(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接合レンズにおける前記第1レンズと前記第2レンズとの接合面、前記第2レンズと前記第3レンズとの接合面、前記第3レンズの像側面のうち、少なくとも1つのレンズ面は非球面であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例の説明に先立ち、本発明のある態様にかかる実施形態の作用効果を説明する。なお、本実施形態の作用効果を具体的に説明するに際しては、具体的な例を示して説明することになる。しかし、後述する実施例の場合と同様に、それらの例示される態様はあくまでも本発明に含まれる態様のうちの一部に過ぎず、その態様には数多くのバリエーションが存在する。したがって、本発明は例示される態様に限定されるものではない。
【0012】
本実施形態の撮像装置は、軸上光束を決める明るさ絞りと、1つの接合レンズと、からなる結像光学系と、結像光学系の像側に配置され、結像光学系に向けて凹状に湾曲した非平面の受光面を有する撮像部と、を有し、接合レンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、からなることを特徴とする。
【0013】
本実施形態の撮像装置は、小型でありながら、長いバックフォーカスを有し、良好な像が結像できる結像光学系を備えている。良好な像とは、中心部から周辺部まで収差が良好に補正された光学像のことである。
【0014】
本実施形態の撮像装置では、結像光学系は、明るさ絞りと、1つの接合レンズと、からなる。明るさ絞りは、軸上光束を決める絞りである。
【0015】
結像光学系の像側には、撮像部が配置されている。撮像部は、結像光学系に向けて凹状に湾曲した非平面の受光面を有する。従って、受光面に形成される像も、物体側に凹状に湾曲している。
【0016】
全体的に又は部分的に物体側に凹状に湾曲した像(以下、「湾曲像」という)を形成する光学系では、像面湾曲の発生をある程度許容できる。よって、湾曲像を形成する光学系では、平坦な像を形成する光学系に比べて、収差補正の負担が軽減される。
【0017】
例えば、湾曲像を形成する光学系では、ペッツバール和を補正するためのレンズを削減できる。そのため、光学系を小型化できる。
【0018】
また、平坦な像を形成する光学系では、像面湾曲を良好に補正するために、明るさ絞りから離れた位置に補正用のレンズを配置する必要がある。但し、補正用のレンズを配置すると、光学系の外径が大きくなり、さらにレンズの数が増える。このように、補正用のレンズは、光学系の外径を大きくする要因の一つである。
【0019】
これに対して、湾曲像を形成する光学系では、補正用のレンズを配置する必要が無くなる。よって、湾曲像を形成する光学系では、光学系の外径を小さくすることができる。
【0020】
また、周辺光量比、すなわち、中心領域の光量に対する周辺領域の光量の比については、比率の低下が抑制される。また、ディストーションについては、更なる発生が抑制される。
【0021】
更には、湾曲した撮像面をもつ撮像素子で光学系の像を受光する場合には、撮像面へ入射する光線をほぼ垂直にするためにテレセントリックな光学系としなくてもよい。よって、湾曲像を形成する光学系では、小型化と光学性能の両立のための設計の自由度が広がる。
【0022】
本実施形態の撮像装置における結像光学系も、湾曲像を形成する光学系である。よって、レンズの数を減らし、光学系を小型化することができる。更に、設計の自由度が広がるため、広い画角、例えば、90度以上の画角を確保しつつ、高い結像性能を有する光学系を実現することができる。
【0023】
本実施形態の撮像装置では、結像光学系は、物体側から像側に順に、負の屈折力を有する第1レンズと、第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、からなり、これらが1つの接合レンズを構成している。このようにすることで、小型でありながら、長いバックフォーカスと良好な結像性能を確保することができる。
【0024】
第1レンズは負の屈折力を有する。このようにすることで、例えば、画角が90度以上であっても、撮像範囲の中心部から周辺部まで良好な結像性能を確保することができる。
【0025】
また、第3レンズが正の屈折力を有しているので、第1レンズと第3レンズとで、結像光学系を、レトロフォーカスタイプの光学系にすることができる。そのため、十分な長さのバックフォーカスを確保することができる。この場合、光学系と撮像部との間に、光学フィルタやカバーガラス等を配置することができる。
【0026】
撮像装置の用途としては、例えば、内視鏡がある。内視鏡では、病変部にレーザ光を照射して、病変部の焼灼を行うことがある。レーザ光の照射は、病変部のカラー画像を観察しながら行われる。
【0027】
病変部のカラー画像の取得では、白色光による照明が行われる。よって、病変部には、白色光とレーザ光が照射される。病変部からは、白色光とレーザ光とが反射する。白色光とレーザ光は、共に結像光学系に入射する。
【0028】
レーザ光の光強度は、白色照明の光強度に比べて、非常に大きい。そのため、カラー画像を取得するためには、結像光学系内でレーザ光を除去する必要がある。レーザ光の除去が十分でないと、カラー画像の画質が劣化する。
【0029】
本実施形態の撮像装置では、上述のように、結像光学系は、十分な長さのバックフォーカスを有する。そのため、結像光学系と撮像部との間に、レーザ光を除去する光学フィルタを配置することができる。その結果、画像の画質劣化を抑制することができる。
【0030】
また、撮像部の受光面にゴミが付着すると、画像の画質が劣化する。ゴミの付着は、受光面にカバーガラスを設けることで防止することができる。上述のように、結像光学系は、十分な長さのバックフォーカスを有する。そのため、結像光学系と撮像部との間に、カバーガラスを配置することができる。その結果、ゴミの付着による画像の画質劣化を防止することができる。
【0031】
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
0.4<|Θout60/60°|<1.0 (1)
ここで、
Θout60は、第3レンズの像側面から射出した所定の主光線と光軸とのなす角度、
所定の主光線は、第1レンズの物体側の空間において、光軸とのなす角度が60°となる主光線、
である。
【0032】
条件式(1)を満足するように結像光学系を構成することで、画角が広くなった場合でも、軸外光束に対して、見かけ上の絞り径が狭くならないようにすることができる。又は、撮像範囲の周辺部から入射する光束に対して、開口径が狭くならないように結像光学系を構成することができる。これは、COSΘの1乗分による影響が低減されることを意味している。そのため、撮像範囲の周辺部での光量低下を抑制することができる。
【0033】
条件式(1)を満足しない場合、画角が広くなるほど、軸外光束に対して、見かけ上の絞り径が狭くなる。そのため、撮像範囲の周辺部での光量低下が大きくなる。
【0034】
条件式(1)に代えて、以下の条件式(1’)を満足することが好ましい。
0.5<|Θout60/60°|<0.8 (1’)
【0035】
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(2)、(3)を満足することが好ましい。
0.7<|PS×Rimg|<1.5 (2)
0.7<|EXP/Rimg|<1.5 (3)
ここで、
PSは、結像光学系のペッツバール和であり、
ペッツバール和PSは、以下の式で表される。
【数1】
ここで、
iは、結像光学系中の各レンズの物体側からの順番、
kは、結像光学系中のレンズの総数、
n
iは、i番目のレンズのd線での屈折率、
f
iは、i番目のレンズのd線での焦点距離、
EXPは、受光面から結像光学系の近軸射出瞳位置までの光軸に沿った距離であり、近軸射出瞳位置が受光面よりも物体側にある場合の符号を負とし、
Rimgは、光軸と受光面とが交わる点を面頂点とし、面頂点と、結像光学系に最大画角で入射する主光線と受光面とが交わる点と、を含む仮想球面の曲率半径、
である。
【0036】
条件式(2)を満足するように結像光学系を構成することで、結像光学系で発生する像面湾曲を、受光面の湾曲によってキャンセルすることができる。そのため、像面湾曲が像の劣化に及ぼす影響を抑制することができる。
【0037】
その結果、1つの接合レンズであっても、収差が十分に補正された結像光学系を実現できる。また、小型でありながら、高画質の画像が取得できる撮像装置を実現することができる。
【0038】
条件式(2)を満足しない場合、結像光学系で発生する像面湾曲を、受光面の湾曲によってキャンセルすることができなくなる。そのため、像面湾曲が像の劣化に及ぼす影響が大きくなる。
【0039】
この場合、1つの接合レンズで、良好な像を結像することが困難になる。よって、取得した画像で画質劣化が発生する。
【0040】
条件式(3)を満足するように受光面を構成することで、各像高に対応する主光線が受光面に対して略垂直に入射するようになる。これは、COSΘの1乗分による影響が低減されることを意味している。そのため、撮像範囲の周辺部での光量低下を、抑制することができる。
【0041】
条件式を満足しない場合、受光面に対して光線が斜めに入射する。そのため、撮像範囲の周辺部での光量低下が発生する。
【0042】
条件式(2)に代えて、以下の条件式(2’)又は(2”)を満足することが好ましい。
0.8<|PS×Rimg|<1.3 (2’)
0.85<|PS×Rimg|≦1.0 (2”)
【0043】
条件式(3)に代えて、以下の条件式(3’)を満足することが好ましい。
0.8<|EXP/Rimg|<1.3 (3’)
【0044】
本実施形態の撮像装置では、明るさ絞りは、第2レンズの物体側のレンズ面に配置されているか、又は、第2レンズの像側のレンズ面に配置されていることが好ましい。
【0045】
第2レンズは、結像光学系の略中央に位置している。よって、上述のようにすることで、明るさ絞りが結像光学系の中央付近に位置する状態になる。
【0046】
この状態で、例えば、物体側に凸のレンズ面を、明るさ絞りの物体側に設けると共に、像側に凸のレンズ面を、明るさ絞りの像側に設ける。このようにすると、レンズ面の配置に関して、対称性を高めることができる。その結果、軸外収差の発生、例えば、倍率の色収差の発生を抑制することができる。
【0047】
明るさ絞りは、光を透過する開口部と、光を遮光する遮光部と、を有する。多くの場合、開口部と遮光部は、光軸と直交する面内に位置する。しかしながら、本実施形態の撮像装置では、第2レンズは、第1レンズや第3レンズと接合されている。そのため、開口部と遮光部は、接合面に沿って位置することになる。
【0048】
本実施形態の撮像装置では、明るさ絞りは、例えば、第2レンズのレンズ面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。このとき、開口部の中心は、レンズ面の面頂と一致している。第2レンズを第1レンズや第3レンズと接合することで、明るさ絞りが接合面上に形成される。
【0049】
本実施形態の撮像装置では、接合レンズにおける第1レンズと第2レンズとの接合面、第2レンズと第3レンズとの接合面、第3レンズの像側面のうち、少なくとも1つのレンズ面は非球面であることが好ましい。
【0050】
このようにすることで、球面収差、コマ収差、非点収差などの発生を抑制することができる。
【0051】
本実施形態の撮像装置では、第1レンズの像側のレンズ面は、物体側に凸の面であり、 以下の条件式(4)、(5)を満足することが好ましい。
0≦|R1R/R1L|<0.2 (4)
0.25<R1R/f<0.5 (5)
ここで、
R1Rは、第1レンズの像側のレンズ面の近軸曲率半径、
R1Lは、第1レンズの物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
fは、結像光学系のd線での焦点距離、
である。
【0052】
第1レンズの像側のレンズ面を物体側に凸の面にすることで、例えば、画角が90度以上であっても、撮像範囲の中心部から周辺部まで良好な結像性能を確保することができる。
【0053】
条件式(4)を満足しない場合、第1レンズの像側面の曲率が小さくなるか、又は、第1レンズの物体側面の曲率が大きくなる。
【0054】
また、条件式(5)を満足しない場合、上限値を上回ると、第1レンズの像側面の曲率が緩くなる。この場合、第1レンズの負の屈折力が小さくなり過ぎるため、画角90度以上において、良好な結像が困難となる。下限値を下回ると、第1レンズの像側面の曲率がきつくなり過ぎるため、球面収差やコマ収差が悪化する。
【0055】
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0≦|SAGs1/TL|<0.05 (6)
ここで、
SAGs1は、第1レンズの物体側のレンズ面の面頂点から、結像光学系における最大像高に入射する最周辺の有効光線が第1レンズの物体側のレンズ面を通過する点までの光軸に沿う方向での距離であり、光線が進む方向を符号が正となる方向とし、
TLは、第1レンズの物体側のレンズ面から受光面までの光軸上の距離、
である。
【0056】
第1レンズの物体側のレンズ面は、外界と接している。そのため、撮像装置が使用される環境によっては、第1レンズの物体側のレンズ面に液体やゴミ等が付着する恐れがある。そのため、第1レンズの物体側のレンズ面は、他のレンズ面に比べて汚れ易い。
【0057】
また、第1レンズの物体側のレンズ面は、撮像装置の周囲にある物体と接触する恐れがある。そのため、第1レンズの物体側のレンズ面は、他のレンズ面に比べて、大きな衝撃を受け易い。
【0058】
そこで、本実施形態の撮像装置では、第1レンズの物体側のレンズ面を、条件式(6)を満足するような平面、又は、略平面形状にしている。このようにすることで、汚れを付きにくくすることができ、又、外部からの衝撃に強くすることができる。
【0059】
また、画角が広くなった場合でも、見かけ上の絞り径が狭くならないようにすることができる。その結果、撮像範囲の周辺部での光量落ちを抑制することができる。
【0060】
また、像高、又は撮像面の大きさに対して、結像光学系の有効径を小さくすることができる。そのため、光学系を小型化することができる。
【0061】
また、例えば、画角が90度以上であっても、撮像範囲の中心部から周辺部まで良好な結像性能を確保することができる。
【0062】
条件式(6)を満足しない場合、撮像範囲の中心部から周辺部まで良好な結像性能を確保することが困難になる。特に、結像光学系の画角を広げる場合、90度以上の画角で、良好な結像性能を確保することが困難になる。
【0063】
第1レンズは枠部材で保持されている。第1レンズを保護するためには、枠部材に対する第1レンズの物体側への突出を、できるだけ小さくすれば良い。この突出が大きいと、第1レンズと撮像装置の周囲にある物体とが、接触し易くなる。
【0064】
第1レンズと物体との接触が生じると、接触時の衝撃でレンズ面が傷付いてしまう恐れがある。また、接触時の衝撃が大きいと、レンズ面が破損してしまう恐れがある。
【0065】
このようなことから、第1レンズと物体との接触ができるだけ発生しないようにすることが好ましい。そのためには、例えば、第1レンズのレンズ面が、枠部材から突出しないようにすれば良い。すなわち、レンズ面に対して枠部材を物体側に突出させれば良い。
【0066】
ただし、レンズ面に対する枠部材の突出を大きくすると、例えば、設計ではレンズ面に入射していた光線が、枠部材によって遮られてしまう。また、枠部材とレンズ面との境界に窪みが形成されてしまい、この窪みに水や汚れが溜まってしまう。
【0067】
このように、レンズ面に対する枠部材の突出が大きくなり過ぎることは、画像の画質劣化を引き起こす原因になる。
【0068】
上述のように、TLは、第1レンズの物体側のレンズ面から受光面までの光軸上の距離である。この距離の算出では、空気換算は行われていない。
【0069】
条件式(6)に代えて、以下の条件式(6’)を満足することが好ましい。
0≦|SAGs1/TL|<0.02 (6’)
【0070】
本実施形態の撮像装置では、第2レンズは、物体側に凸を向けたメニスカスレンズであり、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
0.02<THI2/TL<0.2 (7)
ここで、
THI2は、光軸上での第2レンズの面間隔、
TLは、第1レンズの物体側のレンズ面から受光面までの光軸上の距離、
である。
【0071】
第2レンズを、物体側に凸を向けたメニスカスレンズにすることで、色収差を補正しつつ、光学系の小型化が実現できる。
【0072】
条件式(7)の上限値を上回る場合、第2レンズの厚みが厚くなり過ぎるので、光学系が大型化してしまう。条件式(7)の下限値を下回る場合、第2レンズの厚みが薄くなり過ぎる。そのため、第2レンズの屈折作用が弱まってしまう。
【0073】
条件式(7)に代えて、以下の条件式(7’)を満足することが好ましい。
0.02<THI2/TL<0.1 (7’)
【0074】
本実施形態の撮像装置では、第3レンズは両凸レンズであり、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
−1<(R3L+R3R)/(R3L−R3R)<0 (8)
ここで、
R3Lは、第3レンズの物体側のレンズ面の近軸曲率半径、
R3Rは、第3レンズの像側のレンズ面の近軸曲率半径、
である。
【0075】
第3レンズを両凸レンズにすることで、非点収差の発生を抑制することができる。また、物体側のレンズ面の近軸曲率半径を像側のレンズ面の近軸曲率半径よりも小さくすると共に、条件式(8)を満足することで、非点収差の発生を、更に抑制することができる。
【0076】
条件式(8)を満足しない場合、非点収差の発生を抑制することが困難になる。
【0077】
結像光学系の画角を広くしようとすると、結像光学系の焦点距離は短くなる。結像光学系の焦点距離を短くするためには、正レンズである第3レンズの屈折力を大きくする必要がある。ただし、第3レンズの屈折力を大きくすると、非点収差が発生し易くなる。
【0078】
物体側のレンズ面の近軸曲率半径を像側のレンズ面の近軸曲率半径よりも小さくすると共に、条件式(8)を満足することは、第3レンズの屈折力の増大と非点収差の補正との両立に有効である。すなわち、このようにすることで、非点収差の発生を抑制しつつ、結像光学系の画角をより広くすることができる。
【0079】
条件式(8)に代えて、以下の条件式(8’)を満足することが好ましい。
−0.5<(R3L+R3R)/(R3L−R3R)<0 (8’)
【0080】
本実施形態の撮像装置は、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
0.7<|Θout60/Θimg60|<1.5 (9)
ここで、
Θout60は、第3レンズの像側面から射出した所定の主光線と光軸とのなす角度、
Θimg60は、所定の2点を結ぶ直線と光軸とのなす角度、
所定の主光線は、第1レンズの物体側の空間において、光軸とのなす角度が60°となる主光線、
所定の2点は、第3レンズの像側面から射出した所定の主光線と受光面との交点と、受光面の曲率中心、
である。
【0081】
条件式(9)を満足するように結像光学系を構成することで、各像高の主光線において、メリジオナル方向の曲率とサジタル方向の曲率とを、ほぼ一致させることができる。そのため、非点収差の発生を抑制することができる。
【0082】
条件式(9)を満足しない場合、各像高の主光線において、メリジオナル方向の曲率とサジタル方向の曲率とを、一致させることができない。そのため、非点収差の発生を抑制することが困難になる。
【0083】
Θimg60は、以下の式で求めることができる。
Θimg60=asin(IM60/Rimg)
ここで、
IM60は、第3レンズの像側面から射出した所定の主光線と受光面との交点から光軸までの距離、
Rimgは、光軸と受光面とが交わる点を面頂点とし、面頂点と、結像光学系に最大画角での入射する主光線と受光面とが交わる点と、を含む仮想球面の曲率半径、
である。
【0084】
条件式(9)に代えて、以下の条件式(9’)又は(9”)を満足することが好ましい。
0.8<|Θout60/Θimg60|<1.3 (9’)
0.85<|Θout60/Θimg60|<1.25 (9”)
【0085】
本実施形態の撮像装置では、第2レンズは樹脂レンズであることが好ましい。
【0086】
第2レンズを樹脂レンズとする場合は、第2レンズを第1レンズの屈折面に密着硬化することで、面形状誤差および偏心誤差を少なくすることができる。更に、結像光学系を薄くすることができる。
【0087】
密着硬化では、紫外線硬化型樹脂のような液状の樹脂を用いれば良い。第2レンズのレンズ材料としては、例えば、紫外線硬化型樹脂がある。この紫外線硬化型樹脂を、第1レンズの屈折面に所望量吐出する。これにより、紫外線硬化型樹脂が第1レンズの屈折面と接触した状態になる。紫外線硬化型樹脂の表面のうち、第1レンズの屈折面と接触している面が、第2レンズの一方の屈折面になる。
【0088】
紫外線硬化型樹脂を挟んで第1レンズと対向する位置に、金型を配置する。この金型を、紫外線硬化型樹脂に押し付ける。紫外線硬化型樹脂は、金型と第1レンズとで挟まれた状態になる。この状態で、第1レンズ側から紫外線を照射する。これにより、紫外線硬化型樹脂が硬化する。
【0089】
金型は成形面を有する。成形面は、紫外線硬化型樹脂と接触する面である。成形面の形状は、第2レンズの他方の屈折面の形状と同じである。紫外線硬化型樹脂の表面のうち、成形面と接触している面が、第2レンズの他方の屈折面になる。
【0090】
このように、密着硬化では、第1レンズの屈折面によって第2レンズの一方の屈折面が形成され、金型の成形面によって第2レンズの他方の屈折面が形成される。
【0091】
第2レンズの材料は、紫外線硬化型樹脂に限られない。硬化の方法も、紫外線の照射に限られない。
【0092】
なお、上記からわかるとおり、本実施形態において、接合レンズとは、複数のレンズを接着剤で接合したものだけでなく、レンズ同士が直接接触するものも含んでいる。
【0093】
樹脂レンズでは、厚みが厚くなるほど、温度変化による影響や湿度変化による影響をより受け易くなる。また、紫外線硬化型樹脂を用いた樹脂レンズでは、厚みが厚くなるほど、硬化しづらくなる。樹脂レンズでは、厚みが薄くなるほど、接着しづらくなる。
【0094】
このようなことから、第2レンズを樹脂レンズにする場合は、上述の条件式(7)を満足することが好ましい。条件式(7)を満足することで、温度変化による影響や湿度変化による影響低減でき、硬化性や接着性を良くすることができる。
【0095】
本実施形態の撮像装置では、第1レンズの物体側のレンズ面は、平面、又は物体側に凸の面であることが好ましい。
【0096】
第1レンズの物体側のレンズ面を物体側に凸の面にすることで、物体側のレンズ面へ入射する光線とレンズ面の法線とのなす角を小さくすることができる。そのため、諸収差、例えば、非点収差、歪曲収差及びコマ収差の発生を抑えることができる。
【0097】
本実施形態の撮像装置では、更に、照明部と、結像光学系の物体側に配置されたカバー部と、を有することが好ましい。
【0098】
カバー部を配置することで、被写体と結像光学系との距離が近づきすぎないように構成でき、被写体を被写界深度内とすることに有利となる。照明部を有することで、夜間撮影や、空洞内撮影にも有利となる。
【0099】
本実施形態の撮像装置では、カバー部が、結像光学系と照明部の双方の物体側を覆うドーム状のカバー部であることが好ましい。
【0100】
このようにすることで、被写体と照明部との距離が近づき過ぎないように構成でき、撮影画像の白とびを軽減できる。
【0101】
本実施形態の光学装置は、上記の撮像装置と、照明部と、を有することを特徴とする。
【0102】
各実施形態の撮像装置は小型であるので、光学装置を小型化することができる。
【0103】
本実施形態の光学装置は、結像光学系及び照明部の物体側に配置されたドーム状カバー部と、を有することが好ましい。
【0104】
このようにすることで、光学装置をカプセル内視鏡として使用することができる。
【0105】
本実施形態の光学装置は、貫通孔が形成された挿入部を備え、挿入部の長さは貫通孔の直径に比べて長く、貫通孔内に、結像光学系と照明部が配置されていることが好ましい。
【0106】
このようにすることで、光学装置を軟性内視鏡や硬性内視鏡として使用することができる。
【0107】
本実施形態の光学装置では、挿入部は、並列に配置された2つの結像光学系を有し、2つの結像光学系は、所定の間隔で配置され、所定の間隔は視差が生じる間隔に設定されていることが好ましい。
【0108】
このようにすることで、立体視が可能な光学装置を実現することができる。
【0109】
以下に、本発明のある態様に係る撮像装置、カプセル内視鏡の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0110】
断面図について説明する。
図1〜7において、(a)はレンズ断面を示している。
【0111】
収差図について説明する。
図1〜7において、(b)は球面収差(SA)、(c)は非点収差(AS)、(d)は歪曲収差(DT)、(e)は倍率色収差(CC)を示している。
【0112】
実施例1の撮像装置の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、負メニスカスレンズL2及び両凸正レンズL3は接合されている。
【0113】
負メニスカスレンズL2の物体側面に、明るさ絞りSが配置されている。負メニスカスレンズL2は、負メニスカスレンズL1と接合されている。よって、明るさ絞りSは、接合面上に形成されている。より具体的には、接合面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。受光面(撮像面)Iは球面で、物体側に凹状に湾曲している。
【0114】
非球面は、負メニスカスレンズL1の物体側面と、負メニスカスレンズL1と負メニスカスレンズL2の接合面と、負メニスカスレンズL2と両凸正レンズL3との接合面と、両凸正レンズL3の像側面との4面に設けられている。
【0115】
実施例2の撮像装置の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、負メニスカスレンズL2及び両凸正レンズL3は接合されている。
【0116】
負メニスカスレンズL2の像側面に、明るさ絞りSが配置されている。負メニスカスレンズL2は、負メニスカスレンズL1と接合されている。よって、明るさ絞りSは、接合面上に形成されている。より具体的には、接合面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。受光面(撮像面)Iは球面で、物体側に凹状に湾曲している。
【0117】
非球面は、負メニスカスレンズL1の物体側面と、負メニスカスレンズL1と負メニスカスレンズL2の接合面と、負メニスカスレンズL2と両凸正レンズL3との接合面と、両凸正レンズL3の像側面との4面に設けられている。
【0118】
実施例3の撮像装置の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、正メニスカスレンズL2及び両凸正レンズL3は接合されている。
【0119】
正メニスカスレンズL2の物体側面に、明るさ絞りSが配置されている。正メニスカスレンズL2は、負メニスカスレンズL1と接合されている。よって、明るさ絞りSは、接合面上に形成されている。より具体的には、接合面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。受光面(撮像面)Iは球面で、物体側に凹状に湾曲している。
【0120】
非球面は、負メニスカスレンズL1の物体側面と、負メニスカスレンズL1と正メニスカスレンズL2の接合面と、正メニスカスレンズL2と両凸正レンズL3との接合面と、両凸正レンズL3の像側面との4面に設けられている。
【0121】
実施例4の撮像装置の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、正メニスカスレンズL2及び両凸正レンズL3は接合されている。
【0122】
正メニスカスレンズL2の像側面に、明るさ絞りSが配置されている。正メニスカスレンズL2は、負メニスカスレンズL1と接合されている。よって、明るさ絞りSは、接合面上に形成されている。より具体的には、接合面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。受光面(撮像面)Iは球面で、物体側に凹状に湾曲している。
【0123】
非球面は、負メニスカスレンズL1の物体側面と、負メニスカスレンズL1と正メニスカスレンズL2の接合面と、正メニスカスレンズL2と両凸正レンズL3との接合面と、両凸正レンズL3の像側面との4面に設けられている。
【0124】
実施例5の撮像装置の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、正メニスカスレンズL2及び両凸正レンズL3は接合されている。
【0125】
正メニスカスレンズL2の像側面に、明るさ絞りSが配置されている。正メニスカスレンズL2は、負メニスカスレンズL1と接合されている。よって、明るさ絞りSは、接合面上に形成されている。より具体的には、接合面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。受光面(撮像面)Iは球面で、物体側に凹状に湾曲している。
【0126】
非球面は、負メニスカスレンズL1の物体側面と、負メニスカスレンズL1と正メニスカスレンズL2の接合面と、正メニスカスレンズL2と両凸正レンズL3との接合面と、両凸正レンズL3の像側面との4面に設けられている。
【0127】
実施例6の撮像装置の結像光学系は、物体側から順に、平凹負レンズL1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。平凹負レンズL1、正メニスカスレンズL2及び両凸正レンズL3は接合されている。
【0128】
正メニスカスレンズL2の像側面に、明るさ絞りSが配置されている。正メニスカスレンズL2は、平凹負レンズL1と接合されている。よって、明るさ絞りSは、接合面上に形成されている。より具体的には、接合面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。受光面(撮像面)Iは球面で、物体側に凹状に湾曲している。
【0129】
非球面は、平凹負レンズL1と正メニスカスレンズL2の接合面と、正メニスカスレンズL2と両凸正レンズL3との接合面と、両凸正レンズL3の像側面との3面に設けられている。
【0130】
実施例7の撮像装置の結像光学系は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、正メニスカスレンズL2及び両凸正レンズL3は接合されている。
【0131】
正メニスカスレンズL2の像側面に、明るさ絞りSが配置されている。正メニスカスレンズL2は、負メニスカスレンズL1と接合されている。よって、明るさ絞りSは、接合面上に形成されている。より具体的には、接合面の面頂から周辺に向かって、開口部と遮光部が形成されている。受光面(撮像面)Iは球面で、物体側に凹状に湾曲している。
【0132】
非球面は、負メニスカスレンズL1の物体側面と、負メニスカスレンズL1と正メニスカスレンズL2の接合面と、正メニスカスレンズL2と両凸正レンズL3との接合面と、両凸正レンズL3の像側面との4面に設けられている。
【0133】
実施例8の結像光学系は、
図8に示すように、物体側から順に、光学部材CGと、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL2と、両凸正レンズL3と、で構成されている。負メニスカスレンズL1、負メニスカスレンズL2、明るさ絞りS及び両凸正レンズL3で構成される光学系は、実施例1の結像光学系と同じである。
【0134】
図8は、光学部材CGが配置できることを例示する概略図である。そのため、レンズの大きさや位置に対して、光学部材CGの大きさや位置は正確に描かれているわけではない。
【0135】
光学部材CGは板状の部材で、物体側面と像側面は共に曲面になっている。
図8では、物体側面と像側面は共に球面になっているので、光学部材CGの全体形状は、半球になっている。実施例8では、光学部材CGの肉厚、すなわち、物体側面と像側面との間隔は一定になっている。しかしながら、光学部材CGの肉厚は一定でなくても良い。
【0136】
また、後述のように、光学部材CGは、第1レンズの物体側面から物体側に6.0mmだけ離れた位置に配置されている。しかしながら、光学部材CGは、この位置から前後にずらした位置に配置しても良い。また、光学部材CGの曲率半径及び肉厚は一例であるので、この限りではない。
【0137】
光学部材CGには、光を透過する材質が用いられている。よって、被写体からの光は光学部材CGを通過して、負メニスカスレンズL1に入射する。光学部材CGは、像側面の曲率中心が入射瞳の位置と略一致するように配置されている。よって、光学部材CGによる新たな収差は、ほとんど発生しない。すなわち、実施例8の結像光学系の結像性能は、実施例1の結像光学系の結像性能と変わらない。
【0138】
光学部材CGは、カバーガラスとして機能する。この場合、光学部材CGは、例えば、カプセル内視鏡の外装部に設けられた観察窓に該当する。よって、実施例8の結像光学系は、カプセル内視鏡の光学系に用いることができる。実施例1〜7の結像光学系もカプセル内視鏡の光学系に用いることができる。
【0139】
以下に、上記各実施例の数値データを示す。面データにおいて、rは各レンズ面の曲率半径、dは各レンズ面間の間隔、ndは各レンズのd線の屈折率、νdは各レンズのアッベ数、*印は非球面、絞りは明るさ絞りである。
【0140】
また、各種データにおいて、fは全系の焦点距離、FNO.はFナンバー、ωは半画角、IHは像高である。
【0141】
また、実施例8は、実施例1の結像光学系の物体側に光学部材CGを配置したものである。実施例8の面データにおいて、C1は光学部材CGの物体側面、C2は光学部材CGの像側面を示す。また、実施例8の非球面データと各種データは、実施例1の非球面データや各種データと同じであるので記載は省略する。
【0142】
また、非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとり、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12…としたとき、次の式で表される。
z=(y
2/r)/[1+{1−(1+k)(y/r)
2}
1/2]
+A4y
4+A6y
6+A8y
8+A10y
10+A12y
12+…
また、非球面係数において、「e−n」(nは整数)は、10のn乗を示している。なお、これら諸元値の記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。
【0143】
数値実施例1
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1* 3.915 0.30 1.51633 64.14
2(絞り) ∞ 0.00
3* 0.341 0.08 1.63387 23.38
4* 0.264 0.38 1.59201 67.02
5* -0.541 0.10
6 ∞ 0.50 1.51633 64.14
7 ∞ 0.32
像面 -1.021
非球面データ
第1面
k=0.000
A4=1.01078e-02,A6=3.57526e-01
第3面
k=0.000
A4=-1.50834e+01,A6=-8.56121e+01,A8=2.20481e+03
第4面
k=0.000
A4=-1.50424e+01,A6=1.11831e+01,A8=-1.73879e+03
第5面
k=0.000
A4=-1.09574e-01,A6=8.90158e-01,A8=-2.24239e+01,
A10=1.37860e+02
各種データ
f 0.78
FNO. 2.86
2ω 140.00
IH 0.73
【0144】
数値実施例2
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1* 4.119 0.30 1.51633 64.14
2* 0.336 0.09 1.63387 23.38
3(絞り) ∞ 0.00
4* 0.273 0.38 1.59201 67.02
5* -0.544 0.10
6 ∞ 0.50 1.51633 64.14
7 ∞ 0.32
像面 -1.010
非球面データ
第1面
k=0.000
A4=9.12915e-02,A6=7.41213e-02
第2面
k=0.000
A4=-1.28745e+01,A6=-1.27825e+02,A8=1.07474e+03
第4面
k=0.000
A4=-7.32807e+00,A6=-1.28401e+01,A8=-3.30868e+03
第5面
k=0.000
A4=-2.38483e-01,A6=7.37942e-01,A8=-1.97726e+01,
A10=9.25956e+01
各種データ
f 0.79
FNO. 2.85
2ω 140.00
IH 0.73
【0145】
数値実施例3
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1* 5.478 0.30 1.51633 64.14
2(絞り) ∞ 0.00
3* 0.339 0.11 1.63387 23.38
4* 0.421 0.38 1.59201 67.02
5* -0.558 0.10
6 ∞ 0.50 1.51633 64.14
7 ∞ 0.32
像面 -1.043
非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-2.73993e-02,A6=3.59800e-01
第3面
k=0.000
A4=-7.34591e+00,A6=-1.35791e+02,A8=1.25398e+03
第4面
k=0.000
A4=1.12022e+01,A6=-2.39954e+02,A8=1.34059e+03
第5面
k=0.000
A4=-2.13402e-01,A6=2.46455e+00,A8=-2.31632e+01,
A10=3.21745e+01
各種データ
f 0.79
FNO. 2.90
2ω 140.00
IH 0.73
【0146】
数値実施例4
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1* 5.245 0.30 1.51633 64.14
2* 0.339 0.12 1.63387 23.38
3(絞り) ∞ 0.00
4* 0.408 0.38 1.59201 67.02
5* -0.559 0.10
6 ∞ 0.50 1.51633 64.14
7 ∞ 0.32
像面 -1.045
非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-1.65174e-03,A6=1.05156e-01
第2面
k=0.000
A4=-7.06981e+00,A6=-3.94640e+01,A8=-2.78628e+02
第4面
k=0.000
A4=1.61345e+01,A6=-2.05251e+02,A8=3.98054e+03
第5面
k=0.000
A4=-3.01045e-01,A6=1.57960e+00,A8=-2.81214e+01,
A10=3.76612e-01
各種データ
f 0.79
FNO. 2.89
2ω 140.00
IH 0.73
【0147】
数値実施例5
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1* 1.711 0.30 1.53367 55.82
2* 0.249 0.06 1.63387 23.38
3(絞り) ∞ 0.00
4* 0.232 0.37 1.53367 55.82
5* -0.440 0.10
6 ∞ 0.30 1.51633 64.14
7 ∞ 0.40
像面 -0.903
非球面データ
第1面
k=0.000
A4=1.90268e-01,A6=2.04812e-01
第2面
k=0.000
A4=-4.45853e+01
第4面
k=0.000
A4=-2.75086e+01
第5面
k=0.000
A4=-2.20911e-01,A6=-2.49190e+00
各種データ
f 0.76
FNO. 2.89
2ω 140.00
IH 0.73
【0148】
数値実施例6
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1 ∞ 0.30 1.51633 64.14
2* 0.320 0.15 1.63387 23.38
3(絞り) ∞ 0.00
4* 0.359 0.38 1.59201 67.02
5* -0.553 0.10
6 ∞ 0.50 1.51633 64.14
7 ∞ 0.32
像面 -1.264
非球面データ
第2面
k=0.000
A4=-2.39160e+00,A6=-1.64025e+02,A8=1.78226e+03
第4面
k=0.000
A4=2.44268e+01,A6=-4.18708e-01,A8=-6.12781e+03
第5面
k=0.000
A4=-2.47671e-01,A6=-2.58386e+00,A8=-1.34562e+00,
A10=-4.60865e+02
各種データ
f 0.81
FNO. 3.03
2ω 140.00
IH 0.73
【0149】
数値実施例7
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物体面 ∞ 10.00
1* 3.940 0.30 1.51633 64.14
2* 0.312 0.11 1.63387 23.38
3(絞り) ∞ 0.00
4* 0.345 0.36 1.59201 67.02
5* -0.535 0.10
6 ∞ 0.30 1.51633 64.14
7 ∞ 0.40
像面 -0.963
非球面データ
第1面
k=0.000
A4=-1.59904e-01,A6=1.67922e-01
第2面
k=0.000
A4=-9.76312e+00,A6=4.40264e+01,A8=-1.53642e+03
第4面
k=0.000
A4=1.39889e+01,A6=-2.57438e+01,A8=-3.08758e+02
第5面
k=0.000
A4=-2.85173e-01,A6=1.46899e+00,A8=-3.49420e+01,
A10=-1.62304e+02
各種データ
f 0.75
FNO. 2.95
2ω 169.99
IH 0.73
【0150】
数値実施例8
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ 3.50
C1 8.500 0.50 1.5896 30.00
C2 8.000 6.00
1* 3.915 0.30 1.51633 64.14
2(絞り) ∞ 0.00
3* 0.341 0.08 1.63387 23.38
4* 0.264 0.38 1.59201 67.02
5* -0.541 0.10
6 ∞ 0.50 1.51633 64.14
7 ∞ 0.32
像面 -1.021
【0151】
次に、各実施例における条件式の値を以下に掲げる。
実施例1 実施例2 実施例3
(1)|Θout60/60°| 0.64 0.70 0.61
(2)|PS×Rimg| 0.87 0.86 0.87
(3)|EXP/Rimg| 1.15 1.06 1.15
(4)|R1R/R1L| 0.09 0.08 0.06
(5)R1R/f 0.43 0.43 0.43
(6)|SAGs1/TL| 0.001 0.003 0.001
(7)THI2/TL 0.05 0.06 0.07
(8)(R3L+R3R)/(R3L-R3R) -0.34 -0.33 -0.14
(9)|Θout60/Θimg60| 0.91 1.00 0.90
実施例4 実施例5 実施例6
(1)|Θout60/60°| 0.70 0.73 0.66
(2)|PS×Rimg| 0.87 0.89 0.98
(3)|EXP/Rimg| 1.02 1.15 0.85
(4)|R1R/R1L| 0.06 0.15 0.00
(5)R1R/f 0.43 0.33 0.39
(6)|SAGs1/TL| 0.003 0.009 0.000
(7)THI2/TL 0.07 0.04 0.09
(8)(R3L+R3R)/(R3L-R3R) -0.16 -0.31 -0.21
(9)|Θout60/Θimg60| 1.03 0.91 1.22
実施例7
(1)|Θout60/60°| 0.70
(2)|PS×Rimg| 0.86
(3)|EXP/Rimg| 1.04
(4)|R1R/R1L| 0.08
(5)R1R/f 0.42
(6)|SAGs1/TL| 0.005
(7)THI2/TL 0.07
(8)(R3L+R3R)/(R3L-R3R) -0.22
(9)|Θout60/Θimg60| 1.00
【0152】
図9は、撮像装置の例である。この例では、撮像装置はカプセル内視鏡である。カプセル内視鏡100は、カプセルカバー101と透明カバー102とを有する。カプセルカバー101と透明カバー102とによって、カプセル内視鏡100の外装部が構成されている。
【0153】
カプセルカバー101は、略円筒形状の中央部と、略椀形状の底部と、で構成されている。透明カバー102は、中央部を挟んで、底部と対向する位置に配置されている。透明カバー102は、略椀形状の透明部材によって構成されている。カプセルカバー101と透明カバー102とは、互いに水密的に連設されている。
【0154】
カプセル内視鏡100の内部には、結像光学系103と、照明部104と、撮像素子105と、駆動制御部106と、信号処理部107と、を備えている。なお、図示しないが、カプセル内視鏡100の内部には、受電手段と送信手段が設けられている。
【0155】
照明部104からは、照明光が出射する。照明光は透明カバー102を通過して、被写体に照射される。被写体からの光は、結像光学系103に入射する。結像光学系103によって、像位置に被写体の光学像が形成される。
【0156】
光学像は、撮像素子105で撮像される。撮像素子105の駆動と制御は、駆動制御部106で行われる。また、撮像素子105からの出力信号は、必要に応じて、信号処理部107で処理される。
【0157】
ここで、結像光学系103には、例えば、上述の実施例1の結像光学系が用いられている。このように、結像光学系103は、小型でありながら、広い画角と小さいFナンバーを有する。よって、結像光学系103では、高い解像度を有する広角な光学像が得られる。
【0158】
また、カプセル内視鏡100は、小型でありながら長いバックフォーカスを有し、良好な像が結像できる光学系を備えている。よって、カプセル内視鏡100では、小型でありながら、高解像な画像が得られる。
【0159】
なお、ここでは撮像素子が湾曲した受光面を有しているが、撮像素子の受光面は平坦であっても、像を受ける面が湾曲していれば、その面を湾曲した受光面ということができる。このような例として、平坦な受光面を持つ撮像素子の受光面上にファイバ束を配置してその一端面を湾曲した形状に加工し、その湾曲した端面で物体像を受ける構成が考えられる。
【0160】
図10は、撮像装置の別の例である。この例では、撮像装置は車載カメラである。
図10(a)は車外に車載カメラを搭載した例を示す図である。
図10(b)は、車内に車載カメラを搭載した例を示す図である。
【0161】
図10(a)に示すように、車載カメラ201は、自動車200のフロントグリルに設けられている。車載カメラ201は、結像光学系と撮像素子を備えている。車載カメラ201の結像光学系には、例えば、上述の実施例1の結像光学系が用いられている。よって、良好な光学像が形成される。
【0162】
図10(b)に示すように、車載カメラ201は、自動車200の天井近傍に設けられている。車載カメラ201の作用効果は、既に説明したとおりである。車載カメラ201では、小型でありながら、高解像な画像が得られる。
【0163】
図11は、撮像装置の別の例である。この例では、撮像装置は内視鏡システムである。
図11は、内視鏡システムの概略構成を示す図である。
【0164】
内視鏡システム300は、電子内視鏡を用いた観察システムである。内視鏡システム300は、電子内視鏡310と画像処理装置320とから構成されている。電子内視鏡310は、スコープ部310aと接続コード部310bとを備えている。また、画像処理装置320には、表示ユニット330が接続されている。
【0165】
スコープ部310aは、操作部340と挿入部341に大別される。挿入部341は、細長で患者の体腔内へ挿入可能になっている。また、挿入部341は、可撓性を有する部材で構成されている。観察者は、操作部340に設けられているアングルノブ等により、諸操作を行うことができる。
【0166】
また、操作部340からは、接続コード部310bが延設されている。接続コード部310bは、ユニバーサルコード350を備えている。ユニバーサルコード350は、コネクタ360を介して画像処理装置320に接続されている。
【0167】
ユニバーサルコード350は、各種の信号等の送受信に用いられる。各種の信号としては、電源電圧信号及びCCD駆動信号等がある。これらの信号は、電源装置やビデオプロセッサからスコープ部310aに送信される。また、各種の信号として映像信号がある。この信号は、スコープ部310aからビデオプロセッサに送信される。
【0168】
なお、画像処理装置320内のビデオプロセッサには、図示しないVTRデッキ、ビデオプリンタ等の周辺機器が接続可能である。ビデオプロセッサは、スコープ部310aからの映像信号に対して信号処理を施す。映像信号に基づいて、表示ユニット330の表示画面上に内視鏡画像が表示される。
【0169】
挿入部341の先端部342には、光学系が配置されている。
図12は、内視鏡の光学系の構成を示す図である。光学系400は、照明部と観察部とを有する。
【0170】
照明部は、ライトガイド401と照明レンズ402とを有する。ライトガイド401は、照明光を挿入部341の先端部342に伝送する。伝送された照明光は、ライトガイド401の先端面から出射する。
【0171】
先端部342には、照明レンズ402が配置されている。照明レンズ402は、ライトガイド401の先端面と対向する位置に配置されている。照明光は照明レンズ402を通過し、照明窓403から出射する。これにより、被検体内部の観察対象部位(以下、「観察部位404」という)が照明される。
【0172】
先端部342には、観察窓405が、照明窓403の隣に設けられている。観察部位404からの光は、観察窓405を通過して、先端部342内に入射する。観察窓405の後方には、観察部が設けられている。
【0173】
観察部は、結像光学系406と撮像素子407とを有する。結像光学系406に、例えば、実施例1の結像光学系が用いられている。
【0174】
観察部位404からの反射光は、結像光学系406を通過して撮像素子407に入射する。撮像素子407の撮像面には、観察部位404の像(光学像)が形成される。観察部位404の像は撮像素子407によって光電変換され、これにより観察部位404の画像が得られる。観察部位404の画像は表示ユニット330に表示される。このようにして、観察者は、観察部位404の画像を観察できる。
【0175】
結像光学系406では、像面は湾曲形状になっている。撮像素子407は、像面の形状と同じ湾曲形状の受光面(撮像面)を有している。撮像素子407を用いることで、撮影画像の画質を向上することができる。
【0176】
図12に示す先端部342では、結像光学系の数は1つであるため、立体視はできない。2つの結像光学系を用いることで、立体視が可能になる。
【0177】
図13は、立体視内視鏡の光学系の構成を示す図である。立体視内視鏡の先端部500には、結像光学系510が配置されている。先端部500には、照明光学系も配置されているが、図示を省略している。
【0178】
結像光学系510は、第1の結像光学系510Lと第2の結像光学系510Rとで構成されている。第1の結像光学系510Lと第2の結像光学系510Rは、同一の光学系である。2つの結像光学系には、例えば、実施例6の結像光学系が用いられている。
【0179】
第1の結像光学系510Lの像位置には、撮像素子520Lが配置されている。第2の結像光学系510Rの像位置には、撮像素子520Rが配置されている。
【0180】
第1の結像光学系510Lと第2の結像光学系510Rでは、像面は、共に湾曲形状になっている。撮像素子520Lと撮像素子520Rは、像面の形状と同じ湾曲形状の受光面(撮像面)を有している。撮像素子520Lと撮像素子520Rを用いることで、撮影画像の画質を向上することができる。
【0181】
第1の結像光学系510Lと第2の結像光学系510Rは、並列に配置されている。よって、結像光学系510では、視差を有する一対の光学像が形成される。一方の光学像は撮像素子520Lで撮像され、他方の光学像は撮像素子520Rで撮像される。
【0182】
撮像素子520Lから出力された画像信号と、撮像素子520Rから出力された画像信号は、画像処理装置に入力される。画像処理装置では、立体視用映像信号が生成される。立体視用映像信号は、立体視用表示モニタに入力される。
【0183】
立体視用表示モニタでは、左目用の画像と右目用の画像とが、交互に表示される。立体視用メガネで2つの画像を見ることで、立体視ができる。