(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パワーモジュールは、Si系またはSiC系のIGBT、ダイオード、MOSFET、GaN系FETのいずれかを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のパワーモジュール。
前記パワーモジュールは、ワンインワンモジュール、ツーインワンモジュール、フォーインワンモジュール、シックスインワンモジュール、セブンインワンモジュール、エイトインワンモジュール、トゥエルブインワンモジュール、またはフォーティーンインワンモジュールのいずれかを構成することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のパワーモジュール。
前記パワーモジュールは、Si系またはSiC系のIGBT、ダイオード、MOSFET、GaN系FETのいずれかを備えることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載のパワーモジュールの製造方法。
前記パワーモジュールは、ワンインワンモジュール、ツーインワンモジュール、フォーインワンモジュール、シックスインワンモジュール、セブンインワンモジュール、エイトインワンモジュール、トゥエルブインワンモジュール、またはフォーティーンインワンモジュールのいずれかを構成することを特徴とする請求項11〜19のいずれか1項に記載のパワーモジュールの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本実施の形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係などは現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、各構成部品の材質、形状、構造、配置などを特定するものではない。この実施の形態は、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0013】
[比較例]
まず、比較例に係るパワーモジュールについて説明する。パワーモジュールの全体構造は後述することとし、ここでは反りの原因となる構造に着目して説明する。
【0014】
比較例に係るパワーモジュールの要部は、
図1に示すように表される。
図1に示すように、比較例に係るパワーモジュールでは、異方性を有するグラファイト基板61の表面が等方材料の樹脂62Aで封止された構造を採用している。一般的に、封止樹脂はトランスファー成型され、封止樹脂としては、等方的な物性を有するエポキシ樹脂が利用される。既に説明したように、グラファイト基板61のCTEは、X方向に約25ppm/K、Y方向に約−0.6ppm/Kであるため、CTEのミスマッチによりグラファイト基板61に反りが発生してしまう。
【0015】
[実施の形態]
以下、実施の形態に係るパワーモジュールについて説明する。
【0016】
(熱可塑性樹脂)
実施の形態に係るパワーモジュールの要部は、
図2に示すように表される。
図2に示すように、実施の形態に係るパワーモジュールでは、熱可塑性樹脂62のCTEの異方性をグラファイト基板61のCTEの異方性と組み合わせる構造を採用している。これにより、CTEマッチングが可能となるため、反りを抑制することができる。
【0017】
具体的には、グラファイト基板61のCTEは、X方向に約25ppm/K、Y方向に約−0.6ppm/Kである。この場合、熱可塑性樹脂62のCTEも、X方向に約25ppm/K、Y方向に約−0.6ppm/Kとする。熱可塑性樹脂(特に、液晶ポリマー)62は、成型時の樹脂注入方向に従って異方性が生じる。成型条件や注入方向を制御することで、本構造を実現することが可能である。なお、以下の説明では、樹脂、熱可塑性樹脂、および液晶ポリマーに同じ符号62を用いる。
【0018】
(樹脂の異方性制御方法)
実施の形態に係るパワーモジュールは、射出成型によって成型され、封止樹脂としては、熱可塑性の液晶ポリマー62が利用される。液晶ポリマー62は、結晶化潜熱が小さく、流動方向に異方性を有する。液晶ポリマー62の配向を制御することで、CTEを制御する。具体的には、液晶ポリマー62のX方向、Y方向のCTEをグラファイト基板61のX方向、Y方向のCTEに合せるようにする。
【0019】
CTEを合せるとは、CTEを完全に一致させることを意味するものではない。少なくとも、グラファイト基板61がX方向に比べてY方向に熱膨張率が小さい場合は、樹脂62もX方向に比べてY方向に熱膨張率が小さければよい。
【0020】
実施の形態に係るパワーモジュールが備える液晶ポリマー62の異方性制御方法は、
図3に示すように表される。
図3に示すように、液晶ポリマー62の流動方向73に液晶が配向するため、低CTE方向に液晶ポリマー62の注入ゲート71,72を配置する。注入ゲート71,72から液晶ポリマー62を注入する注入スピードや、注入ゲート71,72のゲート位置などを調整することで、液晶ポリマー62のX方向、Y方向のCTEを制御する。液晶ポリマー62の注入方向71A,72Aは、Y方向(流動方向73)を基準として、例えば−45度以上+45度以下であればよい。
【0021】
このような異方性制御方法を採用した場合、液晶ポリマー62には、低CTE方向に注入ゲート71,72が配置されたときのゲート痕71B,72Bが形成されることになる。これにより、ゲート痕71B,72Bに基づいて、低CTE方向に注入ゲート71,72が配置されたことを確認することが可能である。
【0022】
また、液晶の配向方向をX線により認識することができる場合もある。その場合は、X線により認識される液晶の配向方向に基づいて、低CTE方向に注入ゲート71,72が配置されたことを確認することも可能である。
【0023】
(シミュレーションの構造モデル)
実施の形態に係るパワーモジュールのシミュレーションの構造モデルは、
図4(a)に示すように表される。
図4に示すように、40mm×40mm×3mmのグラファイト基板61が50mm×50mm×6mmの樹脂62で封止された構造モデルとする。
図4(b)は、
図4(a)の1/4モデルを表しており、61の表面および側面を62で封止している様子を表し、図の右下角を変位の原点とする。温度条件は、40℃から300℃に加熱した場合を想定する。
【0024】
シミュレーションに用いるパラメータは、
図5に示すように表される。
図5に示すように、グラファイト基板GFのCTEはX方向に−0.6ppm/K、Y方向に25ppm/K、Z方向に−0.6ppm/Kとする。グラファイト基板GFのヤング率Eは50GPaとし、グラファイト基板GFのポアソン比νは0.3とする。一方、樹脂62としては、等方的な樹脂(Low−CTE),樹脂(Middle−CTE),樹脂(High−CTE)と、異方性の樹脂(Asym−CTE)とを用いる。以下、樹脂(Low−CTE)を樹脂RA,樹脂(Middle−CTE)を樹脂RB,樹脂(High−CTE)を樹脂RC、異方性の樹脂(Asym−CTE)を樹脂RDという。
【0025】
樹脂RAのCTEは−0.6ppm/K、樹脂RBのCTEは12ppm/K、樹脂RCのCTEは25ppm/Kとする。樹脂RDのCTEはX方向に−0.6ppm/K、Y方向に25ppm/K、Z方向に12ppm/Kとする。これら4つの樹脂RA,RB,RC,RDのヤング率Eは全て10GPaとし、ポアソン比νは全て0.3とする。
【0026】
(シミュレーション結果)
次に、シミュレーション結果について説明する。
【0027】
―反り結果―
図4および
図5に示される条件でシミュレーションした場合に発生する構造モデルの反りは、
図6および
図7に示すように表される。
図6(a)は、グラファイト基板GFが樹脂RAで封止された構造モデル62aの反りを示している。
図6(b)は、グラファイト基板GFが樹脂RBで封止された構造モデル62bの反りを示している。
図6(c)は、グラファイト基板GFが樹脂RCで封止された構造モデル62cの反りを示している。
図6(d)は、グラファイト基板GFが樹脂RDで封止された構造モデル62dの反りを示している。
図7は、
図6に示される4つの構造モデル62a,62b,62c,62dの反りを比較している。
【0028】
図6(a)および
図7に示すように、樹脂RAで封止された構造モデル62aは、+280μm程度、端部が反っている。また、
図6(b)および
図7に示すように、樹脂RBで封止された構造モデル62bは、−130μm〜+130μm程度、端部が反っている。また、
図6(c)および
図7に示すように、樹脂RCで封止された構造モデル62cは、−280μm程度、端部が反っている。また、
図6(d)および
図7に示すように、樹脂RDで封止された構造モデル62dは、ほとんど反りが発生していない。
【0029】
このように、等方的な樹脂RA,樹脂RB,樹脂RCを用いた場合は、CTEを変動させても、反りの抑制が困難である。それに対して、異方性の樹脂RDを用いた場合は、反りを抑制することが可能である。
【0030】
―応力結果―
次に、
図4および
図5に示される条件でシミュレーションした場合に樹脂RA,RB,RC,RDやグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力について説明する。ミーゼス応力とは、[数1]の定義式に示すように、物体内部に生じる応力状態を単一の値で示すために用いられる相当応力の1つである。定義式中のσ1は最大主応力、σ2は中間主応力、σ3は最小主応力である。
【0032】
図4および
図5に示される条件でシミュレーションした場合に樹脂RA,RB,RC,RDにかかるミーゼス応力σ
Rは、
図8および
図9に示すように表される。
図8(a)は、構造モデル62aの樹脂RAにかかるミーゼス応力σ
Rを示している。
図8(b)は、構造モデル62bの樹脂RBにかかるミーゼス応力σ
Rを示している。
図8(c)は、構造モデル62cの樹脂RCにかかるミーゼス応力σ
Rを示している。
図8(d)は、構造モデル62dの樹脂RDにかかるミーゼス応力σ
Rを示している。
図9は、
図8に示される4つの構造モデル62a,62b,62c,62dの樹脂RA,RB,RC,RDにかかるミーゼス応力σ
Rの最大値を比較している。
【0033】
図8(a)および
図9に示すように、構造モデル62aの樹脂RAには、最大で80MPa程度のミーゼス応力σ
Rがかかっている。また、
図8(b)および
図9に示すように、構造モデル62bの樹脂RBには、最大で70MPa程度のミーゼス応力σ
Rがかかっている。また、
図8(c)および
図9に示すように、構造モデル62cの樹脂RCには、最大で140MPa程度のミーゼス応力σ
Rがかかっている。また、
図8(d)および
図9に示すように、構造モデル62dの樹脂RDには、最大で50MPa程度のミーゼス応力σ
Rがかかっている。すなわち、グラファイト基板GFとCTEが合っている樹脂RA,RB,RC,RDにかかるミーゼス応力σ
Rは低いことが分かる。
【0034】
図4および
図5に示される条件でシミュレーションした場合にグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力σ
Gは、
図10および
図11に示すように表される。
図10(a)は、構造モデル62aのグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力σ
Gを示している。
図10(b)は、構造モデル62bのグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力σ
Gを示している。
図10(c)は、構造モデル62cのグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力σ
Gを示している。
図10(d)は、構造モデル62dのグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力σ
Gを示している。
図11は、
図10に示される4つの構造モデル62a,62b,62c,62dのグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力σ
Gの最大値を比較している。
【0035】
図10(a)および
図11に示すように、構造モデル62aのグラファイト基板GFには、最大で310MPa程度のミーゼス応力σ
Gがかかっている。また、
図10(b)および
図11に示すように、構造モデル62bのグラファイト基板GFには、最大で240MPa程度のミーゼス応力σ
Gがかかっている。また、
図10(c)および
図11に示すように、構造モデル62cのグラファイト基板GFには、最大で350MPa程度のミーゼス応力σ
Gがかかっている。また、
図10(d)および
図11に示すように、構造モデル62dのグラファイト基板GFには、最大で120MPa程度のミーゼス応力σ
Gがかかっている。すなわち、樹脂RA,RB,RCよりも、CTEが合っているRDの方がグラファイト基板GFにかかるミーゼス応力σ
Gは低いことが分かる。
【0036】
(実施例)
次に、実施例に係るパワーモジュールについて説明する。ここでは、基本構造として、1in1タイプのパワーモジュールを例示する。
【0037】
−実施例1−
実施例1に係るパワーモジュールの模式的側面構造は、
図12(a)に示すように表され、その模式的平面構造は、
図12(b)に示すように表される。
図12(a)(b)に示すように、実施例1に係るパワーモジュールは、異方性を有する基板61と、基板61上に実装された半導体デバイス(チップ)64と、基板61上に積層された樹脂62とを備え、基板面の任意の方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向とした場合、基板61は、X方向に比べてY方向に熱膨張率が小さく、樹脂62は、X方向に比べてY方向に熱膨張率が小さい。
【0038】
具体的には、基板61は、グラファイト基板61であってもよい。
【0039】
また、グラファイト基板61は、面方向よりも厚み方向に熱伝導率が相対的に高い配向を備えてもよい(後述する)。
【0040】
また、樹脂62は、熱可塑性樹脂62であってもよい。
【0041】
また、熱可塑性樹脂62は、液晶ポリマー62であってもよい。
【0042】
また、パワーモジュールは、射出成型によって成型され、樹脂62は、成型時の注入方向に従って異方性が生じ、低熱膨張率方向に注入ゲート71,72が配置されたときのゲート痕71B,72Bを備えてもよい(
図3参照)。
【0043】
また、樹脂62の注入方向71A,72Aは、Y方向を基準として−45度以上+45度以下であってもよい(
図3参照)。
【0044】
また、基板61上に銅層63が形成され、銅層63上に半導体デバイス64が形成され、半導体デバイス64がワイヤ65を介してパワー端子66に接続され、パワー端子66の一部を除き、樹脂62により封止されていてもよい。
【0045】
また、パワーモジュールは、Si系またはSiC系のIGBT、ダイオード、MOSFET、GaN系FETのいずれかを備えてもよい。
【0046】
また、パワーモジュールは、ワンインワンモジュール、ツーインワンモジュール、フォーインワンモジュール、シックスインワンモジュール、セブンインワンモジュール、エイトインワンモジュール、トゥエルブインワンモジュール、またはフォーティーンインワンモジュールのいずれかを構成してもよい。
【0047】
以上のように、実施例1に係るパワーモジュールによれば、CTEをマッチングするように樹脂を注入するようにしたので、グラファイト基板61の反りを抑制することができる。
【0048】
−実施例2−
次に、実施例2に係るパワーモジュールを実施例1と異なる点のみ説明する。
【0049】
実施例2に係るパワーモジュールの模式的側面構造は、
図13に示すように表される。
図13に示すように、グラファイト基板61と対向する位置に別のグラファイト基板69が配置され、グラファイト基板61,69の対向面及び側面が樹脂62で封止されている。半導体デバイス64は、銅などのスペーサー67(柱状電極)と、グラファイト基板69上に形成された銅層68とを介して、パワー端子66に接続されている。この場合も、グラファイト基板61,69は、X方向に比べてY方向に熱膨張率が小さく、樹脂62は、X方向に比べてY方向に熱膨張率が小さい点は実施例1と同様である。
【0050】
以上のように、実施例2に係るパワーモジュールでも、実施例1と同様、CTEマッチングが可能となるとともに、グラファイト基板61,69の反りが互いの反りを打ち消すようになるため、より反りを抑制することができる。
【0051】
−パワーモジュールの製造方法−
次に、実施例に係るパワーモジュールの製造方法について説明する。
【0052】
実施例に係るパワーモジュールの製造方法は、異方性を有する基板61が形成される工程と、基板61上に半導体デバイス64が実装される工程と、基板61上に樹脂62が積層される工程とを有し、基板面の任意の方向をX方向、X方向に直交する方向をY方向とした場合、基板61は、X方向に比べてY方向に熱膨張率が小さくなるように形成され、樹脂62は、X方向に比べてY方向に熱膨張率が小さくなるように形成される。
【0053】
以上のように、実施例に係るパワーモジュールの製造方法によれば、CTEマッチングが可能となるため、反りを抑制することができるパワーモジュールを製造することが可能である。
【0054】
また、半導体デバイスの上方に、基板と対向するように(その熱膨張率が基板の異方性と同じ方向に)第2の基板を配置する工程と、各端子と基板および第2の基板の対向する面と反対側の面の一部を除き、樹脂により封止する工程とを更に有してもよい。
【0055】
(グラファイト基板)
次に、グラファイト基板61(69)について詳細に説明する。
【0056】
グラファイト基板61を構成するグラファイトシート(グラフェン)GSの模式的構成(積層構造例)は、
図14に示すように表わされる。
【0057】
グラファイトプレートGPには、厚み方向よりも面方向に熱伝導率が高いXY配向を有する第1のグラファイトプレートGP(XY)と、面方向よりも厚み方向に熱伝導率が高いXZ配向を有する第2のグラファイトプレートGP(XZ)とがあり、第1のグラファイトプレートGP(XY)は
図15(a)に示すように表わされ、第2のグラファイトプレートGP(XZ)は
図15(b)に示すように表わされる。
【0058】
図14に示すように、n層からなる各面のグラファイトシートGS1・GS2・GS3・…・GSnは、1つの積層結晶構造の中に多数の六方晶系の共有結合を有し、各面のグラファイトシートGS1・GS2・GS3・…・GSn間がファンデルワールス力によって結合されるようになっている。
【0059】
すなわち、炭素系異方伝熱材料であるグラファイトは、炭素原子の六角形網目構造の層状結晶体であって、熱伝導も異方性を持っており、
図14に示すグラファイトシートGS1・GS2・GS3・…・GSnは、結晶面方向(XY面上)に対して、Z軸の厚さ方向よりも大きな熱伝導度(高い熱伝導率)を有する。
【0060】
したがって、
図15(a)に示すように、XY配向を有する第1のグラファイトプレートGP(XY)は、例えば、X=1500(W/mK)程度、Y=1500(W/mK)程度、Z=5(W/mK)程度の熱伝導率を備える。
【0061】
一方、
図15(b)に示すように、XZ配向を有する第2のグラファイトプレートGP(XZ)は、例えば、X=1500(W/mK)程度、Y=5(W/mK)程度、Z=1500(W/mK)程度の熱伝導率を備える。
【0062】
なお、第1のグラファイトプレートGP(XY)と第2のグラファイトプレートGP(XZ)は、共に、密度が2.2(g/cm
3 )程度であり、厚さが0.7mm〜10mm程度であり、大きさが40mm×40mm程度以下である。
【0063】
なお、本実施の形態に係るパワーモジュール2においては、主として1 in 1モジュール(基本構成)、2 in 1モジュールについて説明したが、これに限らず、例えばフォーインワン(4 in 1)モジュール、シックスインワン(6 in 1)モジュール、6 in 1モジュールュールにスナバコンデンサなどを備えたセブンインワン(7 in 1)モジュール、エイトインワン(8 in 1)モジュール、トゥエルブインワン(12 in 1)モジュール、フォーティーンイン(14 in 1)ワンモジュールなどにも適用できる。
【0064】
(半導体デバイスの具体例)
実施の形態に係るパワーモジュールであって、1 in 1モジュール50のSiC MOSFETの模式的回路表現は、
図16(a)に示すように表され、1 in 1モジュール50のIGBTの模式的回路表現は、
図16(b)に示すように表される。
図16(a)には、MOSFETに逆並列接続されるダイオードDIが示されている。MOSFETの主電極は、ドレイン端子DTおよびソース端子STで表される。同様に、
図16(b)には、IGBTに逆並列接続されるダイオードDIが示されている。IGBTの主電極は、コレクタ端子CTおよびエミッタ端子ETで表される。
【0065】
また、実施の形態に係るパワーモジュールにであって、1 in 1モジュール50のSiC MOSFETの詳細回路表現は、
図17に示すように表される。
【0066】
1 in 1モジュール50は、例えば、1個のMOSFETが1つのモジュールに内蔵されているが、そのMOSFETは、複数(例えば2〜5個)の半導体チップを並列接続したものでもよい。SiC トランジスタを用いる場合には、大きなチップサイズで形成することが難しいので、特に有用な方法となる。なお、各チップの内、一部をダイオードDI用として搭載することも可能である。
【0067】
さらに詳細には、
図17に示すように、MOSFETQに並列にセンス用MOSFETQsが接続される。センス用MOSFETQsは、MOSFETQと同一チップ内に、微細トランジスタとして形成されている。
図17において、SSはソースセンス端子、CSは電流センス端子であり、Gはゲート信号端子である。実施の形態に係るパワーモジュールにおいても、MOSFETQには、センス用MOSFETQsが同一チップ内に、微細トランジスタとして形成されていても良い。
【0068】
(回路構成)
実施の形態に係るパワーモジュールであって、2 in 1モジュール100のSiC MOSFETの模式的回路表現は、
図18(a)に示すように表され、2 in 1モジュール100のIGBTの模式的回路表現は、
図18(b)に示すように表される。
【0069】
実施の形態に係るパワーモジュールであって、2個(組)の半導体デバイスQ1・Q4が1つのモールド樹脂に封止された2 in 1タイプのモジュールについて説明する。
【0070】
半導体デバイスQ1・Q4として、SiC MOSFETを適用した2 in 1モジュール100は、
図18(a)に示すように、2個(組)のSiC MOSFETQ1・Q4が内蔵されたハーフブリッジ構成を備える。
【0071】
ここで、各半導体デバイスは、1つの大きなトランジスタとみなすことができるが、内蔵トランジスタが1チップまたは複数チップの場合がある。また、モジュールには、1 in 1、2 in 1、4 in 1、6 in 1などがあり、例えば、1つのモジュールにおいて、2個分のトランジスタ(チップ)からなるハーフブリッジを内蔵したモジュールは2 in 1、2 in 1を2組み内蔵したモジュールは4 in 1、2 in 1を3組み内蔵したモジュールは6 in 1と呼ばれる。
【0072】
図18(a)に示すように、2 in 1モジュール100には、直列接続された2個のSiC MOSFETQ1・Q4と、SiC MOSFETQ1・Q4にそれぞれ逆並列接続されるダイオードDI1・DI4が内蔵される。
図18(a)において、G1はMOSFETQ1のゲート信号用のリード端子であり、S1はMOSFETQ1のソース信号用のリード端子である。同様に、G4はMOSFETQ4のゲート信号用のリード端子であり、S4はMOSFETQ4のソース信号用のリード端子である。Pは正側電力端子であり、Nは負側電力端子であり、Oは出力端子電極である。
【0073】
また、半導体デバイスQ1・Q4として、IGBTを適用した2 in 1モジュール100には、
図18(b)に示すように、直列接続された2個のIGBTQ1・Q4と、IGBTQ1・Q4にそれぞれ逆並列接続されるダイオードDI1・DI4が内蔵される。
図18(b)において、G1はIGBTQ1のゲート信号用のリード端子であり、E1はIGBTQ1のエミッタ信号用のリード端子である。同様に、G4はIGBTQ4のゲート信号用のリード端子であり、E4はIGBTQ4のエミッタ信号用のリード端子である。
【0074】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスQ2・Q5、および半導体デバイスQ3・Q6についても同様である。
【0075】
(デバイス構造)
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスQ1・Q4の例であって、ソースパッド電極SPD、ゲートパッド電極GPDを含むSiC MOSFET130Aの模式的断面構造は、
図19に示すように表される。
【0076】
図19に示すように、SiC MOSFET130Aは、n
-高抵抗層からなる半導体層31と、半導体層31の表面側に形成されたpボディ領域32と、pボディ領域32の表面に形成されたソース領域33と、pボディ領域32間の半導体層31の表面上に配置されたゲート絶縁膜34と、ゲート絶縁膜34上に配置されたゲート電極35と、ソース領域33およびpボディ領域32に接続されたソース電極36と、半導体層31の表面と反対側の裏面に配置されたn
+ドレイン領域37と、n
+ドレイン領域37に接続されたドレイン電極38とを備える。
【0077】
ゲートパッド電極GPDは、ゲート絶縁膜34上に配置されたゲート電極35に接続され、ソースパッド電極SPDは、ソース領域33およびpボディ領域32に接続されたソース電極36に接続される。また、ゲートパッド電極GPDおよびソースパッド電極SPDは、
図19に示すように、SiC MOSFET130Aの表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜39上に配置される。
【0078】
なお、ゲートパッド電極GPDおよびソースパッド電極SPDの下方の半導体層31内には、図示していないが、微細構造のトランジスタ構造が形成されていても良い。
【0079】
さらに、
図19に示すように、中央部のトランジスタ構造においても、パッシベーション用の層間絶縁膜39上にソースパッド電極SPDが延在して配置されていても良い。
【0080】
図19において、SiC MOSFET130Aは、プレーナゲート型のnチャネル縦型SiC MOSFETで構成されているが、後述する
図22に示すように、トレンチゲート型のnチャネル縦型SiC TMOSFET130Dなどで構成されていても良い。
【0081】
または、実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスQ1・Q4としては、SiC MOSFET130Aの代わりに、GaN系FETなどを採用することもできる。
【0082】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスQ2・Q5、および半導体デバイスQ3・Q6についても同様である。
【0083】
さらには、実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスQ1〜Q6には、バンドギャップエネルギーが、例えば、1.1eV〜8eVのワイドバンドギャップ型と称される半導体を用いることができる。
【0084】
同様に、実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスQ1・Q4の例であって、エミッタパッド電極EPD、ゲートパッド電極GPDを含むIGBT130Bの模式的断面構造は、
図20に示すように表される。
【0085】
図20に示すように、IGBT130Bは、n
-高抵抗層からなる半導体層31と、半導体層31の表面側に形成されたpボディ領域32と、pボディ領域32の表面に形成されたエミッタ領域33Eと、pボディ領域32間の半導体層31の表面上に配置されたゲート絶縁膜34と、ゲート絶縁膜34上に配置されたゲート電極35と、エミッタ領域33Eおよびpボディ領域32に接続されたエミッタ電極36Eと、半導体層31の表面と反対側の裏面に配置されたp
+コレクタ領域37Pと、p
+コレクタ領域37Pに接続されたコレクタ電極38Cとを備える。
【0086】
ゲートパッド電極GPDは、ゲート絶縁膜34上に配置されたゲート電極35に接続され、エミッタパッド電極EPDは、エミッタ領域33Eおよびpボディ領域32に接続されたエミッタ電極36Eに接続される。また、ゲートパッド電極GPDおよびエミッタパッド電極EPDは、
図20に示すように、IGBT130Bの表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜39上に配置される。
【0087】
なお、ゲートパッド電極GPDおよびエミッタパッド電極EPDの下方の半導体層31内には、図示していないが、微細構造のIGBT構造が形成されていても良い。
【0088】
さらに、
図20に示すように、中央部のIGBT構造においても、パッシベーション用の層間絶縁膜39上にエミッタパッド電極EPDが延在して配置されていても良い。
【0089】
図20において、IGBT130Bは、プレーナゲート型のnチャネル縦型IGBTで構成されているが、トレンチゲート型のnチャネル縦型IGBTなどで構成されていても良い。
【0090】
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスQ2・Q5、および半導体デバイスQ3・Q6についても同様である。
【0091】
半導体デバイスQ1〜Q6としては、後述するようなSiC DIMOSFET、SiC TMOSFETなどのSiC系パワーデバイス、或いはGaN系HEMTなどのGaN系パワーデバイスを適用可能である。また、場合によっては、Si系MOSFETやSiC系IGBTなどのパワーデバイスも適用可能である。
【0092】
―SiC DIMOSFET―
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC DIMOSFET130Cの模式的断面構造は、
図21に示すように表される。
【0093】
図21に示すSiC DIMOSFET130Cは、n
-高抵抗層からなる半導体層31と、半導体層31の表面側に形成されたpボディ領域32と、pボディ領域32の表面に形成されたn
+ソース領域33と、pボディ領域32間の半導体層31の表面上に配置されたゲート絶縁膜34と、ゲート絶縁膜34上に配置されたゲート電極35と、ソース領域33およびpボディ領域32に接続されたソース電極36と、半導体層31の表面と反対側の裏面に配置されたn
+ドレイン領域37と、n
+ドレイン領域37に接続されたドレイン電極38とを備える。
【0094】
図21において、SiC DIMOSFET130Cは、pボディ領域32と、pボディ領域32の表面に形成されたn
+ソース領域33が、ダブルイオン注入(DII)で形成され、ソースパッド電極SPDは、ソース領域33およびpボディ領域32に接続されたソース電極36に接続される。
【0095】
図示を省略するゲートパッド電極GPDは、ゲート絶縁膜34上に配置されたゲート電極35に接続される。また、ソースパッド電極SPDおよびゲートパッド電極GPDは、
図21に示すように、SiC DIMOSFET130Cの表面を覆うように、パッシベーション用の層間絶縁膜39上に配置される。
【0096】
SiC DIMOSFET130Cは、
図21に示すように、pボディ領域32に挟まれたn
-高抵抗層からなる半導体層31内に、破線で示されるような空乏層が形成されるため、接合型FET(JFET)効果に伴うチャネル抵抗R
JFETが形成される。また、pボディ領域32/半導体層31間には、
図21に示すように、ボディダイオードBDが形成される。
【0097】
―SiC TMOSFET―
実施の形態に係るパワーモジュールに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC TMOSFET130Dの模式的断面構造は、
図22に示すように表される。
【0098】
図22に示すSiC TMOSFET130Dは、n層からなる半導体層31Nと、半導体層31Nの表面側に形成されたpボディ領域32と、pボディ領域32の表面に形成されたn
+ソース領域33と、pボディ領域32を貫通し、半導体層31Nまで形成されたトレンチ内にゲート絶縁膜34および層間絶縁膜39U・39Bを介して形成されたトレンチゲート電極35TGと、ソース領域33およびpボディ領域32に接続されたソース電極36と、半導体層31Nの表面と反対側の裏面に配置されたn
+ドレイン領域37と、n
+ドレイン領域37に接続されたドレイン電極38とを備える。
【0099】
図22において、SiC TMOSFET130Dは、pボディ領域32を貫通し、半導体層31Nまで形成されたトレンチ内にゲート絶縁膜34および層間絶縁膜39U・39Bを介してトレンチゲート電極35TGが形成され、ソースパッド電極SPDは、ソース領域33およびpボディ領域32に接続されたソース電極36に接続される。
【0100】
図示を省略するゲートパッド電極GPDは、ゲート絶縁膜34上に配置されたトレンチゲート電極35TGに接続される。また、ソースパッド電極SPDおよびゲートパッド電極GPDは、
図20に示すように、SiC TMOSFET130Dの表面を覆うように、パッシベーション用の層間絶縁膜39U上に配置される。
【0101】
SiC TMOSFET130Dでは、SiC DIMOSFET130CのようなJFET効果に伴うチャネル抵抗R
JFETは形成されない。pボディ領域32/半導体層31N間には、
図21と同様に、ボディダイオードBDが形成される。
【0102】
(応用例)
実施の形態に係るパワーモジュールを用いて構成した3相交流インバータ40Aの回路構成において、半導体デバイスとしてSiC MOSFETを適用し、電源端子PL・接地端子NL間にスナバコンデンサCを接続した回路構成例は、
図23(a)に示すように表される。同様に、半導体デバイスとしてIGBTを適用し、電源端子PL・接地端子NL間にスナバコンデンサCを接続した3相交流インバータ40Bの回路構成例は、
図23(b)に示すように表される。
【0103】
パワーモジュールを電源Eと接続し、スイッチング動作を行うと、接続ラインの有するインダクタンスLによって、SiC MOSFETやIGBTのスイッチング速度が速いため、大きなサージ電圧Ldi/dtを生ずる。例えば、電流変化di=300Aとし、スイッチングに伴う時間変化dt=100nsecとすると、di/dt=3×10
9(A/s)となる。
【0104】
インダクタンスLの値により、サージ電圧Ldi/dtの値は変化するが、電源Eに、このサージ電圧Ldi/dtが重畳される。電源端子PL・接地端子NL間に接続されるスナバコンデンサCによって、このサージ電圧Ldi/dtを吸収することができる。
【0105】
(具体例)
次に、
図24を参照して、半導体デバイスとしてSiC MOSFETを適用した3相交流インバータ42Bについて説明する。
【0106】
図24に示すように、3相交流インバータ42Aは、複数のスイッチング素子が形成されたパワーモジュール部200と、各スイッチング素子のスイッチング動作を制御するためのゲートドライバ(GD)180と、各スイッチング素子による出力が夫々接続された3相交流モータ部51と、電源もしくは蓄電池(E)53と、電源53の電力を変換して各スイッチング素子に電力を供給するコンバータ55とを備える。パワーモジュール部200は、3相交流モータ部51のU相、V相、W相に対応して、U相、V相、W相のインバータが接続されている。
【0107】
ここで、GD180は、SiC MOSFETQ1・Q4、SiC MOSFETQ2・Q5、およびSiC MOSFETQ3・Q6の各ゲート端子にそれぞれ接続され、各MOSFETのスイッチング動作を制御する。
【0108】
パワーモジュール部200は、電源もしくは蓄電池(E)53が接続されたコンバータ55のプラス端子(+)Pとマイナス端子(−)Nとの間に接続され、インバータ構成のSiC MOSFETQ1・Q4、Q2・Q5、およびQ3・Q6を備える。また、SiC MOSFETQ1〜Q6のソース・ドレイン間には、フリーホイールダイオードDI1〜DI6がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0109】
次に、
図25を参照して、半導体デバイスとしてIGBTを適用し、実施の形態に係るパワーモジュールを用いて構成した3相交流インバータ42Bについて説明する。
【0110】
図25に示すように、3相交流インバータ42Bは、パワーモジュール部200と、GD180と、3相交流モータ部51と、電源もしくは蓄電池(E)53と、コンバータ55とを備える。パワーモジュール部200は、3相交流モータ部51のU相、V相、W相に対応して、U相、V相、W相のインバータが接続されている。
【0111】
ここで、GD180は、IGBTQ1・Q4、IGBTQ2・Q5、およびIGBTQ3・Q6に接続されている。
【0112】
パワーモジュール部200は、蓄電池(E)53が接続されたコンバータ55のプラス端子(+)Pとマイナス端子(−)Nとの間に接続され、インバータ構成のIGBT Q1・Q4、Q2・Q5、およびQ3・Q6を備える。また、IGBT Q1〜Q6のエミッタ・コレクタ間には、フリーホイールダイオードDI1〜DI6がそれぞれ逆並列に接続されている。
【0113】
[別の実施の形態1]
以上説明したような反りを抑制する構成を適用可能なパワーモジュールを幾つか例示する。以下に例示するパワーモジュールでも、基板としてグラファイト基板を採用し、グラファイト基板上に樹脂を積層し、樹脂のX方向、Y方向のCTEをグラファイト基板のX方向、Y方向のCTEに合せることが可能である。なお、以下の説明では、パワーモジュールを「PM」と記載する場合がある。
【0114】
実施の形態に係るPM1であって、樹脂モールド前の模式的鳥瞰パターン構成は
図26に示すように表される。なお、ここでは、パワー素子系の半導体デバイス(パワーデバイス)として、SiC MOSFETQ1・Q4を適用した、2 in 1モジュールタイプのハーフブリッジ内蔵モジュールを例に説明する。
【0115】
そして、実施の形態に係るPM1であって、モールドタイプのモジュールとして、ハーフブリッジ内蔵モジュールの樹脂モールド後の模式的鳥瞰構成は、
図27に示すように表わされる。
【0116】
なお、実施の形態に係るPM1は、直列接続された2個のSiC MOSFETQ1・Q4が、1つのモジュールに内蔵されたハーフブリッジ内蔵モジュールの構成を備える。
【0117】
実施の形態に係るPM1は、
図27に示すように、樹脂モールド層115に被覆されたセラミックス基板21の第1の辺に配置された正側電源入力端子電極(正側電力端子)Pおよび負側電源入力端子電極(負側電力端子)Nと、第1の辺に隣接する第2の辺に配置されたゲート端子(ゲート)GT1・ソースセンス端子SST1と、第1の辺に対向する第3の辺に配置された出力端子電極(出力端子)Oと、第2の辺に対向する第4の辺に配置されたゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4とを備える。
【0118】
なお、実施の形態に係るPM1は、出力端子Oを2個備えた4電力端子構造のパワーモジュールとなっている。
【0119】
ここで、
図26〜
図27に示すように、ゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1は、SiC MOSFETQ1のゲート信号電極パターンGL1・ソース信号電極パターンSL1に接続され、ゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4は、SiC MOSFETQ4のゲート信号電極パターンGL4・ソース信号電極パターンSL4に接続される。
【0120】
図26〜
図27に示すように、ゲート信号電極パターンGL1・GL4およびソース信号電極パターンSL1・SL4には、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびソースセンス端子SST1・SST4がハンダ付けなどによって接続される。
【0121】
なお、
図26〜
図27に示すように、ゲート信号電極パターンGL1・GL4およびソース信号電極パターンSL1・SL4は信号基板261・264上に配置され、信号基板261・264はセラミックス基板21上にハンダ付けなどによって接続されている。
【0122】
信号基板261・264は、セラミックス基板で形成可能である。セラミックス基板は、例えば、Al2O3、AlN、SiN、AlSiC、若しくは、少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
【0123】
また、
図26〜
図27においては、図示を省略しているが、SiC MOSFETQ1・Q4のD1・S1間およびD4・S4間に、逆並列にダイオードが接続されていても良い。
【0124】
正側電力端子P・負側電力端子N、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびソースセンス端子SST1・SST4は、例えば、Cuで形成可能である。
【0125】
主配線導体である電極パターン25D1・25D4・25DNは、例えば、Cuによって形成可能である。
【0126】
ここで、
図26〜
図27に示された例では、2 in 1モジュールタイプのハーフブリッジ内蔵モジュールにおいて、電極パターン25D1が、ハイ(High)側デバイス(SiC MOSFETQ1)用のドレイン電極パターンとして機能する。
【0127】
また、電極パターン25D4が、ロウ(Low)側デバイス(SiC MOSFETQ4)用のドレイン電極パターンとして機能すると共に、ハイ側デバイス用のソース電極パターン(25S1)としても機能する。すなわち、ドレイン電極パターン25D4は、SiC MOSFETQ4のドレイン電極であると同時に、SiC MOSFETQ1のソース電極となる。
【0128】
さらに、負側電力端子Nに接続される電極パターン25DNが、ロウ側デバイス用のソース電極パターン(25S4)としても機能する。
【0129】
すなわち、実施の形態に係るPM1においては、
図26〜
図27に示すように、SiC MOSFETQ1は電極パターン25D1上に搭載されて、ドレインD1が電極パターン25D1と接続されると共に、ソースS1がリードフレームSM1を介して電極パターン25D4と接続される。同様に、SiC MOSFETQ4は電極パターン25D4上に搭載されて、ドレインD4が電極パターン25D4と接続されると共に、ソースS4がリードフレームSM4を介して電極パターン25DNと接続される。
【0130】
なお、以下の説明では、ソースパッド電極SP1とリードフレームSM1との接合部をデバイス側接合部(第1接合部)DCとし、デバイス側接合部DCと離隔し、デバイス側接合部DCよりも発熱の影響が小さくて相対的に温度が低いリードフレームSM1とソース電極パターン25S1との接合部を、ランド側接合部(第2接合部)SCとする。
【0131】
図26〜
図27に示すように、実施の形態に係るPM1にあっては、ランド側接合部SC側において、リードフレームSM1をソース信号電極パターンSL1に接続するソースセンス用ボンディングワイヤ(第1ボンディングワイヤ)SSW1と、ランド側接合部SCに対向するデバイス側接合部DC側において、ゲートパッド電極GP1をゲート信号電極パターンGL1に接続するゲート信号用ボンディングワイヤ(第2ボンディングワイヤ)GW1とを備える。
【0132】
同様に、ランド側接合部SC側において、リードフレームSM4をソース信号電極パターンSL4に接続するソースセンス用ボンディングワイヤ(第1ボンディングワイヤ)SSW4と、ランド側接合部SCに対向するデバイス側接合部DC側において、ゲートパッド電極GP4をゲート信号電極パターンGL4に接続するゲート信号用ボンディングワイヤ(第2ボンディングワイヤ)GW4とを備える。
【0133】
実施の形態に係るPM2であって、シックスインワン(6 in 1)モジュールの模式的鳥瞰パターン構成は、
図28に示すように表わされる。
【0134】
なお、実施の形態に係るPM2は、PM1を3個、共通のセラミックス基板21A上に並列に配置し、6 in 1モジュールタイプのスイッチングモジュールを構成した場合の例である。
【0135】
ここで、6 in 1モジュールタイプのスイッチングモジュールの場合、基本的な構造は、1 in 1モジュールタイプのPMや2 in 1モジュールタイプのPMと同様である。すなわち、実施の形態に係るPM2であって、6 in 1モジュールタイプのスイッチングモジュールは、
図28に示すように、2 in 1モジュールタイプのPM11・12・13を備える。
【0136】
PM11は、半導体デバイスとして、例えばSiC MOSFETQ1・Q4を搭載し、PM12は、例えばSiC MOSFETQ2・Q5を搭載し、PM13は、例えばSiC MOSFETQ3・Q6を搭載し、PM11・12・13はPM1と同様であり、詳しい説明は省略する。
【0137】
なお、実施の形態に係るPM2であって、6 in 1モジュールタイプのスイッチングモジュールは、例えば、2 in 1モジュールタイプのPM11・12・13を、図示省略の共通のモールド樹脂またはケースによって一体的に封止してなる構成を備える。
【0138】
すなわち、6 in 1モジュールタイプのスイッチングモジュール(実施の形態に係るPM2)においては、PM11・12・13を共通のセラミックス基板21A上に並列に配置して一体型のパッケージ(図示省略の樹脂モールド層)として封止すると共に、裏面電極パターン23Rを共通化(一体化)することが可能である。
【0139】
若しくは、個別のモールド樹脂またはケースによって別体として封止した2 in 1モジュールタイプのPM11・12・13を、さらに共通のセラミックス基板21A上に並列に配置して、6 in 1モジュールタイプのスイッチングモジュールとすることも可能である。
【0140】
このような実施の形態に係るPM2の構成(6 in 1モジュールタイプのスイッチングモジュール)とした場合にも、
図28に示すように、PM11・12・13において、ソースパッド電極SP1・SP4、SP2・SP5、SP3・SP6とソース電極パターン25S1(25D4)・25S4(25DN)、25S2(25D5)・25S5(25DN)、25S3(25D6)・25S6(25DN)との間に接続されるリードフレームSM1・SM4、SM2・SM5、SM3・SM6と、ランド側接合部SCのリードフレームSM1・SM4、SM2・SM5、SM3・SM6とソース信号電極パターンSL1・SL4、SL2・SL5、SL3・SL6との間を接続するソースセンス用ボンディングワイヤSSW1・SSW4、SSW2・SSW5、SSW3・SSW6とを備えることにより、高温になる動作によるワイヤ接続への熱の影響を軽減でき、ワイヤ接続性に対する高耐熱化および信頼性を向上させることが可能となる。
【0141】
なお、ソースセンス用ボンディングワイヤSSW1・SSW4、SSW2・SSW5、SSW3・SSW6は、ランド側接合部SC側において、ソース電極パターン25S1(25D4)・25S4(25DN)、25S2(25D5)・25S5(25DN)、25S3(25D6)・25S6(25DN)と接続されても良い。
【0142】
[別の実施の形態2]
実施の形態に係るPM1であって、ワイヤボンディングおよび樹脂モールド前の模式的鳥瞰パターン構成は
図29(a)に示すように表わされ、模式的平面パターン構成は
図29(b)に示すように表わされる。なお、
図29(a)および
図29(b)は、PM1における半導体デバイスの配置の具体例を示すものであって、半導体デバイスQとして、SiC MOSFETQ1・Q4を適用した、2 in 1モジュールタイプのハーフブリッジ内蔵モジュールが例示されている。
【0143】
すなわち、実施の形態に係るPM1は、直列接続された2個のSiC MOSFETQ1・Q4が、1つのモジュールに内蔵されたハーフブリッジ内蔵モジュールの構成を備える。
【0144】
実施の形態に係るPM1は、図示省略の樹脂モールド層に被覆されたセラミックス基板21の第1の辺に配置された正側電源入力端子電極(正側電力端子)Pおよび負側電源入力端子電極(負側電力端子)Nと、第1の辺に隣接する第2の辺に配置されたゲート端子GT1(ゲートG1)・ソースセンス端子SST1(ソースS1)と、第1の辺に対向する第3の辺に配置された出力端子電極(出力端子)Oと、第2の辺に対向する第4の辺に配置されたゲート端子GT4(ゲートG4)・ソースセンス端子SST4(ソースS4)とを備える。
【0145】
なお、実施の形態に係るPM1は、2個の出力端子Oを備えた4電力端子構造のパワーモジュールとなっている。
【0146】
ここで、
図29(a)および
図29(b)に示すように、2個(組)のSiC MOSFETQ1・Q4はそれぞれ3個のデバイス(チップ)を備え、SiC MOSFETQ1の各チップは、ゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1に共通に接続(GT1の接続は未表示)され、SiC MOSFETQ4の各チップは、ゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4に共通に接続(GT4の接続は未表示)される。
【0147】
ゲート端子GT1・ソースセンス端子SST1は、SiC MOSFETQ1のゲート信号電極パターンGL1・ソース信号電極パターンSL1に接続され、ゲート端子GT4・ソースセンス端子SST4は、SiC MOSFETQ4のゲート信号電極パターンGL4・ソース信号電極パターンSL4に接続される。
【0148】
図29(a)および
図29(b)に示すように、ゲート信号電極パターンGL1・GL4およびソース信号電極パターンSL1・SL4には、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびソースセンス端子SST1・SST4がハンダ付けなどによって接続される。
【0149】
なお、
図29(a)および
図29(b)に示すように、ゲート信号電極パターンGL1・GL4およびソース信号電極パターンSL1・SL4は信号基板261・264上に配置され、信号基板261・264はセラミックス基板21上にハンダ付けなどによって接続されていても良い。
【0150】
信号基板261・264は、セラミックス基板で形成可能である。セラミックス基板は、例えば、Al2O3、AlN、SiN、AlSiC、若しくは、少なくとも表面が絶縁性のSiCなどで形成されていても良い。
【0151】
また、
図29(a)および
図29(b)においては図示を省略しているが、SiC MOSFETQ1・Q4のドレインD1・ソースS1間およびドレインD4・ソースS4間に、逆並列にダイオード(DI1・DI4)が接続されていても良い。
【0152】
正側電力端子P・負側電力端子N、外部取り出し用のゲート端子GT1・GT4およびソースセンス端子SST1・SST4は、例えば、Cuで形成可能である。
【0153】
主配線導体である表面電極パターン23(23D1・23D4・23DN)は、例えば、Cuによって形成可能である。
【0154】
ここで、
図29(a)および
図29(b)に示された例では、2 in 1モジュールタイプのハーフブリッジ内蔵モジュールにおいて、表面電極パターン23D1が、ハイ(High)側デバイス(SiC MOSFETQ1)用のドレイン電極パターンとして機能する。
【0155】
また、表面電極パターン23D4が、ロウ(Low)側デバイス(SiC MOSFETQ4)用のドレイン電極パターンとして機能すると共に、ハイ側デバイス用のソース電極パターン(23S1)としても機能する。つまり、ドレイン電極パターン23D4は、SiC MOSFETQ4のドレイン電極であると同時に、SiC MOSFETQ1のソース電極となる。
【0156】
さらに、負側電力端子Nに接続される表面電極パターン23DNが、ロウ側デバイス用のソース電極パターン(23S4)として機能する。
【0157】
すなわち、実施の形態に係るPM1においては、
図29(a)および
図29(b)に示すように、SiC MOSFETQ1は表面電極パターン23D1上に搭載されて、ドレインD1が表面電極パターン23D1と接続されると共に、ソースS1がボンディングワイヤ(図示省略のソース信号用ボンディングワイヤ)を介して表面電極パターン23D4と接続される。
【0158】
同様に、SiC MOSFETQ4は表面電極パターン23D4上に搭載されて、ドレインD4が表面電極パターン23D4と接続されると共に、ソースS4がボンディングワイヤ(図示省略のソース信号用ボンディングワイヤ)を介して表面電極パターン23DNと接続される。
【0159】
また、実施の形態に係るPM1にあっては、図示していないが、SiC MOSFETQ1のソースセンスパッド電極をソース信号電極パターンSL1に接続するソースセンス用ボンディングワイヤと、ゲートパッド電極をゲート信号電極パターンGL1に接続するゲート信号用ボンディングワイヤとを備える。
【0160】
同様に、図示していないが、SiC MOSFETQ4のソースセンスパッド電極をソース信号電極パターンSL4に接続するソースセンス用ボンディングワイヤと、ゲートパッド電極をゲート信号電極パターンGL4に接続するゲート信号用ボンディングワイヤとを備える。
【0161】
つまり、SiC MOSFETQ1・Q4の各ソース信号電極パターンSL1・SL4には、ソースセンスパッド電極を接続するための、ソースセンス用ボンディングワイヤがウエッジボンディングされる。
【0162】
実施の形態に係るPM1は、
図29(a)および
図29(b)に示すように、セラミックス基板21と、セラミックス基板21の上面(第1面)に配置されたグラファイト基板18GHと、グラファイト基板18GH上に配置された表面電極パターン(第2電極パターン)23D1・23D4・23DNと、セラミックス基板21の下面(第2面)に配置された裏面電極パターン(第1電極パターン)(図示省略)とを備えるグラファイト絶縁基板と、表面電極パターン23D1・23D4上に図示矢印X方向に沿って並べて配置された複数のSiC MOSFETQ1・Q4とを備える。
【0163】
実施の形態に係るPM1において、グラファイト基板18GHのGH(YZ)配向は、複数のSiC MOSFETQ1・Q4の配置のX方向にほぼ直交する、Y方向にほぼ一致する配向方向TDとされる。つまり、X方向に並べて配置されるSiC MOSFETQ1・Q4の、GH(YZ)の配向方向TDに対する並びの方向PD1のずれの許容量(許容されるずれ量)は、X方向に対応する配向方向PDを基準とし、グラファイト基板18GHの平面(基板面)上において、時計方向に約−45度以上+45度以下の角度θの範囲、好ましくは、約−30度以上+30度以下の角度θの範囲とされる。
【0164】
なお、
図29(a)および
図29(b)において、半導体デバイスQがSiC MOSFETの場合、GT1・GT4は、SiC MOSFETQ1・Q4のゲート信号用のリード端子(いわゆる、ゲート端子)であり、SST1・SST4は、SiC MOSFETQ1・Q4のソース信号用のリード端子(いわゆる、ソースセンス端子)である。
【0165】
これに対し、IGBTの場合には、GT1・GT4は、IGBTQ1・Q4のゲート信号用のリード端子となり、SST1・SST4は、IGBTQ1・Q4のエミッタ信号用のリード端子となる。
【0166】
実施の形態に係るPM1によれば、グラファイト基板18GHを適用したグラファイト絶縁基板の採用により、複数の半導体デバイスQの配置の方向PD1を、グラファイト基板18GHのGH(XZ)・GH(YZ)配向の配向方向TDにほぼ直交する熱伝導率の相対的に低い配向方向PDにより近似させることによって、高い熱拡散効果が期待できる。
【0167】
すなわち、実施の形態に係るPM1によっても、熱拡散性が良好で、構造的にも簡素であり、安価で、より低熱抵抗化が可能なパワーモジュールとすることができる。
【0168】
なお、2 in 1モジュールタイプのPM1としては、ソース電極パターンを半導体デバイスQ1・Q4の上方に備える構造のものにも適用可能であり、また、2 in 1モジュールタイプのものに限定されるものでもない。
【0169】
実施の形態に係るPM1の模式的鳥瞰パターン構成は
図30(a)に示すように表わされ、模式的平面パターン構成は
図30(b)に示すように表わされる。なお、
図30(a)および
図30(b)では、3電力端子構造のPM1に適用した場合が例示されている。
【0170】
ここで、
図30(a)および
図30(b)に示すように、実施の形態に係るPM1は、電力端子構造を除けば、実施の形態に係るPM1とほぼ同一の構成を備える。
【0171】
すなわち、実施の形態に係るPM1は、
図30(a)および
図30(b)に示すように、セラミックス基板21と、セラミックス基板21の上面(第1面)に配置されたグラファイト基板18GHと、グラファイト基板18GH上に配置された表面電極パターン(第2電極パターン)23D1・23D4・23DNと、セラミックス基板21の下面(第2面)に配置された裏面電極パターン(第1電極パターン)(図示省略)とを備えるグラファイト絶縁基板と、表面電極パターン23D1・23D4上に図示矢印X方向に沿って並べて配置された複数の半導体デバイス(モジュール)Q1・Q4とを備える。
【0172】
実施の形態に係るPM1において、グラファイト基板18GHの配向方向TDにおけるGH(YZ)配向は、複数の半導体デバイスQ1・Q4のX方向に沿う配向方向PDにほぼ直交する方向とされる。
【0173】
図30(a)および
図30(b)において、Pは、正側電源入力端子電極であり、Nは、負側電源入力端子電極であり、Oは、出力端子電極であり、1個の出力端子電極Oを備えた3電力端子構造のPMとなっている。
【0174】
なお、
図30(a)および
図30(b)において、GL1は、SiC MOSFETQ1のゲート信号用のリード端子(図示省略)が接続されるゲート信号電極パターンであり、SL1は、SiC MOSFETQ1のソース信号用のリード端子(図示省略)が接続されるソース信号電極パターンである。同様に、GL4は、SiC MOSFETQ4のゲート信号用のリード端子(図示省略)が接続されるゲート信号電極パターンであり、SL4は、SiC MOSFETQ4のソース信号用のリード端子(図示省略)が接続されるソース信号電極パターンである。
【0175】
また、図中におけるBW1は、SiC MOSFETQ1のソースパッド電極をソース電極としても機能する表面電極パターン23D4に共通に接続するためのソース信号用ボンディングワイヤであり、BW4は、SiC MOSFETQ4のソースパッド電極をソース電極としても機能する表面電極パターン23DNに共通に接続するためのソース信号用ボンディングワイヤである。
【0176】
実施の形態に係るPM1によっても、グラファイト基板18GHの基板面上、複数の半導体デバイスQ1・Q4の配置の方向PD1を、グラファイト基板18GHのGH(YZ)配向に対応する配向方向(Y方向)TDにほぼ直交する配向方向(X方向)PDとすることにより、熱拡散性が良好で、構造的にも簡素であり、安価で、より低熱抵抗化が可能となる。
【0177】
以上説明したように、本実施の形態によれば、反りを抑制することができるパワーモジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0178】
[その他の実施の形態]
上記のように、いくつかの実施の形態について記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0179】
このように、本実施の形態は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。