特許第6873773号(P6873773)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873773
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】包装フィルム及び包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/26 20060101AFI20210510BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20210510BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20210510BHJP
【FI】
   B65D81/26 G
   B32B27/18 Z
   B65D65/40 D
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-59144(P2017-59144)
(22)【出願日】2017年3月24日
(65)【公開番号】特開2018-162072(P2018-162072A)
(43)【公開日】2018年10月18日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】303001483
【氏名又は名称】スタープラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 誠人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雅也
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】平原 正弘
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−233407(JP,A)
【文献】 特開2006−346888(JP,A)
【文献】 特開2016−113213(JP,A)
【文献】 特開2015−093404(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02093162(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/26
B32B 27/18
B65D 65/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライトと、酸化カルシウムとを含む吸湿層を有するシーラント材を備える包装フィルムであって、
前記ゼオライトが、SiOとAlとを含み、SiO/Alで表される質量比が1〜2.4であり、
前記酸化カルシウムの含有量が、前記吸湿層の総質量に対し、1.0〜2.0質量%であり、
前記吸湿層の厚みが30〜50μmである、包装フィルム。
【請求項2】
ゼオライト/酸化カルシウムで表される質量比が50/1.0〜50/2.0である、請求項1に記載の包装フィルム。
【請求項3】
前記ゼオライトが結晶水を含む、請求項1又は2に記載の包装フィルム。
【請求項4】
前記シーラント材がシール層を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装フィルム。
【請求項5】
前記シーラント材がラミネート層を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装フィルム。
【請求項6】
さらにバリア材を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装フィルム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装フィルムを製袋してなる包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルム及び包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湿気を嫌う被包装物の包装には乾燥剤を封入して包装することが広く行われている。しかし、乾燥剤を入れる手間がかかる。
【0003】
特許文献1は、ポリエステル樹脂層と、アルミ箔と、ポリオレフィンとゼオライトのブレンド物からなる吸湿層とを有する湿度調節積層袋を提案している。特許文献1の発明によれば、袋内の吸湿を袋構成フィルムが行うため乾燥剤を封入する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2885079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の湿度調節積層袋では、ゼオライトが二次凝集(ゼオライトの一次粒子同士が結合し、粒径50μm以上の二次粒子を形成すること)し、外観を損なうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、吸湿性に優れると共に、外観に優れた包装フィルム及び包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の包装フィルム及び包装体が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1]ゼオライトと、酸化カルシウムとを含む吸湿層を有するシーラント材を備える包装フィルムであって、
前記ゼオライトが、SiOとAlとを含み、SiO/Alで表される質量比が1.0〜5.0であり、
前記酸化カルシウムの含有量が、前記吸湿層の総質量に対し、0.3〜20質量%であり、
前記吸湿層の厚みが10〜100μmである、包装フィルム。
[2]ゼオライト/酸化カルシウムで表される質量比が50/0.3〜50/10である、[1]に記載の包装フィルム。
[3]前記ゼオライトが結晶水を含む、[1]又は[2]に記載の包装フィルム。
[4]前記シーラント材がシール層を有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の包装フィルム。
[5]前記シーラント材がラミネート層を有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の包装フィルム。
[6]さらにバリア材を備える[1]〜[5]のいずれか一項に記載の包装フィルム。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載の包装フィルムを製袋してなる包装体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、吸湿性に優れると共に、外観に優れた包装フィルム及び包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の包装フィルムの一例を示す断面図である。
図2】本発明の包装フィルムの他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の包装フィルムは、吸湿層を有するシーラント材を備える。実施形態を挙げて説明する。
【0010】
(第一の実施形態)
≪包装フィルム≫
本発明の第一の実施形態における包装フィルム10は、図1に示すように、吸湿層2がシール層1、ラミネート層3に挟まれたシーラント材4を備える。
【0011】
[シーラント材]
<吸湿層>
吸湿層2は、ゼオライトと酸化カルシウム(生石灰)を含む層である。本発明の包装フィルム10は、吸湿層2を有することにより、吸湿性に優れる。
吸湿層2を構成する樹脂としては、ポリオレフィンが好ましく、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」ともいう)、線状LDPE(以下、「LLDPE」ともいう)、中密度ポリエチレン(以下、「MDPE」ともいう)、高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」ともいう)等のポリエチレン(以下、「PE」ともいう);二軸延伸ポリプロピレン(以下、「OPP」ともいう)、無延伸ポリプロピレン(以下、「CPP」ともいう)等のポリプロピレン(以下、「PP」ともいう);エチレン−プロピレンの共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0012】
ゼオライト中のSiO/Alで表される質量比(以下、Si/Al比ともいう)は1.0〜5.0であり、1.0〜4.0がより好ましい。
Si/Al比が上記範囲内であると、吸湿性を向上しやすくなる。
【0013】
ゼオライトの平均粒子径は、3〜12μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。
ゼオライトの平均粒子径が上記範囲内であると、二次凝集を防ぎやすくなる。
なお、平均粒子径は、レーザー回折法により測定される体積標準のメジアン径である。
【0014】
ゼオライトの含有量は、吸湿層2の総質量に対し、10〜60質量%が好ましく、25〜50質量%がより好ましい。
ゼオライトの含有量が上記上限値以下であると、ゼオライトの二次凝集を防ぎやすくなる。
ゼオライトの含有量が下限値以上であると、吸湿性を向上しやすくなる。
【0015】
酸化カルシウムの平均粒子径は、1〜12μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。
酸化カルシウムの平均粒子径が上記範囲内であると、酸化カルシウムがダマになるのを防ぎやすくなる。
【0016】
酸化カルシウムの含有量は、吸湿層2の総質量に対し、0.3〜20質量%であり、0.5〜5質量%がより好ましい。
酸化カルシウムの含有量が上記上限値以下であると、酸化カルシウムがダマになるのを防ぎやすくなる。
酸化カルシウムの含有量が上記下限値以上であると、吸湿性を向上しやすくなる。
【0017】
吸湿層2の厚みは10〜100μmであり、15〜80μmがより好ましい。
吸湿層2の厚みが上記上限値以下であると、外観を向上しやすくなる。
吸湿層2の厚みが上記下限値以上であると、吸湿性を向上しやすくなる。
本明細書において、厚さはシックネスゲージで測定することができる。
【0018】
<シール層>
シール層1は、シール層同士を対向させてヒートシール可能な層である。吸湿層の一方の面に積層される。
シール層1はポリオレフィンを含むことが好ましい。ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」ともいう)、線状LDPE(以下、「LLDPE」ともいう)、中密度ポリエチレン(以下、「MDPE」ともいう)、高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」ともいう)等のポリエチレン(以下、「PE」ともいう);二軸延伸ポリプロピレン(以下、「OPP」ともいう)、無延伸ポリプロピレン(以下、「CPP」ともいう)等のポリプロピレン(以下、「PP」ともいう);エチレン−プロピレンの共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0019】
ポリオレフィンの含有量は、シール層1の総質量に対し、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。上記数値範囲内とすることにより、包装体としたときの密封性が良好となる。
【0020】
シール層1の厚みは、5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
シール層1の厚みを上記範囲内とすることにより、外観を向上しやすくなる。
【0021】
<ラミネート層>
ラミネート層3は吸湿層2の一方の面に積層される。吸湿層2とバリア材5との間に位置する。
ラミネート層3はポリオレフィンを含むことが好ましい。ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」ともいう)、線状LDPE(以下、「LLDPE」ともいう)、中密度ポリエチレン(以下、「MDPE」ともいう)、高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」ともいう)等のポリエチレン(以下、「PE」ともいう);二軸延伸ポリプロピレン(以下、「OPP」ともいう)、無延伸ポリプロピレン(以下、「CPP」ともいう)等のポリプロピレン(以下、「PP」ともいう);エチレン−プロピレンの共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体等が挙げられる。これらは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0022】
ポリオレフィンの含有量は、ラミネート層3の総質量に対し、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。上記数値範囲内とすることにより、フィルムの反りを軽減できる。
【0023】
ラミネート層3の厚みは、5〜30μmが好ましく、10〜20μmがより好ましい。
ラミネート層3の厚みを上記範囲内とすることにより、外観を向上しやすくなる。
【0024】
シーラント材の厚みは30〜120μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。シーラント材の厚みを上記範囲内とすることにより、吸湿性を向上しやすくなる。
【0025】
≪包装フィルムの製造方法≫
本実施形態における包装フィルムの製造方法としては、水冷インフレーション法、空冷インフレーション法等のインフレーション法、Tダイ法等の共押出法が挙げられる。
【0026】
≪包装体≫
本実施形態における包装体は、包装フィルムが用いられ、シーラント材4におけるシール層1が内面を形成し、ラミネート層3が外面を形成することを特徴とする。MD方向が長さ方向、TD方向が幅方向とされることが好ましい。
包装体としては、例えば、包装フィルムのシール層同士をヒートシールして製袋された袋が挙げられる。包装体の形態としては、例えば、合掌貼り袋、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンド袋、これらのチャック付き袋等が挙げられる。
本実施形態における包装体は、飲料、食品、医薬品、化粧料等を包装する用途に好適である。
【0027】
≪包装体の製造方法≫
本実施形態の包装体に用いる包装フィルムは、前記包装フィルムの製造方法と同様に製造することができる。
得られた包装フィルムは筒状のままで、上端と下端とをヒートシールして包装体としてもよく、筒状の包装フィルムの一部を切り裂いてシート状にしたのち、上端、下端、及び側部をヒートシールして包装体としてもよい。ヒートシールする際はシール層1側を内側にすることが好ましい。
【0028】
(第二の実施形態)
≪包装フィルム≫
本発明の第二の実施形態における包装フィルム20は、図2に示すように、基材6、バリア材5、シーラント材4が積層されている。シーラント材4は、吸湿層2を有し、吸湿層2を挟むようにしてシール層1、ラミネート層3を有している。なお、第一の実施形態で説明した構成要素については同じ符号とし、その説明は省略する。
【0029】
[バリア材]
バリア材5は、水蒸気バリア性を有する。即ち、本発明におけるバリア材5は、外部からの水蒸気の透過を抑制する役割を有する。
水蒸気の透過を抑制できるバリア材としては、アルミニウム箔、銅箔等の金属箔、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン−ビニルアルコール重合体(EVOH)、ポリアミド(PA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
【0030】
バリア材5の水蒸気透過度は、3g/(m・24h)以下が好ましく、1g/(m・24h)以下がより好ましい。
水蒸気透過度が上記上限値以下であると、外部からの湿気を防ぐことができる。
水蒸気透過度は、JIS K7129(2008)のモコン法により求められる。
【0031】
[基材]
基材6としては、樹脂製フィルム、紙、及びこれらの積層体等が挙げられる。
樹脂製フィルムとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート等のポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ナイロン、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)等のポリオレフィン、二軸延伸ナイロン等のポリアミド(PA)等、及びこれらの積層体が挙げられる。中でも、PET、ナイロン、ポリプロピレン(PP)、PAが好ましく、二軸延伸PET、二軸延伸ナイロン、OPPがより好ましい。
積層体としては、上記樹脂製フィルム同士の積層体が挙げられる。
基材6は、その表面や層間に印刷が施されていてもよい。
基材6の厚みは、9〜30μmが好ましく、12〜25μmがより好ましい。
基材6の厚みを上記範囲内とすることにより、外観を向上しやすくなる。
【0032】
≪包装フィルムの製造方法≫
本実施形態における包装フィルムの製造方法としては、基材、バリア材、シーラント材の順に積層する方法が挙げられる。シーラント材の製造方法としては、水冷インフレーション法、空冷インフレーション法等のインフレーション法、Tダイ法等の共押出法が挙げられる。
【0033】
≪包装体≫
本実施形態における包装体は、包装フィルムが用いられ、シーラント材4におけるシール層1が内面を形成し、基材6が外面を形成することを特徴とする。MD方向が長さ方向、TD方向が幅方向とされることが好ましい。
包装体としては、例えば、包装フィルムのシール層同士をヒートシールして製袋された袋が挙げられる。包装体の形態としては、例えば、合掌貼り袋、三方シール袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンド袋、これらのチャック付き袋等が挙げられる。
本実施形態における包装体は、飲料、食品、医薬品、化粧料等を包装する用途に好適である。
【0034】
≪包装体の製造方法≫
本実施形態の包装体に用いる包装フィルムは、前記包装フィルムの製造方法と同様に製造することができる。
得られた包装フィルムは筒状のままで、上端と下端とをヒートシールして包装体としてもよく、筒状の包装フィルムの一部を切り裂いてシート状にしたのち、上端、下端、及び側部をヒートシールして包装体としてもよい。ヒートシールする際はシール層1側を内側にすることが好ましい。
【0035】
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されない。
第二の実施形態では、バリア材を有するが、本発明はこれに限定されず、基材とシーラント材が接合可能な場合、バリア材はなくてもよい。
第二の実施形態では、基材とバリア材との間、及びシーラント材及びバリア材との間にそれぞれ接着剤層を有していてもよい。
本発明の包装フィルムは、基材の上に印刷が施されていてもよい。
本発明の包装フィルムは、容器の開口部を塞ぐ蓋材として用いられてもよい。
【実施例】
【0036】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各例の樹脂の組成を表1に示す。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
【0037】
≪使用原料≫
<基材>
・PET:PETフィルム、ルミラー(商品名)、東レフィルム加工株式会社製、厚さ:12μm。
<バリア材>
・AL:アルミニウム箔、厚み:7μm、株式会社UACJ製。
・シリカ蒸着PET:VM−PET(商品名)、東レフィルム加工株式会社製、厚さ:12μm。
<シーラント材>
・PE:LLDPE、リックス(商品名)、東洋紡株式会社製。
・ゼオライト(1):平均粒子径:8μm、モレキュラーシーブ4A、ユニオン昭和株式会社製、結晶水量:216モル、SiO/Al比=1.0。
・ゼオライト(2):平均粒子径:9μm、モレキュラーシーブ13X、ユニオン昭和株式会社製、結晶水量:240モル、SiO/Al比=2.4。
・ゼオライト(3):平均粒子径:9μm、疎水性モレキュラーシーブ、ユニオン昭和株式会社製、結晶水量:240モル、SiO/Al比=19.0。
・酸化カルシウム:平均粒子径:5μm、QC−X、井上石灰工業株式会社製。
【0038】
[実施例1〜6、比較例1〜6]
表1に示すシーラント材の仕様となるように、共押出しによってシーラント材を得た。得られたシーラント材を、基材、バリア材、シーラント材の順に積層し、包装フィルムを得た。
【0039】
<吸湿性の評価>
JIS K 7209に従い吸湿性を測定し、以下の評価基準により吸湿性を評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:吸湿率が5.0g/m以上。
○:吸湿率が2.0g/m以上5.0g/m未満。
△:吸湿率が1.0g/m以上2.0g/m未満。
×:吸湿率が1.0g/m未満。
【0040】
<外観の評価>
得られた包装フィルムを観察し、以下の評価基準により外観を評価した。得られた結果を表1に示す。
○:ゼオライトの二次凝集も、酸化カルシウムのダマも確認されなかった。
×:ゼオライトの二次凝集、酸化カルシウムのダマのうち、いずれか一方が確認された。
××:ゼオライトの二次凝集、酸化カルシウムのダマのいずれも確認された。
【0041】
【表1】
【0042】
本発明を適用した実施例1〜6はいずれも吸湿性、外観において優れていた。
吸湿層にゼオライト、酸化カルシウムを含まない比較例1は、吸湿性において劣っていた。
吸湿層の厚みが10μm未満の比較例2は、吸湿性において劣っていた。
吸湿層にゼオライトを含むが酸化カルシウムを含まない比較例3は、吸湿性、外観において劣っていた。
酸化カルシウムの含有量が20質量%超である比較例4は、外観において劣っていた。
ゼオライト中のSiO/Al比が0.5超である比較例5は、外観において劣っていた。
酸化カルシウムの含有量が0.3質量%未満である比較例6は、吸湿性、外観において劣っていた。
【符号の説明】
【0043】
1 シール層
2 吸湿層
3 ラミネート層
4 シーラント材
5 バリア材
6 基材
10、20 包装フィルム
図1
図2