特許第6873763号(P6873763)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873763
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】スクリュー流体機械
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/16 20060101AFI20210510BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   F04C18/16 A
   F04C29/00 C
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-50591(P2017-50591)
(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公開番号】特開2018-155116(P2018-155116A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】特許業務法人開知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 佑貴
(72)【発明者】
【氏名】矢部 利明
【審査官】 嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−177887(JP,A)
【文献】 特開2011−069309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C18/16
F04C23/00−29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのスクリューロータと、
前記ロータの歯部を収納して複数の作動室を形成するボア、吸入過程の作動室に気体を吸入するための吸入流路、及び吐出過程の作動室から圧縮気体を吐出するための吐出流路を有するケーシングと、
前記ロータを回転可能に支持する吸入側軸受及び吐出側軸受と、を備えたスクリュー流体機械において、
前記ボアは、
前記ロータの歯部と共に前記複数の作動室を形成するボア本体と、
前記ボア本体の軸方向中間部から吐出側端面にかけて、前記ボア本体の径方向断面が前記吐出流路とは反対側に拡大するように形成されたボア拡大部とを有し、
前記ボア本体の軸方向中間部側に位置する前記ボア拡大部の端部が、前記ボア本体の軸方向に対して垂直な周方向に延在することを特徴とするスクリュー流体機械。
【請求項2】
請求項に記載のスクリュー流体機械において、
前記スクリューロータとして、互いに噛み合うように回転する雄ロータ及び雌ロータを備え、
前記ボア本体は、前記雄ロータの歯部を収納する第1の円筒形状部と前記雌ロータの歯部を収納する第2の円筒形状部が部分的に重なるように連接して構成されており、
前記ボア拡大部は、
前記第1の円筒形状部の軸方向中間部から吐出側端面にかけて、前記第1の円筒形状部の径方向断面が前記吐出流路とは反対側に移動することで生じ、前記第1の円筒形状部の径方向断面が前記吐出流路とは反対側に拡大するように形成された第1の拡大部と、
前記第2の円筒形状部の軸方向中間部から吐出側端面にかけて、前記第2の円筒形状部の径方向断面が前記吐出流路とは反対側に移動することで生じ、前記第2の円筒形状部の径方向断面が前記吐出流路とは反対側に拡大するように形成された第2の拡大部とで構成されており、
前記第1の円筒形状部の軸方向中間部側に位置する前記第1の拡大部の端部が、前記第1の円筒形状部の軸方向に対して垂直な周方向に延在し、
前記第2の円筒形状部の軸方向中間部側に位置する前記第2の拡大部の端部が、前記第2の円筒形状部の軸方向に対して垂直な周方向に延在することを特徴とするスクリュー流体機械。
【請求項3】
請求項又はに記載のスクリュー流体機械において、前記スクリュー流体機械がスクリュー圧縮機であることを特徴とするスクリュー流体機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのスクリューロータと、このロータの歯部を収納して複数の作動室を形成するボアを有するケーシングとを備えたスクリュー流体機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、スクリューロータとして、互いに噛み合うように回転する雄ロータ及び雌ロータと、雄ロータ及び雌ロータを収納するケーシングとを備えたスクリュー圧縮機を開示する。ケーシングは、雄ロータの歯部及び雌ロータの歯部を収納して複数の作動室を形成するボアと、吸入過程の作動室に気体を吸入するための吸入流路と、吐出過程の作動室から圧縮気体を吐出するための吐出流路とを有している。作動室は、ロータ軸方向の一方側から他方側に移動しつつ、その容積が変化する。これにより、作動室は、気体を吸入する吸入過程と、気体を圧縮する圧縮過程と、圧縮気体を吐出する吐出過程を順次行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−7048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したスクリュー圧縮機においては、互いに隣接する作動室の圧力差によって生じる力により、雄ロータ及び雌ロータが吐出流路とは反対側にたわんで、ボアの軸方向中間部の内壁と接触する可能性がある。さらに雄ロータ及び雌ロータの回転の影響により、ボアの周方向に沿って接触範囲が大きくなる可能性がある。かといって、それらの接触を回避するために、ボア全体の径寸法を大きくして、ロータとボアの内壁との隙間を大きくすれば、作動室からの空気漏れが多くなり、圧縮性能等が低下する。
【0005】
本発明は、上記事柄に鑑みてなされたものであり、圧力に起因するロータのたわみによるロータとボアの内壁の接触を回避することを課題の一つとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、特許請求の範囲に記載の構成を適用する。本発明は、上記課題を解決するための手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、少なくとも1つのスクリューロータと、前記ロータの歯部を収納して複数の作動室を形成するボア、吸入過程の作動室に気体を吸入するための吸入流路、及び吐出過程の作動室から圧縮気体を吐出するための吐出流路を有するケーシングと、前記ロータを回転可能に支持する吸入側軸受及び吐出側軸受と、を備えたスクリュー流体機械において、前記ボアは、前記ロータの数と同数の円筒形状部で構成されたボア本体と、前記ボア本体の軸方向中間部から吐出側端面にかけて、前記ボア本体の径方向断面が前記吐出流路とは反対側に拡大するように形成されたボア拡大部とを有し、前記ボア本体の軸方向中間部側に位置する前記ボア拡大部の端部が、前記ボア本体の軸方向に対して垂直な周方向に延在する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、圧力に起因するロータのたわみによるロータとボアの内壁の接触を回避することができる。
【0008】
なお、上記以外の課題、構成及び効果は、以下の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態におけるスクリュー圧縮機の軸方向断面図である。
図2図1中断面矢視II−IIによるスクリュー圧縮機の軸方向断面図であり、本発明の第1の実施形態におけるボア拡大部の構造を示す。
図3】本発明の第1の実施形態におけるボアの斜視図である。
図4図3中断面矢視IV−IVによるボアの径方向断面図である。
図5図3中断面矢視V−Vによるボアの径方向断面図であり、本発明の第1の実施形態におけるボア拡大部の構造を示す。
図6】本発明の第1の実施形態におけるボアの構造寸法を、雄ロータ及び雌ロータのたわみと共に示す概念図である。
図7】本発明の第1の変形例におけるボア拡大部の構造を示すスクリュー圧縮機の軸方向断面図である。
図8】本発明の第2の変形例におけるボア拡大部の構造を示すスクリュー圧縮機の軸方向断面図である。
図9】本発明の第2の実施形態におけるボア拡大部の構造を示すスクリュー圧縮機の軸方向断面図である。
図10】本発明の第3の変形例におけるボア拡大部の構造を示すスクリュー圧縮機の軸方向断面図である。
図11】本発明の第4の変形例におけるボア拡大部の構造を示すスクリュー圧縮機の軸方向断面図である。
図12】本発明の第5の変形例におけるボア拡大部の構造を示すボアの径方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。本発明は、圧縮機や膨張機といった流体機械に適用できるものであるが、本実施形態ではスクリュー圧縮機を例に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるスクリュー圧縮機の軸方向断面図(XY断面図)である。図2は、図1中断面矢視II−IIによるスクリュー圧縮機の軸方向断面図(XZ断面図)である。なお、図中のX方向は、雄ロータ1A及び雌ロータ1Bの軸方向であり、Y方向は、雄ロータ1Aの軸心Oaと雌ロータ1Bの軸心Obを結ぶ方向であり、Z方向は、X方向及びY方向に垂直な方向である。
【0012】
本実施形態の無給油式の(詳細には、作動室内に油を供給しない)スクリュー圧縮機は、スクリューロータとして、互いに噛み合うように回転する雄ロータ1A及び雌ロータ1Bと、雄ロータ1A及び雌ロータ1Bを収納するケーシング2とを備えている。
【0013】
雄ロータ1Aは、複数の螺旋状の歯が形成された歯部と、歯部の軸方向一方側(吸入側)に接続された吸入側軸部と、歯部の軸方向他方側(吐出側)に接続された吐出側軸部とを有している。雄ロータ1Aの吸入側軸部は吸入側軸受3Aで回転可能に支持され、雄ロータ1Aの吐出側軸部は吐出側軸受4Aで回転可能に支持されている。
【0014】
同様に、雌ロータ1Bは、複数の螺旋状の歯が形成された歯部と、歯部の軸方向一方側(吸入側)に接続された吸入側軸部と、歯部の軸方向他方側(吐出側)に接続された吐出側軸部とを有している。雌ロータ1Bの吸入側軸部は吸入側軸受3Bで回転可能に支持され、雌ロータ1Bの吐出側軸部は吐出側軸受4Bで回転可能に支持されている。
【0015】
雄ロータ1Aの吸入側軸部は、図示しないモータの回転軸に連結されている。雄ロータ1Aの吐出側軸部及び雌ロータ1Bの吐出側軸部は、タイミングギヤ5A,5Bが設けられている。そして、モータの駆動によって雄ロータ1Aが回転し、雄ロータ1Aの回転力がタイミングギヤ5A,5Bを介し伝達されて、雌ロータ1Bが同期回転するようになっている。
【0016】
ケーシング2は、メインケーシング6と、メインケーシング6の軸方向一方側(吸入側)に連結された吸入側ケーシング7と、メインケーシング6の軸方向他方側(吐出側)に連結されたギヤケーシング8で構成されている。吸入側軸受3A,3Bは、吸入側ケーシング7に配置され、吐出側軸受4A,4Bは、メインケーシング6に配置され、タイミングギヤ5A,5Bは、ギヤケーシング8に配置されている。なお、後述するメインケーシング6のボアと軸受の間には軸封装置9が設けられている。
【0017】
メインケーシング6は、雄ロータ1Aの歯部及び雌ロータ1Bの歯部を収納してそれらの歯溝に複数の作動室を形成するボア10を有している。作動室は、雄ロータ1A及び雌ロータ1Bの回転に伴い、ロータ軸方向の一方側から他方側に移動しつつ、その容積が変化する。これにより、作動室は、気体(例えば空気)を吸入する吸入過程と、気体を圧縮する圧縮過程と、圧縮気体(例えば圧縮空気)を吐出する吐出過程を順次行うようになっている。吸入過程の作動室に気体を吸入するための吸入流路11は、メインケーシング6及び吸入側ケーシング7に形成されている。吐出過程の作動室から吐出ポート12(開口)を介し圧縮気体を吐出するための吐出流路13は、メインケーシング6に形成されている。
【0018】
次に、本実施形態の要部であるボア10の構造を説明する。
【0019】
図3は、本実施形態におけるボア10の斜視図である(但し、便宜上、ボア本体とボア拡大部を区別するために、ボア拡大部をハッチングして示す)。図4は、図3中断面矢視IV−IVによるボア10の径方向断面図であり、図5は、図3中断面矢視V−Vによるボア10の径方向断面図である。なお、図3図5においては、便宜上、メインケーシング6のボア10以外の部分の図示を簡略化し、吐出ポート12の位置も示す。
【0020】
ボア10は、ロータ1A,1Bの歯部と共に複数の作動室を形成するボア本体14と、ボア本体14の軸方向中間部から吸入側端面にかけて、ボア本体14の径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成されたボア拡大部15とを有している。
【0021】
ボア本体14は、ロータ1A,1Bの数と同数である2つの円筒形状部16A,16Bで構成されている。詳しく説明すると、ボア本体14は、雄ロータ1Aの歯部を収納する半径raの円筒形状部16Aと、雌ロータ1Bの歯部を収納する半径rbの円筒形状部16Bを有し、円筒形状部16A,16Bが互いに部分的に重なるように連接して構成されている。なお、本実施形態では、円筒形状部16Aの軸心は雄ロータ1Aの軸心Oaと同心であり、円筒形状部16Bの軸心は雌ロータ1Bの軸心Obと同心である。
【0022】
ボア拡大部15は、拡大部17A,17Bで構成されている。拡大部17Aは、円筒形状部16Aの軸方向中間部から吸入側端面にかけて(詳細には、吸入側端面から軸方向距離h1の範囲で)、円筒形状部16Aの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側(本実施形態ではZ方向)に移動量d1(固定値)だけ移動することで生じ、円筒形状部16Aの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成されている。なお、円筒形状部16Aの軸方向中間部側に位置する拡大部17Aの端部(端面)は、円筒形状部16Bの軸方向に対して垂直な周方向に延在している。
【0023】
拡大部17Bは、円筒形状部16Bの軸方向中間部から吸入側端面にかけて(詳細には、吸入側端面から軸方向距離h2の範囲で)、円筒形状部16Bの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側(本実施形態ではZ方向)に移動量d2だけ移動することで生じ、円筒形状部16Bの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成されている。なお、円筒形状部16Bの軸方向中間部側に位置する拡大部17Bの端部(端面)は、円筒形状部16Bの軸方向に対して垂直な周方向に延在している。
【0024】
次に、本実施形態の作用効果を、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。図6(a)は、本実施形態のボア10の構造寸法を、雄ロータ1Aのたわみ曲線と共に示す概念図である。図6(b)は、本実施形態のボア10の構造寸法を、雌ロータ1Bのたわみ曲線と共に示す概念図である。
【0025】
上述したスクリュー圧縮機においては、互いに隣接する作動室の圧力差によって生じる力F(図2参照)により、図6(a)のたわみ曲線で示すように、雄ロータ1Aが吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側にたわむ。そのため、ボア拡大部15(詳細には、拡大部17A)を設けない場合は、雄ロータ1Aがボア本体14(詳細には、半径raの円筒形状部16A)の軸方向中間部の内壁と接触する可能性がある。それらの接触を回避するために、円筒形状部16Aの半径raを大きくして、雄ロータ1Aとボアの内壁との隙間を大きくすることが考えられるものの、この場合、作動室からの空気漏れが多くなり、圧縮性能が低下する。
【0026】
同様に、図6(b)のたわみ曲線で示すように、雌ロータ1Bが吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側にたわむ。そのため、ボア拡大部15(詳細には、拡大部17B)を設けない場合は、雌ロータ1Bがボア本体14(詳細には、半径rbの円筒形状部16B)の軸方向中間部の内壁と接触する可能性がある。それらの接触を回避するために、円筒形状部16Bの半径rbを大きくして、雌ロータ1Bとボアの内壁との隙間を大きくすることが考えられるものの、この場合、作動室からの空気漏れが多くなり、圧縮性能が低下する。
【0027】
本実施形態においては、ボア拡大部15(詳細には、拡大部17A,17B)を設けることにより、ロータ1A,1Bのたわみによるロータ1A,1Bとボアの内壁の接触を回避することができる。特に、ボア本体14の軸方向中央側に位置するボア拡大部15の端部(詳細には、拡大部17A,17Bの端部)が、ボア本体14の軸方向に対して垂直な周方向に延在することから、ロータ1A,1Bの回転による影響も考慮して、ロータ1A,1Bとボアの内壁の接触を回避することができる。また、円筒形状部16A,16Bの半径を大きくして、ロータ1A,1Bとボアの内壁との隙間を大きくする場合と比べ、作動室からの空気漏れが少なくなり、圧縮性能の低下を抑えることができる。
【0028】
なお、第1の実施形態において、ボア拡大部15は、軸方向位置にかかわらず、断面形状が同じである場合(言い換えれば、上述した移動量d1,d2を固定した場合)を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。例えば図7で示す第1の変形例のように、ボア本体14の軸方向中間部から吸入側端面に向かうに従って、ボア拡大部15Aの断面形状が段階的に大きくなってもよい(言い換えれば、移動量d1,d2を段階的に大きくしてもよい)。あるいは、例えば図8で示す第2の変形例のように、ボア本体14の軸方向中間部から吸入側端面に向かうに従って、ボア拡大部15Bの断面形状が連続的に大きくなってもよい(言い換えれば、移動量d1,d2を連続的に大きくしてもよい)。これらの変形例においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】
本発明の第2の実施形態を、図9を用いて説明する。なお、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1の実施形態と同じ部分の説明や図示を省略する。
【0030】
図9は、本実施形態におけるボア拡大部の構造を示すスクリュー圧縮機の軸方向断面図(XZ断面図)である。
【0031】
本実施形態のメインケーシング6のボア10は、ボア本体14と、ボア本体14の軸方向中間部から吐出側端面にかけて、ボア本体14の径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成されたボア拡大部18とを有している。
【0032】
ボア拡大部18は、拡大部19A,19Bで構成されている。拡大部19Aは、円筒形状部16Aの軸方向中間部から吐出側端面にかけて、円筒形状部16Aの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側(本実施形態ではZ方向)に移動することで生じ、円筒形状部16Aの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成されている(第1の実施形態の図5参照)。なお、円筒形状部16Aの軸方向中間部側に位置する拡大部19Aの端部(端面)は、円筒形状部16Aの軸方向に対して垂直な周方向に延在している。
【0033】
図示しないものの、同様に、拡大部19Bは、円筒形状部16Bの軸方向中間部から吐出側端面にかけて、円筒形状部16Bの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側(本実施形態ではZ方向)に移動することで生じ、円筒形状部16Aの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成されている。なお、円筒形状部16Bの軸方向中間部側に位置する拡大部19Bの端部(端面)は、円筒形状部16Bの軸方向に対して垂直な周方向に延在している。
【0034】
このような本実施形態においては、ボア拡大部18(詳細には、拡大部19A,19B)を設けることにより、ロータ1A,1Bのたわみによるロータ1A,1Bとボアの内壁の接触を回避することができる。特に、ボア本体14の軸方向中央側に位置するボア拡大部18の端部(詳細には、拡大部19A,19Bの端部)が、ボア本体14の軸方向に対して垂直な周方向に延在することから、ロータ1A,1Bの回転による影響も考慮して、ロータ1A,1Bとボアの内壁の接触を回避することができる。また、円筒形状部16A,16Bの半径を大きくして、ロータ1A,1Bとボアの内壁との隙間を大きくする場合と比べ、作動室からの空気漏れが少なくなり、圧縮性能の低下を抑えることができる。
【0035】
なお、第2の実施形態において、ボア拡大部18は、軸方向位置にかかわらず、断面形状が同じである場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。例えば図10で示す第3の変形例のように、ボア本体14の軸方向中間部から吐出側端面に向かうに従って、ボア拡大部18Aの断面形状が段階的に大きくなってもよい。あるいは、例えば図11で示す第4の変形例のように、ボア本体14の軸方向中間部から吐出側端面に向かうに従って、ボア拡大部18Bの断面形状が連続的に大きくなってもよい。これらの変形例においても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0036】
また、第1及び第2の実施形態並びに変形例において、拡大部17A,17B(又は19A,19B)は、円筒形状部16A,16Bの径方向断面が共通のZ方向に移動することで生じ、円筒形状部16A,16Bの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成された場合を例にとって説明したが、これに限られず、本発明の趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲内で変形が可能である。図12で示す第5の変形例のように、拡大部17A,17B(又は19A,19B)は、円筒形状部16A,16Bの径方向断面が別々の方向(詳細には、Z方向よりも吐出ポート12及び吐出流路13から遠ざかる方向)に移動することで生じ、円筒形状部16A,16Bの径方向断面が吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に拡大するように形成されてもよい。
【0037】
また、第1及び第2の実施形態並びに変形例においては、円筒形状部16Aの軸心が雄ロータ1Aの軸心Oaと同心であり、円筒形状部16Bの軸心が雌ロータ1Bの軸心Obと同心である場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、円筒形状部16Aの軸心が雄ロータ1Aの軸心Oaに対して吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に偏心し、円筒形状部16Bの軸心が雌ロータ1Bの軸心Obに対して吐出ポート12及び吐出流路13とは反対側に偏心してもよい。
【0038】
また、本発明の適用対象として、無給油式のスクリュー圧縮機(すなわち、ロータとボアの内壁の間の隙間寸法が圧縮性能に及ぼす影響が大きいもの)を例にとって説明したが、これに限られず、給油式又は給水式の(詳細には、作動室内に油又は水を供給する)スクリュー圧縮機に適用してもよい。更には、スクリュー圧縮機における吐出側を吸入側とし、吸入側を吐出側として圧縮気体が作動室に流入することでスクリューロータを回転させる膨張機に適用することもできる。
【0039】
また、本発明の適用対象として、互いに噛み合うように回転する2つのスクリューロータ(詳細には、複数の螺旋状の歯が形成された歯部を有するロータ)を備えたスクリュー圧縮機である場合を例にとって説明したが、これに限られず、少なくとも1つのスクリューロータを備えていればよい。すなわち、例えば、互いに噛み合うように回転する1つのスクリューロータ及び2つのゲートロータを備えたスクリュー圧縮機、又は、互いに噛み合うように回転する3つのスクリューロータを備えたスクリュー圧縮機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1A…雄ロータ、1B…雌ロータ、2…ケーシング、3A,3B…吸入側軸受、4A,4B…吐出側軸受、10…ボア、11…吸入流路、12…吐出ポート、13…吐出流路、14…ボア本体、15,15A,15B…ボア拡大部、16A,16B…円筒形状部、17A,17B…拡大部、18,18A,18B…ボア拡大部、19A,19B…拡大部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12