(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の液晶表示装置では、2枚の表示パネルの対向する面の全面に塗布したUV硬化性樹脂等から成る接着剤により2枚の表示パネルを貼り合わせて固定している。しかし、この構成では、接着剤を2枚の表示パネルの全面に塗布する必要がありコストが高くなる問題がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の表示パネルを重ね合わせて構成された液晶表示装置のコストを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、複数の表示パネルが重ね合わされて配置され、それぞれの前記表示パネルが画像を表示する液晶表示装置であって、第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板に対して第1方向に対向配置された第2ガラス基板と、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に配置された第1液晶層と、前記第1ガラス基板に対して前記第1方向の反対方向である第2方向に対向配置された第3ガラス基板と、前記第3ガラス基板に対して前記第2方向に対向配置された第4ガラス基板と、前記第3ガラス基板と前記第4ガラス基板との間に配置された第2液晶層と、前記第1ガラス基板の前記第2方向側の第1面に形成された第1偏光板と、前記第3ガラス基板の前記第1方向側の第1面に形成された第2偏光板と、前記第1ガラス基板と前記第3ガラス基板との間に配置された接着層と、を含み、平面視で、前記接着層は、前記第1偏光板及び前記第2偏光板の外側に配置されており、前記接着層の前記第1方向側の面は、前記第1ガラス基板の前記第1面に接着されており、前記接着層の前記第2方向側の面は、前記第3ガラス基板の前記第1面に接着されている、ことを特徴とする。
【0007】
また上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、複数の表示パネルが重ね合わされて配置され、それぞれの前記表示パネルが画像を表示する液晶表示装置であって、第1ガラス基板と、前記第1ガラス基板に対して第1方向に対向配置された第2ガラス基板と、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に配置された第1液晶層と、前記第1ガラス基板に対して前記第1方向の反対方向である第2方向に対向配置された第3ガラス基板と、前記第3ガラス基板に対して前記第2方向に対向配置された第4ガラス基板と、前記第3ガラス基板と前記第4ガラス基板との間に配置された第2液晶層と、前記第1ガラス基板の前記第2方向側の第1面に形成された第1偏光板と、前記第3ガラス基板の前記第1方向側の第1面に形成された第2偏光板と、前記第1偏光板と前記第2偏光板との間に配置された接着層と、を含み、平面視で、前記接着層は、前記第1偏光板及び前記第2偏光板の外周端部に重なり、前記接着層の前記第1方向側の面は、前記第1偏光板の前記第2方向側の面に接着されており、前記接着層の前記第2方向側の面は、前記第2偏光板の前記第1方向側の面に接着されている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る液晶表示装置では、前記接着層の厚みは、前記第1偏光板の厚みと前記第2偏光板の厚みとを合計した厚みより厚くてもよい。
【0009】
本発明に係る液晶表示装置では、前記第1偏光板の前記第2方向側の面と、前記第2偏光板の前記第1方向側の面との少なくとも何れか一方は、粗面加工が施されてもよい。
【0010】
本発明に係る液晶表示装置では、前記第1偏光板と前記第2偏光板との間の領域には、間隙が形成されてもよい。
【0011】
本発明に係る液晶表示装置では、前記接着層は、第1部分と、前記第1部分より粘着力が弱い第2部分とを含んでもよい。
【0012】
本発明に係る液晶表示装置では、前記接着層の一部に開口部が形成されてもよい。
【0013】
本発明に係る液晶表示装置では、前記接着層は、駆動回路が配置された辺に沿って配置された第1部分と、前記第1部分に対向配置された第2部分とを含み、前記開口部は、前記第1部分と前記第2部分とに形成されてもよい。
【0014】
本発明に係る液晶表示装置では、前記各表示パネルは、COF(Chip on Film)部を含み、平面視で、前記接着層は、前記COF部を避けた領域に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る液晶表示装置によれば、複数の表示パネルを重ね合わせて構成された液晶表示装置のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】各実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】各実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。
【
図3】各実施形態に係る表示パネル100の概略構成を示す平面図である。
【
図4】各実施形態に係る表示パネル200の概略構成を示す平面図である。
【
図6】表示パネル100及び表示パネル200の画素配置の例を示す平面図である。
【
図7】実施形態1に係る表示パネル100及び表示パネル200の貼合部分を示す図である。
【
図8】実施形態1に係る接着層の配置を示す平面図である。
【
図9】実施形態2に係る液晶表示装置の断面図である。
【
図10】実施形態2に係る表示パネル100及び表示パネル200の貼合部分を示す図である。
【
図11】実施形態2の他の構成に係る表示パネル100及び表示パネル200の貼合部分を示す図である。
【
図12】各実施形態に係る接着層の他の配置を示す平面図である。
【
図13】各実施形態に係る接着層の他の配置を示す平面図である。
【
図14】各実施形態に係る接着層の他の配置を示す平面図である。
【
図15】各実施形態に係る接着層の他の配置を示す平面図である。
【
図16】各実施形態に係る接着層の他の配置を示す平面図である。
【
図17】各実施形態に係る接着層の他の配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。本発明の液晶表示装置は、画像を表示する複数の表示パネルと、それぞれの表示パネルを駆動する複数の駆動回路(複数のソースドライバ、複数のゲートドライバ)と、それぞれの駆動回路を制御する複数のタイミングコントローラと、外部から入力される入力映像信号に対して画像処理を行い、それぞれのタイミングコントローラに画像データを出力する画像処理部と、複数の表示パネルに背面側から光を照射するバックライトと、を含んでいる。表示パネルの数は限定されず2枚以上であればよい。また複数の表示パネルは、観察者側から見て前後方向に互いに重ね合わされて配置されており、それぞれが画像を表示する。以下では、2枚の表示パネルを備える液晶表示装置10を例に挙げて説明する。
【0018】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る液晶表示装置10の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、液晶表示装置10は、観察者に近い位置(前側)に配置された表示パネル100と、表示パネル100より観察者から遠い位置(後側)に配置された表示パネル200と、表示パネル100及び表示パネル200を貼り合わせて固定する接着層400と、表示パネル200の背面側に配置されたバックライト500と、表示面側から表示パネル100及び表示パネル200を覆うフロントシャーシ600とを含んでいる。
【0019】
図2は、実施形態1に係る液晶表示装置10の概略構成を示す平面図である。
図2に示すように、表示パネル100は、第1ソースドライバ120と第1ゲートドライバ130とを含み、表示パネル200は、第2ソースドライバ220と第2ゲートドライバ230とを含んでいる。また液晶表示装置10は、第1ソースドライバ120及び第1ゲートドライバ130を制御する第1タイミングコントローラ140と、第2ソースドライバ220及び第2ゲートドライバ230を制御する第2タイミングコントローラ240と、第1タイミングコントローラ140及び第2タイミングコントローラ240に画像データを出力する画像処理部300と、を含んでいる。例えば、表示パネル100は入力映像信号に応じたカラー画像を第1画像表示領域110に表示し、表示パネル200は入力映像信号に応じた白黒画像を第2画像表示領域210に表示する。画像処理部300は、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号Dataを受信し、所定の画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラ140に第1画像データDAT1を出力し、第2タイミングコントローラ240に第2画像データDAT2を出力する。また画像処理部300は、第1タイミングコントローラ140及び第2タイミングコントローラ240に同期信号等の制御信号CS1,CS2(
図3及び
図4参照)を出力する。第1画像データDAT1はカラー画像表示用の画像データであり、第2画像データDAT2は白黒画像表示用の画像データである。尚、表示パネル100が白黒画像を表示し、表示パネル200がカラー画像を表示する構成でもよいし、表示パネル100,200がともに白黒画像又はカラー画像を表示する構成でもよい。
【0020】
図3は表示パネル100の概略構成を示す平面図であり、
図4は表示パネル200の概略構成を示す平面図である。
図5は、
図3及び
図4のA−A´断面図である。
【0021】
図3及び
図5を用いて、表示パネル100の構成について説明する。
図5に示すように、表示パネル100は、バックライト500側(第2方向側)に配置された薄膜トランジスタ基板101と、観察者側(第1方向側)に配置され、薄膜トランジスタ基板101に対向する対向基板102と、薄膜トランジスタ基板101及び対向基板102の間に配置された液晶層103と、を含んでいる。表示パネル100のバックライト500側には偏光板104が配置されており、観察者側には偏光板105が配置されている。
【0022】
薄膜トランジスタ基板101には、
図3に示すように、列方向に延在する複数のソース線111と、行方向に延在する複数のゲート線112とが形成され、複数のソース線111と複数のゲート線112とのそれぞれの交差部近傍に薄膜トランジスタ113が形成されている。表示パネル100を平面的に見て、隣り合う2本のソース線111と隣り合う2本のゲート線112とにより囲まれた領域が1つの画素114として規定され、該画素114がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。薄膜トランジスタ基板101には、画素114ごとに画素電極115が形成されており、複数の画素114に共通する1つの共通電極(図示せず)が形成されている。
【0023】
図示は省略するが、対向基板102には、各画素114に対応して複数の着色部が形成されている。各着色部は、光の透過を遮断するブラックマトリクスで囲まれており、例えば矩形状に形成されている。また、複数の着色部は、赤色(R色)の材料で形成され、赤色の光を透過する赤色部と、緑色(G色)の材料で形成され、緑色の光を透過する緑色部と、青色(B色)の材料で形成され、青色の光を透過する青色部と、を含んでいる。赤色部、緑色部、及び青色部は、行方向にこの順に繰り返し配列され、同一色の着色部が列方向に配列され、行方向及び列方向に隣り合う着色部の境界部分にブラックマトリクスが形成されている。各着色部に対応して、複数の画素114は、
図3に示すように、赤色部に対応する赤色画素114Rと、緑色部に対応する緑色画素114Gと、青色部に対応する青色画素114Bと、を含んでいる。表示パネル100では、赤色画素114R、緑色画素114G、青色画素114Bが行方向にこの順に繰り返し配列されており、列方向には同一色の画素114が配列されている。
【0024】
第1タイミングコントローラ140は、画像処理部300から受信した第1画像データDAT1と第1制御信号CS1(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第1画像データDA1と、第1ソースドライバ120及び第1ゲートドライバ130の駆動を制御するための第1タイミング信号(データスタートパルスDSP1、データクロックDCK1、ゲートスタートパルスGSP1、ゲートクロックGCK1)とを生成する(
図3参照)。第1タイミングコントローラ140は、第1画像データDA1と、データスタートパルスDSP1と、データクロックDCK1とを第1ソースドライバ120に出力し、ゲートスタートパルスGSP1とゲートクロックGCK1とを第1ゲートドライバ130に出力する。
【0025】
第1ソースドライバ120は、データスタートパルスDSP1及びデータクロックDCK1に基づいて、第1画像データDA1に応じたデータ信号(データ電圧、階調電圧)をソース線111に出力する。第1ゲートドライバ130は、ゲートスタートパルスGSP1及びゲートクロックGCK1に基づいて、ゲート信号(ゲート電圧)をゲート線112に出力する。これにより、表示パネル100では、赤色画素114R、緑色画素114G、青色画素114Bそれぞれの画素電極115に接続されたソース線111に、所望のデータ電圧を供給することにより、カラー画像表示が行われる。
【0026】
次に、
図4及び
図5を用いて、表示パネル200の構成について説明する。
図5に示すように、表示パネル200は、バックライト500側に配置された薄膜トランジスタ基板201と、観察者側に配置され、薄膜トランジスタ基板201に対向する対向基板202と、薄膜トランジスタ基板201及び対向基板202の間に配置された液晶層203と、を含んでいる。表示パネル200のバックライト500側には偏光板204が配置されており、観察者側には偏光板205が配置されている。
【0027】
薄膜トランジスタ基板201には、
図4に示すように、列方向に延在する複数のソース線211と、行方向に延在する複数のゲート線212とが形成され、複数のソース線211と複数のゲート線212とのそれぞれの交差部近傍に薄膜トランジスタ213が形成されている。表示パネル200を平面的に見て、隣り合う2本のソース線211と隣り合う2本のゲート線212とにより囲まれた領域が1つの画素214として規定され、該画素214がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。薄膜トランジスタ基板201には、画素214ごとに画素電極215が形成されており、複数の画素214に共通する1つの共通電極(図示せず)が形成されている。
【0028】
図示は省略するが、対向基板202には、各画素214の境界部分に対応する位置に、光の透過を遮断するブラックマトリクスが形成されている。ブラックマトリクスで囲まれた領域には、着色部は形成されておらず、例えばオーバコート膜が形成されている。
【0029】
第2タイミングコントローラ240は、画像処理部300から受信した第2画像データDAT2と第2制御信号CS2(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第2画像データDA2と、第2ソースドライバ220及び第2ゲートドライバ230の駆動を制御するための第2タイミング信号(データスタートパルスDSP2、データクロックDCK2、ゲートスタートパルスGSP2、ゲートクロックGCK2)とを生成する(
図4参照)。第2タイミングコントローラ240は、第2画像データDA2と、データスタートパルスDSP2と、データクロックDCK2とを第2ソースドライバ220に出力し、ゲートスタートパルスGSP2とゲートクロックGCK2とを第2ゲートドライバ230に出力する。
【0030】
第2ソースドライバ220は、データスタートパルスDSP2及びデータクロックDCK2に基づいて、第2画像データDA2に応じたデータ電圧をソース線211に出力する。第2ゲートドライバ230は、ゲートスタートパルスGSP2及びゲートクロックGCK2に基づいて、ゲート電圧をゲート線212に出力する。これにより、表示パネル200では、白黒画像表示が行われる。
【0031】
表示パネル100の各画素114と、表示パネル200の各画素214とは、互いに3対1の関係で配置されており、平面視で互いに重なっている。例えば、
図6に示すように、表示パネル100の3個の画素114(赤色画素114R、緑色画素114G、青色画素114B)(
図6(a)参照)と、表示パネル200の1個の画素214(
図6(b)参照)とが平面視で重なっている。尚、表示パネル100の各画素114と、表示パネル200の各画素214とが、互いに1対1の関係で配置され、表示パネル100の1個の画素114と、表示パネル200の1個の画素214とが平面視で重なる構成であってもよい。
【0032】
図7は、実施形態1に係る表示パネル100及び表示パネル200の貼合部分を示す図である。表示パネル100の薄膜トランジスタ基板101は、ガラス基板101aと、ガラス基板101aの観察者側の面に形成されたTFT素子層101bとを含んでいる。TFT素子層101bには、各構成部材(ソース線111、ゲート線112、薄膜トランジスタ113、画素電極115、共通電極等)が含まれる。偏光板104は、ガラス基板101aのバックライト側の面に粘着剤を介して貼り付けられている。表示パネル200の対向基板202は、ガラス基板202aと、ガラス基板202aのバックライト側の面に形成されたCF素子層202bとを含んでいる。CF素子層202bには、各構成部材(カラーフィルタ、ブラックマトリクス等)が含まれる。偏光板205は、ガラス基板202aの観察者側の面に粘着剤を介して貼り付けられている。
【0033】
図7に示すように、表示パネル100と表示パネル200とは、接着層400により貼り合わされて固定されている。接着層400は、例えば、両面テープ、シリコン樹脂系接着剤を用いることができる。具体的には、接着層400は、表示パネル100の偏光板104と、表示パネル200の偏光板205との間の外周端部に配置されている。すなわち、平面視で、接着層400は、偏光板104及び偏光板205の外周端部に重なっている。接着層400で囲まれた領域にはエアギャップ410(間隙)が形成されている。表示パネル100と表示パネル200とを貼り合わせる工程では、先ず、表示パネル200の偏光板205の観察者側の面の外周端部に両面テープ(接着層400)の一方の面を貼り付け、その後、表示パネル100を重ね合わせて、偏光板104のバックライト側の面の外周端部に両面テープの他方の面を貼り付ける。これにより、表示パネル100と表示パネル200とは、偏光板104、205同士が接着層400を介して貼り合わされることにより固定される。
【0034】
図8は、液晶表示装置10を平面的に見たときの接着層400の配置を示している。尚、
図8では、便宜上、接着層400だけを図示し、他の構成部材は省略している。接着層400は、それぞれが矩形状に延びる、第1部分400a、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400dを含み、第1部分400aは液晶表示装置10の上辺10aに沿って配置され、第2部分400bは液晶表示装置10の左辺10bに沿って配置され、第3部分400cは液晶表示装置10の下辺10cに沿って配置され、第4部分400dは液晶表示装置10の右辺10dに沿って配置されている。第1部分400a、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400dは、液晶表示装置10の外周に沿って連結して配置されている。接着層400(第1部分400a、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400d)で囲まれた領域には、エアギャップ410が形成されている。
図7及び
図8に示すように、エアギャップ410は、密閉空間となっている。尚、接着層400に両面テープを用いる場合、作業効率を考慮して、第1部分400a、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400dの連結部分が分離されていてもよい。
【0035】
上記構成によれば、接着層400を液晶表示装置10(偏光板)の外周端部に配置し、内側の領域には配置していないため、接着層を液晶表示装置(偏光板)の全面に配置する従来の構成と比較して、コストを低減することができる。また、表示パネル100と表示パネル200との間には密閉空間(エアギャップ410)が形成され、空気の出入りが遮断されるため、異物の混入を防ぐことができる。
【0036】
[実施形態2]
本発明の実施形態2について、図面を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1において示した構成要素と構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施形態1において定義した用語については特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0037】
図9は、実施形態2に係る液晶表示装置10の断面図である。実施形態2に係る液晶表示装置10は、実施形態1に係る液晶表示装置10(
図5参照)と比較して、偏光板104、205及び接着層400の構成が異なっており、その他の構成は同一である。
【0038】
図10は、実施形態2に係る表示パネル100及び表示パネル200の貼合部分を示す図である。実施形態2に係る液晶表示装置10では、接着層400は、表示パネル100のガラス基板101aと、表示パネル200のガラス基板202aとの間の外周端部であって、偏光板104、205より外側の領域に配置されている。接着層400で囲まれた領域には偏光板104、205が配置され、偏光板104、205の間にはエアギャップ410(間隙)が形成されている。接着層400の厚みt1は、偏光板104、205それぞれの厚みの合計よりも厚くなっている。例えば、接着層400に両面テープを用いる場合、両面テープの厚みt1を0.6mmとし、偏光板104、205それぞれの厚みを0.26mmとすることができる。表示パネル100と表示パネル200とを貼り合わせる工程では、先ず、表示パネル200のガラス基板202aの観察者側の面における、偏光板205より外側の外周端部に両面テープ(接着層400)の一方の面を貼り付け、その後、表示パネル100を重ね合わせて、ガラス基板101aのバックライト側の面における、偏光板104より外側の外周端部に両面テープの他方の面を貼り付ける。これにより、表示パネル100と表示パネル200とは、ガラス基板101a、202a同士が接着層400を介して貼り合わされることにより固定される。
【0039】
上記構成によれば、実施形態1と同様にコストを低減することができる。また上記構成によれば、実施形態1(
図7参照)と比較して、表示パネル100と表示パネル200との間の距離(エアギャップ410)を狭くすることができる。このため、エアギャップ410の距離が大きい場合に起こり得る表示不良の問題(例えば、表示画像が二重に見える等の問題)を抑えることができる。また、実施形態1と比較して、接着層400の厚みt1を、偏光板104、205を合わせた厚みより厚くすることができ、また接着層400を、平坦性に優れたガラス面に接着させることができるため、接着力(粘着力)を向上させることができ、表示パネル100及び表示パネル200同士の接合力を向上させることができる。
【0040】
ここで、上記実施形態2の構成では、エアギャップ410が小さくなるため、表示パネル100、200や、偏光板104、205の反り等に起因して、偏光板104、205同士が部分的に接触する可能性がある。偏光板104、205同士が部分的に接触した場合、接触部分と非接触部分との境界で光が干渉(ニュートンリング)し、表示品位の低下を招く可能性がある。
【0041】
そこで、実施形態2に係る液晶表示装置10では、さらに、
図11に示すように、偏光板104、205が対向するそれぞれの面、すなわち、偏光板104における、偏光板205に対向する面(表面)と、偏光板205における、偏光板104に対向する面(表面)とに、粗面加工(アンチグレア処理)が施され、微細な凹凸が形成されている。
図11には、表示パネル100及び表示パネル200の貼合部分の一部を拡大して示している。偏光板104は、基板フィルムのTAC層104a、104cと、TAC層104a、104cの間に配置される偏光フィルム(偏光子)の偏光層104b(PVA層)とを含んで構成されている。同様に、偏光板205は、基板フィルムのTAC層205a、205cと、TAC層205a、205cの間に配置される偏光フィルム(偏光子)の偏光層205b(PVA層)とを含んで構成されている。尚、図示は省略するが、偏光板104、205には、それぞれ保護フィルム、粘着剤(離形フィルム)等が含まれている。
【0042】
図11に示すように、TAC層104cにおける、TAC層205cに対向する面(表面)と、TAC層205cにおける、TAC層104cに対向する面(表面)とに、粗面加工が施され、微細な凹凸が形成されている。粗面加工の方法としては、サンドブラスト方式、エンボス加工方式等の周知の方法を用いることができる。また、微粒子を含むバインダー樹脂層を形成しても良い。その際、光の拡散を小さくするために微粒子とバインダーの屈折率をほぼ同じにすることが好ましい。上記構成によれば、エアギャップ410が小さくなったとしても、偏光板104、205それぞれの対向する面の接触部分を分散させることができるため、光の干渉を抑えることができる。尚、上記粗面加工は、上記のように偏光板104の表面と偏光板205の表面との両方に施してもよいし、何れか一方だけに施してもよい。
【0043】
本発明の液晶表示装置10は、上記各構成に限定されない。例えば、
図12に示すように、接着層400の一部(ここでは、第1部分400a)が、他の部分(第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400d)よりも粘着力が弱くてもよい。例えば、接着層400に両面テープを用いる場合、先ず、第1部分400a、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400dのそれぞれの一方の面を表示パネル200のガラス基板202aに貼り付け、その後、第1部分400aだけ他方の面の剥離紙を剥がし、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400dのそれぞれの他方の面の剥離紙を残しておく。その後、表示パネル100を重ね合わせて、ガラス基板101aの一辺(液晶表示装置10の上辺10aに対応する辺)に第1部分400aの他方の面を貼り付ける。この状態では、上記一辺だけで表示パネル100及び表示パネル200が貼り合わされた状態となるため、両表示パネルの位置合わせのための調整が可能となる。その後、表示パネル100及び表示パネル200の位置合わせを行った後、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400dのそれぞれの剥離紙を剥がして、ガラス基板101aの残りの三辺に貼り付ける。これにより、表示パネル100と表示パネル200とが、接着層400により貼り合わされて固定される。上記構成によれば、表示パネル100と表示パネル200との位置合わせを正確に行うことができる。また、接着層400の一部は粘着力が弱いため、表示パネル100及び表示パネル200を剥がし易くなり、リペア時の作業性を向上させることができる。
【0044】
尚、接着層400のうち粘着力が弱い部分の場所及び数は限定されない。例えば、
図13に示すように、液晶表示装置10の四隅(角部)に対応する位置に、第1部分400a、第2部分400b、第3部分400c、及び第4部分400dよりも粘着力が弱い第5部分400eを配置してもよい。
【0045】
また液晶表示装置10の他の構成として、例えば、
図14に示すように、接着層400の一部(ここでは、第1部分400a)が省略されてもよい。すなわち、接着層400の一部に開口部400fが形成されてもよい。この構成によれば、表示パネル100と表示パネル200との間の領域(エアギャップ410)が密閉されず空気の出入りが可能となるため、該領域における空気の熱膨張に起因して表示パネル100及び表示パネル200の接着が剥がれることを防ぐことができる。
【0046】
図14に示す構成では、さらに、接着層400における、駆動回路(ソースドライバ、ゲートドライバ等)が配置される側の部分と、その反対側の部分とに開口部400fが形成されてもよい。
図15に示す例では、ソースドライバが配置される側(下辺10c)の第3部分400cと、その反対側(上辺10a)の第1部分400aとに、開口部400fが形成されている。上記構成によれば、表示パネル100と表示パネル200との間の領域(エアギャップ410)において、空気の流れを生じさせることができるため、液晶表示装置10の放熱効果を得ることができる。尚、上記構成では、開口部400fは、対向する2辺のそれぞれに少なくとも1カ所ずつ設けられていればよく、その数は限定されない。
【0047】
また液晶表示装置10の他の構成として、例えば、
図16に示すように、表示パネル200のCOF(Chip on Film)部を避けた領域に接着層400を配置し(
図16(b))、表示パネル100(
図16(a))と貼り合わせてもよい。
図16に示す構成では、接着層400には、両面テープを用いてもよいが、作業性を考慮すると、シリコン樹脂系接着剤を用いることが好ましい。また、
図17に示すように、表示パネル200のCOF(Chip on Film)部の上方を覆うように、表示パネル200の全周に接着層400を配置し(
図17(b))、表示パネル100(
図17(a))と貼り合わせてもよい。
図16に示す構成では、接着層400には、両面テープを用いてもよいが、COF部の段差等を考慮すると、シリコン樹脂系接着剤を用いることが好ましい。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。