特許第6873704号(P6873704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6873704ジェットバルブを用いた多成分接着剤の塗布装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873704
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】ジェットバルブを用いた多成分接着剤の塗布装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/36 20060101AFI20210510BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20210510BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20210510BHJP
   B05C 9/06 20060101ALI20210510BHJP
   B05D 1/26 20060101ALI20210510BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B05D1/36 Z
   B05C5/00 101
   B05C11/10
   B05C9/06
   B05D1/26 Z
   B05D7/24 301P
【請求項の数】33
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-566669(P2016-566669)
(86)(22)【出願日】2015年5月6日
(65)【公表番号】特表2017-518869(P2017-518869A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】US2015029394
(87)【国際公開番号】WO2015171713
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2018年5月2日
(31)【優先権主張番号】61/988,937
(32)【優先日】2014年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】ヘムセン、 スティーブン ジェイ.
【審査官】 團野 克也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−229705(JP,A)
【文献】 特開2009−163889(JP,A)
【文献】 特表2005−532598(JP,A)
【文献】 米国特許第05681757(US,A)
【文献】 特表2005−534464(JP,A)
【文献】 特表2008−540771(JP,A)
【文献】 特開2011−252085(JP,A)
【文献】 特開2005−334864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B05C5/00−21/00
B05D1/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に多成分接着剤を堆積させる方法であって、
第1の反応性接着剤成分を第1の基板上に分配するステップと、
第2の反応性接着剤成分を前記第1の基板上に分配するステップと、を有し
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分は別々に分配され、
前記第1の反応性接着剤成分と前記第2の反応性接着剤成分とは、前記第1の基板上に堆積するまで互いに混合または化学反応せず、
前記第1の反応性接着剤成分は第1のジェットバルブによって分配され、前記第2の反応性接着剤成分は第2のジェットバルブによって分配され、かつ、
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分は、混合すると化学反応して前記多成分接着剤を形成し、
前記第1のジェットバルブおよび前記第2のジェットバルブによる堆積速度は、前記多成分接着剤のポットライフに応じて制御され
前記第1の反応性接着剤成分の堆積物と前記第2の反応性接着剤成分の堆積物とが前記第1の基板上に分配される方法。
【請求項2】
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分は、微量堆積物として分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分が同時に分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分が順次分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の反応性接着剤成分の堆積物は、前記第1の反応性接着剤成分の堆積物に少なくとも部分的に浸透するように分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分は、1:1または2:1の体積比で分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の反応性接着剤成分の第1の層が前記第1の基板上に堆積され、
前記第2の反応性接着剤成分の第2の層は、前記第1の反応性接着剤成分の前記第1の層上に堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の反応性接着剤成分と前記第2の反応性接着剤成分との混合は、前記第1の反応性接着剤成分の堆積物と前記第2の反応性接着剤の堆積物を振動させることによって増大される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の反応性接着剤成分の堆積物と前記第2の反応性接着剤成分の堆積物とが交互パターンで前記第1の基板上に分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の反応性接着剤成分の堆積物と前記第2の反応性接着剤成分の堆積物とは、サイズ、形状または体積の少なくとも一つが異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の反応性接着剤成分の堆積物および前記第2の反応性接着剤成分の堆積物は、それぞれ0.0005mlから0.01mlの体積を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の基板上に前記第1のジェットバルブから堆積される前記第1の反応性接着剤成分の打ち込み角度と前記第1の基板上に前記第2のジェットバルブから堆積される前記第2の反応性接着剤成分の打ち込み角度とが相違している、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分は、前記第1の基板上へ非接触移送によって分配される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2のジェットバルブの各々は、前記第1の基板から離隔距離だけ離れている、請求項1に記載の接着剤を塗布する方法。
【請求項15】
前記第1および第2のジェットバルブのそれぞれの離隔距離は、0.127mm(0.05インチ)から12.7mm(0.5インチ)である、請求項14に記載の接着剤塗布方法。
【請求項16】
第2の基板を、前記第1の基板に対して、前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分が前記第1の基板と前記第2の基板との間にあるように提供するステップと、
前記第1の反応性接着剤成分の堆積物および前記第2の反応性接着剤成分の堆積物が互いに少なくとも部分的に浸透するように、前記第1の基板および前記第2の基板を共に移動させる力を加えるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の接着剤を塗布する方法。
【請求項17】
前記第1の反応性接着剤成分と前記第2の反応性接着剤成分との混合は、前記第1の反応性接着剤成分の堆積物と前記第2の反応性接着剤の堆積物とを振動させることによって増大される、請求項16に記載の接着剤を塗布する方法。
【請求項18】
多成分接着剤を分配するための装置であって、
第1の反応性接着剤成分を保持する第1の保持容器と、
第2の反応性接着剤成分を保持する第2の保持容器と、
前記第1の保持容器に接続され、前記第1の反応性接着剤成分を分配する第1のジェットバルブと、
前記第2の保持容器に接続され、前記第2の反応性接着剤成分を分配する第2のジェットバルブと、を有し、
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分が、基板上に堆積するまで相互に混合または化学反応しないように、前記第1および第2の保持容器は前記第1および第2の反応性接着剤成分を別々に保持し、前記第1および第2のジェットバルブは前記第1および第2の接着剤成分を別々に分配し、
前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分は、混合すると化学反応して前記多成分接着剤を形成し、
前記第1のジェットバルブおよび前記第2のジェットバルブによる堆積速度を前記多成分接着剤のポットライフに応じて制御するように構成された制御ユニットをさらに有し、
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第1の反応性接着剤成分の堆積物および前記第2の反応性接着剤成分の堆積物を記基板上に分配するように構成される装置。
【請求項19】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第1および第2の反応性接着剤成分を微量堆積物として分配するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第1および第2の反応性接着剤成分を同時に分配するように構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第1および第2の反応性接着剤成分を順次に分配するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第2の反応性接着剤成分の堆積物が前記第1の反応性接着剤成分の堆積物に少なくとも部分的に浸透するように前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分を分配するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第1および第2の反応性接着剤成分を1:1または2:1の体積比で分配するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のジェットバルブは、前記基板上に前記第1の反応性接着剤成分の第1の層を堆積させるように構成されており、かつ、
前記第2のジェットバルブは、前記第1の反応性接着剤成分の前記第1の層上に第2の反応性接着剤成分の第2の層を堆積させるように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項25】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第1の反応性接着剤成分の堆積物および前記第2の反応性接着剤成分の堆積物を交互パターンで前記基板上に分配するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項26】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記第1の反応性接着剤成分の堆積物および前記第2の反応性接着剤成分の堆積物とのサイズ、形状または体積の少なくとも一つが異なるように、前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分を分配するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記第1および第2ジェットバルブは、それぞれ前記第1反応性接着剤成分および前記第2反応性接着剤成分を、0.0005ml〜0.01mlの体積を有する堆積物として分配するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記基板上に前記第1のジェットバルブから堆積される前記第1の反応性接着剤成分の打ち込み角度および前記基板上に前記第2のジェットバルブから堆積される前記第2の反応性接着剤成分の打ち込み角度が相違している、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
前記第1および第2のジェットバルブの各々は、離隔距離だけ前記基板から離れている、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
前記第1および第2のジェットバルブのそれぞれの前記離隔距離は、0.127mm(0.05インチ)から12.7mm(0.5インチ)の間である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第1および第2のジェットバルブは、前記基板上への非接触移送によって前記第1および第2の反応性接着剤成分を分配するように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項32】
前記制御ユニットは、分配量、分配速度、離隔距離、前記第1の反応性接着剤成分の打ち込み角度、前記第2の反応性接着剤成分の打ち込み角度、前記堆積速度および堆積パターンからなる群から選択された所定の動作パラメータに従って第1および第2のジェットバルブを制御する、請求項18に記載の装置。
【請求項33】
混合される前記第1の反応性接着剤成分および前記第2の反応性接着剤成分によって形成された前記接着剤は、前記基板を第2の基板と接合するように構成される請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、多成分接着剤を塗布するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多成分接着剤は、本質的には接着剤ではないが化学的に反応して接着剤を形成するために混合することができる2つ以上の個々の接着剤成分を組み合わせる。一般的に、生産ラインでは、動的混合ノズルまたは静的混合ノズルなどの分配器を使用して、接着されるべき基板上に多成分接着剤を混合して供給する。しかし、個々の接着剤成分を混合し、それらを基板上に送達される前に化学的に反応させることは、多くの問題をもたらす。
【0003】
例えば、多成分接着剤は、適切な接着強度を提供しながら塗布する接着剤の形成(すなわち、個々の接着剤成分の混合/反応)の後に利用可能な時間の長さであるポットライフが限られている。したがって、すでに混合された多成分接着剤が動的混合ノズルまたは静的混合ノズルのような分配器内にある時間の長さは、接着剤の結合強度に悪影響を及ぼし得る。さらに、個々の接着剤成分の化学反応は、動的混合ノズルまたは静的混合ノズルのような分配器の内部で起こるので、分配器は、接着剤の分配が完了した後に完全に洗浄または処分されなければならない。分配器の洗浄または使い捨て分配器の使用は、製造作業に著しいコストを増加させる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、基板上に多成分接着剤を堆積させる方法は、第1の基板上に第1の反応性接着剤成分を分配するステップと、前記第1の基板上に第2の反応性接着剤成分を分配するステップと、を有し、前記第1の反応性接着剤成分と前記第2の反応性接着剤成分とは別々に分配され、前記第1の反応性接着剤成分と前記第2の反応性接着剤成分とは、前記第1の基板上に堆積するまで互いに混合または化学反応せず、前記第1の反応性接着剤成分は第1のジェットバルブよって分配され、前記第2の反応性接着剤成分は第2のジェットバルブによって分配される。
【0005】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分は、微量堆積物として分配される。
【0006】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分が同時に分配される。
【0007】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分が順次分配される。
【0008】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第2の反応性接着剤成分の堆積物は、第1の反応性接着剤成分の堆積物に少なくとも部分的に浸透するように分配される。
【0009】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分は、1:1または2:1から10:1の体積比で分配される。
【0010】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分の第1の層が第1の基板上に堆積され、第2の反応性接着剤成分の第2の層が第1の反応性接着剤成分の第1の層上に堆積される。
【0011】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分の堆積物および第2の反応性接着剤成分の堆積物は、第1の基板上に交互パターンで分配される。
【0012】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分の堆積物と第2の反応性接着剤成分の堆積物とは、サイズ、形状または体積の少なくとも一つが異なっている。
【0013】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分の堆積物および第2の反応性接着剤成分の堆積物は、体積が約0.0005mlから0.01mlである。
【0014】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分の堆積物および第2の反応性接着剤成分の堆積物は、体積が約0.001mlから0.002mlである。
【0015】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の基板上の第1のジェットバルブの打ち込み角度および第1の基板上の第2のジェットバルブの打ち込み角度が相違している。
【0016】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分は、非接触移送によって第1の基板上に分配される。
【0017】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブの各々は、第1の基板から離隔距離だけ離れている。
【0018】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブのそれぞれの離隔距離は、約0.127mm(0.05インチ)から12.7mm(0.5インチ)の間である。
【0019】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブのそれぞれの離隔距離は、約6.35mm(0.25インチ)から12.7mm(0.5インチ)の間である。
【0020】
基板上に多成分接着剤を堆積させる上記方法のいずれかのいくつかの実施形態は、第2の基板を、第1の基板に対して、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分が第1の基板と第2の基板との間にあるように提供するステップと、第1の反応性接着剤成分の堆積物および第2の反応性接着剤成分の堆積物が互いに少なくとも部分的に浸透するように、第1の基板および第2の基板を共に移動させる力を加えるステップと、第1の反応性接着剤成分の堆積物および第2の反応性接着剤の堆積物を振動させることによって、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分を混合するステップと、を含む。
【0021】
一実施形態では、多成分接着剤を分配する装置は、第1の反応性接着剤成分を保持する第1の保持容器と、第2の反応性接着剤成分を保持する第2保持容器と、前記第1の保持容器に接続され、前記第1の反応性接着剤成分を分配する第1のジェットバルブと、前記第2の保持容器に接続され、前記第2の反応性接着剤成分を分配する第2のジェットバルブと、を有し、第1の反応性接着剤成分と第2の反応性接着剤成分とが、装置から分配されるまで互いに混合または化学反応しないように、第1および第2の保持容器は第1および第2の反応性接着剤成分を別々に保持し、第1および第2のジェットバルブは第1および第2の接着剤成分を別々に分配する。
【0022】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、第1および第2の反応性接着剤成分を微量堆積物として分配するように構成される。
【0023】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、第1および第2の反応性接着剤成分を同時に分配するように構成されている。
【0024】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、第1および第2の反応性接着剤成分を順次に分配するように構成される。
【0025】
上記の装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、第2の反応性接着剤成分の堆積物が第1の反応性接着剤成分の堆積物に少なくとも部分的に浸透するように第1および第2の反応性接着剤成分を分配するように構成される。
【0026】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、第1および第2の反応性接着剤成分を1:1または2:1の体積比で分配するように構成されている。
【0027】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1のジェットバルブは、基板上に第1の反応性接着剤成分の第1の層を堆積させるように構成され、第2のジェットバルブは、第1の反応性接着剤成分の第1の層上に第2の反応性接着剤成分の第2の層を堆積させるように構成される。
【0028】
上記の装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、第1の反応性接着剤成分の堆積物および第2の反応性接着剤成分の堆積物を基板上に交互パターンで分配するように構成される。
【0029】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、第1の反応性接着剤成分と第2の反応性接着剤成分とのサイズ、形状または体積の少なくとも一つが異なるように、第1の反応性接着剤成分および第2の反応性接着剤成分を堆積させるように構成される。
【0030】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2ジェットバルブは、第1反応性接着剤成分および第2反応性接着剤成分を、約0.0005mlから0.01mlの体積を有する堆積物として分配するように構成される。
【0031】
上記装置のいずれかのいくつかの実施形態では、第1および第2の反応性接着剤成分の堆積物は、約0.001mlから0.002mlの体積を有する。
【0032】
上記装置のいくつかの実施形態では、基板上の第1のジェットバルブの打ち込み角度と、基板上の第2のジェットバルブの打ち込み角度とが相違している。
【0033】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブの各々は、離隔距離だけ基板から離れている。
【0034】
上記の装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブのそれぞれの離隔距離は約0.127mm(0.05インチ)から12.7mm(0.5インチ)である。
【0035】
上記装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、の非接触移送によって第1および第2の反応性接着剤成分を基板上に分配するように構成される。
【0036】
上記のいずれかの装置のいくつかの実施形態では、第1および第2のジェットバルブは、非接触移送によって第1および第2の反応性接着剤成分を基板上に分配するように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態では、上記の装置は、分配量、分配速度、離隔距離、打ち込み角度、堆積速度および堆積パターンからなる群から選択された所定の動作パラメータに従って第1および第2ジェットバルブを制御する制御ユニットをさらに備える。
【0038】
上記の概要、ならびに例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことにより、よりよく理解される。本出願の装置および方法を例示する目的で、例示的な実施形態が図面に示されている。しかしながら、本出願は、開示される特定の実施形態に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】典型的な装置の概略図である。
図2】典型的な装置の概略図である。
図3】基板上への反応性成分の典型的な堆積パターンを示す図である。
図4】基板上への反応性成分の典型的な堆積パターンを示す図である。
図5】基板上への反応性成分の典型的な堆積パターンを示す図である。
図6】基板上への反応性成分の典型的な堆積パターンを示す図である。
図7】基板上への反応性成分の典型的な堆積パターンを示す図である。
図8】基板上への反応性成分の典型的な堆積パターンを示す図である。
図9】基板上への反応性成分の典型的な堆積パターンを示す図である。
図10】多成分接着剤によって接合された2つの基板の概略図である。
図11】典型的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
様々な実施形態がさらに詳細に説明される前に、本出願は記載された特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。使用される用語は特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本出願の特許請求の範囲を限定するものではないことも理解されたい。
【0041】
多成分接着剤12を分配する装置10が提供される。多成分接着剤12は、本質的に接着剤ではないが化学的に反応して接着剤を形成する2つ以上の個々の反応性接着剤成分14の組み合わせである。個々の反応性接着剤成分14は、1つ以上の非反応性成分と組み合わせて提供されてもよく、ジェット分配バルブを介して加圧下で送達され得る流体として提供されてもよい。装置10は、個々の反応性接着剤成分14が装置10によって分配される前に混合しないように、個々の反応性接着剤成分14を個別に保持し分配する。
【0042】
図1および図2を参照すると、一実施形態では、装置10は、複数の保持容器16および複数のジェットバルブ18を含むことができる。保持容器16のそれぞれは、個々の反応性接着剤成分14が別々に保持され、混合されないように、個々の反応性接着剤構成要素14のうちの1つのみを含む。さらに、各ジェットバルブ18は、個々の反応性接着剤成分14がジェットバルブ18内で混合されないように、個々の反応性接着剤成分14のうちの1つのみを分配することができる。例えば、各ジェットバルブ18は、個々の反応性接着剤成分14のうちの1つだけを保持する保持容器16の1つに流体的に接続されることができる。保持容器16は、個々の反応性接着剤成分14を圧力下でジェットバルブ18によって分配することができるように、例えば空気圧によって加圧されることができる。個々の反応性接着剤成分14に対応する保持容器16およびジェットバルブ18が別々の構成要素として示されているが、個々の反応性接着剤成分14に対応する保持容器16およびジェットバルブ18が単一の構成要素に統合することができることは、は当業者には明らかであろう。例えば、ジェットバルブ18は、一体的に形成された保持容器16を備えることができる。
【0043】
ジェットバルブ18は、個々の反応性接着剤成分14が基板20上に分配されたときに、個々の反応性接着剤成分14が適切に混合して反応して多成分接着剤12を形成するように、個々の反応性接着剤成分14を微小体積堆積物(例えばドット、ビーズまたはライン)として分配することができる。ジェットバルブ18は、好ましくは、非接触移送を用いて個々の反応性接着剤成分14を基板20上に分配し、そのことは、ジェットバルブ18が基板20から距離をおいたまま、個々の反応性接着剤成分14が基板20上に堆積されることを可能にする。非接触移送は、分配ノズル22が基板20との接触を維持しながら基板20上に個々の反応性接着剤成分14の微量に配置しなければならないことを避けるので、より速い堆積速度を可能にする。
【0044】
ジェットバルブ18は、分配量41、分配速度42、離隔距離43、打ち込み角度44、堆積速度45および堆積パターンを含む、様々な定義された動作パラメータ24に従って個々の反応性接着剤成分14を分配するように制御することができる。ジェットバルブ18の動作および様々な動作パラメータ24の制御は、コンピュータ制御ユニット30を用いて実行することができる。コンピュータ制御ユニット30は、必要な電子機器、ソフトウェア、メモリ、ストレージ、データベース、ファームウェア、論理/状態マシン、マイクロプロセッサ、通信リンク、ディスプレイまたは他の視覚または音声ユーザーインターフェース、印刷デバイス、および本明細書に記載されたいずれかの機能を提供する、かつ/または本明細書に記載の結果を達成する任意の他の入力/出力インターフェースを機能させる、1つ以上のコンピュータ、サーバおよび/または装置を有することができる。ジェットバルブ18および様々な動作パラメータ24の動作を制御するためのデータおよび/またはコンピュータ実行可能命令、プログラム、ファームウェア、ソフトウェアなど(本明細書では「コンピュータ実行可能構成要素」ともいう)は、コンピュータ制御ユニット30内の、またはコンピュータ制御ユニット30がアクセス可能なコンピュータ可読媒体であって、コンピュータ制御ユニット30のプロセッサ(中央処理装置またはCPUなど)によって実行されると、本明細書に記載された機能、サービスおよび/または方法をプロセッサに行わせるコンピュータ可読媒体に格納されていてもよい。
【0045】
分配量41は、ジェットバルブ18から分配された反応性接着剤成分14(例えば、ドット、ビーズまたはライン)の個々の堆積物の体積を指す。ジェットバルブ18は、好ましくは、個々の反応性接着剤成分14を微量堆積物(例えば、ドット、ビーズまたはライン)で分配して反応性接着剤成分14の混合を分子レベルに近づけるように制御される。反応性接着剤成分14の混合を分子レベルに近づけることにより、反応性接着剤成分14の化学反応が向上し、したがって、多成分接着剤12の接着強度も向上する。例えば、ジェットバルブ18は、反応性接着剤成分14を、約0.0005mlから0.01mlの範囲、特に約0.001mlから0.002mlの範囲の微小容積堆積物で分配するように制御することができる。
【0046】
また、ジェットバルブ18は、様々な多成分接着剤12に必要とされる様々な体積混合比に対応するために、様々な個別の反応接着成分14を様々な分配容積41に分配するように制御されてもよい。例えば、第1の個々の反応性接着剤成分14aと第2の個々の反応性接着剤成分14bとの体積混合比が2:1であることを必要とする多成分接着剤12では、第1のジェットバルブ18aは、0.002mlの分配量で第1の反応性接着剤成分14aを分配するように制御し、第2ジェットバルブ18bは、0.001mlの分配量で第2の個々の反応性接着剤成分14bを分配するように制御することができる。したがって、同数の第1および第2の反応性接着剤成分14a、14bの微量堆積物(例えば、ドット、ビーズまたはライン)が基板20上に堆積される場合、適切な2:1の体積混合比が達成され得る。
【0047】
分配速度42は、ジェットバルブ18のノズル22から出る反応性接着剤成分14の速度を指す。各ジェットバルブ18は、基板20上に分配された反応性接着剤成分14の衝突エネルギーを制御するために、所望の分配速度42で反応性接着剤成分14を分配するように制御することができる。また、各ジェットバルブ18は、基板20上に堆積された微量堆積物の形状(例えば、ドット、ビーズまたはライン)を制御するために、所望の分配速度42で反応性接着剤成分14を分配するように制御されてもよい。したがって、個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応を促進するために、各ジェットバルブ18は、基板20上の反応性接着剤成分14の衝突エネルギーおよび形状を制御するように制御されることができる。
【0048】
離隔距離43は、ジェットバルブ18のノズル22の基板20からの距離を指す。基板20への反応性接着剤成分14の非接触移送を行うために、各ジェットバルブ18は、決められた基板20からの離隔距離43に維持される。例えば、いくつかの実施形態では、離隔距離43は、0.127mm(0.05インチ)から12.7mm(0.5インチ)の範囲、特に、約6.35mm(0.25インチ)から12.7mm(0.5インチ)の範囲であってよい。
【0049】
打ち込み角度44は、基板20に対するジェットバルブ18のノズル軸26の角度を指す。各ジェットバルブ18は、ノズル軸26を備え、それに沿って反応性接着剤成分14がノズル22から吐出される。打ち込み角度44は、ノズル軸26と基板20の表面との交差によって形成される角度である。各ジェットバルブ18は、基板20上に堆積された微量堆積物(例えば、ドット、ビーズまたはライン)の形状を制御するために、所望の打ち込み角度44で反応性接着剤成分14を分配するように制御することができる。ジェットバルブ18の打ち込み角度44がより平坦であるほど、ビーズの形状はより長くなり、ジェットバルブ18の打ち込み角度44が急になるほど、ビーズがより円形になる。したがって、ジェットバルブ18は、個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応を促進するために、基板20上の反応性接着剤成分14の形状を制御するように制御することができる。
【0050】
堆積速度45は、各ジェットバルブ18が反応性接着剤成分14のドット、ビーズまたはラインを付着させる頻度を指す。言い換えれば、堆積速度45は、単位時間当たりの反応性接着剤成分14の付着物の数である。多成分接着剤12のポットライフに応じて、基板20上に混合されて堆積される多成分接着剤12の接着強度に悪影響を及ぼさないように、ある堆積速度45で反応性接着剤成分14を基板上に堆積させることが重要である。
【0051】
堆積パターン46は、個々の反応性接着剤化合物14が基板20上に互いに堆積される方法を指す。基板20上の個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応を促進するために、個々の反応性接着剤成分14は、基板上に様々な適切なパターン46で堆積されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、個々の反応性接着剤要素14は、適切な混合および化学反応をするために、基板20上に交互パターンの微量堆積物(例えば、ドット、ビーズまたはライン)として堆積されることができる。
【0052】
例えば、図3図5の実施形態に示されるように、個々の反応性接着剤成分14は、交互の層28でジェットバルブ18によって基板20上に堆積され得る。第1の反応性接着剤成分14aおよび第2の反応性接着剤成分14bを含む2成分接着剤12について、図3図5の典型的な実施形態を説明する。図3図5に示すように、第1の反応性接着剤成分14aの層28aが基板20上に堆積され、第2の反応性接着剤構成成分14bの層28bが、第1の反応性接着剤14aの層28aの上に堆積されることができる。
【0053】
図3に示すように、第1の反応性接着剤成分14aの1つの層28aと第2の反応性接着剤成分14bの1つの層28bとが存在するので、第1の反応性接着剤成分14aと第2の反応性接着剤成分14bとの堆積混合比は1:1である。図4に示すように、2つの第1の反応性接着剤成分14aの層の間に挟まれた1つの第2の反応性接着剤成分14bの層があるので、第1の反応性接着剤成分14aと第2の反応性接着剤成分14aとの体積混合比は2:1である。従って、図示のように、反応性接着剤成分14の層28のパターンは、反応性接着剤成分14の様々な所望の体積混合比を確立するように変化させることができる。
【0054】
図3図5に示すように、第1の反応性接着剤成分14aの層および第2の反応性接着剤成分14bの層は、一連の微量積堆積物(例えば、ドット、ビーズまたはライン)としてジェットバルブ18によって堆積することができる。図5は、基板20上に堆積された第1の反応性接着剤成分14aのビーズの層28aと、第1の反応性接着剤成分14aの層28aの上に堆積された第2の反応性接着剤成分14bのビーズの層28bを示す。第1の反応性接着剤成分14aのビーズの上に第2の反応性接着剤成分14bのビーズを堆積させると、混合および化学反応が促進される。特に、第2の反応性接着剤成分14bのビーズを第1の反応性接着剤成分14aのビーズに少なくとも部分的に浸透させるように、吐出速度42および打ち込み角度44を含む様々なパラメータ24を制御することができる。
【0055】
さらに、図5に示すように、反応性接着剤成分14の分配量41は、反応性接着剤成分14の様々な所望の体積混合比を確立するように変更することができる。より具体的には、図5は、第1の反応性接着剤成分14aと第2の反応性接着剤成分14bとの体積混合比が2:1となるように、第2の反応性接着剤成分14bのビーズが第1の反応性接着剤成分14aのビーズの分配体積41の半分を有することを示す。
【0056】
あるいは、図6図9に示すように、個々の反応性接着剤成分14は、第1の反応性接着剤成分14aのビーズと第2の反応性接着剤のビーズの交互パターンを有する1つ以上の層28で、ジェットバルブ18によって基板20上に堆積されてもよい。図6〜9の典型的な実施形態は、第1の反応性接着剤成分14aおよび第2の反応性接着剤成分14bを有する2成分接着剤12について説明している。第1の反応性接着剤成分14aのビーズと第2の反応性接着剤成分14bのビーズとを隣接させて堆積することは、混合および化学反応を促進する。具体的には、第1の反応性接着剤成分14aのビーズと第2の反応性接着剤成分14bのビーズとを少なくとも部分的に浸透させるように、吐出速度42および打ち込み角度44を含む様々なパラメータ24を制御することができる。さらに、第1の反応性接着剤成分14aのビーズおよび第2の反応性接着剤成分14bのビーズは、同時にまたは順次に分配することができる。
【0057】
一実施形態では、図6および図7に示すように、第1の反応性接着剤構成分14aのビーズおよび第2の反応性接着剤成分14bのビーズを有する層28が、基板20上に堆積される。層28は、一連の交互の第1の反応性接着剤成分14aおよび第2の反応性接着剤成分14bのビーズのライン32を有する。したがって、図示のように、第1の反応性接着剤成分14aのビーズは、第2の反応性接着剤成分14bのビーズに隣接して堆積される。図7に示すように、反応性接着剤成分14の分配量41は、反応性接着剤成分14の様々な所望の体積混合比を確立するように変更することができる。より具体的には、図7は、第2の反応性接着剤成分14bのビーズが、第1の反応性接着剤成分14aのビーズの分配量41の半分であり、第1の反応性接着剤成分14aと第2の反応性接着剤成分14bとの体積比が2:1であることを示す。
【0058】
別の実施形態では、図8および図9に示すように、層28は、第1の反応性接着剤成分14aの一連のビーズを有する1組のライン32aと、第2の反応性接着剤成分14bの一連のビーズを有するもう1組のライン32bと、を有する。図示のように、第1の反応性接着剤成分14aのビーズのライン32aは、第2の反応性接着剤成分14bのビーズのライン32bと隣接しかつ交互に堆積される。図9に示すように、反応性接着剤成分14の分配量41は、反応性接着剤成分14の様々な所望の体積混合比を確立するように変更することができる。特に、図9は、第2の反応性接着剤成分14bのビーズが第1の反応性接着剤成分14aのビーズの分配量41の半分であり、第1の反応性接着剤成分14aと第2の反応性接着剤成分14bとの体積比が2:1であることを示す。
【0059】
いくつかの実施形態では、個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応は、個々の反応性接着剤成分14を基板20上に分配することに関する衝突エネルギーを最適化することによって促進され得る。上述したように、分配量41、分配速度42および打ち込み角度44を含むいくつかのパラメータ24を変更して、第1の反応性接着剤成分14aのビーズおよび第2の反応性接着剤成分14bのビーズを互いに少なくとも部分的に浸透させるように、衝突エネルギーを制御することができる。いくつかの実施形態では、分配速度42は、最大−最小飛沫速度(max-min-splash velocity)であってもよい。最大−最小飛沫速度は、ジェットバルブ18によって基板20上に分配されたときに、反応性接着剤成分14の飛沫が特定の許容レベルを超えない限り、最も高い衝突エネルギーを生成する速度である。
【0060】
本願の別の態様によれば、個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応は、基板20への堆積後、さらに促進され得る。図10の実施形態を参照すると、反応性接着剤成分14の混合は、第1の基板20aと第2の基板20bとの間に多成分接着剤12を堆積させ、第1の基板20aと第2の基板20bとを一緒に動かす力を加えることによって達成され、その結果、第1の反応性接着剤成分14aのビーズと第2の反応性接着剤成分14bのビーズが、少なくとも部分的に互いに浸透する。さらに図10を参照すると、いくつかの実施形態では、反応性接着剤成分14の混合は、第1の反応性接着剤成分14aのビーズと第2の反応性接着剤成分14bのビーズとを振動させることによって達成することができ、それは、第1の基板20aおよび/または第2の基板20bを振動させることによって達成できる。いくつかの実施形態では、振動は、超音波手段、機械的手段または他の適切な手段によって達成することができる。
【0061】
本出願の別の態様によれば、多成分接着剤12を分配し、2つの基板を互いに接合する装置10を実施する方法50が提供される。方法50は、第1の反応性接着剤成分14aと第2の反応性接着剤成分を第1の基板20a上に堆積させて、第1および第2の反応性成分14a、14bが混合し化学反応して多成分接着剤12を形成するステップを含み、それは第1の基板20aを第2の基板20bに接合するのに使用される。
【0062】
図11の典型的な実施形態に示すように、方法50は、第1の保持容器16a内に第1の反応性接着剤成分14aを提供するステップ51と、第2の保持容器16b内に第2の反応性接着剤成分14bを別個に提供するステップ52とを有することができる。第1および第2の反応性接着剤成分14a、14bは、上述の装置10内に設けられてもよい。装置10は、個々の反応性接着剤成分14a、14bを別個に保持し、個々の反応性接着剤構成要素14a、14bは、装置10によって分配される前に混合しないようにする。装置10は、別々の保持容器16a、16bを有し、保持容器16a、16bは、個々の反応性接着剤成分14a、14bが個別に保持されて混合されないように、個々の反応性接着剤成分14a、14bのうちの1つのみを含んでいる。
【0063】
方法50は、第1の反応性接着剤成分14aを装置10の第1のジェットバルブ18aで分配するステップ53と、第2の反応性接着剤成分14bを装置10の第2のジェットバルブ18bで別個に分配するステップ54とをさらに含むことができる。装置10は、個々の反応性接着剤成分14を別々に分配して、個々の反応性接着剤成分14が装置10によって分配される前に混合しないようにする。したがって、各ジェットバルブ18は、個々の反応性接着剤成分14がジェットバルブ18内で混合されないように、個々の反応性接着剤成分14の1つのみを分配することができる。さらに、ジェットバルブ18は、非接触移送を用いて個々の反応性接着剤成分14を基板20上に分配することが好ましく、このことは、ジェットバルブ18を基板20から離れた位置に維持しながら、反応性接着剤成分14を基板20上に堆積させることを可能にする。したがって、上述したように、ジェットバルブ18は、分配量41、分配速度42、離隔距離43、打ち込み角度44、堆積速度45および堆積パターン46を含む様々な定義された動作パラメータ24に従って個々の反応性接着剤成分14を分配するように制御される。
【0064】
方法50は、基板20上の個々の反応性接着剤成分14を混合し化学的に反応させるステップ55をさらに含むことができる。上述したように、ジェットバルブ18は、個々の反応性接着剤成分14を、基板上の個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応を促進する様々な定義された操作パラメータ24に従って反応性成分14を分配するように制御されることができる。例えば、個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応を促進するために、ジェットバルブ18は、基板20上での反応性接着剤成分14の衝突エネルギー、形状および堆積パターンを制御するように制御されることができる。
【0065】
方法50は、個々の反応性接着剤成分14の混合および化学反応を促進するために、基板20上の個々の反応性接着剤成分14を振動させるステップ56を任意に含むことができる。振動は、超音波手段、機械的手段または他の適切な手段で達成することができる。
【0066】
方法50は、混合され、化学的に反応した個々の反応性接着剤成分14で、第2の基板を第1の基板に接着するステップ57を含むことができる。
【0067】
個々の反応性接着剤成分14を別々に保持し、分配することにより、保持容器16およびジェットバルブ18を洗浄または処分する必要性がなくなる。多成分接着剤の個々の反応性接着剤成分14が分配される前に、混合および化学反応を防止することは、多成分接着剤12のポットライフ、したがって多成分接着剤12の接着強度を維持する。非接触転写は、分配ノズル22の接触を維持しながら微量な個々の反応性接着剤成分14を基板20上に配置する必要がないので、より速い分配速度が可能となる。個体の反応性接着剤成分14を微量(例えば、ドット、ビーズまたはライン)で分配し、反応性接着剤成分14の混合を分子レベルに近づけることによって反応性接着剤成分14の化学反応が向上し、よって、多成分接着剤12の接着強度も向上する。
【0068】
本発明の装置および方法は、それらの詳細な実施形態に関して示され、記載されているが、当業者には、本出願の精神および範囲から逸脱することなく、その形態および詳細の様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。本明細書に記載された装置の実施形態に関して、本出願の精神および範囲から逸脱することなく、1つまたは複数の構成要素が追加、省略、または変更され得ることが当業者に理解される。本明細書に記載された方法の実施形態に関して1つ以上のステップが省略され、変更され、または異なる順序で実行されてもよく、追加のステップは、その精神および範囲から逸脱することなく追加され得ることが、当業者に理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11