特許第6873778号(P6873778)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6873778
(24)【登録日】2021年4月23日
(45)【発行日】2021年5月19日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20210510BHJP
【FI】
   H04M9/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-62781(P2017-62781)
(22)【出願日】2017年3月28日
(65)【公開番号】特開2018-166264(P2018-166264A)
(43)【公開日】2018年10月25日
【審査請求日】2019年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若林 一磨
【審査官】 大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/152428(WO,A1)
【文献】 特開2014−090913(JP,A)
【文献】 特開2007−201876(JP,A)
【文献】 特開2014−042735(JP,A)
【文献】 特開2009−003486(JP,A)
【文献】 特開2011−092519(JP,A)
【文献】 特開2006−338243(JP,A)
【文献】 特開2010−114584(JP,A)
【文献】 特開2016−103728(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0025990(US,A1)
【文献】 特開2004−213363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
H04M 9/00
G08B 21/00
G08B 25/00
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナースステーションに設置されるナースコール親機と、
患者が看護者を呼び出すために病室に設置されるナースコール子機と、
前記患者の情報を表示するとともに前記ナースコール親機の呼出状態を報知する廊下灯と、
前記患者を撮像して前記撮像された画像を解析する撮像機と、を有するナースコールシステムであって、
前記ナースコール親機は、
前記撮像機が前記患者の起き上がる動作又は離床する動作を検出したときに警報音を出すように設定されており、
前記病室における停止操作に基づいて、前記警報音を出さない警報音停止モードに設定され、
前記警報音停止モードは、前記警報音停止モードに関する情報を含むバーコード情報を前記撮像機に取得させることにより設定され
前記警報音停止モードに設定された時から所定時間経過した後に、前記警報音停止モードが解除され、
前記バーコード情報は、異なる前記所定時間に応じて複数種類備えられる、
ナースコールシステム。
【請求項2】
ナースステーションに設置されるナースコール親機と、
患者が看護者を呼び出すために病室に設置されるナースコール子機と、
前記患者の情報を表示するとともに前記ナースコール親機の呼出状態を報知する廊下灯と、
前記患者を撮像して前記撮像された画像を解析する撮像機と、を有するナースコールシステムであって
前記ナースコール親機は、
前記撮像機が前記患者の起き上がる動作又は離床する動作を検出したときに警報音を出すように設定されており、
前記病室における停止操作に基づいて、前記警報音を出さない警報音停止モードに設定され、
前記警報音停止モードは、前記警報音停止モードに関する情報を含むバーコード情報を前記撮像機に取得させることにより設定され、
さらに、前記バーコード情報の表示が可能な前記看護者に保持される携帯端末を備え、
前記携帯端末は複数備えられ、
前記撮像機は、前記バーコード情報の取得とともに複数の前記携帯端末のうち前記バーコード情報を表示した携帯端末を特定する情報を取得し、
特定された前記携帯端末は、前記警報音停止モードを解除する前に、前記解除を予告する情報が通知される、
ナースコールシステム。
【請求項3】
前記ナースコール子機は、前記警報音停止モードを解除する前に、当該解除を予告する情報が通知される、
請求項1又は請求項に記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院等に設置されるナースコールシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等に設置されるナースコールシステムがある。例えば、特許文献1のナースコールシステムは、看護者を呼び出すためのベッド子機と、ベッド子機からの呼出を看護者が確認するナースコール親機とを設けている。
このようなナースコールシステムは、起き上がる動作を禁じられる絶対安静の患者や、徘徊の虞があるため離床する動作を見守るべき患者にも用いられることがある。このような重篤患者等には、一般的なナースコールシステムの機能に加えて、患者の起き上がる動作や離床する動作を検出することが可能な見守り機能が追加される場合がある。このナースコールシステムでは、患者の起き上がる動作や離床する動作を検出したときにナースコール親機のスピーカ等から警報音を出して、ナースコール親機が設置されているナースステーションにいる看護者に、患者が看護者を呼び出していることを知らせるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−202712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重篤の入院患者等に対して、定期的に患者の体を清拭する看護が行われる。このときに、看護者の動きを患者が起き上がったと誤って検出して、ナースコール親機で警報音が出ることがある。このような誤検出による警報音が出ないようにするためには、清拭の前に、清拭する患者毎に、ナースコール親機を操作して警報音が出ないように設定する必要がある。
しかし、清拭は、患者の病室等、ナースコール親機の設置場所から離れた場所で行われることが多い。清拭する患者毎にナースコール親機の警報音が出ないように設定することは、看護者に過度の業務負担となってしまう。このように、従来のナースコールシステムに設けられる見守り機能には利便性に改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、見守り機能の利便性を向上させることが可能なナースコールシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のナースコールシステムは、
ナースステーションに設置されるナースコール親機と、
患者が看護者を呼び出すために病室に設置されるナースコール子機と、
前記患者の情報を表示するとともに前記ナースコール親機の呼出状態を報知する廊下灯と、
前記患者を撮像して前記撮像された画像を解析する撮像機と、を有するナースコールシステムであって、
前記ナースコール親機は、
前記撮像機が前記患者の起き上がる動作又は離床する動作を検出したときに警報音を出すように設定されており、
前記病室における停止操作に基づいて、前記警報音を出さない警報音停止モードに設定される。
【0007】
上記構成によれば、看護者が患者を所定時間看護するとき等に、ナースコール親機は警報音を出さない警報音停止モードに設定されるので、撮像機が看護者の動作を患者の起き上がる動作であると誤検出しても、ナースコール親機から警報音が出ないようにすることができる。
【0008】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、
前記ナースコール親機は、前記警報音停止モードに設定された時から所定時間経過した後に、前記警報音停止モードが解除されてもよい。
【0009】
上記構成によれば、看護者が警報音停止モードを解除し忘れたとしても所定時間経過後に自動的に警報音停止モードが解除されるため患者の見守りを確実に継続することができる。
【0010】
また、本発明のナースコールシステムは、
前記警報音停止モードに関する情報を含むバーコード情報の表示が可能な前記看護者に保持される携帯端末を備え、
前記バーコード情報が前記撮像機に取得されたときに前記警報音停止モードに設定されてもよい。
【0011】
上記構成によれば、撮像機がバーコード情報を取得することにより、ナースコール親機は警報音停止モードに設定されるので、看護者は簡易に警告音停止モードに設定することができ、看護者の操作負担を軽減することができる。
【0012】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、
前記バーコード情報は、異なる前記所定時間に応じて複数種類備えられていてもよい。
【0013】
上記構成によれば、複数のバーコード情報から、警報音停止モードに設定したい時間の情報を有するバーコードを選択することができ、簡易に警報音停止モードの設定の時間を選択して、警報音停止モードに設定することができる。
【0014】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、
前記ナースコール子機は、前記警報音停止モードを解除する前に、当該解除を予告する情報が通知されてもよい。
【0015】
上記構成によれば、設定が解除されるタイミングが迫ったことを看護者が知ることができる。看護者は、必要に応じて、警報音を出さない設定を継続する操作を行うこともできる。
【0016】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、
前記携帯端末は複数備えられ、
前記撮像機は、前記バーコード情報の取得とともに複数の前記携帯端末のうち前記バーコード情報を表示した携帯端末を特定する情報を取得し、
特定された前記携帯端末は、前記警告音停止モードを解除する前に、前記解除を予告する情報が通知されてもよい。
【0017】
上記構成によれば、設定を指示した携帯端末を保持する看護者は、設定の解除のタイミングが迫ったことを知ることができる。
【0018】
また、本発明のナースコールシステムは、
ナースステーションに設置されるナースコール親機と、
患者が看護者を呼び出すために病室に設置されるナースコール子機と、
前記患者の情報を表示するとともに前記ナースコール親機の呼出状態を報知する廊下灯と、
前記患者を撮像して前記撮像された画像を解析する撮像機と、を有するナースコールシステムであって、
前記ナースコール親機は、前記撮像機が前記患者の起き上がる動作又は離床する動作を検出したときに警報音を出すように設定されており、
前記撮像機は、前記病室における停止操作に基づいて、前記撮像を停止する撮像停止モードに設定される。
【0019】
上記構成によれば、撮像停止モードに設定されるので、患者のプライバシーに配慮した見守りを行うことができる。
【0020】
また、本発明のナースコールシステムにおいて、
前記撮像機は、開閉可能な蓋に覆われる位置に前記患者を撮像する撮像面を備え、
前記撮像面は、前記停止操作に基づいて、前記蓋に覆われて前記撮像停止モードに設定されてもよい。
【0021】
上記構成によれば、撮像停止モードに設定されるので、患者のプライバシーに配慮した見守りを行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のナースコールシステムによれば、見守り機能の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係るナースコールシステムの構成図である。
図2】解析装置の機能ブロック図である。
図3】携帯端末の機能ブロック図である。
図4】ナースコール制御機の機能ブロック図である。
図5】携帯端末に表示されるバーコード情報の一例を示す図である。
図6】カメラに設けられた蓋を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、ナースコールシステム1は、ナースコール子機2と、カメラ3(撮像機の一例)と、廊下灯4と、ナースコール親機5と、解析装置6と、携帯端末7と、ナースコール制御機8と、構内交換機9と、ローカル用基地局10と、管理サーバ11とを備えている。ナースコールシステム1は、例えば病院等の医療・看護施設内に設置される。
【0025】
ナースコール子機2は伝送線L1を介して廊下灯4に接続されており、カメラ3は伝送線L2を介して廊下灯4に接続されている。ローカル用基地局10は、伝送線L3を介して構内交換機9に接続されている。また、各部は、ネットワークN(本例では、LAN:Local Area Network)を介して通信可能に接続されるとともに、必要に応じてハブ(HUB)15により分配されて接続されている。
【0026】
ナースコール子機2は、病室内のベッド毎に設置されており、プレート子機21と、プレート子機21に着脱可能な握り子機22とを備えている。プレート子機21には、看護者(看護師や医師等を含む医療従事者)を呼び出すための呼出ボタン、通話等するためのマイクおよびスピーカが設けられている。握り子機22には、看護者を呼び出すための呼出ボタンが設けられている。ナースコール子機2は、ネットワークN上で用いられる子機番号(子機ID)を有する。
【0027】
カメラ3は、病室内の例えばベッド毎に設置されており、ベッド上にいる患者の様子、あるいはベッド周辺にいる患者の様子等を撮像することが可能である。また、カメラ3には、携帯端末7に表示される情報(例えばバーコード情報)を読み取ることが可能なアプリケーションがインストールされている。カメラ3は、例えば独立して壁などに取り付けられていてもよいし、プレート子機21に埋め込んで設けられていてもよい。各カメラ3は、それぞれのカメラを特定することが可能なIPアドレス(Internet Protocolアドレス)を有する。
【0028】
廊下灯4は、例えば各病室の出入口付近に設置されており、ナースコール子機2を操作した患者の情報を表示する液晶表示部41と、ナースコール子機2から呼び出しが発せられたことを報知する表示ランプ42とを備えている。廊下灯4の記憶部(図示省略)には患者の氏名、患者番号(患者ID)、病室番号、ベッド番号等の患者情報がナースコール子機2の子機ID、カメラ3のIPアドレス等と互いに対応付けられて記憶されている。
【0029】
ナースコール親機5は、ナースステーション等に設置されており、ハンドセット51、小型モニタ52、大型モニタ53、および警報出力部54等を備えている。ハンドセット51は、呼び出しに応答するため等の通話時に用いられる。小型モニタ52は、主な患者情報が表示されるモニタであり、大型モニタ53は、各患者の詳細情報を一覧表示することが可能なモニタである。警報出力部54は、見守り対象とされる患者の所定の動作が検出された際に警報音が出力される出力部である。患者の所定の動作には、例えば患者の起き上がり動作、患者が離床する動作等が含まれる。
【0030】
解析装置6は、カメラ3で撮像された画像を解析する装置であり、例えばナースステーション等に設置されている。本例では、解析装置6は独立したものとして設けられているが、例えばカメラ3と一体に設けるようにしてもよいし、ナースコール制御機8内あるいは廊下灯4内に含めて設けるようにしてもよい。
【0031】
携帯端末7(本例では、携帯端末7a〜7e)は、看護者が業務に使用するために携帯する端末であり、例えばタッチパネル式の表示画面73を有している。携帯端末7は、表示画面73上に、例えば患者の見守り機能と対応付けられた警報音に関する情報あるいはカメラ3の撮像に関する情報を表示可能である。携帯端末7としては、例えば無線通信(例えば、「WiFi」)可能なスマートフォン等が用いられる。携帯端末7は、ネットワークN上で用いられる携帯番号(携帯端末ID)を有する。携帯端末IDは、その携帯端末を携帯する看護者の看護者IDと対応付けられている。
【0032】
携帯端末7は、病院内に構築されたローカル通信網(ネットワークN)を介して携帯端末7とナースコール制御機8とを通信可能に接続する通信モードを有する。この通信モードでは、ローカル用基地局10を介して無線通信(例えば、WiFi)により構内交換機9と携帯端末7とを接続し、上記携帯端末IDを用いて携帯端末7とナースコール制御機8間の通信が可能になる。
【0033】
ナースコール制御機8は、ナースコール子機2、カメラ3、ナースコール親機5、解析装置6、および携帯端末7の間の通信を制御するとともに、各部の動作を制御する。
【0034】
構内交換機9(例えば、PBX:Private Branch eXchange)は、携帯端末7とナースコール制御機8との通信接続等を管理するための機器であり、病院内の共用部等に設置されている。ローカル用基地局10は、携帯端末7との間で無線通信(例えば、WiFi)を行うためのアンテナであり、病院内に所定の間隔で設置されている。
【0035】
管理サーバ11は、患者の情報、携帯端末の情報、看護者の情報等を含む病院に関する最新の情報を一括して管理するサーバである。
【0036】
次に、解析装置6の機能について説明する。図2に示すように、解析装置6は、解析装置CPU61と、解析装置CPU61に接続された解析アプリケーション62、記憶部63、および解析装置インターフェース回路(以下、インターフェース回路を「I/F」と称す)64とを備えている。
【0037】
解析アプリケーション62には、例えば患者がベッド上で伏した状態から上半身を起き上がらせた状態に移行する起き上がり動作や、患者がベッドから外方へ移動する離床動作等を検出するための動作解析アプリケーションがインストールされている。また、解析アプリケーション62には、例えばカメラ3で撮像された画像に映る人物がそのベッドに入院している患者であるか否かを判別するための顔認証アプリケーションがインストールされている。また、解析アプリケーション62には、例えば携帯端末7の表示画面73から読み込まれた警報音に関する情報、同じく読み込まれたカメラ3の撮像に関する情報等を識別するための情報解析アプリケーションがインストールされている。記憶部63には、起き上がり動作および離床動作を判断するために用いられる患者の位置情報、患者の顔認証を行うために用いられる予め撮像された患者の顔情報等が記憶されている。
【0038】
解析装置CPU61は、解析アプリケーション62にインストールされているアプリケーションに基づいて、患者の動作解析、顔認証、情報解析等を行う。解析装置I/F64は、ネットワークNとの信号伝送路を形成するための通信部を構成する。
【0039】
次に、携帯端末7の機能について説明する。図3に示すように、携帯端末7は、携帯CPU71と、携帯CPU71に接続された携帯アプリケーション72、表示画面73、および携帯I/F74とを備えている。
【0040】
携帯アプリケーション72には、所定の操作に基づいて、例えば警報音がナースコール親機5から出力されないように設定することが可能な警報音停止情報を携帯端末7の表示画面73に表示させるアプリケーションがインストールされている。
また、携帯アプリケーション72には、所定の操作に基づいて、例えばカメラ3による患者の撮像を停止させるように設定することが可能な撮像停止情報を携帯端末7の表示画面73に表示させるアプリケーションがインストールされている。
【0041】
携帯CPU71は、携帯アプリケーション72にインストールされているアプリケーションに基づいて、携帯端末7の各部の動作を制御する。携帯I/F74は、構内交換機9と信号伝送路を形成するための通信部を構成する。
【0042】
次に、ナースコール制御機8の機能について説明する。図4に示すように、ナースコール制御機8は、制御機CPU81と、制御機CPU81に接続された記憶部82、および制御機I/F83とを備えている。
【0043】
記憶部82には、患者情報テーブル82aと、動作解析ファイル82bとが設けられている。
患者情報テーブル82aには、患者の氏名、患者ID、子機ID、カメラのIPアドレス、携帯端末ID、担当看護者(看護者ID)等の患者情報が相互に対応付けられて記憶されている。なお、患者情報テーブル82aの各情報は、例えば、管理サーバ11の情報が更新されるたびに管理サーバ11から送信されて最新の情報へと更新される。
動作解析ファイル82bには、患者の起き上がり動作および患者の離床動作を検出するためにカメラ3で撮像された患者の画像データ、すなわち患者の見守り画像データが記憶されている。
【0044】
制御機CPU81は、患者情報テーブル82aに記憶されている患者情報に基づいて、各部の動作あるいは各部間の通信接続等を制御する。例えば携帯端末7から送信されてくる警報音停止情報、撮像停止情報等に基づいて、ナースコール親機5の警報音出力やカメラ3の撮像等を制御する。制御機I/F83は、ネットワークNとの信号伝送路を形成するための通信部を構成する。
【0045】
次に、ナースコールシステム1の動作について説明する。
病院内の病室(本例では101号室とする)において、カメラ3は、見守り対象の患者(本例では患者Mと称する)を撮像対象とし、患者Mの頭部上方の壁に設置されている。カメラ3は、基本的には常時、撮像動作するように、ナースコール制御機8によって制御されている。また、カメラ3の撮像範囲は、患者Mが居るベッドの全体を撮像することが可能な範囲(以下、見守り範囲と称する)となるように、カメラ3の撮影画角が設定されている。
【0046】
カメラ3によって撮像された見守り範囲の画像データは、伝送線L2を介して廊下灯4に送信される。廊下灯4は、撮像データを送信したカメラ3を識別し、記憶部に記憶されている患者情報を参照して、カメラ3のIPアドレスを撮像データに付加する。IPアドレス付きの撮像データは、ネットワークNを介して、廊下灯4から解析装置6およびナースコール制御機8に送信される。
【0047】
ナースコール制御機8は、送信されてきたIPアドレス付きの撮像データを記憶部82の動作解析ファイル82bに記録する。
解析装置6は、画像データを画像処理して、患者Mの顔認証を行った後、患者Mの動作解析を行う。顔認証は、カメラ3で撮像された人物の顔画像と、記憶部63に記憶されている患者の顔情報とを比較して行われる。動作解析は、例えば患者Mがベッド上に伏している状態、上半身を起こした起き上がり状態、ベッドから離れた離床状態を検出することにより行われる。
【0048】
動作解析において、先ず、患者Mがベッド上に伏している状態は、例えば患者Mの頭部の位置情報に基づき判別される。次に、患者Mがベッド上に伏した状態から上半身を起こした状態に移行したことが検出されることで、起き上がり動作が発生したと判別される。そして、起き上がり動作が検出された後、患者Mがベッド上から外方へ移動した(見守り範囲から居なくなった)ことが検出されることで、離床動作が発生したと判別される。起き上がり動作が発生したと判別された場合には起き上り信号が、離床動作が発生したと判別された場合には離床信号が、上記IPアドレスに付加され、解析装置6からナースコール制御機8に送信される。
【0049】
起き上り信号または離床信号を受信したナースコール制御機8は、これらの信号をナースコール親機5へ送信する。起き上り信号または離床信号を受信したナースコール親機5は、ナースコールを必要としている患者が居ることを報知する警報音を警報出力部54から出力させる。また、ナースコール親機5は、IPアドレスに基づいて、ナースコールを必要としている患者の情報(部屋番号、ベッド番号、氏名等)を小型モニタ52に表示させる。
【0050】
続いて、例えば患者Mを担当している看護者(本例では看護者Aと称する)が101号室の患者Mのところへ清拭に訪れた際の動作について説明する。
看護者Aは、例えば患者Mを清拭している間、ナースコール親機5の警報音が出力されないようにするための警報音停止操作を病室から行う。これは、患者Mを清拭しているときの看護者Aの動きあるいは清拭されている患者Mの動きが患者Mの起き上がり動作として誤検出され、ナースコール親機5で警報音が出力されるのを防止するためである。看護者Aは、携帯端末(例えば携帯端末7a)を取り出し、表示画面73に表示されている警報音停止を設定するためのアイコンを選択する。
【0051】
携帯端末7aは、アプリケーションに基づいて、警報音が出力されないように設定される所定時間、例えば「10分」「20分」「30分」を表示画面73上に表示させる。看護者Aが例えば「20分」を選択すると、携帯端末7aは、図5に示すように、警報音がナースコール親機5から出力されないように設定されるための警報音停止情報を表示画面73上に表示させる。警報音停止情報は、例えばバーコード情報75(本例では二次元のQRコード(登録商標))として表示される。バーコード情報75には看護者Aによって選択された「20分」という時間情報、および使用されている携帯端末7aの携帯端末IDの情報も含まれている。バーコード情報75は、選択し得る所定時間の数(本例では10分,20分,30分の三個)に対応して複数種類(本例では三種類)用意されている。
【0052】
看護者Aが携帯端末7aに表示された上記バーコード情報75をカメラ3に向けてかざすと、カメラ3は、バーコード情報75を読み込み、読み込んだ情報を廊下灯4に送信する。
廊下灯4は、バーコード情報75を送信したカメラ3を識別し、記憶部の患者情報を参照してカメラ3のIPアドレスをバーコード情報75に付加し、IPアドレス付きのバーコード情報75を解析装置6に送信する。
解析装置6は、バーコード情報75に含まれる警報音停止情報、時間情報、および携帯端末IDを識別して、識別したそれらの情報をナースコール制御機8に送信する。
【0053】
ナースコール制御機8は、警報音停止情報をナースコール親機5へ送信するとともに、選択された時間(20分)の計測を開始する。
【0054】
ナースコール親機5は、受信した警報音停止情報に基づいて、ナースコール親機5を警報音が出力されない警報音停止モードに設定する。これにより、患者の起き上がり動作がカメラ3と解析装置6とによって検出されても、すなわち清拭時に看護者Aの動き等が患者Mの起き上がり動作として誤検出された場合でも警報音が出力されない状態となる。
【0055】
ナースコール制御機8は、計測時間が選択された時間に対して予め設定されている時間に達したとき、間もなく選択した時間が経過する旨を知らせる選択終了信号を看護者Aの携帯端末7aに送信する。選択された時間が上記のように20分の場合、例えば30秒前の19分30秒に達したとき、ナースコール制御機8は、選択終了信号を送信する。
【0056】
選択終了信号は、携帯端末IDに基づき、構内交換機9を介して看護者Aの携帯端末7aに送信される。選択終了信号を受信した携帯端末7aでは、例えば呼出音が出力された後、「警報音停止モードが間もなく終了します」という警報音停止モードの解除を予告する音声メッセージが出力される。表示画面73に上記メッセージと同様の文字メッセージが表示されるようにしてもよい。
なお、ナースコール制御機8は、患者Mのベッドに設置されたナースコール子機2が備えるスピーカから、上記警報音停止モードの解除を予告する音声メッセージを出力させるように制御してもよい。
【0057】
看護者Aは、携帯端末7aを用いて警報音停止モードを延長することが可能である。携帯端末7aの表示画面73に表示される例えば時間延長のアイコンが選択されると、携帯端末7aは、選択可能な延長時間、例えば「5分」「10分」「15分」を表示画面73上に表示させる。看護者Aが例えば「5分」を選択すると、上記警報音停止を設定する場合と同様に、バーコード情報が表示され、それをカメラ3に読み込ませることで警報音停止モードが延長される。延長された場合も、予め設定された時間に達したとき、上記と同様に警報音停止モードの解除を予告するメッセージが出力される。
【0058】
ナースコール制御機8は、計測時間が選択された時間(20分)に達したとき、時間が延長された場合にはその延長時間(5分)に達したとき、警報音停止モードを解除させる解除信号をナースコール親機5に送信する。
ナースコール親機5は、受信した解除信号に基づいて、ナースコール親機5の警報音停止モードを解除する。これにより、ナースコール親機5は、患者の起き上がり動作が検出されたときに警報音が出力される状態となる。
【0059】
なお、警報音停止モードが設定されている最中に、携帯端末7を用いて、警報音停止モードを途中で解除することができるようにしてもよい。この場合、携帯端末7aの表示画面73に表示される例えば停止モード解除のアイコンが選択されると、上記警報音停止を設定する場合と同様に、バーコード情報が表示され、それをカメラ3に読み込ませることで警報音停止モードが解除される。
【0060】
続いて、看護者Aが、患者Mを清拭している間、カメラ3による患者Mの撮像を停止させる撮像停止操作を行う際の動作について説明する。
看護者Aは、携帯端末7aを取り出し、表示画面73に表示されている撮像停止を設定するためのアイコンを選択する。
【0061】
以降、上記警報音停止を設定するためのアイコンが選択された場合と同様に、携帯端末7aには、複数の設定時間が表示され、それを選択するとカメラ3の撮像を停止させるように設定するための撮像停止情報がバーコード情報として表示される。続いて、バーコード情報がカメラ3に読み込まれるとともに、解析装置6で識別されて、識別された情報が解析装置6からナースコール制御機8に送信される。ナースコール制御機8は、撮像停止情報をカメラ3へ送信するとともに、選択された時間の計測を開始する。カメラ3は、受信した撮像停止情報に基づいて、カメラ3を撮像停止モードに設定する。
【0062】
これにより、選択された所定時間の間、カメラ3による撮像が停止されるとともに、撮像の停止により患者の動作検出が行われなくなり警報音が出力されない状態となる。
なお、撮像停止モードが解除される際、および撮像停止モードの解除が予告される際の動作については、上記警報音停止モードの各動作と同様である。
【0063】
なお、上記形態では、カメラ3に読み込まれた警報音停止情報、および撮像停止情報等の信号は、ナースコール制御機8を経由してカメラ3からナースコール親機5へ送信されているがこれに限定されない。例えばナースコール制御機8を経由させないで直接、カメラ3からナースコール親機5へ送信されるようにしてもよい。
【0064】
また、上記形態では、警報音停止情報と撮像停止情報とをカメラ3に読み込ませるようにしているがこれに限定されない。例えばこれらの情報を携帯端末7からローカル用基地局10および構内交換機9を介してナースコール制御機8へと送信するようにしてもよい。
【0065】
また、上記形態では、携帯端末7を用いて警報音停止の操作および撮像停止の操作を行っているがこれに限定されない。例えばナースコール子機2のプレート子機21に押下式の警報音停止スイッチを設け、スイッチの切り替えにより警報音停止モードを設定または解除できるようにしてもよい。また、例えばカメラ3あるいはプレート子機21に押下式の撮像停止スイッチを設け、スイッチの切り替えにより撮像停止モードを設定または解除できるようにしてもよい。
【0066】
(変形例)
次に、カメラ3の撮像を停止させる変形例について図6を参照して説明する。
図6に示すように、カメラ3は、開閉可能に取り付けられた蓋31を備えている。蓋31は、閉じられた状態(図6における右側の状態)で、カメラ3の撮像面32を覆うように構成されている。
【0067】
このような構成のカメラ3において、カメラ3の蓋31を閉操作することによりカメラ3を撮像停止モードに設定できるようにしてもよい。蓋31が閉じられた場合、カメラ3はブラックアウト状態となり、所定時間後に自動的に撮像停止モードに移行する。撮像停止モードに移行する際に、カメラ3のIPアドレスを付加した停止信号がカメラ3から出力される。出力されたIPアドレス付きの停止信号は、ナースコール制御機8に送信される。
【0068】
IPアドレス付きの停止信号を受信したナースコール制御機8は、撮像が停止される所定時間(例えば20分)の計測を開始する。そして、所定時間が経過したとき、ナースコール制御機8は、IPアドレスに基づいてそのカメラ3が設置されているナースコール子機2を特定し、ナースコール子機2のスピーカから、例えば「カメラの撮像が停止されています」という音声メッセージを出力させる。
【0069】
なお、例えば蓋31の開け忘れを防止するために、蓋31の撮像面32側の面にバーコード情報を印刷しておいてもよい。バーコード情報には、蓋31が閉められていることを示す情報が含まれている。撮像が停止される所定時間が経過したとき、カメラ3を復旧させ、その際に蓋のバーコード情報を読み込むことができるようにしておいて、蓋の開け忘れがある場合にはその旨を報知する音声メッセージを出力させるようにしてもよい。
【0070】
上記構成のナースコールシステム1によれば、例えば看護者Aが病室で患者Mを清拭するとき等に、その病室でナースコール親機5を警報音停止モードに設定し、ナースコール親機5から警報音が出力されないようにすることが可能である。このため、カメラ3が看護者Aの看護動作を患者Mの起き上がり動作として誤検出した場合でも、ナースコール親機5から警報音を出力させないようにすることができ、見守り機能の利便性を向上させることができる。
【0071】
また、携帯端末7に表示されるバーコード情報75をカメラ3にかざして読み込ませることより、ナースコール親機5を警報音停止モードに設定することが可能である。このため、看護者Aは簡易にナースコール親機5を警報音停止モードに設定することができ、さらに見守り機能の利便性が向上する。
【0072】
また、設定した警報音停止モードは、所定時間が経過した後に自動的に解除されるので、看護者Aが警報音停止モードを解除し忘れたとしても患者の見守り機能を確実に継続することができる。
【0073】
また、警報音停止モードに設定するためのバーコード情報75が設定時間を異にして複数種類用意されている。このため、看護者Aは、警報音停止モードに設定する時間を看護内容に応じて適宜選択することができ、さらに見守り機能の利便性が向上する。
【0074】
また、設定した警報音停止モードの終了時間に近づくと、看護を行っている看護者Aの携帯端末7aにその旨が通知される。このため、看護業務の進捗状況に応じて、例えば警報音停止モードを延長することも可能であり、さらに見守り機能の利便性が向上する。また、警報音停止モードの終了時間に近づいた旨の通知は、患者Mのベッドに設置されているナースコール子機2のスピーカを介して通知されるようにすることも可能であり、さらに見守り機能の利便性を向上させることができる。
【0075】
また、カメラ3を撮像停止モードに設定することにより、清拭の間、患者Mの撮像を停止させることができるとともに、ナースコール親機5から警報音を出さないようにすることができる。このため、患者Mのプライバシーに配慮した見守りを行うことができ、さらに見守り機能の利便性を向上させることができる。
【0076】
また、カメラ3の蓋31を開閉操作することにより撮像停止モードの設定および解除を行うことができ、蓋31を開け忘れた場合には音声メッセージで通知させることも可能である。したがって、さらに見守り機能の利便性を向上させることができる。
【0077】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0078】
1:ナースコールシステム、2:ナースコール子機、3:カメラ(撮像機の一例)、4:廊下灯、5:ナースコール親機、6:解析装置(撮像機の一例)、7(7a〜7e):携帯端末、8:ナースコール制御機、31:蓋、32:撮像面、62:解析アプリケーション、72:携帯アプリケーション、73:表示画面、75:バーコード情報、82a:患者情報テーブル、82b:動作解析ファイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6