(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、永久磁石を周方向に間隔をあけて配置する場合、永久磁石を傾斜させた状態で、ヨークの内周面に高い位置精度で固定しにくい可能性があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、永久磁石をヨークに高い位置精度で固定し、モータの高性能化を図りつつ、コギングトルクを抑えて作動音の増加を抑えることのできる電動モータ、及び減速機付モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の電動モータは、筒状部、及び前記筒状部の一端側に形成された底壁部を有した有底筒状のヨークと、前記ヨークの前記筒状部の中心軸周りの周方向に間隔をあけて複数配置され、それぞれ前記ヨークの前記筒状部の内周面に沿って配設された永久磁石と、前記ヨークの前記筒状部の径方向内側に配置され、前記中心軸周りに回転自在に設けられた回転軸に固定されたコアと、前記コアに巻回されたコイルと、前記ヨークの内側に固定され、前記永久磁石の前記中心軸方向の一端部に対し、前記中心軸方向の他端部が前記周方向にオフセットして位置するよう、前記永久磁石のそれぞれを前記中心軸に対して傾斜して保持することで、複数の前記永久磁石をスキュー配置とする磁石保持部を有するホルダー部材と、を備え
、前記ホルダー部材は、前記ヨークの前記底壁部に沿う基部と、前記ヨークの内側に圧入される圧入部と、前記ヨークの内周面との間に隙間を隔てて配置される前記磁石保持部と、を一体に備え、前記圧入部は、前記磁石保持部とは独立して形成され、前記基部から前記筒状部の内周面に沿って延びるアーム部と、前記アーム部において前記筒状部の内周面に対向する側に突出して形成された突出部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、永久磁石をホルダー部材の磁石保持部によって、ヨークの中心軸に対して傾斜して保持することで、スキュー配置とする複数の永久磁石を高精度にヨークに固定することができる。
また、圧入部がヨークの内側に圧入されることで、ホルダー部材がヨークに固定される。これにより、ホルダー部材をヨークに圧入するのみで装着でき、組立を容易に行うことができる。また、磁石保持部はヨークの内周面との間に隙間を隔てて配置されるので、ヨークの内周面との接触によって磁石保持部が変形して永久磁石の位置がずれるのを抑えることができる。
さらに、アーム部に形成された突出部がヨークの筒状部の内周面に突き当たることで、アーム部が径方向内側に弾性変形する。これによって、突出部と筒状部の内周面との間での摩擦力が強まり、ホルダー部材を、より確実にヨークに固定することができる。
【0010】
また、本発明の電動モータは、前記永久磁石は、矩形平板状をなし、前記磁石保持部は、前記永久磁石において互いに隣り合う2辺に沿う磁石支持面を有しているのが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、磁石支持面で、矩形平板状をなした永久磁石の互いに隣り合う2辺を支持することで、永久磁石をヨークの中心軸に対して傾斜させた状態で、容易かつ確実に保持することができる。
【0016】
また、本発明の電動モータは、前記ヨークの底壁部に、前記筒状部の他端側に向かって突出する凸部が形成され、前記ホルダー部材の前記基部に、前記凸部に嵌め合う孔または凹部が形成されている。
【0017】
このような構成によれば、ホルダー部材の基部に形成された孔または凹部を底壁部の凸部に嵌め合わせることで、ホルダー部材をヨークの中心軸に対して高精度に位置決めすることができる。これによって、ホルダー部材で保持される永久磁石を、ヨークに対して高精度に位置決めすることができる。
【0018】
また、本発明の電動モータは、前記ヨークの前記筒状部は、前記中心軸方向から見て3以上の角部を有した多角形状をなし、前記圧入部は、前記筒状部の角部の内周面に突き当たるよう配置されている。
【0019】
このような構成によれば、ホルダー部材の圧入部を多角形状のヨークの角部に突き当てることで、ヨークの中心軸周りの周方向において、ホルダー部材を高精度かつ強固に位置決めすることができる。
【0020】
また、本発明の電動モータは、前記ヨークが、前記底壁部の外周部と前記筒状部との間に、前記底壁部の外周部から前記筒状部の他端側に向かって径方向外側に漸次立ち上がる湾曲部を有し、前記ホルダー部材は、前記基部の外周部が前記湾曲部の内周面に沿うことで、前記ヨークに対して位置決めされているようにしてもよい。
【0021】
このような構成によれば、ヨークの底壁部の外周部と筒状部との間の湾曲部に、ホルダー部材の基部の外周部を沿わせることで、ホルダー部材をヨークに対して高精度かつ強固に位置決めすることができる。
【0022】
また、本発明の電動モータは、前記ホルダー部材の前記基部に、前記基部の厚み方向に突出する補強リブが一体に形成されているようにしてもよい。
【0023】
このような構成によれば、ホルダー部材の基部に補強リブを形成することで、基部の強度を高めるとともに、基部の共振周波数をずらすことができる。これにより、電動モータの作動時における作動音の発生を、より有効に抑えることができる。
【0024】
また、本発明の減速機付モータは、ウォームギアが設けられた回転軸と、前記回転軸を中心軸回りに回転駆動する上記したような電動モータと、前記ウォームギアに噛み合うウォームホイール、及び前記ウォームホイールの回転が伝達されて外部に回転力を出力する出力ギア、を少なくとも含む減速機部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、スキュー配置とする複数の永久磁石を、高精度にヨークに固定することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、永久磁石をヨークに高い位置精度で固定し、モータの高性能化を図りつつ、コギングトルクを抑えて作動音の増加を抑えることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施形態に係る電動モータ、及び減速機付モータについて、図面を参照して説明をする。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、減速機付モータ1の外観を示す斜視図である。
図2は、減速機付モータ1の部品構成を示す斜視展開図である。
図3は、減速機付モータ1の内部構成を示す斜視図である。
【0030】
(減速機付モータ)
図1、
図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば、車両(固定対象)のパワーウィンドウ装置等に用いられるものであって、ケーシング10と、ケーシング10の一端側に設けられたモータ部(電動モータ)30と、モータ部30に連結され、ケーシング10内に収容された減速機部60と、を備えている。
【0031】
(ケーシング)
図3に示すように、ケーシング10は、その一面側に、減速機部60を収容する収容凹部11が形成されている。収容凹部11は、ケーシング10の天面部10tから天面部10tに対向する背面部10bに向かって窪んでいる。収容凹部11は、後述する回転軸61を収容する軸収容溝12と、ウォームホイール収容部13と、を主に備えている。
【0032】
ここで、軸収容溝12は、収容凹部11の底面11b(
図2参照)に沿って一方向に延びるよう形成されている。軸収容溝12の中心軸方向両端部には、ベアリング収容凹部15A,15Bが形成されている。
ウォームホイール収容部13は、軸収容溝12の軸方向に直交する一方の側に形成されている。
また、ケーシング10の外周部には、モータ部30の一部を収容するモータ収容部16が形成されている。
ケーシング10の天面部10tには、収容凹部11を覆う板状のカバー8が装着される。
【0033】
(減速機部)
図2に示すように、減速機部60は、回転軸61と、回転軸61の回転を受けて回転するウォームギア62と、ウォームギア62に噛合うウォームホイール63と、ウォームホイール63の回転を受けて回転するピニオンギア64と、ウォームホイール63とピニオンギア64と連結、遮断するフェーシング部材65、及びロックプレート66と、ピニオンギア64等を回転自在に支持するシャフト部材67と、ピニオンギア64に噛合うスパーギア71と、スパーギア71の回転を受けて回転する出力ギア72と、これらスパーギア71と出力ギア72とを回転自在に支持する支軸部材70と、を主に備えている。
【0034】
回転軸61には、その中心軸方向に間隔をあけた2個所に、円環状の軸受68A,68Bが外嵌されている。軸受68A,68Bは、いわゆる転がり軸受からなり、ケーシング10に形成されたベアリング収容凹部15A,15Bに嵌合されている。
回転軸61の一端は、モータ収容部16側に突出し、モータ部30のアーマチュア32及びコンミテータ35が設けられている。
【0035】
ウォームギア62は、軸受68A,68Bの中間部において、回転軸61に外嵌されている。ウォームギア62は、軸収容溝12内に配置されている。
【0036】
ウォームホイール63は、略円板状に形成されたものであって、外周面にウォームギア62に噛合うギア歯63gが形成されている。ピニオンギア64は、ウォームホイール63の径方向中央に係合されている。
ピニオンギア64、ウォームホイール63、ロックプレート66、及びフェーシング部材65は、積層された状態でウォームホイール収容部13内に収容されている。そして、ウォームホイール収容部13内にピニオンギア64側から、シャフト部材67が挿通される。これにより、ピニオンギア64、ウォームホイール63、ロックプレート66、及びフェーシング部材65は、シャフト部材67回りに回転自在に支持される。
ウォームホイール63、及びピニオンギア64は、モータ部30により回転軸61がその中心軸回りに回転駆動されると、シャフト部材67回りに回転する。
【0037】
支軸部材70は、板状のプレート部70aと、プレート部70aの一面側から直交して延びる軸70sと、を一体に備えている。支軸部材70は、ケーシング10の収容凹部11の開口部に、プレート部70aが軸収容溝12を跨ぐように設けられる。
【0038】
スパーギア71は、略円板状に形成され、その外周面にピニオンギア64のギア部64bに噛み合うギア歯71gが形成されている。
出力ギア72は、スパーギアの径方向中央に装着されている。出力ギア72は、歯車状のギア部72gを一体に備えている。
これらのスパーギア71及び出力ギア72は、支軸部材70の軸70s回りに回転自在に設けられている。
【0039】
このような減速機部60は収容凹部11内に収容され、
図1に示すように、出力ギア72の一部を除き、ケーシング10に装着されるカバー8によって覆われる。出力ギア72のプレート部72a及びギア部72gは、カバー8に形成された略円形の開口部8hからカバー8の外部に露出されている。そして、ギア部72gに、不図示のパワーウィンドウ装置等が連結される。
【0040】
(モータ部)
モータ部30としては、例えば、ブラシ付直流モータなどが用いられ、後に詳述するヨーク20と、ヨーク20に固定された永久磁石24と、ヨーク20に対して回転自在に設けられたアーマチュア32と、アーマチュア32のコンミテータ35に摺接する一対のブラシ43,43を保持したブラシホルダ40と、を主に備えている。
【0041】
アーマチュア32は、アーマチュアコア(コア)33と、アーマチュアコイル(コイル)34と、を有している。
アーマチュアコア33は、ヨーク20の径方向内側に、永久磁石24との間に径方向に隙間を隔てて配置されている。アーマチュアコア33は、回転軸61の一端の径方向外側に外嵌固定されている。アーマチュアコア33にエナメル被覆の巻線が巻装されることで、アーマチュアコア33の外周に複数のアーマチュアコイル34が形成される。
【0042】
コンミテータ35は、円柱状をなし、回転軸61に外嵌固定されている。
ブラシホルダ40は、板状のサポートプレート41と、サーミスタ42と、コンミテータ35のセグメントに摺接する一対のブラシ43,43と、を備えている。ブラシホルダ40は、ケーシング10の外周面に設けられたモータ収容部16内に圧入される。
【0043】
(ヨーク)
図4は、ヨーク20の内部構成を示す斜視図である。
図5は、ヨーク20の形状を示す斜視図である。
図4、
図5に示すように、ヨーク20は、有底円筒状で、筒状部21と、底壁部22と、筒状部21の他端側に形成されたフランジ部23と、を一体に有している。
筒状部21は、中心軸方向から見て、例えば6つの角部21cを有した六角形状(多角形状)をなしている。すなわち、筒状部21は、6つの平面部21dを有し、周方向で互いに隣り合う平面部21d同士の間には、所定の曲率で湾曲した角部21cが形成されている。
【0044】
図5に示すように、底壁部22は、筒状部21の一端側に形成され、筒状部21の一端側を塞ぐよう設けられている。底壁部22は、断面六角形状の筒状部21に対応して、六角形状をなしている。
【0045】
フランジ部23は、筒状部21の他端側から径方向外側に延びるよう形成されている。
図3に示すように、ヨーク20は、ケーシング10の外周面に設けられたモータ収容部16の端部にフランジ部23を突き当てて、図示しないビス等で固定されている。
【0046】
また、ヨーク20は、底壁部22の外周部と筒状部21との間に、底壁部22の外周部から筒状部21の他端側に向かって径方向外側に漸次立ち上がる湾曲部25を有している。
【0047】
図6は、ヨーク20の内側に、ホルダー部材50を介して永久磁石24を取り付けた状態を示す斜視図である。
同図に示すように、永久磁石24は、筒状部21の平面部21dの内周面21fに沿って、ヨーク20の中心軸周りの周方向に複数が設けられている。各永久磁石24は、矩形平板状をなしている。各永久磁石24は、ホルダー部材50によって、中心軸方向の一端部24aに対し、中心軸方向の他端部24bが周方向にオフセットして位置するよう、ヨーク20の中心軸に対して傾斜して保持されている。これにより、周方向に複数が設けられた永久磁石24は、いわゆるスキュー配置とされている。
【0048】
図7は、ホルダー部材50の外観を示す斜視図である。
図8は、ホルダー部材50を
図7とは異なる角度から見た斜視図である。
図7、
図8に示すように、ホルダー部材50は、基部51と、基部51の外周部51sから立ち上がり形成された圧入部52、及び磁石保持部53と、を一体に備えている。
基部51は、ヨーク20の底壁部22に沿うよう板状に形成されている。基部51は、ヨーク20の底壁部22の形状に応じて、多角形状に形成されている。また、基部51の外周部51sは、ヨーク20の底壁部22の外周部と筒状部21との間の湾曲部25に沿わせるように形成されている。
ここで、
図5、
図6に示すように、ヨーク20の底壁部22には、筒状部21の他端側に向かって突出する凸部26が形成されている。これに対し、
図6〜
図8に示すように、ホルダー部材50の基部51に、凸部26に嵌め合う孔または凹部55が形成されている。
【0049】
圧入部52は、基部51から筒状部21の内周面21fに沿って、筒状部21の中心軸方向に延びるアーム部52aと、アーム部52aにおいて筒状部21の内周面21fに対向する側に突出して形成された突出部52bと、を一体に有している。
【0050】
図6に示すように、圧入部52は、ヨーク20の内側に圧入される。この圧入部52は、アーム部52aに形成された突出部52bがヨーク20の筒状部21の内周面21fに突き当たることで、アーム部52aが径方向内側に弾性変形する。これによって、突出部52bと筒状部21の内周面21fとの間での摩擦力が強まり、ホルダー部材50を、より確実にヨーク20に固定する。
【0051】
また、
図7、
図8に示すように、圧入部52は、磁石保持部53との間にスリット54が形成されることで、磁石保持部53とは独立して形成されている。
このような圧入部52は、
図6に詳示するように、周方向に複数が設けられ、それぞれが筒状部21の角部21cの内周面21fに対向するよう配置されている。
【0052】
磁石保持部53は、筒状部21の平面部21dの内周面21fとの間に隙間を隔てて配置される。
図7、
図8に示すように磁石保持部53は、磁石支持面53f,53gを有している。磁石支持面53f,53gは、ヨーク20の中心軸に対し、それぞれ傾斜するとともに、互いに直交して形成されている。磁石支持面53f,53gは、永久磁石24において互いに隣り合う2辺24e,24fを支持することで、永久磁石24を、ヨーク20の中心軸に対して傾斜して支持する。
【0053】
このように、永久磁石24を、ホルダー部材50の磁石保持部53によって、ヨーク20の中心軸に対して傾斜して保持する。これによって、スキュー配置とする複数の永久磁石24が、高精度に傾斜した状態で固定される。
具体的には、磁石支持面53f,53gで、矩形平板状をなした永久磁石24の互いに隣り合う2辺を支持することで、永久磁石24が、ヨーク20の中心軸に対して傾斜した状態で保持される。
【0054】
(減速機モータの動作)
減速機付モータ1のモータ部30を駆動させると、回転軸61、及びウォームギア62を介してウォームホイール63が回転する。すると、ウォームホイール63とともに、出力ギア72が回転し、出力ギア72のギア部72gから、ウィンドウガラスを開閉動作させる駆動力が外部に出力される。
ここで、減速機部60は、ウォームギア62とウォームホイール63との噛み合い、ピニオンギア64とスパーギア71との噛み合いによって、2段階に減速される。
【0055】
このように、上述の第1の実施形態のモータ部30及び減速機付モータ1は、筒状部21、及び筒状部21の一端側に形成された底壁部22を有した有底筒状のヨーク20と、ヨーク20の筒状部21の中心軸周りの周方向に間隔をあけて複数配置され、それぞれヨーク20の筒状部21の内周面21fに沿って配設された永久磁石24と、ヨーク20の筒状部21の径方向内側に配置され、中心軸周りに回転自在に設けられた回転軸61に固定されたアーマチュアコア33と、アーマチュアコア33に巻回されたアーマチュアコイル34と、ヨーク20の内側に固定され、永久磁石24の中心軸方向の一端部24aに対し、中心軸方向の他端部24bが周方向にオフセットして位置するよう、永久磁石24のそれぞれを中心軸に対して傾斜して保持することで、複数の永久磁石24をスキュー配置とする磁石保持部53を有するホルダー部材50と、を備える。
【0056】
このような構成によればホルダー部材50の磁石保持部53によって、永久磁石24をヨーク20の中心軸に対して傾斜して保持することで、スキュー配置とする複数の永久磁石24を、高精度にヨーク20に固定することができる。したがって、永久磁石24をヨーク20に高い位置精度で固定し、モータ部30の高性能化を図りつつ、コギングトルクを抑えて作動音の増加を抑えることが可能となる。
【0057】
また、永久磁石24は、矩形平板状をなし、磁石保持部53は、永久磁石24において互いに隣り合う2辺に沿う磁石支持面53f,53gを有している。
このような構成によれば、永久磁石24を、ヨーク20の中心軸に対して傾斜した状態で、容易かつ確実に保持することができる。
【0058】
また、ホルダー部材50は、ヨーク20の底壁部22に沿う基部51と、ヨーク20の内側に圧入される圧入部52と、ヨーク20の内周面21fとの間に隙間を隔てて配置される磁石保持部53と、を一体に備えている。
このような構成によれば、圧入部52がヨーク20の内側に圧入されることで、ホルダー部材50がヨーク20に固定される。これにより、ホルダー部材50をヨーク20に圧入するのみで装着でき、組立を容易に行うことができる。また、磁石保持部53はヨーク20の内周面21fとの間に隙間を隔てて配置されるので、ヨーク20の内周面21fとの接触によって磁石保持部53が変形して永久磁石24の位置がずれるのを抑えることができる。
【0059】
また、圧入部52は、磁石保持部53とは独立して形成され、基部51から筒状部21の内周面21fに沿って延びるアーム部52aと、アーム部52aにおいて筒状部21の内周面21fに対向する側に突出して形成された突出部52bと、を備える。
このような構成によれば、アーム部52aに形成された突出部52bがヨーク20の筒状部21の内周面21fに突き当たることで、アーム部52aが径方向内側に弾性変形する。これによって、突出部52bと筒状部21の内周面21fとの間での摩擦力が強まり、ホルダー部材50を、より確実にヨーク20に固定することができる。
【0060】
また、モータ部30は、ヨーク20の底壁部22に、筒状部21の他端側に向かって突出する凸部26が形成され、ホルダー部材50の基部51に、凸部26に嵌め合う孔または凹部55が形成されている。
このような構成によれば、底壁部22の凸部26に、ホルダー部材50の基部51に形成された孔または凹部55を嵌め合わせることで、ホルダー部材50を、ヨーク20の中心軸に対して高精度に位置決めすることができる。これによって、ホルダー部材50で保持される永久磁石24を、ヨーク20に対して高精度に位置決めすることができる。
【0061】
また、ヨーク20の筒状部21は、中心軸方向から見て3以上の角部21cを有した多角形状をなし、圧入部52は、筒状部21の角部21cの内周面21fに位置するよう配置されている。
このような構成によれば、ホルダー部材50の圧入部52を、多角形状のヨーク20の角部21cに配置することで、ホルダー部材50を、ヨーク20の中心軸周りの周方向において、高精度、かつ強固に位置決めすることができる。
【0062】
また、モータ部30は、ヨーク20が、底壁部22の外周部と筒状部21との間に、底壁部22の外周部から筒状部21の他端側に向かって径方向外側に漸次立ち上がる湾曲部25を有している。ホルダー部材50は、基部51の外周部51sが湾曲部25の内周面21fに沿うことで、ヨーク20に対して位置決めされている。
このような構成によれば、ヨーク20の底壁部22の外周部と筒状部21との間の湾曲部25に、ホルダー部材50の基部51の外周部51sを沿わせることで、ホルダー部材50をヨーク20に対して、高精度かつ強固に位置決めすることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる電動モータ、減速機付モータの第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上述の第1の実施形態で示したモータ部30に対し、ホルダー部材50の基部51の構成が異なるのみである。このため、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図9は、本発明の第2の実施形態における電動モータのヨークの構成を示す図である。
図10は、ヨークの内側に装着されるホルダー部材の構成を示す斜視図である。
図9に示すように、ヨーク20の筒状部21の内周面21fには、ホルダー部材50Bを介して、複数の永久磁石24が、筒状部21の中心軸に対して傾斜して保持されている。
図10に示すように、ホルダー部材50Bは、ヨーク20の底壁部22に沿う基部51Bと、ヨーク20の内側に圧入される圧入部52と、ヨーク20の内周面21fとの間に隙間を隔てて配置される磁石保持部53と、を一体に備える。
【0065】
この実施形態において、ホルダー部材50Bの基部51Bには、基部51Bの厚み方向に突出する補強リブ57が一体に形成されている。この補強リブ57は、基部51Bに形成された孔又は凹部55の径方向外側に、同心状に形成された複数の環状リブ58と、径方向内側の環状リブ58から径方向外側に向かって延びる複数の径方向リブ59と、を備えている。
【0066】
このような構成によれば、ホルダー部材50Bの基部51Bに補強リブ57を形成することで、基部51Bの強度を高めるとともに、基部51Bの共振周波数をずらすことができる。
【0067】
図11は、上述の第1の実施形態におけるホルダー部材50を備えた場合の、1次〜4次の共振モードにおける共振周波数を示すものである。また、
図12は、上述の第2の実施形態におけるホルダー部材50Bを備えた場合の、1次〜4次の共振モードにおける共振周波数を示すものである。
これらの
図11、
図12に示すように、第1の実施形態における基部51の共振周波数(
図11参照)に対し、第2の実施形態における基部51Bの共振周波数(
図12参照)がずれていることが確認できる。
【0068】
このように、上述のモータ部30は、ホルダー部材50Bの基部51Bに、基部51Bの厚み方向に突出する補強リブ57が一体に形成されている。
このような構成によれば、ホルダー部材50Bの基部51Bに補強リブ57を形成することで、基部51Bの強度を高めるとともに、基部51Bの共振周波数をずらすことができる。これにより、モータ部30の作動時における作動音の発生を、有効に抑えることができる。
【0069】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、
図13、
図14に示すように、ヨーク20の底壁部22に、回転軸61の端部を回転自在に支持する軸受68Cを保持する環状凸部29を設けるようにしてもよい。
この場合、ホルダー部材50Cの基部51Cに形成された孔または凹部55に、環状凸部29を嵌め込むことで、ホルダー部材50Cの位置決めを図ることができる。
【0070】
また、上述の実施形態において、永久磁石24を、矩形平板状とした場合について説明した。しかしながら、永久磁石24は、平板状に限らない。例えば、永久磁石24を、ヨーク20の筒状部21の内周面21fに沿うよう湾曲した形状としてもよい。このような湾曲状の永久磁石24も、上述の第1、第2の実施形態で示したようなホルダー部材50、50B、50Cを用いることで、永久磁石24をヨーク20に高い位置精度で固定することができる。
【0071】
また、上述の実施形態では、減速機付モータ1を、パワーウィンドウ装置に適用した場合について説明した。しかしながら、これらに限られるものではなく、減速機付モータ1は、車両のワイパーアームの駆動源、ウィンドウレギュレーターやサンルーフ、電動シートなどの駆動源、さらには、車両以外の電装品など、さまざまな装置にも適用可能である。
さらに、モータ部30は、減速機付モータ1に限らず、他の様々な用途に用いることが可能である。すなわち、減速機部60を備えず、モータ部30単体を、様々な装置等に組み込んで用いることができる。
【0072】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上述の実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。