(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の方向に延在する第1ゲート線と、第2の方向に延在する第1ソース線と、第1薄膜トランジスタと、前記第2の方向に延在する第1共通配線と、前記第1共通配線から前記第1の方向に延在する第1遮光部と、前記第1共通配線と電気的に接続される第1共通電極とが形成された第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置された第1液晶層と、を有する第1表示パネルと、
第2ゲート線と、第2ソース線と、第2薄膜トランジスタとが形成された第3基板と、
前記第3基板に対向配置された第4基板と、
前記第3基板と前記第4基板との間に配置された第2液晶層と、を有する第2表示パネルと、
バックライトと、
を含み、
前記第1表示パネルと前記第2表示パネルとは重ね合わせて配置され、
前記第1表示パネルは、前記第2表示パネルと前記バックライトとの間に配置され、
前記第1遮光部と前記第1共通配線は一体で形成されており、
前記第1遮光部は、前記第1薄膜トランジスタと前記バックライトとの間に配置されるとともに、平面視で前記第1薄膜トランジスタの第1チャネル領域の少なくとも一部に重なる、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。一実施形態に係る液晶表示装置は、画像を表示する複数の表示パネルと、それぞれの表示パネルを駆動する複数の駆動回路(複数のソースドライバ、複数のゲートドライバ)と、それぞれの駆動回路を制御する複数のタイミングコントローラと、外部から入力される入力映像信号に対して画像処理を行い、それぞれのタイミングコントローラに画像データを出力する画像処理部と、複数の表示パネルに背面側から光を照射するバックライトと、を含んでいる。表示パネルが複数である場合、表示パネルの数は2枚に限定されず3枚以上であってもよい。複数の表示パネルは、観察者側から見て前後方向に互いに重ね合わされて配置されており、それぞれが画像を表示する。また、他の実施形態に係る液晶表示装置は、画像を表示する1枚の表示パネルと、表示パネルを駆動する駆動回路(1つのソースドライバ、1つのゲートドライバ)と、駆動回路を制御する1つのタイミングコントローラと、外部から入力される入力映像信号に対して画像処理を行い、それぞれのタイミングコントローラに画像データを出力する画像処理部と、表示パネルに背面側から光を照射するバックライトと、を含んでいる。以下の実施形態1では、2枚の表示パネルを備える液晶表示装置LCDを例に挙げて説明し、以下の実施形態2では、1枚の表示パネルを備える液晶表示装置LCDを例に挙げて説明する。
【0021】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る液晶表示装置LCDの概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、液晶表示装置LCDは、観察者に近い位置(前側)に配置された表示パネルLCP1と、表示パネルLCP1より観察者から遠い位置(後側)に配置された表示パネルLCP2と、表示パネルLCP1及び表示パネルLCP2を貼り合わせる接着層ADLと、表示パネルLCP2の背面側に配置されたバックライトBLと、表示面側から表示パネルLCP1及び表示パネルLCP2を覆うフロントシャーシFSとを含んでいる。
【0022】
図2は、実施形態1に係る液晶表示装置LCDの概略構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、表示パネルLCP1は、第1ソースドライバSD1と第1ゲートドライバGD1とを含み、表示パネルLCP2は、第2ソースドライバSD2と第2ゲートドライバGD2とを含んでいる。また液晶表示装置LCDは、第1ソースドライバSD1及び第1ゲートドライバGD1を制御する第1タイミングコントローラTCON1と、第2ソースドライバSD2及び第2ゲートドライバGD2を制御する第2タイミングコントローラTCON2と、第1タイミングコントローラTCON1及び第2タイミングコントローラTCON2に画像データを出力する画像処理部IPUと、を含んでいる。例えば、表示パネルLCP1は入力映像信号に応じたカラー画像を第1画像表示領域DISP1に表示し、表示パネルLCP2は入力映像信号に応じた白黒画像を第2画像表示領域DISP2に表示する。画像処理部IPUは、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号Dataを受信し、周知の画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラTCON1に第1画像データDAT1を出力し、第2タイミングコントローラTCON2に第2画像データDAT2を出力する。また画像処理部IPUは、第1タイミングコントローラTCON1及び第2タイミングコントローラTCON2に同期信号等の制御信号(
図3及び
図4参照)を出力する。第1画像データDAT1はカラー画像表示用の画像データであり、第2画像データDAT2は白黒画像表示用の画像データである。
【0023】
図3は実施形態1に係る表示パネルLCP1の概略構成を示す平面図であり、
図4は実施形態1に係る表示パネルLCP2の概略構成を示す平面図である。
図5は、
図3及び
図4のA−A´切断線における断面図である。
【0024】
図3及び
図5を用いて、表示パネルLCP1の概略構成について説明する。
図5に示すように、表示パネルLCP1は、バックライトBL側に配置された薄膜トランジスタ基板TFTB1と、観察者側に配置され、薄膜トランジスタ基板TFTB1に対向する対向基板CF1と、薄膜トランジスタ基板TFTB1及び対向基板CF1の間に配置された液晶層LC1と、を含んでいる。表示パネルLCP1のバックライトBL側には偏光板POL2が配置されており、観察者側には偏光板POL1が配置されている。
【0025】
薄膜トランジスタ基板TFTB1には、
図3に示すように、第1方向(例えば列方向)に延在する複数のソース線SL1と、第1方向に交差する第2方向(例えば行方向)に延在する複数のゲート線GL1とが形成され、複数のソース線SL1と複数のゲート線GL1とのそれぞれの交差部近傍に薄膜トランジスタTFT1が形成されている。表示パネルLCP1を平面的に見て、隣り合う2本のソース線SL1と隣り合う2本のゲート線GL1とにより囲まれる領域が1つの画素PIX1として規定され、該画素PIX1がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。複数のソース線SL1は、行方向に等間隔で配置されており、複数のゲート線GL1は、列方向に等間隔で配置されている。薄膜トランジスタ基板TFTB1には、画素PIX1ごとに画素電極PIT1が形成されており、複数の画素PIX1に共通する1つの共通電極CIT1(
図12参照)が形成されている。薄膜トランジスタTFT1を構成するドレイン電極DE1(
図12参照)はソース線SL1に電気的に接続され、ソース電極SE1(
図12参照)はコンタクトホールCH1(
図12参照)を介して画素電極PIT1に電気的に接続され、ゲート電極GE1(
図12参照)はゲート線GL1に電気的に接続されている。
【0026】
図5に示すように、対向基板CF1には、光を透過する光透過部と、光の透過を遮断するブラックマトリクスBM1(遮光部)とが形成されている。光透過部には、各画素PIX1に対応して複数のカラーフィルタFIL(着色層)が形成されている。光透過部は、ブラックマトリクスBM1で囲まれており、例えば矩形状に形成されている。複数のカラーフィルタFILは、赤色(R色)の材料で形成され、赤色の光を透過する赤色カラーフィルタFILR(赤色層)と、緑色(G色)の材料で形成され、緑色の光を透過する緑色カラーフィルタFILG(緑色層)と、青色(B色)の材料で形成され、青色の光を透過する青色カラーフィルタFILB(青色層)と、を含んでいる。赤色カラーフィルタFILR、緑色カラーフィルタFILG、及び青色カラーフィルタFILBは、行方向にこの順に繰り返し配列され、同一色のカラーフィルタFILが列方向に配列され、行方向及び列方向に隣り合うカラーフィルタFILの境界部分にブラックマトリクスBM1が形成されている。各カラーフィルタFILに対応して、複数の画素PIX1は、
図3に示すように、赤色カラーフィルタFILRに対応する赤色画素PIXRと、緑色カラーフィルタFILGに対応する緑色画素PIXGと、青色カラーフィルタFILBに対応する青色画素PIXBと、を含んでいる。表示パネルLCP1では、赤色画素PIXR、緑色画素PIXG、青色画素PIXBが行方向にこの順に繰り返し配列されており、列方向には同一色の画素PIX1が配列されている。
【0027】
第1タイミングコントローラTCON1は、周知の構成を備えている。例えば第1タイミングコントローラTCON1は、画像処理部IPUから出力される第1画像データDAT1と第1制御信号CS1(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第1画像データDA1と、第1ソースドライバSD1及び第1ゲートドライバGD1の駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP1、データクロックDCK1、ゲートスタートパルスGSP1、ゲートクロックGCK1)とを生成する(
図3参照)。第1タイミングコントローラTCON1は、第1画像データDA1と、データスタートパルスDSP1と、データクロックDCK1とを第1ソースドライバSD1に出力し、ゲートスタートパルスGSP1とゲートクロックGCK1とを第1ゲートドライバGD1に出力する。
【0028】
第1ソースドライバSD1は、データスタートパルスDSP1及びデータクロックDCK1に基づいて、第1画像データDA1に応じたデータ信号(データ電圧)をソース線SL1に出力する。第1ゲートドライバGD1は、ゲートスタートパルスGSP1及びゲートクロックGCK1に基づいて、ゲート信号(ゲート電圧)をゲート線GL1に出力する。
【0029】
各ソース線SL1には、第1ソースドライバSD1からデータ電圧が供給され、各ゲート線GL1には、第1ゲートドライバGD1からゲート電圧が供給される。共通電極CIT1には、コモンドライバ(図示せず)から共通配線CMT1(
図11及び
図12参照)を介して共通電圧Vcomが供給される。ゲート電圧(ゲートオン電圧)がゲート線GL1に供給されると、ゲート線GL1に接続された薄膜トランジスタTFT1がオンし、薄膜トランジスタTFT1に接続されたソース線SL1を介して、データ電圧が画素電極PIT1に供給される。画素電極PIT1に供給されたデータ電圧と、共通電極CIT1に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライトBLの光の透過率を制御することによって画像表示を行う。表示パネルLCP1では、各画素PIX1の画素電極PIT1に接続されたソース線SL1に、所望のデータ電圧を供給することにより、カラー画像表示が行われる。
【0030】
次に、
図4及び
図5を用いて、表示パネルLCP2の構成について説明する。
図5に示すように、表示パネルLCP2は、観察者側に配置された薄膜トランジスタ基板TFTB2と、バックライトBL側に配置され、薄膜トランジスタ基板TFTB2に対向する対向基板CF2と、薄膜トランジスタ基板TFTB2及び対向基板CF2の間に配置された液晶層LC2と、を含んでいる。表示パネルLCP2のバックライトBL側には偏光板POL4が配置されており、観察者側には偏光板POL3が配置されている。表示パネルLCP1の偏光板POL2と、表示パネルLCP2の偏光板POL3との間には、接着層ADLが配置されている。
【0031】
薄膜トランジスタ基板TFTB2には、
図4に示すように、列方向に延在する複数のソース線SL2と、行方向に延在する複数のゲート線GL2とが形成され、複数のソース線SL2と複数のゲート線GL2とのそれぞれの交差部近傍に薄膜トランジスタTFT2が形成されている。表示パネルLCP2を平面的に見て、隣り合う2本のソース線SL2と隣り合う2本のゲート線GL2とにより囲まれる領域が1つの画素PIX2として規定され、該画素PIX2がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。複数のソース線SL2は、行方向に等間隔で配置されており、複数のゲート線GL2は、列方向に等間隔で配置されている。薄膜トランジスタ基板TFTB2には、画素PIX2ごとに画素電極PIT2が形成されており、複数の画素PIX2に共通する1つの共通電極CIT2(
図12参照)が形成されている。薄膜トランジスタTFT2を構成するドレイン電極DE2はソース線SL2に電気的に接続され、ソース電極SE2(
図12参照)はコンタクトホールCH2(
図12参照)を介して画素電極PIT2に電気的に接続され、ゲート電極GE2(
図12参照)はゲート線GL2に電気的に接続されている。
【0032】
対向基板CF2(
図5参照)には、光を透過する光透過部が形成されている。光透過部には、カラーフィルタFIL(着色層)が形成されておらず、例えばオーバーコート膜OC2が形成されている。
【0033】
第2タイミングコントローラTCON2は、周知の構成を備えている。例えば第2タイミングコントローラTCON2は、画像処理部IPUから出力される第2画像データDAT2と第2制御信号CS2(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第2画像データDA2と、第2ソースドライバSD2及び第2ゲートドライバGD2の駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP2、データクロックDCK2、ゲートスタートパルスGSP2、ゲートクロックGCK2)とを生成する(
図4参照)。第2タイミングコントローラTCON2は、第2画像データDA2と、データスタートパルスDSP2と、データクロックDCK2とを第2ソースドライバSD2に出力し、ゲートスタートパルスGSP2とゲートクロックGCK2とを第2ゲートドライバGD2に出力する。
【0034】
第2ソースドライバSD2は、データスタートパルスDSP2及びデータクロックDCK2に基づいて、第2画像データDA2に応じたデータ電圧をソース線SL2に出力する。第2ゲートドライバGD2は、ゲートスタートパルスGSP2及びゲートクロックGCK2に基づいて、ゲート電圧をゲート線GL2に出力する。
【0035】
各ソース線SL2には、第2ソースドライバSD2からデータ電圧が供給され、各ゲート線GL2には、第2ゲートドライバGD2からゲート電圧が供給される。共通電極CIT2には、コモンドライバから共通配線CMT2(
図11及び
図12参照)を介して共通電圧Vcomが供給される。ゲート電圧(ゲートオン電圧)がゲート線GL2に供給されると、ゲート線GL2に接続された薄膜トランジスタTFT2がオンし、薄膜トランジスタTFT2に接続されたソース線SL2を介して、データ電圧が画素電極PIT2に供給される。画素電極PIT2に供給されたデータ電圧と、共通電極CIT2に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライトBLの光の透過率を制御することによって画像表示を行う。表示パネルLCP2では、各画素電極PIT2に接続されたソース線SL2に、所望のデータ電圧を供給することにより、白黒画像表示が行われる。
【0036】
図6は、表示パネルLCP1の画素PIX1と表示パネルLCP2の画素PIX2との配置関係を示す平面図である。液晶表示装置LCDは、表示パネルLCP1の単位面積当たりの画素PIX1の数(画素電極PIT1の数)と、表示パネルLCP2の単位面積当たりの画素PIX2の数(画素電極PIT2の数)とが等しくなるように構成されている。また1個の画素PIX1の面積と、1個の画素PIX2の面積とは等しくなっている。
【0037】
図7及び
図8は、表示パネルLCP1の画素PIX1の構成を示す平面図である。尚、
図7には、対向基板CF1を透視した状態を示しており、
図8には、薄膜トランジスタ基板TFTB1に対向基板CF1のブラックマトリクスBM1を重ねて示している。
【0038】
図7に示すように、薄膜トランジスタTFT1において、ドレイン電極DE1がソース線SL1に電気的に接続されており、ドレイン電極DE1の一部が半導体層SI1に重なっており、ソース電極SE1がコンタクトホールCH1を介して画素電極PIT1に電気的に接続されており、ソース電極SE1の一部が半導体層SI1に重なっている。また、ゲート電極GE1がゲート線GL1に電気的に接続されており、ゲート電極GE1の一部が半導体層SI1に重なっている。また、共通配線CMT1(
図7の網掛け部)は、列方向に延在する部分(第1部分CMT1a)と、行方向に延在する部分(第2部分CMT1b)とを含み、第1部分CMT1aが、平面視でソース線SL1に重なっており、第2部分CMT1bが、平面視で少なくとも薄膜トランジスタTFT1のチャネル領域の一部に重なっている。第2部分CMT1bは、平面視で薄膜トランジスタTFT1のチャネル領域の全部に重なってもよいし、薄膜トランジスタTFT1の形成領域の全部に重なってもよい。共通配線CMT1は、金属材料(例えば、銅Cu、モリブデンMo、アルミニウムAl)で形成されており、共通電極CIT1に電気的に接続されている。第1部分CMT1a及び第2部分CMT1bは、一体に形成されてもよいし、個別に形成されて電気的に接続されてもよい。
【0039】
図8に示すように、ブラックマトリクスBM1(
図8の網掛け部)は、列方向に延在する部分が平面視でソース線SL1に重なっており、行方向に延在する部分が平面視でゲート線GL1に重なっている。また、ブラックマトリクスBM1の一部は、平面視で薄膜トランジスタTFT1のチャネル領域の一部に重なっている。薄膜トランジスタTFT1のチャネル領域に重なる共通配線CMT1(第2部分CMT1b)の長さL1(CMT1),L2(CMT1)(
図7参照)は、薄膜トランジスタTFT1のチャネル領域に重なるブラックマトリクスBM1の長さL1(BM1),L2(BM1)(
図8参照)より、それぞれ大きくなっている。すなわち、第2部分CMT1bは、ブラックマトリクスBM1に重畳する重畳領域と、ブラックマトリクスBM1に重畳しない非重畳領域と、を有している。
【0040】
図9及び
図10は、表示パネルLCP2の画素PIX2の構成を示す平面図である。尚、
図9には、対向基板CF2を透視した状態を示しており、
図10には、薄膜トランジスタ基板TFTB2に対向基板CF2のブラックマトリクスBM2を重ねて示している。
【0041】
図9に示すように、薄膜トランジスタTFT2において、ドレイン電極DE2がソース線SL2に電気的に接続されており、ドレイン電極DE2の一部が半導体層SI2に重なっており、ソース電極SE2がコンタクトホールCH2を介して画素電極PIT2に電気的に接続されており、ソース電極SE2の一部が半導体層SI2に重なっている。また、ゲート電極GE2がゲート線GL2に電気的に接続されており、ゲート電極GE2の一部が半導体層SI2に重なっている。また、共通配線CMT2(
図9の網掛け部)は、列方向に延在する部分(第1部分CMT2a)と、行方向に延在する部分(第2部分CMT2b)とを含み、第1部分CMT2aが、平面視でソース線SL2に重なっており、第2部分CMT2bが、平面視で少なくとも薄膜トランジスタTFT2のチャネル領域の一部に重なっている。第2部分CMT2bは、平面視で薄膜トランジスタTFT2のチャネル領域の全部に重なってもよいし、薄膜トランジスタTFT2の形成領域の全部に重なってもよい。共通配線CMT2は、金属材料(例えば、銅Cu、モリブデンMo、アルミニウムAl)で形成されており、共通電極CIT2に電気的に接続されている。第1部分CMT2a及び第2部分CMT2bは、一体に形成されてもよいし、個別に形成されて電気的に接続されてもよい。
【0042】
図10に示すように、ブラックマトリクスBM2(
図10の網掛け部)は、列方向に延在する部分が平面視でソース線SL2に重なっており、行方向に延在する部分が平面視でゲート線GL2に重なっている。また、ブラックマトリクスBM2の一部は、平面視で薄膜トランジスタTFT2のチャネル領域の一部に重なっている。薄膜トランジスタTFT2のチャネル領域に重なる共通配線CMT2(第2部分CMT2b)の長さL1(CMT2),L2(CMT2)(
図9参照)は、薄膜トランジスタTFT2のチャネル領域に重なるブラックマトリクスBM2の長さL1(BM2),L2(BM2)(
図10参照)より、それぞれ大きくなっている。すなわち、第2部分CMT2bは、ブラックマトリクスBM2に重畳する重畳領域と、ブラックマトリクスBM2に重畳しない非重畳領域と、を有している。
【0043】
図11は、
図7から
図10のB−B´切断線における断面図であり、
図12は、
図7から
図10のC−C´切断線における断面図である。
図11及び
図12を用いて画素PIX1、PIX2の断面構造について説明する。表示パネルLCP1では、薄膜トランジスタ基板TFTB1がバックライトBL側に配置されており、対向基板CF1が観察者側に配置されている。表示パネルLCP2では、薄膜トランジスタ基板TFTB2が観察者側に配置されており、対向基板CF2がバックライトBL側に配置されている。すなわち、薄膜トランジスタ基板TFTB1及び薄膜トランジスタ基板TFTB2が、対向配置されている。
【0044】
表示パネルLCP1の画素PIX1を構成する薄膜トランジスタ基板TFTB1では、透明基板SUB2(ガラス基板)に、ゲート線GL1及びゲート電極GE1が形成されており、これらを覆うようにゲート絶縁膜GSN1が形成されている。ゲート絶縁膜GSN1上にソース線SL1、ドレイン電極DE1、ソース電極SE1及び半導体層SI1が形成されており、これらを覆うように保護絶縁膜PAS1(無機絶縁膜)及び有機絶縁膜OPAS1が順に形成されている。有機絶縁膜OPAS1上に共通電極CIT1が形成されており、共通電極CIT1上には共通配線CMT1が形成されている。共通配線CMT1の第1部分CMT1a(
図11参照)は、平面視でソース線SL1に重なり、共通配線CMT1の第2部分CMT1b(
図12参照)は、平面視で薄膜トランジスタTFT1の形成領域に重なっている。共通電極CIT1及び共通配線CMT1を覆うように上層絶縁膜UPAS1が形成されており、上層絶縁膜UPAS1上に画素電極PIT1が形成されており、画素電極PIT1を覆うように配向膜AL2が形成されている。また、保護絶縁膜PAS1、有機絶縁膜OPAS1、共通電極CIT1、共通配線CMT1(第2部分CMT1b)及び上層絶縁膜UPAS1の一部が刳り抜かれ、コンタクトホールCH1が形成されている。画素電極PIT1の一部は、コンタクトホールCH1を介してソース電極SE1に電気的に接続されている。
【0045】
対向基板CF1では、透明基板SUB1(ガラス基板)に、ブラックマトリクスBM1及びカラーフィルタFIL(赤色カラーフィルタFILR、緑色カラーフィルタFILG、及び青色カラーフィルタFILB)が形成されている。カラーフィルタFILの表面にはオーバーコート膜OC1が被覆されており、オーバーコート膜OC1上に配向膜AL1が形成されている。
【0046】
表示パネルLCP2の画素PIX2を構成する薄膜トランジスタ基板TFTB2では、透明基板SUB3(ガラス基板)に、ゲート線GL2及びゲート電極GE2が形成されており、これらを覆うようにゲート絶縁膜GSN2が形成されている。ゲート絶縁膜GSN2上にソース線SL2、ドレイン電極DE2、ソース電極SE2及び半導体層SI2が形成されており、これらを覆うように保護絶縁膜PAS2及び有機絶縁膜OPAS2が順に形成されている。有機絶縁膜OPAS2上に共通電極CIT2が形成されており、共通電極CIT2上には共通配線CMT2が形成されている。共通配線CMT2の第1部分CMT2a(
図11参照)は、平面視でソース線SL2に重なり、共通配線CMT2の第2部分CMT2b(
図12参照)は、平面視で薄膜トランジスタTFT2の形成領域に重なっている。共通電極CIT2及び共通配線CMT2を覆うように上層絶縁膜UPAS2が形成されており、上層絶縁膜UPAS2上に画素電極PIT2が形成されており、画素電極PIT2を覆うように配向膜AL3が形成されている。また、保護絶縁膜PAS2、有機絶縁膜OPAS2、共通電極CIT2、共通配線CMT2(第2部分CMT2b)及び上層絶縁膜UPAS2の一部が刳り抜かれ、コンタクトホールCH2が形成されている。画素電極PIT2の一部は、コンタクトホールCH2を介してソース電極SE2に電気的に接続されている。
【0047】
対向基板CF2では、透明基板SUB4(ガラス基板)に、格子状のブラックマトリクスBM2が形成されており、ブラックマトリクスBM2の開口部(光透過部)及びブラックマトリクスBM2上にオーバーコート膜OC2が被覆されており、オーバーコート膜OC2上に配向膜AL4が形成されている。
【0048】
実施形態1に係る液晶表示装置LCDでは、表示パネルLCP2において、第2部分CMT2bが、平面視で薄膜トランジスタTFT2のチャネル領域に重なるように配置されているため、チャネル領域に入射する光の量を低減することができる。また、チャネル領域に重なる領域において、第2部分CMT2bは、ブラックマトリクスBM2より、面積が大きく、かつチャネル領域に近い位置に配置されているため、ブラックマトリクスBMにより遮光し切れない光を遮光することができる。また、第2部分CMT2bは、薄膜トランジスタTFT2とバックライトBLとの間に配置されているため、バックライトBLからチャネル領域に入射される光を遮光することができる。また、第2部分CMT2bがブラックマトリクスBMの遮光機能を有するため、ブラックマトリクスBM2の幅を小さくすることができるとともに、薄膜トランジスタ基板TFTB2と対向基板CF2との位置合わせずれによる影響を小さくすることができる。さらに、第2部分CMT2bは、共通配線CMT2と一体であり、共通配線CMT2と同一工程で形成することができるため、製造工程が複雑化することもない。
【0049】
表示パネルLCP1の第2部分CMT1bも、表示パネルLCP1の第2部分CMT2bと同様の効果を奏する。また、表示パネルLCP1では、第2部分CMT1bは、薄膜トランジスタTFT2より観察者側に配置されているため、外光からチャネル領域に入射される光を遮光することができる。
【0050】
このように、第2部分CMT1b及び第2部分CMT2bは、薄膜トランジスタのチャネル領域に入射する光を遮光する遮光部として機能する。このため、光が入射されることによる薄膜トランジスタの特性の変化を抑えることができるため、表示品位の低下を抑えることができる。
【0051】
実施形態1に係る液晶表示装置LCDは上記構成に限定されない。例えば、
図3、
図13及び
図14に示すように、表示パネルLCP2の単位面積当たりの画素PIX2の数(画素電極PIT2の数)が、表示パネルLCP1の単位面積当たりの画素PIX1の数(画素電極PIT1の数)より少なくなるように構成されてもよい。具体的には、
図14に示す構成では、表示パネルLCP1の画素PIX1の数と表示パネルLCP2の画素PIX2の数とが3対1の割合で配置されている。また、表示パネルLCP1の3個の画素PIX1(赤色画素PIXR、緑色画素PIXG、青色画素PIXB)と、表示パネルLCP2の1個の画素PIX2とが、平面視で互いに重畳するように配置されている。
【0052】
また、液晶表示装置LCDでは、表示パネルLCP1がバックライトBL側に配置され、表示パネルLCP2が観察者側に配置されてもよい。
【0053】
また、観察者側に配置された表示パネル(
図12等では表示パネルLCP1)では、共通配線CMT1において第2部分CMT1bが省略されてもよい。このように、実施形態1に係る液晶表示装置LCDでは、少なくとも、バックライトBL側に配置された表示パネル(
図12等では表示パネルLCP2)において、第2部分CMT2bが設けられていればよい。これにより、少なくとも、光量が最も多いバックライトBLからの光を遮光することができる。
【0054】
[実施形態2]
実施形態2に係る液晶表示装置LCDは、実施形態1に係る液晶表示装置LCDの表示パネルLCP2が省略され、実施形態1に係る表示パネルLCP1(
図3等参照)で構成されている。
図15は、実施形態2に係る表示パネルLCPの断面図である。尚、
図15は、
図7及び
図8のB−B´切断線による断面部分を示している。実施形態2に係る表示パネルLCPは、薄膜トランジスタ基板TFTBがバックライトBL側に配置されており、対向基板CFが観察者側に配置されている。共通配線CMTの第2部分CMTbは、平面視で少なくとも薄膜トランジスタTFTのチャネル領域の一部に重なっている。第2部分CMTbは、平面視で薄膜トランジスタTFTのチャネル領域の全部に重なっていてもよいし、薄膜トランジスタTFT1の形成領域の全部に重なってもよい。これにより、外光から薄膜トランジスタTFTのチャネル領域に入射される光を遮光することができる。
【0055】
実施形態2に係る液晶表示装置LCDは上記構成に限定されない。例えば、
図16に示すように、薄膜トランジスタ基板TFTBが観察者側に配置されており、対向基板CFがバックライトBL側に配置されてもよい。この構成によれば、第2部分CMTbが、薄膜トランジスタTFTとバックライトBLとの間、かつチャネル領域に近い位置に配置されるため、バックライトBLからチャネル領域に入射される光を遮光することができる。
【0056】
本発明の液晶表示装置LCDの画素の構成は上記各実施形態の構成に限定されない。例えば上記各実施形態において、薄膜トランジスタは、アモルファスシリコン(a−Si)で構成されてもよいし、酸化物半導体で構成されてもよい。
【0057】
また、上記各実施形態において、薄膜トランジスタTFTのチャネル領域に重なる遮光部(第2部分CMT1b、CMT2b、CMTb)は、共通電極(CIT1、CIT2、CIT)と電気的に切り離されて、フローティング状態で配置されてもよい。
【0058】
図17は、実施形態1に係る表示パネルLCP2の他の画素構成を示す平面図である。
図17に示すように、第2部分CMT2b(遮光部)は、平面視で薄膜トランジスタTFT2のチャネル領域に重なるように配置されている。また、第2部分CMT2bは、共通配線CMT2の第1部分CMT2aと一体に形成されてもよいし、フローティング状態に形成されてもよい。また、第2部分CMT2(図中の網掛け部)は、ブラックマトリクスBM2(図中の太点線部)より面積が大きくなっている。尚、平面視で、コンタクトホールCH2は、第2部分CMT2の領域外に形成されてもよい。
図17に示す画素の構成は、実施形態1に係る表示パネルLCP1及び実施形態2に係る表示パネルLCPに適用することもできる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。