側面カバー22Rが閉じられた状態であっても、第2開口部OP2を通じて尿素水タンク36のレベルゲージ36Gを視認できる。すなわち、右側面カバー22Rを開閉することなくレベルゲージ36Gを視認できる。
【0053】
尿素水タンク36に尿素水を補給する場合、作業者は、例えば、補給用尿素水容器36Xを持って下部走行体1の上に登る。そして、作業者は、補給用尿素水容器36Xを昇降ステップ220の上に載せ、ドア223を開いてフィラー362の蓋363を取り外す。その後、作業者は、補給用尿素水容器36Xのノズルをフィラー362の給液口に差し込む。この状態で、作業者は、補給用尿素水容器36Xを傾けることで、補給用尿素水容器36Xから尿素水タンク36に尿素水を補給できる。この際、作業者は、第2開口部OP2を通じてレベルゲージ36Gを斜め上から視認することで、尿素水が許容最大量まで補給されたか否かを容易に確認できる。そのため、作業者は、尿素水の補給の際に尿素水タンク36から尿素水が溢れ出てしまうのを防止できる。
【0054】
第2開口部OP2は、右前面カバー22Fの右側面の縁部における凹部として形成される代わりに、右側面カバー22Rの前端部における凹部として形成されてもよい。
図7は、第2開口部OP2が右側面カバー22Rの前端部における凹部として形成された例を示す。この構成においても、作業者は、右側面カバー22Rが閉じられた状態であっても、第2開口部OP2を通じて尿素水タンク36のレベルゲージ36Gを視認できる。
【0055】
図6の例では、第2開口部OP2は、右前面カバー22Fの右側面の縁部のうち縦方向(Y軸方向)に延びる部分に形成されている。すなわち、第2開口部OP2は、前方に向かって開口するが、上方に向かっては開口していない。これは、雨水、土砂等が上部旋回体3の右前部の内部に侵入するのを抑制できるという効果を奏する。但し、第2開口部OP2は、少なくとも部分的には、右前面カバー22Fの右側面の縁部のうち斜めに延びる部分に形成されていてもよい。すなわち、第2開口部OP2は、少なくとも部分的には、上方に開口していてもよい。この場合、第1開口部OP1と第2開口部OP2は、略同じ方向に向かって開口していてもよい。作業者は、右側面カバー22Rが閉じられた状態で、上からレベルゲージ36Gを視認できる。また、作業者は、ほぼ同じ視線の角度で、フィラー362の給液口とレベルゲージ36Gとを視認できる。第2開口部OP2が右側面カバー22Rの端部における凹部として形成される場合についても同様である。
【0056】
図6の例では、第2開口部OP2は、右前面カバー22Fと右側面カバー22Rの間の隙間に形成されているが、右側面カバー22Rを貫通する貫通孔として形成されてもよい。例えば、右前面カバー22Fと右側面カバー22Rが一体的に形成される場合、第1開口部OP1及び第2開口部OP2は何れもカバー22を貫通する貫通孔として形成されてもよい。
【0057】
次に
図8を参照し、尿素水タンク36のレベルゲージ36Gとカバー22との関係の別の一例について説明する。
図8は、上部旋回体3の右前部を右斜め前の位置から見たときの上部旋回体3の斜視図であり、
図6及び
図7に対応する。
【0058】
図8のカバー22は、右前面カバー22Fの前面(Z1側の面)に貫通孔としての第2開口部OP2を有する点で
図6のカバー22と相違するが、その他の点で共通する。そのため、共通部分の説明を省略し、相違部分を詳細に説明する。
【0059】
図8の破線(隠れ線)は、
図6の場合と同様、右前面カバー22Fの右側面の縁部を示す。
図8の例では、右前面カバー22Fと右側面カバー22Rの間に、レベルゲージ36Gを視認できるような隙間が形成されていない。尿素水タンク36のレベルゲージ36Gは、尿素水タンク36の左前部に設けられているためである。
【0060】
そのため、
図8の例では、第2開口部OP2は、尿素水タンク36の左前部に設けられたレベルゲージ36Gの位置に対応するよう、右前面カバー22Fの前面(Z1側の面)において、前照灯カバー220bの左側に貫通孔として形成されている。
【0061】
この構成により、
図8のカバー22は、
図6及び
図7に示すカバー22と同様の効果を実現できる。
【0062】
以上より、本発明の実施形態に係る小旋回型ショベルは、尿素水タンク36が機体に取り付けられた状態で尿素水タンク36に尿素水が適切に補給されるようにする。具体的には、本発明の実施形態に係る小旋回型ショベルでは、カバー22が、尿素水タンク36の給液口に対応する第1開口部OP1と、尿素水タンク36のレベルゲージ36Gに対応する第2開口部OP2とを有する。そのため、メンテナンス性を改善できる。作業者は、外部から尿素水タンク36の残量を容易に確認できるためである。また、尿素水タンク36に尿素水を補給する作業者は、その補給の際に第2開口部OP2を通じてレベルゲージ36Gを斜め上から視認することで、尿素水が許容最大量まで補給されたか否かを容易に確認できる。そのため、作業者は、尿素水の補給の際に尿素水タンク36から尿素水が溢れ出てしまうのを防止できる。
【0063】
カバー22は、上部旋回体3の右前部を覆う右前面カバー22Fと、上部旋回体3の右側部を覆う右側面カバー22Rとで構成されてもよい。この場合、第1開口部OP1は、右前面カバー22Fに形成され、第2開口部OP2は、右前面カバー22Fと右側面カバー22Rの間の隙間に形成される。この構成では、尿素水タンク36のレベルゲージ36Gは、右側面カバー22Rが閉じられた状態であっても、第2開口部OP2を通じて露出した状態となっている。そのため、作業者は、右側面カバー22Rが閉じられた状態であっても、第2開口部OP2を通じて尿素水タンク36のレベルゲージ36Gを視認できる。すなわち、右側面カバー22Rを開閉することなくレベルゲージ36Gを視認できる。
【0064】
また、第1開口部OP1及び第2開口部OP2は何れも右前面カバー22Fに形成されていてもよい。この場合、右前面カバー22Fと右側面カバー22Rは一体的に形成されていてもよい。この構成においても、尿素水タンク36のレベルゲージ36Gは、第2開口部OP2を通じて露出した状態となっている。そのため、作業者は、第2開口部OP2を通じて尿素水タンク36のレベルゲージ36Gを視認できる。
【0065】
また、第1開口部OP1には鍵付きのドア223が取り付けられていてもよい。この構成により、小旋回型ショベルは、フィラー362の蓋363への不正なアクセスを防止できる。また、蓋363が施錠可能である必要はない。ドア223を施錠することで蓋363への不正なアクセスを防止できるためである。
【0066】
また、第1開口部OP1及び第2開口部OP2は略同じ方向に開口していてもよい。この構成により、操作者は、ほぼ同じ視線の角度で、フィラー362の給液口とレベルゲージ36Gとを視認できる。そのため、作業者は、尿素水の補給の際に尿素水タンク36から尿素水が溢れ出てしまうのをより確実に防止できる。
【0067】
また、右前面カバー22Fには第1開口部OP1よりも下方に昇降ステップ220が取り付けられていてもよい。より望ましくは、尿素水タンク36の上面よりも高い位置に昇降ステップ220が取り付けられていてもよい。この構成により、作業者は、補給用尿素水容器36Xを昇降ステップ220の上に載せた状態で、補給用尿素水容器36Xのノズルをフィラー362の給液口に差し込むことができる。そして、作業者は、補給用尿素水容器36Xを傾けることで、補給用尿素水容器36Xから尿素水タンク36に尿素水を補給できる。この際、作業者は、レベルゲージ36Gを視認することで、尿素水が許容最大量まで補給されたか否かを容易に確認できる。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態が詳述された。しかし、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形が可能である。
【0069】
例えば、上述の実施例では、第2開口部OP2は、レベルゲージ36Gの全体が露出するように構成されている。尿素水の補給の際に尿素水が許容最大量まで補給されたか否かを作業者が確認できるようにするためである。また、作業者が尿素水の残量を外部から容易に確認できるようにするためである。しかしながら、本発明はこの構成に限定されない。例えば、第2開口部OP2は、レベルゲージ36Gの上半分が露出するように構成されてもよい。上半分が露出していれば、作業者は、尿素水が許容最大量まで補給されたか否かを確認できるためである。また、第2開口部OP2の開口面積が小さいほど、雨水、土砂等の内部への侵入が更に抑制されるためである。