(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
地下の作業室内において掘削された土砂が入れられた土砂積込みバケットを、地上に設けられたクレーン装置により、前記作業室の天井部に開口して前記作業室と地上とを繋ぐ土砂搬出通路を通って吊り上げて地上に搬出する排土装置において、
前記クレーン装置によりロープ部材を用いて前記土砂搬出通路を通って地上から吊り下ろされた空バケットと前記ロープ部材との接続を切り離し、そのロープ部材に前記土砂積込みバケットを接続させてバケット交換を行うバケット交換装置を備え、
前記バケット交換装置は、
前記空バケットに設けられた空バケット側吊り具を支持する第1支持部と、
前記土砂積込みバケットに設けられた土砂積込みバケット側吊り具を支持する第2支持部と、
前記ロープ部材を誘導して前記第1支持部に支持された前記空バケット側吊り具と前記ロープ部材に設けられたクレーンロープ側吊り具との接続を切り離し、そのクレーンロープ側吊り具を前記第2支持部に支持された前記土砂積込みバケット側吊り具に接続させるロープ部材誘導部とを備えて構成されることを特徴とする排土装置。
大気圧よりも高い気圧状態に保たれた前記作業室内の気圧低下を抑えてバケットを通過させるエアロックが前記土砂搬出通路の前記作業室への開口部に近い位置に設けられ、
前記バケット交換装置は、前記土砂搬出通路の前記エアロックの上方側であって前記エアロックに近い位置に設けられたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の排土装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなニューマチックケーソン工法では、作業室内において掘削機により掘削された土砂をバケットに積み込み、そのバケットを地上に設けられたクレーン装置により吊り上げて搬出することにより、掘削土砂の搬出を行っている。そのため、この掘削土砂の搬出(掘削土砂が積み込まれたバケットの搬出)をいかに効率良く行うかが、掘削作業の効率および工期の短縮に深く関係する。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、地下の作業室内において掘削された土砂を効率良く地上に搬出することができる排土装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る排土装置は、地下の作業室内において掘削された土砂が入れられた土砂積込みバケットを、地上に設けられたクレーン装置により、前記作業室の天井部に開口して前記作業室と地上とを繋ぐ土砂搬出通路(例えば、実施形態におけるマテリアルシャフト23)を通って吊り上げて地上に搬出する排土装置において、前記クレーン装置によりロープ部材(例えば、実施形態におけるクレーンロープ32R)を用いて前記土砂搬出通路を通って地上から吊り下ろされた空バケットと前記ロープ部材との接続を切り離し、そのロープ部材に前記土砂積込みバケットを接続させてバケット交換を行うバケット交換装置を備え
、前記バケット交換装置は、前記空バケットに設けられた空バケット側吊り具を支持する第1支持部(例えば、実施形態における第1支持アーム101)と、前記土砂積込みバケットに設けられた土砂積込みバケット側吊り具を支持する第2支持部(例えば、実施形態における第2ロープ誘導アーム104)と、前記ロープ部材を誘導して前記第1支持部に支持された前記空バケット側吊り具と前記ロープ部材に設けられたクレーンロープ側吊り具との接続を切り離し、そのクレーンロープ側吊り具を前記第2支持部に支持された前記土砂積込みバケット側吊り具に接続させるロープ部材誘導部(例えば、実施形態における第2ロープ誘導アーム104)とを備えて構成される。
【0007】
上記構成の排土装置において、前記バケット交換装置は、前記土砂搬出通路の前記作業室への開口部に近い位置に設けられることが好ましい。
【0008】
上記構成の排土装置において、大気圧よりも高い気圧状態に保たれた前記作業室内の気圧低下を抑えてバケットを通過させるエアロックが前記土砂搬出通路の前記作業室への開口部に近い位置に設けられ、前記バケット交換装置は、前記土砂搬出通路の前記エアロックの上方側であって前記エアロックに近い位置に設けられることが好ましい。
【0009】
上記構成の排土装置において、前記バケット交換装置は
、前記クレーン装置の前記ロープ部材もしくは前記空バケットを誘導して前記空バケット側吊り具を前記第1支持部に支持させる
補助誘導部(例えば、実施形態における第1ロープ誘導アーム103)と
、前記第1支持部に支持された前記空バケットを前記作業室内に吊り下ろすとともに、前記作業室内から前記土砂積込みバケットを吊り上げるウインチ装置と、前記ウインチ装置のウインチロープを誘導して前記ウインチロープに設けられたウインチロープ側吊り具を、前記第1支持部に支持された前記空バケット側吊り具に接続させるとともに、前記ウインチ装置により前記作業室内から吊り上げられた前記土砂積込みバケットの前記土砂積込みバケット側吊り具を前記第2支持部に支持させ、その土砂積込みバケット側吊り具と前記ウインチロープ側吊り具との接続を切り離す
ウインチロープ誘導部(例えば、実施形態における第3ロープ誘導アーム106)とを備えて構成されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、クレーン装置によりロープ部材を用いて土砂搬出通路を通って地上から吊り下ろされた空バケットと前記ロープ部材との接続を切り離し、そのロープ部材に土砂積込みバケットを接続させてバケット交換を行うバケット交換装置を備えて構成される。そのため、このバケット交換装置によりバケット交換を自動的に行うことができ、2つのバケットを交互に用いて掘削土砂を地上に搬出することができる。従って、従来のように1つのバケットを用いて掘削土砂を搬出していた構成と比べて、効率良く掘削土砂を搬出することができる。これにより掘削作業の効率化および工期の短縮化を図ることができる。
【0011】
本発明において、バケット交換装置は、土砂搬出通路の作業室への開口部に近い位置に設けられることが好ましい。もしくは、大気圧よりも高い気圧状態に保たれた作業室内の気圧低下を抑えてバケットを通過させるエアロックが土砂搬出通路の作業室への開口部に近い位置に設けられ、バケット交換装置は、土砂搬出通路の前記エアロックの上方側であって前記エアロックに近い位置に設けられることが好ましい。このような位置にバケット交換装置が設けられてバケット交換が行われることにより、土砂搬出通路の長さ(掘削深度)によって変動する要素もあるが、掘削土砂の搬出効率をより一層向上させることが期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明に係る排土装置が使用されるニューマチックケーソン工法の主要設備について
図1を用いて説明する。ニューマチックケーソン工法は、掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3、送気設備E4および予備・安全設備E5を用いて、鉄筋コンクリート製のケーソン1を地中に沈下させていくことにより、地下構造物を構築するように構成されている。
【0014】
掘削設備E1は、ケーソン1の底部に設けられた作業室2内に設置される掘削機10(以下、ケーソンショベル10と称する)と、ケーソンショベル10により掘削された土砂を円筒状のアースバケット31に積み込む土砂自動積込装置11と、ケーソンショベル10の作動を地上から遠隔操作する遠隔操作装置12を備える地上遠隔操作室13とを有して構成されている。掘削設備E1は、発電装置(図示せず)から電力の供給を受けて作動するようになっている。この発電装置からの電力は、艤装設備E2、排土設備E3および送気設備E4にも供給されている。
【0015】
艤装設備E2は、作業者が作業室2へ出入りするために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状のマンシャフト21と、マンシャフト21に設けられて作業室2内の気圧低下を抑えて作業者を作業室2の内外に通過させるマンロック22(エアロック)と、土砂自動積込装置11により土砂が積み込まれたアースバケット31を地上に運び出すために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状のマテリアルシャフト23と、マテリアルシャフト23に設けられて作業室2内の気圧低下を抑えてアースバケット31を作業室2の内外に通過させるマテリアルロック24(エアロック)とを有して構成されている。
【0016】
マンシャフト21内には、螺旋階段25が設けられており、この螺旋階段25を用いて作業者は地上と作業室2とを行き来することができるようになっている。マンロック22およびマテリアルロック24はそれぞれ二重扉構造となっており、作業室2内の気圧が変化することを抑えて作業者やアースバケット31を作業室2へ出入りさせることができるように構成されている。マテリアルロック24は、マテリアルシャフト23の作業室2への開口部に近い位置に設けられている。
【0017】
排土設備E3は、作業室2内においてケーソンショベル10により掘削された土砂が積み込まれるアースバケット31と、このアースバケット31をマテリアルシャフト23を通って地上まで吊り上げて搬出するクレーン装置32(キャリア装置)と、アースバケット31およびクレーン装置32により地上に搬出された土砂を一時的に貯めておく土砂ホ
ッパー33と、クレーン装置32により地上から吊り下ろされた空のアースバケット31と作業室2内において土砂が積み込まれたアースバケット31とのバケット交換を行うバケット交換装置100とを有して構成されている。バケット交換装置100は、マテリアルシャフト23のマテリアルロック24の上方側であってマテリアルロック24に近い位置に設けられている。
【0018】
送気設備E4は、送気管41およびケーソン1に形成された送気路3を介して作業室2内に圧縮空気を送る空気圧縮機42と、空気圧縮機42により送り込む圧縮空気を浄化する空気清浄装置43と、作業室2内の気圧が地下水圧と略等しくなるように空気圧縮機42から作業室2内へ送る圧縮空気の量(圧力)を調整する送気圧力調整装置44と、マンロック22内の気圧を減圧する自動減圧装置45とを有して構成されている。作業室2内の空気を循環させるため、ケーソン1には排気路4が形成されており、この排気路4を介して作業室2内の空気が適宜、地上へ排出されるようになっている。
【0019】
予備・安全設備E5は、空気圧縮機42の故障や点検などの時に空気圧縮機42に代わって作業室2内に圧縮空気を送ることが可能な非常用空気圧縮機51と、上記発電装置に代わって掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3および送気設備E4に電力を供給することが可能な非常用発電機(図示せず)と、作業室2内で作業を行った作業者が入り、当該作業者の身体を徐々に大気圧に慣らしていくためのホスピタルロック53(減圧室)とを有して構成されている。
【0020】
次に、本発明に係る排土設備E3のバケット交換装置100について、
図2〜
図12を追加参照して説明する。上述したように、マテリアルシャフト23の作業室2への開口部に近い位置にマテリアルロック24が設けられ、そのマテリアルロック24の上方側であってマテリアルロック24に近い位置にバケット交換装置100が設けられている。
【0021】
バケット交換装置100は、
図2に示すように、クレーン装置32により地上から吊り下ろされた空のアースバケット31(以下、空バケット31Aと称する)に設けられた空バケット側吊り具70Aを支持する第1支持アーム101と、作業室2内において土砂が積み込まれたアースバケット31(以下、土砂積込みバケット31Bと称する)に設けられた土砂積込みバケット側吊り具70Bを支持する第2支持アーム102と、クレーン装置32のクレーンロープ32R(ワイヤーロープ)を誘導して空バケット側吊り具70Aを第1支持アーム101に支持させる第1ロープ誘導アーム103と、クレーンロープ32Rを誘導してクレーンロープ32Rに取り付けられたクレーンロープ側吊り具75Aとバケット側吊り具70A,70Bとの接続および切り離しを行う第2ロープ誘導アーム104とを有して構成される。
【0022】
バケット交換装置100は、さらに、バケット交換装置100と作業室2との間でアースバケット31を吊り上げ下ろしするウインチ装置105と、ウインチ装置105のウインチロープ105R(ワイヤーロープ)を誘導して作業室2内から吊り上げられた土砂積込みバケット31Bの土砂積込みバケット側吊り具70Bを第2支持アーム102に支持させるとともに、ウインチロープ105Rに取り付けられたウインチロープ側吊り具75Bとバケット側吊り具70A,70Bとの接続および切り離しを行う第3ロープ誘導アーム106とを有して構成される。
【0023】
空バケット側吊り具70Aおよび土砂積込みバケット側吊り具70Bは、互いに同じ構成のものであり、
図3に示すように、略矩形ブロック状のベース部材71と、ベース部材71内に回転可能に設けられた回転部材72とを有して構成される。ベース部材71には、上下に貫通した挿通孔71aと、挿通孔71aから左方に延びて上下および左方に開口した溝部71bとが形成されている。この溝部71b内に前後軸Sを中心に回転可能に回
転部材72が設けられている。回転部材72は、
図4にも示すように、前後に延びる略円柱状に形成され、前後略中央部に上下および右方に開口した溝部72bが形成されている。この溝部72bは、回転部材72がベース部材71内に設けられた状態において、ベース部材71の溝部71bと整合するように形成されている。回転部材72の溝部72bの左端側には、下方に徐々に広がって開口した略円錐形状の係合孔72cが形成されている。これらのバケット側吊り具70A,70Bは、アースバケット31に取り付けられたバケットロープ31Rの先端部にベース部材71が枢結され(回動可能に取り付けられ)ている。
【0024】
クレーンロープ側吊り具75Aおよびウインチロープ側吊り具75Bは、互いに同じ構成のものであり、
図5に示すように、下方に延びる略棒形状のベース部76を有して構成される。ベース部76の上端部はクレーンロープ32Rおよびウインチロープ105Rの先端部にそれぞれ枢結され、下端部には略円錐形状の係合部76cが形成されている。係合部76cの下端部は半球状に形成されている。この係合部76cは、バケット側吊り具70A,70Bの挿通孔71aを通過可能、且つ係合孔72c内に嵌合可能な外形寸法に形成されている。
【0025】
このようなロープ側吊り具75A,75Bは、
図6に示すような手順によってバケット側吊り具70A,70Bと接続される。まず、ロープ側吊り具75A,75Bを係合部76cを下方に向けた状態でバケット側吊り具70A,70B(ベース部材71)の挿通孔71aに上方から挿入し、係合部76cがバケット側吊り具70A,70Bから下方に突出する位置まで挿入する。そして、ロープ側吊り具75A,75Bを左方に移動させてベース部76をバケット側吊り具70A,70Bの溝部71b,72b内を摺動させ、ベース部76が溝部71b,72bの左端部まで移動した状態においてロープ側吊り具75A,75Bを上方に移動させる(吊り上げる)。そうすると、ロープ側吊り具75A,75Bの係合部76cがバケット側吊り具70A,70B(回転部材72)の係合孔72c内に嵌合され、ロープ側吊り具75A,75Bの吊り上げとともに、ロープ側吊り具75A,75Bおよび回転部材72が一体にベース部材71に対して回転し、ロープ側吊り具75A,75Bとバケット側吊り具70A,70Bとが接続されるように構成されている。ロープ側吊り具75A,75Bとバケット側吊り具70A,70Bとの切り離し手順は、上記接続手順と逆の手順によって行うことが可能になっている。
【0026】
バケット交換装置100の第1支持アーム101は、
図2および
図7に示すように、マテリアルシャフト23の壁部から略水平に延びる左右一対のアーム部101aを有して構成される。第1支持アーム101は、左右のアーム部101aの間に空バケット31Aのバケットロープ31Rが挿入され、左右のアーム部101a上に空バケット側吊り具70Aのベース部材71が載置された状態で空バケット側吊り具70Aを支持するように構成されている。左右のアーム部101aの先端部は互いに離れる方向に折り曲げられた形状になっており、バケットロープ31Rを挿入させ易くなっている。第1支持アーム101は、左右のアーム部101aの基端部にそれぞれモータ等からなるアーム回転機構101bを有しており、左右のアーム部101aを一体に
図7に示すように水平方向に揺動させることができるように構成されている。
【0027】
第2支持アーム102は、上記第1支持アーム101と同様に構成されており、左右一対のアーム部102aを有し、左右のアーム部102a上に土砂積込みバケット側吊り具70Bのベース部材71が載置された状態で土砂積込みバケット側吊り具70Bを支持するように構成されている。また、第2支持アーム102は、左右のアーム部102aの基端部にモータ等からなるアーム回転機構102bを有し、左右のアーム部102aを一体に水平方向に揺動させることができるように構成されている。なお、図示していないが、バケット交換装置100は、第1および第2支持アーム101,102に支持されたバケ
ット側吊り具70A,70Bに繋がる空バケット31Aおよび土砂積込みバケット31Bがそれぞれ載置されてバケット31A,31Bをそれぞれ支持するバケット支持台を有して構成されている。
【0028】
第1ロープ誘導アーム103は、
図8に示すように、マテリアルシャフト23の壁部から略水平に延びる2本のアーム部103aと、2本のアーム部103aの基端部にそれぞれ設けられたモータ等からなるアーム回転機構103bとを有して構成される。2本のアーム部103aは互いに上下方向に位置をずらして設けられている。2本のアーム部103aは第1支持アーム101よりも上方の位置に配置されている。2本のアーム部103aはそれぞれアーム回転機構103bにより水平方向に揺動可能に構成されている。
【0029】
第1ロープ誘導アーム103は、アーム回転機構103bにより2本のアーム部103aを
図8に示すように互いに近づく方向に揺動させて交差させ、それらのアーム部103aによってクレーン装置32のクレーンロープ32Rを引き寄せることができるようになっている。第1ロープ誘導アーム103は、このようにクレーンロープ32Rを引き寄せることにより、クレーンロープ側吊り具75Aに接続された空バケット側吊り具70Aおよび空バケット31Aを第1支持アーム101側に引き寄せ、バケットロープ31Rを第1支持アーム101の左右のアーム部101aの間に挿入させて空バケット側吊り具70Aを第1支持アーム101に支持させることができるように構成されている。
【0030】
第2ロープ誘導アーム104は、
図9に示すように、マテリアルシャフト23の壁部から略水平に延びるアーム部104aと、アーム部104aの基端部に設けられたモータ等からなるアーム回転機構104bとを有して構成される。アーム部104aは、第1支持アーム101よりも上方の位置且つ第1ロープ誘導アーム103よりも下方の位置(第1支持アーム101と第1ロープ誘導アーム103の間の位置)に配置されている。アーム部104aは、入れ子式に構成され、内蔵されたアクチュエータにより伸縮可能になっている。アーム部104aの先端部には、クレーンロープ32Rを把持するロープ把持機構104cが設けられている。アーム部104aはアーム回転機構104bにより水平方向に揺動可能に構成されている。
【0031】
第2ロープ誘導アーム104は、ロープ把持機構104cによりクレーンロープ32Rを把持し、アーム回転機構104bによりアーム部104aを揺動させるとともに、アーム部104を内蔵アクチュエータによって伸縮させることにより、クレーンロープ32Rに取り付けられたクレーンロープ側吊り具75Aを
図9に示す左右方向に移動させることができるようになっている。第2ロープ誘導アーム104は、このようにクレーンロープ32Rおよびクレーンロープ側吊り具75Aを移動させるとともに、クレーン装置32によってクレーンロープ32Rの巻き取り繰り出しを行うことにより、クレーンロープ側吊り具75Aを第1支持アーム101に支持された空バケット側吊り具70Aから切り離し、そのクレーンロープ側吊り具75Aを第2支持アーム102に支持された土砂積込みバケット側吊り具70Bに接続させることができるように構成されている。
【0032】
ウインチ装置105は、
図2に示すように、ウインチロープ105Rを繰り出したり巻き取ったりすることにより、ウインチロープ105Rに接続させたアースバケット31A,31Bを、第1および第2支持アーム101,102およびバケット支持台に支持された位置と、作業室2内の土砂積込み位置(土砂自動積込装置11により土砂が積み込まれる位置)との間において、吊り上げ下ろしする装置である。ウインチ装置105は、マテリアルシャフト23の上端部に設けられた載置台26上に設置されている。
【0033】
第3ロープ誘導アーム106は、
図10に示すように、マテリアルシャフト23の壁部に枢結されて上下方向に揺動可能なアーム部106aと、マテリアルシャフト23の壁部
とアーム部106aに跨設された伸縮シリンダ106bとを有して構成される。アーム部106aは、入れ子式に構成され、内蔵されたアクチュエータにより伸縮可能になっている。アーム部106aの先端部には、ウインチロープ105Rに当接してガイドするシーブ106cが設けられている。アーム部106aよりも上方の位置にも、ウインチロープ105Rをガイドする固定シーブ107がマテリアルシャフト23の壁部に固設されている。第3ロープ誘導アーム106は、伸縮シリンダ106aを伸縮作動させることによりアーム部106aを上下方向に揺動させるとともに、アーム部106aを内蔵アクチュエータによって伸縮させることにより、シーブ106cをウインチロープ105Rに当接させてウインチロープ105Rに取り付けられたウインチロープ側吊り具75Bを
図10に示す左右方向に移動させることができるようになっている。
【0034】
第3ロープ誘導アーム106は、このようにウインチロープ105Rおよびウインチロープ側吊り具75Bを移動させるとともに、ウインチ装置105によってウインチロープ105Rの巻き取り繰り出しを行うことにより、ウインチロープ側吊り具75Bを第1支持アーム101に支持された空バケット側吊り具70Aに接続させることができるようになっている。さらに、ウインチロープ105Rを第2支持アーム102の左右のアーム部102aの間に挿入させ、ウインチロープ側吊り具75Bに接続された土砂積込みバケット側吊り具70Bを第2支持アーム102上に支持させるとともに、ウインチロープ側吊り具75Bを第2支持アーム102に支持された土砂積込みバケット側吊り具70Bから切り離すことができるように構成されている。
【0035】
このように構成されるバケット交換装置100の作動について
図11および
図12を用いて説明する。バケット交換装置100は、地上に設けられた地上遠隔操作室13から遠隔操作されるようになっている。なお、図示はしていないが、この遠隔操作のため、バケット交換装置100は、第1〜第3ロープ誘導アーム103,104,106、ロープ32R,105R(ロープ側吊り具75A,75B)およびアースバケット31A,31B(バケット側吊り具70A,70B)のそれぞれの位置を把握するための各種カメラやセンサ等を備えている。
【0036】
図11(a)に示すように、クレーン装置32により地上からマテリアルシャフト23を通って空バケット31Bが吊り下ろされてくるときに、第1支持アーム101は、アーム回転機構101bにより左右のアーム部101aをマテリアルシャフト23の壁部側に揺動させて当該壁部に接近させた状態にする。同様に、第2支持アーム102も、左右のアーム部102aをマテリアルシャフト23の壁部側に揺動させて当該壁部に接近させた状態にする。さらに、第1〜第3ロープ誘導アーム103,104,106も、アーム部103a,104a,106aをそれぞれマテリアルシャフト23の壁部側に揺動させて当該壁部に接近させた状態にする。このように各アーム部をマテリアルシャフト23の壁部に接近させた状態にすることにより、地上から吊り下ろされる空バケット31Aの通路が形成される。このとき、空バケット31Aは、マテリアルシャフト23の略中央の位置を通って吊り下ろされる。
【0037】
空バケット31Aが第1支持アーム101よりも下方の位置まで吊り下ろされると、
図11(b)に示すように、第1支持アーム101は、アーム回転機構101bにより左右のアーム部101aをマテリアルシャフト23の中央に向かって延びるように揺動させる。そして、
図11(c)に示すように、第1ロープ誘導アーム103は、アーム回転機構103bにより2本のアーム部103aを互いに近づく方向に揺動させて交差させ、それらのアーム部103aによってクレーンロープ32Rを第1支持アーム101側に引き寄せ、バケットロープ31Rを第1支持アーム101の左右のアーム部101aの間に挿入させる。また、第2支持アーム102は、アーム回転機構102bにより左右のアーム部102aをマテリアルシャフト23の中央に向かって延びるように揺動させる。
【0038】
第1ロープ誘導アーム103によりバケットロープ31Rを第1支持アーム101の左右のアーム部101aの間に挿入させた状態において、
図11(d)に示すように、クレーン装置32によりクレーンロープ32Rを繰り出して空バケット31Aを下していき、第1支持アーム101上に空バケット側吊り具70Aを載置支持させる。そして、
図11(e)に示すように、第2ロープ誘導アーム104は、アーム回転機構104b等によりアーム部104aを揺動および伸縮させてロープ把持機構104cによりクレーンロープ32Rを把持する。また、第1ロープ誘導アーム103は、アーム回転機構103bにより2本のアーム部103aをマテリアルシャフト23の壁部側に揺動させてクレーンロープ32Rを解放させる。そして、第2ロープ誘導アーム104においてクレーンロープ32Rを把持したアーム部104aを揺動および伸縮させるとともに、クレーン装置32によってクレーンロープ32Rを巻き取ることにより、クレーンロープ側吊り具75Aと空バケット側吊り具70Aとの接続を切り離す。
【0039】
次に、
図12(f)に示すように、第2ロープ誘導アーム104は、クレーンロープ32Rを把持したアーム部104aを揺動および伸縮させてクレーンロープ側吊り具75Aを、第2支持アーム102上に載置支持された土砂積込みバケット側吊り具70Bの上方位置に移動させる。そして、クレーン装置32によりクレーンロープ32Rを繰り出してクレーンロープ側吊り具75Aを土砂積込みバケット側吊り具70Bに挿入させ、第2ロープ誘導アーム104においてクレーンロープ32Rを把持したアーム部104aを揺動および伸縮させるとともに、クレーン装置32によってクレーンロープ32Rを巻き取ることにより、クレーンロープ側吊り具75Aを土砂積込みバケット側吊り具70Bに接続させる。
【0040】
クレーンロープ側吊り具75Aが土砂積込みバケット側吊り具70Bに接続されると、
図12(g)に示すように、第1支持アーム101、第2支持アーム102および第2ロープ誘導アーム104において、アーム部101a,102a,104aをそれぞれマテリアルシャフト23の壁部側に揺動させて当該壁部に接近させた状態とし、クレーン装置32により土砂積込みバケット31Bを吊り上げる通路が形成される。そして、クレーン装置32によりクレーンロープ32Rを巻き取って土砂積込みバケット31Bを地上へ吊り上げる。
【0041】
土砂積込みバケット31Bが地上へ吊り上げられると、
図12(h)に示すように、第1支持アーム101は、アーム回転機構101bにより左右のアーム部101aをマテリアルシャフト23の中央に向かって延びるように揺動させる。そして、第3ロープ誘導アーム106は、伸縮シリンダ106b等によりアーム部106aを上方に揺動させるとともに伸長させてシーブ106cをウインチロープ105Rに当接させ、ウインチロープ側吊り具75Bを第1支持アーム101上に載置支持された空バケット側吊り具70Aの上方位置に移動させる。そして、ウインチ装置105によりウインチロープ105Rを繰り出してウインチロープ側吊り具75Bを空バケット側吊り具70Aに挿入させ、第3ロープ誘導アーム106においてウインチロープ105Rに当接したアーム部106aを伸長させるとともに、ウインチ装置105によってウインチロープ105Rを巻き取ることにより、ウインチロープ側吊り具75Bを空バケット側吊り具70Aに接続させる。
【0042】
ウインチロープ側吊り具75Bが空バケット側吊り具70Aに接続されると、
図12(i)に示すように、ウインチ装置105によりウインチロープ105Rを巻き取って空バケット側吊り具70Aが第1支持アーム101から離れる位置まで空バケット側吊り具70Aおよび空バケット31Aを吊り上げる。そして、第3ロープ誘導アーム106においてウインチロープ105Rに当接したアーム部106aを縮小させてウインチロープ105Rおよび空バケット31Aをマテリアルシャフト23の略中央の位置まで移動させる。
そして、ウインチ装置105によりウインチロープ105Rを繰り出して空バケット31Aを作業室2へ吊り下ろす。空バケット31Aが作業室2へ吊り下ろされると、第2支持アーム102は、アーム回転機構102bにより左右のアーム部102aをマテリアルシャフト23の中央に向かって延びるように揺動させる。
【0043】
作業室2内において土砂自動積込装置11により空バケット31Aに土砂が積み込まれると、そのバケット31Aは土砂積込みバケット31Bとなり、ウインチ装置105によりウインチロープ105Rを巻き取って当該土砂積込みバケット31Bが吊り上げられる。土砂積込みバケット31Bの土砂積込みバケット側吊り具70Bが第2支持アーム102よりも上方の位置まで吊り上げられると、第3ロープ誘導アーム106は、伸縮シリンダ106b等によりウインチロープ105Rに当接したアーム部106aを下方に揺動させるとともに縮小させてウインチロープ105Rおよび土砂積込みバケット31Bを第2支持アーム102側に移動させ、バケットロープ31Rを第2支持アーム102の左右のアーム部102aの間に挿入させる。そして、ウインチ装置105によりウインチロープ105を繰り出して土砂積込みバケット側吊り具70Bを第2支持アーム102上に載置支持させる。
【0044】
土砂積込みバケット側吊り具70Bが第2支持アーム102上に載置支持されると、第3ロープ誘導アーム106においてウインチロープ105Rに当接したアーム部106aを上方に揺動させるとともに伸長させ、さらにウインチ装置105によってウインチロープ105Rを巻き取ることにより、ウインチロープ側吊り具75Bと土砂積込みバケット側吊り具70Bとの接続を切り離す。そして、
図11(a)から説明した作動を繰り返し行うことにより、作業室2内において掘削された土砂の搬出を行うようになっている。
【0045】
これまで説明したように本実施形態の排土設備E3によれば、クレーン装置32によりクレーンロープ32Rを用いてマテリアルシャフト23を通って地上から吊り下ろされた空バケット31Aとクレーンロープ32Rとの接続を切り離し、そのクレーンロープ32Rに土砂積込みバケット31Bを接続させてバケット交換を行うバケット交換装置100を備えて構成されている。そのため、このバケット交換装置100によりバケット交換を自動的に行うことができ、2つのアースバケット31を交互に用いて掘削土砂を地上に搬出することができる。従って、従来のように1つのアースバケットを用いて掘削土砂を搬出していた構成と比べて、効率良く掘削土砂を搬出することができる。これにより掘削作業の効率化および工期の短縮化を図ることができる。
【0046】
また、バケット交換装置100は、マテリアルシャフト23のマテリアルロック24(エアロック)の上方側であってマテリアルロック24に近い位置に設けられている。このような位置にバケット交換装置100が設けられてバケット交換が行われることにより、マテリアルシャフト23の長さ(掘削深度)によって変動する要素もあるが、掘削土砂の搬出効率をより一層向上させることが期待できる。ただし、バケット交換装置100を設置する位置は、マテリアルロック24の直上の位置に限定されるものではなく、掘削土砂の搬出効率を鑑みて最も効率の良いと考えられる位置に設置することが好ましい。
【0047】
これまで、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、バケット交換装置100がマテリアルロック24の直上の位置に設けられているが、マテリアルロック24よりも下方の位置、作業室2の内部もしくはマテリアルシャフト23の上部に設けられた構成であってもよい。ただし、上述したように、掘削土砂の搬出効率を鑑みて最も効率の良いと考えられる位置にバケット交換装置100を設置することが好ましい。
【0048】
また、上述の実施形態では、第1ロープ誘導アーム103によりクレーンロープ32R
を引き寄せて空バケット側吊り具70Aを第1支持アーム101上に載置支持させる構成であるが、第1ロープ誘導アーム103に代えて、空バケット31Aを直接誘導して空バケット側吊り具70Aを第1支持アーム101上に載置支持させるバケット誘導部を備える構成としてもよい。また、土砂積込みバケット側吊り具70Bを第2支持アーム102上に載置支持させるときにも、土砂積込みバケット31Bを直接誘導するバケット誘導部を備える構成としてもよい。
【0049】
また、上述の実施形態において説明したバケット側吊り具70A,70Bおよびロープ側吊り具75A,75Bは一例であり、例えば、吊りフックおよび吊り環からなる吊り具や、クランプ機構もしくはピン挿抜機構を備える従来の自動玉かけ着脱装置や、電磁マグネットを使用する構成等、他の構成の吊り具であってもよい。
【0050】
また、上述の実施形態では、バケット交換装置100が地上遠隔操作室13からの遠隔操作によって作動すると説明したが、各種センサ等を設ける等の変更を行って、オペレータの操作ではなく自動でバケット交換を行うように構成してもよい。また、上述の実施形態では、ニューマチックケーソン工法の排土設備E3にバケット交換装置100を適用した一例について説明したが、本発明は、ニューマチックケーソン工法以外の排土装置においても適用することができる。